JP2001104344A - 義歯アタッチメント用保持部材 - Google Patents

義歯アタッチメント用保持部材

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JP2001104344A
JP2001104344A JP29038699A JP29038699A JP2001104344A JP 2001104344 A JP2001104344 A JP 2001104344A JP 29038699 A JP29038699 A JP 29038699A JP 29038699 A JP29038699 A JP 29038699A JP 2001104344 A JP2001104344 A JP 2001104344A
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Tadashi Furuya
匡 古谷
Kenji Akihama
賢治 秋浜
Hiroshi Mizutani
紘 水谷
Kazuo Nakamura
和夫 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保持部材の支持体を鋳接する際、鋳型内にお
いて空隙部への脱落を防止して確実および安価に義歯を
製造できる義歯磁性アタッチメント用保持部材を提供す
るものである。また、本発明の他の目的として、保持部
材の支持体に具備する取手について、実際の施行上にお
いて取手損傷の発生を抑制し、根面板との接合強度を向
上する。 【解決手段】 義歯床に埋設した永久磁石構造体をその
端面に磁気吸着するための義歯アタッチメント用の保持
部材であって、前記保持部材は、鋳型内固定用の取手を
有する非磁性の支持体と、前記永久磁石構造体に磁気吸
着されるための軟磁性の保持体とからなり、前記支持体
と保持体とが着脱自在な構造であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は永久磁石による磁気
吸引力を利用して義歯を保持するための義歯アタッチメ
ント用保持部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】永久磁石の磁気吸引力を利用した義歯ア
タッチメントは従来から検討が続けられている。従来の
義歯アタッチメントとしては、例えば図7に示すよう
に、歯根74内に断面略T字状の耐食性非磁性合金(例
えば金銀パラジウム合金)からなる根面板75と耐食性
磁性ステンレス鋼(例えばSUS447J1)からなる
保持板9とを一体的に鋳接し、一方の義歯床76側には
義歯77を植接するとともに前記保持板9と対向するよ
うに磁石構造体8を埋設している。ここで磁石構造体8
は耐食性磁性ステンレス鋼(例えばSUS447J1)
からなるカップヨーク80の中に希土類永久磁石81を
収容し、その底面を同じく耐食性磁性ステンレス鋼の外
周に非磁性リング部を形成したシールド板82をビーム
溶接するなどして密封していた。これにより磁石構造体
8と保持板9との間には磁気回路が構成され磁気的吸引
力が作用し、義歯床76は歯根74に吸着されて義歯7
7を口腔内に固定できるものである。また、特公平7−
28876では保持板に取手を設けることが記載され、
これにより保持板のずれがなくなり、安定した保持板と
磁性体の吸引力が得られるとしている。
【0003】前記構成の問題点として、例えばMRI
(磁気共鳴診断装置)を用いる診断が困難となることが
指摘されてきている。義歯床76と共に磁石構造体8を
口腔から除去しても、歯根74の上部に軟磁性材料から
なる保持板9が根面板75に固定されているため、MR
I診断時の画像を乱す要因となっていた。この保持板9
は鋳接によって一体的に根面板75に半永久的に設けら
れるため、外す場合は歯科用の工具で保持体を切断する
か根面板ごと取り外す必要があった。
【0004】上記問題を解決する手段として特開平7−
323037号公報では、磁性体からなるキーパ本体と
非磁性体からなるのキーパ支持体とからなり、キーパ本
体を着脱自在にすることが記載されている。つまりキー
パ本体とキーパ支持体とを着脱自在な構造とし、キーパ
支持体のみを根面部材に埋設する。そして日常生活にお
いてはキーパ支持体にキーパ本体を取り付けた状態にし
ておき、MRI使用時には脱離させることが記載されて
いる。また、着脱自在にする構成として、キーパ支持体
側に雌ネジ部を、キーパ本体側に前記雌ネジ部に嵌合す
る雄ネジ部を設けておくことが記載されている。さら
に、特開平8−646号公報では保持部材と本体(根面
