JP2001113464A - プラズマディスプレイパネルのリブ形成用サンドブラスト研削材及びリブ形成方法並びにリブ形成材料回収方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルのリブ形成用サンドブラスト研削材及びリブ形成方法並びにリブ形成材料回収方法

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JP2001113464A
JP2001113464A JP34727899A JP34727899A JP2001113464A JP 2001113464 A JP2001113464 A JP 2001113464A JP 34727899 A JP34727899 A JP 34727899A JP 34727899 A JP34727899 A JP 34727899A JP 2001113464 A JP2001113464 A JP 2001113464A
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abrasive
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sandblasting
forming
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Masaaki Asano
雅朗 浅野
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好なサンドブラスト性能が得られるととも
に、サンドブラスト廃材の再利用を可能とする。 【解決手段】 サンドブラスト研削材として、体積基準
の粒度分布において、累積%径がそれぞれD50=10〜
15μm、D90<25μm、且つD10>2μmの分布を
有する水溶性の無機酸塩を主成分とした水溶性粉体から
なる研削材を使用する。水溶性粉体であってしかも所定
の粒度分布を有するようにしたことにより、良好なサン
ドブラスト性能が得られるとともに、サンドブラスト廃
材中の研削材を水に溶解して容易に除去することができ
るので、サンドブラスト廃材の再利用が可能である上
に、サンドブラスト廃材の廃棄による環境問題も回避す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(以下、PDPと記す)の製造工程に関する
ものであり、詳しくはPDPの放電空間を構成するリブ
をサンドブラスト加工法により形成する技術分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、サンドブラスト加工法は、ガラ
ス、大理石、プラスチック、陶磁器、皮革、木質材等の
基材の表面に図柄を形成する加工方法の一つとして利用
されてきた。この加工法は、基材の表面にサンドブラス
ト用レジストを設け、レジストの露出部に研削材等を吹
き付けることで選択的に研削して図柄を形成する。そし
て、サンドブラスト用レジストとして耐サンドブラスト
性のある感光性樹脂を使用し、フォトリソグラフィー法
によりマスクパターンを形成した後、その露出部分に研
削材等を吹き付けて加工する方法は、微細加工ができる
ところから金属パターンと絶縁パターンが混在する回路
基板の形成、特にPDPの金属配線パターンやリブ、蛍
光体等の絶縁パターンの形成に利用されている。
【0003】ところで、PDPはガラス等の基板上にバ
リアリブ及びプライミングリブからなるセル構造又はラ
イン構造を形成し、そのセル構造内又はライン構造間に
電極、蛍光体層を設け、さらに放電ガスを封入した表示
素子を形成して製造されている。このようなセル構造又
はライン構造は、低融点ガラス粉末、耐火物フィラーな
どの無機粉末を主成分又は成分とし、これに適当なバイ
ンダー樹脂及び溶剤を添加してなるリブ形成用ペースト
を基板上に塗布して乾燥させることでリブ形成材料層と
し、その上に耐サンドブラスト性のある感光性樹脂組成
物層を設けた後、フォトリソグラフィー法でセル画定用
マスクにパターニングし、そのマスクを介してサンドブ
ラスト加工を行い、マスクを剥離除去してから焼成する
ことで形成されるが、そのサンドブラスト加工では、粒
度分布が2〜50μm程度のガラスビーズ、SiC、S
iO2 、Al2 3 、ZrO2 等の無機微粒子の研削材
が使用されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近ではPDPに対し
て、大型化、高精細化、高輝度化、長寿命化の要求が高
