JP2001111093A - 光電気変換素子 - Google Patents

光電気変換素子

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JP2001111093A
JP2001111093A JP28430299A JP28430299A JP2001111093A JP 2001111093 A JP2001111093 A JP 2001111093A JP 28430299 A JP28430299 A JP 28430299A JP 28430299 A JP28430299 A JP 28430299A JP 2001111093 A JP2001111093 A JP 2001111093A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量のホールで効率よくドレイン電流を変化
させることができる素子を提供すること。 【解決手段】 素子は化合物半導体の多層構造からな
り、半導体基板1とバッファ層2は入射する光を透過す
るバンドギャップエネルギーを持つ材料、チャネル層3
は光吸収層として作用する材料を選ぶ。バリア層4には
n型の不純物がドープされており、キャリア電子がソー
ス電極5からドレイン電極6に流れる。両電極間の空隙
では、表面のフェルミ準位が価電子帯に近いところの表
面ピンニング領域7により、光照射しない状態でその直
下のチャネル内に電子が存在できない構成とする。バリ
ア層4・チャネル層3・バッファ層2間のエネルギーの
関係は、伝導帯はチャネル層3は他の2層より十分低く
電子が溜まりやすくし、価電子帯はバリア層4とチャネ
ル層3の間でエネルギー差が極力生じず、バッファ層2
はこの2層と同じか、より十分低くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光を感知する、あ
るいは光の強度の変化によって伝達される信号を電気信
号に変換・加工する機能を持つ光電気変換素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より光信号を電気信号に変換する素
子としては、フォトダイオード、フォトトランジスタ等
が使用されている。フォトダイオードは、化合物半導体
のヘテロ構造を使用し、そのヘテロ構造の一部で構成さ
れる光吸収層において光の入射によって励起された電子
・ホール対によって電流を発生させる。この電流値を大
きくするためには、励起される電子・ホール対の数を多
くする必要があり、従って光吸収層を厚くする必要があ
る。
【0003】フォトトランジスタは、光吸収層をトラン
ジスタのベースとして利用することによって、光によっ
て励起された電子・ホール対によって生じた電流を増幅
させる機能を持たせ、効率よく電気信号を生成すること
ができる。しかし、トランジスタとしての高速特性を向
上させるためにはホールが走行するベース層を薄くする
必要がある反面、光信号に対する感度を向上させるため
にはベース層を厚くする必要があり、感度と動作速度の
間にトレードオフが生じる。
【0004】動作速度の観点からすると、有効質量の大
きいホールが電気伝導に寄与しない素子が望まれる。そ
の意味では電子のみをキャリアとして扱うユニポーラ素
子が有効である。このような光電気変換素子としては、
電界効果トランジスタ(FET)が知られている。
【0005】図8(a)は従来例における電界効果型フ
ォトトランジスタの構造図の一例であり、(b)はその
ポテンシャル図である。図において、101は基板、1
02はチャネル層・吸収層、103はバリア層、104
はソース電極、105はドレイン電極、106はゲート
電極である。基板101側より光信号hvを入力し、光
によって励起された電子・ホール対のうち、少数キャリ
アであるホールを素子内に蓄積させて実効的なFETの
しきい値電圧を変化させてキャリア電子の濃度を増加さ
せて電流を変化させる。
【0006】この時のドレイン電流Idは、
【数式1】 と近似される。ここで、gm は相互コンダクタンス、V
gsはゲート電圧、Vthはしきい値電圧、ΔVthは光励起
によるしきい値変化量を表す。
【0007】光の照射により、ゲート電極106直下に
