JP2004008230A - 蛍光診断情報生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】励起光が照射された被測定部から発せられた蛍光に基づいて被測定部の組織性状を識別する際に、粘液や残渣等の妨害因子が付着している非清浄組織と、清浄組織とを判別し、組織性状の識別精度を向上する。
【解決手段】第1蛍光診断モードでは、410nmの励起光Leが照射された観察部1から発せられた蛍光から430nm〜730nmの波長帯域の蛍光像をCCD撮像素子306により撮像し、この蛍光像の光強度に基づいた黒白画像である第1蛍光診断画像80をモニタ5上に表示し、第2蛍光診断モードでは、励起光Leが照射された観察部1から発せられた蛍光から430nm〜650nmの波長帯域の蛍光像を撮像し、この蛍光像の光強度に基づいた黒白画像である第2蛍光診断画像81をモニタ5上に表示する。観察者は、両画像間の輝度を比較することにより、輝度が変化する非清浄組織と、輝度が変化しない清浄組織とを識別する。
【選択図】     図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、励起光の照射により被測定部から発せられる蛍光に基づいた蛍光診断情報を生成して出力する蛍光診断情報生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、所定の波長帯域の励起光を生体等の被測定部に照射して、この被測定部から発せられる蛍光に基づいて、被測定部の組織性状を反映する蛍光診断画像等の蛍光診断情報を出力する蛍光診断情報生成装置が提案されている。このような蛍光診断情報生成装置には、蛍光診断薬を予め吸収した生体組織から発せられる薬剤蛍光に基づいて蛍光診断情報を出力する装置と、蛍光診断薬を使用せず、生体組織から発せられる自家蛍光に基づいた蛍光診断情報を出力する装置とがある。この種の蛍光診断情報生成装置は多くの場合、体腔内部に挿入される内視鏡や、コルポスコープあるいは手術用顕微鏡等に組み込まれた形に構成される。
【0003】
蛍光診断情報生成装置としては、例えば、励起光を照射された生体組織から発せられる蛍光の蛍光強度に基づいた蛍光診断画像を出力する装置がある。図13に示すように、病変組織から発せられる蛍光強度は、正常組織から発せられる蛍光強度に比べ小さいため、観察者は、蛍光の蛍光強度に基づいた蛍光診断画像を観察することにより、正常組織と病変組織とを識別することができる。
【0004】
一方、内視鏡装置等に本発明の蛍光診断情報生成装置が組み込まれた場合等には、生体部位の凹凸の影響を受け、励起光光源から被測定部までの距離が均一ではない場合が多く、このような場合には、生体の被測定部における励起光照度が不均一となる。通常正常組織から発せられる蛍光強度は励起光照度にほぼ比例し、励起光照度は距離の2乗に反比例して低下する。そのため、光源から遠くにある正常組織からよりも近くにある病変組織からの方が強い蛍光を受光する場合があり、蛍光強度のみに基づいた判定を行うと、組織性状の判定を誤るケースもある。
【0005】
このような誤判定を防ぐために、生体組織の部位が受光した励起光の光強度と、この励起光の受光により被測定部から発せられた蛍光の光強度との比率に基づいた演算値、すなわち励起光を照射する距離や角度によって影響を受けない値である蛍光収率に基づいた蛍光診断情報を出力する蛍光診断情報生成装置が提案されている。
【0006】
しかし、上記蛍光収率を反映した値を求める際に、紫外〜可視域の励起光は生体の種々の物質によって異なる吸収を受けるため、反射された励起光の強度分布を測定しても生体組織が受光した励起光の強度分布を正しく測定したことにはならない
そこで、蛍光収率を反映する演算値を求める1つの方策として、紫外〜可視域に比べて、一様な吸収を受ける近赤外光を参照光として生体組織に照射し、反射された近赤外光の光強度を励起光の光強度の代わりとして用いて、蛍光強度を反射された近赤外光の光強度により除算した蛍光収率演算値を求め、この蛍光収率演算値に基づいて、組織性状を判定する装置が提案されている。すなわち、上記蛍光収率演算値を求めることにより、励起光光源および蛍光受光部と被測定部との距離に依存する蛍光強度の項はキャンセルされ、蛍光収率の違いのみが反映された演算値に基づいて判定を行うことができる。
【0007】
一方、図13に示すように、正常組織から発せられた蛍光のスペクトル形状と、病変組織から発せられる蛍光のスペクトル形状が異なることを利用した蛍光診断情報生成装置の開発も進められている。例えば特開平6−54792号公報では、蛍光の緑色波長帯域の光強度と赤色波長帯域の光強度の比である蛍光強度比に基づいて蛍光診断情報を出力する装置が提案されている。
【0008】
さらに、特開平10−225436号公報では、被測定部から取得した狭波長帯域の光強度を広波長帯域の光強度で規格化した規格化蛍光演算値を反映した蛍光診断情報を出力する装置を本出願人が提案している。本公報においては、波長帯域480nm近傍の狭波長帯域の蛍光画像と、430nm近傍から730nm近傍までの広波長帯域の蛍光画像とを撮像し、狭波長帯域の蛍光画像の画素値を広波長帯域の蛍光画像の画素値により除算した規格化蛍光演算値を求め、この規格化蛍光演算値に基づいた疑似カラー画像、例えば規格化蛍光演算値が大きい方から小さい方へ順次緑色から赤色へ色が変化する疑似カラー画像を、蛍光診断画像として出力している。すなわち上記規格化蛍光演算値を求めることにより励起光光源および蛍光受光部と被測定部との距離に依存する蛍光強度の項はキャンセルされ、蛍光スペクトルの形状の違いのみが反映された演算値に基づいた蛍光診断情報を出力することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一方、生体組織には、蛍光を発する血液、粘液、消化液、唾液、泡、残渣等の妨害因子が付着している場合があり、これらの妨害因子が付着している生体組織(以下非清浄組織と記載)に励起光が照射されると、これらの妨害因子からも蛍光が発せられる。このような非清浄組織から発せられる蛍光の中には、その蛍光強度が、上記妨害因子の付着していない清浄な病変組織から発せられる蛍光の蛍光強度とあまり差がなく、蛍光強度に基づいて生成された蛍光診断情報では、被測定部が非清浄組織であるかあるいは清浄な病変組織であるかが紛らわしい場合がある。
【0010】
また、非清浄組織から発せられる蛍光の中には、この蛍光の光強度から取得した規格化蛍光演算値または蛍光収率演算値が、清浄な病変組織から発せられる蛍光の光強度から取得した規格化蛍光演算値または蛍光収率演算値とあまり差がなく、規格化蛍光演算値または蛍光収率演算値に基づいて生成された蛍光診断情報では、被測定部が非清浄組織であるか、あるいは清浄な病変組織であるかが紛らわしい場合がある。
【0011】
以下、規格化蛍光演算値に基づいた蛍光診断画像を生成して表示する場合を例として、詳細を説明する。図1は、410nmの励起光を生体組織に照射した場合に発せられる蛍光のスペクトル形状の一例である。この図1には、清浄な正常組織から取得した蛍光強度スペクトル(点線)と、清浄な病変組織から取得した蛍光強度スペクトル(一点破線)と、非清浄組織から取得した蛍光強度スペクトル(実線)とが、その積分値が1となるように規格化された規格化蛍光強度スペクトルとして示されている。
【0012】
波長帯域480nm近傍の狭波長帯域の蛍光画像と、430nm近傍から730nm近傍までの広波長帯域の蛍光画像とを撮像し、狭波長帯域の蛍光画像の画素値を広波長帯域の蛍光画像の画素値により除算した規格化蛍光演算値を求め、この規格化蛍光演算値が大きい方から小さい方へ順次緑色から赤色へ色が変化する疑似カラー画像を蛍光診断画像として出力する。このような場合には、正常組織から発せられた蛍光から取得された規格化蛍光演算値は緑色に、病変組織から発せられた蛍光から取得された規格化蛍光演算値は赤色に表示されるように疑似カラーを割り当てる事が多い。通常、病変組織から発せられた蛍光から取得された規格化蛍光演算値の値以下の規格化蛍光演算値には全て赤色が割り当てられる。非清浄組織から発せられた蛍光から取得した規格化蛍光演算値は、病変組織から発せられた蛍光から取得された規格化蛍光演算値と近い値、あるいは病変組織から発せられた蛍光から取得された規格化蛍光演算値より小さい値である場合が多いため、非清浄組織から発せられた蛍光から取得した規格化蛍光演算値にも赤色が割り当てられる。このため、病変組織から発せられた蛍光から取得された規格化蛍光演算値にも、非清浄組織から発せられた蛍光から取得した規格化蛍光演算値にも、共に赤色が割り当てられる。このような蛍光診断画像に基づいて観察者が正常組織と病変組織との識別を行うと、観察者が病変組織であると認識した被測定部が、清浄な病変組織ではなく、非清浄組織である場合があるという問題がある。
【0013】
また、上述したように非清浄組織には、清浄な病変組織と同様に、微弱な蛍光を発するものが多く、蛍光強度や蛍光収率演算値に基づいて蛍光診断画像を作成した場合等にも、観察者が病変組織であると認識した被測定部が、清浄な病変組織ではなく、非清浄組織である場合がある。
【0014】
本発明は上記のような問題を鑑みて、妨害因子が付着している非清浄組織を識別可能な蛍光診断情報を生成して出力する蛍光診断情報生成装置を提供することを目的とするものである
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の蛍光診断情報生成装置は、励起光を被測定部へ照射する励起光照射手段と、
前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から第1の波長帯域の蛍光の強度を検出する第1の蛍光強度検出手段と、
前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、前記第1の波長帯域に含まれる波長帯域で、かつ前記第1の波長帯域より狭い第2の波長帯域の蛍光の強度を検出する第2の蛍光強度検出手段と、
前記第1の波長帯域の蛍光の強度に基づいた第1の蛍光診断情報と、前記第2の波長帯域の蛍光の強度に基づいた第2の蛍光診断情報とを生成して出力する診断情報生成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
本発明による第2の蛍光診断情報生成装置は、励起光を被測定部へ照射する励起光照射手段と、
前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から第1の波長帯域の蛍光の強度を検出する第1の蛍光強度検出手段と、
前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、前記第1の波長帯域に含まれる波長帯域で、かつ前記第1の波長帯域より狭い第2の波長帯域の蛍光の強度を検出する第2の蛍光強度検出手段と、
前記第1の波長帯域の蛍光の強度と前記第2の波長帯域の蛍光の強度との差に基づいた差分蛍光診断情報を生成して出力する診断情報生成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0017】
なお、「前記第1の波長帯域の蛍光の強度と前記第2の波長帯域の蛍光の強度との差」とは、蛍光の強度そのものの差でもよいし、「前記第1の波長帯域の蛍光の強度」に関連するファクタと、「前記第2の波長帯域の蛍光の強度」に関連するファクタとの差であってもよい。また、第1の波長帯域と第2波長帯域の差の強度であってもよい。
【0018】
本発明による第3の蛍光診断情報生成装置は、励起光を被測定部へ照射する励起光照射手段と、
参照光を前記被測定部へ照射する参照光照射手段と、
前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、第1の波長帯域の蛍光の強度を検出する第1の蛍光強度検出手段と、
前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、前記第1の波長帯域に含まれる波長帯域で、かつ前記第1の波長帯域より狭い第2の波長帯域の蛍光の強度を検出する第2の蛍光強度検出手段と、
前記参照光の照射により前記被測定部から反射された反射光の強度を検出する反射光強度検出手段と、
前記第1の波長帯域の蛍光の強度を、前記反射光の強度で除算して第1の蛍光収率演算値を算出する第1の蛍光演算値算出手段と、
前記第2の波長帯域の蛍光の強度を、前記反射光の強度で除算して第2の蛍光収率演算値を算出する第2の蛍光演算値算出手段と、
前記第1の蛍光収率演算値に基づいた第1の蛍光診断情報と、前記第2の蛍光収率演算値に基づいた第2の蛍光診断情報とを生成して出力する診断情報生成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0019】
本発明による第4の蛍光診断情報生成装置は、励起光を被測定部へ照射する励起光照射手段と、
参照光を前記被測定部へ照射する参照光照射手段と、
前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、第1の波長帯域の蛍光の強度を検出する第1の蛍光強度検出手段と、
前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、前記第1の波長帯域に含まれる波長帯域で、かつ前記第1の波長帯域より狭い第2の波長帯域の蛍光の強度を検出する第2の蛍光強度検出手段と、
