JP2001099710A - マルチバンド画像の分光反射率のスペクトル推定方法およびスペクトル推定システム - Google Patents

マルチバンド画像の分光反射率のスペクトル推定方法およびスペクトル推定システム

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JP2001099710A JP27450199A JP27450199A JP2001099710A JP 2001099710 A JP2001099710 A JP 2001099710A JP 27450199 A JP27450199 A JP 27450199A JP 27450199 A JP27450199 A JP 27450199A JP 2001099710 A JP2001099710 A JP 2001099710A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】波長可変フィルタを用いてマルチバンド画像を
撮影し、これを用いて撮影被写体の分光反射率のスペク
トルを推定する際に、実効的にスペクトルの推定精度を
落すことなく、推定スペクトルを求める処理時間を短縮
するマルチバンド画像の分光反射率のスペクトル推定方
法およびスペクトル推定システムを提供することを課題
とする。 【解決手段】複数の原画像から成るマルチバンド画像の
各チャンネル毎に、反射率が既知のチャートを撮影して
得られる輝度値を前記反射率と対応させた変換テーブル
を予め作成し、被写体を撮影したマルチバンド画像の原
画像の輝度値から前記変換テーブルを用いて、反射率に
変換することによって、被写体の分光反射率のスペクト
ルを推定することで、またこのスペクトルの推定方法を
用いたマルチバンド画像の分光反射率のスペクトル推定
システムを提供することで前記課題を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長可変フィルタ
を用いて、波長領域が異なる複数のチャンネルで撮影さ
れたマルチバンド画像より、撮影被写体の分光反射率の
スペクトルを推定するマルチバンド画像の分光反射率の
スペクトル推定方法およびこれを用いたスペクトル推定
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】今日、デジタル画像処理の進歩によっ
て、赤(R)、緑(G)および青(B)の3原色を用い
た3画像によって形成されるカラー画像の他に、波長領
域が異なる少なくとも4チャンネル以上で同一の被写体
を撮影したマルチバンド画像が利用されている。たとえ
ば、絵画等の美術工芸品の分野では、色の忠実な再現を
行なうために、上記マルチバンド画像を用いて整理保存
等を行なっている。また、色再現の良好な画像を得るこ
とのできるフィルムやデジタルカメラの撮像素子の開発
の際、被写体の分光反射率と分光感度とを掛け合わせて
画像データを精度良く得るために、マルチバンド画像を
利用して分光反射率のスペクトルを推定している。特
に、被写体の分光反射率を用いてフィルムの分光感度や
デジタルカメラの撮像素子の分光感度の設計を行なうた
め、被写体の分光反射率を精度良く推定することが重要
である。
【0003】このようなマルチバンド画像から撮影被写
体の分光反射率を推定するには、一般にマルチバンド画
像のスペクトルを推定するマルチバンド画像のスペクト
ル推定システムが用いられる。このマルチバンド画像の
スペクトル推定システムは、一般に被写体を撮影する際
に、波長領域が異なる少なくとも4チャンネル以上の各
チャンネルに対応して被写体の反射光を透過する波長可
変フィルタと、この透過した透過光を受光して、各チャ
ンネル毎に原画像をデジタル画像として取得するCCD
カメラと、このCCDカメラで取得した原画像から被写
体の分光反射率のスペクトルを推定する処理アルゴリズ
ムを備えたソフトウェアとこのソフトウェアを実行する
コンピュータとから成る分光反射率のスペクトル推定装
置とから構成される。
【0004】ここで、上記分光反射率のスペクトル推定
装置は、一般に以下の方法で分光反射率のスペクトル推
定を行っている。すなわち、原画像のCCDカメラで受
光して得られる測定値である出力信号値Vi (i=1〜
n、nはチャンネル数)、すなわち、マルチバンド画像
の各チャンネルの画像データ値であるQL値が、撮影時
の既知の照明光の分光強度分布E(λ)と、既知のCC
Dカメラの分光感度分布S(λ)と、波長可変フィルタ
の既知の分光透過率分布fi (λ)と、光学系の既知の
分光透過率分布L(λ)によって、式(1)のように表
されるので、式(1)の積分を分解して式(2)で示さ
れる行列から、被写体固有の分光反射率のスペクトル分
布O(λj )(j=1〜m、mは被写体分光反射率の測
定点数)を求めている。チャンネル数nが被写体分光反
射率の測定点数mに等しい場合、式(2)の行列Fが正
方行列となって行列Fの逆行列を解析的に求めることが
できるが、一般にチャンネル数nは被写体分光反射率の
測定点数mに比べて小さいため、公知のWiener推定方法
によって(最小自乗法によって)、行列Fの疑似逆行列
に相当する推定行列Gを用いて式(3)のように推定す
る。ここで、Ek k k ・fl は、E(λk )・L
(λk )・S(λk )・fl(λk )・Δλであり、O
k は、O(λk )である。
【数1】
【数2】
【数3】
【0005】また、分光反射率のスペクトル推定装置で
は、上記推定方法の他に、撮影被写体固有のスペクトル
波形からなる固有ベクトルを予め求めておき、この固有
ベクトルを用いて、分光反射率のスペクトル分布を推定
するといった主成分分析法も用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の推定方
法では、チャンネル数nが被写体分光反射率の測定点数
mに等しい場合、上述したように分光反射率のスペクト
ル分布を解析的に求めることができるが、より精度の高
い分光反射率のスペクトル推定を行うには、被写体分光
反射率の測定点数mおよびチャンネル数nを増やして、
行列のサイズを大きくしなければならず、そのため、式
(2)の行列Fの逆行列を求めるのに時間がかかり、O
(λk )を比較的短時間に得ることができない。また、
Wiener推定方法でも、行列Fの疑似逆行列に相当する推
定行列Gがm×n行列となって行列のサイズが大きくな
り、推定行列Gを計算するのに時間がかかる。その結
果、被写体の分光反射率のスペクトルを推定するのに多
大な時間を要する不都合が生じる。また、後者の主成分
分析による推定方法では、撮影被写体がわかっていれ
ば、固有ベクトルを用いて精度良く分光反射率のスペク
トル分布を推定することができるものの、撮影被写体が
固定されず、固有ベクトルがわからない場合、推定され
る分光反射率のスペクトル分布の精度は悪くなるといっ
た問題もあった。
【0007】また、本来、分光反射率のスペクトルは、
滑らかな曲線によって表されるものであり、上記方法で
得られたスペクトルは、チャンネル毎の波長領域の分光
反射率によって表されるため、波長の数を増やす補間を
行い滑らかな曲線に近づけるのが望ましいが、線型な補
間を行うため滑らかなスペクトルを得ることができなか
った。さらに、波長可変フィルタとして用いられる液晶
チューナブルフィルタの分光透過率は、ピーク波長及び
半値幅が液晶の温度によって変化する温度依存性を有す
るため、撮影時の温度変化を考慮せず分光反射率のスペ
クトルを推定する従来の分光反射率のスペクトル推定方
法では、不正確な分光反射率のスペクトルしか得られな
かった。
【0008】このように、分光反射率のスペクトルを推
定する際、行列サイズの大きな逆行列を求めるためこの
処理に計算時間がかかり、さらにその処理方法も煩雑で
あった。また、被写体分光反射率の測定点数mがチャン
ネル数nに比べて多い場合に用いられる最小自乗法によ
るWiener推定方法は、撮影されたマルチバンド画像を構