ホールが一様に面密度σ蓄積したとすると、ΔVthは近
似的に次のように表される。
【数式2】 ここで、dp はゲート電極106から−ホールまでの平
均距離である。このような原理によって、光信号hvの
強度に伴いゲート電極106下に蓄積するホール濃度を
変化させることによってFETの実効的なしきい値電圧
を変化させてドレイン電流Idを変化させる素子が電界
効果フォトトランジスタとして考案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記動作原理に基づく
フォトFETにおいて、有意なしきい値の変化ΔVth
起こすためにはある程度のホール濃度が必要となる。例
えば、式(2)においてdp を25nmと仮定すると、
ΔVthを0.1Vにするためには、ホール密度は約3×
1011cm-2必要となる。通常のGaAs系あるいはI
nP系ヘテロ構造のキャリア電子濃度が1012cm-2
であることを考えると、光によってそれとほぼ同じオー
ダのキャリアを励起しなければならないこととなる。従
って実用的な感度を確保するためには光吸収層を厚くし
なければならないが、それは同時に式(1)におけるg
m を低下させることになり、特性とのトレードオフを免
れない、という問題がある。
【0009】更に大きな問題は、ユニポーラ素子である
FETを受光素子として使用する場合、励起されたホー
ルが素子の外部に抜けていくための電極がないことか
ら、多数のホールがFET内に蓄積したとき、光入力を
オフにしたときにホールが再結合によって消滅するため
の時間が必要となる。従って高速の光信号のオン・オフ
に追随できず、素子動作を阻害する可能性がある、とい
う問題がある。
【0010】また、このフォトFETを通常のFETと
組み合わせて集積回路を作るとき、フォトFETを駆動
するための光信号が通常のFETのしきい値電圧まで変
化させてしまうと、集積回路動作に障害をもたらすた
め、フォトFETと通常FETを空間的に分離する等の
レイアウト上の制限が課せられる、という問題がある。
すなわち、従来技術における問題点は、ドレイン電流を
変化させるために相当数のホールの蓄積を必要とするた
めに生じるものである。
【0011】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、上記問題点の解決を可能とする少量のホール
で効率よくドレイン電流を変化させることができる光電
気変換素子を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】ソース電極とドレイン電
極間の空隙では、表面のフェルミ準位が価電子帯に近い
ところに固定(ピンニング)されて、光を照射しない状
態(暗状態)においてその直下のチャネル内に電子が存
在できないような構成とする。伝導帯はチャネル層にお
いて他の2層より十分低く、電子が溜まりやすくする一
方、価電子帯はバリア層とチャネル層の間でエネルギー
差が極力生じず、バッファ層はこの2層と同じ、或いは
この2層より十分低い様な材料を選ぶ。このホールによ
る空間電荷は電子に対するポテンシャルを変調し、光に
よって励起された電子以上の電子がチャネル内に存在す
ることができる光電気変換素子を構成している。
【0013】
【発明の実施の形態】上記課題を解決するために本発明
の光電気変換素子は、半導体基板1と、その上に不純物
をドープしない第1の半導体層であるバッファ層2と、
その上に所定の波長の光を吸収し、且つバッファ層2対
して伝導帯エネルギーが電子を閉じこめるのに十分に小
さい、不純物をドープしない第2の半導体層であるチャ
ネル層(吸収層)3と、その上にチャネル層(吸収層)
3に対して伝導帯エネルギーが電子の浸入を抑制するの
に十分なほど高く、且つホールの浸入を容易にするのに
十分なほど価電子帯のエネルギー差が小さいか又は価電
子帯エネルギーがチャネル層(吸収層)3よりも高い材
料で構成された、少なくとも一部n型ドープされた第3
の半導体層であるバリア層4と、このバリア層4の表面
にオーミック接触を形成するソース電極5及びドレイン
電極6と、それら電極の間の少なくとも一部のバリア層
4の表面近傍にキャリア電子が存在しない程度のエネル
ギーにフェルミ準位が固定されている表面ピンニング領
