JP2001107534A

JP2001107534A - 外壁改修構造

Info

Publication number: JP2001107534A
Application number: JP28569899A
Authority: JP
Inventors: Tatsuo Yamamoto; 達雄山本
Original assignee: IG Technical Research Inc
Current assignee: IG Technical Research Inc
Priority date: 1999-10-06
Filing date: 1999-10-06
Publication date: 2001-04-17

Abstract

(57)【要約】【目的】建築、構築物の既存外壁面、特にＡＬＣ部材
（軽量気泡コンクリート）を中心とした既存外壁面を新
規外壁材で改修するための工法に関し、新規の乾式壁材
を取り付けるための胴縁を確実に建物の躯体（下地材）
に直接固定することによって、既存外壁に損傷を与え
ず、しかも、新規外壁材の取付強度も充分な外壁改修構
造を提供する。【構成】既存外壁Ｃ上に配した長尺板状の補強プレー
トＤと、補強プレートＤと直交するように補強プレート
Ｄ上に配した胴縁Ｅと、胴縁Ｅ上に固定して既存外壁Ｃ
を覆うように配した新規外壁材Ｆから構成され、補強プ
レートＤを固定する固定具βは既存外壁Ｃを貫通して下
地に打ち込まれている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は建築、構築物の既存
外壁面、特にＡＬＣ部材（軽量気泡コンクリート）を中
心とした既存外壁面を新規外壁材で改修するための工法
に関するものである。さらに詳しくは、新規の乾式壁材
を取り付けるための胴縁を確実に建物の躯体（下地材）
に直接固定することによって、既存外壁に損傷を与え
ず、しかも、新規外壁材の取付強度も充分な外壁改修構
造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ＡＬＣ部材を使用した外壁をはじ
めとする外壁の改修は、古くなった既存外壁をすべて撤
去して、既存の躯体や胴縁等の壁下地材に新規外壁を形
成する工法や、既存外壁面に直接新規の乾式壁材を当接
して、乾式壁材をコンクリートアンカー等の固定具を用
いて、既存外壁そのものを壁下地材として利用して改修
した工法が一般的に知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように古くなった既存外壁をすべて撤去して、既存の躯
体や胴縁等の壁下地材に新規外壁を形成した工法では、
撤去のための費用の増大や撤去した廃材の処理に課題が
あると共に、工事中は外壁が無い状態となり、工事期間
中は建物内部を利用することができなくなる課題があっ
た。

【０００４】また、既存外壁をそのまま壁下地材として
利用し、新規外壁材を施工する工法では、そもそも古く
なった既存外壁は、その性質により凍害や経時変化で、
ひび割れや一部脱落、強度劣化が進んでおり、これを壁
下地として利用することは、取り付けられた新規壁材の
取り付け強度に問題が有り、台風や地震等の外的衝撃に
より脱落したり、剥がれたりする危険を伴っていた。

【０００５】本発明はこのような欠点を除去するため、
既存外壁上に配した長尺板状の補強プレートと、補強プ
レートと直交するように補強プレート上に配した胴縁
と、胴縁上に固定して既存外壁を覆うように配した新規
外壁材から構成され、補強プレートを固定する固定具は
既存外壁を貫通して下地に打ち込まれている外壁改修構
造を提案する。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下に、図面を用いて本発明に係
る外壁改修構造について詳細に説明する。図１は本発明
を用いてＡＬＣ外壁を改修した代表的な一例を示す斜視
図、図２はその断面図を表す説明図であり、Ａは改修外
壁、Ｂは下地材、Ｃは既存外壁、Ｄは補強プレート、Ｅ
は胴縁、Ｆは新規外壁材である。

【０００７】下地材Ｂは、建物の躯体および既存外壁Ｃ
の取り付け下地となるもので、図に示すような水平方向
に配置された横架材からなり、さらに具体的にはＨ型鋼
材、もしくは図示しないが角型鋼材、Ｃ型鋼材（リップ
溝型鋼材）、Ｌ字アングル材、溝型鋼材等の鉄骨の下地
材、もしくは木質の柱材等からなるものである。

