JP2001105209A - 工作機械の回転停止制御方法及び回転停止制御装置 - Google Patents

工作機械の回転停止制御方法及び回転停止制御装置

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JP2001105209A
JP2001105209A JP28128399A JP28128399A JP2001105209A JP 2001105209 A JP2001105209 A JP 2001105209A JP 28128399 A JP28128399 A JP 28128399A JP 28128399 A JP28128399 A JP 28128399A JP 2001105209 A JP2001105209 A JP 2001105209A
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Japan
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work
chuck
chucks
hydraulic
rotation stop
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JP28128399A
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Akira Ikoma
晃 生駒
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Original Assignee
KOMATSU KOKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非常停止や停電が発生した場合、左右チャッ
クに同期ずれが生じて、左右チャックにクランプされた
ワークに捩れが発生する。 【解決手段】 旋削またはミーリング加工するワーク6
の両端をクランプする一対のチャック7と、上記チャッ
ク7の爪体7aを開閉する油圧クランプ手段8と、各チ
ャック7毎に設けられ、かつ制御手段により同期制御さ
れて、上記各チャック7を同期回転させるワーク駆動モ
ータ4と、上記チャック7の少なくとも一方に設けら
れ、かつワーク6の位相位置決めを行う位相位置決め手
段15と、ワーク6の加工中に上記ワーク駆動モータ4
の電源が何等かの理由で遮断された場合、位相位置決め
手段15の設けられた一方のチャック7はワーク6をク
ランプしたまま、他方のチャック7は、ワーク6をアン
クランプ、もしくはクランプを緩めた状態となるよう油
圧クランプ手段8を制御する油圧制御手段とより構成し
たもので、非常停止や停電により左右チャック7に同期
ずれが発生しても、ワーク6は一端側のみがクランプさ
れているため、捩れが発生することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は軸物ワークを旋削
またはミーリング加工する工作機械の回転停止制御方法
及び回転停止制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来カムシャフトのような軸状のワーク
(軸物ワーク)を加工する工作機械としては、例えば図
1に示すようなカムシャフトミラーが公知である。上記
カムシャフトミラーは、ベッドa上に一対のワークスピ
ンドルユニットbが設けられていて、これらワークスピ
ンドルユニットbには、同一軸線上にワークスピンドル
cが回転自在に支承されている。
【0003】これらワークスピンドルcの対向端部に
は、ミーリング加工する軸物ワークdの両端をクランプ
して、軸物ワークdを回転させるチャックeが取付けら
れていると共に、上記各ワークスピンドルcは、ワーク
駆動モータfにより回転される同期ドライブシャフトg
にウォームギヤなどの動力伝達手段mを介して接続され
ていて、ワーク駆動モータfにより各ワークスピンドル
cが同期回転されるように構成されている。
【0004】また上記ワークスピンドルcの一端側に取
付けられた各チャックeは、図2に示すように半径方向
へ移動自在な3本の爪体iを有しており、これら爪体i
は、各爪体i毎に設けられた作動杆hの先端に10〜1
5゜の傾斜角θで当接されている。
【0005】上記各作動杆hは、チャックe内に軸線方
向へ移動自在に設けられていて、ワークスピンドルcの
他端側に設けられたクランプシリンダjと連動杆kを介