前記参照光の照射により前記被測定部から反射された反射光の強度を検出する反射光強度検出手段と、
前記第1の波長帯域の蛍光の強度を、前記反射光の強度で除算して第1の蛍光収率演算値を算出する第1の蛍光演算値算出手段と、
前記第2の波長帯域の蛍光の強度を、前記反射光の強度で除算して第2の蛍光収率演算値を算出する第2の蛍光演算値算出手段と、
前記第1の蛍光収率演算値と前記第2の蛍光収率演算値の差に基づいた差分蛍光診断情報を生成して出力する診断情報生成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0020】
なお、「前記第1の蛍光収率演算値と前記第2の蛍光収率演算値との差」とは、蛍光収率演算値そのものの差でもよいし、「前記第1の蛍光収率演算値」に関連するファクタと、「前記第2の蛍光収率演算値」に関連するファクタとの差であってもよい。
【0021】
本発明による第5の蛍光診断情報生成装置は、励起光を被測定部へ照射する励起光照射手段と、
前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、第1の波長帯域の蛍光の強度を検出する第1の蛍光強度検出手段と、
前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、前記第1の波長帯域に含まれる波長帯域で、かつ前記第1の波長帯域より狭い第2の波長帯域の蛍光の強度を検出する第2の蛍光強度検出手段と、
前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、前記第2の波長帯域より狭い第3の波長帯域の蛍光の強度を検出する第3の蛍光強度検出手段と、
前記第3の波長帯域の蛍光の強度を、前記第1の波長帯域の蛍光の強度で除算して第1の規格化蛍光演算値を算出する第1の蛍光演算値算出手段と、
前記第3の波長帯域の蛍光の強度を、前記第2の波長帯域の蛍光の強度で除算して第2の規格化蛍光演算値を算出する第2の蛍光演算値算出手段と、
前記第1の規格化蛍光演算値に基づいた第1の蛍光診断情報と、前記第2の規格化蛍光演算値に基づいた第2の蛍光診断情報とを生成して出力する診断情報生成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0022】
本発明による第6の蛍光診断情報生成装置は、励起光を被測定部へ照射する励起光照射手段と、
前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、第1の波長帯域の蛍光の強度を検出する第1の蛍光強度検出手段と、
前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、前記第1の波長帯域に含まれる波長帯域で、かつ前記第1の波長帯域より狭い第2の波長帯域の蛍光の強度を検出する第2の蛍光強度検出手段と、
前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、前記第2の波長帯域より狭い第3の波長帯域の蛍光の強度を検出する第3の蛍光強度検出手段と、
前記第3の波長帯域の蛍光の強度を、前記第1の波長帯域の蛍光の強度で除算して第1の規格化蛍光演算値を算出する第1の蛍光演算値算出手段と、
前記第3の波長帯域の蛍光の強度を、前記第2の波長帯域の蛍光の強度で除算して第2の規格化蛍光演算値を算出する第2の蛍光演算値算出手段と、
前記第1の規格化蛍光演算値と前記第2の規格化蛍光演算値との差に基づいた差分蛍光診断情報を生成して出力する診断情報生成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0023】
なお、「前記第1の規格化蛍光演算値と前記第2の規格化蛍光演算値との差」とは、規格化蛍光演算値そのものの差でもよいし、「前記第1の規格化蛍光演算値」に関連するファクタと、「前記第2の規格化蛍光演算値」に関連するファクタとの差であってもよい。
【0024】
前記励起光の波長が410nm近傍であれば、第1の波長帯域は少なくとも500nm〜700nmを含む波長帯域であることが好ましく、第2の波長帯域は、少なくとも500nm〜630nmを含み、最長波長が630nm以下であることがこのましい。なお、励起光の波長帯域である410nm近傍の波長帯域を含む場合には、励起光の反射光の影響を除去するために、410nm近傍の波長は除外することが必要である。さらに、第1の波長帯域が430nm〜730nmであり、また前記第2の波長帯域が430nm〜650nmであってもよい。なお、励起光の波長は、400nm〜420nmの範囲内であることが望ましい。
【0025】
前記各蛍光診断情報生成装置の一部または全部が、生体内部に挿入される内視鏡装置の形態であってもよい。なお、上記励起光の光源として、Ga−N系半導体レーザが用いられるものであってもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明者は、妨害因子が付着している非清浄組織から発せられる蛍光のスペクトルに関して詳細な解析を行った。その結果、図1に示すように、清浄な正常組織から発せられる蛍光のスペクトルは、480nmの波長帯域に光強度の最大ピークを有し、清浄な病変組織から発せられる蛍光のスペクトルは630nmに最大ピークを有しているが、非清浄組織から発せられる蛍光のスペクトルは、上記の清浄な組織に比べて長波長側の波長帯域に最大ピークを有しているもの(図1の非清浄組織1)あるいは2番目に大きいピークを有しているもの(図1の非清浄組織2)が多いことが解明された。このため、非清浄組織から発せられた蛍光から例えば430nm〜730nmの波長帯域の蛍光強度を検出した場合と、430nm〜650nmの波長帯域の蛍光強度を検出した場合とでは、その検出値にあきらかな差が生じる。一方、清浄な正常組織あるいは清浄な病変組織から発せられた蛍光には、650nmより長い波長帯域には大きなピークがないため、430nm〜730nmの波長帯域の蛍光強度を検出した場合と、430nm〜650nmの波長帯域の蛍光強度を検出した場合とでは、その検出値に大きな差が生じることはない。
【0027】
すなわち、本発明による第1の蛍光診断情報生成装置によれば、例えば430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光の強度に基づいた第1の蛍光診断情報と、第1の波長帯域に含まれる波長帯域でかつ前記第1の波長帯域より狭い430nm〜650nmの第2の波長帯域の蛍光の強度に基づいた第2の蛍光診断情報とを生成して出力することにより、観察者はこれらの2種類の蛍光診断情報を比較して、第1の蛍光診断情報と第2の蛍光診断情報との間にあきらかな差が生じている場合には、その被測定部が非清浄組織であることを識別することができる。
【0028】
また、本発明の第2の蛍光診断情報生成装置によれば、例えば430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光の強度と、第1の波長帯域に含まれる波長帯域でかつ前記第1の波長帯域より狭い430nm〜650nmの第2の波長帯域の蛍光の強度との差に基づいた差分蛍光診断情報を生成して出力することにより、観察者はこの差分蛍光診断情報に基づいて、被測定部が非清浄組織であることを識別することができる。
【0029】
さらに本発明の第3の蛍光診断情報生成装置によれば、例えば430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光の強度を反射光の強度で除算した第1の蛍光収率演算値に基づいた第1の蛍光診断情報と、第1の波長帯域に含まれる波長帯域でかつ前記第1の波長帯域より狭い430nm〜650nmの第2の波長帯域の蛍光の強度を反射光の強度で除算した第2の蛍光収率演算値に基づいた第2の蛍光診断情報とを生成して出力することにより、観察者はこれらの2種類の蛍光診断情報を比較して、第1の蛍光診断情報と第2の蛍光診断情報との間にあきらかな差が生じている場合には、その被測定部が非清浄組織であることを識別することができる。
【0030】
また本発明の第4の蛍光診断情報生成装置によれば、例えば430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光の強度を反射光の強度で除算した第1の蛍光収率演算値と、第1の波長帯域に含まれる波長帯域でかつ前記第1の波長帯域より狭い430nm〜650nmの第2の波長帯域の蛍光の強度を反射光の強度で除算した第2の蛍光収率演算値との差に基づいた差分蛍光診断情報を生成して出力することにより、観察者はこの差分蛍光診断情報に基づいて、被測定部が非清浄組織であることを識別することができる。
【0031】
本発明の第5の蛍光診断情報生成装置によれば、例えば480nm近傍の第3の波長波長帯域の蛍光の強度を、430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光の強度で除算した第1の規格化蛍光演算値に基づいた第1の蛍光診断情報と、480nm近傍の第3の波長帯域の蛍光の強度を、430nm〜650nmの第2の波長帯域の蛍光の強度で除算した第2の規格化蛍光演算値に基づいた第2の蛍光診断情報とを生成して出力することにより、観察者はこれらの2種類の蛍光診断情報を比較して、第1の蛍光診断情報と第2の蛍光診断情報との間にあきらかな差が生じている場合には、その被測定部が非清浄組織であることを識別することができる。
【0032】
本発明の第6の蛍光診断情報生成装置によれば、例えば480nm近傍の第3の波長帯域の蛍光の強度を、430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光の強度で除算した第1の規格化蛍光演算値と、480nm近傍の第3の波長帯域の蛍光の強度を、430nm〜650nmの第2の波長帯域の蛍光の強度で除算した第2の規格化蛍光演算値との基づいた差分蛍光診断情報とを生成して出力することにより、観察者はこの差分蛍光診断情報に基づいて、被測定部が非清浄組織であることを識別することができる。
【0033】
また本蛍光診断情報生成装置の一部または全部が、生体内部に挿入される内視鏡装置の形態であれば、本装置の利便性を一層向上することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。まず、本発明による第1の蛍光診断情報生成装置を適用した第1の具体的な実施の形態である蛍光内視鏡装置について説明する。図2は蛍光内視鏡装置の概略構成図であり、図3は本蛍光内視鏡装置に搭載される切換フィルタの模式図である。
【0035】
この蛍光内視鏡装置は、スコープ部10に内蔵されたイメージファイバ103を用いて蛍光像を伝送し、プロセッサ部70に内蔵されたCCD撮像素子306で蛍光画像データを取得する蛍光内視鏡であり、観察部1に波長410nmの励起光Leを照射して、観察部1から発せられた蛍光から第1の波長帯域である430nm〜730nmの光強度を検出し、この光強度に基づいた白黒画像である蛍光診断画像80をモニタ5に表示する第1蛍光診断モード、あるいは観察部1に励起光Leを照射して、観察部1から発せられた蛍光から第2の波長帯域である430nm〜650nmの光強度を検出し、この光強度に基づいた白黒画像である蛍光診断画像81をモニタ5に表示する第2蛍光診断モードにより動作するものである。2つのモードの切り替えは、入力部601からの入力操作により行われる。なお、観察部1内において、CCDの各画素と対応する領域が被測定部2であり、すなわち多数(CCDの画素数)の被測定部2が集合して観察部1を形成している。
【0036】
本発明の第1の実施の形態にかかる蛍光内視鏡装置は、図2に示すように、患者の病巣と疑われる部位に挿入されるスコープ部10と、蛍光像撮像用の励起光Leを発する光源を備える照明ユニット20と、蛍光像ZjをCCD撮像素子で撮像する撮像ユニット30と、蛍光診断画像データを生成してビデオ信号に変換して出力する蛍光画像処理ユニット40と、各ユニットに接続され動作タイミングの制御を行うコントローラ60と、蛍光画像処理ユニット40から出力された蛍光診断画像データを可視画像として表示するモニタ5とから構成されている。なお、コントローラ60にはフットスイッチである入力部601が接続されている。また、照明ユニット20、撮像ユニット30、蛍光画像処理ユニット40およびコントローラ60はプロセッサ部70を構成し、スコープ部10とプロセッサ部70およびプロセッサ部70とモニタ5は、それぞれ図示省略したコネクタにより、接離自在に接続されている。
【0037】
スコープ部10は、内部に先端まで延びるライトガイド101およびイメージファイバ103を備えている。ライトガイド101の先端部、即ちスコープ部10の先端部には、照明レンズ104を備えている。また、イメージファイバ103は多成分ガラスファイバであり、その先端部には集光レンズ105を備えている。ライトガイド101は照明ユニット20へ接続されている。イメージファイバ103の一端は、撮像ユニット30へ接続されている。
【0038】
照明ユニット20は、蛍光像撮像用の波長410nmの励起光Leを発するGa−N系半導体レーザ201および励起光源用電源202を備えている。
【0039】
