JP2001113285A - カルシウム除去装置 - Google Patents
カルシウム除去装置Info
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Abstract
除去装置を提供する。 【解決手段】 カルシウムを含む原水10の導入口2a
を有し、導入口2aの上部には処理水12の取出口2b
を有する反応塔2を備えたカルシウム除去装置におい
て、反応塔2にはカルシウム塩粒子4の分級部2cが設
けられている。
Description
ゴミ焼却灰の冷却水やゴミ浸出水等、高濃度のカルシウ
ム含有水からカルシウムを除去する装置に関する。
て、カルシウム含有水にアルカリ剤を添加して晶析反応
を生じさせ、水中のカルシウムイオンを顆粒状の結晶に
して分離回収し、カルシウムイオン濃度の低い処理水を
得るものが知られている。このカルシウム除去装置は、
通常、上記反応を生じさせる反応塔を備え、塔の下部か
ら原水を導入し、上部から処理水を取出すようになって
いる。この場合、反応塔の内部には、原水、又は原水と
循環水の混合液から成る上昇水流が形成され、反応によ
って生じた結晶はこの上昇水流によって塔内に展開され
る。例えば、反応塔における反応部(上記晶析反応が主
に進行する部分)の高さが約3〜5mの場合、上昇水流
をLV70〜150m/hr程度とするのが適当であ
る。
た後、塔下部から引き抜かれて系外に排出される。この
引抜き作業においては、まず、塔内への通液を停止して
前記上昇水流を消失させ、結晶の沈降を促進させる操作
が行われる。そして、引抜きが終了した後、通液を再開
して通常運転に移行する。この場合、引抜かれた結晶の
移送、脱水、乾燥等が円滑に進むよう、引抜き時の結晶
の粒径を1mm以上とすることが望ましい。
除去装置の処理効率や運転操作の効率を向上させるため
には、反応塔への通液を停止せずに結晶の引抜きを行う
ことが必要である。しかしながら、従来のカルシウム除
去装置においては、通液を停止せずに引抜きを行うこと
が困難であるほか、次のような問題があった。
2.6と大きく、反応塔内での沈降速度も極めて大きい
(粒径1mmの単一粒子で400m/hr以上)。その
ため、前述の上昇水流を生じさせたとしても、塔下部に
は粒径の大きい結晶に混じって小さい結晶も沈降し、こ
れらの粒子が反応塔への通液を行ううちに成長して石垣
状に結合し、塔下部に固着するという問題がある。そし
て、この場合には、通常運転を停止してこの固着物を除
去する作業が必要になる。
核とし、その表面に水中のカルシウムイオンが析出する
ことにより進行するが、上述のように粒径の小さい結晶
が引抜かれると、その分だけ反応の核となる結晶の数が
減少するので、反応塔内に新たな種晶を添加する必要が
生じる。さらに、上記に加え、種々の粒径の結晶が同時
に引抜かれた場合、反応塔内に残った結晶の平均粒径が
一定にならないために反応効率が変化し、定常的な安定
運転が困難となる。
選択的に引抜き、粒径の小さい結晶を反応塔内に留める
ようにすることが重要である。本発明は、カルシウム除
去装置における上記した問題を解決し、反応塔への通液
を停止することなくカルシウム結晶の引抜き作業を可能
とするとともに、塔内に留まる結晶の平均粒径を一定と
し、効率的かつ安定した運転を可能としたカルシウム除
去装置の提供を目的とする。
ために、請求項1に記載の本発明に係るカルシウム除去
装置は、カルシウムを含む原水の導入口を有し、該導入
口の上部には処理水の取出口を有する反応塔を備えたカ
ルシウム除去装置において、該反応塔にはカルシウム塩
粒子の分級部が設けられていることを特徴とする。
れ、かつ、前記処理水を該分級部との間で循環させる循
環手段を備えることが好ましい(請求項2)。又、前記
分級部の水平方向の断面積は、前記導入口より上方にお
ける前記反応塔の水平方向の断面積より小さいことが好
ましい(請求項3)。
るカルシウム除去装置について説明する。図1におい
て、カルシウム除去装置1は、反応塔2、循環手段6等
を備えている。そして、カルシウムを含む原水10は、
反応塔2の中央部よりやや下方(反応部2dの下部)に
設けられた導入口2aを経て、反応塔2の内部を上昇す
る過程で後述する晶析反応を生じ、反応塔2上部の取出
口(溢流堰)2bから処理水12として取り出される。
し、上部側から、反応部2d、分級部2c、貯留部2e
が順に形成されている。反応部2dは晶析反応が主に進
行する部分であり、その下部にはアルカリ剤(例えばN
a2CO3)16の供給配管25が接続されている。そし
て、反応によって生じたカルシウム塩粒子4は、上昇水