【０００８】既存外壁Ｃは、Ｈ型鋼材等からなる下地材
Ｂにアングルａ、タテカベプレートｂを介して固定され
ているものである。なお、図１、２は改修時期にきてい
る一般的な挿入筋工法にて取り付けられているＡＬＣ外
壁の例を示しており、この他にも既存外壁Ｃの取り付け
方は種々あり、これに限定されるものではない。また、
ｃは既存外壁Ｃの目地部に充填される充填目地材であ
る。

【０００９】補強プレートＤは、胴縁Ｅを強固に取り付
ける下地となると共に、既存外壁Ｃの耐震性の向上を図
るものであり、素材としては強度に優れた各種鋼材や、
鉄、ステンレス、アルミニウム、チタン、繊維強化され
た各種合成樹脂等からなるもので、例えば図３（ａ）に
示すような長尺状のプレートである。補強プレートＤ
は、水平方向に配された下地材Ｂに沿って既存外壁Ｃ上
に配するものであり、改修を施す既存外壁Ｃを横断する
か、建物全体を包囲するように配するのが好ましく、必
要に応じて固定具α、βを通過させるための下孔１を所
定箇所に形成する。なおここでは、下孔１を長手方向に
沿って２列に設けた例を示している。

【００１０】胴縁Ｅは、素材としては強度に優れた各種
鋼材や、鉄、ステンレス、アルミニウム、チタン、繊維
強化された各種合成樹脂等からなるもので、例えば図３
（ｂ）に示すような断面ハット状の長尺体とし、平滑な
固定面２と、固定面２と平行で固定面２よりも外方に突
出した取付面３を有する。胴縁Ｅは補強プレートＤと直
交するように配し、横貼りの新規外壁材Ｆの配設を容易
ならしめるものである。

【００１１】図４は、新規外壁材Ｆの一例を示すもので
ある。すなわち、新規外壁材Ｆは、表面材１３と裏面材
１４によって芯材１５をサンドイッチした構造であり、
その上下端にはそれぞれ嵌合可能な形状の雄型連結部１
１、雌型連結部１２を形成するものである。新規外壁材
Ｆを各雄型連結部１１と雌型連結部１２を係合しつつ上
下に連続して配することで既存外壁Ｃの全面を覆い隠
し、美観の良い改修外壁Ａを完成させるものである。

【００１２】表面材１３は金属板、例えば鉄、アルミニ
ウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッ
キ鋼板、ホーロー鋼板の一種（勿論、これらを各種色調
に塗装したカラー板も含む）や、プラスチック薄板、Ｆ
ＲＰ、塩化ビニル、ポリカーボネイト等の合成樹脂板等
からなるもの、およびこれらを組み合わせたものであ
り、これらの一種以上をロール成形、プレス成形、押出
成形等によって形成したものである。雄型連結部１１、
雌型連結部１２は、表面材１３の上下端をそれぞれ嵌合
可能な形状に形成したものである。

【００１３】裏面材１４はアスベスト紙、クラフト紙、
アスファルトフェルト、金属箔（Ａｌ、Ｆｅ、Ｐｂ、Ｃ
ｕ）、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、石膏
紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不織布等の１種、また
は２種以上をラミネートしたもの、あるいは防水処理、
難燃処理されたシート状物からなるもの、もしくは表面
材１３と同様の材質からなるものである。

【００１４】芯材１５は新規外壁材Ｆに断熱性及び防、
耐火性を有させるものであり、ポリウレタンフォーム、
ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、
塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチ
レンフォーム、ユリアフォーム等からなるものである。
芯材１５を有する新規外壁材Ｆを既存外壁Ｃの全表面に
配することにより、改修外壁Ａの断熱性、及び防、耐火
性を向上させることができる。

【００１５】以下に、本発明の改修外壁Ａを形成する工
程について説明する。まず図５のように、既存外壁Ｃ上
に補強プレートＤを水平方向に平行になるように配し、
固定具α、βによって固定する。この際、固定具α、β
は既存外壁Ｃを貫通してそれぞれ既存外壁Ｃの下地であ
るアングルａ、下地材Ｂに打ち込むことで、補強プレー
トＤの固定強度を向上させる。

【００１６】次に図６に示すように、胴縁Ｅを固定具γ
によって補強プレートＤ上に固定する。固定具γを補強
プレートＤに打ち込むことで胴縁Ｅの固定を強固ならし
めることができる。なお固定具γは、補強プレートＤ上
からのみならず、既存外壁Ｃの表面に直接打ち込むこと
も可能である。