撮像ユニット30は、励起光近傍の波長である420nm以下の波長帯域をカットする励起光カットフィルタ301と、2種類の光学フィルタが組み合わされた切換フィルタ302と、該切換フィルタ302を回転させるフィルタ回転装置304と、切換フィルタ302を透過した蛍光像を光学レンズ305を通して撮像するCCD撮像素子306とが備えられている。
【0040】
切換フィルタ302は、図3に示すように、430nm〜730nmの波長帯域を透過させる光学フィルタ303aと、430nm〜650nmの波長帯域を透過させる光学フィルタ303bとから構成されている。第1蛍光診断モードにおいては、光路上に光学フィルタ303aが配置され、第2蛍光診断モードにおいては、光路上に光学フィルタ303bが配置されるように、フィルタ回転装置304を介してコントローラ60に制御されている。
【0041】
蛍光画像処理ユニット40は、CCD撮像素子306で撮像された信号のプロセス処理を行う信号処理回路401、該信号処理回路401で得られた画像データをデジタル化するA/D変換回路402、デジタル化された画像データを記憶する画像メモリ403、第1蛍光診断画像データ80’を生成し、後述するビデオ信号処理回路406へ出力する第1蛍光診断画像生成部404、第2蛍光診断画像データ81’を生成し、後述するビデオ信号処理回路406へ出力する第2蛍光診断画像生成部405、蛍光診断画像データをビデオ信号に変換してモニタ5へ出力するビデオ信号処理回路406とを備えている。コントローラ60は、各部位に接続され、動作タイミングを制御している
なお、本実施の形態においては、イメージファイバ103、光学フィルタ303aおよびCCD撮像素子306は、発明の第1の蛍光強度検出手段として機能し、イメージファイバ103、光学フィルタ303bおよびCCD撮像素子306は、発明の第2の蛍光強度検出手段として機能するものである。また、第1蛍光診断画像データ80’は本発明の第1の蛍光診断情報であり、第2蛍光診断画像データ81’は本発明の第2の蛍光診断情報であり、第1蛍光診断画像生成部404および第2蛍光診断画像生成部405は、本発明の診断情報生成手段として機能するものである。
【0042】
以下、本発明による蛍光内視鏡装置の動作について説明する。撮像に先立ち、観察者はスコープ部10を、被験者の体腔内に挿入し、スコープ部10先端を観察部1の近傍に誘導する。さらに、スコープ部10先端から観察部1の各被測定部2までの距離が、所定距離となるように、スコープ部10先端を位置決めする。
【0043】
まず第1蛍光診断モードが選択された際の動作について説明する。コントローラ60からの信号に基づき、励起光源用電源202が駆動され、Ga−N系半導体レーザ201から波長410nmの励起光Leが射出される。励起光Leは、レンズ203を透過し、ライトガイド101に入射され、スコープ部10先端まで導光された後、照明レンズ104から観察部1へ照射される。
【0044】
励起光Leを照射されることにより生じる観察部1からの蛍光像Zjは、集光レンズ105により集光され、イメージファイバ103の先端に入射し、イメージファイバ103を経て、レンズ307により集光され、励起光カットフィルタ301を透過し、420nm以下の波長がカットされる。さらに切換フィルタ302の光学フィルタ303aを透過する。なお、光学フィルタ303aは、前述したように430nm〜730nmの光を透過させるバンドパスフィルタである。光学フィルタ303aを透過した蛍光像は、光学レンズ305で集光され、CCD撮像素子306で受光され、光電変換された後、信号処理回路401でプロセス処理を施され画像データとして出力される。A/D変換回路402でデジタル化された画像データは、画像メモリ403へ保存される。この際、光学フィルタ303aは、前述したように、430nm〜730nmの光を透過させるバンドパスフィルタであるため、この画像データは430nm〜730nmの波長帯域の蛍光画像データ(以下蛍光画像データ(730)と記載)となる。
【0045】
蛍光診断画像生成部404では、蛍光画像データ(730)の各画素値に応じて輝度情報が設定され、黒白画像データである第1蛍光診断画像データ80’が生成され、ビデオ信号処理回路406へ出力される。ビデオ信号処理回路406では、第1蛍光診断画像データ80’をビデオ信号に変換し、モニタ5に出力する。モニタ5には、黒白画像である第1蛍光診断画像80が表示される。
【0046】
第1蛍光診断画像80は、蛍光画像データ(730)の画素値に応じて輝度が設定されている黒白画像である。通常、清浄な正常組織から発せられた蛍光の光強度は大きく、清浄な病変組織から発せられた蛍光の光強度は小さい。このため、表示された第1蛍光診断画像80の全域の輝度が大きい場合には、観察部1には、光強度が小さい蛍光が発せられる組織、すなわち清浄な病変組織あるいは非清浄組織が含まれていないとみなすことができる。
【0047】
一方、表示された第1蛍光診断画像80の中に、輝度が小さい部位がある場合には、観察部1には、光強度が小さい蛍光を発する組織、すなわち清浄な病変組織あるいは非清浄組織が含まれていることを容易に認識することができる。
【0048】
通常、観察者は、このような第1蛍光診断画像80を観察しながら、スコープ部10を移動させる。第1蛍光診断画像80に輝度の小さい部位が表れ、この部位が清浄な病変組織であるか、あるいは非清浄組織であるかが判断できない場合には、観察者は、入力部601を介して第1蛍光診断モードから第2蛍光診断モードに切り換える。
【0049】
第2蛍光診断モードが選択されると、切換フィルタ302の光学フィルタ303bが光路上に配置される。第1蛍光診断モードと同様に、Ga−N系半導体レーザ201から波長410nmの励起光Leが射出され、蛍光像Zjが取得される。イメージファイバ103および光学フィルタ303bを透過した蛍光像は、光学レンズ305で集光され、CCD撮像素子306で受光される。CCD撮像素子306から出力された画像データは、信号処理回路401でプロセス処理を施されA/D変換回路402でデジタル化され、画像メモリ403へ保存される。この際、光学フィルタ303bは、前述したように、430nm〜650nmの光を透過させるバンドパスフィルタであるため、この画像データは430nm〜650nmの波長帯域の蛍光画像データ(以後蛍光画像データ(650)と記載))となる。
【0050】
蛍光診断画像生成部405では、蛍光画像データ(650)の各画素値に応じて輝度情報が設定され、黒白画像データである第2蛍光診断画像データ81’が生成され、ビデオ信号処理回路406へ出力される。ビデオ信号処理回路406では、第2蛍光診断画像データ81’をビデオ信号に変換し、モニタ5に出力する。モニタ5には、黒白画像である第2蛍光診断画像81が表示される。
【0051】
清浄な正常組織および清浄な病変組織から発せられた蛍光においては、650nmより長い波長帯域には、光強度の大きなピークはないため、430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光強度を検出した場合と、430nm〜650nmの第2の波長帯域の蛍光強度を検出した場合とでは、その検出値に大きな差が生じることはなく、第1蛍光診断画像80と、第2蛍光診断画像81を比べた場合に、その輝度には大きな差が生じることはない。
【0052】
一方、非清浄組織から発せられた蛍光は、650nmより長波長側に光強度の最大ピークあるいは2番目のピークを有している。このため、430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光強度を検出した場合と、430nm〜650nmの波長帯域の蛍光強度を検出した場合とでは、その検出値にあきらかな差が生じるので、第2蛍光診断画像81における輝度は、第1蛍光診断画像80における輝度に比べ、あきらかに小さくなる。
【0053】
すなわち、観察者は、第1蛍光診断画像80と第2蛍光診断画像81を比較し、第2蛍光診断画像81における輝度が第1蛍光診断画像80における輝度よりあきらかに小さい被測定部2は、非清浄組織であると識別できる。
【0054】
また、第1蛍光診断画像80における輝度と第2蛍光診断画像81における輝度にほとんど差がない被測定部2は、清浄な組織であると識別できる。さらに、輝度にほとんど差がない部位に関しては、第1蛍光診断画像80または第2蛍光診断画像81において、輝度が大きい被測定部2は清浄な正常組織であり、輝度が小さい被測定部2は、清浄な病変組織であると識別できる。
【0055】
以上の説明で明かなように、本実施の形態においては、430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光の強度に基づいた第1蛍光診断画像80と、第1の波長帯域に含まれる波長帯域でかつ前記第1の波長帯域より狭い430nm〜650nmの第2の波長帯域の蛍光の強度に基づいた第2蛍光診断画像81が表示されるため、観察者はこれらの2種類の蛍光診断画像を比較して、第1の蛍光診断画像80における輝度と、第2の蛍光診断画像81における輝度との間にあきらかな差が生じているか否かを知ることにより、その被測定部2が非清浄組織であるか清浄組織であるかを識別することができ、組織性状の識別精度を向上させることができる。
【0056】
次に、本発明による第2の蛍光診断情報生成装置を適用した第2の具体的な実施の形態である蛍光内視鏡装置について説明する。図4は蛍光内視鏡装置の概略構成図である。なお、図2に示す第1の具体的な実施の形態と共通の要素については同番号を付し、特に必要のない限りその説明は省略する。
【0057】
この蛍光内視鏡装置は、スコープ部10に内蔵されたイメージファイバ103を用いて蛍光像を伝送し、プロセッサ部71に内蔵されたCCD撮像素子306で蛍光画像データを取得する蛍光内視鏡装置であり、観察部1に波長410nmの励起光Leを照射して、観察部1から発せられた蛍光から波長帯域430nm〜730nmの光強度を検出し、この光強度に基づいて作成された白黒画像である第1蛍光診断画像80をモニタ5に表示する第1蛍光診断モード、あるいは観察部1に励起光Leを照射して、観察部1から発せられた蛍光から波長帯域430nm〜730nmの光強度および波長帯域430nm〜650nmの光強度を検出し、これらの光強度の差(以下光強度差と記載)に基づいて作成された第2蛍光診断画像82をモニタ5に表示する第2蛍光診断モードにより動作するものである。2つのモードの切り替えは、入力部601からの入力操作により行われる。
【0058】
本発明の第2の実施の形態にかかる蛍光内視鏡装置は、図4に示すように、患者の病巣と疑われる部位に挿入されるスコープ部10と、照明ユニット20と、撮像ユニット30と、蛍光診断画像データを生成してビデオ信号に変換して出力する蛍光画像処理ユニット41と、各ユニットに接続され動作タイミングの制御を行うコントローラ61と、モニタ5とから構成されている。なお、コントローラ61には入力部601が接続されている。また、照明ユニット20、撮像ユニット30、蛍光画像処理ユニット41およびコントローラ61はプロセッサ部71を構成し、スコープ部10とプロセッサ部71およびプロセッサ部71とモニタ5は、それぞれ図示省略したコネクタにより、接離自在に接続されている。
【0059】
撮像ユニット30の切換フィルタ302は、第1蛍光診断モードにおいては、光路上に光学フィルタ303aが配置され、第2蛍光診断モードにおいては、光路上に光学フィルタ303aおよび光学フィルタ303bが交互に配置されるように、フィルタ回転装置304を介してコントローラ61に制御されている。
【0060】
蛍光画像処理ユニット41は、信号処理回路401、A/D変換回路402、画像メモリ411、第1蛍光診断画像データ80’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する第1蛍光診断画像生成部404、予め複数の清浄な生体組織から取得された基準値を記憶する記憶部412、該記憶部412に記憶された基準値と、光強度差に基づいて第2蛍光診断画像データ82’を作成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する第2蛍光診断画像生成部413と、ビデオ信号処理回路406とを備えている。コントローラ61は、各部位に接続され、動作タイミングを制御している。なお、本実施の形態においては、第2蛍光診断画像データ82’は本発明の差分蛍光診断情報であり、第2蛍光診断画像生成部413は、本発明の診断情報生成手段として機能するものである。
【0061】
以下、本発明による蛍光内視鏡装置の動作について説明する。まず第1蛍光診断モードが選択された際の表示動作は、第1の実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0062】
第1蛍光診断モードにおいては、観察者は、第1蛍光診断画像80を観察しながら、スコープ部10を移動させる。第1蛍光診断画像80に輝度の小さい部位が表れ、この部位が清浄な病変組織であるか、あるいは非清浄組織であるかが判断できない場合には、観察者は、入力部601を介して第1蛍光診断モードから第2蛍光診断モードに切り換える。
【0063】
第2蛍光診断モードが選択されると、切換フィルタ302の光学フィルタ303aおよび303bが交互に光路上に配置される。光学フィルタ303aが光路上に配置された場合には、第1蛍光診断モードとほぼ同様の動作により、画像メモリ411に、蛍光画像データ(730)が記憶される。また、光学フィルタ303bが光路上に配置された場合には、同様に画像メモリ411に、蛍光画像データ(650)が記憶される。
