JP2007268047A - 電子内視鏡装置およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】エイミング光を備えていない近赤外光照射装置と組み合わせた場合であっても、表示画像内において、近赤外光の照射部位を視認可能な電子内視鏡装置を提供する。
【解決手段】RGBフィルタからなるモザイクフィルタがオンチップされたCCD撮像素子により被観察部の画像を撮像して、RGB画像信号を取得する。プロセッサ部12のIR画像信号生成回路29では、近赤外光の反射光強度を推定するための推定マトリクスおよび近赤外光のスペクトルマトリクスデータを用いてRGB画像信号に対してマトリクス演算を行い、近赤外光の反射光強度の推定値からなるIR画像信号を算出する。モードセレクタ30では、RsおよびGs画像信号としては、RおよびG画像信号をそのまま出力し、Bs画像信号としては、B画像信号にIR画像信号を重畳した画像信号を出力する。モニタ52には、RsGsBs信号に基づいたカラー画像が表示される。
【選択図】図2

Description

本発明は、白色の照明光を被観察部へ照射し、該被観察部のカラー画像を取得する電子内視鏡に関し、特に近赤外光を被照射部位へ照射する近赤外光照射装置と組み合わせて使用する電子内視鏡装置に関するものであり、また該電子内視鏡に使用されるカラー画像信号を生成するプログラムに関するものである。
従来、生体などの光断層画像を取得する光断層画像取得装置の開発が進められている。これらの光断層画像の取得方法としては、周波数掃引されたコヒーレンス光による光干渉を用いた方法や、低コヒーレンス光による光干渉を用いた方法等が知られている。
特に、低コヒーレンス光干渉光の光強度をヘテロダイン検波により測定することにより、測定部の光断層画像を取得するOCT(Optical Coherence Tomography)装置は、実用化されている。
このOCT装置は、SLD(Super Luminescent Diode)等から成る光源から出射された低コヒーレンス光を測定光と参照光に分割し、ピエゾ素子等により参照光または測定光の周波数を僅かにシフトさせ、測定光を被測定物に照射し、被照射部位からの反射光と参照光とを干渉させ、その干渉光の光強度をヘテロダイン検波により測定し、光断層情報を取得するものであり、参照光の光路上に配置した可動ミラー等を微少移動させ、参照光の光路長を僅かに変化させることにより、参照光の光路長と測定光の光路長が一致した被照射部位の所定の深度での情報を得ることができる。また測定光を照射する部位を僅かにずらしながら、測定を繰り返すことにより、所定の領域の光断層画像を取得することができる(例えば非特許文献1参照)。
このようなOCT装置を使用すれば、早期癌の深達度診断なども可能となるため、内視鏡装置の鉗子チャンネルに挿入可能なOCTプローブにより測定光および測定光の反射光を導光して、体腔内の光断層画像を取得する方法の開発が進められている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1には、測定光を導光する光ファイバと、この光ファイバの先端に配設され、測定光を直角に反射するミラーを備えたOCTプローブを内視鏡の鉗子チャンネルを介して体腔内に挿入し、先端のミラーを回転させることにより、体腔壁の光断層画像を表示するOCT装置が記載されている。
このようなOCT装置では、被照射部位における光損失を抑制するために、測定光として近赤外光が使用されることが多いが、近赤外光は視認できないため、例えばHe−Neレーザ光等の可視光を同軸上に重畳して、エイミング光として使用している。
また、レーザ治療機の分野においても、例えばYAGレーザ光等の近赤外光が使用され、やはり可視光がエイミング光として使用されている。
OPTICS LETTER Vol.24,No19 P1358〜P1360 by Andrew M Rollins and Rujchai Ung-arunyawee 特開2002−200037
近年、実用に当たって、光断層画像取得装置等の近赤外光照射装置の小型化および構成の簡素化が望まれているが、エイミング光を近赤外光と同軸上に重畳するためには、光路上にダイクロイックミラー等の光学素子あるいは合波用のカプラー等を配置する必要があり、近赤外光照射装置の小型化および簡素化が妨げられるという問題がある。一方、エイミング光がない場合には、近赤外光の照射部位を視認できないという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、エイミング光を備えていない近赤外光照射装置と組み合わせた場合であっても、カラー画像内に近赤外光の照射部位を視認可能な状態で表示できる電子内視鏡装置を提供することを目的とするものである。また、エイミング光を備えていない近赤外光照射装置と組合わされた電子内視鏡装置に搭載することにより、近赤外光の照射部位が視認可能な状態で表示されるプログラムを提供することを目的とするものである。
本発明の電子内視鏡装置は、近赤外光を被照射部位へ照射する近赤外光照射装置と組み合わせて使用する電子内視鏡装置において、
前記被照射部位を含む被観察部へ前記近赤外光を含まない白色光を照射する照明手段と、
前記近赤外光および前記白色光が照射された前記被観察部の反射光像を分光して撮像し、分光画像信号として出力する撮像手段と、
前記近赤外光の反射光強度を推定するための推定マトリクスデータを記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶された推定マトリクスデータおよび、前記近赤外光のスペクトルデータを用いて前記分光画像信号に対してマトリクス演算を行い、前記近赤外光の反射光強度の推定値からなるIR画像信号を生成するIR画像信号生成手段と、