成する原画像内に含まれるノイズ成分を最小自乗法によ
って抑制するために用いるのではなく、推定する分光反
射率のスペクトルの推定点数を増やすためにのみ用いら
れ、しかも、疑似逆行列を求める際の行列サイズが大き
くなり、多大な処理時間を必要とした。また、主成分分
析による方法では、上述したように予め揃えた固有スペ
クトルによって表されない撮影被写体の場合、スペクト
ルの推定精度が悪かった。さらに、滑らかな曲線である
分光反射率のスペクトルに合わせて推定されたスペクト
ルの波長の数を直線補間によって増やすと、本来の曲線
と異なり凹凸のあるスペクトル分布しか得られなかっ
た。さらに、波長可変フィルタとして液晶チューナブル
フィルタを用いた場合、液晶チューナブルフィルタの分
光透過率のピーク波長および半値幅に温度依存性がある
ため、推定された分光反射率のスペクトルは不正確であ
った。
【0009】そこで、本発明は、上記問題点を解決すべ
く、波長可変フィルタを用いてマルチバンド画像を撮影
し、これを用いて撮影被写体の分光反射率のスペクトル
を推定する際に、実効的にスペクトルの推定精度を落す
ことなく、推定スペクトルを求める処理時間を短縮する
マルチバンド画像の分光反射率のスペクトル推定方法お
よびスペクトル推定システムを提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、波長可変フィルタを用いて、撮影波長領
域を複数チャンネルに分割し、各チャンネルに対応して
同一の被写体を撮影手段により撮影した複数の原画像か
ら成るマルチバンド画像を得、このマルチバンド画像か
ら前記被写体の分光反射率のスペクトルを推定する方法
であって、前記波長可変フィルタは、チャンネル数が1
0チャンネル以上であって、全チャンネルの分光透過率
分布の平均波長半値幅が40nm以下である波長可変フ
ィルタであり、前記チャンネル毎に、分光反射率が既知
のチャートを撮影して得られるQL値を前記分光反射率
と対応させた変換テーブルを予め作成し、マルチバンド
画像の各チャンネルの原画像のQL値から前記変換テー
ブルを用いて、分光反射率に変換することによって、被
写体の分光反射率のスペクトルを推定することを特徴と
するマルチバンド画像の分光反射率のスペクトル推定方
法を提供するものである。ここで、波長可変フィルタと
は、1素子で電気的に分光透過率を瞬時に変化させるフ
ィルタを指す。
【0011】その際、前記波長可変フィルタは、液晶チ
ューナブルフィルタであるのが好ましく、また、推定さ
れた前記被写体の分光反射率のスペクトル分布に対し
て、前記チャンネルの波長領域での前記波長可変フィル
タの分光透過率分布と、前記撮影手段の分光感度分布
と、撮影時の撮影照明光の分光強度分布との積によって
定まる1つの装置関数を用いて、デコンボリューション
処理を行って被写体の分光反射率のスペクトルを較正す
るのが好ましい。ここで、液晶チューナブルフィルタと
は、複屈折結晶素子と液晶素子を偏向板によって挟んだ
構造を複数段持ち、液晶の複屈折率効果を利用して、機
械的な稼働部を用いず、電気的に透過率の中心波長が任
意に選択できる液晶フィルタ(Lyot型)である。その
際、前記デコンボリューション処理は、行列演算を用い
て行われるのが好ましく、画素数が少ない場合、例えば
10万画素未満の場合は、フーリエ変換を用いて行われ
るのが好ましく、フーリエ変換を用いる場合、FFTを
利用するのが好ましい。また、前記装置関数は、前記チ
ャンネルによって撮影される波長領域の中心波長から上
下50nmの範囲内で値を有する装置関数が選択される
のが好ましい。
【0012】さらに、前記デコンボリューション処理を
行う前に、前記波長可変フィルタの半値幅に応じて、前
記被写体の分光反射率のスペクトルの波長を圧縮または
伸張し、さらに、前記デコンボリューション処理を行っ
た後に、前記波長の圧縮または伸張に対応して、デコン
ボリューション処理によって得られた被写体の分光反射
率のスペクトルの波長を伸張または圧縮する逆変換を施
すことが好ましい。また、前記デコンボリューション処
理を行う際に、波長可変フィルタの温度依存性を補償す
るフィルタ温度補正を行うのが好ましく、前記フィルタ
温度補正は、分光反射率分布が既知で、波長に対して急
激な変化を示す彩度の高いカラーチャートを撮影し、こ
れを用いてカラーチャートの分光反射率分布を求め、こ
の求めた分光反射率分布の波形と既知の前記分光反射率
の波形とが一致する波長のシフト量を求め、この求めた
シフト量に応じて、前記被写体の分光反射率分布の補正
を行うのが好ましい。また、前記波長可変フィルタは、
液晶部を備える液晶チューナブルフィルタであり、前記
フィルタ温度補正は、前記液晶チューナブルフィルタの
前記液晶部に接する温度計から得られる前記液晶部の温
度とこの液晶チューナブルフィルタの分光透過率分布と
の関係を予め特性データとして記憶し、マルチバンド画
像の撮影の際の前記液晶部の温度から、液晶チューナブ
ルフィルタの分光透過率分布の波長のシフト量を求め、
このシフト量に応じて、前記被写体の分光反射率分布を
補正するものであってもよい。
【0013】また、前記デコンボリューション処理を行
う前に、前記被写体の分光反射率のスペクトルに対し
て、各チャンネルの中心波長間を非線形な内挿補間によ
って分光反射率のスペクトルのデータ数を増やし、この
増加した分光反射率のスペクトルを用いて、前記デコン
ボリューション処理を行うのが好ましい。なお、データ
数の増加した前記分光反射率のスペクトルは、波長間隔
が10nm以下であるのが好ましい。
【0014】また、本発明は、被写体を撮影する撮影手
段と、前記撮影手段で被写体を撮影する際に、撮影波長
領域を複数チャンネルに分割し、このチャンネルに対応
した波長領域で被写体の反射光を透過する波長可変フィ
ルタと、前記チャンネル毎に、分光反射率が既知のチャ
ートを撮影して得られるQL値を前記分光反射率と対応
させた変換テーブルを予め作成し、前記撮影手段および
前記波長可変フィルタを用いて撮影されたマルチバンド
画像の各チャンネルの原画像のQL値から前記変換テー
ブルを用いて、分光反射率に変換することによって、被
写体の分光反射率のスペクトルを推定する分光反射率ス
ペクトル推定装置とを備えることを特徴とするマルチバ
ンド画像のスペクトル推定システムを提供するものであ
る。
【0015】その際、前記分光反射率スペクトル推定装
置は、前記チャンネルの波長領域で被写体の反射光を透
過する前記波長可変フィルタの分光透過率分布と、撮影
手段の分光感度分布と、撮影時の撮影照明光の分光強度
分布との積によって定まる1つの装置関数を用いて、推
定された前記被写体の分光反射率のスペクトルに対して
デコンボリューション処理を行って被写体の分光反射率
のスペクトルを較正するのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のマルチバンド画像
の分光反射率のスペクトル推定方法およびスペクトル推
定システムについて、添付の図面に示される好適実施例
を基に詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明のマルチバンド画像の分光
反射率のスペクトル推定方法を実施し、また本発明のマ
ルチバンド画像の分光反射率のスペクトル推定システム
の一例でもあるマルチバンド画像分光反射率のスペクト
ル推定システム(以降、本システムという)10を示
す。本システム10は、同一被写体を、波長領域が異な
る少なくとも10チャンネル以上で撮影する撮影手段と
してのCCDカメラ12と、CCDカメラ12で被写体
を撮影する際に、チャンネルに対応する波長領域で被写
体反射光を透過する波長可変フィルタとしての液晶チュ
ーナブルフィルタ14と、撮影被写体の分光反射率のス
ペクトルを推定する分光反射率スペクトル推定装置16
とを有して構成される。
【0018】CCDカメラ12は、複数のチャンネル、
例えば16チャンネルの各チャンネル毎に特定波長領域