【0064】
画像メモリ411に、蛍光画像データ(730)および蛍光画像データ(650)が記憶されると、第2蛍光診断画像生成部413では、各画素毎に、蛍光画像データ(730)の画素値をF1、蛍光画像データ(650)画素値をF2として、次式より妨害因子判定値B1を算出する。
【0065】
B1=(F1−F2)/F1
なお、記憶部412には、予め複数の清浄な既知病変組織から取得した妨害因子判定値B1の平均値であるB1Aおよび妨害因子判定値B1の標準偏差であるB1Sが、基準値として記憶されている。
【0066】
蛍光診断画像生成部413では、算出した妨害因子判定値B1が、次式を満たす場合には、妨害因子判定値B1と対応する被測定部2は非清浄組織であると判定し、次式を満たさない場合には、清浄組織であると判定する。
【0067】
B1≧B1A+B1S
次に、非清浄組織であると判定された画素に色情報としてマゼンダを割り当てた妨害因子判定画像データを生成する。
【0068】
その後、第1蛍光診断モードと同様に、まず蛍光画像データ(730)の画素値に応じて、輝度を設定した黒白画像データを作成し、この黒白画像データに、上記の妨害因子判定画像を重畳して第2蛍光診断画像データ82’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する。ビデオ信号処理回路406では、第2蛍光診断画像データ82’をビデオ信号に変換し、モニタ5に出力する。モニタ5には、非清浄組織がマゼンダで表示され、残りの部位は、黒白で表示される第2蛍光診断画像82が表示される。
【0069】
観察者は、第2蛍光診断画像82を観察すれば、容易にマゼンダで表示される非清浄組織を識別することができる。
【0070】
以上の説明で明かなように、本実施の形態における蛍光内視鏡装置においては、430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光の強度と、第1の波長帯域に含まれる波長帯域でかつ前記第1の波長帯域より狭い430nm〜650nmの第2の波長帯域の蛍光の強度との差に基づいて、蛍光強度差が大きい非清浄組織はマゼンダで表示される第2蛍光診断画像82が表示されるので、観察者はこの第2蛍光診断画像82を観察することにより、容易に被測定部2が非清浄組織であるか清浄組織であるかを識別することができる。
【0071】
また、第2蛍光診断画像82において、黒白画像として表示される被測定部2に関しても、第1の実施形態における蛍光内視鏡装置と同様に、輝度が大きい被測定部2は清浄な正常組織であり、輝度が小さい被測定部2は清浄な病変組織であると識別できる。
【0072】
次に、本発明による第2の蛍光診断情報生成装置を適用した第3の具体的な実施の形態である蛍光内視鏡装置について説明する。図5は本蛍光内視鏡装置の概略構成図であり、図6は本蛍光内視鏡装置に搭載されるモザイクフィルタの模式図である。なお、図2に示す第1の具体的な実施の形態と共通の要素については同番号を付し、特に必要のない限りその説明は省略する。
【0073】
この蛍光内視鏡装置は、スコープ部12に内蔵されたCCD撮像素子125を用いて蛍光像を取得する蛍光内視鏡装置であり、観察部1に波長410nmの励起光Leを照射して、観察部1から発せられた蛍光から波長帯域430nm〜730nmの光強度を検出し、この光強度に基づいて作成された白黒画像である第1蛍光診断画像83をモニタ5に表示する第1蛍光診断モード、あるいは観察部1に励起光Leを照射して、観察部1から発せられた蛍光から波長帯域430nm〜730nmの光強度および波長帯域430nm〜650nmの光強度を検出し、これらの光強度差に基づいて作成された第2蛍光診断画像84をモニタ5に表示する第2蛍光診断モードにより動作するものである。2つのモードの切り替えは、入力部601からの入力操作により行われる。
【0074】
本発明の第3の実施の形態にかかる蛍光内視鏡装置は、患者の病巣と疑われる部位に挿入されるスコープ部12と、照明ユニット20と、蛍光診断画像データを生成してビデオ信号に変換して出力する蛍光画像処理ユニット42と、各ユニットに接続され動作タイミングの制御を行うコントローラ62と、モニタ5とから構成されている。なお、コントローラ62には入力部601が接続されている。
【0075】
なお照明ユニット20、蛍光画像処理ユニット42およびコントローラ62はプロセッサ部72を構成し、スコープ部12とプロセッサ部72およびプロセッサ部72とモニタ5は、それぞれ図示省略したコネクタにより、接離自在に接続されている。
【0076】
スコープ部12は、内部に先端まで延びるライトガイド101およびCCDケーブル121を備えている。ライトガイド101およびCCDケーブル121の先端部、即ちスコープ部12の先端部には、照明レンズ104および対物レンズ122を備えている。CCDケーブル121の先端部には、微少な光学フィルタがモザイク状に組み合わされたモザイクフィルタ123がオンチップされたCCD撮像素子125が接続され、該CCD撮像素子125には、プリズム126が取り付けられている。また、プリズム126と対物レンズ122の間には、波長420nm以下の波長の光をカットする励起光カットフィルタ127が取り付けられている。
【0077】
CCDケーブル121の一端は、蛍光画像処理ユニット42へ接続されている。モザイクフィルタ123は、図6に示すように、430nm〜730nmの波長帯域の光を透過させるバンドパスフィルタである微少な光学フィルタ124aと、430nm〜650nmの波長帯域の光を透過させるバンドパスフィルタである微少な光学フィルタ124bとが組み合わされ、各光学フィルタはCCD撮像素子125の画素に一対一で対応している。
【0078】
蛍光画像処理ユニット42は、信号処理回路401、A/D変換回路402、画像メモリ421、第1蛍光診断画像データ83’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する第1蛍光診断画像生成部422、予め複数の清浄な生体組織から取得された基準値を記憶する記憶部423、該記憶部423に記憶された基準値と、光強度差に基づいて第2蛍光診断画像データ84’を作成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する第2蛍光診断画像生成部424と、ビデオ信号処理回路406とを備えている。コントローラ62は、各部位に接続され、動作タイミングを制御している。
【0079】
なお、本実施の形態においては、光学フィルタ124aおよびCCD撮像素子125は、発明の第1の蛍光強度検出手段として機能し、光学フィルタ124bおよびCCD撮像素子125は、発明の第2の蛍光強度検出手段として機能するものである。また第2蛍光診断画像データ84’は発明の差分蛍光診断情報であり、第2蛍光診断画像生成部424は、発明の診断情報生成手段として機能するものである。
【0080】
以下、本発明による蛍光内視鏡装置の動作について説明する。まず第1蛍光診断モードが選択された際の動作について説明する。コントローラ62からの信号に基づき、励起光Leが射出され、観察部1へ照射される。励起光Leを照射されることにより生じる観察部1からの蛍光は、集光レンズ122により集光され、励起光カットフィルタ127により420nm以下の波長帯域に光がカットされ、プリズム126に反射して、モザイクフィルタ123を透過して、CCD撮像素子125上に蛍光像Zjとして結像される。この際励起光Leの反射光は、励起光カットフィルタ127によりカットされるため、CCD撮像素子125に入射することはない。CCD撮像素子125では、蛍光像Zjが受光されて、光電変換され、光の強弱に応じた画像データに変換されて出力される。
【0081】
CCD撮像素子125から出力された信号は、蛍光画像処理ユニット42の信号処理回路401で、プロセス処理を施され、A/D変換回路402でデジタル信号に変換されて、光学フィルタ124aを透過した画像データ、すなわち430nm〜730nmの波長帯域の画像データである蛍光画像データ(730)と、光学フィルタ124bを透過した430nm〜650nmの波長帯域の画像データである蛍光画像データ(650)とに分けて、画像メモリ421に記憶される。
【0082】
第1蛍光診断画像生成部422では、蛍光画像データ(730)の各画素値に応じて輝度情報が設定され、黒白画像データである第1蛍光診断画像データ83’が生成され、ビデオ信号処理回路406へ出力される。ビデオ信号処理回路406では、第1蛍光診断画像データ83’をビデオ信号に変換し、モニタ5に出力する。モニタ5には、黒白画像である第1蛍光診断画像83が表示される。なお、モザイクフィルタ123の光学フィルタ124bに対応するために、蛍光画像データ(730)が取得されていない画素においては、隣接する画素の画素値に応じて輝度情報を設定する。
【0083】
第1蛍光診断画像83は、蛍光画像データ(730)の画素値に応じて輝度が設定されている黒白画像であり、第1の実施形態にける第1蛍光診断画像80とほぼ同様な画像である。観察者は、このような第1蛍光診断画像83を観察しながら、スコープ部10を移動させる。第1蛍光診断画像83に輝度の小さい部位が表れ、この部位が清浄な病変組織であるか、あるいは非清浄組織であるかが判断できない場合には、観察者は、入力部601を介して第1蛍光診断モードから第2蛍光診断モードに切り換える。
【0084】
第2蛍光診断モードが選択されると、第1蛍光診断モードとほぼ同様の動作により、画像メモリ421に、蛍光画像データ(730)と蛍光画像データ(650)が記憶される。
【0085】
第2蛍光診断画像生成部424では、隣接する画素毎に、蛍光画像データ(730)の画素値をF3、蛍光画像データ(650)画素値をF4として、次式より差分画素値B2を算出する。
【0086】
B2=F3−F4
なお、記憶部423には、予め複数の清浄な既知病変組織から取得した差分画素値B2の平均値B2Aおよび標準偏差B2Sが、基準値として記憶されている。
【0087】
第2蛍光診断画像生成部424では、算出した差分画素値B2と平均値B2Aおよび標準偏差B2Sから次式を用いて、妨害因子影響度B3を算出する。
【0088】
B3={(B2−B2A)/B2S}
さらに、このB3の値に応じて色情報を割り当てた妨害因子判定画像データを生成する。この際には、例えば妨害因子影響度B3の値が小さい方から大きい方へ、白色からマゼンダへ順次色が変化するように色情報を割り当てる。
【0089】
その後、第1蛍光診断モードと同様に、蛍光画像データ(730)の画素値に応じて、輝度を設定した黒白画像データを作成し、この黒白画像データに上記の妨害因子判定画像データを重畳して第2蛍光診断画像データ84’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する。ビデオ信号処理回路406では、第2蛍光診断画像データ84’をビデオ信号に変換し、モニタ5に出力する。モニタ5には、妨害因子影響度B3の値が大きい部位、すなわち非清浄組織はマゼンダで表示され、順次妨害因子影響度B3の値が小さくなるにつれ、白色に近づき、清浄組織は白で表示される第2蛍光診断画像84が表示される。観察者は、第2蛍光診断画像84を観察すれば、容易にマゼンダで表示される非清浄組織を識別することができる。
【0090】
以上の説明で明かなように、本実施の形態における蛍光内視鏡装置においては、430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光の強度と、第1の波長帯域に含まれる波長帯域でかつ前記第1の波長帯域より狭い430nm〜650nmの第2の波長帯域の蛍光の強度との差に基づいて算出された妨害因子影響度B3が大きい非清浄組織はマゼンダで表示される第2蛍光診断画像84が表示されるので、観察者はこの第2蛍光診断画像84を観察することにより、容易に被測定部2が非清浄組織であるか清浄組織であるかを識別することができる。
【0091】
また、第2蛍光診断画像84において、白色で表示される部位、すなわち清浄組織である部位の被測定部2に関しても、第1の実施形態における蛍光内視鏡装置と同様に、輝度が大きい被測定部2は清浄な正常組織であり、輝度が小さい被測定部2は清浄な病変組織であると識別できる。
【0092】
次に、本発明による第3の蛍光診断情報生成装置を適用した第4の具体的な実施の形態である蛍光内視鏡装置について説明する。図7は、蛍光内視鏡装置の概略構成図であり、図8は本蛍光内視鏡装置に搭載される切換フィルタの模式図である。なお、図2に示す第1の具体的な実施の形態と共通の要素については同番号を付し、特に必要のない限りその説明は省略する。
【0093】