前記分光画像信号および前記IR画像信号に基づいて、カラー画像信号を生成するカラー画像信号生成手段とを有することを特長とするものである。
前記推定マトリクスデータは、前記白色光または前記近赤外光を含む、複数の照射光パターンのスペクトルマトリクスデータと、前記撮像手段により、前記複数の照射光パターンを用いて取得された被観察部の分光信号からなる画素マトリクスデータとに基づいて、算出されたものであってもよい。
なお、ここで「被観察部の分光信号の画素マトリクスデータ」とは、実際に被観察部のカラー画像を取得する前に、前記被観察部へ前記白色光または前記近赤外光を含む、複数の照射光パターンを照射しての取得した分光画像信号の画素マトリクスデータであってもよい。この場合には推定マトリクスデータはカラー画像取得する直前に算出されることとなる。また、「被観察部の分光信号の画素マトリクスデータ」とは、予め、被観察部となる可能性のある部位、例えば食道壁、胃壁、十二指腸壁などのサンプルへ前記白色光または前記近赤外光を含む、複数の照射光パターンを照射して取得した分光信号の画素マトリクスデータであってもよい。この場合には、推定マトリクスデータは予め、例えば本内視鏡装置の出荷前に算出されて、記憶されている。
また、前記推定マトリクスデータは、前記白色光または前記近赤外光を含む、複数の照射光パターンのスペクトルマトリクスデータと、前記撮像手段の分光特性データと、前記被観察部の可視光領域および近赤外光領域における光反射特性データとに基づいて、算出されたものであってもよい。この場合には、実際の被観察部へ複数の照射光パターンの光を照射して、前記被観察部の分光信号の画素マトリクスデータを取得する代わりに、計算により画素マトリクスデータを求めることができる。
なお、「前記白色光または前記近赤外光を含む、複数の照射光パターン」とは、白色光単独の照射光パターン、近赤外光単独の照射光パターンあるいは白色光と近赤外光とを所定の比率で混合した照射光パターン等を含むものである。
前記記憶部は、被観察部の種類に対応した複数の推定マトリクスデータを記憶しているものであれば、
前記IR画像信号生成手段は、前記複数の推定マトリクスデータ中から前記撮像手段により撮像された前記被観察部の推定マトリクスデータを用いて、前記IR画像信号を算出するものであってもよい。
前記撮像手段により撮像された分光画像信号が、R(赤)画像信号、G(緑)画像信号、B(青)画像信号からなるものであり、前記R(赤)画像信号、G(緑)画像信号、B(青)画像信号の内少なくとも1つの信号は、近赤外領域の信号を含むものであれば、
前記カラー画像信号生成手段は、前記R(赤)画像信号に基づくRカラー画像信号と、前記G(緑)画像信号に基づくGカラー画像信号と、前記B(青)画像信号および前記IR画像信号に基づくBカラー画像信号とから、RGBカラー画像信号を生成するものであってもよい。
なお、前記カラー画像信号生成手段は、前記R(赤)画像信号に基づくRカラー画像信号と、前記G(緑)画像信号および前記IR画像信号に基づくGカラー画像信号と、前記B(青)画像信号に基づくBカラー画像信号とから、RGBカラー画像信号を生成するものであってもよい。
前記近赤外光照射装置は、近赤外光を被照射部位へ照射し、該被照射部位の所定深度からの反射光に基づいて、被照射部位の光断層画像を取得する光断層画像取得装置であってもよい。
本発明のプログラムは、コンピュータを、
前記近赤外光および該近赤外光を含まない白色光が照射された被観察部の反射光像を分光して撮像することにより取得された分光画像信号に対して、前記近赤外光の画像信号を推定するための推定マトリクスデータおよび前記近赤外光のスペクトルマトリクスデータを用いてマトリクス演算を行い、前記近赤外光の光強度の推定値からなるIR画像信号を生成するIR画像信号生成手段と、
前記分光画像信号および前記IR画像信号に基づいて、カラー画像信号を生成するカラー画像信号生成手段として機能させるものであることを特徴とするものである。
本発明による電子内視鏡装置においては、前記近赤外光の反射光強度を推定するための推定マトリクスデータを記憶し、該記憶部に記憶された推定マトリクスデータおよび、前記近赤外光のスペクトルデータを用いて前記分光画像信号に対してマトリクス演算を行い、前記近赤外光の反射光強度の推定値からなるIR画像信号を生成し、被観察部の分光画像信号および前記IR画像信号に基づいて、カラー画像信号を生成するため、エイミング光を備えていない近赤外光照射装置と組み合わせた場合であっても、表示されたカラー画像内に、近赤外光の照射部位を視認可能な状態で表示することができる。
前記推定マトリクスデータが、前記白色光または前記近赤外光を含む、複数の照射光パターンのスペクトルマトリクスデータと、前記撮像手段により、前記複数の照射光パターンを用いて取得された被観察部の分光信号からなる画素マトリクスデータとに基づいて、算出されたものであれば、予めあるいは光断層画像の取得直前に、容易に画素マトリクスデータを取得し、推定マトリクスデータを算出することができ、本電子内視鏡装置の利便性が向上する。
また、前記推定マトリクスデータが、前記白色光または前記近赤外光を含む、複数の照射光パターンのスペクトルマトリクスデータと、前記撮像手段の分光特性データと、被観察部の可視光領域および近赤外光領域における光反射特性データとに基づいて、算出されたものであれば、被観察部あるいは被観察部のサンプル等を用いることなく、計算のみによって、推定マトリクスデータを算出することができ、推定マトリクスデータを算出するために必要な時間や手間を減少することができる。