域7とから構成されていることに特徴を有している。
【0014】また、本発明の光電気変換素子は、半導体
基板1と、その上に不純物をドープしない第1の半導体
層であるバッファ層2と、その上に所定の波長の光を吸
収し、且つ第1の半導体層に対して伝導帯エネルギーが
電子を閉じこめるのに十分に小さい、不純物をドープし
ない第2の半導体層であるチャネル層(吸収層)3と、
その上にチャネル層(吸収層)3に対して伝導帯エネル
ギーが電子の浸入を抑制するのに十分なほど高く、且つ
ホールの浸入を容易にするのに十分なほど価電子帯のエ
ネルギー差が小さいか又は価電子帯エネルギーがチャネ
ル層(吸収層)3よりも高い材料で構成された、少なく
とも一部n型ドープされた第3の半導体層であるバリア
層4と、このバリア層4の表面にオーミック接触を形成
するソース電極5及びドレイン電極6と、それら電極の
間にバリア層4表面に接するショットキ−接合を形成す
るゲート電極8と、それぞれソース電極5・ゲート電極
8間、ゲート電極8・ドレイン電極6間の少なくとも一
部のバリア層4の表面近傍にキャリア電子が存在しない
程度のエネルギーにフェルミ準位が固定されている表面
ピンニング領域7とから構成されていることに特徴を有
している。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明による第1の光電気変換素子の
構造図である。この光電気変換素子は化合物半導体の多
層構造からなり、半導体基板1とバッファ層2は入射す
る光を透過するようなバンドギャップエネルギーを持つ
材料からなる。一方、チャネル層3は光吸収層としても
作用するような材料を選ぶ。バリア層4の一部あるいは
すべてはn型の不純物がドープされており、それから発
生するキャリア電子が2つのオーミック接合電極である
ソース電極5からドレイン電極6に流れることによって
電流となる。ただし、両電極間の空隙では、表面のフェ
ルミ準位が価電子帯に近いところに固定(ピンニング)
された表面ピンニング領域7により、光を照射しない状
態においてその直下のチャネル内に電子が存在できない
ような構成とする。
【0016】図2(a)〜(d)は、本発明の光電気変
換素子の動作原理を示す説明図である。(a)は光電気
変換素子の多層構造図であり、(b)は光信号が照射さ
れていない場合のA−A’断面のポテンシャル図であ
り、(c)は光信号が照射された場合の電子・ホールの
存在確率密度を説明するA−A’断面のポテンシャル図
であり、(d)は光信号が照射された場合の電子・ホー
ルの疑フェルミ準位を説明するA−A’断面のポテンシ
ャル図である。
【0017】バリア層4・チャネル層3・バッファ層2
の間の伝導帯Ec及び価電子帯Evのエネルギーの関係
においては、伝導帯Ecはチャネル層3において他の2
層より十分低く電子が溜まりやすくする一方、価電子帯
Evはバリア層4とチャネル層3の間でエネルギー差が
極力生じず、バッファ層2はこの2層と同じ、或いはこ
の2層より十分低い様な材料を選ぶ。
【0018】光信号hvが照射されると、チャネル層3
において電子・ホール対が励起される。この時、伝導帯
Ecのエネルギー関係によって電子はチャネル内に留ま
るが、ホールの波動関数の絶対値、言い換えればホール
の存在確率密度は価電子帶Evのエネルギー関係によっ
てホールにとってエネルギーがより低い表面側で大きく
なる。即ち、チャネル層3で発生したホールは表面側に
移動することになる。表面にはホールが外部に抜けるた
めの電極がないことから、ある程度ホールが充電されて
平衡状態となる。
【0019】このホールによる空間電荷は電子に対する
ポテンシャルを変調し、光信号hvによって励起された
電子以上の電子がチャネル内に存在することができる。
これらは擬フェルミ準位の概念を用いてモデル化するこ
とができる。暗状態における電子・ホール濃度をそれぞ
れno 、po とする。光照射によって電子濃度がn、ホ
ール濃度がpとなったとき、
【数式3】 となる。ここで、kはボルツマン定数,Tは格子温度,
qは電荷素量,Efn,E fpはそれぞれ電子及びホールの
擬フェルミ準位である。即ち、Efn−Ef がキャリア電
子の増加を生み出す起電力と見なすことができる。
【0020】しかし、前述のホールのバリア層4への移
