JP2001113171A - 排ガス浄化用触媒の製造方法 - Google Patents
排ガス浄化用触媒の製造方法Info
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Abstract
示すとともに、酸素過剰のリーン雰囲気下で1000℃以上
の高温が作用した場合においても貴金属の粒成長を抑制
できる排ガス浄化用触媒とする。 【解決手段】貴金属2を担持した多孔質担体1に、酸化
物前駆体から酸化物層3を形成する。多孔質担体1上に
担持された貴金属2粒子は、新たに形成された酸化物層
3によって物理的に拘束された状態となり、移動が規制
されるため粒成長が抑制される。
Description
有害物質を浄化する排ガス浄化用触媒の製造方法に関
し、詳しくは酸化雰囲気中で高温に晒された後も高い浄
化性能をもつ排ガス浄化用触媒の製造方法に関する。
として、CO及びHCの酸化とNOx の還元とを同時に行って
排気ガスを浄化する三元触媒が用いられている。このよ
うな三元触媒としては、コーディエライトなどからなる
耐熱性基材にγ−アルミナからなる多孔質担体層を形成
し、その多孔質担体層に白金(Pt)、ロジウム(Rh)な
どの貴金属を担持させたものが広く知られている。
所がエンジンに近いマニホールド直下とされる傾向があ
り、また高速走行時には排ガス温度が高くなることか
ら、排ガス浄化用触媒は高温に晒される場合が多くなっ
ている。ところが従来の排ガス浄化用触媒では、高温の
排ガスによりγ−アルミナの熱劣化が進行し、これに伴
う貴金属の粒成長によって触媒活性点が減少するため触
媒活性が劣化するという不具合があった。
は、予め熱処理されたアルミナを用いて貴金属を担持さ
せる排ガス浄化用触媒の製造方法が開示されている。こ
の製造方法によれば、アルミナは既に熱処理されている
ため、得られた排ガス浄化用触媒は高温の排ガスに晒さ
れても熱劣化がほとんど進行せず、貴金属の粒成長を防
止することができる。
するために、酸素過剰の混合気を供給するリーンバーン
エンジンが主流になっている。しかしながら上記公報に
開示された製造方法で製造されたような排ガス浄化用触
媒では、酸素過剰のリーン雰囲気下で 800℃以上の高温
が作用した場合に貴金属の粒成長が著しく、触媒活性が
低下するという不具合があった。
温で酸素が共存する雰囲気においてはPtO2となり、気相
移動により拡散・凝集が促進される。そのため酸素過剰
のリーン雰囲気又はストイキ雰囲気では、高温に晒され
るとPtに粒成長が生じ表面積の低下により触媒活性が大
きく低下する。
報にみられるように、アルミナ担体にPtを担持し、担持
されたPtを覆うCeO2層をさらに形成した排ガス浄化用触
媒を提案している。この排ガス浄化用触媒によれば、Ce
O2層の酸素吸蔵作用によりPtの酸化が防止され、かつCe
O2層で覆われているためPtの気相移動が防止される。し
たがってリーン雰囲気下で高温が作用しても貴金属の粒
成長を抑制することができる。
担持した担体を非酸化性雰囲気中にて 800℃以上で熱処
理する製造方法を提案している。この製造方法によれ
ば、多孔質担体が焼結して細孔が収縮するため、担持さ
れている貴金属は多孔質担体で緊密に取り囲まれる。し
たがってこの製造方法によって得られた排ガス浄化用触
媒では、リーン雰囲気下で高温が作用しても貴金属の移
動が多孔質担体によって規制されているため、貴金属の
粒成長を抑制することができる。
30号公報に記載の排ガス浄化用触媒では、PtがCeO2層で
覆われているため活性点が減少し、浄化活性が低いとい
う不具合があった。また特開平8-338897号公報に記載の
製造方法で製造された排ガス浄化用触媒では、貴金属が
多孔質担体の内部に取り込まれるため活性点が減少し、
浄化活性が低いという不具合がある。なお上記2種類の