前記記憶部が、被観察部の種類に対応した複数の推定マトリクスデータを記憶しているものであり、前記IR画像信号生成手段が、前記複数の推定マトリクスデータ中から前記撮像手段により撮像された前記被観察部の推定マトリクスデータを用いて、前記IR画像信号を算出するものであれば、被観察部の種類に適した推定マトリクスデータを用いることができ、近赤外光をより明瞭に視認可能な状態で表示することができる。
前記撮像手段により撮像された分光画像信号が、R(赤)画像信号、G(緑)画像信号、B(青)画像信号からなるものであり、前記R(赤)画像信号、G(緑)画像信号、B(青)画像信号の内少なくとも1つの信号は、近赤外領域の信号を含むものであり、
前記カラー画像信号生成手段が、前記R(赤)画像信号に基づくRカラー画像信号と、前記G(緑)画像信号に基づくGカラー画像信号と、前記B(青)画像信号および前記IR画像信号に基づくBカラー画像信号とから、RGBカラー画像信号を生成するものであれば、近赤外光は青白く表示され、生体のカラー画像を表示する場合等には、容易に視認することができる。
本発明によるプログラムにおいては、コンピュータを、前記近赤外光および該近赤外光を含まない白色光が照射された被観察部の反射光像を分光して撮像することにより取得された分光画像信号に対して、前記近赤外光の画像信号を推定するための推定マトリクスデータおよび前記近赤外光のスペクトルマトリクスデータを用いてマトリクス演算を行い、前記近赤外光の光強度の推定値からなるIR画像信号を生成するIR画像信号生成手段と、
前記分光画像信号および前記IR画像信号に基づいて、カラー画像信号を生成するカラー画像信号生成手段として機能させることにより、例えば本プログラムを搭載した電子内視鏡に、エイミング光を備えていない近赤外光照射装置と組み合わせた場合であっても、表示されたカラー画像内に、近赤外光の照射部位を視認可能な状態で表示することができる。
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を用いて説明する。まず、本発明の実施形態である電子内視鏡装置について図1を参照して説明する。本電子内視鏡装置は、830nmの光を用いて光断層画像を取得するOCT装置(光断層画像取得装置)と組み合わせて使用されるものである。
電子内視鏡装置は、先端にCCD撮像素子74が配置され、被検者の体腔1内に挿入される挿入部50と、該挿入部50に接続されているCCD制御部10とからなる内視鏡本体部分と、この内視鏡本体部分が着脱自在に接続され、白色光源81およびプロセッサ部12が配置されているプロセッサ装置51と、該プロセッサ装置51に接続され、カラー画像を表示するモニタ52とを備えている。
挿入部50は、挿入部50内を貫通する鉗子チャンネル71と、内部に先端まで延びるCCDケーブル72とライトガイド73とを備えている。CCDケーブル72の先端には、モザイクフィルタ78がオンチップされたCCD撮像素子74が接続されている。ライトガイド73の先端部、すなわち挿入部50の先端部には、照明レンズ75が備えられている。また挿入部50の先端部には撮像レンズ76が備えられ、この撮像レンズ76の内側にはプリズム77が設けられている。なお、CCD撮像素子74は、少なくとも400nm〜850nmの波長帯域において感度を有している。
モザイクフィルタ78は、主に赤色の波長帯域の光を透過するRフィルタと、主に緑色の波長帯域の光を透過するGフィルタと、主に青色の波長帯域の光を透過するBフィルタとがモザイク状に配置されている。なお、図3に各フィルタの波長透過特性を記載する。なお、この図3に示すように、各フィルタは830nm近傍においても、多少の透過特性を有している。
ライトガイド73は、プロセッサ装置51内に配置された、被観察部画像撮像用の白色光L6を発する白色光源81に接続されている。白色光源81は、波長700nm以上の光はカットフィルタによりカットされた白色光を発する光源である。
CCDケーブル72は、挿入部50に接続されているCCD制御部10に接続されている。図2に示すように、CCD制御部10には、同期信号に基づいて駆動パルスを形成するCCD駆動回路16が接続されると共に、CCD撮像素子74が出力した画像(映像)信号をサンプリングして増幅するCDS/AGC(相関二重サンプリング/自動利得制御)回路17が接続されている。またCDS/AGC回路17には、そのアナログ出力をデジタル化するA/D変換器18が接続されている。さらにCCD制御部10には、そこに設けられた各種回路を制御するとともに、プロセッサ部12との間の通信制御を行うマイコン20が配置されている。
一方プロセッサ部12には、デジタル化された画像信号に対して各種の画像処理を施すDSP(デジタル信号プロセッサ)25が設けられている。このDSP25は、上記CCD撮像素子74の出力信号から輝度(Y)信号と色差(C)信号で構成されるY/C信号を生成し、それを出力する。なお、DSP25はCCD制御部10側に配置してもよい。DSP25には、該DSP25から出力されたY(輝度)/C(色差)信号をR、G、Bの3色画像信号に変換する第1色変換回路27が接続されている。この第1色変換回路27には切換器28が接続されている。切換器28は、画像表示モードとしてIR光表示画像モードが設定されている場合には、入力されたR、G、B画像信号を後述するIR画像信号生成回路29へ出力し、通常画像モードが設定されている場合には、後述するモードセレクタ30へ出力するものである。
IR画像信号生成回路29は、R、G、B画像信号に対して、マトリクス演算を行って、後述するOCT用の測定光L4の反射光L4’の強度を表すIR画像信号を算出し、該IR画像信号と、R、G、B画像信号とを、後段のモードセレクタ30へ出力する。