動がおこると、ホールの擬フェルミ準位はチャネルと表
面で等しくなリ、しかもその位置は平衡状態におけるフ
ェルミ準位に等しい。その結果、電子の擬フェルミ準位
は元の位量から
【数式4】 だけ高い位置となり、その起電力Efn−Efpは先のEfn
−Ef よりも大きいことがわかる。
【0021】この時電子濃度nは近似的に、
【数式5】 と表される。ここで、εはバリア層4の誘電率、dは表
面からキャリア電子までの実効的な距離である。ホール
の増加量は入射光の強度に比例するから、式(5)より
電子濃度の増加は入射光の対数に比例することがわか
る。
【0022】この表面ピンニング領域7が存在するソー
ス電極5端,ドレイン電極6端の間(長さL)に電圧V
を印加したときの電流Iはオームの法則より、
【数式6】 と電子濃度に比例する。ここでμは電子の移動度であ
る。
【0023】また、後述する図3のようなゲート電極8
を持つ構造の場合、表面ピンニング領域7は寄生抵抗と
して働くから、ソース電極5・ドレイン電極6間の電流
dは、
【数式7】 と表すことができる。ここで、gmoはFETの真性トラ
ンスコンダクタンスである。式(6)及び(7)を見る
と電流値が表面ピンニング領域7が存在するチャネル電
子濃度nによって変化することが分かる。一般にn型半
導体では平衡状態におけるホール濃度po は非常に小さ
いから、式(5)より微弱な光による少量のホールの増
加でも電子濃度の増加への寄与は大きくなり、感度の高
い光電気変換素子が実現できる。
【0024】図3は、本発明による第2の光電気変換素
子の構造図である。図1の構造にゲート電極を加えたも
のである。このゲート電極8はバリア層4表面にショッ
トキー接合しており、この電極と他の2つのオーミック
電極との間の空隙は前述の通り、フェルミ準位ピンニン
グによって暗状態でキャリア電子が空乏化されている。
このゲート電極8は表面付近に溜まった余剰ホールを逃
がすための電極となるが、通常のFETと同様に電気信
号を印加する制御端子として使用し、光信号と電気信号
を混合して電気信号を生成する機能を付与することがで
きる。
【0025】図4(a),(b)は、本発明の光電気変
換素子によって得られる特性を示す特性図である。
(a)はドレイン電圧/ドレイン電流特性を示してい
る。ドレイン電流が飽和するようなドレイン電圧を印加
した状態で、入射する光の強度を変化させるとその強度
の対数に比例するようなドレイン飽和電流の変化がみら
れる。
【0026】また、(b)はホール濃度/ドレイン電流
特性を示しており、式(2)で表される従来技術を用い
た素子と式(5)から(7)で示される本発明の素子に
おけるホール濃度とドレイン電流の関係を示している。
ホール濃度は入射光強度に比例するので、この関係は光
信号の入力に対する出力電流の関係と見ることができ
る。本発明の素子はドレイン電流をある値に増加させる
ために必要なホール濃度の変化量ΔP1 が従来素子のそ
れΔP2 に比べ小さく、微弱な光信号に対する感度が優
れているといえる。更に、光信号に対する応答速度は光
照射によって増加したホールが再結合によって消滅する
時間によって律則されるため、必要とするホール濃度の
変化量が小さいほど入力光信号に対する応答速度が大き
く、高速動作を可能とする。
【0027】(実施例1)図5は、本発明の第1の実施
例における光電気変換素子の構造図である。光ファイバ
通信に用いられる波長1.55μmに対する吸収性を持
つことから、チャネル層53にはIn組成53%のIn
GaAsを用いる。バリア層54とバッファ層52には
In組成65%のInAlAsを用いることによってチ
ャネル層53との価電子帯Evのエネルギー差は室温に
おける熱エネルギー程度に押さえられ、且つ伝導帯Ec
のエネルギー差は約300mV確保できる。
【0028】半絶縁性InP基板51上にアンドープI
nAlAsバッファ層52(200nm、尚、層の厚さ
は一例である。以下同じ)、アンドープInGaAsチ
ャネル層53(15nm)、アンドープInAlAsバ
リア層54(10nm)が順次エピタキシャル成長され
ており、バリア層54中にはチャネルとの界面から3n
m離れたところにSiのプレーナドープ59(一例とし
ては4×1012cm-2)が施され、キャリア電子を供給