排ガス浄化用触媒では、Ptの担持量を増やせば浄化活性
を向上させることができるが、コストが高騰するという
問題がある。
ものであり、従来と同等のコストで従来と同等の浄化活
性を示すとともに、酸素過剰のリーン雰囲気下で1000℃
以上の高温が作用した場合においても貴金属の粒成長を
抑制できる排ガス浄化用触媒を製造することを目的とす
る。
明の排ガス浄化用触媒の製造方法の特徴は、多孔質担体
に貴金属を担持して貴金属担持担体とする担持工程と、
酸化物前駆体から貴金属担持担体に酸化物層を形成する
被覆工程と、よりなることにある。
で混合され、溶媒を蒸発乾固後に焼成することが望まし
い。
駆体を含むことが望ましい。
駆体から貴金属担持担体に酸化物層を形成している。し
たがって図1に模式的に示すように、多孔質担体上に担
持された貴金属粒子は新たに形成された酸化物層によっ
て物理的に拘束された状態となり、移動が規制されるた
め粒成長が抑制される。また貴金属担持担体と新たに形
成された酸化物層との間には、酸化物層の熱収縮などに
より隙間が形成されるため、担持されている貴金属はそ
の隙間に表出する。したがって活性点の減少が防止され
るとともに、排ガスはその隙間を自由に拡散できるた
め、浄化活性の低下も防止される。
ように、多孔質担体を貴金属化合物溶液中に浸漬して吸
着させる吸着担持法、所定濃度の貴金属化合物溶液の所
定量を多孔質担体の所定量に吸水させ蒸発乾固する吸水
担持法などの方法を用い、その後焼成することで行うこ
とができる。このような方法を用いれば、貴金属をきわ
めて微細な粒子として担持することができる。なお焼成
条件は、貴金属が粒成長を起こさない温度で行う必要が
あり、一般には大気中にて 250〜 500℃で1〜2時間加
熱することで行われる。
チタニア、ジルコニアなどの高比表面積を有する耐火性
無機酸化物が挙げられる。特に、高耐熱性で高比表面積
の活性アルミナを含むことが望ましい。活性アルミナ自
体は耐熱性に優れているので、貴金属の粒成長を一層抑
制することができる。また多孔質担体の形状としては、
粉末状、ハニカム形状又はペレット形状の耐火性基材表
面に被覆された状態、あるいはこれらの基材自体が多孔
質担体で形成されたもの、などとすることができる。
(Pd)、ロジウム(Rh)の少なくとも一種が用いられ
る。高い触媒活性を有するものの粒成長しやすいPtの場
合に、本発明は特に効果的である。なお貴金属の担持量
は、多孔質担体に対して 0.1重量%以上であり、好まし
くは 0.5〜20重量%であって、従来と同等の担持量とす
ることができる。
して存在する各種金属の塩、錯体、アルコキシドなどを
用いることができる。酸化物を多孔質担体として用いる
ことができるAl,Zr,Ti,Siなどの金属、あるいは酸化
物が酸素吸蔵能を有するCeなどの金属の酸化物前駆体を
用いることが望ましい。
ミナ前駆体を含むことが望ましい。これにより酸化物層
には少なくともアルミナが含まれるため、耐熱性に一層
優れ、酸化物層の熱劣化による貴金属の粒成長を抑制で
きるとともに、貴金属担持担体と新たに形成された酸化
物層との間の隙間が熱履歴によって消失するような不具
合も防止される。
は、ゾルゲル法、共沈法あるいはCVD法などを利用す
ることができる。中でもゾルゲル法又は共沈法を用いれ
ば、容易にしかも確実に貴金属担持担体上に酸化物層を
形成することができる。
成物を焼成して酸化物層が形成される。この焼成条件
は、焼成時に貴金属が粒成長を起こさない温度で行うこ
とが望ましく、大気中であれば 250〜 500℃で1〜2時
間、非酸化性雰囲気中であれば800〜1000℃で1〜2時
間加熱する条件で行うことが望ましい。
層との構成比率は、重量比で貴金属担持担体:酸化物層
=10:1〜1:1の範囲とすることが好ましい。酸化物
層の量がこの範囲より少ないと貴金属の一部が露出して