モードセレクタ30は、通常画像モードが選択された際には、第1色変換回路27から入力されたR、G、B画像信号をそのままカラー画像生成用のRs,Gs,Bs画像信号として出力し、IR光表示画像モードが選択された際には、RsおよびGs画像信号としては、IR画像信号生成回路29から入力されたRおよびG画像信号はそのまま出力し、Bs画像信号としては、IR画像信号生成回路29から入力されたB画像信号に、IR画像信号生成回路29から入力されたIR画像信号を重畳した画像信号を第2色変換回路31へ出力する。
第2色変換回路31では、入力されたRs,Gs,Bs信号をY/C信号に変換し信号処理回路32へ出力する。信号処理回路32では、鏡像処理,マスク発生、キャラクタ発生等のその他の各種信号処理を行い、該信号処理回路31から出力された信号は、D/A変換器33によりアナログ信号へ変換され、モニタ52へ出力される。
また上記プロセッサ部12内には、CCD制御部10との間の通信を行うと共に、該プロセッサ部12内の各回路を制御し、また照射光スペクトルデータを形成するためのマトリクスデータを上記IR画像信号生成回路29に入力する等の機能を有するマイコン35が設けられている。
マイコン35に接続されたメモリ36には、IR画像信号を生成するために必要なマトリクスデータが記憶されている。以下これらマトリクスデータの算出方法について説明する。
R、G、Bフィルタを有するCCD撮像素子で、被観察部を撮影した場合、画像の画素値(r,g,b)は、その画素位置に対応するCCD素子に入射する光強度や分光分布によって決定される。例えばRフィルタと対応するCCD素子において得られる応答νr、Gフィルタと対応するCCD素子のおいて得られる応答νgおよびBフィルタと対応するCCD素子において得られる応答νbは、下記の式(1)により表される。
Figure 2007268047
なお、上記式(1)において、tr(λ)は、Rフィルタの分光透過率、tg(λ)は、Gフィルタの分光透過率、tb(λ)は、Bフィルタの分光透過率、E(λ)は照明光のスペクトルデータ(分光放射輝度)、S(λ)は、レンズの分光透過率やCCDの分光感度などを合わせた総合的な分光積、O(λ)は被観察部の分光反射率である。なお、分光積は400nm〜850nmの領域以外では0であるとした。
以下、照明光スペクトルデータE(λ)が未知であり、他の値が既知であり、かつ変動しない値であるとみなせる場合に、E(λ)を求めるための推定マトリクスHを求める。まず、複数種類の、スペクトルデータが既知である照明光パターンを用いてカラー画像信号を取得し、該カラー画像信号の画素値により構成される画素マトリクスVを求める。
照明光パターンとしては、以下の5通りの光源のパターンを用いて、各パターン毎に(r,g,b)を求める。
光源パターン1(m=1) 通常画像の撮像に使用するキセノン白色光源単独
これをXe(λ)というスペクトルとする
光源パターン2(m=2) OCT用の測定光単独
これをOCT(λ)というスペクトルとする
光源パターン3(m=3) 上記2つの光源を合成した光源(合成比 a:b
・Xe(λ)+b・OCT(λ)
光源パターン4(m=4) 上記2つの光源を合成した光源(合成比 a:b
・Xe(λ)+b・OCT(λ)
光源パターン5(m=5) 上記2つの光源を合成した光源(合成比 a:b
・Xe(λ)+b・OCT(λ)
従って、推定照明光スペクトルデータEestは、推定マトリクスH、画素マトリクスVを用いて下記の式(2)のように表すことができる。
Figure 2007268047
一方照明光スペクトルデータEは下記の式(3)のように表すことができる。
Figure 2007268047
さらに、上記式(3)は、下記のように展開することができる。
Figure 2007268047
上記式(4)へ式(3)を代入することにより、下記の推定マトリクスHが求まる。
Figure 2007268047
例えば、光源のパターンとして、図4に示すような5つのパターンを用いる場合、照明光スペクトルデータEは、図5〜図7にしめすようなベクトルとなる。また、図8にこれらのパターンの光源を用いて取得した画素マトリクスVを示す。式(4)と、図5〜図7に示す照明光スペクトルデータEおよび図8に示す画素マトリクスVとから、図9〜図11に示す推定マトリクスHが求められる。
したがって、上記推定マトリクスHと、OCT用の測定光を、5nm間隔の光強度で表す行ベクトルWと、画像信号の画素値に基づいて、OCT用の測定光による照射部分を表示するための画像信号であるIR画像信号の画素値WHVpixel dataを次式により求めることができる。
Figure 2007268047
なお、OCT用の測定光として、例えば中心波長830nm、全半値幅30nmのガウシアン分布を有するSLD光を用いた場合には、行ベクトルWは例えば次式で表すことができる。
Figure 2007268047
また、例えばOCT用の測定光が830nmの単色光であれば、式(6)は次のように表わすことができる。
Figure 2007268047
メモリ36には、上記行ベクトルWと推定マトリクスHとが記憶されている。なお、推定マトリクスとしては、食道壁から画素マトリクスVを求めて算出した推定マトリクスH(食道)と、胃壁から画素マトリクスVを求めて算出した推定マトリクスH(胃)と、十二指腸から画素マトリクスVを求めて算出した推定マトリクスH(十二指腸)とが予め記憶されている。
式(6)に示す画素値の算出は、IR画像信号生成回路29により行われる。従って、使用者が入力した被観察部の種類に応じて、適宜対応する推定マトリクスHが、IR画像信号生成回路29へ出力される。また、同時にOCT用の測定光の行ベクトルWもIR画像信号生成回路29へ出力される。