する。バリア層54の表面は、フェルミ準位を価電子帯
付近にピンニングさせるため、表面ピンニング領域55
として薄いp型ドープInAlAs層(2nm、1×1
19cm-3)を成長しておく。
【0029】その上には高濃度n型ドープInGaAs
コンタクト層(20nm、1×10 19cm-3)を成長
し、オーミック電極の形成を容易にする。ソース電極5
7及びドレイン電極58としてTi(3nm)、Pt
(2nm)、Au(200nm)を順次蒸着等によって
積層させる。この電極の間の一部はコンタクト層56を
エッチングしてp型ドープInAlAS層である表面ピ
ンニング領域55を表面に露出させる。半絶縁性InP
基板51の裏面は鏡面加工し、反射防止膜を堆積する。
【0030】(実施例2)図6は、本発明の第2の実施
例における光電気変換素子の構造図である。構成された
エピタキシャル層上の薄いp型ドープp型InAlAs
層を含まない点を除いて第1の実施例と同じである。オ
ーミック電極を形成後、その電極間の一部のコンタクト
層56をエッチングし、バリア層54表面を露出させ、
その一部にゲート電極60としてTi(3nm)、Pt
(2nm)、Au(400nm)を順次堆積する。ゲー
ト電極60の両側には依然バリア層54が露出した領域
が存在する。この状態で、窒素雰囲気中で200度で2
時間熱処理を行うことによって、露出したInAlAs
バリア層54表面に表面ピンニング領域61である高濃
度の表面準位を形成し、フェルミ準位ピンニングを実現
する。
【0031】(実施例3)図7は、本発明の第3の実施
例における光電気変換素子の構造図である。本例では、
高速電子デバイスであるInGaAsチャネル高電子移
動度トランジスタ(HEMT)と同一半絶縁性InP基
板71、同一エピタキシャル層構造にて本発明の光電気
変換素子を実現したものである。チャネル層73材料は
InGaAs、バリア層74、バッファ層72材料はI
n組成52%のInAlAsである。なお、77はソー
ス電極、78はドレイン電極、80はゲート電極であ
る。この時、価電子帯Evのチャネル・バリア間のエネ
ルギー差は約180mVとなり、若干のエネルギー差が
生じる。これはホールがバリア層74へ移動する際に障
壁として働くが、チャネル層73が薄いために形成され
るサブバンドのエネルギーと熱エネルギーによってやは
りホールがバリア層74側へ移動することが可能とな
る。
【0032】HEMTではしきい値電圧の均一性を確保
するためにバリア層74とコンタクト層76の間に厚さ
5nmのInPをエッチング停止層82として挟んであ
る。光電気変換素子の形成時には、InP表面は価電子
帯に近いフェルミ準位ピンニングを実現することが困難
なため、この層をエッチングして、InAlAsバリア
層74を露出させた後、前述の熱処理によって表面ピン
ニング領域81であるフェルミ準位ピンニングを実現す
る。
【0033】従来技術のフォトFETは式(2)に示す
ようなしきい値電圧の変化を利用しているが、HEMT
も光を照射すると同様のしきい値変化を示す。従ってこ
れら2つの素子を集積化すると、フォトFETを駆動す
るために入射した光信号がHEMTの動作にも影響を及
ぼし、回路の誤動作の原因となるため、フォトFETの
みに光が照射されるように回路のレイアウトを考慮する
必要がある。本発明の光電気変換素子では、微弱な光に
よる少量のホールの生成で電流値の制御が可能なので、
HEMTにおいてチャネル層に生成したホールがしきい
値電圧を変化させない程度に光強度を押さえることによ
って、チップ全面に光信号を照射してもHEMTの動作
を阻害することなく光電気変換素子を制御することが可
能であり、光素子とHEMTが混在するような集積回路
のレイアウトが容易になる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、高感度で電界効果
トランジスタと集積化が容易な光電気変換素子を実現す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の光電気変換素子の構造図で
ある。
【図2】(a)〜(d)は、本発明の光電気変換素子の
動作原理を示す説明図である。
【図3】本発明による第2の光電気変換素子の構造図で