板)との位置関係、および着脱手段である保持部材のネ
ジ形状(ピッチ、軸方向長さ)と本体との位置関係を規
定し、その効果として着脱が容易となること、本体への
保持部材の固定が確実にできることが記載されている。
【0005】しかしながら、前記両技術で記載される技
術ではキーパ支持体と根面板とは鋳接されて固着された
状態にある。この鋳接過程について図6で説明する。ま
ず支持体2およびダミーを螺着固定したものをロウ模型
からなる根面板61の上部に設置する。これを鋳型内6
0に設置し、その上に石膏材などの埋没材62を充填す
る。ダミー1bは埋没材62により固着されるためのく
びれ部を具備する埋設部とキーパ本体と同形状であるキ
ーパ本体のダミー部からなり、埋設部は埋没材の中に埋
設されて鋳型60内で固定される。その後、ロウ模型部
分を鋳型内で加熱後脱ロウして空隙部61を形成する。
この空隙部61に根面板を構成する貴金属をスプルー6
3を介して注湯することによって根面板を鋳造すると共
に支持体2を鋳ぐるみ一体化する。その後、鋳型60の
埋没材を処理液により除去し、鋳造された根面板を取り
出し、ダミー1bの雄ネジ部をキーパ支持体から離別
し、またスプルーは切除してキーパ支持体が鋳接された
根面板が完成する。上記ダミー1bは、溶湯との鋳接、
溶湯との反応、溶湯の熱によるダミー1bの損傷等の問
題を考慮すると金属等の比較的重い材料を用いる必要が
ある。
【0006】しかしながら、上記構成のダミー1bをも
ちいるのでは鋳接が困難である。脱ロウを行った際、鋳
型60内でキーパ支持体はダミー1bの雄ネジ部と螺接
で宙吊り状態であり、かつダミー1bは上記のとおり埋
設部が埋没材62により固定される。その際、ダミー1
bの自重に埋没材が耐えられないことや、キーパ支持体
自体には鋳型内での固定手段を有していないことから、
キーパ支持体の設置位置が脱ロウ前の位置からずれたり
ダミー自体が空隙部に落下してしまうという不具合がお
こる。鋳型内での位置確認は困難であり、凝固が終了し
埋没材62を除去した後でないと目視確認することがで
きない。さらに空隙部61内に落ちた状態で鋳込まれて
しまうとキーパ支持体はもとよりダミー1bまで鋳造品
中に内包され、取り出すのは極めて困難であった。ま
た、ダミー1b自体も高価であり、キーパ支持体と螺接
するための雄ネジ部を損傷してしまうと再度別のダミー
を入手する必要があり、かつ複数同時に製造する際には
その製造個数分を用意しなければならず、コストおよび
歩留まりで考慮するべき点があった。また、鋳接がうま
く行えたとしても支持体とダミーを螺着したまま高温に
さらすことにより凝着が生じて、ダミーの脱離を行う際
に負荷がキーパ支持体にかかり、特に螺接手段を用いて
いる場合には回転トルクによる負荷がネジ部を破壊した
り、ダミーを介してキーパ支持体と根面板との間の鋳接
を剥離させてしまうことが懸念された。これらの理由か
ら、なるべく軽量のダミーを用い、かつキーパ支持体を
鋳型内に固定する手段が切望されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明が解決し
ようとする課題は、保持部材の支持体を鋳接する際、鋳
型内において空隙部への脱落を防止して確実および安価
に磁性アタッチメント式義歯を製造できる義歯磁性アタ
ッチメント用保持部材を提供するものである。また、本
発明の他の目的として、保持部材の支持体に具備する取
手について、実際の施行上において取手損傷の発生を抑
制し、根面板との接合強度を向上することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討の
結果、かかる問題を解決するために保持部材の支持体に
取手を具備するという技術手段を用いた。つまり本発明
は、義歯床に埋設した永久磁石構造体をその端面に磁気
吸着するための義歯アタッチメント用の保持部材であっ
て、前記保持部材は、鋳型内固定用の取手を有する非磁
性の支持体と、前記永久磁石構造体に磁気吸着されるた
めの軟磁性の保持体とからなり、前記支持体と保持体と
が着脱自在な構造であることを特徴とする。着脱自在と
する手段ははめ込みやスライド方式など適宜選択可能で
あるが、着脱の容易さ、保持体と支持体との結合力、製
造上の工程等を考慮すると螺接手段とすることが望まし
い。螺着して締め付ける際、回転方向に負荷がかかるが
取手を根面板内に鋳ぐるむため根面板から支持体が剥離
することがない。
【0009】また、使用する支持体はMRIの磁気共鳴
に影響を与えないこと、口腔内で用いられる環境に耐え
うる耐食性を具備させること、この2点をクリアできる