なお、OCT用の測定光が複数種類存在する場合には、メモリ36には、各測定光ごとに行ベクトルWが記憶され、また推定マトリクスHも各測定光毎に記憶されていることが好ましい。この場合には、被観察部の種類および実際の測定に用いられる測定光の種類に応じて、適切な行ベクトルおよび推定マトリクスHがIR画像信号生成回路29へ出力される。
マイコン35には上記メモリ36に加えて、操作パネル41およびキーボード等からなる入力部43が接続されている。操作パネル41は、図2に示すように被観察部位を選択できるタッチパネル42a〜42cが設けられている。
また、OCT装置は、体腔1内の測定領域3の光断層画像を取得するOCT取得部53と、電子内視鏡の挿入部50に設けられた鉗子チャンネル71に挿入されるOCTプローブ54と、光断層画像取得動作を制御するOCT制御部55と光断層画像4を表示するモニタ56とを備えている。
OCT取得部53は、中心波長830nmで、コヒーレンス長が20μmである低コヒーレンス光L1を出射する光源部100 と、低コヒーレンス光L1の参照光L3および測定光L4への分割および合波を行うファイバ結合光学系120 と、参照光L3の光路上に配され、参照光L3の光路長を変化させる光路長変更部130 と、測定領域3の測定点で反射された測定光L4’と参照光L3との干渉光L5の光強度を検出するバランス差分検出部150 と、該バランス差分検出部150 で検出された干渉光L5の光強度から測定領域3の測定点で反射された測定光L4’の強度を求めるヘテロダイン検出を行い、光断層画像データを生成する信号処理部160 とを備えている。
OCT取得部53の光源部100 は、低コヒーレンス光L1を射出するSLD(Super Luminescent Diode) 101 と、該SLD101 から射出された低コヒーレンス光L1を集光するレンズ102 とを備えている。
ファイバ結合光学系120 は、光分割手段123と、オプティカルサーキュレータ123aと、オプティカルサーキュレータ124aと、合波手段124と、光ファイバFB1〜FB8とを有している。
光分割手段123は、たとえば2×2の光ファイバカプラからなっており、光源部100から光ファイバFB1を介して導光された低コヒーレンス光L1を測定光L4と参照光L3に分割するようになっている。光分割手段123は、2つの光ファイバFB2、FB3にそれぞれ光学的に接続されており、測定光L4は光ファイバFB2側に導光され、参照光L3は光ファイバFB3側に導光されるようになっている。
光ファイバFB2はオプティカルサーキュレータ123aを介してOCTプローブ54に光学的に接続されている。OCTプローブ54は、たとえば鉗子チャンネンルを介して体腔内に挿入されるものであって、光ファイバFB2により導光された測定光L4を測定領域近傍まで導光するものである。OCTプローブ54から測定領域3に向かって射出された測定光L4は、測定領域3において反射され測定光L4’となってオプティカルサーキュレータ123aを介し光ファイバFB6に入射されるようになっている。
一方、光ファイバFB3はオプティカルサーキュレータ124aおよび光ファイバFB4を介して光路長調整手段130に光学的に接続されている。光路長調整手段130は、測定領域3内の測定位置を深さ方向に変化させるために、参照光L3の光路長を変える機能を有する。そして、光路長調整手段130により光路長の変更がなされた参照光L3が光ファイバFB4、オプティカルサーキュレータ124a、および光ファイバFB5を介して合波手段124へ導光されるようになっている。なお、光ファイバFB4には、参照光L3に僅かな周波数シフトを生じさせるピエゾ素子125が設けられている。
合波手段124は、2×2の光ファイバカプラからなり、光路長調整手段130により光路長変更がなされ、ピエゾ素子125により周波数がシフトされた参照光L3と測定領域3で反射した測定光L4’とを合波しその干渉光L5を光ファイバFB7およびFB8を介してバランス差分検出部150側に射出するものである。
光路長変更部130 は、プリズム132 と、光ファイバFB4 から射出された参照光L3を平行光に変換してプリズム132 へ入射させ、またプリズム132 で反射された参照光L3をFB4 へ入射させるレンズ131 と、プリズム132 を図1における水平方向への移動させることにより参照光L3の光路長を変化させるプリズム移動部133 とを備えている。プリズム移動部133 は、OCT制御部55の制御により動作するものである。
バランス差分検出部150 は、干渉光L5の光強度を測定する光検出器151 および152 と、光検出器151 の検出値と光検出器152 の検出値の入力バランスを調整し、ノイズ成分やドリフト成分を相殺した上で、差分を増幅する差動増幅器153 とを備えている。
OCTプローブ54は、挿入部50の鉗子チャンネル71に挿入可能な被覆管173 と該被覆管173 の中を挿通し、該被覆管173に対して回転可能な回転シース174と、該回転シース174の中を挿通するファイバ172 と、回転シース174へ固定された集光レンズ系175 と、集光レンズ系175 のさらに先端部、回転シース174の先端部に設けられた測定光L4および測定光L4’を直角に反射するプリズム176 とを備えている。なお、被覆管173 および回転シース174の先端部は、測定光L4に対して透明である。また、また被覆管173 および回転シース174の根本部分には、回転シース174を回転させるセンターレスモータ184 および被覆管173 をスライドさせるプローブ移動部185 が取り付けられている。
OCT制御部55は、OCT取得部53の各部位に接続され、適宜各部位の動作タイミングを制御するものである。また、センターレスモータ184 およびプローブ移動部185の動作を制御して、測定光L4の照射位置および測定光L4の照射方向の回転を制御するものである。