本蛍光内視鏡装置は、スコープ部13に内蔵されたイメージファイバ103を用いて蛍光像を伝送し、プロセッサ部73に内蔵されたCCD撮像素子306で蛍光画像データを取得する蛍光内視鏡であり、波長410nmの励起光Leが照射された観察部1から発せられた蛍光から波長帯域430nm〜730nmの蛍光画像データ(730)を取得し、近赤外光である参照光Lsを照射された観察部1の反射光からIR反射画像データを取得し、対応する画素毎に蛍光画像データ(730)の画素値をIR反射画像データの画素値で除算した蛍光収率演算値(以下蛍光収率演算値(730)と記載)を求め、該蛍光収率演算値(730)に基づいて色情報を作成し、IR反射画像データの画素値に基づいて輝度情報を作成し、両画像情報を合成した第1蛍光診断画像85をモニタ5上に表示する第1蛍光診断モード、あるいは波長410nmの励起光Leが照射された観察部1から発せられた蛍光から波長帯域430nm〜650nmの蛍光画像データ(650)を取得し、近赤外光である参照光Lsを照射された観察部1の反射光からIR反射画像データを取得し、対応する画素毎に蛍光画像データ(650)の画素値をIR反射画像データの画素値で除算した蛍光収率演算値(以下蛍光収率演算値(650)と記載)を求め、該蛍光収率演算値(650)に基づいて色情報を作成し、IR反射画像データの画素値に基づいて輝度情報を作成し、両画像情報を合成した第2蛍光診断画像86をモニタ5上に表示する第2蛍光診断モードにより動作するものである。2つのモードの切り替えは、入力部601からの入力操作により行われる。
【0094】
本発明の第4の実施の形態にかかる蛍光内視鏡装置は、患者の病巣と疑われる部位に挿入されるスコープ部13と、蛍光像撮像用の励起光Leと、IR反射光像撮像用の参照光Lsを発する光源を備える照明ユニット23と、蛍光像ZjおよびIR反射光像ZsをCCD撮像素子306で撮像する撮像ユニット33と、第1蛍光診断モードにおいては、蛍光収率演算値(730)に基づいた色情報と、IR反射画像データの画素値に基づいた輝度情報を作成し、両情報から第1蛍光診断画像データ85を生成してビデオ信号に変換して出力し、第2蛍光診断モードにおいては、蛍光収率演算値(650)に基づいた色情報と、IR反射画像データの画素値に基づいた輝度情報を作成し、両情報から第2蛍光診断画像データ86を生成してビデオ信号に変換して出力する蛍光画像処理ユニット40と、各ユニットに接続され動作タイミングの制御を行うコントローラ63と、蛍光画像処理ユニット40から出力された第1蛍光診断画像データ85または第2蛍光診断画像データ86を可視画像として表示するモニタ5とから構成されている。
【0095】
なお、コントローラ63には入力部601が接続されている。また、照明ユニット23、撮像ユニット33、蛍光画像処理ユニット43およびコントローラ63はプロセッサ部73を構成し、スコープ部13とプロセッサ部73およびプロセッサ部73とモニタ5は、それぞれ図示省略したコネクタにより、接離自在に接続されている。
【0096】
スコープ部13は、内部に先端まで延びるライトガイド131およびイメージファイバ103を備えている。ライトガイド131の先端部、即ちスコープ部13の先端部には、照明レンズ104を備えている。
【0097】
ライトガイド131は、励起光Le用のライトガイド132aおよび参照光Ls用のライトガイド132bがバンドルされ、ケーブル状に一体化されており、各ライトガイドは、照明ユニット23へ接続されている。イメージファイバ103の一端は、撮像ユニット33へ接続されている。
【0098】
照明ユニット23は、Ga−N系半導体レーザ201、励起光源用電源202、IR反射光像撮像用の近赤外光である参照光Lsを発する半導体レーザである参照光源204および参照光源用電源205を備えている。
【0099】
撮像ユニット33は、励起光カットフィルタ301と、3種類の光学フィルタが組み合わされた切換フィルタ331と、該切換フィルタ331を回転させるフィルタ回転装置333と、CCD撮像素子306とが備えられている。
【0100】
切換フィルタ331は、図8に示すように、430nm〜730nmの波長帯域を透過させる光学フィルタ332aと、430nm〜650nmの波長帯域を透過させる光学フィルタ332bと、全波長帯域を透過させるフィルタ332cとから構成されている。
【0101】
光学フィルタ332aは、蛍光画像データ(730)取得用の光学フィルタであり、光学フィルタ332bは蛍光画像データ(650)取得用の光学フィルタであり、光学フィルタ332cは、IR反射画像データ取得用の光学フィルタである。この切換フィルタ331は、第1蛍光診断モードにおいては、励起光Leが照射されている場合には、光路上に光学フィルタ332aが配置され、参照光Lsが照射されている場合には、光路上に光学フィルタ332cが配置され、また第2蛍光診断モードにおいては、励起光Leが照射されている場合には、光路上に光学フィルタ332bが配置され、参照光Lsが照射されている場合には、光路上に光学フィルタ332cが配置されるようにフィルタ回転装置333を介してコントローラ63に制御されている。
【0102】
蛍光画像処理ユニット43は、CCD撮像素子306で撮像された信号のプロセス処理を行う信号処理回路401、該信号処理回路401で得られた画像データをデジタル化するA/D変換回路402、蛍光画像データ(730)と、蛍光画像データ(650)と、IR反射画像データとを、異なる記憶領域に保存する画像メモリ431と、第1蛍光診断モードにおいて、対応する画素毎に、画像メモリ431に記憶された蛍光画像データ(730)の画素値をIR反射画像データの画素値で除算して、蛍光収率演算値(730)を算出する第1蛍光演算値算出部432と、蛍光収率演算値(730)に基づいて色情報を割り当て、IR反射画像データの画素値に基づいて輝度情報を割り当て、色情報および輝度情報を合成して第1蛍光診断画像データ85’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する第1蛍光診断画像生成部433と、第2蛍光診断モードにおいて、対応する画素毎に、画像メモリ431に記憶された蛍光画像データ(650)の画素値をIR反射画像データの画素値で除算して、蛍光収率演算値(650)を算出する第2蛍光演算値算出部434と、蛍光収率演算値(650)に基づいて色情報を割り当て、IR反射画像データの画素値に基づいて輝度情報を割り当て、色情報および輝度情報を合成して第2蛍光診断画像データ86’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する第2蛍光診断画像生成部435と、ビデオ信号処理回路406とを備えている。コントローラ63は、各ユニットに接続され、動作タイミングを制御している。
【0103】
なお、本実施の形態においては、光学フィルタ332aおよびCCD撮像素子306は、発明の第1の蛍光強度検出手段として機能し、光学フィルタ332bおよびCCD撮像素子306は、発明の第2の蛍光強度検出手段として機能する。また、第1蛍光診断画像データ85’は本発明の第1の蛍光診断情報であり、第2蛍光診断画像データ86’は第2の蛍光診断情報である。第1蛍光演算値算出部432は本発明の第1の蛍光演算値算出手段として機能し、第2蛍光演算値算出部434は第2の蛍光演算値算出手段として機能し、第1蛍光診断画像生成部433および第2蛍光診断画像生成部435は診断情報生成手段として機能するものである。
【0104】
以下、本発明による蛍光内視鏡装置の動作について説明する。まず第1蛍光診断モードが選択された際の動作について説明する。蛍光像Zjの撮像とIR反射光像Zsの撮像とが時分割で行われる。各像を時分割で撮像するために、照明ユニット23からは、励起光Leおよび参照光Lsが順次射出される。
【0105】
蛍光像の撮像に際して、コントローラ63からの信号に基づき、励起光Leが射出され、ライトガイド132aに入射され、スコープ部13先端まで導光された後、照明レンズ104から観察部1へ照射される。
【0106】
励起光Leを照射されることにより生じる観察部1からの蛍光像Zjは、集光レンズ105により集光され、イメージファイバ103の先端に入射し、イメージファイバ103を経て、レンズ307により集光され、励起光カットフィルタ301を透過し、420nm以下の波長がカットされる。さらに切換フィルタ331の光学フィルタ332aを透過する。光学フィルタ332aを透過した蛍光像は、430nm〜730nmの波長帯域の蛍光像となる。
【0107】
この蛍光像は、光学レンズ305で集光され、CCD撮像素子306で受光され、光電変換された後、信号処理回路401でプロセス処理を施され蛍光画像データ(730)として出力される。A/D変換回路402でデジタル化され、画像メモリ431の蛍光画像データ(730)の記憶領域に保存される。
【0108】
ほぼ同様の動作により、参照光源204から射出された参照光Lsの反射光からなるIR反射光像Zsは、励起光カットフィルタ301を透過し、さらに切換フィルタ331の光学フィルタ332cを透過してCCD撮像素子306で受光され、光電変換された後、信号処理回路401でプロセス処理を施されIR反射画像データとして出力され、A/D変換回路402でデジタル化され、画像メモリ431のIR反射画像データの記憶領域に保存される。
【0109】
画像メモリ431へ、上記の蛍光画像データ(730)およびIR反射画像データが記憶されると、第1蛍光演算値算出部432では、画素毎に、画像メモリ431に記憶された蛍光画像データ(730)の画素値をIR反射画像データの画素値により除算して蛍光収率演算値(730)を算出する。第1蛍光診断画像生成部433では、この蛍光収率演算値(730)に基づいて色情報を割り当て、またIR反射画像データの画素値に基づいて、輝度情報を割り当て、色情報および輝度情報を合成して第1蛍光診断画像データ85’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する。ビデオ信号処理回路406では、第1蛍光診断画像データ85’をビデオ信号に変換し、モニタ5に出力する。モニタ5には、疑似カラー画像である第1蛍光診断画像85が表示される。
【0110】
なお、第1蛍光診断画像85は、蛍光収率演算値(730)に応じて表示色が変化し、IR反射画像データの画素値に応じて輝度が変化する疑似カラーで表示されている。通常、清浄な正常組織から発せられた蛍光の蛍光収率演算値は大きく、清浄な病変組織から発せられた蛍光の蛍光収率演算値は小さいので、表示色の差異が明らかになるような疑似カラーを設定することにより、例えば蛍光収率演算値が大きい方から小さい方へ、順次緑色から赤色へ変化するように色情報を割り当てることにより、観察者は、蛍光収率演算値(730)が小さい蛍光が発せられる組織、すなわち清浄な病変組織あるいは非清浄組織を容易に認識することができる。また、IR反射画像データの信号強度に応じて輝度が異なるため、観察部の凹凸や、距離感を備えた第1蛍光診断画像85を表示することができる。
【0111】
観察者は、この第1蛍光診断画像85を観察しながら、スコープ部13を移動させる。第1蛍光診断画像85に赤色で表示される部分が表れ、この赤色で表示される部位が、清浄な病変組織であるか、あるいは非清浄組織であるかが判断できない場合には、観察者は入力装置601を介して第2蛍光診断モードに切り換える。
【0112】
第2蛍光診断モードが選択されると、第1蛍光診断モードと同様に、蛍光像Zjの撮像とIR反射光像Zsの撮像とが時分割で行われる。各像を時分割で撮像するために、照明ユニット23からは、励起光Leおよび参照光Lsが順次射出される。
【0113】
励起光Leを照射されることにより生じる観察部1からの蛍光像Zjは、集光レンズ105により集光され、イメージファイバ103の先端に入射し、イメージファイバ103を経て、レンズ307により集光され、励起光カットフィルタ301を透過し、さらに切換フィルタ331の光学フィルタ332bを透過する。光学フィルタ332bを透過した蛍光像は、430nm〜650nmの波長帯域の蛍光像となる。
【0114】
この蛍光像は、光学レンズ305で集光され、CCD撮像素子306で受光され、光電変換された後、信号処理回路401でプロセス処理を施され蛍光画像データ(650)として出力される。A/D変換回路402でデジタル化され、画像メモリ431に記憶される。
【0115】
画像メモリ431へ、上記の蛍光画像データ(650)およびIR反射画像データが記憶されると、第2蛍光演算値算出部434では、画素毎に、画像メモリ431に記憶された蛍光画像データ(650)の画素値をIR反射画像データの画素値により除算して蛍光収率演算値(650)を算出する。第2蛍光診断画像生成部435では、この蛍光収率演算値(650)に基づいて色情報を割り当て、またIR反射画像データの画素値に基づいて、輝度情報を割り当て、色情報および輝度情報を合成して第2蛍光診断画像データ86’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する。ビデオ信号処理回路406では、第2蛍光診断画像データ86’をビデオ信号に変換し、モニタ5に出力する。モニタ5には、疑似カラー画像である第2蛍光診断画像86が表示される。なお、第2蛍光診断画像86も、第1蛍光診断画像85と同様に、蛍光収率演算値(650)に応じて表示色が変化し、IR反射画像データの画素値に応じて輝度が変化する疑似カラーで表示されている。
【0116】
清浄な正常組織および清浄な病変組織から発せられた蛍光においては、430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光強度を検出した場合と、430nm〜650nmの第2の波長帯域の蛍光強度を検出した場合とでは、その検出値に大きな差が生じることはなく、第1蛍光診断画像85と、第2蛍光診断画像86を比べた場合に、その表示色には大きな差が生じることはない。
【0117】