まってきている。これらの要求に対応するために、サン
ドブラスト加工法によってガラス等の基板上に低融点ガ
ラスのリブを形成することにより、リブ幅を狭くすると
ともに均一性を高め、蛍光体の塗布面積を拡大するよう
に開発が進められている。ちなみにPDPは、一例とし
てリブ幅が50μmほどで、リブの高さが150〜20
0μmで、リブ間の間隙が100μmほどである。これ
に伴って、サンドブラスト研削材として粒度分布が2〜
50μm程度の無機微粒子を使用していたのでは、品質
の高いリブが形成できずPDPの性能に大きな悪影響を
及ぼしていた。
【0005】また、上記のような無機微粉末の研削材を
使用すると、サンドブラスト加工時に研削材の微粉末と
ともにバリアリブ材の研削粉末が大量に発生し、両者の
分離が困難なことからそのまま廃材として廃棄するしか
ないが、これが環境上及びコスト面で大きな問題となっ
ていた。
【0006】そこで、サンドブラスト加工時に発生する
研削材とバリアリブ材の混合研削粉末の分離を容易にす
るため、研削材として水溶性粉体を用いることが提案さ
れている(例えば、特公平6−69668号、特公平7
−55451号、特願平9−198916号等参照)。
しかしながら、これらの研削材の粒度分布は1μm〜1
0mmと幅があり、PDPのリブ形成用サンドブラスト
研削材としては品質面で適切な粒度ではなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、良好なサンド
ブラスト性能が発揮できるような水溶性粉体を研削材と
して使用することとしている。そして、このような研削
材を用いてサンドブラスト加工を行うことで、ガラス基
板を始めとしてアドレス電極の表面の損傷を防止し、発
光輝度のばらつきや動作電圧のばらつきを防止した高品
質のPDPが得られるとともに、サンドブラスト廃材中
の研削材を容易に除去することができ、サンドブラスト
廃材の再利用が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係るPDPのリブ形成用
サンドブラスト研削材は、体積基準の粒度分布におい
て、累積%径がそれぞれD50=10〜15μm、D90
25μm、且つD10>2μmの分布を有する水溶性の無
機酸塩を主成分とした水溶性粉体からなるものである。
すなわち、水溶性の無機酸塩結晶を粉砕し、これを上記
粒度分布になるように分級したブラストメディアであ
る。ここで、累積10%径D10>2μmとは、体積累積
の10%に相当する径が2μmより大きいということで
あり、累積50%径D50=10〜15μmとは、体積累
積の50%に相当する径が10〜15μmということで
あり、累積%90径D90<25μmとは、体積累積の9
0%に相当する径が25μmより小さいということであ
る。
【0009】上記サンドブラスト研削材は、それを構成
する材料とともに、それが所定の粒度分布を有する粉砕
分級粉体であることが重要であり、さらにはそれが所定
の粉砕および分級の手段にて調整されたものであること
が好ましい。PDPの大型化、高精細化、高輝度化、長
寿命化の対応には、リブをいかに欠陥なく作製する或い
は欠陥予備軍を発生させないことと、ガラス基板を始め
としてアドレス電極の表面の損傷を防止することが重要
である。研削材の粒径が2μm未満の場合には、研削能
力が小さく、また25μmを越える場合、特に最大粒径
が40μmを超える場合には、リブ欠陥或いは欠陥予備
軍の発生が顕著になり、高品位リブの形成が困難にな
る。
【0010】上記サンドブラスト研削材の主成分となる
水溶性の無機酸塩としては、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸
塩、塩酸塩又はそれらの混合物が好ましい。陽イオンと
しては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属又は
アンモニウムなどが好ましく、例えば炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウムなどが好ま
しい。特に炭酸水素ナトリウムは、水溶液のpHが弱ア
ルカリ性でありかつ毒性が無いことから、使用後の廃棄
が容易であるので好ましい。
【0011】上記水溶性粉体の具体例としては、重曹、
硫酸ナトリウム、硼酸等の水溶性の物質からなる粉体が
挙げられる。
【0012】上記サンドブラスト研削材の原料成分は、
通常は粒度が大きい結晶粉末状態で入手されるが、これ
らは上記の粒径分布を有する粉体にするために、乾式の