次に本発明の第1の具体的な実施の形態である電子内視鏡装置の動作について説明する。観察者は電子内視鏡装置の挿入部50を被験者の体腔内に挿入し、被観察部画像2をモニタ52に表示する。なお、通常の場合、すなわち光断層画像を取得しない場合には、通常画像モードが設定されている。まず、プロセッサ装置51の白色光源81から出力される白色光L6は、レンズ82 によってライトガイド73 に入射され、挿入部50 の先端まで導光された後、照明レンズ75 から体腔1内へ照射される。白色光L6の反射光L7は撮像レンズ76 によって集光され、プリズム77 に反射して、モザイクフィルタ78により各色成分へ分離されて、CCD撮像素子74上に結像する。CCD撮像素子74で光電変換された画像信号は、CCD制御部10のCDS/AGC(相関二重サンプリング/自動利得制御)回路17においてサンプリングおよび増幅され、さらにA/D変換器18によりデジタル化されて、プロセッサ部12へ出力される。
プロセッサ部12では、DSP(デジタル信号プロセッサ)25において、画像信号に対して各種の画像処理を施され、輝度(Y)信号と色差(C)信号で構成されるY/C信号へ変換されて、第1色変換回路27へ出力される。第1色変換回路27では、該DSP25から出力されたY(輝度)/C(色差)信号をR、G、Bの3色画像信号に変換し、切換器28へ出力する。通常画像モードが設定されているため、切換器28は、R、G、B画像信号をモードセレクタ30へ出力する。モードセレクタ30は、切換器28から入力されたR、G、B画像信号をそのままRs,Gs,Bs画像信号として、第2色変換回路31へ出力する。第2色変換回路31では、入力されたRs,Gs,Bs信号をY/C信号に変換し信号処理回路32へ出力する。信号処理回路32では、鏡像処理,マスク発生、キャラクタ発生等のその他の各種信号処理を行い、該信号処理回路31から出力された信号は、D/A変換器33によりアナログ信号へ変換され、モニタ52へ出力される。
使用者は、予め、OCTプローブ54を挿入部50の鉗子チャンネル71へ挿入しておき、モニタ52 に表示された被観察部画像2を観察しながら、挿入部50の先端を移動させる。光断層画像を取得する部位の近傍に達したところで、画像表示モードをIR光表示画像モードへ切り替え、OCT装置の光源部100 から低コヒーレンス光L1を射出させる。なお、低コヒーレンス光L1が射出された場合には、自動的にIR光表示画像モードに切り替わるように構成されていてもよい。また、使用者は操作パネル41のタッチパネル42a〜42cの中の一つを押圧して、被観察部の種類、例えば食道壁、胃壁、または十二指腸壁の中から所望の被観察部の種類を設定する。マイコン35は、選択された被観察部の種類に対応した推定マトリクスHおよびOCT用の測定光の行ベクトルWをIR画像信号生成回路29へ出力する。
低コヒーレンス光L1は、レンズ102 により集光され光ファイバFB1 に導入される。さらに、低コヒーレンス光L1は、光ファイバFB1内を導光され、光分割手段123 において、参照光L3と測定光L4とに分割される。測定光L4は、光ファイバFB2およびオプティカルサーキュレータ123aを介して導光され、レンズ171 により、ファイバ172 に導入される。ファイバ172 から射出した測定光L4は、レンズ175 により集光され、プリズム176 で反射されて、体腔1内にスポット光として照射される。なお、測定光L4の波長は、上述のように830nm近傍であるため、肉眼では測定光L4の照射部位を視認することはできない。
IR光表示画像モードでは、第1色変換回路27から出力されたR、G、B画像信号は、切換器28を介して、IR画像信号生成回路29へ入力する。IR画像信号生成回路29は、R、G、B画像信号の各画素値(rpixel data、gpixel data、bpixel data)に対して、上述した式(6)と、推定マトリクスHおよびOCT用の測定光の行ベクトルWとに基づいて、OCT用の測定光による照射部分を表示するための画像信号であるIR画像信号用の各画素値WHVpixel dataを算出する。また、これらの画素値WHVpixel dataから成るIR画像信号と、R、G、B画像信号とを、後段のモードセレクタ30へ出力する。
IR光表示画像モードが設定されているため、モードセレクタ30は、RsおよびGs画像信号としては、IR画像信号生成回路29から入力されたRおよびG画像信号はそのまま出力し、Bs画像信号としては、IR画像信号生成回路29から入力されたB画像信号に、IR画像信号生成回路29から入力されたIR画像信号を重畳した画像信号を第2色変換回路31へ出力する。
第2色変換回路31では、入力されたRs,Gs,Bs信号をY/C信号に変換し信号処理回路32へ出力する。信号処理回路32では、鏡像処理,マスク発生、キャラクタ発生等のその他の各種信号処理を行い、該信号処理回路32から出力された信号は、D/A変換器33によりアナログ信号へ変換され、モニタ52へ出力される。
モニタ52に表示されたカラー画像2内に、測定光L4の照射部位が青色に表示されるため、観察者は測定光L4の照射部位を視認することができる。
次に、光断層画像4を取得する際の動作について説明する。光断層画像取得の際には、観察者は、モニタ52 に表示された被観察部のカラー画像2を観察しながら、光断層画像を取得する部位を決定する。
説明を簡単にするために、最初に測定光L4が照射された測定領域内の所定部位(以下被照射部位と記載)の測定点における光断層情報の測定方法について説明し、その後で上記光断層画像の取得方法について説明する。低コヒーレンス光L1がSLD101 から射出された低コヒーレント光L1は、光分割手段123により、光ファイバFB3 内を光路長変更部130 の方向へ進行する参照光L3と、光ファイバFB2内をOCTプローブ54の方向へ進行する測定光L4とに分割される。参照光L3は光ファイバFB4上に設けられたピエゾ素子125により変調され、参照光L3と測定光L4には、僅かな周波数差△fが生じる。