粒成長が生じるようになり、酸化物層の量がこの範囲よ
り多くなると貴金属担持担体をカバーリングすることに
よって活性低下が生じるようになる。
酸化活性の高い貴金属を担持した酸化触媒、多孔質担体
に貴金属と酸素吸蔵放出能を有するセリア−ジルコニア
複合酸化物などを担持した三元触媒、あるいは多孔質担
体に貴金属とNOx 吸蔵材を担持したNOx 吸蔵還元型触媒
などの製造に利用することができる。
的に説明する。
/gの Al2O3粉末を 100g用意し、所定濃度のジニトロ
ジアンミン白金水溶液の所定量を吸着担持後、濾過し、
120℃で乾燥した後 300℃で2時間焼成して3gのPtを
担持した。次いで所定濃度の硝酸ロジウム水溶液の所定
量を吸着担持後、濾過し、 120℃で乾燥した後 300℃で
2時間焼成して 0.6gのRhを担持した。これにより貴金
属担持担体粉末が得られた。
に、ジルコニア前駆体としてのオキシ硝酸ジルコニウム
66.84g(0.25モル)を入れて撹拌し、そこへ上記の貴
金属担持担体粉末を全量投入する。続けてアルミナ前駆
体としてのアルミニウムイソプロポキシド118.35g( A
l2O3換算で0.28モル)を投入し、さらに硝酸8ccを入
れた後、セリア前駆体としての硝酸セリウム108.66g
(0.25モル)をエチレングリコール 240ccに溶解した
溶液を混合した。
ーエバポレーターで真空乾燥し、さらに 500℃で2時間
焼成した。これにより貴金属担持担体上に Al2O3−CeO2
−ZrO2複合酸化物からなる酸化物層が形成された触媒粉
末が得られた。
すように、 Al2O3担体1の細孔に貴金属2が担持され、
その表面に酸化物層3が形成されている。したがって貴
金属2は酸化物層によって物理的に拘束された状態とな
っていると考えられる。そして酸化物層3は貴金属2の
形状に沿って形成された後に熱収縮し、これにより Al2
O3担体1と酸化物層3の間には隙間4が形成されている
と考えられる。
化水素水をアンモニア 1.3モル、過酸化水素0.28モルと
なるように混合した水溶液1リットル中に、実施例1と
同様に調製された貴金属担持担体粉末の全量を混合し
た。
ニウム 210g( Al2O3換算で0.28モル)と、ジルコニア
前駆体としてのオキシ硝酸ジルコニウム 66.84g(0.25
モル)と、セリア前駆体としての硝酸セリウム108.66g
(0.25モル)を混合溶解した水溶液3リットルを調製す
る。この水溶液を撹拌しながら、上記の貴金属担持担体
粉末を含む溶液全量を添加し、その後ロータリーエバポ
レーターで真空乾燥し、さらに 500℃で2時間焼成し
た。これにより貴金属担持担体上に Al2O3−CeO2−ZrO2
複合酸化物からなる酸化物層が形成された触媒粉末が得
られた。得られた触媒粉末は、実施例1と同様に図1に
示す状態となっていると考えられる。
ミニウムイソプロポキシドを用いなかったこと以外は実
施例1と同様にして触媒粉末を調製した。これにより、
実施例1と同様の貴金属担持担体上にCeO2−ZrO2複合酸
化物からなる酸化物層が形成された触媒粉末が得られ
た。
ル中に、ジルコニア前駆体としてのオキシ硝酸ジルコニ
ウム 66.84g(0.25モル)を入れて撹拌し、そこへ比表
面積 180m2/gのAl2O3粉末 100gを投入する。続けて
アルミナ前駆体としてのアルミニウムイソプロポキシド
118.35g( Al2O3換算で0.28モル)を投入し、さらに硝
酸8ccを入れた後、セリア前駆体としての硝酸セリウ
ム108.66g(0.25モル)をエチレングリコール 240cc
に溶解した溶液を混合した。
ーエバポレーターで真空乾燥し、さらに 500℃で2時間
焼成した。これにより Al2O3担体上に Al2O3−CeO2−Zr
O2複合酸化物からなる酸化物層が形成された。
ミン白金水溶液の所定量を吸着担持後、濾過し、 120℃