粉砕機と乾式の分級機にかけられる。具体的には、乾式
の微粉砕機(例えば、ホソカワミクロン製「ACMパル
ベライザ」)を使用することで、所望の粒度分布以下の
粉体を必要以上に作製することなく、精度良く最大粒子
粉を保った粉体を高い回収率で得ることができる。さら
に、粒度を整えるために分級機(例えば、ホソカワミク
ロン製「ターボプレックス」)を使用して微粉をカット
することが好ましい。
【0013】また、従来研削材に用いられていた炭化硅
素、アルミナ、ガラスビーズの硬度はそれぞれモース硬
度13,12,6であるため、何れもガラス基板(モー
ス硬度6)やアドレス電極(モース硬度4)を傷つけて
しまうのに対し、本発明のサンドブラスト研削材を構成
する水溶性粉体は、硬度がモース硬度3〜5であるた
め、ガラス基板やアドレス電極を傷つけることがない。
【0014】本発明のサンドブラスト研削材を用いてP
DPのリブを形成するには通常の方法が採用される。ま
ず、基板上にリブペースト組成物を塗布して乾燥させる
ことでリブ形成材料層を形成し、その上に耐サンドブラ
スト性を有する感光性樹脂組成物層を設けた後、フォト
マスクを介して活性光線を選択的に照射し、続けて現像
することでサンドブラスト用のマスクパターンを形成
し、その露出部分のリブ形成材料層を上記の水溶性研削
材で研削する。この場合、通常のサンドブラスト法の場
合と同様、好ましくは噴射圧力1.0〜3.0kg/c
2 、噴射量5〜100g/minで噴射することによ
りサンドブラスト加工を行う。
【0015】そして、サンドブラスト加工時に生じた研
削材粒子とリブ形成材料の研削粉末との混合粉体を水洗
いすることにより、含有している水溶性の研削材粒子を
水に溶解させて除去するものである。
【0016】ここで、表1でAの分布を有する研削材
は、累積10%径D10が2μm程度の粒度分布を有して
おり、2μm以下の粒子径の研削材が10%存在してい
る。このような研削材でブラストによるリブ形成を行う
と、2μm以下の研削材が多く噴射された部分は、他と
比べてあまり研削されず、形成されたリブはその下方の
線幅が太くなるので、これによって面内でのムラが発生
するが、B,Cのように累積%10径D10が2μmを越
える粒度分布を有する研削材を使用するとこのムラが目
立たなくなる。
【0017】
【表1】
【0018】また、表2でAの分布を有する研削材は、
累積90%径D90が25μm程度の粒度分布を有してお
り、25μm以上の粒子径の研削材が10%存在してい
る。このような研削材でブラストによるリブ形成を行う
と、25μm以上の研削材が多く噴射された部分は、特
に40μm以上の研削材が当たると、リブ壁面にえぐら
れた部分が生じ、これが欠陥予備軍となり、焼成工程に
おいてリブ切れ、欠けの要因となる。これによって欠陥
が発生するが、B,Cのように累積90%径D 90が25
μm未満の粒度分布を有する研削材を使用するとこの欠
陥が目立たなくなる。
【0019】
【表2】
【0020】図1はリブ形成材料の回収フローの一例で
ある。リブ形成用ペーストは、低融点ガラス粉末、耐火
物フィラーなどの無機粉末を主成分又は成分とし、これ
に適当なバインダー樹脂及び溶剤を加えた組成のペース
トである。このペーストを製造するため、まず低融点ガ
ラス粉末、耐火物フィラー、顔料などを混合した無機粉
体をボールミルで粉砕してそれらの粒度を調整する。次
いで、粉砕した無機粉体を篩分けにかけて大サイズのも
のを除去し、乾燥させることでフリットを完成し、この
フリットにバインダー樹脂と溶剤を加えてインキ化する
ことでペーストとする。そして、前述のように、このリ
ブ形成用ペーストを基板上に塗布して乾燥させることに
よりリブ形成層を形成し、その上にサンドブラスト用マ
スクを重ねて形成した後、研削材を噴射ノズルから噴射
させてサンドブラスト加工を行う。サンドブラスト加工
時に生じる研削粉末は回収され、ブラスト付属のサイク
ロンにより粗粉側と微粉側とに分級される。そして、粗
粉側は研削材であるのでそのまま再使用される。一方、
微粉側は一部の研削材と、破砕された研削材と、基板か
ら研削されたリブ形成材料の破片とからなるが、さらに
分級により一部の研削材及び破砕された研削材と、リブ
材とに分け、リブ材の方は水洗浄により水に溶解させ、
乾燥させて再ペーストの作製に再利用する。また、図2
に示す回収フローではこのような分級を行わないでその
まま洗浄する。図1と図2のいずれの方法を採っても構
わないが、図1の方法では、分級して洗浄時の水溶性研
削材の量を減らすことができるので、水洗の負荷が減る