で光を透過するように、分光透過率分布が制御された後
述する液晶チューナブルフィルタ14を介して得られる
透過光を、エリア状に配列したCCD素子の受光面で結
像させ、波長領域の異なる各チャンネルごとに撮影被写
体を撮影した原画像を得る撮影手段である。すなわち、
チャンネル数が16チャンネルであれば、16枚の原画
像が得られる。CCDカメラ12の画素数や画素サイズ
は制限されず、公知のサイズ、例えば1024×102
4ピクセルであり、公知の画素サイズ、例えば12×1
2μmであってもよい。
【0019】液晶チューナブルフィルタ14は、複数の
チャンネル毎に特定波長領域で撮影被写体からの反射光
を透過することができるように、制御電圧を制御するこ
とによって所望のバンドパスフィルタとしての特性を得
る波長可変フィルタであり、チャンネル数が10以上で
あって、全チャンネルの分光透過率分布の平均波長半値
幅が40nm以下のものである。チャンネル数として
は、上限80程度、半値幅の下限は5nm程度が好まし
い。半値幅としては、更に15〜35nmであることが
好ましい。液晶チューナブルフィルタ14は、オペレー
タの設定したチャンネル数および各チャンネルに対応し
た波長領域に対応して、例えば、図2に示すようなピー
ク値を持つバンドパスフィルタを得ることができる。図
2では、410〜710nmの撮影波長領域を16のチ
ャンネルで分割した例を示している。このように、液晶
チューナブルフィルタ14によって各チャンネル毎に設
けられたバンドパスフィルタを透過した被写体の反射光
は特定波長の透過光として、CCDカメラ12で受光さ
れ出力信号が得られる。なお、従来のマルチバンド画像
を得るためのフィルタのチャンネル数は、6〜8チャン
ネルであるが、液晶チューナブルフィルタ14において
は、チャンネル数を12チャンネル以上とすることがで
きる。本実施例では、液晶チューナブルフィルタ14を
波長可変フィルタとして用いているが、1素子で電気的
に分光透過率を瞬時に変化させるフィルタであればいず
れであってもよく、液晶チューナブルフィルタ14の替
わりに音響光学フィルタを用いてもよい。
【0020】分光反射率スペクトル推定装置16は、C
CDカメラ12で受光して得られた出力信号をA/D変
換してデジタル画像データを得、DCオフセットの補正
等を行って、マルチバンド画像を構成する原画像の画像
データとするデータ処理部18と、マルチバンド画像の
撮影時に同時に撮影された分光反射率が既知のマクベス
チャートの画像からグレーパッチの画像データ値、すな
わちQL値とこの既知の分光反射率の値との関係を対応
付けて作成した1次元ルックアップテーブル(以降、ル
ックアップテーブルをLUTという)20と、データ処
理部18で得られた原画像の画像データ値であるQL値
から、1次元LUT20を用いて分光反射率の値に変換
し、分光反射率を推定する分光反射率スペクトル算出部
22と、得られた分光反射率の値のノイズ成分を除去す
るノイズ除去処理部24と、後述するフィルタ温度の補
正を波長のシフト量で調整する波長シフト処理部25
と、分光反射率スペクトル算出部22で得られた分光反
射率の各波長間を直線補間して、チャンネル数を増加す
る内挿補間処理部26と、液晶チューナブルフィルタ1
4のバンドバスフィルタとしての特性である半値幅に応
じて、分光反射率スペクトル算出部22で得られた分光
反射率の波長を圧縮または伸張する圧縮・伸張処理部2
8と、マルチバンド画像の撮影時に同時に撮影されたマ
クベスチャートの中から、赤(R)、緑(G)および青
(B)の色ように彩度が高く分光反射率が波長に対して
急激に変化するパッチの分光反射率をデータとして備
え、後述するフィルタ温度補正部32で温度補正を行う
ために用いる温度補正用分光反射率データ部30と、液
晶チューナブルフィルタ14の温度補正を行うフィルタ
温度補正部32と、液晶チューナブルフィルタ14のバ
ンドバスフィルタとしての特性である半値幅の各チャン
ネル間での重なりによって鈍った分光反射率のスペクト
ル分布のシャープネス劣化復元処理(デコンボリューシ
ョン処理)を行い、較正した分光反射率のスペクトルを
得るデコンボリューション処理部34と、圧縮・伸張処
理部28で行った波長の圧縮または伸張に対応して、較
正された分光反射率のスペクトルの波長を伸張または圧
縮して復元する伸張・圧縮逆変換部36とを主に備え
る。
【0021】本実施例における分光反射率スペクトル推
定装置16を構成する上記各構成部はソフトウェアの機
能として、コンピュータで実行されるものであるが、ソ
フトウェアに限られず、構成部の一部または全部の機能
が、ハードウェアで実施されるものであってもよい。
【0022】データ処理部18は、CCDカメラ12で
受光して得られた出力信号をA/D変換してディジタル
画像データを得、DCオフセットの補正を行って、次い
で暗時補正をかけ、この後、画像データをLOG変換
し、シェーディング補正を行い、マルチバンド画像を構
成する原画像の画像データのQL値を得る部分である。
得られた原画像のQL値は、分光反射率スペクトル算出
部22に送られる。
【0023】1次元LUT20は、被写体撮影時に、C
CDカメラ12および液晶チューナブルフィルタ14を
用いて、被写体撮影時のチャンネル数および波長領域と
同じマルチバンド画像としてマクベスチャートを撮影
し、得られたマクベスチャートの画像のうち6段目の分
光反射率が既知のグレーパッチのQL値と、この既知の
分光反射率とを対応させたマクベス1次元LUTを備え
る部分であり、分光反射率スペクトル算出部22で分光
反射率を算出する際に、1次元LUT20で作成された
LUTが参照される。なお、本発明において用いられる
チャートはマクベスチャートに限られず、分光反射率が
既知であるチャートであればいずれであってもよい。
【0024】分光反射率スペクトル算出部22は、デー
タ処理部18で得られた被写体を撮影した原画像の画像
データのQL値から、1次元LUT20を参照して分光
反射率の値に変換し、分光反射率を得る部分である。1
次元LUT20に参照データが存在しない場合は、内挿
補間あるいは外挿補外等によって分光反射率の値を求め
るが、内挿補間や外挿補外の方法は特に限定されず、公
知の方法、たとえば直線補間やラグランジェ補間等の公
知の方法が可能である。得られた分光反射率のデータ
は、ノイズ除去処理部24に送られる。
【0025】ノイズ除去処理部24は、原画像に含まれ
るノイズ成分を除去する処理部であり、短波長側のチャ
ンネルの原画像では、ノイズ除去の強度を強くし、長波
長側のチャンネルの原画像では、ノイズ除去の強度を弱
くするように構成される。このように構成するのは、液
晶チューナブルフィルタ14の分光透過率が、図2に示
すように、短波長側のチャンネルでは透過率が低く、十
分な光量を確保できず、ノイズを拾い易く、一方、長波
長側のチャンネルでは透過率が高く、十分な光量を確保
できノイズ成分を拾い難いためである。ノイズ除去の方
法として、特に制限されず、例えば、分光透過率のピー
ク値が0.1以下になれば、自動的にメディアンフィル
タをon−off的に使用する方法が挙げられる。ノイ
ズ除去された分光反射率のデータは、波長シフト処理部
25に送られる。
【0026】波長シフト処理部25は、ノイズ除去され
た分光反射率のデータについて、液晶チューナブルフィ
ルタ14の温度に起因する温度補正を波長のシフト量に
よって調整する部分であり、後述するフィルタ温度補正
部32で得られたシフト量Δλを用いて波長シフト処理
を行う。その後、内挿補間処理部26に送られる。
【0027】内挿補間処理部26は、最終的に推定され
た分光反射率のスペクトル分布が凹凸のない滑らかな曲
線として得られるために、分光反射率スペクトル算出部
22で得られた分光反射率のスペクトル分布の波長間を
スプライン補間やラグランジェ補間等により非線形に補
間し、分光反射率のスペクトル分布のデータを、例えば
10nm以下の波長間隔に細かくする。また、直線補間
