JP2001110419A - リチウムイオン二次電池用正極活物質の過充電安全性の評価方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極活物質の過充電安全性の評価方法

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Takuya Tsuda
拓也 津田
Kazuhisa Miyata
和久 宮田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リチウムイオン二次電池に使用される正極活
物質の過充電安全性を電池を組み立てることなしに、迅
速かつ正確に評価する。 【構成】 遷移金属元素とリチウムからなる六方晶系層
状構造の正極活物質の過充電安全性を評価するために、
未充電の状態の該正極活物質の粉末X線回折測定を行
い、(003)格子面の回折ピーク半値幅β1/2(003)の
値が0.095°〜0.130°の範囲にある正極活物
質を、過充電安全性上良品であると評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電解液に可燃性の非
水有機溶媒を用いるリチウムイオン二次電池用正極活物
質の過充電安全性の評価方法に係り、特に、電池を組み
立てることなしに、未充電状態の正極活物質のX線回折
に関連した物性を測定することで、過充電時の安全性を
評価する方法に関する。
【0002】リチウムイオン電池はそのエネルギー密度
が高いことから、携帯用電子機器の電源として盛んに使
われており、更に電気自動車用の電源としても開発が進
められている。この種の電池では、負極にはリチウムの
インターカーレーションの起こるカーボンを用い、正極
にはCo、Ni、Mn等の遷移金属元素とリチウムとの
複合酸化物を用い、この間に多孔質の膜状のセパレータ
ーを挟み、この3者を有機溶剤であるエチレンカーボネ
ート等に電解質であるLiPF6等を溶かした電解液中
に浸した構成になっている。しかしながら、この電池は
可燃性の有機溶媒を電解質の溶剤として用いており、電
池が破損したり、シールが不完全である場合には、この
有機溶媒が容器の外に漏洩して引火し、火災を引き起こ
す危険性がある問題がある。
【0003】また、リチウムイオン二次電池の正極活物
質のCo、Ni、Mn等の遷移金属元素とリチウムとの
複合酸化物は充電時にはLiイオンのデインターカレー
ションが起こり、その結果、母結晶の構造安定性が低下
する。開放電圧が4.2Vを超える過充電状態では、電
解液の酸化分解および正極活物質の分解反応等による酸
素と熱の放出が起こり、可燃性の電解液に引火して電池
の発火、爆発につながる危険性をはらんでいる。
【0004】従来より、このような正極活物質の過充電
時の安定性は実際に電池を作製し過充電状態を再現して
評価してきたが、電池を構成することなしに正極活物質
のみを評価することができれば、過充電安全性の高い電
池をいち早く完成できることから、そのような正極活物
質のみの材料の評価方法の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
したようにリチウムイオン二次電池に使用される正極活
物質のCo、Ni、Mn等の遷移金属元素とリチウムと
の複合酸化物の過充電安全性を電池を組み立てることな
しに、迅速かつ正確に判定できる評価方法を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは正極活物質の分解反応速度を制御する
因子が正極活物質の結晶構造にあると推察し、鋭意検討
した結果、粉末X線回折測定より求めた正極活物質の結
晶構造とリチウムの母結晶からのデインターカレーショ
ンに伴う母結晶の分解反応速度との間に強い関係がある
ことを見いだした。その結果、電池による過充電試験を
行わずとも、粉体状態でX線回折測定することのみによ
り、正極活物質の過充電特性が判定可能であることを見
出した。
【0007】すなわち、本発明のリチウムイオン二次電
池用正極活物質の過充電安全性の評価方法の一つの実施
態様は、Co、Ni、Fe、及びMnからなる群から選
ばれる少なくとも一種の遷移金属元素とリチウムからな
る複合酸化物であり、六方晶系層状構造を有する正極活
物質の過充電安全性を評価する方法において、未充電の
状態の該正極活物質の粉末X線回折測定を行い、(00
3)格子面の回折ピーク半値幅β1/2(003)の値が0.0
95°〜0.130°の範囲にある正極活物質を、過充