ものの分級工程が必要であり、図2の方法では、逆に分
級工程は必要ないものの洗浄に負荷がかかる。
【0021】再ペーストの作製に際しては、回収された
微粉側のリブ材には既に樹脂が混入しているので、ペー
スト化には樹脂量の調整も必要となる。したがって、再
ペーストの作製方法は新品とは異なり、乾燥後のリブ材
に不足成分のビヒクルとそれに対応する希釈溶剤を混合
してペースト化した後に、所定割合で新品ペーストを混
合する。
【0022】
【実施例】以下、PDPの基板上に高精細リブを形成す
る一連の工程を挙げて本発明の実施例を説明する。
【0023】(電極層の形成工程)平面的な大きさが1
000×600mmで厚さが2.8mmであるガラス基
板を用意し、その片側の表面に150μmの間隔で平行
なストライプ状をなす多数の電極をスクリーン印刷で形
成する。
【0024】(リブ形成材料層の形成工程)このガラス
基板の電極側の全表面に、セルロース系樹脂又はアクリ
ル系樹脂をバインダーとした低融点ガラスペーストをダ
イコーターで一括コーティングし、150℃で30分間
乾燥して固化させてリブ形成材料層を形成する。このよ
うに低融点ガラス層はセルロース系樹脂又はアクリル系
樹脂をバインダーとした低融点ガラスペーストから形成
したので、ブラスト加工による研削性(以下、ブラスト
性という)が極めて良好である。
【0025】(サンドブラスト用マスクの形成工程)リ
ブ形成材料層の全表面にドライフィルム(東京応化工業
(株)製「オーディルBF603」)をラミネートし、
露光及び現像を行い、リブ形成材料層上にサンドブラス
ト用マスクとしてパターン状のレジスト層を形成した。
現像液は炭酸ナトリウム0.2%水溶液を使用する。な
お、本実施例のレジスト層のパターンは幅50μmで間
隔100μmの平行なストライプ状をなしており、ガラ
ス基板の表面上の電極がレジスト層の間隔100μmの
間のほぼ中央に位置するように配置した。若しくは、上
記のドライフィルムを用いずに、耐ブラスト性低融点ガ
ラスペーストをスクリーン印刷により厚さ27μmでパ
ターン塗布して乾燥することでサンドブラスト用マスク
を形成する。この耐ブラスト性低融点ガラスペースト
は、共に後述する工程で焼成しても各バインダーのカー
ボン、タールがリブに残渣しないように完全に燃焼する
ものを用いる。
【0026】(サンドブラスト加工工程)基板は多数の
搬送ローラ上を搬送されてブラスト加工室内に搬入され
る。そして、基板、すなわちガラス基板の表面にリブ形
成材料層とレジスト層を形成した被加工物におけるリブ
形成材料層とレジスト層の側に向けて噴射ノズルから水
溶性研削材を噴射する。噴射ノズルは、被加工物の搬送
方向に直交する方向に往復移動するタイプのものを8本
設けている。各噴射ノズルは拡散型の噴射ノズルであ
り、研削材の噴射形状を通常の3倍に拡散するもので、
基板の搬送速度及び各噴射ノズルの移動速度の組合せに
よるブラスト加工速度を上げてもブラスト加工の均一性
を維持できる。
【0027】加工室内では、上記ガラス基板におけるレ
ジスト層及びリブ形成材料層の側に水溶性研削材を噴射
して、レジスト層の真下のリブ形成材料層以外の部分の
リブ形成材料層を研削除去してリブを形成する。このよ
うにして形成したリブは、幅が50μm、高さが150
μmで、各リブ間の間隔は100μmである。具体的に
は、ブラスト加工室内で噴射ノズルから基板におけるレ
ジスト層とリブ形成材料層の側に水溶性研削材を噴射す
ると、レジスト層の真下のリブ形成材料層はレジストで
保護されるので研削材で研削ないし彫刻されないが、レ
ジスト層の真下のリブ形成材料層以外の部分のリブ形成
材料層はすべて研削除去される。しかし、研削材がガラ
ス基板の材質より低硬度の水溶性研削材であるので、ガ
ラス基板や電極は研削材によって研削されない。したが
って、結果としてレジスト層のパターンの通り、幅が5
0μm、高さが150μmの複数のリブが、各リブ間の
間隔が100μmで平行なストライプ状に形成される。
【0028】本実施例でリブ形成用サンドブラスト研削
材として用いた水溶性粉体は、重炭酸ナトリウム(重
曹:トクヤマ製、Pグレード)を粉砕して分級したもの
で、体積基準の粒度分布において、累積50%径D50
10〜15μm、累積90%径D90<25μm、累積1
0%径D10>2μmの分布を有し、最大粒径が40μm
以下の粉体である。なお、本発明で使用した粒度分布計
は、日機装(株)製「マイクロトラックFRA」であ
る。
【0029】図3は粉砕・分級前の重炭酸ナトリウムの
粒度分布である。この粒度分布の重炭酸ナトリウムを乾