して、分光反射率のスペクトル分布のデータを細かくし
てチャンネル数を増加しもよい。この場合、直線補間に
よる凸凹の曲線であっても、後述するフーリエ変換およ
び逆フーリエ変換によって較正された分光反射率のスペ
クトル分布は、滑らかな曲線となるからである。内挿補
間してデータを細かくした分光反射率のスペクトル分布
は、圧縮・伸張変換部28に送られる。
【0028】圧縮・伸張処理変換部28は、分光反射率
スペクトル算出部22で得られた分光反射率のスペクト
ル分布の波長を、図2に示すような液晶チューナブルフ
ィルタ14の波長の変化と共に変化する分光透過率のス
ペクトル分布の半値幅に応じて、被写体の分光反射率の
スペクトルの波長を圧縮または伸張する部分である。す
なわち、液晶チューナブルフィルタ14の波長と共に変
化する分光透過率ぼスペクトル分布の半値幅の、基準と
なる半値幅に対する比率によって、分光反射率スペクト
ル算出部22で得られた分光反射率のスペクトル分布の
波長を圧縮または伸張する。基準となる半値幅とは、例
えば、撮影の際の全チャンネルによって被われる波長領
域の中心波長、例えば、図2の例では、16チャンネル
によって被われる410〜710の波長領域の中心波長
550nmであり、この中心波長から50nmの範囲に
含まれる分光透過率ぼスペクトル分布、例えば図2の例
では、分光透過率ぼスペクトル分布A、の半値幅であ
る。このように、分光透過率の半値幅に応じて分光反射
率のスペクトル分布の波長を変化させるのは、後述する
デコンボリューション処理において用いる、波長によっ
て変化する装置関数を、波長に応じて各チャンネルごと
に持つ必要がなく、1つの装置関数を用いて容易にデコ
ンボリューション処理を行うことができるからである。
圧縮または伸張の倍率は、波長によって変化し、例えば
図2のような、分光透過率分布を持つ場合、高波長側で
半値幅が広いため圧縮率が高く、低周波側では半値幅が
狭いため逆に伸張率を高く、この間の領域は、波長に応
じて圧縮倍率や伸張倍率が滑らかに変化する。
【0029】一方、温度補正用分光反射率データ部30
は、分光反射率が既知のパッチを、液晶チューナブルフ
ィルタ14を用いて撮影した際の分光反射率のスペクト
ル分布を求める部分であり、後述するように、液晶チュ
ーナブルフィルタ14の液晶温度の変化によって変化す
る分光透過率分布の波長シフト量を求めるために用いら
れる。温度補正用分光反射率データ部30は、1次元L
UT20でマクベスグレー1次元LUTを作成する際に
用いたマクベスチャートの画像を用い、マクベスチャー
トの画像うち分光反射率が既知のR、GおよびBの色相
のパッチの画像の分光反射率のスペクトル分布をマクベ
スグレー1次元LUTを用いて得る。R、GおよびBの
色相のパッチの分光反射率のスペクトル分布を求めるの
は、彩度が高く、分光反射率のスペクトル分布が波長に
対して急激に変化するため、波長のシフト量を容易に求
めることができるからである。なお、マクベスグレー1
次元LUTを作成する際や温度補正用分光反射率データ
部26で使用する際に用いられるマクベスチャートの画
像は、被写体撮影時に被写体と共に撮影してもよい。ま
た、本発明において用いられるチャートの画像はマクベ
スチャートの画像に限られず、分光反射率が既知であ
り、彩度が高く、分光反射率のスペクトル分布が波長に
対して急激に変化するパッチを備えるチャートの画像で
あればよい。
【0030】フィルタ温度補正部32は、温度補正用分
光反射率データ部30で求めたR、GおよびBの色相の
パッチの分光反射率のスペクトル分布とこのパッチに対
応した既知の分光反射率のスペクトル分布とを比較し
て、温度による波形のシフト量を得る部分である。フィ
ルタ温度補正部32で得られたシフト量は、後述するよ
うに、波長シフト処理部25で行われる波長シフト処理
の際に用いる波長シフト量Δλを選択する際に用いられ
る。得られた温度による波形のシフト量は、波長シフト
処理部25に送られる。
【0031】なお、内挿補間処理部26で処理された分
光反射率のスペクトル分布は、オペレータの指示によ
り、圧縮・伸張変換部28で液晶チューナブルフィルタ
14の分光透過率の波長特性に応じて行う圧縮・伸張処
理が施されることなく、デコンボリューション処理部3
4に送られてもよい。また、図示されないが、分光反射
率スペクトル算出部22から直接デコンボリューション
処理部34へ、また、ノイズ除去処理部24からデコン
ボリューション処理部34へ、分光反射率のスペクトル
分布を送ってもよい。
【0032】デコンボリューション処理部34は、分光
反射率スペクトル算出部22で推定された、波形の鈍っ
た被写体の分光反射率のスペクトル分布を、装置関数を
用いて較正し、測定装置の特性によらない被写体固有の
分光反射率のスペクトル分布O(λ)を得る部分であ
る。すなわち、液晶チューナブルフィルタ14の分光透
過率率分布は、図2に示されるように、分光透過率分布
の裾野の広がりによって、その近傍に位置する分光透過
率分布の裾野の部分と重なり合うため、分光反射率スペ
クトル算出部22で推定された被写体の分光反射率のス
ペクトル分布は波形が鈍ってしまう。そのため、より鮮
明なスペクトル分布を得るために、液晶チューナブルフ
ィルタ14の分光透過率分布と、撮影するカメラの分光
感度分布(光学系の分光透過率を含む分光感度分布)
と、撮影時の撮影照明の分光強度分布との積によって定
まる装置関数h(λ)を用いて、以下の処理を行うよう
に構成される。
【0033】装置関数h(λ)は、液晶チューナブルフ
ィルタ14の分光透過率分布と、撮影するカメラの分光
感度分布(光学系の分光透過率を含む分光感度分布)
と、撮影時の撮影照明の分光強度分布との積によって表
される。液晶チューナブルフィルタ14の分光透過率分
布は、波長によって、すなわちチャンネルによって図2
のような異なる分布を持つが、図の例では、全チャンネ
ルによって被われる波長領域410nm〜710nmの
中心波長550nmから上下50nm範囲内で値を有す
る分光透過率分布Aを代表関数とし、これに撮影するカ
メラの分光感度分布(光学系の分光透過率を含む分光感
度分布)と、撮影時の撮影照明の分光強度分布との積に
より規定される装置関数h(λ)を設定する。そして、
この装置関数h(λ)関数および分光反射率スペクトル
算出部22で推定された、波形の鈍った被写体の分光反
射率のスペクトル分布I(λ)とをそれぞれフーリエ変
換して、F[h(λ)]およびF[I(λ)](F
[ ]はフーリエ変換を表す)の関数を得、これより、
下記式(4)のような除算を行い、その後逆フーリエ変
換を行って、液晶チューナブルフィルタ14やCCDカ
メラ12の装置の特性によらない被写体固有の分光反射
率のスペクトル分布O(λ)を得る。 O(λ)= F-1[(F[I(λ)]/F[h(λ)]]] (4) フーリエ変換の方法は、FFT(Fast Fourier Transfo
rmation )の方法やフーリエ展開による方法等公知の手
法による方法によって行うことができる。
【0034】このように、式(4)でデコンボリューシ
ョン処理を行うのは、後述するように、被写体の分光反
射率のスペクトル分布I(λ)が、液晶チューナブルフ
ィルタ14やCCDカメラ12等によるマルチバンド画
像を撮影する装置の特性、例えば、液晶チューナブルフ
ィルタ14の分光透過率分布等によって、被写体固有の
分光反射率のスペクトル分布O(λ)が鈍るからであ
り、この鈍った被写体の分光反射率のスペクトル分布I
(λ)を、後述するように、装置の特性である装置関数
h(λ)を用いて装置の特性を除去して較正し、シャー
プネス劣化を復元した被写体固有の分光反射率のスペク
トル分布O(λ)得るためである。このフーリエ変換に
よるデコンボリューション処理方法は、装置関数をチャ
ンネル毎に設けず、1つの装置関数h(λ)を用いて処
理を行うため、従来の式(2)による行列による方法の
ように波長可変フィルタの既知の分光透過率分布f