【００１７】次に図７に示すように、新規外壁材Ｆを取
付面３上に固定具γによって固定し、下方から上方に雄
型連結部１１と雌型連結部１２を係合しつつ貼り合わせ
ていくことによって、図１に示すような改修外壁Ａを形
成するものである。

【００１８】以上説明したのは、本発明にかかる外壁改
修構造の一実施例であり、図８〜図１８（ａ）〜（ｃ）
に示すような部材を用いた構造とすることができる。図
８、９は、固定具αを使用せず、固定具βを既存外壁Ｃ
を貫通させて下地材Ｃに打ち込むことによってのみ補強
プレートＤを固定し、施工の簡素化を図ったものであ
る。また図示しないが、固定具βを使用せず、固定具α
を既存外壁Ｃを貫通させてアングルａに打ち込むことに
よってのみ補強プレートＤを固定することができる。

【００１９】図１０は、図１１に示すような構成の胴縁
Ｅを用いて壁構造Ａを形成した例である。すなわち、こ
こに示す胴縁Ｅは長尺体である芯体６と、同じく長尺体
であるカバー体７とを一体化し、カバー体７に設けた係
止片８により芯体６の内部に保持するようにした例であ
る。カバー体７は素材としては強度に優れた各種鋼材
や、鉄、ステンレス、アルミニウム、チタン、繊維強化
された各種合成樹脂等からなるものであり、カバー体７
の内部に芯体６を介在することにより、胴縁Ｅの補強プ
レートＤへの固着を強固に行うことができるのみなら
ず、新規外壁材Ｆの胴縁Ｅへの固定をも強固ならしめる
ことができる。なお図示しないが、芯体６とカバー体７
の固着は、エアガン等を用いて行うことができる。

【００２０】図１２は、縦貼りの新規外壁材Ｆを使用し
た際の改修外壁Ａの例であり、胴縁Ｅ同士を繋ぐように
胴縁Ｅ´を配し、胴縁Ｅ´に固定具γ（図示せず）を打
ち込むことにより縦貼りの新規外壁材Ｆを固定するもの
である。この際、胴縁Ｅ、Ｅ´としては図１３（ａ）に
示すように固定面２、取付面３、側面部４、溝部５を有
する形状のものを使用し、胴縁Ｅ、Ｅ´それぞれの連結
は、図１３（ｂ）に示すような連結金具Ｇ₁を用いて、
図１４に示すように行ったり、図１３（ｃ）に示すよう
な連結金具Ｇ₂を用いて図１５に示すように行うのが好
ましいものである。

【００２１】すなわち、図１３（ｂ）に示す連結金具Ｇ
₁は、連結舌片２１同士をＬ字状屈曲して形成したアン
グルピース状であり、各連結舌片２１には固定具γの位
置決めガイトとなる下孔２２が形成されているのであ
る。

【００２２】この連結金具Ｇ₁は図１４に示すように、
胴縁Ｅ、Ｅ´をその側面部４から固定具γを打ち込むこ
とによって固定、連結するのであり、交わりの部分では
上下、左右の計４個の連結金具Ｇ₁を使用して、強固に
胴縁Ｅ、Ｅ´を連結するものである。

【００２３】また、図１３（ｃ）に示す連結金具Ｇ₂は
角形鋼材（角パイプ）を短尺に切断して形成したもので
ある。この連結金具Ｇ₂は、図１５に示すように、胴縁
Ｅの溝部５内に挿入し、胴縁Ｅ´の取付面３、および胴
縁Ｅの側面部４をそれぞれ固定具γにて打設することに
より、胴縁Ｅ、Ｅ´を連結するものである。なおこの場
合は、胴縁Ｅの取付面３に打ち込む固定具γを鍋頭、皿
頭形状のものとすることにより、固定具γの頭部による
フケを最小限にすることができ、新規外壁材Ｆの取り付
けに邪魔にならないようにするものである。

【００２４】図１６（ａ）〜（ｊ）は、断面図で示した
胴縁Ｅ（Ｅ´）の変形例の断面を示したものであり、胴
縁Ｅ（Ｅ´）の取り付けの容易化や、取り付け強度の向
上等を図ることができる。