電安全性上良品であると評価することを特徴とする。
【0008】本発明のリチウムイオン二次電池用正極活
物質の過充電安全性の評価方法のもう一つの実施態様
は、Co、Ni、Fe、及びMnからなる群から選ばれ
る少なくとも一種の遷移金属元素とリチウムからなる複
合酸化物であり、六方晶系層状構造を有する正極活物質
の過充電安全性を評価する方法において、未充電の状態
の該正極活物質の粉末X線回折測定を行い、(110)
格子面の回折ピーク半値幅β1/2(110)の値が0.070
°〜0.180°の範囲にある正極活物質を、過充電安
全性上良品であると評価することを特徴とする。
【0009】本発明のリチウムイオン二次電池用正極活
物質の過充電安全性の評価方法のさらにもう一つの実施
態様は、Co、Ni、Fe、及びMnからなる群から選
ばれる少なくとも一種の遷移金属元素とリチウムからな
る複合酸化物であり、六方晶系層状構造を有する正極活
物質の過充電安全性を評価する方法において、未充電の
状態の該正極活物質の粉末X線回折測定を行い、粉末X
線回折パターンのリートベルト解析結果から得られるc
軸の格子定数が14.045〜14.060Åの範囲に
ある正極活物質を、過充電安全性上良品であると評価す
ることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物
質の過充電安全性の評価方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の評価方法の被測定物質で
ある正極活物質は、Co、Ni、Mn等の遷移金属元素
とリチウムとの複合酸化物である。リチウム酸化物とコ
バルト酸化物からなるコバルト酸リチウムLiCoO2
がその代表的材料である。この種の物質は六方晶系層状
構造を有し、その充電反応過程においてリチウムイオン
のデインターカレーションに伴い結晶格子が膨張するこ
とが知られている。
【0011】本発明の正極活物質の熱安定性の評価方法
は、この物理現象を積極的に応用するものである。すな
わち、発熱及び、酸素の脱離反応はこのデインターカレ
ーションに伴い起こる。そこで、同じ電気量の充電を行
っても結晶格子の急激な膨張に伴う崩壊を起こさない正
極活物質とはいかなる構造を有するのかを見出すことが
できれば、それを基に評価方法に帰納することが可能で
ある。
【0012】リチウムコバルト複酸化物の正極活物質
は、リチウムイオンのデインターカレーションを伴う充
電反応過程において格子が膨張する。図1に示すよう
に、六方格子結晶軸系a1、a2面内に拡がるCoO2骨
格は強固な結合を形成しており、この面内方向の格子定
数aの変化は小さいが、Li層およびCoO2層の積層
方向のc軸格子定数は変動しやすくc軸方向に異方的な
格子膨張が起こる。ここで、六方晶系リチウムコバルト
複合酸化物の粉末X線回折パターンにおいて、(00
3)、(006)、(009)回折面ピークがc軸方向
の格子変化を反映している。本発明において、これらの
中で最も強度が大きく定量が比較的容易な(003)面
回折ピークの半値幅に着目した。
【0013】c軸方向の歪みの程度は、同軸方向に積層
する格子面の回折ピーク半値幅によって相対的に比較す
ることが可能であり、本発明において、正極活物質の粉
末X線回折の精密測定から得られる回折ピークの半値幅
β1/2を測定して判定する。ピーク半値幅とは、ピーク
強度の1/2の強度位置におけるピークの全角度幅であ
る。
【0014】正極活物質のリチウムコバルト複合酸化物
の粉末X線回折測定から得られる(003)格子面の回
折ピーク半値幅β1/2(003)と、その正極活物質を正極に
使用した後述する通常のリチウムイオン二次電池を作製
し、気温25℃の下でエージングした後、1C、及び
1.5Cの2水準のレートの過充電条件で定電流充電を
行い、電池20本を同条件で過充電した時の発火個数か
ら発火率を算出した。
【0015】電池の発火率と、半値幅β1/2(003)の関係
を図2にプロットした。この図より、この回折ピーク半
値幅β1/2(003)の値が小さいと、すなわち結晶性が良い
と発火率は高くなり、β1/2(003)の値が大きくなるに従
い、すなわち結晶性が悪くなるほど発火率は低下してい
る。β1/2(003)の値が0.088では発火率(1C)は
90%、発火率(1.5C)は100%と極めて発火し
やすいが、β1/2の値が0.095°で発火率(1C)
は0%であり、発火率(1.5C)は10%とかなり低
下している。β1/2の値が0.10の場合、1C、1.