測定光L4は光ファイバFB2から、オプティカルサーキュレータ123aを介してOCTプローブ54のファイバ172 内へ導光される。ファイバ172 から射出された測定光L4は、レンズ系175 およびプリズム176 を経て体腔1内の被照射部位へ照射される。被照射部位へ照射された測定光L4のうち被照射部位の表面および内部で反射された測定光L4’は、プリズム176 、レンズ系175 、ファイバ172 およびレンズ171 を経て、オプティカルサーキュレータ123aに帰還せしめられる。オプティカルサーキュレータ123a に帰還せしめられた測定光L4’は、合波手段4 において、後述する光ファイバFB4 に帰還せしめられた参照光L3と合波される。
一方、ピエゾ素子125 で変調された後の参照光L3は、光ファイバFB4 を通過し光路長変更部130 のレンズ131 を介して、プリズム132 に入射し、このプリズム132 で反射され再度レンズ131 を透過して、光ファイバFB4 に帰還せしめられる。光ファイバFB4 に帰還せしめられた参照光L3は合波手段124で、上述した測定光L4’と合波される。
合波手段124で合波された測定光L4’および参照光L3は、再び同軸上に重なることになり所定の条件の時に測定光L4’と参照光L3が干渉し、干渉光L5となり、ビート信号を発生する。
参照光L3および測定光L4’は、可干渉距離の短い低コヒーレンス光L1であるため、低コヒーレンス光L1が測定光L4と参照光L3に分割されたのち、測定光L4(L4’) が合波手段124に到達するまでの光路長が、参照光L3が合波手段124 に到達するまでの光路長に等しい場合、すなわち測定光L4’が測定点で反射されたものである場合、に両光が干渉し、この干渉する両光の周波数差(△f)で強弱を繰り返すビート信号が発生する。なお、OCT制御部55は、予め所望の測定点で反射した測定光L4(L4’)の光路長と参照光L3の光路長とが等しくなるように、光路長変更部130 のプリズム移動部133 を制御している。
干渉光L5は、合波手段124 で分割され、一方は、FB7 を経てバランス差分検出部150 の光検出器151 に入力され、他方はFB8 を経て光検出器152 に入力される。
光検出器151 および152 では、干渉光L5から上記ビート信号の光強度を検出し、差動増幅器153 で、光検出器151 の検出値と光検出器152 の検出値の差分を求め、信号処理部160 へ出力する。なお、差動増幅器153 は、その入力値の直流成分のバランスを調整する機能を備えているため、たとえ光源部100 から出射された低コヒーレンス光L1にドリフトが生じている場合でも、直流成分のバランスを調整した上で差分を増幅することにより、ドリフト成分は相殺され、ビート信号成分のみが検出される。
上記の動作により、体腔1内の被照射領域の所定深度における断層情報が取得される。このような動作を、測定光L4の照射方向を回転させながら、光軸方向と略垂直な方向の測定点の位置が略5μm移動する毎にビート信号成分の検出を繰り返すことにより、測定光L4の照射方向の回転中心、すなわちプリズム176 の中心から等距離にある測定領域3の測定点の情報を5μm間隔で取得することができる。
OCT制御部55は、センターレスモータ184を制御してプリズム176を回転させ、測定光L4の照射方向を1回転させた後、光路長変更部130 のプリズム移動部133 を制御して、参照光L3の光路長を5μm長くする。この状態で測定光L4の照射方向を回転させながら、再度5μm間隔で測定点の情報を取得することにより、最初に測定した測定点A’より5μm外側の測定点の情報を取得する。同様に、5μm間隔で400回転の測定点の情報を取得すれば、測定領域3に沿った2mm幅のリング状の領域内の測定点の情報を取得することができる。
信号処理部160 では、バランス差分検出部150 で検出された干渉光L5の光強度から各測定点の所定の面で反射された測定光L4’の強度を求めるヘテロダイン検出を行い、光断層画像に変換し、モニタ56に出力する。
モニタ56には、図1に示すような、体腔1を輪切り状態にした2mm幅のリング状の光断層画像4が表示される。
以上の説明で明らかなように、光断層画像取得装置がエイミング光を備えていない場合であっても、カラー画像2内に、測定光L4の照射部位が青色に表示されるので、観察者は測定光L4の照射部位を視認することができる。
なお、本実施の形態では、モザイクフィルタを用いた電子内視鏡について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は、CCDの前面へ、3枚のフィルタが回転して順次配置される面順次方式の電子内視鏡にも適用可能である。
本実施の形態においては、予め画素マトリクスVを実測により取得して、該画素マトリクスVに基づいて推定マトリクスHを求め、該推定マトリクスHを予めメモリ36に記憶させているが、被観察部の光反射率、各フィルタの波長透過特性、レンズの分光透過率やCCDの分光感度などを合わせた総合的な分光積が既知であれば、上述した式(1)から、画素マトリクスVを算出し、該画素マトリクスVに基づいて推定マトリクスHを求めて、この推定マトリクスをメモリ36へ予め記憶させてもよい。
あるいは、光断層画像を取得する前に、光源パターン1〜5で、順次照明光を被観察部へ照射し、画素マトリクスVを取得し、該画素マトリクスVに基づいて推定マトリクスHを算出して、この推定マトリクスHを用いてもよい。なお、画素マトリクスVにおける各値は、例えば全てのRフィルタで取得した信号値の平均値、全てのGフィルタで取得した信号値の平均値、および全てのBフィルタで取得した信号値の平均値等を用いることができる。