i (λ)(i=1〜n)をチャンネル毎に記憶して、チ
ャンネル毎の装置関数を揃える必要がなく、装置関数h
(λ)を1つ用意するだけなので、処理が単純となり計
算時間が短縮される。
【0035】また、本発明のマルチバンド画像の分光反
射率のスペクトル推定方法で行われるデコンボリューシ
ョン処理の方法は、式(4)により被写体固有の分光反
射率のスペクトル分布O(λ)を得る方法のほかに、装
置関数h(λ)をフーリエ変換して得られる関数F[h
(λ)]をフーリエ面で逆数とし、これを逆フーリエ変
換して得られる波形と被写体の分光反射率のスペクトル
分布I(λ)との畳み込み積分を計算し(コンボリュー
ション処理)、被写体固有の分光反射率のスペクトル分
布O(λ)を求めるものであってもよい。
【0036】また、上記実施例は、フーリエ変換による
デコンボリューション処理方法であるが、本発明は、こ
れに制限されず、従来のような、式(2)および式
(3)による行列による計算を用いてもよく、その際、
波長可変フィルタのチャンネル毎の既知の分光透過率分
布fi (λ)(i=1〜n)の中から、全チャンネルに
よって被われる波長領域の中心波長から上下50nm範
囲内で値を有する分光透過率分布を代表の分光透過率分
布の関数とし、この関数と撮影するカメラの分光感度分
布(CCDカメラの分光感度分布S(λ)と光学系の既
知の分光透過率L(λ)の積)と、撮影時の撮影照明の
分光強度分布E(λ)との積を求め、式(2)および式
(3)によってデコンボリューション処理を行ってもよ
い。これによって、式(2)および式(3)の行列計算
も容易に実施でき計算時間の短縮が可能となる。
【0037】特に、被写体の分光反射率のスペクトル分
布I(λ)の測定点数mにチャンネル数nが等しくなる
ように、内挿補間処理部26においてチャンネル数を増
やして、被写体の分光反射率のスペクトル分布I(λ)
の測定点数mに等しくし、式(2)の行列Fの逆行列を
求めてもよい。これによって、式(2)の行列Fの逆行
列を解析的にかつ短時間に求めることが可能となる。得
られた被写体固有の分光反射率のスペクトル分布は、伸
張・圧縮逆変換部36に送られる。
【0038】伸張・圧縮逆変換部36は、圧縮・伸張変
換部28で施された波長の圧縮または伸張の処理を打ち
消すように、逆の倍率を掛けて波長の伸張または圧縮の
逆変換を行う部分である。すなわち、圧縮・伸張変換部
28において分光透過率の半値幅に応じて分光反射率の
スペクトル分布の波長を変化させ、その後デコンボリュ
ーション処理を行ったため、デコンボリューション処理
後の較正された分光反射率のスペクトル分布の波長は依
然として圧縮または伸張されたままである。そのため、
被写体固有の分光反射率のスペクトル分布を、もとの波
長に戻すために、圧縮・伸張変換部28で施された圧縮
または伸張の倍率を打ち消すように、逆の倍率を掛けて
伸張または圧縮を行う。このようにして、伸張または圧
縮の逆変換を行い、被写体の較正済み分光反射率のスペ
クトル分布を得ることができる。得られた被写体の較正
済み分光反射率のスペクトル分布は、図示されないメモ
リ記憶部に保存される。
【0039】分光反射率スペクトル推定装置16は、以
上のように構成される。次に、本発明のマルチバンド画
像の分光反射率のスペクトル推定方法について説明す
る。
【0040】図3に、マルチバンド画像の分光反射率の
スペクトル推定方法の一例の概要を説明する。図3に示
すように、マルチバンド画像の分光反射率のスペクトル
推定方法は、例えば液晶チューナブルフィルタ14およ
びCCDカメラ12からなるマルチバンドカメラによっ
て被写体を撮影し、特定の波長領域ごとに設定されたチ
ャンネルごとの原画像からなるマルチバンド画像の画像
データ、すなわち、データ処理部18においてAD変換
した画素単位のデジタルデータ値、すなわちQL値、た
とえば8ビットAD変換では0〜255の整数値を得
る。
【0041】一方、上記被写体の撮影時、または被写体
の撮影の前後において、4段6列の公知のマクベスチャ
ートを上記マルチバンドカメラで撮影し、マクベスチャ
ートの分光反射率データをQL値として得た後、マクベ
スチャート4段目の色相のないグレー階調のQL値を、
予めわかっている既知のグレー階調の分光反射率と対応
させてマクベスグレー1次元LUTを作成する。この作
成したマクベスグレー1次元LUTを用いて、被写体を
撮影したマルチバンド画像のQL値から被写体の分光反
射率のスペクトル分布を推定する。
【0042】この推定された被写体の分光反射率のスペ
クトル分布に、必要に応じて、ノイズ除去処理や内挿補
間処理や圧縮・伸張変換を行い、さらに、マクベスチャ
ートの分光反射率データから、彩度が高く分光反射率が
波長に対して急激に変化するR、GおよびBのパッチの
分光反射率をデータを用いて、必要に応じて、フィルタ
温度補正(波長シフト)を行い、その後、スペクトルの
シャープネス劣化復元処理(デコンボリューション処
理)および伸張・圧縮逆変換を必要に応じて行い、較正
済み分光反射率のスペクトル分布を得る。
【0043】すなわち、本発明のマルチバンド画像の分
光反射率のスペクトル推定方法は、マクベスグレー1次
元LUTを用いて、被写体を撮影したマルチバンド画像
のQL値から被写体の分光反射率のスペクトル分布を推
定することを基本とし、より精度の高いスペクトル分布
を得るために、デコンボリューション処理や内挿補間や
圧縮伸張処理や温度補正を必要に応じて行う方法であ
る。
【0044】図4は、図3で示すスペクトル推定方法を
実施するマルチバンド画像分光反射率のスペクトル推定
システム10を基にして工程ごとに説明するフローの一
例を示すフローチャートである。
【0045】まず、撮影は長領域を特定の波長領域ごと
に図2に示されるように16チャンネルに分割した液晶
チューナブルフィルタ14およびCCDカメラ12から
なるマルチバンドカメラによって被写体を撮影し、液晶
チューナブルフィルタ14で設置された特定の波長領域
ごとの原画像からなるマルチバンド画像の画像信号を
得、分光反射率スペクトル推定装置16のデータ処理部
18において8ビットのAD変換を行い、DCオフセッ
トの補正、暗時補正、LOG変換およびシェーディング
補正を行って、16チャンネルに対応する原画像の画素
単位毎に0〜255の整数からなるQL値を得、マルチ
バンド画像の画像データを取得する(ステップ10
0)。
【0046】一方、ステップ100でマルチバンド画像
を撮影する際に同時に、あるいは前後して、分光反射率
が既知のマクベスチャートを撮影し、マクベスチャート
の分光輝度測定(ステップ102)を行う。ここで分光
輝度測定とは、ステップ100のマルチバンド画像デー
タの取得と同様に、マクベスチャートのマルチバンド画
像の信号を分光反射率スペクトル推定装置16のデータ
処理部18において8ビットのAD変換を行い、DCオ
フセットの補正、暗時補正、LOG変換およびシェーデ
ィング補正を行い、マクベスチャートの各パッチに対応
したQL値を得ることである。このようにして得られた
マクベスチャートの各パッチに対応したQL値のうち、
最下段の4段目の6つのグレーパッチのQL値とこのグ
レーパッチの予めわかっている分光反射率の値とを各原
画像ごとに1対1に対応させる1次元LUTを作成する
(ステップ104)。なお、ここで作成された1次元L
UTには、液晶チューナブルフィルタ14の各波長毎の
透過率レベルの補正が含まれる。
【0047】次に、ステップ100で得られた撮影被写
体の各チャンネルに対応する原画像のQL値をステップ
104で作成した1次元LUTを用いて、分光反射率の
値に変換する(ステップ106)。参照するQL値が1
次元LUTに存在しない場合は、内挿補間あるいは外挿
補外等によって分光反射率の値を求める。この内挿補間
や外挿補外の方法は特に限定されず、公知の方法、たと
えば直線補間やラグランジェ補間等の公知の方法で行
う。
【0048】このように1次元LUTを用いて分光反射
率の値に変換することができるのは、図2に示すよう