材質として原子%で70%以上がAu、Pt、Ag、P
dの少なくとも一種からなる合金が好ましい。この材質
の強度は比較的低いため、支持体鋳造中に取手の損傷を
抑制するためには長手方向断面積が0.1〜4.0mm
とすることが好ましい。取手は通常はロウ付により接
合される。0.1mm以下であると取手先端に外力が
加わった際に損傷を起こしやすい。また、4.0mm
以上であると取手自体の自重によりやはり損傷を起こし
やすい傾向にあり、かつコスト的に無駄となる。さらに
好ましい長手方向断面積は0.25〜1.0mmであ
る。長手方向断面形状は特に限定されないが、特に取手
の長手方向側面を支持体との接着面とする場合はその面
と勘合する形状として接触面積を広くすることが望まし
い。また、上記合金はMRI用として非常に有用である
が、コスト面を重視した非磁性材として、SUS30
4、SUS316、チタン、チタン合金、真鍮、Ni−
Cr合金、Co−Cu合金等を適宜選定可能である。
【0010】本発明において支持体と取手との接触部の
面積は0.1mm以上、さらには0.2mm以上と
することでさらに良好な接合状態を維持できる。例え
ば、図2および3に示すように支持体の下面部、または
下面部および側面部に設けることが望ましい。これによ
り溶接可能な部位が下部の平面へと広がり、取手の長手
方向側面で溶接可能であるため、溶接面積を増大し強固
な固着が得られる。また、溶接が平面内で行われるので
2次元NC制御でも溶接を行うことが容易である。さら
に、図2および3のように支持体の下面部に切欠部を設
け、同様に固着してもよい。取手を保持板の裏面に溶接
した場合では出っ張りが生じ、不必要に根面板の高さが
高くなるが、切欠部を設けたことで支持体の下部面と取
手との間に出っ張りがなく略同一面にできる。このこと
から、側面へ溶接するために必要としていた長さを削減
することが可能となり、かつ、ロウ型に乗せるときに安
定するという優位性を持つ。
【0011】また、取手は局部的な冷やし金の働きをな
すので、この周辺には鋳造欠陥が生じやすい。特に鋳型
内において、取手の上側の通り道は1mm以下と極めて
狭く、湯流れが悪いことからこの部分に鋳巣等の鋳造欠
陥ができやすいものであった。この点、取手の位置を下
げて、従来狭かった取手の上側部分を完全に鋳ぐるんで
覆うようにすれば取手が露出することなく凹凸等も生じ
ない。
【0012】
【発明の実施の態様】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して説明する。図1は本発明の実施例である支持体
および保持体の螺接前の状態を示し、(a)は横断面
図、(b)は下から見た底面図を示す図である。図2は
接合強度を向上させた実施例の支持体を示し、(a)は
横断面図、(b)は下から見た底面図を示す図である。
図3は別の実施例の支持体を示し、(a)は横断面図、
(b)は下から見た底面図を示す図である。図4は図1
の実施例の支持体を用いたときの鋳接時の鋳型断面を示
す断面図である。図5は義歯アタッチメントの構成を説
明する断面図である。
【0013】図1中の保持体1は全体が耐食性磁性ステ
ンレス鋼であり、磁石構造体8との磁気吸着面13を具
備する上部の保持板11と、支持体と着脱自在とするた
めの雄ネジ部12とからなる。また、マイナスドライバ
等で回転させるための凹部15の形状を有する。また、
支持体2は金銀パラジウム合金等の非磁性体であり、保
持体1の雄ネジ部と螺接するための雌ネジ部23を具備
する支持部21と側面22に設置された取手3により構
成される。
【0014】次に図2は第2の実施例を示す。図2では
本実施例の支持体4は、雌ネジ部43は第1の実施例と
同様であが、支持部41の裏面(下表面)に半月状の切
り欠き部47を設け、段差46を形成したものである。
一方、取手3は側面のすくなくとも一部に平面部を有
し、かつその厚さが段差46と同じあるいはそれより薄
いものとし、よって裏面48より出っ張らないようにし
ている。両者を取り付けるには、切り欠き部47の水平
平面に取手3を載置した後、その上方から端部32と長
手方向の両側面部31を連続的にレーザ溶接して固着し
ている。このように上部より取手3の端部平面32と水
平平面の周り31を溶接することが出来るので溶接がや
り易くなり、かつ溶接面積が増大して強固な固着を得る
ことができる。尚、本例では取手3の端部32を段差4
6に突き当てることにより、長さ調整のストッパーの役
目をなしているが、必ずしも突き当てる必要はない。ま
た、ここでは端部32と両側面部31の両方をレーザ溶
接しているが、何れか一方のみを溶接しても溶接強度的