して接続されており、クランプシリンダjの一方の油室
pへ電磁弁nを介して油圧を供給すると、連動杆kを介
して作動杆hが前進されるため、各爪体iは中心方向へ
閉合されて、ワークdの端部をクランプするように構成
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来のカム
シャフトミラーのように、左右のチャックeを同期ドラ
イブシャフトgで同期させて、単一のワーク駆動モータ
fで同期回転させるものでは、左右チャックeの回転を
同期させる同期ドライブシャフトgなどを必要として構
造が複雑なため、高価になると共に、ベッドa内に同期
ドライブシャフトgなどを設置するスペースを必要とす
るため、機械が大型になるなどの不具合がある。
【0007】また左右独立したワーク駆動モータにより
左右チャックeを同期回転させるようにした工作機械の
場合、チャックeに設けられた爪体iを半径方向へ開閉
する作動杆hと爪体iが、クランプ時セルフロックがか
かるように10〜15゜の傾斜角θで当接されているた
め、何等かの理由で非常停止がかかって、電磁弁nが中
立位置に切換っても、爪体iにセルフロックがかかっ
て、ワークdがアンクランプされず、その結果左右のチ
ャックeに同期ずれが発生した場合、左右チャックeに
両端がクランプされたワークdに捩れが発生して、加工
中のワークdが不良品になるなどの不具合もある。
【0008】この発明はかかる従来の不具合を解消する
ためになされたもので、左右チャックを独立したワーク
駆動モータで回転駆動させ、かつ非常停止などで電源が
遮断された場合でも、ワークに捩れが発生することがな
い工作機械の回転停止制御方法及び回転停止制御装置を
提供して、工作機械の小型化及び低価格化を図ると同時
に、不良品の発生を未然に防止することを目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用効果】上記目的を
達成するため請求項1記載の発明は、加工すべきワーク
の両端をクランプする一対のチャックを有し、かつ制御
手段により同期制御されるワーク駆動モータにより上記
各チャックを同期回転させて、ワークを旋削またはミー
リング加工するに当り、まず加工すべきワークを各チャ
ック間に搬入したら、少なくとも一方のチャックに設け
られた位相位置決め手段によりワークの位相位置決めを
した後ワークをクランプし、次に他方のチャックでワー
クをクランプしたら、ワーク駆動モータにより各チャッ
クを同期回転させて、ワークの加工を行うと共に、ワー
クの加工中に何等かの理由でワーク駆動モータの電源が
遮断された場合、位相位置決め手段の設けられた一方の
チャックはワークをクランプしたまま、他方のチャック
は、ワークをアンクランプ、もしくはクランプを緩めた
状態にして、各チャックを停止させるようにしたもので
ある。
【0010】上記方法により非常停止や、停電などによ
ってワーク駆動モータの電源が遮断された場合に、各ワ
ーク駆動モータの惰走距離の差などにより左右チャック
に同期ズレが発生しても、位相位置決め手段を有するチ
ャックがワークをクランプしているため位相ずれが生じ
ることがなく、また他方のチャックはワークをアンクラ
ンプ、もしくはクランプが緩められているので、同期ず
れによってワークに捩れが発生することがなく、これに
よって不良品の発生を未然に防止できるようになると共
に、チャックに対してワークに位相ずれが生じないの
で、再起動の際ワークに位相ずれが発生することがな
い。
【0011】さらに位相位置決め手段に位置決めピンが
設けられている場合、位相位置決め手段を有するチャッ
クのみがワークをクランプしているため、左右チャック
に同期ズレが発生しても、位相位置決め手段の位置決め
ピンにせん断力が作用することがなく、これによって位
相位置決め手段の位置決めピンが破断されることを未然
に防止することができる。
【0012】上記目的を達成するため請求項2記載の発
明は、旋削またはミーリング加工するワークの両端をク
ランプする一対のチャックと、上記チャックの爪体を開
閉する油圧クランプ手段と、各チャック毎に設けられ、
かつ制御手段により同期制御されて、上記各チャックを
同期回転させるワーク駆動モータと、上記チャックの少
なくとも一方に設けられ、かつワークの位相位置決めを
行う位相位置決め手段と、ワークの加工中に上記ワーク
駆動モータの電源が何等かの理由で遮断された場合、位
相位置決め手段の設けられた一方のチャックはワークを