ある。
【図4】(a),(b)は、本発明の光電気変換素子に
よって得られる特性を示す特性図である。
【図5】本発明の第1の実施例における光電気変換素子
の構造図である。
【図6】本発明の第2の実施例における光電気変換素子
の構造図である。
【図7】本発明の第3の実施例における光電気変換素子
の構造図である。
【図8】(a)は従来例における電界効果型フォトトラ
ンジスタの構造図の一例であり、(b)はそのポテンシ
ャル図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 バッファ層 3 チャネル層(吸収層) 4 バリア層 5 ソース電極 6 ドレイン電極 7 表面ピンニング領域 8 ゲート電極 51 半絶縁性InP基板 52 バッファ層 53 チャネル層(吸収層) 54 バリア層 55 表面ピンニング領域 56 コンタクト層 57 ソース電極 58 ドレイン電極 59 プレーナドープ 60 ゲート電極 61 表面ピンニング領域 71 半絶縁性InP基板 72 バッファ層 73 チャネル層(吸収層) 74 バリア層 76 コンタクト層 77 ソース電極 78 ドレイン電極 80 ゲート電極 81 表面ピンニング領域 82 InPエッチング停止層 101 基板 102 チャネル層・吸収層 103 バリア層 104 ソース電極 105 ドレイン電極 106 ゲート電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板(1)と、 その上に不純物をドープしない第1の半導体層であるバ
    ッファ層(2)と、 その上に所定の波長の光を吸収し、且つバッファ層
    (2)対して伝導帯エネルギーが電子を閉じこめるのに
    十分に小さい、不純物をドープしない第2の半導体層で
    あるチャネル層(吸収層)(3)と、 その上にチャネル層(吸収層)(3)に対して伝導帯エ
    ネルギーが電子の浸入を抑制するのに十分なほど高く、
    且つホールの浸入を容易にするのに十分なほど価電子帯
    のエネルギー差が小さいか又は価電子帯エネルギーがチ
    ャネル層(吸収層)(3)よりも高い材料で構成され
    た、少なくとも一部n型ドープされた第3の半導体層で
    あるバリア層(4)と、 このバリア層(4)の表面にオーミック接触を形成する
    ソース電極(5)及びドレイン電極(6)と、 それら電極の間の少なくとも一部のバリア層(4)の表
    面近傍にキャリア電子が存在しない程度のエネルギーに
    フェルミ準位が固定されている表面ピンニング領域
    (7)とから構成されていることを特徴とする光電気変
    換素子。
  2. 【請求項2】 半導体基板(1)と、 その上に不純物をドープしない第1の半導体層であるバ
    ッファ層(2)と、 その上に所定の波長の光を吸収し、且つ第1の半導体層
    に対して伝導帯エネルギーが電子を閉じこめるのに十分
    に小さい、不純物をドープしない第2の半導体層である
    チャネル層(吸収層)(3)と、 その上にチャネル層(吸収層)(3)に対して伝導帯エ
    ネルギーが電子の浸入を抑制するのに十分なほど高く、
    且つホールの浸入を容易にするのに十分なほど価電子帯
    のエネルギー差が小さいか又は価電子帯エネルギーがチ
    ャネル層(吸収層)(3)よりも高い材料で構成され
    た、少なくとも一部n型ドープされた第3の半導体層で
    あるバリア層(4)と、 このバリア層(4)の表面にオーミック接触を形成する
    ソース電極(5)及びドレイン電極(6)と、 それら電極の間にバリア層(4)表面に接するショット
    キ−接合を形成するゲート電極(8)と、 それぞれソース電極(5)・ゲート電極(8)間、ゲー
    ト電極(8)・ドレイン電極(6)間の少なくとも一部
    のバリア層(4)の表面近傍にキャリア電子が存在しな
    い程度のエネルギーにフェルミ準位が固定されている表
    面ピンニング領域(7)とから構成されていることを特
    徴とする光電気変換素子。
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