式の微粉砕機(ホソカワミクロン製「ACMパルベライ
ザ/ACM−10型」」)により、粉砕回転数:680
0rpm、分級回転数:3500rpm、風量:12m
3 /min、処理能力:200kg/hの条件下で粉砕
した。得られた粉体の粒度分布を図4に示す。さらに粒
度を整えるために分級機(ホソカワミクロン製「ミクロ
ンセパレータ/MS−1型」)を使用して微粉をカット
した。条件は分級回転数:4500rpm、一次風量:
8m3 /min、二次風量:4m3 /min、処理能
力:60kg/hの条件下で実施した。得られた粉体の
粒度分布を図5に示す。図5に示すとおり所望の粒度分
布を有する重炭酸ナトリウム粉体が得られた。
【0030】上記した粉砕・分級前、粉砕後、粉砕・分
級後の各重炭酸ナトリウムを研削材に使用してそれぞれ
サンドブラスト加工を行った。その場合の研削速度と品
質面の評価は表3に示すようである。この表3におい
て、粉砕・分級後の重炭酸ナトリウム粉体を使用した場
合の研削速度を100としてある。
【0031】
【表3】
【0032】この表3から分かるように、粉砕・分級前
の重炭酸ナトリウムを使用した場合は、研削速度は速い
がリブ形状が悪くなり、また粉砕のみを経た重炭酸ナト
リウムを使用した場合は、リブ形状が比較的良くはなる
ものの研削速度が遅くなる。これに比べ、粉砕・分級後
の重炭酸ナトリウムを使用した場合は、研削速度が速い
上にリブ形状も良好である。
【0033】また、図3と同じ粒度分布を有する各種研
削材をサンドブラスト研削材に使用した場合の表面粗さ
Raとグロス値は表4に示すようである。
【0034】
【表4】
【0035】この表4から明らかなように、所望の粒度
分布を有する重炭酸ナトリウム粉体を使用した場合が、
表面粗さが小さく且つグロス値も大きいことから、他の
研削材を使用した場合に比べて最も表面が綺麗に仕上が
ることが分かる。
【0036】(リブ形成材料の回収工程)噴射ノズルか
ら基板へ向けて噴射した研削材は、リブ形成材料の研削
粉末との混合粉体となってブラスト加工室の下方のホッ
パへ落下し、ホッパの下端から導管内に生じている気流
に乗って分離タンクへ運ばれる。そして、この分離タン
クで研削材の中に混入した100μm以上の大きさの異
物が除去され、次いで連通管を介してサイクロンへ送給
される。なお、ブラスト加工室内の気流は集塵装置のブ
ロワにより空気が吸引されて生じる。すなわち、気流は
順にホッパ、導管、分離タンク、連通管、サイクロン、
集塵装置へ流れる。
【0037】図6はリブ形成材料の回収工程に組み込ん
だサイクロンと集塵装置の一例を示す概略構成図であ
る。ブラスト加工室からホッパに落下し、分離タンクで
100μm以上の大きさの異物が除去された混合粉体
は、連通管11を通ってサイクロン12に運ばれる。こ
のサイクロン12において、再使用可能な研削材と、破
砕された研削材及び基板から研削されたリブ形成材料の
破片でなる粉塵とが分級される。再使用可能な研削材は
サイクロン12の下部にある分配器13に滞留し、一
方、粉塵はサイクロン12内の中央を気流に乗って上昇
し、上部中央に連通するダクト14を介して集塵装置1
5へ送給され、集塵装置15では粉塵が回収されて清浄
なエアがブロワ16により大気中へ排出される。そし
て、サイクロン12の下部の分配器13に滞留した研削
材はサイクロンの下端に連結する研削材タンク17内へ
集められ、研削材タンク17内の研削材は噴射ノズル1
8へ再び供給される。研削材はノズル部の圧空により引
き込まれて噴射ノズル18から圧空と伴に噴射される。
このように研削材は以上の工程を繰り返して噴射ノズル
18から基板へ向けて噴射されブラスト処理に供され
る。
【0038】集塵装置15ではフィルター15aの表面
に粉塵が付着した状態になる。そこで、サイクロン12
と集塵装置15の間のダクト14にあるバルブ19を閉
状態にし、集塵装置15とブロワ16の間のバルブ20
を切り換えてエアーを送り込むことにより、フィルター
15aの表面に付着した粉塵を落下させ、下方の粉塵タ
ンク21に集める。このようにして集塵装置15の粉塵
タンク21に回収された粉塵は、図1又は図2に示すフ
ローにより、水洗浄処理を施すことで、そのうちの水溶
性粉体である破砕された研削材がすべて水に溶解し水と
ともに排出される。これにより、破砕された研削材及び
基板から研削されたリブ形成材料層の破片からなる混合
粉体より、基板から研削されたリブ形成材料層の破片か
らなる粉体のみを確実に回収することができ再利用が可
能となる。
【0039】(焼成工程)ガラス基板の表面にリブを形
成した被加工物は、低融点ガラスの鉛ガラスが完全に溶