クランプしたまま、他方のチャックは、ワークをアンク
ランプ、もしくはクランプを緩めた状態となるよう油圧
クランプ手段を制御する油圧制御手段とより構成したも
のである。
【0013】上記構成により、各チャック毎に設けられ
たワーク駆動モータにより左右チャックが同期回転され
るため、左右チャックを同期回転させる同期ドライブシ
ャフトが不要となり、これによって構成が簡単になるた
め、機械の価格低減が図れると共に、同期ドライブシャ
フトを設置するスペースも不要となるため、機械の小型
化が図れるようになる。
【0014】また非常停止や、停電などによってワーク
駆動モータの電源が遮断された場合に、各ワーク駆動モ
ータの惰走距離の差などにより左右チャックに同期ズレ
が発生しても、位相位置決め手段を有するチャックがワ
ークをクランプしているため位相ずれが生じることがな
く、また他方のチャックはワークをアンクランプ、もし
くはクランプが緩められているので、同期ずれによって
ワークに捩れが発生することがなく、これによって不良
品の発生を未然に防止できるようになると共に、チャッ
クに対してワークに位相ずれが生じないので、再起動の
際ワークに位相ずれが発生することがない。
【0015】さらに位相位置決め手段に位置決めピンが
設けられている場合、位相位置決め手段を有するチャッ
クのみがワークをクランプしているため、左右チャック
に同期ズレが発生しても、位相位置決め手段の位置決め
ピンにせん断力が作用することがなく、これによって位
相位置決め手段の位置決めピンが破断されることを未然
に防止することができる。
【0016】上記目的を達成するため請求項3記載の発
明は、位相位置決め手段が設けられた一方のチャックに
対し、他方のチャックをアンクランプ、もしくはクラン
プを緩めた状態にする油圧制御手段を、電源の遮断とと
もに中立ポジションに復帰して、油圧クランプ手段の油
圧をドレンまたは低下させる3ポジション型電磁弁によ
り構成したものである。
【0017】上記構成により、電源の遮断とともに瞬時
に中立ポジションに復帰して、他方のチャックをアンク
ランプ、もしくはクランプを緩めることができるため、
左右チャックの同期ずれによりワークが捩れるのを確実
に防止することができる。
【0018】上記目的を達成するため請求項4記載の発
明は、位相位置決め手段が設けられた一方のチャックに
対し、他方のチャックをアンクランプ、もしくはクラン
プを緩めた状態にする油圧制御手段を、電源の遮断とと
もにアンクランプポジションに復帰して、油圧クランプ
手段の油圧をドレンまたは低下させる2ポジション型電
磁弁により構成したものである。
【0019】上記構成により、電源の遮断とともに瞬時
にアンクランプポジションに復帰して、他方のチャック
をアンクランプ、もしくはクランプを緩めることができ
るため、左右チャックの同期ずれによりワークが捩られ
るのを確実に防止することができると共に、安価な2ポ
ジション型の電磁弁を使用するため、経済的である。
【0020】上記目的を達成するため請求項5記載の発
明は、チャックに設けられた複数の爪体を半径方向に開
閉する作動杆と上記爪体の当接面を、爪体がワークに対
してセルフロックしない傾斜角の傾斜面としたものであ
る。
【0021】上記構成により、爪体にセルフロックがか
からないため、油圧クランプ手段の油圧をドレンもしく
は低下させるだけで、ワークのアンクランプ、もしくは
クランプを緩めるなどの動作が確実に行えるようにな
る。
【0022】
【発明の実施の形態】この発明をカムシャフトミラーの
ような工作機械に実施した実施の形態を、図3及び図4
に示す図面を参照して詳述する。図3は工作機械の正面
図を示すもので、ベッド1上に左右に離間し、かつ接離
方向へ移動自在に、一対のワークスピンドルユニット2
が設置されている。
【0023】上記各ワークスピンドルユニット2には、
同一軸線上にワークスピンドル3が回転自在に支承され
ていて、これらワークスピンドル3は、各ワークスピン
ドルユニット2毎に設けられたワーク駆動モータ4に動
力伝達手段5を介して接続されている。上記各ワーク駆
動モータ4は、図示しない制御手段により回転及び停止
が同期制御されるサーボモータより構成されていて、ウ
ォームギヤなどの動力伝達手段5を介して上記ワークス
ピンドル3に接続され、これらワーク駆動モータ4によ
り各ワークスピンドル3が同一方向へ同期回転されると
共に、各ワークスピンドル3の対向端部には、ワーク6
の両端をクランプするチャック7が、そして反対側の端