に、波長可変フィルタとして用いる液晶チューナブルフ
ィルタの各チャンネルの分光透過率の分布が、従来のフ
ィルターと異なり波長分解能が向上しピーク値を中心と
する急峻な分布を形成し、各チャンネル間の波長の重な
りが少なくなり、1次元LUTを用いて得られた分光反
射率のスペクトル分布の鈍りが少なくなるからである。
式(2)で説明すると、式(2)で示される行列Fの非
対角項成分がほとんどゼロとなるため、1次元LUTを
用いて分光反射率の値に変換することができるのであ
る。そのため、式(3)のような推定行列Gを計算する
必要がなくなり、大幅に処理時間が短縮する。
【0049】一方、後述するフィルタ温度補正を行うた
めに、ステップ102のマクベスチャートの分光輝度測
定で得られたR、GおよびBの色相のパッチをステップ
104で得られた1次元LUTを用いて分光反射率のス
ペクトル分布を算出する(ステップ108)。
【0050】次に、フィルタ温度補正を行う(ステップ
109)。フィルタ温度補正を行うのは、後述するデコ
ンボリュション処理(ステップ118)を行う際に代表
関数として選ばれる装置関数h(λ)は、液晶チューナ
ブルフィルタ14の分光透過率分布と、撮影するカメラ
の分光感度分布(光学系の分光透過率を含む分光感度分
布)と、撮影時の撮影照明の分光強度分布との積によっ
て規定されるが、液晶チューナブルフィルタ14の分光
透過率分布は、液晶部の温度によって分光透過率分布が
波長領域でシフトするからである。フィルタ温度補正に
おいては、ステップ108において、分光反射率分布が
既知のR、GおよびBの色相のパッチを測定して得られ
た分光反射率のスペクトル分布と、この既知の分光反射
率分布とを比較して、波長のシフト量を求める。R、G
およびBの色相のパッチを測定するのは、彩度が高く、
分光反射率分布が波長に対して急激に変化するため、波
長のシフト量を容易に求めることができるからである。
【0051】なお、上記実施例では、分光反射率分布が
既知のパッチの分光反射率分布とこのパッチをマルチバ
ンドカメラで撮影して得られた分光反射率分布との差異
から波長シフト量を求め、これを用いて分光反射率を補
正するが、本発明ではこの方法に限られず、液晶チュー
ナブルフィルタ14の液晶部に接するように温度計を設
置し、マルチバンド画像撮影時に液晶部の温度を、図示
されない分光反射率スペクトル推定装置16のフィルタ
温度取得手段を通じて記録し、この記録された温度を用
いて温度に対応した波長シフト量を求め、分光反射率を
補正するものであってもよい。
【0052】一方、ステップ106で得られた各チャン
ネルに対応した原画像の分光反射率のデータに対して、
ノイズ除去処理を行う(ステップ110)。ノイズ除去
処理は、液晶チューナブルフィルタ14の分光透過率
が、図2に示すように、短波長側のチャンネルでは透過
率が低く、十分な光量を確保できず、ノイズを拾い易
く、一方、長波長側のチャンネルでは透過率が高く、十
分な光量を確保できノイズ成分を拾い難いため、各チャ
ンネルの波長領域に応じて、ノイズ除去の強さを調整で
きるノイズ除去処理が望ましい。例えば、分光透過率の
ピーク値が0.1以下になれば、自動的にメディアンフ
ィルタをon−off的に使用する方法が挙げられる。
【0053】次に、ステップ110で分光反射率のデー
タに対してノイズ除去処理が施された後、ステップ10
9で求めた波長シフト量Δλを用いて、この波長のシフ
トによって変化する分光反射率の波長をΔλ分補正する
ことで、波長シフト処理が施される(ステップ11
1)。
【0054】さらに、ステップ110で得られたノイズ
除去処理の施された分光反射率野データは、内挿補間処
理(ステップ112)が施される。内挿補間を行うの
は、最終的に、分光反射率のスペクトル分布のチャンネ
ル数を増やし滑らかな分布を得るためである。内挿補間
としては、スプライン補間やラグランジェ補間等の非線
形な補間により、例えば10nm以下のスペクトル分布
となるように補間処理を行う。また、直線補間により、
凸凹のある分光反射率のスペクトル分布を得てもよく、
この場合後述するデコンボリューション処理はフーリエ
変換およびその逆変換を用いた処理を行う。フーリエ変
換およびその逆変換により、凸凹のスペクトル分布でも
滑らかなスペクトル分布を得ることができるためであ
る。
【0055】内挿補間処理(ステップ112)が施され
てデータの細かくなった分光反射率のスペクトル分布の
波長を圧縮または伸張する圧縮・伸張処理を行う(ステ
ップ114)。圧縮・伸張処理は、分光反射率のスペク
トル分布の波長を、図2に示す波長の変化と共に変化す
る液晶チューナブルフィルタ14の分光透過率のスペク
トル分布の半値幅に応じて、被写体の分光反射率のスペ
クトルの波長を圧縮または伸張する。圧縮や伸張の比率
は、後述する1つの装置関数h(λ)の半値幅に対して
被写体の分光反射率のスペクトルの波長域が、チャンネ
ルに係わらず一定となるように、波長域毎に変化する。
これによって、後述するデコンボリューション処理にお
いて、波長によって変化する分光透過率分布で規定され
る装置関数h(λ)を、波長に応じて複数持つ必要がな
く1つの装置関数だけでデコンボリューション処理を行
うことができる。
【0056】このようにして圧縮・伸張変換(ステップ
114)された分光反射率のスペクトル分布は、分光反
射率のスペクトル分布のシャープネス劣化復元処理であ
るデコンボリューション処理を行う(ステップ11
8)。本来、液晶チューナブルフィルタ14およびCC
Dカメラ12を備えたマルチバンドカメラから得られた
被写体の分光反射率のスペクトル分布は、撮影したマル
チバンドカメラの装置の特性によっていわばフィルタの
掛かった状態になっている。そのため、スペクトル分布
がシャープでなく、鈍った形で得られる。一方、この撮
影したマルチバンドカメラの装置の特性である装置関数
h(λ)は既知であるので、この装置関数h(λ)を用
いて、鈍った分光反射率のスペクトル分布のシャープネ
ス劣化を復元処理する。すなわち、図5に示すように、
被写体固有の分光反射率のスペクトル分布O(λ)を、
装置関数h(λ)がチャンネルごとに分解され各チャン
ネル毎に定まる装置関数hi (λ)と掛け合わせ、その
後チャンネル全体を合計して算出される分布が、装置関
数h(λ)を備えるマルチバンドカメラで撮影された分
光反射率のスペクトル分布I(λ)となる。このよう
に、測定された分光反射率のスペクトル分布I(λ)
は、被写体固有の分光反射率のスペクトル分布O(λ)
と装置関数h(λ)から下記式(5)の畳み込み処理
(コンボリューション処理)によって定まる。
【数4】
【0057】ステップ118で行うデコンボリューショ
ン処理は、上記コンボリューションにより得られる分光
反射率のスペクトル分布I(λ)と装置関数h(λ)と
を用いて、コンボリューション処理とは逆に被写体固有
の分光反射率のスペクトル分布O(λ)を求める処理で
ある。式(5)に示されるコンボリューション積分は、
下記式(6)のように、フーリエ変換したF[I
(λ)]、F[O(λ)]およびF[h(λ)]を用い
て表される。そのため、式(4)のように、F[I
(λ)]をF[h(λ)]で割ってそれを逆フーリエ変
換することで、O(λ)を得ることができる。
【数5】
【0058】マルチバンド画像の画素数が少ない場合、
例えば10万画素未満の場合、上記フーリエ変換による
デコンボリューション処理では、各チャンネル、例えば
16チャンネルに対応した装置関数すべてを記憶し、こ
れを用いて各チャンネルに対応した演算をする必要がな
く、1つのチャンネルの装置関数h(λ)だけで計算で
きるため、被写体固有の分光反射率のスペクトル分布の
処理を短時間に行うことができる。
【0059】また、マルチバンド画像の画素数が多い場
合、例えば10万画素以上の場合、デコンボリューショ
ン処理は、従来のような、式(2)および式(3)によ
る行列による計算を用いてもよく、その際、波長可変フ