融してバインダーが焼却する温度まで徐々に加熱するこ
とにより、リブを構成する低融点ガラスとレジストの各
バインダーが完全に燃焼され且つ低融点ガラスが溶解し
て焼成されてリブが形成される。
【0040】なお、本発明以外の研削材を使用するとリ
ブ間の間隙にピット等の切れ、ひびが発生し、この焼成
工程の加熱により、ピットが成長してリブ切れ等の欠陥
になり、製品の性能に悪影響を及ぼすという事態が生じ
るが、本発明の研削材を使用することにより、ピットの
発生を極力抑えることができるため、高品質のPDPが
形成される。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のリブ形成
用サンドブラスト研削材は、水溶性粉体であってしかも
所定の粒度分布を有するようにしたことにより、良好な
サンドブラスト性能が得られるとともに、サンドブラス
ト廃材中の研削材を水に溶解して容易に除去することが
できるので、サンドブラスト廃材の再利用が可能である
上に、サンドブラスト廃材の廃棄による環境問題も回避
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リブ形成材料の回収フローの一例を示すフロー
図である。
【図2】リブ形成材料の回収フローの別の例を示すフロ
ー図である。
【図3】実施例で使用するサンドブラスト研削材として
の重炭酸ナトリウムの粒度分布を示すもので、粉砕・分
級前の粒度分布を示すグラフである。
【図4】同じく粉砕後の粒度分布を示すグラフである。
【図5】同じく粉砕・分級後の粒度分布を示すグラフで
ある。
【図6】リブ形成材料の回収工程に組み込んだサイクロ
ンと集塵装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
11 連通管 12 サイクロン 13 分配器 14 ダクト 15 集塵装置 15a フィルター 16 ブロワ 17 研削材タンク 18 噴射ノズル 19 バルブ 20 バルブ 21 粉塵タンク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体積基準の粒度分布において、累積%径
    がそれぞれD50=10〜15μm、D90<25μm、且
    つD10>2μmの分布を有する水溶性の無機酸塩を主成
    分とした水溶性粉体からなることを特徴とするプラズマ
    ディスプレイパネルのリブ形成用サンドブラスト研削
    材。
  2. 【請求項2】 体積基準の粒度分布において、累積%径
    がそれぞれD50=10〜15μm、D90<25μm、且
    つD10>2μmの分布を有し、最大粒径が40μm以下
    である水溶性の無機酸塩を主成分とした水溶性粉体から
    なることを特徴とするプラズマディスプレイパネルのリ
    ブ形成用サンドブラスト研削材。
  3. 【請求項3】 水溶性の無機酸塩がアルカリ金属の炭酸
    水素塩である請求項1又は2に記載のプラズマディスプ
    レイパネルのリブ形成用サンドブラスト研削材。
  4. 【請求項4】 水溶性粉体が、重曹、硫酸ナトリウム、
    硼酸等の水溶性の物質からなる粉体である請求項1又は
    2に記載のプラズマディスプレイパネルのリブ形成用サ
    ンドブラスト研削材。
  5. 【請求項5】 基板上にリブ形成用ペーストを塗布して
    乾燥させることでリブ形成材料層を形成し、その上に耐
    サンドブラスト性を有する感光性樹脂組成物層を設けた
    後、フォトマスクを介して活性光線を選択的に照射し、
    続いて現像することでサンドブラスト用のマスクパター
    ンを形成し、その露出部分のリブ形成材料層を請求項1
    〜4のいずれかに記載のサンドブラスト研削材を用いて
    サンドブラスト法により研削することを特徴とするプラ
    ズマディスプレイパネルのリブ形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載のサンド
    ブラスト研削材を用いてサンドブラスト法によりリブ形
    成材料層の研削を行った後、サンドブラスト加工時に混
    入した研削材粒子とリブ形成材料の研削粉末との混合粉
    体を水洗いすることにより、含有している水溶性の研削
    材粒子を水に溶解させて除去することを特徴とするプラ
    ズマディスプレイパネルのリブ形成材料回収方法。
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