一方、非清浄組織から発せられた蛍光は、650nmより長波長側に光強度のピークを有しているため、430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光強度に比べ、430nm〜650nmの波長帯域の蛍光強度は小さくなる。このため、蛍光収率演算値(650)は、蛍光収率演算値(730)に比べて小さくなる。すなわち、蛍光収率演算値にあきらかな差が生じるので、第1蛍光診断画像85における表示色に比べ、第2蛍光診断画像86における表示色が赤色に近くなった被測定部2は、非清浄組織であると識別できる。
【0118】
また、第1蛍光診断画像85における表示色と第2蛍光診断画像86における表示色にほとんど差がない被測定部2は、清浄な組織であると識別できる。さらに、表示色にほとんど差がない部位に関しては、第1蛍光診断画像85または第2蛍光診断画像86において、表示色が緑色に近い被測定部2は清浄な正常組織であり、表示色が赤色に近い被測定部2は、清浄な病変組織であると識別できる。
【0119】
以上の説明で明かなように、本実施の形態においては、430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光の強度に基づいた第1蛍光診断画像85と、第1の波長帯域に含まれる波長帯域でかつ前記第1の波長帯域より狭い430nm〜650nmの第2の波長帯域の蛍光の強度に基づいた第2蛍光診断画像86が表示されるため、観察者はこれらの2種類の蛍光診断画像を比較して、第1蛍光診断画像85における表示色と、第2蛍光診断画像86における表示色との間にあきらかな差が生じているか否かを知ることにより、その被測定部2が非清浄組織であるか清浄組織であるかを識別することができ、組織性状の識別精度を向上させることができる。
【0120】
次に、本発明による第4の蛍光診断情報生成装置を適用した第5の具体的な実施の形態である蛍光内視鏡装置について説明する。図9は本蛍光内視鏡装置の概略構成図であり、図10は本蛍光内視鏡装置に搭載されるモザイクフィルタの模式図である。なお、図5に示す第3の具体的な実施の形態と共通の要素、および図7に示す第4の実施の形態と共通の要素については同番号を付し、特に必要のない限りその説明は省略する。
【0121】
この蛍光内視鏡装置は、スコープ部14に内蔵されたCCD撮像素子125を用いて蛍光像を取得する蛍光内視鏡装置であり、蛍光収率演算値(730)に基づいて色情報を作成し、IR反射画像データの画素値に基づいて輝度情報を作成し、両画像情報を合成した第1蛍光診断画像87をモニタ5上に表示する第1蛍光診断モード、あるいは蛍光収率演算値(730)と蛍光収率演算値(650)との差に基づいて色情報を作成し、IR反射画像データの画素値に基づいて輝度情報を作成し、両画像情報を合成した第2蛍光診断画像88をモニタ5上に表示する第2蛍光診断モードにより動作するものである。2つのモードの切り替えは、入力部601からの入力操作により行われる。
【0122】
本発明の第5の実施の形態にかかる蛍光内視鏡装置は、患者の病巣と疑われる部位に挿入されるスコープ部14と、照明ユニット23と、蛍光診断画像データを生成してビデオ信号に変換して出力する蛍光画像処理ユニット44と、各ユニットに接続され動作タイミングの制御を行うコントローラ64と、モニタ5とから構成されている。なお、コントローラ64には入力部601が接続されている。
【0123】
なお照明ユニット23、蛍光画像処理ユニット44およびコントローラ64はプロセッサ部74を構成し、スコープ部14とプロセッサ部74およびプロセッサ部74とモニタ5は、それぞれ図示省略したコネクタにより、接離自在に接続されている。
【0124】
スコープ部14は、内部に先端まで延びるライトガイド131およびCCDケーブル121を備えている。ライトガイド131およびCCDケーブル121の先端部、即ちスコープ部12の先端部には、照明レンズ104および対物レンズ122を備えている。CCDケーブル121の先端部には、微少な光学フィルタがモザイク状に組み合わされたモザイクフィルタ141がオンチップされたCCD撮像素子125が接続され、該CCD撮像素子125には、プリズム126が取り付けられている。
【0125】
CCDケーブル121の一端は、蛍光画像処理ユニット44へ接続されている。モザイクフィルタ141は、図10に示すように、430nm〜730nmの波長帯域の光を透過させるバンドパスフィルタである微少な光学フィルタ142aと、430nm〜650nmの波長帯域の光を透過させるバンドパスフィルタである微少な光学フィルタ142bと、全波長帯域を透過させる光学フィルタ142cとが組み合わされ、各光学フィルタはCCD撮像素子125の画素に一対一で対応している。
【0126】
蛍光画像処理ユニット44は、CCD撮像素子125で撮像された信号のプロセス処理を行う信号処理回路401、該信号処理回路401で得られた画像データをデジタル化するA/D変換回路402、蛍光画像データ(730)と、蛍光画像データ(650)と、IR反射画像データとを、異なる記憶領域に保存する画像メモリ441と、第1蛍光診断モードにおいて、隣合う画素毎に、画像メモリ441に記憶された蛍光画像データ(730)の画素値をIR反射画像データの画素値で除算して、蛍光収率演算値(730)を算出する第1蛍光演算値算出部442と、蛍光収率演算値(730)に基づいて色情報を割り当て、IR反射画像データの画素値に基づいて輝度情報を割り当て、色情報および輝度情報を合成して第1蛍光診断画像データ87’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する第1蛍光診断画像生成部443と、第2蛍光診断モードにおいて、隣合う画素毎に、画像メモリ441に記憶された蛍光画像データ(650)の画素値をIR反射画像データの画素値で除算して、蛍光収率演算値(650)を算出する第2蛍光演算値算出部444と、予め複数の清浄な生体組織から取得された基準値を記憶する記憶部445、該記憶部445に記憶された基準値と、蛍光収率演算値(730)と蛍光収率演算値(650)の差に基づいて色情報を割り当て、IR反射画像データの画素値に基づいて輝度情報を割り当て、色情報および輝度情報を合成して第2蛍光診断画像データ88’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する第2蛍光診断画像生成部446と、ビデオ信号処理回路406とを備えている。コントローラ64は、各ユニットに接続され、動作タイミングを制御している。
【0127】
なお、本実施の形態においては、光学フィルタ142aおよびCCD撮像素子125は、発明の第1の蛍光強度検出手段として機能し、光学フィルタ142bおよびCCD撮像素子125は、発明の第2の蛍光強度検出手段として機能する。また、第2蛍光診断画像データ88’は本発明の差分蛍光診断情報であり、第2蛍光診断画像生成部446は、本発明の診断情報生成手段として機能するものである。
【0128】
以下、本発明による蛍光内視鏡装置の動作について説明する。まず第1蛍光診断モードが選択された際の動作について説明する。蛍光像Zjの撮像とIR反射光像Zsの撮像とが時分割で行われる。各像を時分割で撮像するために、照明ユニット23からは、励起光Leおよび参照光Lsが順次射出される。
【0129】
蛍光像の撮像に際して、コントローラ64からの信号に基づき、励起光Leが射出され、ライトガイド132aに入射され、スコープ部13先端まで導光された後、照明レンズ104から観察部1へ照射される。
【0130】
励起光Leを照射されることにより生じる観察部1からの蛍光像Zjは、集光レンズ122により集光され、励起光カットフィルタ127を透過し、プリズム126で反射されれて、モザイクフィルタ141を透過して、CCD撮像素子125で受光される。CCD撮像素子125で光電変換され画像データは、CCDケーブル121を介して出力され、信号処理回路401でプロセス処理を施され、A/D変換回路402でデジタル化され、画像メモリ441へ保存される。なお、この際には、モザイクフィルタ141の光学フィルタ142aを透過した蛍光像の画像データは、画像メモリ441の蛍光画像データ(730)の記憶領域に保存され、光学フィルタ142bを透過した蛍光像の画像データは、画像メモリ441の蛍光画像データ(650)の記憶領域に保存される。ほぼ同様の動作により、参照光源204から射出された参照光Lsの反射光からなる反射光像Zsは、CCD撮像素子125で受光される。CCD撮像素子125で光電変換された画像データは、信号処理回路401でプロセス処理を施され、A/D変換回路402でデジタル化され、画像メモリ441へ保存される。この際、モザイクフィルタ141の光学フィルタ142cを透過した蛍光像の画像データのみが、画像メモリ441のIR反射画像データの記憶領域に保存される。
【0131】
画像メモリ441へ、上記の蛍光画像データ(730)およびIR反射画像データが記憶されると、蛍光演算値算出部442では、隣合う画素毎に、画像メモリ441に記憶された蛍光画像データ(730)の画素値をIR反射画像データの画素値により除算して蛍光収率演算値(730)を算出する。第1蛍光診断画像生成部443では、この蛍光収率演算値(730)に基づいて色情報を割り当て、またIR反射画像データの画素値に基づいて、輝度情報を割り当て、色情報および輝度情報を合成して第1蛍光診断画像データ87’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する。ビデオ信号処理回路406では、第1蛍光診断画像データ87’をビデオ信号に変換し、モニタ5に出力する。モニタ5には、疑似カラー画像である第1蛍光診断画像87が表示される。
【0132】
なお、第1蛍光診断画像87は、蛍光収率演算値(730)に応じて表示色が変化し、IR反射画像データの画素値に応じて輝度が変化する疑似カラーで表示されている。例えば蛍光収率演算値が大きい方から小さい方へ、順次緑色から赤色へ変化するように色情報を割り当てることにより、観察者は、蛍光収率演算値(730)が小さい蛍光が発せられる組織、すなわち清浄な病変組織あるいは非清浄組織を容易に認識することができる。また、IR反射画像データの信号強度に応じて輝度が異なるため、観察部の凹凸や、距離感を備えた第1蛍光診断画像87を表示することができる。
【0133】
観察者は、この第1蛍光診断画像87を観察しながら、スコープ部14を移動させる。第1蛍光診断画像87に赤色で表示される部分が表れ、この赤色で表示される部位が、清浄な病変組織であるか、あるいは非清浄組織であるかが判断できない場合には、観察者は入力装置601を介して第2蛍光診断モードに切り換える。
【0134】
第2蛍光診断モードが選択されると、第1蛍光診断モードと同様の動作により、画像メモリ441へ、蛍光画像データ(730)、蛍光画像データ(630)およびIR反射画像データが記憶される。
【0135】
第1蛍光演算値算出部443では、隣合う画素毎に、蛍光収率演算値(730)を算出し、第2蛍光演算値算出部444では、隣合う画素毎に、画像メモリ441に記憶された蛍光画像データ(650)の画素値をIR反射画像データの画素値により除算して蛍光収率演算値(650)を算出する。第2蛍光診断画像生成部446では、各画素毎に、蛍光収率演算値(730)の値をF5、蛍光収率演算値(650)の値をF6として、次式より妨害因子判定値B5を算出する。
【0136】
B5=(F5−F6)/F5
なお、記憶部445には、予め複数の清浄な既知病変組織から取得した妨害因子判定値B5の平均値であるB5Aおよび妨害因子判定値B5の標準偏差であるB5Sが、基準値として記憶されている。
【0137】
蛍光診断画像生成部446では、算出した妨害因子判定値B5が、次式を満たす場合には、妨害因子判定値B5と対応する被測定部2は非清浄組織であると判定し、次式を満たさない場合には、清浄組織であると判定する。
【0138】
B5≧B5A+B5S
この判定結果に基づいて、非清浄組織であると判定された画素にマゼンダを割り当てた、妨害因子判定画像データを生成する。
【0139】
次に、第1蛍光診断モードと同様に、第1蛍光診断画像データ87’を生成し、上記の妨害因子判定画像データを第1蛍光診断画像データ87’に重畳して第2蛍光診断画像データ88’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する。ビデオ信号処理回路406では、第2蛍光診断画像データ88’をビデオ信号に変換し、モニタ5に出力する。モニタ5には、非清浄組織には、マゼンダが重畳された疑似カラー画像が表示される。観察者は、第2蛍光診断画像88を観察すれば、容易にマゼンダが重畳された非清浄組織を識別することができる。
【0140】
以上の説明で明かなように、本実施の形態における蛍光内視鏡装置においては、430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光の強度を反射光の強度で除算した蛍光収率演算値(730)と、430nm〜650nmの第2の波長帯域の蛍光の強度を反射光の強度で除算した蛍光収率演算値(650)との差に基づいた第2蛍光診断画像88をモニタ5に表示したので、観察者はこの第2蛍光診断画像88に基づいて、被測定部2が非清浄組織であるか清浄組織であるかを識別することができる。
【0141】
また、第2蛍光診断画像88において、清浄組織であると識別された被測定部2に関しても、緑色に表示される被測定部2は清浄な正常組織であり、赤色に表示される被測定部2は清浄な病変組織であると識別できる。