流Fによって反応部2dの内部を展開・浮遊している。
に比べて縮径になっていて、逆円錐台状(例えば水平面
との角度が60°以上)のテーパ部2fを介して反応部
2dの下端に一体化している。そして、分級部2cの内
部には、カルシウム塩粒子4が沈降、堆積している。分
級部2cと貯留部2eの間には、後述するカルシウム塩
粒子4の引抜き用のバルブ2Vが配設され、貯留部2e
の下端には、カルシウム塩粒子4を系外に移送するため
のバルブ29Vが配設されている。そして、貯留部2e
の上部には、カルシウム塩粒子4の系外への移送を容易
にするための移送水14の給水配管27,28及び空気
抜き配管31が接続されている。
入側が反応部2dの上部に接続され、その流出側は分級
部2cの下部に接続されている。そして、原水のカルシ
ウムイオン濃度に応じて作動制御されるポンプ6pによ
り、循環配管6aを介して処理水12が適宜分級部2c
に戻る循環系をなすとともに、反応塔2の内部では分級
部2cから塔頂部へ向う上昇水流Fを形成している。
制限されず、カルシウムイオン濃度を20〜5000p
pm含む原水を処理対象とすることができる。なお、原
水のSS濃度が高い場合、例えば、原水中のSS濃度が
1000ppmを超える場合、晶析反応で析出する結晶
にSS分が混入し、結晶が軽くなって塔内を浮上する虞
があるので、反応塔2の前段にSS除去手段を設け、原
水中のSS濃度を100ppm以下とすることが好まし
い。
はなく、砂濾過や膜濾過などの濾過手段や、任意の凝集
剤を用いて凝集沈殿を行う凝集沈殿槽を用いることがで
きる。次に、このカルシウム除去装置1を用いてカルシ
ウムの除去を行う方法について説明する。
水10を反応部2dに導入する。反応部2dにはアルカ
リ剤16が供給され、カルシウムの結晶(炭酸カルシウ
ム等)が析出するpH条件(例えばpH9〜11)に調
整されている。ここで、pHの調整は、反応塔2の上部
に配設されたpH計33により処理水12のpHをモニ
タし、その値に応じてポンプ25pの作動を制御するこ
とにより行われる。
カルシウム塩粒子4、あるいは予め反応部2dに添加さ
れている種晶を核として、上述の晶析反応が進行する。
つまり、核となる結晶の周囲にカルシウムが析出して結
晶が成長し、ある程度以上の大きさ(重さ)になると反
応塔2の下方に向って沈降するようになっている。この
場合、反応部2dからテーパ部2f、分級部2cに向う
に従って各部の直径(水平方向の断面積)は小さくな
り、その逆に上昇水流Fの大きさは分級部2cで最も大
きくなる。
は、上昇水流Fの大きい分級部2cを通過する際に分級
され、最も粒径の大きい(重い)粒子が分級部2cの下
部に堆積し、粒径の小さい粒子は分級部2cの上部に堆
積する。そして、分級部2cにおける上昇水流によって
も沈降しない微細な粒子は、反応部2dを展開・浮遊す
る。
の粒子は、以下のようにして引抜かれる。まず、バルブ
2Vを開いて分級部2cから貯留部2eに大径粒子を移
動させる。そして、所定量の大径粒子が貯留部2eに貯
留された時点でバルブ2Vを閉じ、一方でバルブ27V
aを開き、配管27を介して貯留部2eに移送水14を
導入し、さらにバルブ29Vを開いて大径粒子を配管2
9より系外へ取り除く。
介して移送水14を配管29に導入し、貯留部2eから
排出されたカルシウム粒子を含む水と合流させてカルシ
ウム粒子を移送する。以上のようにして、原水10に含
まれるカルシウムが除去され、例えばカルシウムイオン
濃度が5ppm以下の処理水12となって、取出口2b
から配管23を介して排出される。
における上昇水流を大きくしているため、粒径の小さい
粒子が大きい粒子に混じって沈降することが防止され、
そのため両者が石垣状になって塔内に固着することが回
避される。この場合、分級部2cにおける上昇水流の値
を調整すれば、反応部2dを展開する粒子の径を制御
し、反応効率を定常状態に保つことができる。
分級部2cでの上昇水流をLV200m/hr以上とす
るのが好ましく、より好ましくは300〜800m/h
rとする。上昇水流をこのような値とするには、分級部
2cの水平方向の断面積Scを、導入口2aより上方に
おける反応塔(反応部2dに相当)の水平方向の断面積
Sdより小さくすればよく、例えばScをSdの1/3以下
とするのが好ましい。より好ましくはScをSdの1/3
〜1/8とする。このようにすると、粒径1〜2mmの
カルシウム結晶を、反応部2dに約30〜60%の展開
率で展開させることができる。
けることが好ましい。このような構造とすることで、原
水が分級部2cで反応することを防ぐと同時に、微細な
結晶が展開している反応部2dでの微細な結晶を核とし