5Cのいずれの場合も発火率は0%と安全性の高い電池
を達成する。
【0016】これに対し、図3に放電容量とβ1/2(003)
の関係をプロットした。ここで放電容量は後述する方法
で測定した。図3より、β1/2(003)の値が大きくなるほ
ど、すなわち結晶性が低下するほど放電容量は低下して
いる。放電容量はβ1/2(003)が0.13°より小さいこ
とが必要とされ、好ましくは0.11°以下である。
【0017】従って、発火率、及び放電容量の両方を考
慮すると、この回折ピーク半値幅の値は、0.095°
≦β1/2(003)≦0.13°の範囲が好ましく、さらに好
ましくは0.10°≦β1/2(003)≦0.11°の範囲で
ある。
【0018】本発明の評価方法は、さらに(003)面
回折ピーク半値幅と(110)面回折ピーク半値幅との
間には直線関係が存在していることから、角度精度の高
い高角度側の(110)面回折ピーク半値幅も正極活物
質の判定に用いることができる。
【0019】発火率と、(110)面回折ピーク半値幅
の間の関係を図4にプロットした。この図より、この回
折ピーク半値幅β1/2(110)の値が小さいと、すなわち結
晶性が良いと発火率は高くなり、β1/2(110)の値が大き
くなるに従い、すなわち結晶性が悪くなるほど発火率は
低下している。β1/2(110)の値が0.070°で発火率
(1C)は0%であり、発火率(1.5C)は10%と
かなり低下している。β1/2(110)の値が0.08の場
合、1C、1.5Cのいずれの場合も発火率は0%と安
全性の高い電池を達成する。
【0020】ところが、β1/2(110)の値が大きくなるほ
ど、すなわち結晶性が低下するほど放電容量は逆に低下
する。高容量を維持するにはβ1/2(110)が0.18°よ
り小さいことが必要とされ、好ましくは0.10°以下
である。
【0021】従って、発火率、及びβ1/2(110)の両方を
考慮すると、この回折ピーク半値幅の値は、0.07°
≦β1/2(110)≦0.18°の範囲が好ましく、さらに好
ましくは0.08°≦β1/2(110)≦0.10°の範囲で
ある。
【0022】このように本発明においてβ1/2(003)ある
いはβ1/2(110)の値が正極活物質の熱安定性に密接な関
係があることを利用している。結晶性が良いと熱安定性
が悪くなる現象について、次のようなメカニズムを推定
している。
【0023】充電時には前述したように正極活物質から
のLiイオンのデインターカレーションが起こり、その
結果、結晶母体のイオン結晶内での積層方向のイオン結
合力は低下し、静電的にかなり不安定となる。結晶性が
よいと、母体結晶はこのような不安定状態に耐えること
ができ、その結果、結晶構造変化を起こさずに大容量の
充電を行えるが、静電的な不安定に耐えられない限界を
超える結晶の破壊が起こると、蓄えられた歪みが一斉に
開放されるために、急激な発熱反応を伴う酸素脱離反応
が一瞬に起こる。これは電池の燃焼、爆発現象を誘発す
る。逆に、結晶性が悪いと、緩やかな結晶の崩壊、分解
反応が起こり、このような静電的不安定性の大きな蓄積
は起こらず、正極活物質の熱安定性は改善され、結果と
して電池の燃焼爆発は起こりにくい。
【0024】さらに、上記したβ1/2(003)あるいはβ1/
2(110)の好ましい範囲に相当する粉末X線回折パターン
のリートベルト解析結果から得られるc軸の格子定数は
14.045〜14.060Åの範囲である。
【0025】
【実施例】<測定試料>本発明の正極活物質の評価方法
に供される正極活物質は、従来からある通常の製造方法
により得られる材料を用いることができる。例えば次の
ようにして調製したコバルト酸リチウム正極材料を基に
説明する。
【0026】化学量論比Li/Co=1.0となるよう
に、予備粉砕を行った炭酸リチウムLi2CO3と酸化コ
バルトCo3O4を混合機を用いて5分間混合した。得ら
れた混合物をアルミナ製ルツボに入れ、200℃/hの
加熱速度で920℃まで加熱し、15時間保持すること
により測定試料Aを合成した。
【0027】[粉末X線回折]理学株式会社性粉末X線
回折装置(Ultima)を用いて、正極活物質の(003)
格子面回折ピークの精密測定を次のような条件を選択し
て行う。測定条件はCuKα線(管電圧40Kv、管電
流40mA)を用い、発散および散乱スリット幅を1
°、受光スリット幅を0.15mmとした。測定範囲は
2θ=17.9〜19.9°、サンプリング幅0.00
4°、計数時間を0.5秒/点とした。
【0028】上記した条件による測定の結果、この試料
の(003)回折ピーク半値幅は0.105°、(11
0)回折ピーク半値幅は0.099°であった。正極活
物質のc軸格子定数は、リートベルト解析プログラムR
IETAN97(泉 富士夫氏)を用いて回折パターン
(2θ範囲15〜90°)より求めた結果、この試料の
c軸格子定数は14.052Åであった。
【0029】[単極セルによる初期放電容量測定]同じ
正極活物質粉末87wt%にアセチレンブラック6wt
%およびPVDF(ポリフッ化ビニリデン)7wt%を
混合し、NMPを加えてペースト化した。これを厚さ5
0μmの圧延アルミ箔に乾燥後の活物質重量が0.02
g/cm2となるように塗布、乾燥した後、活物質密度
が3.0g/ccとなるようにプレスし正極板とした。
【0030】この正極板に対向する負極には厚さ1mm
のLi金属箔を使用した。セパレータには厚さ24μm
のポリオレフィン系多孔性膜を用い、電解液には1Mの
LiPF6を支持塩とするEC(エチレンカーボネー