には充分である。但し、端部平面のみを溶接する場合
は、支持体を一列に並べて連続的にレーザ溶接できるの
で効率的であるという利点がある。また、本例ではレー
ザ溶接しているが、これは電子ビーム溶接やロウ付等の
手法で行っても良い(以下、レーザ溶接を代表して記載
する。)。
【0015】次に図3は第3の実施例を示す。雌ネジ部
53は実施例1と同様である。この実施例では支持部5
1の裏面58に切り欠き部57を直線状の凹溝に切り欠
いて形成したもので、この場合も取手3を切り欠きの平
面57上に載置し取手の端面32と両側面31をレーザ
溶接して両者を固着したものである。本例によっても溶
接強度が増して取手3が支持部と剥離することがない。
本実施例と上記実施例の切り欠き部は加工する上で比較
的容易である。その他については図2の実施例と同様で
あるので説明は省略する。また、切り欠き部57の一端
を閉鎖した凹溝として形成する手段もあり、特に切り欠
き部の形状は限定されず、適宜選択されるものである。
【0016】本保持部材を用いるための鋳造方法を図4
により詳細に説明する。まず、保持体2の雌ネジ部側の
上部に保持体1と同形状となるように保持体ダミー1a
を成形する。保持体ダミー1aには埋没材62と同じも
のを用いれば、保持部材鋳造後の埋没材除去時に同時に
除去でき、効率よい。ロウ模型からなる根面板61の上
部に設置され、取手3の一部が固定されるように鋳型6
0内側部の埋没材部分へ埋め込む。また、埋没材62内
で取手が回転しないよう、先端部30は折り曲げられて
使用される。長手方向断面積は0.1mm以上とする
と支持体に用いる材質でも折り曲げ時に破断をおこさな
い。また、溶湯を凝固時に発生する残留熱応力による埋
没材と取手との破壊強さを十分なものにできる。さら
に、図2または図3の支持体構造とすることで、先端部
を上方向に曲げる際のモーメントが図1での溶接部22
のみに加わらずに段差部のエッジまたは切り欠き部で受
け止められるので溶接部に負担がかからない構造でもあ
る。下あるいは左右方向に曲げるにしても上記したよう
に溶接強度が充分に確保されているので取手が折損、あ
るいは鋳造時に脱落するようなことはない。保持材とし
てクリストバライト系の埋没材等が用いられる。
【0017】鋳接時の不良原因の一つとして保持板が冷
やし金の作用をなし、とりわけ局所的に湯流れが悪く滞
留する取手上側部分に鋳造欠陥が生じ易いことは先に述
べたとおりである。この点図2および3の支持体では取
手3の位置を下端に持ってきたことにより取手上側部分
64の面積が広がりスプルー63からの湯流れが良くな
り、取手3の全面を覆って鋳造欠陥が生じないようにな
った。尚、鋳接後の取手3部分は適当なところで切断さ
れ、その切断跡を手動研磨機で研磨してきれいに仕上げ
ることになるが、取手廻りには鋳巣や凹凸が皆無となり
安定した品質となる。
【0018】図5は、義歯床72内の磁石構造体8と根
面板71に埋設された保持部材を含む義歯アタッチメン
トを示す概略図である。根面板71は歯根70に埋設さ
れている。例えば保持体1の吸着面と磁石構造体8とは
対向配置され閉磁路構造の磁気回路を構成し、その吸引
力の作用により両者は強力に吸着し合っている。磁石構
造体8としては、サンドイッチ型、スプリットポール型
等種々の構造の磁気回路を構成することができるが、図
のように凹状の耐食性軟磁性ケースを用いたカップヨー
ク型が漏洩磁束も少なく磁気吸引力と小型化の面で優れ
ている。このカップヨーク80の中にはNd―Fe―B
等の希土類永久磁石81を配置し、カップの開口部を磁
性円板と非磁性リングを組み合わせたシールド板82を
レーザ溶接したものである。支持体2と取手3とが根面
板71に鋳ぐるみされている。保持体を着脱する際に支
持体に負荷がかかるが、取手がないものと比較して、根
面板からの剥離が発生しにくい。
【0019】尚、上記した各実施例は一例であって、こ
れらの実施形態を適宜組み合わせて実施できることは無
論である。図1〜3では保持板および支持部が略円筒状
の形状であるが特に限定されず、吸着される磁石構造体
との磁気回路により適宜選択できる。また、着脱自在に
する構造も螺接手段に限定されず、嵌着手段等の別形状
でもよい。さらに、実施例ではレーザ溶接を示したが、
これは電子ビーム溶接であっても実施できるし、その他
の溶接手段や接着手段また機械的に両者を固着する等し
ても実施できる。溶接部は取手の端面や両側面に限るこ
となくこれらに跨るなどしたものでも良い。
【0020】(実施例1)保持体2には市販の磁性ステ
ンレス鋼(SUS447J1)を用い、保持板は直径4
mm、厚さ0.8mmの円板形とし、雄ネジ部はM3.