部には、チャック7に設けられた爪体7aを駆動する油
圧クランプ手段8が設けられている。
【0024】上記チャック7は、図4に示すように半径
方向へ開閉自在な3本の爪体7aを有していて、内周側
端部でワーク6の両端をクランプするようになってお
り、外周側端には、爪体7aがセルフロックするのを防
止するため、望ましくは傾斜角θが25゜以上、例えば
30゜の傾斜面7bが形成されていて、これら傾斜面7
bに、各爪体7a毎に設けられた作動杆7cの一端が当
接されている。上記各作動杆7cはチャック7内に軸線
方向へ移動自在に設けられていて、他端側は各ワークス
ピンドル3の中心部に設けられた連動杆9の一端側に係
合されており、連動杆9の他端は、油圧シリンダよりな
る油圧クランプ手段8のピストン杆8aに回転継手10
を介して接続されている。
【0025】上記油圧クランプ手段8は、シリンダ8e
内が上記ピストン杆8aに設けられたピストン8bによ
り2室の油室8c,8dに区割されており、これら油室
8c,8dには電磁弁12,13を介して油圧源14よ
り油圧が供給できるようになっている。
【0026】上記各電磁弁12,13は、クランプポジ
ション12a,13aと、中立ポジション12b,13
b及びアンクランプポジション12c,13cを有する
3ポジション型の電磁弁で、何等かの理由で非常停止が
かかったり、停電が発生した場合、瞬時に中立ポジショ
ン12b,13bに復帰するようになっており、後述す
る位相位置決め手段15が設けられたチャック7側の電
磁弁12は、中立ポジション12bになっても、油室8
c,8d内に油圧を保持して、チャック7がワーク6を
クランプしたままの状態を保持するようになっている。
【0027】また位相位置決め手段15のないチャック
7側の電磁弁13は、中立ポジション13bになると、
油室8c,8d内の油圧をタンク22へドレンして、チ
ャック7をアンクランプ状態にするか、もしくは油室8
c,8dの油圧を減圧して、ワーク6のクランプを緩め
ることにより、ワーク6に対して爪体7aが滑るように
なっている。
【0028】一方左右チャック7の一方、例えば左側の
チャック7には、予めワーク6の端面に穿設されたピン
孔15aに位置決めピン15bを嵌挿することにより、
ワーク6の位相位置決めを行う前述した位相位置決め手
段15が設けられている。
【0029】また左右チャック7の間には、ワーク6を
加工するカッタスピンドルユニット16が設置されてい
る。上記カッタスピンドルユニット16は、両端がチャ
ック7にクランプされたワーク6の長手方向へ移動自在
にベッド1上に設置されていて、ワーク6と平行する方
向にカッタスピンドル17が回転自在に支承されてお
り、このカッタスピンドル17の一端側は、動力伝達手
段18を介してカッタ駆動モータ19に接続されてい
て、このカッタ駆動モータ19によりカッタスピンドル
17が回転されると共に、カッタスピンドル17の他端
側には、ワーク6を旋削またはミーリング加工する円盤
状のカッタ20が着脱自在に取付けられる。
【0030】次に上記構成された工作機械により例えば
カムシャフトのような軸状のワーク6を加工する際の作
用を説明する。まず左右チャック7の爪体7aを駆動す
る油圧クランプ手段8の油室8dに、電磁弁12,13
のアンクランプポジション12c,13cを介して油圧
を供給して、各油圧クランプ手段8によりチャック7内
の作動杆7cを後退させ、左右チャック7の爪体7aを
アンクランプ状態にする。
【0031】次にこの状態で左右チャック7の間にワー
ク6を搬入して、ワーク6の一端側に穿設されたピン孔
15aに、一方のチャック7に設けられた位相位置決め
手段15の位置決めピン15bを挿入し、ワーク6の位
相位置決めをしたら、一方の電磁弁12をクランプポジ
ション12aに切換えてシリンダ8eの油室8cへ油圧
を供給し、左チャック7の作動杆7cを前進させて、ま
ず位相位置決め手段15の設けられたチャック7の爪体
7aでワーク6の一端側をクランプし、続いて他方の電
磁弁13をクランプポジション13aに切換えてシリン
ダ8eの油室8cへ油圧を供給して、位相位置決め手段
15のないチャック7の爪体7aでワーク6の他端側を
クランプする。
【0032】なお位相位置決め手段15が設けられたチ
ャック7で先にワーク6の一端をクランプした後、位相
位置決め手段15のないチャック7でワーク6の他端を
クランプする理由は、もし左右のチャック7で同時にワ
ーク6の両端をクランプしたり、位相位置決め手段15