で2時間乾燥した後 300℃で2時間焼成して3gのPtを
担持した。次いで所定濃度の硝酸ロジウム水溶液の所定
量を吸着担持後、濾過し、 120℃で乾燥した後 300℃で
2時間焼成して 0.6gのRhを担持した。これにより Al2
O3上に Al2O3−CeO2−ZrO2複合酸化物からなる酸化物層
が形成され、それにPt及びRhを担持した触媒粉末が得ら
れた。
ぞれ圧粉成形し、 0.5〜 1.5mmの粒度のペレット触媒を
それぞれ調製した。そして各ペレット触媒を表1に示す
ストイキ雰囲気のモデルガス流通下に配置し、空間速度
SV=30万/hで 500℃×20分の前処理後、室温から20℃
/分で昇温して、各温度におけるHC,CO及びNOx の浄化
率を測定した。そしてHC,CO及びNOx の初期50%浄化温
度をそれぞれ算出し、結果を図2に示す。
示すリッチモデルガスとリーンモデルガスが交互に1分
間ずつ流通される雰囲気下に配置し、1100℃で5時間加
熱する耐久試験を行った。そして初期50%浄化温度と同
様にして耐久後50%浄化温度を測定し、結果を図3に示
す。
において比較例1で得られた触媒とほとんど同等の浄化
活性を示し、酸化物層を形成しても貴金属が覆われた
り、ガスの通気性が悪化するような不具合がないことが
わかる。
は比較例1で得られた触媒に比べて耐久後も高い浄化活
性を示していることがわかり、これは貴金属の粒成長が
抑制されたことによる効果である。また実施例3で得ら
れた触媒は、実施例1及び実施例2で得られた触媒に比
べて耐久後の浄化活性が低い。両者の差違はアルミナ前
駆体の有無であるから、酸化物層に少なくともアルミナ
を含むことにより貴金属の粒成長が一層抑制されている
ことが明らかである。
造方法によれば、従来の排ガス浄化用触媒と同等の初期
浄化活性を示すとともに、酸素過剰のリーン雰囲気下で
1000℃以上の高温が作用した場合においても貴金属の粒
成長を抑制できる排ガス浄化用触媒を、従来と同等の貴
金属担持量で容易かつ安定して製造することができる。
式的に示す説明図である。
%浄化温度を示すグラフである。
50%浄化温度を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 多孔質担体に貴金属を担持して貴金属担
持担体とする担持工程と、酸化物前駆体から該貴金属担
持担体に酸化物層を形成する被覆工程と、よりなること
を特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法。 - 【請求項2】 前記酸化物前駆体と前記貴金属担持担体
とは溶液中で混合され、溶媒を蒸発乾固後に焼成するこ
とを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒の製
造方法。 - 【請求項3】 前記酸化物前駆体は少なくともアルミナ
前駆体を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に
記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
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JP29360099A JP3882422B2 (ja) | 1999-10-15 | 1999-10-15 | 排ガス浄化用触媒の製造方法 |
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1999
- 1999-10-15 JP JP29360099A patent/JP3882422B2/ja not_active Expired - Fee Related
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