0、ピッチ0.26mm、長さ1mmとした。また、支
持体4には非磁性材料、例えば融点が高い歯科用合金
(石福金属興業(株)製KIK合金)を用い、支持部は
直径4mm、厚さ1.5mm、雌ネジはM3.0、ピッ
チ0.26mm、長さ1mmとした。また、裏面48の
端部から0.5mmの位置まで半月状の切り欠き部47
を形成した。取手3は支持部と同じ歯科用鋳造合金を用
い、板材からエッチング加工して長さ6mm、幅0.8
mm、厚さ0.4mmの薄板を得た。この支持体4の切
り欠き平面に取手3を置いて取手端部の接触部分をレー
ザ溶接して固着した。一方、磁石構造体8は従来と同じ
ものを用いた。例えば、カップヨーク80は軟磁性ステ
ンレス鋼(SUS447J1)からなり外径4.0m
m、高さ1.3mm、凹部の内径は2.6mm、深さ
0.7mmとし、この底面に軟磁性ステンレス鋼(SU
S447J1)の外周部に非磁性ステンレス鋼(SUS
316L)を介在したシールド板82をレーザー溶接に
より密封封止したものである。内蔵する永久磁石81
は、直径2.6mm、厚さ0.5mmのNd−Fe−B
磁石を用いた。この実施例による磁石構造体8と保持部
材との磁気吸引力を測定したところ473gで従来のも
のと同等の吸着力を示した。
【0021】また、実施例と比較例との鋳造後の根面板
と保持部材との鋳接強度を測定した。上記製造した支持
体にダミー1aを成形してロウ模型からなる根面板61
の上部に設置し、鋳型60内に配置した。取手3の端部
30を折り曲げ、埋没材により固定した。埋没材が固ま
るのを確認した後、脱ロウ作業を行い、根面板71形状
のキャビティ61を有する鋳型を製造した。この鋳型に
所定の強さの衝撃を数回与えた後に溶かした根面板材料
を注湯し、根面板と支持体との鋳接製品を製造した。同
様に製造を繰り返したが、キャビティ内での支持体の脱
落および位置ずれは発生していないことを確認した。ま
た、実施例1で鋳造された根面板と保持部材との鋳接の
強度を測定した。測定においては、根面板側を固定治具
に固定し、保持部材側は保持体を支持体から外した後に
支持体雌ネジ部に螺合する雄ネジをもつ引っ張り治具を
螺接し、引張り試験器により破壊強度を測定した。測定
結果を表1に記す。なお、測定結果は本実施例1の測定
結果を基準値1とし、他実施例または比較例の破壊強度
はその基準値に対する比で表している。
【0022】
【表1】
【0023】(実施例2)図3に用いた支持体を用いた
以外は、実施例1と同様にして根面板75形状のキャビ
ティ61を有する鋳型を製造した。この鋳型に実施例1
と同程度の衝撃を数回与えた後に溶かした根面板材料を
注湯し、根面板と支持体との鋳接製品を製造した。同様
に製造を繰り返したが、キャビティ内での支持体の脱落
および位置ずれは発生していないことを確認した。ま
た、上記の鋳接製品を用いた以外は実施例1と同様にし
て引張り試験を行った。実施例1と同等の破壊強度が得
られた。
【0024】(実施例3)図1に用いた支持体を用いた
以外は、実施例1と同様にして根面板71形状のキャビ
ティ61を有する鋳型を製造した。この鋳型に実施例1
と同程度の大きさの衝撃を数回与えた後に溶かした根面
板材料を注湯し、根面板と支持体との鋳接製品を製造し
た。同様に製造を繰り返したが、キャビティ内での支持
体の脱落および位置ずれは発生していないことを確認し
た。また、上記の鋳接製品を用いた以外は実施例1と同
様にして引張り試験を行った。実施例1および2と比較
して若干値は低いものの十分な破壊強度が得られた。
【0025】(比較例1)従来の支持体およびダミー1
aを用い、実施例1と同型である根面板71形状のキャ
ビティ61を有する鋳型を製造した。この鋳型に実施例
1と同程度の大きさの衝撃を数回与えた後に溶かした根
面板材料を注湯し、根面板と支持体との鋳接製品を製造
した。同様に製造を繰り返した結果、キャビティ内での