ィルタのチャンネル毎の既知の分光透過率分布f
i (λ)(i=1〜n)の中から、全チャンネルによっ
て被われる波長領域の中心波長から上下50nm範囲内
で値を有する特定のチャンネルの分光透過率分布を代表
の分光透過率分布の関数とし、この関数と撮影するカメ
ラの分光感度分布(CCDカメラの分光感度分布S
(λ)と光学系の既知の分光透過率分布L(λ)の積)
と、撮影時の撮影照明の分光強度分布E(λ)との積を
求め、式(2)および式(3)によるデコンボリューシ
ョン処理を行ってもよい。これによって、式(2)およ
び式(3)の行列計算も容易に実施でき計算時間の短縮
が可能となる。
【0060】特に、被写体の分光反射率のスペクトル分
布I(λ)の測定点数mにチャンネル数nが等しくなる
ように、内挿補間処理(ステップ112)においてチャ
ンネル数を増やして、被写体の分光反射率のスペクトル
分布I(λ)の測定点数mに等しくし、式(2)の行列
Fの逆行列を求めてもよい。これによって、式(2)の
行列Fの逆行列を解析的かつ短時間に求めることが可能
となる。
【0061】デコンボリューション処理(ステップ11
8)が施された後、ステップ114で行われた圧縮・伸
張処理の逆変換である伸張・圧縮逆変換をおこなう(ス
テップ120)。これによって、ステップ114で波長
方向に圧縮または伸張された、較正済みの分光反射率の
スペクトル分布を取得し(ステップ122)、記憶部に
記憶する。このようにして、マルチバンドカメラの特性
を除去した較正済みの分光反射率のスペクトル分布を取
得することができる。
【0062】次に、このようなマルチバンド画像の分光
反射率のスペクトル推定方法およびスペクトル推定シス
テムに基づいて、マルチバンド画像から被写体の分光反
射率のスペクトルを求めた。CCDカメラとして、DA
LSA社製 CA-D4-1024A(ピクセル数1024×102
4、ピクセルサイズ12×12ミクロン、PCIインタ
ーフェース付き、モノクロ)を用い、波長可変フィルタ
ーとしてCRI社製Varispec Tunable Filter (液晶チ
ューナブルフィルタ)を用いた。この液晶チューナブル
フィルタは、400〜720nmのフィルタ波長範囲内
で、分光透過率分布の中心波長を任意に選択でき、その
分布の波長の半値幅の全チャンネルの平均値が30nm
であり、分光透過率は波長によって変化し6〜60%で
あった。分光反射率スペクトル推定装置として、PRO
SIDE社製ブック型PC(パーソナルコンピュータ)
を用い、Windows 95上で分光反射率のスペクトル分布
を推定するためのソフトウェアをC++言語で作成した。
なお、PROSIDE社製ブック型PCは、CPUが1
66MHz であり、RAMは128Mbyte であった。
【0063】撮影の光源としてメタルハライドランプを
用い、撮影被写体の照度を12000lux とした。撮影
に使用した撮影レンズはNikomart(f=50mm ,F
1.4)を用い、さらに400nm以下の紫外線カット
フィルタと730nm以上の赤外カットフィルタを用い
た。また、撮影波長範囲410nm〜710nmを16
分割して16チャンネルとし、各波長間隔を20nmと
した。撮影は、人物顔とマクベスチャートとを同時に撮
影した。また液晶チューナブルフィルタの分光透過率分
布を各分割したチャンネルに応じて変化させて撮影し、
マルチバンド画像を構成する原画像を16枚得た。撮影
時の絞り値はF2.8であった。撮影時間は1ショット
25m秒であり、マルチバンド画像の撮影全体に3秒を
要した。
【0064】まず、処理aとして、各チャンネルに対応
する原画像中のマクベスチャート画像のうち最下段にあ
る分光反射率が既知の6つのグレーパッチから、このグ
レーパッチの画像データ値(QL値)を各チャンネル毎
に得、このグレーパッチ画像のQL値とこのグレーパッ
チの既知の分光反射率の値との対応付けを行い、各チャ
ンネル毎に1次元ルックアップテーブルを作成し、その
後人物顔のQL値から、先に作成した1次元ルックアッ
プテーブルを用いて撮影被写体の人物顔の分光反射率の
スペクトル分布を得た。
【0065】また、処理bとして、マルチバンド画像の
撮影の前に、CCDカメラの分光感度分布(光学系の分
光透過率を含む分光感度分布)と、各チャンネルに対応
する波長域の液晶チューナブルフィルタの分光透過率分
布とを測定し、その後、処理aの処理を行った。さら
に、液晶チューナブルフィルタのチャンネルに対応する
波長域の分光透過率分布と、CCDカメラの分光感度分
布と、撮影時の照明光の既知の分光強度分布とを乗算し
て得られる特定のチャンネルの装置関数を選択し、この
装置関数h(λ)と撮影被写体の人物顔の分光反射率の
スペクトル分布I(λ)とを用いて、式(4)に従って
FFTを利用したフーリエ変換法によるデコンボリュー
ション処理を行い、較正済の被写体固有の分光反射率の
スペクトル分布を得た。
【0066】また、処理cとして、処理bと同様に、マ
ルチバンド画像の撮影の前に、CCDカメラの分光感度
分布(光学系の分光透過率を含む分光感度分布)と、各
チャンネルに対応する波長域の液晶チューナブルフィル
タの分光透過率分布とを測定し、その後、処理aの処理
を行った。その後、CCDカメラの分光感度分布(光学
系の分光透過率を含む分光感度分布)と、各チャンネル
に対応する波長域の液晶チューナブルフィルタの分光透
過率分布と、撮影時の照明光の既知の分光強度分とか
ら、式(2)の行列Fを計算した。その際、マルチバン
ド画像の測定点の数は16(n=16)であり、波長間
隔は20nmであった。一方、CCDカメラの分光感度
分布と、液晶チューナブルフィルタの波長域の分光透過
率分布の波長間隔が5nmであり、最終的に求める較正
済みの被写体固有の分光反射率のスペクトル分布も5n
mであり、撮影波長範囲410nm〜710nmでチャ
ンネル数が81(m=81)となった。そのため、式
(2)の両辺に行列Fの転置行列Ft を掛けたのち、行
列(Ft ・F)の逆行列を求め、式(2)の右辺の被写
体固有の分光反射率の値Ok (k=1〜81)を計算
し、較正済み分光反射率のスペクトル分布O(λ)を計
算して求めた。なお、逆行列を求める計算はガウス−ザ
イデル法を用いた。
【0067】得られた分光反射率のスペクトル分布よ
り、色空間座標に変換しマクベスチャート24パッチの
分光反射率の差の絶対値の平均値(ΔRav)と色差の平
均値(ΔEav)を求めた。ここで、分光反射率の差を求
めているのは、色差だけでなく、分光反射率の精度が問
題となるからである。色差が0でも、分光反射率に大き
い差が生じる場合、すなわちメタメリズムといった現象
が生じる場合もある。処理aでは、処理aに要する処理
時間は1分15秒であり、ΔRavは0.0093、ΔE
avは2.70であった。処理bでは、処理bに要する処
理時間は13分01秒であり、ΔRavは0.0083、
ΔEavは1.68であった。さらに、処理cに要する処
理時間は5分36秒であり、ΔRavは0.0080、Δ
avは1.67であった。
【0068】このように、処理a、bおよびcは、分光
反射率の差の絶対値の平均値ΔRavと平均値ΔEavを実
効的に落さず、短時間で処理することができることは明
らかである。
【0069】以上、本発明のマルチバンド画像の分光反
射率のスペクトル推定方法およびスペクトル推定システ
ムについて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限
定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、
各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんであ
る。
【0070】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、波長可変フィルタを用いてマルチバンド画像を
撮影し、これを用いて撮影被写体の分光反射率のスペク