【００２５】図１７（ａ）〜（ｇ）、および図１８
（ａ）〜（ｃ）は、新規外壁材Ｆの変形例である。新規
外壁材Ｆの形状を任意に選択することで、外観の優れた
壁構造Ａを形成することができるものである。なお、図
１７（ｂ）に示す新規外壁材Ｆは、雄型連結部１１内に
は防水性と耐火性を有する耐火性パッキング材１６を、
雌型連結部１２内には防水性シーリング材１７をそれぞ
れ介在させて、連結目地部の防水性と耐火性を向上し、
さらに雄型連結部１１と雌型連結部１２の形状に合致す
るように任意に形成した不燃部材１８を各連結部内に装
着した例であり、不燃部材１８は、新規外壁材Ｆ同士で
形成される連結目地部の防火性、耐火性を向上するもの
であり、また、雄型連結部１１と雌型連結部１２の端部
に充填することから、新規外壁材Ｆ端部における芯材１
５の欠肉を防止し、芯材１５の発泡性や延展性をも向上
させるものである。なお、不燃部材１８はケイ酸カルシ
ウム板、高密度フェノール樹脂板、木毛セメント板、ロ
ックウール板、水酸化アルミニウム板等の１種以上の不
燃性部材からなるものである。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る外壁改
修構造によれば、既存外壁を解体する必要がないの
で、施工工数を省略できると共に、工期を大幅に短縮す
ることができ、しかも施工中の居住や利用に何等支障を
来さない。既存外壁上に新規外壁を形成するので、施
工が簡単でコストを節約できる。既存外壁と新規外壁
との２重壁工法となり、断熱性、防音性、防火性に富む
工法となる。補強プレートを固定する固定具を既存外
壁の下地まで打ち込むことにより、既存外壁の耐震性を
向上させることができるのみならず、胴縁を強固に取り
付けることができる。等の特徴、効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る外壁改修構造の代表例を示す説明
図である。

【図２】本発明に係る外壁改修構造の代表例を示す説明
図である。

【図３】補強プレートと胴縁の説明図である。

【図４】新規外壁材の説明図である。

【図５】本発明に係る外壁改修構造の改修手順を示す説
明図である。

【図６】本発明に係る外壁改修構造の改修手順を示す説
明図である。

【図７】本発明に係る外壁改修構造の改修手順を示す説
明図である。

【図８】本発明に係る外壁改修構造のその他の例であ
る。

【図９】本発明に係る外壁改修構造のその他の例であ
る。

【図１０】本発明に係る外壁改修構造のその他の例であ
る。

【図１１】本発明に係る外壁改修構造のその他の例であ
る。

【図１２】本発明に係る外壁改修構造のその他の例であ
る。

【図１３】本発明に係る外壁改修構造のその他の例であ
る。

【図１４】本発明に係る外壁改修構造のその他の例であ
る。

【図１５】本発明に係る外壁改修構造のその他の例であ
る。

【図１６】本発明に係る外壁改修構造のその他の例であ
る。

【図１７】本発明に係る外壁改修構造のその他の例であ
る。

【図１８】本発明に係る外壁改修構造のその他の例であ
る。

【符号の説明】

α 固定具 β 固定具 γ 固定具ａアングルｂタテカベプレートｃ充填目地材Ａ改修外壁Ｂ下地材Ｃ既存外壁Ｄ補強プレートＥ胴縁Ｅ´ 胴縁Ｆ新規外壁材Ｇ₁ 連結金具Ｇ₂ 連結金具１下孔２固定面３取付面４側面部５溝部６芯体７カバー体８係止片１１雄型連結部１２雌型連結部１３表面材１４裏面材１５芯材１６耐火性パッキング材１７防水性シーリング材１８不燃部材２１連結舌片２２下孔

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Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】既存外壁上に配した長尺板状の補強プレ
ートと、補強プレートと直交するように補強プレート上
に配した胴縁と、胴縁上に固定して既存外壁を覆うよう
に配した新規外壁材から構成され、補強プレートを固定
する固定具は既存外壁を貫通して下地に打ち込まれてい
ることを特徴とする外壁改修構造。