た反応を促進することができる。さらに、本発明におい
ては、結晶の引抜きを行う貯留部2eと上昇水流Fを生
じさせる循環系(分級部2cと塔頂部との間)とが、バ
ルブ2Vによって仕切られている。従って、上記循環系
での通液を停止して上昇水流Fを消失させることなく結
晶の引抜きを行うことができ、運転操作の効率が向上す
る。
ち、バルブ29Vを閉じ、バルブ31V,27Vaおよ
び27Vbを開いて貯留部2eに移送水14を導入し、
貯留することにより、次回の結晶引き抜き工程において
バルブ2Vを開いたときに分級部2cより上に存在する
結晶が水とともに一気に貯留部2eに落下することを防
ぐことができる。
るいは種晶を核として進行するが、原水10中のカルシ
ウムイオン濃度が高くなり過ぎると、種晶を核としない
微細な結晶が溶液中から直接析出するようになる(自己
析出)。ところが、この自己析出が生じると大径の結晶
が得られ難くなるので、引抜き操作が困難になる。そこ
で、循環手段6により、カルシウムイオン濃度の低い処
理水12の一部を分級部2cの下部へ循環させて、反応
部2dにおけるカルシウムイオン濃度を低減させること
が好ましい。このようにすると、(炭酸)カルシウムの
過飽和度が低下するので、上述の自己析出を防止するこ
とができる。この場合、反応部2dにおけるカルシウム
イオン濃度が100mg/L以下となるように循環を行
うことが好ましく、より好ましくは20〜80mg/L
となるように循環を行う。なお、上記したカルシウムイ
オン濃度の調整は、原水のカルシウムイオン濃度の測定
値に基づいて適宜ポンプ6pの作動を制御して循環水の
流量を調整することにより行えばよい。
れるものではない。
シウムイオン濃度:400mg/L、pH:7.5の原
水10を処理した。反応塔の大きさは、塔頂部から分級
部の下端までの高さ:3000mm、反応部の直径(水
平方向の断面積):150mmφ、分級部の高さ:50
0mm、分級部の直径:70mmφであった。
hrで上記原水10を導入し、反応部における上昇水量
(循環水量)をLV100〜150m/hr(空塔速
度)の間でそれぞれ変化させ、このときの分級部におけ
る上昇水量をLV450〜700m/hrとして、それ
ぞれ試験を行った。アルカリ剤としてはNa2CO3を用
い、反応部におけるpHを10とし、この状態で炭酸カ
ルシウムの結晶を成長させ、それに応じて循環水量を増
加させていく試験を約2ヶ月間行った。
を引抜き、その中から約100個の結晶を抽出して外観
観察及び粒径測定に供した。結晶の形状は球形に近く、
又、どれもほぼ同一の粒径であった。なお、粒径測定
は、光学顕微鏡下で行い、個数平均粒径(Σ(nd)/
Σn)を求めた。但し、nは粒子数、dは粒径を表す。
図2から明らかなように、分級部における上昇水量を増
大させると、引抜かれた結晶の粒径が大きくなることが
わかる。又、いずれの上昇水量においても、反応部にお
ける結晶の粒径は、引抜かれた結晶の粒径より小さかっ
た。
係るカルシウム除去装置は、反応塔の一部に上昇水流の
大きい分級部を設けているので、通液を停止させること
なく反応によって生じたカルシウム塩粒子を粒径によっ
て分級し、大径粒子のみを引抜くことができる。そし
て、その結果、各粒径の粒子が石垣状になって反応塔に
固着することが防止され、運転操作の効率を向上させる
ことができる。
れることがないので、反応塔の内部に新たな種晶を添加
する必要が少なくなる。さらに、所定の大きさの粒子の
みを引抜くので、反応塔内には一定の平均粒径の粒子が
滞留し、その結果として反応効率を向上させるとともに
定常的な安定運転を行うことができる。
である。
昇水量との関係を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 カルシウムを含む原水の導入口を有し、
該導入口の上部には処理水の取出口を有する反応塔を備
えたカルシウム除去装置において、 該反応塔にはカルシウム塩粒子の分級部が設けられてい
ることを特徴とするカルシウム除去装置。 - 【請求項2】 前記分級部は前記導入口より下方に配設
され、かつ、前記処理水を該分級部との間で循環させる
循環手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のカ
ルシウム除去装置。 - 【請求項3】 前記分級部の水平方向の断面積は、前記
導入口より上方における前記反応塔の水平方向の断面積
より小さいことを特徴とする請求項2に記載のカルシウ
ム除去装置。
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