のないチャック7で先にワーク6をクランプすると、爪
体7aでワーク6をクランプする際、ワーク6に捩り力
が発生した場合、位相位置決め手段15の位置決めピン
15aにせん断力が作用して、位置決めピン15aが破
断されたり、曲がる虞があるためである。またワーク6
の両端をチャック7でクランプしてワーク6の捩り剛性
を上げるが、ワーク6の両端をチャック7でクランプす
る際ワーク6に捩れが発生すると、ワーク6がカムシャ
フトの場合、カムのプロフィル形状精度が悪化して、精
度の高い加工ができなくなるためでもある。
【0033】以上のようにして左右チャック7の間でワ
ーク6の両端をクランプしたら、制御手段によりワーク
駆動モータ4を同期制御して、各ワーク駆動モータ4に
より左右チャック7を同期回転させると共に、制御手段
により回転が制御されるカッタ駆動モータ19によりカ
ッタ20を回転させて、ワーク6の加工を行うもので、
左右チャック7を回転駆動するワーク駆動モータ4は、
制御手段により電気的に同期制御されるため、ワーク6
の加工中同期ずれが発生することがない。
【0034】一方ワーク6の加工中に何等かの理由で非
常停止がかかったり、停電が発生すると、ワーク駆動モ
ータ4及びカッタ駆動モータ19が停止され、同時に電
磁弁12,13も非通電となって中立ポジション12
b,13bに復帰する。これによって位相位置決め手段
15が設けられたチャック7側の電磁弁12は、油圧ク
ランプ手段12に通じる回路を遮断して、シリンダ8e
内の油室8c,8dの油圧を保持するため、チャック7
の爪体7aは、ワーク6の一端側をクランプしたままの
状態を保持する。
【0035】しかし位相位置決め手段15のないチャッ
ク7側の電磁弁13は、中立ポジション13bになる
と、シリンダ8e内の油室8c,8dの油圧をタンク2
2へドレンすると共に、爪体7aと作動杆7cの当接部
は、セルフロックがかからない角度25゜以上の傾斜面
7bとなっていることから、油室8c,8dの油圧がタ
ンク22へドレンされると同時に、爪体7aはワーク6
を瞬時にアンクランプする。これによって非常停止や停
電によって電源が遮断され、左右チャック7に同期ずれ
が発生しても、ワーク6は位相位置決め手段15の設け
られたチャック7でのみクランプされ、他方のチャック
7はワーク6をアンクランプしているため、左右チャッ
ク7の同期ずれによりワーク6が捩られて、ワーク6が
不良品となるのを未然に防止することができる。
【0036】特にワーク6の加工中に非常停止がかかる
と、ワーク駆動モータ4に回生制動がかかるため、左右
チャック7を駆動するワーク駆動モータ4の惰性距離に
差が発生して、左右チャック7に同期ずれが発生するこ
とが多いが、上述したようにワーク6は位相位置決め手
段15の設けられたチャック7側でのみクランプされて
いるため、同期ずれによりワーク6が捩られることがな
く、これによってワーク6が、カムシャフトのように径
が細く、かつ長尺なものであっても、捩られて不良品と
なることがない。
【0037】また位相位置決め手段15の設けられたチ
ャック7側でのみワーク6をクランプすることから、ワ
ーク6の位相位置決め手段15とワーク6が常に一体に
回転し、非常停止時や停電時でも位置決めピン15bに
せん断力が作用することがないので、位置決めピン15
bが破断される心配もない。
【0038】なお上記実施の形態では、位相位置決め手
段15のないチャック7側の油圧クランプ手段8の油を
ドレンして、ワーク6をアンクランプするようにした
が、ワーク6と爪体7aが滑る程度に油圧クランプ手段
8の油圧を低下させるようにしてもよく、この場合非常
停止後や停電後にワーク6を取付けたまま再起動させる
際、再度位相位置決めをせずに、アンクランプ側のチャ
ックをクランプするのみで再起動できるため、機械の再
起動が短時間で行えるようになる。
【0039】また上記実施の形態では、油圧クランプ手
段8を油圧で動作させるのに、3ポジション型の電磁弁
12,13を使用したが、中立時シリンダ8e内の油圧
をタンクへドレンさせる電磁弁13には、クランプポジ
ション13aと、アンクランプポジション13cを有す
る図5に示すような2ポジション型の電磁弁13′を使
用してもよく、この場合電磁弁13′が安価となるので
経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の工作機械を示す説明図である。
【図2】従来の工作機械に設けられたチャックの説明図