また本実施の形態においては、カラーフィルタとしてRGBフィルタを用いたが、補色カラーフィルタを用いてもよい。
さらに本実施の形態においては、B画像信号にIR画像信号を加算してBs画像信号を作成して、RGBカラー画像信号を生成したが、これに限定されるものではなく、B画像信号およびR画像信号は、そのままBs画像信号およびRs画像信号として使用し、G画像信号にIR画像信号を加算してGs画像信号を作成して、RGBカラー画像信号を生成してもよい。
本発明による第1の実施の形態である電子内視鏡装置の概略構成図 CCD制御部およびプロセッサ部の概略構成図 モザイクフィルタの透過波長帯域の説明図 光源パターンのスペクトルの説明図 照射光スペクトルデータの説明図 照射光スペクトルデータの説明図 照射光スペクトルデータの説明図 画素マトリクスの説明図 推定マトリクスの説明図 推定マトリクスの説明図 推定マトリクスの説明図
符号の説明
1 体腔
2 カラー画像
3 測定領域
4 光断層画像
10 CCD制御部
12 プロセッサ部
20,35 マイコン
25 DSP
28 切換器
29 IR画像信号生成回路
30 モードセレクタ
51 プロセッサ装置
52,56 モニタ
53 OCT取得部
54 OCTプローブ
55 OCT制御部
71 鉗子チャンネル
72 CCDケーブル
74 CCD撮像素子
81 白色光源
100 低コヒーレンス光源部
120 ファイバ結合光学系
123 光分割手段
123a、124a オプティカルサーキュレータ
124 合波手段
130 光路長変更部
150 バランス差分検出部
160 信号処理部
172 ファイバ
173 被覆管
174 回転シース
175 集光レンズ系
176 プリズム
FB1〜FB8 光ファイバ
L1 低コヒーレンス光
L3 参照光
L4 測定光
L5 干渉光
L6 照明光
L7 反射光

Claims (7)

  1. 近赤外光を被照射部位へ照射する近赤外光照射装置と組み合わせて使用する電子内視鏡装置において、
    前記被照射部位を含む被観察部へ前記近赤外光を含まない白色光を照射する照明手段と、
    前記近赤外光および前記白色光が照射された前記被観察部の反射光像を分光して撮像し、分光画像信号として出力する撮像手段と、
    前記近赤外光の反射光強度を推定するための推定マトリクスデータを記憶する記憶部と、
    該記憶部に記憶された推定マトリクスデータおよび、前記近赤外光のスペクトルマトリクスデータを用いて前記分光画像信号に対してマトリクス演算を行い、前記近赤外光の反射光強度の推定値からなるIR画像信号を生成するIR画像信号生成手段と、
    前記分光画像信号および前記IR画像信号に基づいて、カラー画像信号を生成するカラー画像信号生成手段とを有することを特長とする電子内視鏡装置。
  2. 前記推定マトリクスデータが、前記白色光または前記近赤外光を含む、複数の照射光パターンのスペクトルマトリクスデータと、前記撮像手段により、前記複数の照射光パターンを用いて取得された被観察部の分光信号からなる画素マトリクスデータとに基づいて、算出されたものであることを特徴とする請求項1記載の電子内視鏡装置。
  3. 前記推定マトリクスデータが、前記白色光または前記近赤外光を含む、複数の照射光パターンのスペクトルマトリクスデータと、前記撮像手段の分光特性データと、被観察部の可視光領域および近赤外光領域における光反射特性データとに基づいて、算出されたものであることを特徴とする請求項1記載の電子内視鏡装置。
  4. 前記記憶部が、被観察部の種類に対応した複数の推定マトリクスデータを記憶しているものであり、
    前記IR画像信号生成手段は、前記複数の推定マトリクスデータ中から前記撮像手段により撮像された前記被観察部の推定マトリクスデータを用いて、前記IR画像信号を算出するものであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の電子内視鏡装置。
  5. 前記撮像手段により撮像された分光画像信号が、R(赤)画像信号、G(緑)画像信号、B(青)画像信号からなるものであり、前記R(赤)画像信号、G(緑)画像信号、B(青)画像信号の内少なくとも1つの信号は、近赤外領域の信号を含むものであり、
    前記カラー画像信号生成手段が、前記R(赤)画像信号に基づくRカラー画像信号と、前記G(緑)画像信号に基づくGカラー画像信号と、前記B(青)画像信号および前記IR画像信号に基づくBカラー画像信号とから、RGBカラー画像信号を生成するものであることを特徴とする請求項1から4いずれか1項載の電子内視鏡装置。
  6. 前記近赤外光照射装置が、近赤外光を被照射部位へ照射し、該被照射部位の所定深度からの反射光に基づいて、被照射部位の光断層画像を取得する光断層画像取得装置である事を特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の電子内視鏡装置。
  7. コンピュータを、
    近赤外光および該近赤外光を含まない白色光が照射された被観察部の反射光像を分光して撮像することにより取得された分光画像信号に対して、前記近赤外光の画像信号を推定するための推定マトリクスデータおよび前記近赤外光のスペクトルマトリクスデータを用いてマトリクス演算を行い、前記近赤外光の光強度の推定値からなるIR画像信号を生成するIR画像信号生成手段と、
    前記分光画像信号および前記IR画像信号に基づいて、カラー画像信号を生成するカラー画像信号生成手段として機能させるプログラム。
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