ト)とDEC(ジエチルカーボネート)の等量混合電解
液を用いた。このようにして作製した単極セルを25℃
一定の条件下において、1Cレートで4.3V定電流定
電圧充電し、1Cレートで定電流放電することにより初
期放電容量を得た。
【0031】[電池による過充電試験]合成条件等を検討
することにより得られた正極活物質を用いて以下のよう
に電池を作製し、過充電試験を行った。
【0032】正極活物質粉末87wt%にアセチレンブ
ラック6wt%およびPVDF(ポリフッ化ビニリデ
ン)7wt%を混合し、NMPを加えてペースト化し
た。これを厚さ20μmの圧延アルミ箔に乾燥後の活物
質重量が0.02g/cm2となるように塗布し、アル
ミ箔の裏面も同重量の活物質を塗布、乾燥した後、活物
質密度が3.0g/ccとなるようにプレスし正極板と
した。
【0033】負極活物質としてリチウムイオンの吸蔵放
出可能な結晶性の高い人工カーボンを用い、負極活物質
粉末95wt%にPVDF5wt%を混合し、NMPを
加えてペースト化した。これを厚さ15μmの圧延銅箔
に乾燥後の活物質重量が0.012g/cm2となるよ
うに塗布し、銅箔の裏面も同重量の活物質を塗布、乾燥
した後、活物質密度が1.5g/ccとなるようにプレ
スし負極板とした。
【0034】セパレータには厚さ24μmのポリオレフ
ィン系多孔性膜を用い、電解液には1MのLiPF6
支持塩とするEC(エチレンカーボネート)とDEC
(ジエチルカーボネート)の等量混合電解液を用いた。
短冊状に切断した正極板および負極板をセパレータで介
して巻回し、電池外装缶にこの渦巻き状電極集電体を挿
入後、電解液を注入してリチウムイオン二次電池を組み
立てた。
【0035】このようにして完成した電池を気温25℃
の下でエージングし、過充電試験用の電池とした。過充
電試験は1C、1.5Cのレートで定電流充電し、電池
の発火率で正極活物質の過充電特性を判定した。
【0036】焼成温度を変更すること以外同様にして種
々の測定試料を調製し、それを上述した方法で各物性値
(β1/2、C軸格子定数、1Cレート初期放電容量、1
C充電時の発火率、1.5C充電時の発火率)を測定し
た。結果を表1にまとめる。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】粉末X線回折装置で測定した未充電状態
の正極活物質の(003)格子面又は(110)格子面
の回折ピーク半値幅、あるいはc軸格子定数を測定する
ことにより、非水電解液二次電池に用いられている正極
活物質の過充電状態における安全性を正確に評価をする
ことができる。
【0039】この評価方法は、電池を組み立てることな
く行うことができ、すなわち迅速か経済的に行うことが
できるという利点を有している。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】リチウムコバルト複合酸化物の六方格子結晶軸
系を示す概念図
【図2】電池発火率とβ1/2(003)の関係を示す特性図
【図3】1.5Cレート初期放電容量とβ1/2(003)の関
係を示す特性図
【図4】電池発火率とβ1/2(110)の関係を示す特性図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Co、Ni、Fe、及びMnからなる群
    から選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素とリチウム
    からなる複合酸化物であり、六方晶系層状構造を有する
    正極活物質の過充電安全性を評価する方法において、未
    充電の状態の該正極活物質の粉末X線回折測定を行い、
    (003)格子面の回折ピーク半値幅β1/2(003)の値が
    0.095°〜0.130°の範囲にある正極活物質
    を、過充電安全性上良品であると評価することを特徴と
    するリチウムイオン二次電池用正極活物質の過充電安全
    性の評価方法。
  2. 【請求項2】 Co、Ni、Fe、及びMnからなる群
    から選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素とリチウム
    からなる複合酸化物であり、六方晶系層状構造を有する
    正極活物質の過充電安全性を評価する方法において、未
    充電の状態の該正極活物質の粉末X線回折測定を行い、
    (110)格子面の回折ピーク半値幅β1/2(110)の値が
    0.070°〜0.180°の範囲にある正極活物質
    を、過充電安全性上良品であると評価することを特徴と
    するリチウムイオン二次電池用正極活物質の過充電安全
    性の評価方法。
  3. 【請求項3】 Co、Ni、Fe、及びMnからなる群
    から選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素とリチウム
    からなる複合酸化物であり、六方晶系層状構造を有する
    正極活物質の過充電安全性を評価する方法において、未
    充電の状態の該正極活物質の粉末X線回折測定を行い、
    粉末X線回折パターンのリートベルト解析結果から得ら
    れるc軸の格子定数が14.045〜14.060Åの
    範囲にある正極活物質を、過充電安全性上良品であると
    評価することを特徴とするリチウムイオン二次電池用正
    極活物質の過充電安全性の評価方法である。
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