である。
【図3】この発明の実施の形態になる工作機械の一部切
欠正面図である。
【図4】この発明の実施の形態になる工作機械に設けら
れたチャックの構成図である。
【図5】この発明の実施の形態になる工作機械に設けら
れたチャックの変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
4…ワーク駆動モータ 6…ワーク 7…チャック 7a…爪体 7b…傾斜面 7c…作動杆 8…油圧クランプ手段 13,13′…電磁弁 13b…中立ポジション 13c…アンクランプポジション 15…位相位置決め手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工すべきワーク(6)の両端をクラン
    プする一対のチャック(7)を有し、かつ制御手段によ
    り同期制御されるワーク駆動モータ(4)により上記各
    チャック(7)を同期回転させて、ワーク(6)を旋削
    またはミーリング加工するに当り、まず加工すべきワー
    ク(6)を各チャック(7)間に搬入したら、少なくと
    も一方のチャック(7)に設けられた位相位置決め手段
    (15)によりワーク(6)の位相位置決めをした後ワ
    ーク(6)をクランプし、次に他方のチャック(7)で
    ワーク(6)をクランプしたら、ワーク駆動モータ
    (4)により各チャック(7)を同期回転させて、ワー
    ク(6)の加工を行うと共に、ワーク(6)の加工中に
    何等かの理由でワーク駆動モータ(4)の電源が遮断さ
    れた場合、位相位置決め手段(15)の設けられた一方
    のチャック(7)はワーク(6)をクランプしたまま、
    他方のチャック(7)は、ワーク(6)をアンクラン
    プ、もしくはクランプを緩めた状態にして、各チャック
    (7)を停止させることを特徴とする工作機械の回転停
    止制御方法。
  2. 【請求項2】 旋削またはミーリング加工するワーク
    (6)の両端をクランプする一対のチャック(7)と、
    上記チャック(7)の爪体(7a)を開閉する油圧クラ
    ンプ手段(8)と、各チャック(7)毎に設けられ、か
    つ制御手段により同期制御されて、上記各チャック
    (7)を同期回転させるワーク駆動モータ(4)と、上
    記チャック(7)の少なくとも一方に設けられ、かつワ
    ーク(6)の位相位置決めを行う位相位置決め手段(1
    5)と、ワーク(6)の加工中に上記ワーク駆動モータ
    (4)の電源が何等かの理由で遮断された場合、位相位
    置決め手段(15)の設けられた一方のチャック(7)
    はワーク(6)をクランプしたまま、他方のチャック
    (7)は、ワーク(6)をアンクランプ、もしくはクラ
    ンプを緩めた状態となるよう油圧クランプ手段(8)を
    制御する油圧制御手段とを具備したことを特徴とする工
    作機械の回転停止制御装置。
  3. 【請求項3】 位相位置決め手段(15)が設けられた
    一方のチャック(7)に対し、他方のチャック(7)を
    アンクランプ、もしくはクランプを緩めた状態にする油
    圧制御手段を、電源の遮断とともに中立ポジション(1
    3b)に復帰して、油圧クランプ手段(8)の油圧をド
    レンまたは低下させる3ポジション型電磁弁(13)に
    より構成してなる請求項2記載の工作機械の回転停止制
    御装置。
  4. 【請求項4】 位相位置決め手段(15)が設けられた
    一方のチャック(7)に対し他方のチャック(7)をア
    ンクランプ、もしくはクランプを緩めた状態にする油圧
    制御手段を、電源の遮断とともにアンクランプポジショ
    ン(13c)に復帰して、油圧クランプ手段(8)の油
    圧をドレンまたは低下させる2ポジション型電磁弁(1
    3′)により構成してなる請求項2記載の工作機械の回
    転停止制御装置。
  5. 【請求項5】 チャック(7)に設けられた複数の爪体
    (7a)を半径方向に開閉する作動杆(7c)と上記爪
    体(7a)の当接面を、爪体(7a)がワーク(6)に
    対しセルフロックしない傾斜角度としてなる請求項2記
    載の工作機械の回転停止制御装置。
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