【0142】
次に、図7および図11を用いて、本発明による第5の蛍光診断情報生成装置を適用した第6の具体的な実施の形態である蛍光内視鏡装置について説明する。第6の実施例形態である蛍光内視鏡装置の概略構成は、図7に示す第4の実施形態である内視鏡装置とほぼ同様であるため、図7に番号のみを示す。図11は本蛍光内視鏡装置に搭載される切換フィルタの模式図である。
【0143】
本蛍光内視鏡装置は、スコープ部13に内蔵されたイメージファイバ103を用いて蛍光像を伝送し、プロセッサ部73に内蔵されたCCD撮像素子306で蛍光画像データを取得する蛍光内視鏡であり、波長410nmの励起光Leが照射された観察部1から発せられた蛍光から波長480nm近傍の蛍光画像データ(以下蛍光画像データ(480)と記載)と、波長帯域430nm〜730nmの蛍光画像データである蛍光画像データ(730)とを取得し、近赤外光である参照光Lsを照射された観察部1の反射光からIR反射画像データを取得し、対応する画素毎に蛍光画像データ(480)の画素値を蛍光画像データ(730)の画素値で除算した規格化蛍光演算値(以下規格化蛍光演算値(730)と記載)を求め、該規格化蛍光演算値(730)に基づいて色情報を作成し、IR反射画像データの画素値に基づいて輝度情報を作成し、両画像情報を合成した蛍光診断画像89をモニタ5上に表示する第1蛍光診断モード、あるいは蛍光画像データ(480)と、波長410nmの励起光Leが照射された観察部1から発せられた蛍光から波長帯域430nm〜650nmの蛍光画像データである蛍光画像データ(650)と、IR反射画像データとを取得し、対応する画素毎に蛍光画像データ(480)の画素値を蛍光画像データ(650)の画素値で除算した規格化蛍光演算値(以下規格化蛍光演算値(650)と記載)を求め、該規格化蛍光演算値(650)に基づいて色情報を作成し、IR反射画像データの画素値に基づいて輝度情報を作成し、両画像情報を合成した第2蛍光診断画像90をモニタ5上に表示する第2蛍光診断モードにより動作するものである。2つのモードの切り替えは、入力部601からの入力操作により行われる。
【0144】
本発明の第6の実施の形態にかかる蛍光内視鏡装置は、患者の病巣と疑われる部位に挿入されるスコープ部13と、照明ユニット23と、蛍光像ZjおよびIR反射光像ZsをCCD撮像素子306で撮像する撮像ユニット35と、第1蛍光診断モードにおいては、規格化蛍光演算値(730)に基づいた色情報と、IR反射画像データの画素値に基づいた輝度情報を作成し、両情報から第1蛍光診断画像データ89を生成してビデオ信号に変換して出力し、第2蛍光診断モードにおいては、規格化蛍光演算値(650)に基づいた色情報と、IR反射画像データの画素値に基づいた輝度情報を作成し、両情報から第2蛍光診断画像データ90を生成してビデオ信号に変換して出力する蛍光画像処理ユニット45と、各ユニットに接続され動作タイミングの制御を行うコントローラ65と、蛍光画像処理ユニット45から出力された第1蛍光診断画像データ89または第2蛍光診断画像データ90を可視画像として表示するモニタ5とから構成されている。
【0145】
なお、コントローラ65には入力部601が接続されている。また、照明ユニット23、撮像ユニット35、蛍光画像処理ユニット45およびコントローラ65はプロセッサ部75を構成し、スコープ部13とプロセッサ部75およびプロセッサ部75とモニタ5は、それぞれ図示省略したコネクタにより、接離自在に接続されている。
【0146】
撮像ユニット35は、励起光カットフィルタ301と、4種類の光学フィルタが組み合わされた切換フィルタ351と、該切換フィルタ351を回転させるフィルタ回転装置353と、CCD撮像素子306とが備えられている。
【0147】
切換フィルタ351は、図11に示すように、430nm〜730nmの波長帯域の光を透過させる光学フィルタ352aと、430nm〜650nmの波長帯域を透過させる光学フィルタ352bと、全波長帯域に光を透過させるフィルタ352cと、波長480nm近傍の光を透過させる光学フィルタ352dとから構成されている。光学フィルタ352aは、蛍光画像データ(730)取得用の光学フィルタであり、光学フィルタ352bは蛍光画像データ(650)取得用の光学フィルタであり、光学フィルタ352cは、IR反射画像データ取得用の光学フィルタであり、光学フィルタ352dは画像データ(480)取得用の光学フィルタである。
【0148】
この切換フィルタ352は、第1蛍光診断モードにおいては、励起光Leが照射されている場合には、光路上に光学フィルタ352aと光学フィルタ352dが交互に配置され、参照光Lsが照射されている場合には、光路上に光学フィルタ352cが配置され、また第2蛍光診断モードにおいては、励起光Leが照射されている場合には、光路上に光学フィルタ352bおよび光学フィルタ352dが交互に配置され、参照光Lsが照射されている場合には、光路上に光学フィルタ352cが配置されるようにフィルタ回転装置353を介してコントローラ65に制御されている。
【0149】
蛍光画像処理ユニット45は、信号処理回路401、A/D変換回路402、蛍光画像データ(730)と、蛍光画像データ(650)と、IR反射画像データと、蛍光画像データ(480)とを異なる記憶領域に保存する画像メモリ451と、第1蛍光診断モードにおいて、対応する画素毎に、画像メモリ431に記憶された蛍光画像データ(480)の画素値を、蛍光画像データ(730)の画素値で除算して、規格化蛍光演算値(730)を算出する第1蛍光演算値算出部452と、規格化蛍光演算値(730)に基づいて色情報を割り当て、IR反射画像データの画素値に基づいて輝度情報を割り当て、色情報および輝度情報を合成して第1蛍光診断画像データ89’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する第1蛍光診断画像生成部453と、第2蛍光診断モードにおいて、対応する画素毎に、画像メモリ431に記憶された蛍光画像データ(480)の画素値を蛍光画像データ(650)の画素値で除算して、規格化蛍光演算値(650)を算出する第2蛍光演算値算出部454と、規格化蛍光演算値(650)に基づいて色情報を割り当て、IR反射画像データの画素値に基づいて輝度情報を割り当て、色情報および輝度情報を合成して第2蛍光診断画像データ90’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する第2蛍光診断画像生成部455と、ビデオ信号処理回路406とを備えている。コントローラ65は、各ユニットに接続され、動作タイミングを制御している。
【0150】
なお、本実施の形態においては、光学フィルタ352aおよびCCD撮像素子306は、本発明の第1の蛍光強度検出手段として機能し、光学フィルタ352bおよびCCD撮像素子306は、第2の蛍光強度検出手段として機能する。また、第1蛍光診断画像データ89’は本発明の第1の蛍光診断情報であり、第2蛍光診断画像データ90’は第2の蛍光診断情報である。第1蛍光診断画像生成部453および第2蛍光診断画像生成部455は本発明の診断情報生成手段として機能するものである。
【0151】
以下、本発明による蛍光内視鏡装置の動作について説明する。まず第1蛍光診断モードが選択された際の動作について説明する。蛍光像Zjの撮像とIR反射光像Zsの撮像とが時分割で行われる。各像を時分割で撮像するために、照明ユニット23からは、励起光Leおよび参照光Lsが順次射出される。
【0152】
蛍光像の撮像に際して、まず、第4の実施形態における動作とほぼ同様の動作により、蛍光画像データ(730)が、画像メモリ451に保存される。次に、励起光Leを照射することにより生じる観察部1からの蛍光像Zjは、切換フィルタ351の光学フィルタ352dを透過して、光学レンズ305で集光され、CCD撮像素子306で受光され、光電変換された後、信号処理回路401でプロセス処理を施され、蛍光画像データ(480)として出力され、A/D変換回路402でデジタル化され、画像メモリ451の狭蛍光画像データの記憶領域に保存される。また、第4の実施形態における動作とほぼ同様の動作により、IR反射画像データも画像メモリ451に記憶される。
【0153】
画像メモリ451へ、上記の蛍光画像データ(730)、蛍光画像データ(480)、IR反射画像データが記憶されると、蛍光演算値算出部452では、画素毎に、蛍光画像データ(480)の画素値を、蛍光画像データ(730)の画素値で除算して、規格化蛍光演算値(730)を算出する。第1蛍光診断画像生成部453では、この規格化蛍光演算値(730)に基づいて色情報を割り当てる。またIR反射画像データの画素値に基づいて、輝度情報を割り当て、色情報および輝度情報を合成して第1蛍光診断画像データ85’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する。ビデオ信号処理回路406では、第1蛍光診断画像データ89’をビデオ信号に変換し、モニタ5に出力する。モニタ5には、疑似カラー画像である第1蛍光診断画像89が表示される。
【0154】
なお、第1蛍光診断画像89は、規格化蛍光演算値(730)に応じて表示色が変化し、IR反射画像データの画素値に応じて輝度が変化する疑似カラーで表示されている。通常、清浄な正常組織から発せられた蛍光の規格化蛍光演算値は大きく、清浄な病変組織から発せられた蛍光の規格化蛍光演算値は小さいので、表示色の差異が明らかになるような疑似カラーを設定することにより、例えば規格化蛍光演算値が大きい方から小さい方へ、順次緑色から赤色へ変化するように色情報を割り当てることにより、観察者は、規格化蛍光演算値(730)が小さい蛍光が発せられる組織、すなわち清浄な病変組織あるいは非清浄組織を容易に認識することができる。また、IR反射画像データの信号強度に応じて輝度が異なるため、観察部の凹凸や、距離感を備えた第1蛍光診断画像89を表示することができる。
【0155】
観察者は、この第1蛍光診断画像89を観察しながら、スコープ部13を移動させる。第1蛍光診断画像89に赤色で表示される部分が表れ、この赤色で表示される部位が、清浄な病変組織であるか、あるいは非清浄組織であるかが判断できない場合には、観察者は入力装置601を介して第2蛍光診断モードに切り換える。
【0156】
第2蛍光診断モードが選択されると、第1蛍光診断モードと同様に、蛍光像Zjの撮像とIR反射光像Zsの撮像とが時分割で行われる。第1の蛍光診断モードとほぼ同様の動作により、光学フィルタ352bを透過した蛍光から蛍光画像データ(650)が取得され、画像メモリ451に記憶される。さらに、蛍光画像データ(480)および、IR反射画像データも画像メモリ451に記憶される。
【0157】
次に、第2蛍光演算値算出部454において、画素毎に、蛍光画像データ(480)の画素値を、蛍光画像データ(650)の画素値で除算して、規格化蛍光演算値(650)を算出し、第2蛍光診断画像生成部455において、規格化蛍光演算値(650)に基づいて色情報を割り当て、またIR反射画像データの画素値に基づいて、輝度情報を割り当て、色情報および輝度情報を合成して第2光診断画像データ90’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する。ビデオ信号処理回路406では、第1蛍光診断画像データ90’をビデオ信号に変換し、モニタ5に出力する。モニタ5には、疑似カラー画像である第2蛍光診断画像90が表示される。なお、第2蛍光診断画像90も、第1蛍光診断画像89と同様に、規格化蛍光演算値(650)に応じて表示色が変化し、IR反射画像データの画素値に応じて輝度が変化する疑似カラーで表示されている。
【0158】
清浄な正常組織および清浄な病変組織から発せられた蛍光においては、430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光強度を検出した場合と、430nm〜650nmの第2の波長帯域の蛍光強度を検出した場合とでは、その検出値に大きな差が生じることはなく、第1蛍光診断画像89と、第2蛍光診断画像90を比べた場合に、その表示色には大きな差が生じることはない。
【0159】
一方、非清浄組織から発せられた蛍光は、650nmより長波長側に光強度のピークを有しているため、430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光強度に比べ、430nm〜650nmの波長帯域の蛍光強度は小さくなる。このため、非清浄組織から発せられた蛍光から取得した規格化蛍光演算値(650)は、規格化蛍光演算値(730)に比べて大きくなる。すなわち、規格化蛍光演算値にあきらかな差が生じるので、第1蛍光診断画像89における表示色に比べ、第2蛍光診断画像90における表示色が緑色に近くなった被測定部2は、非清浄組織であると識別できる。
【0160】
また、第1蛍光診断画像89における表示色と第2蛍光診断画像90における表示色にほとんど差がない被測定部2は、清浄な組織であると識別できる。さらに、この表示色にほとんど差がない部位に関しては、第1蛍光診断画像89または第2蛍光診断画像90において、表示色が緑色に近い被測定部2は清浄な正常組織であり、表示色が赤色に近い被測定部2は、清浄な病変組織であると識別できる。
【0161】