トルを推定する際に、実効的にスペクトルの推定精度を
落すことなく、推定スペクトルを求める処理時間を短縮
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマルチバンド画像の分光反射率のス
ペクトル推定システムの一例の概略を示すブロック図で
ある。
【図2】 図1に示す液晶チューナブルフィルタの分光
透過率の一例を示す図である。
【図3】 本発明のマルチバンド画像の分光反射率のス
ペクトル推定方法の一例の概要を説明する説明図であ
る。
【図4】 本発明のマルチバンド画像の分光反射率のス
ペクトル推定方法の一例のフローを説明するフローチャ
ートである。
【図5】 図4に示すデコンボリューション処理を説明
する説明図である。
【符号の説明】
10 マルチバンド画像分光反射率のスペクトル推定シ
ステム 12 CCDカメラ 14 液晶チューナブルフィルタ 16 分光反射率スペクトル推定装置 18 データ処理部 20 1次元LUT 22 分光反射率スペクトル算出部 24 ノイズ除去処理部 26 内挿補間処理部 28 圧縮・伸張変換部 30 温度補正用分光反射率データ部 32 フィルタ温度補正部 34 デコンボリューション処理部 36 伸張・圧縮逆変換部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長可変フィルタを用いて、撮影波長領域
    を複数チャンネルに分割し、各チャンネルに対応して同
    一の被写体を撮影手段により撮影した複数の原画像から
    成るマルチバンド画像を得、このマルチバンド画像から
    前記被写体の分光反射率のスペクトルを推定する方法で
    あって、 前記波長可変フィルタは、チャンネル数が10チャンネ
    ル以上であって、全チャンネルの分光透過率分布の平均
    波長半値幅が40nm以下である波長可変フィルタであ
    り、 前記チャンネル毎に、分光反射率が既知のチャートを撮
    影して得られるQL値を前記分光反射率と対応させた変
    換テーブルを予め作成し、 マルチバンド画像の各チャンネルの原画像のQL値から
    前記変換テーブルを用いて、分光反射率に変換すること
    によって、被写体の分光反射率のスペクトルを推定する
    ことを特徴とするマルチバンド画像の分光反射率のスペ
    クトル推定方法。
  2. 【請求項2】前記波長可変フィルタは、液晶チューナブ
    ルフィルタである請求項1に記載のマルチバンド画像の
    分光反射率のスペクトル推定方法。
  3. 【請求項3】推定された前記被写体の分光反射率のスペ
    クトル分布に対して、前記チャンネルの波長領域での前
    記波長可変フィルタの分光透過率分布と、前記撮影手段
    の分光感度分布と、撮影時の撮影照明光の分光強度分布
    との積によって定まる1つの装置関数を用いて、デコン
    ボリューション処理を行って被写体の分光反射率のスペ
    クトルを較正する請求項1または2に記載のマルチバン
    ド画像の分光反射率のスペクトル推定方法。
  4. 【請求項4】前記デコンボリューション処理は、フーリ
    エ変換、または行列演算を用いて行われる請求項3に記
    載のマルチバンド画像の分光反射率のスペクトル推定方
    法。
  5. 【請求項5】前記装置関数は、前記チャンネルによって
    撮影される波長領域の中心波長から上下50nmの範囲
    内で値を有する装置関数が選択される請求項3または4
    に記載のマルチバンド画像の分光反射率のスペクトル推
    定方法。
  6. 【請求項6】前記デコンボリューション処理を行う前
    に、前記波長可変フィルタの半値幅に応じて、前記被写
    体の分光反射率のスペクトルの波長を圧縮または伸張
    し、 さらに、前記デコンボリューション処理を行った後に、
    前記波長の圧縮または伸張に対応して、デコンボリュー
    ション処理によって得られた被写体の分光反射率のスペ
    クトルの波長を伸張または圧縮する逆変換を施す請求項
    3〜5のいずれかに記載のマルチバンド画像の分光反射
    率のスペクトル推定方法。
  7. 【請求項7】前記デコンボリューション処理を行う際
    に、波長可変フィルタの温度依存性を補償するフィルタ
    温度補正を行う請求項2〜6のいずれかに記載のマルチ
    バンド画像の分光反射率のスペクトル推定方法。
  8. 【請求項8】前記フィルタ温度補正は、分光反射率分布
    が既知で、波長に対して急激な変化を示す彩度の高いカ
    ラーチャートを撮影し、これを用いてカラーチャートの
    分光反射率分布を求め、 この求めた分光反射率分布の波形と既知の前記分光反射
    率の波形とが一致する波長のシフト量を求め、 この求めたシフト量に応じて、前記被写体の分光反射率
    分布の補正を行う請求項7に記載のマルチバンド画像の
    分光反射率のスペクトル推定方法。
  9. 【請求項9】前記波長可変フィルタは、液晶部を備える
    液晶チューナブルフィルタであり、 前記フィルタ温度補正は、前記液晶チューナブルフィル
    タの前記液晶部に接する温度計から得られる前記液晶部
    の温度とこの液晶チューナブルフィルタの分光透過率分
    布との関係を予め特性データとして記憶し、 マルチバンド画像の撮影の際の前記液晶部の温度から、
    液晶チューナブルフィルタの分光透過率分布の波長のシ
    フト量を求め、 このシフト量に応じて、前記被写体の分光反射率分布を
    補正する請求項7に記載のマルチバンド画像の分光反射
    率のスペクトル推定方法。
  10. 【請求項10】前記デコンボリューション処理を行う前
    に、 前記被写体の分光反射率のスペクトルに対して、各チャ
    ンネルの中心波長間を非線形な内挿補間によって分光反
    射率のスペクトルのデータ数を増やし、 この増加した分光反射率のスペクトルを用いて、前記デ
    コンボリューション処理を行う請求項3〜9のいずれか
    に記載のマルチバンド画像の分光反射率のスペクトル推
    定方法。
  11. 【請求項11】データ数の増加した前記分光反射率のス
    ペクトルは、波長間隔が10nm以下である請求項10
    に記載のマルチバンド画像の分光反射率のスペクトル推
    定方法。
  12. 【請求項12】被写体を撮影する撮影手段と、 前記撮影手段で被写体を撮影する際に、撮影波長領域を
    複数チャンネルに分割し、このチャンネルに対応した波
    長領域で被写体の反射光を透過する波長可変フィルタ
    と、 前記チャンネル毎に、分光反射率が既知のチャートを撮
    影して得られるQL値を前記分光反射率と対応させた変
    換テーブルを予め作成し、前記撮影手段および前記波長
    可変フィルタを用いて撮影されたマルチバンド画像の各
    チャンネルの原画像のQL値から前記変換テーブルを用
    いて、分光反射率に変換することによって、被写体の分
    光反射率のスペクトルを推定する分光反射率スペクトル
    推定装置とを備えることを特徴とするマルチバンド画像
    のスペクトル推定システム。
  13. 【請求項13】前記分光反射率スペクトル推定装置は、
    前記チャンネルの波長領域で被写体の反射光を透過する
    前記波長可変フィルタの分光透過率分布と、撮影手段の
    分光感度分布と、撮影時の撮影照明光の分光強度分布と
    の積によって定まる1つの装置関数を用いて、推定され
    た前記被写体の分光反射率のスペクトルに対してデコン
    ボリューション処理を行って被写体の分光反射率のスペ
    クトルを較正する請求項12に記載のマルチバンド画像
    のスペクトル推定システム。
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