支持体の位置ずれの発生を確認した。また、上記の鋳接
製品を用いた以外は実施例1と同様にして引張り試験を
行った。実施例1、2および3と比較して破壊強度の値
は低いものであった。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明では、取手を支持体
に設けることで保持部材と根面板との鋳接が安価および
確実に行えるものである。また、支持体に用いる合金の
材料特性を考慮した長手方向の断面積、および取手の支
持部との接合位置を切り欠き部内の平面に取り付けるよ
うにして接合面積を広くしているので、保持板と取手の
固着強度が増して取手が折損するようなことがなく鋳造
欠陥等のない品質の高い義歯磁性アタッチメント用保持
板を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保持部材の構成を示し、(a)は横断
面図、(b)は下から見た底面図である。
【図2】本発明の別の支持体形状を示し、(a)は横断
面図、(b)は下から見た底面図である。
【図3】本発明の別の支持体形状を示し、(a)は横断
面図、(b)は下から見た底面図である。
【図4】本発明の鋳接の形態の一例を示す鋳型断面図で
ある。
【図5】本発明の義歯磁性アタッチメントの一例を示す
断面図である。
【図6】従来の鋳接の一形態を示す鋳型断面図である。
【図7】従来の義歯磁性アタッチメントの一例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1:保持体 11:保持板 12:雄ネジ部 15:凹部 2、4、5:支持体 23、43、53:雌ネジ部 47、57:切り欠き部 46、56:段差部 48、58:保持板の裏面(下表面) 3:取手 30:取手の折り曲げ部 31:取手側面部 32:取手端部 60:鋳型 61:空隙部(キャビティ) 62:埋没材 63:スプルー70、74:歯根 71、75:根面板 72、76:義歯床 77:義歯 8:磁石構造体 80:カップ型ヨーク 81:永久磁石 82:シールド板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 和夫 東京都文京区湯島1−5−45東京医科歯科 大学内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 義歯床に埋設した永久磁石構造体をその
    端面に磁気吸着するための義歯アタッチメント用の保持
    部材であって、前記保持部材は、鋳型内固定用の取手を
    有する非磁性の支持体と、前記永久磁石構造体に磁気吸
    着されるための軟磁性の保持体とからなり、前記支持体
    と保持体とが着脱自在な構造であることを特徴とする義
    歯アタッチメント用保持部材。
  2. 【請求項2】 義歯床に埋設した永久磁石構造体をその
    端面に磁気吸着するための義歯アタッチメント用の保持
    部材であって、前記保持部材は、鋳型内固定用の取手お
    よび雌ネジ部を有する非磁性の支持体と、前記雌ネジ部
    に螺着固定するための雄ネジ部を有する軟磁性の保持体
    とからなり、前記支持体と保持体とが着脱自在な構造で
    あることを特徴とする義歯アタッチメント用保持部材。
  3. 【請求項3】 支持体は原子%で70%以上がAu、P
    t、Ag、Pdの少なくとも一種からなる合金であり、
    かつ取手の長手方向断面積は0.1〜4.0mmであ
    る請求項1または2に記載の義歯アタッチメント用保持
    部材。
  4. 【請求項4】 前記支持体と取手との接触面積が0.1
    mm以上である請求項1〜3のいずれかに記載の義歯
    アタッチメント用保持部材。
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