以上の説明で明らかなように、本実施の形態においては、480nm近傍の第3の波長帯域の蛍光の強度を、430nm〜730nmの波長帯域の蛍光の強度で除算したの規格化蛍光演算値(730)に基づいた第1蛍光診断画像89と、第3の波長帯域の蛍光の強度を、430nm〜650nmの波長帯域の蛍光の強度で除算した第2規格化蛍光演算値(650)に基づいた第2蛍光診断画像90とを、表示するので、観察者はこれらの2種類の蛍光診断画像を比較して、第1蛍光診断画像と第2蛍光診断画像との間にあきらかな差が生じているか否かを知ることにより、その被測定部が非清浄組織であるか、あるいは清浄組織であるかを識別することができ、組織性状の識別精度を向上させることができる。
【0162】
なお、上記第1、第4および第6の各実施の形態においては、第1蛍光診断画像と、第2蛍光診断画像を切り換えてモニタ5に表示したが、これに限定されるものではなく、例えば第2蛍光診断モードにおいては、モニタ5の画面を分割し、一方には第1蛍光診断画像を表示し、他方には第2蛍光診断画像を表示させてもよい。また、このように2画像を同時に表示する場合には、一方の画像を静止画像とし、他方の画像を動画画像としてもよい。また上記静止画像としては、観察者の所望の画像を選択して表示してもよい。さらに、1画像のみをモニタ5に表示する場合には、モニタ5の全面を用いて、その画像を表示するものであってもよいし、一部を用いて表示するものであってもよい。また、第2蛍光診断画像のみを表示してもよい。また、上記第2蛍光診断画像としては、各実施の形態における第1蛍光診断画像に第2蛍光診断画像を重畳したものを表示してもよい。
【0163】
次に、図9および図12を用いて、本発明による第6の蛍光診断情報生成装置を適用した第7の具体的な実施の形態である蛍光内視鏡装置について説明する。第7の実施例形態である蛍光内視鏡装置の概略構成は、図9に示す第4の実施形態である内視鏡装置とほぼ同様であるため、図9に番号のみを示す。図12は本蛍光内視鏡装置に搭載されるモザイクフィルタの模式図である。
【0164】
この蛍光内視鏡装置は、スコープ部16に内蔵されたCCD撮像素子125を用いて蛍光像を取得する蛍光内視鏡装置であり、規格化蛍光演算値(730)に基づいて色情報を作成し、IR反射画像データの画素値に基づいて輝度情報を作成し、両画像情報を合成した第1蛍光診断画像92をモニタ5上に表示する第1蛍光診断モード、あるいは規格化蛍光演算値(730)と規格化蛍光演算値(650)との差に基づいて色情報を作成し、IR反射画像データの画素値に基づいて輝度情報を作成し、両画像情報を合成した第2蛍光診断画像93をモニタ5上に表示する第2蛍光診断モードにより動作するものである。2つのモードの切り替えは、入力部601からの入力操作により行われる。
【0165】
本発明の第7の実施の形態にかかる蛍光内視鏡装置は、患者の病巣と疑われる部位に挿入されるスコープ部16と、照明ユニット23と、蛍光診断画像データを生成してビデオ信号に変換して出力する蛍光画像処理ユニット46と、各ユニットに接続され動作タイミングの制御を行うコントローラ66と、モニタ5とから構成されている。コントローラ66には入力部601が接続されている。
【0166】
なお照明ユニット23、蛍光画像処理ユニット46およびコントローラ66はプロセッサ部76を構成し、スコープ部16とプロセッサ部76およびプロセッサ部76とモニタ5は、それぞれ図示省略したコネクタにより、接離自在に接続されている。
【0167】
スコープ部16は、ライトガイド131およびCCDケーブル121を備え、CCDケーブル121の先端部には、微少な光学フィルタがモザイク状に組み合わされたモザイクフィルタ161がオンチップされたCCD撮像素子125が接続されている。
【0168】
モザイクフィルタ161は、図12に示すように、430nm〜730nmの波長帯域の光を透過させるバンドパスフィルタである微少な光学フィルタ162aと、430nm〜650nmの波長帯域の光を透過させるバンドパスフィルタである微少な光学フィルタ162bと、全波長帯域を透過させる光学フィルタ162cと、波長480nm近傍の光を透過させる光学フィルタ162dとが組み合わされ、各光学フィルタはCCD撮像素子125の画素に一対一で対応している。
【0169】
蛍光画像処理ユニット46は、信号処理回路401、該信号処理回路401で得られた画像データをデジタル化するA/D変換回路402、蛍光画像データ(730)と、蛍光画像データ(650)と、蛍光画像データ(480)と、IR反射画像データとを保存する画像メモリ461と、第1蛍光診断モードにおいて、隣合う画素毎に、画像メモリ461に記憶された蛍光画像データ(480)の画素値を蛍光画像データ(730)の画素値で除算して、規格化蛍光演算値(730)を算出する第1蛍光演算値算出部462と、規格化蛍光演算値(730)に基づいて色情報を割り当て、IR反射画像データの画素値に基づいて輝度情報を割り当て、色情報および輝度情報を合成して第1蛍光診断画像データ92’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する第1蛍光診断画像生成部463と、第2蛍光診断モードにおいて、隣合う画素毎に、画像メモリ461に記憶された狭帯域画像の画素値を蛍光画像データ(650)の画素値で除算して、規格化蛍光演算値(650)を算出する第2蛍光演算値算出部444と、予め複数の清浄な生体組織から取得された基準値を記憶する記憶部465、該記憶部465に記憶された基準値と、規格化蛍光演算値(730)と規格化蛍光演算値(650)の差に基づいて色情報を割り当て、IR反射画像データの画素値に基づいて輝度情報を割り当て、色情報および輝度情報を合成して第2蛍光診断画像データ93’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する第2蛍光診断画像生成部446と、ビデオ信号処理回路406とを備えている。コントローラ66は、各ユニットに接続され、動作タイミングを制御している。
【0170】
なお、本実施の形態においては、光学フィルタ162aおよびCCD撮像素子125は、本発明の第1の蛍光強度検出手段として機能し、光学フィルタ162bおよびCCD撮像素子125は、第2の蛍光強度検出手段として機能する。また、第2蛍光診断画像データ93’は本発明の差分蛍光診断情報であり、第2蛍光診断画像生成部466は、本発明の診断情報生成手段として機能するものである。
【0171】
以下、本発明による蛍光内視鏡装置の動作について説明する。まず第1蛍光診断モードが選択された際の動作について説明する。蛍光像Zjの撮像とIR反射光像Zsの撮像とが時分割で行われる。各像を時分割で撮像するために、照明ユニット23からは、励起光Leおよび参照光Lsが順次射出される。
【0172】
蛍光像の撮像に際して、コントローラ66からの信号に基づき、励起光Leが射出され、ライトガイド132aに入射され、スコープ部16先端まで導光された後、照明レンズ104から観察部1へ照射される。
【0173】
励起光Leを照射されることにより生じる観察部1からの蛍光像Zjは、集光レンズ122により集光され、励起光カットフィルタ127を透過し、プリズム126で反射されれて、モザイクフィルタ161を透過して、CCD撮像素子125で受光される。CCD撮像素子125で光電変換され画像データは、CCDケーブル121を介して出力され、信号処理回路401でプロセス処理を施され、A/D変換回路402でデジタル化され、画像メモリ461へ保存される。なお、この際には、モザイクフィルタ141の光学フィルタ162aを透過した蛍光像の画像データが、画像メモリ441へ蛍光画像データ(730)として記憶され、光学フィルタ162dを透過した蛍光像の画像データが蛍光画像データ(480)として記憶される。ほぼ同様の動作により、参照光源204から射出された参照光Lsの反射光からなる反射光像Zsは、CCD撮像素子125で受光される。CCD撮像素子125で光電変換された画像データは、信号処理回路401でプロセス処理を施され、A/D変換回路402でデジタル化され、画像メモリ461へ保存される。この際、モザイクフィルタ141の光学フィルタ142cを透過した蛍光像の画像データが、画像メモリ441へIR反射画像データとして記憶される。
【0174】
画像メモリ461へ、上記の蛍光画像データ(730)、蛍光画像データ(480)およびIR反射画像データが記憶されると、蛍光演算値算出部462では、隣合う画素毎に、画像メモリ461に記憶された蛍光画像データ(480)の画素値を蛍光画像データ(730)の画素値で除算して規格化蛍光演算値(730)を算出する。第1蛍光診断画像生成部463では、この規格化蛍光演算値(730)に基づいて色情報を割り当て、またIR反射画像データの画素値に基づいて、輝度情報を割り当て、色情報および輝度情報を合成して第1蛍光診断画像データ92’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する。ビデオ信号処理回路406では、第1蛍光診断画像データ92’をビデオ信号に変換し、モニタ5に出力する。モニタ5には、疑似カラー画像である第1蛍光診断画像92が表示される。
【0175】
なお、第1蛍光診断画像92は、規格化蛍光演算値(730)に応じて表示色が変化し、IR反射画像データの画素値に応じて輝度が変化する疑似カラーで表示されている。例えば規格化蛍光演算値が大きい方から小さい方へ、順次緑色から赤色へ変化するように色情報を割り当てることにより、観察者は、規格化蛍光演算値(730)が小さい蛍光が発せられる組織、すなわち清浄な病変組織あるいは非清浄組織を容易に認識することができる。また、IR反射画像データの信号強度に応じて輝度が異なるため、観察部の凹凸や、距離感を備えた第1蛍光診断画像92を表示することができる。
【0176】
観察者は、この第1蛍光診断画像92を観察しながら、スコープ部16を移動させる。第1蛍光診断画像92に赤色で表示される部分が表れ、この赤色で表示される部位が、清浄な病変組織であるか、あるいは非清浄組織であるかが判断できない場合には、観察者は入力装置601を介して第2蛍光診断モードに切り換える。
【0177】
第2蛍光診断モードが選択されると、第1蛍光診断モードと同様に、蛍光像Zjの撮像とIR反射光像Zsの撮像とが時分割で行われる。各像を時分割で撮像するために、照明ユニット23からは、励起光Leおよび参照光Lsが順次射出される。
【0178】
励起光Leを照射されることにより生じる観察部1からの蛍光像Zjは、CCD撮像素子125で受光される。CCD撮像素子125で光電変換され画像データは、CCDケーブル121を介して出力され、信号処理回路401でプロセス処理を施され、A/D変換回路402でデジタル化され、画像メモリ461へ保存される。なお、この際には、モザイクフィルタ161の光学フィルタ162aを透過した蛍光像の画像データは、画像メモリ461へ蛍光画像データ(730)として記憶され、光学フィルタ162bを透過した蛍光像の画像データは、蛍光画像データ(650)として記憶され、光学フィルタ162dを透過した蛍光像の画像データは、蛍光画像データ(480)として記憶される。また、IR反射画像データも、画像メモリ461へ記憶される。
【0179】
画像メモリ461へ、蛍光画像データ(730)、蛍光画像データ(630)、蛍光画像データ(480)およびIR反射画像データが記憶されると、蛍光演算値算出部461では、隣合う画素毎に、規格化蛍光演算値(730)を算出し、蛍光演算値算出部444では、隣合う画素毎に、画像メモリ461に記憶された蛍光画像データ(480)の画素値を蛍光画像データ(650)の画素値で除算して規格化蛍光演算値(650)を算出する。第2蛍光診断画像生成部466では、各画素毎に、規格化蛍光演算値(730)の値をF7、規格化蛍光演算値(650)の値をF8として、次式より妨害因子判定値B6を算出する。
【0180】
B6=(F8−F7)/F7
なお、記憶部465は、予め複数の清浄な既知病変組織から取得した妨害因子判定値B6の平均値であるB6Aおよび妨害因子判定値B6の標準偏差であるB6Sが、基準値として記憶されている。
【0181】
蛍光診断画像生成部464では、算出した妨害因子判定値B6が、次式を満たす場合には、妨害因子判定値B6と対応する被測定部2は非清浄組織であると判定し、次式を満たさない場合には、清浄組織であると判定する。
【0182】
B6≧B6A+B6S
この判定結果に基づいて、非清浄組織であると判定された画素にマゼンダを割り当てた、妨害因子判定画像データを生成する。
【0183】
次に、第1蛍光診断モードと同様に、第1蛍光診断画像データ92’を生成し、上記の妨害因子判定画像データを第1蛍光診断画像データ92’に重畳して第2蛍光診断画像データ93’を生成し、ビデオ信号処理回路406へ出力する。ビデオ信号処理回路406では、第2蛍光診断画像データ93’をビデオ信号に変換し、モニタ5に出力する。モニタ5には、非清浄組織には、マゼンダが重畳された疑似カラー画像が表示される。
【0184】
観察者は、第2蛍光診断画像93を観察すれば、容易にマゼンダが重畳された非清浄組織を識別することができる。
【0185】
以上の説明で明かなように、本実施の形態における蛍光内視鏡装置においては、480nm近傍の第3波長帯域の蛍光の強度を、430nm〜730nmの第1の波長帯域の蛍光の強度で除算した規格化蛍光演算値(730)と、480nm近傍の第3波長帯域の蛍光の強度を430nm〜650nmの第2の波長帯域の蛍光の強度を反射光の強度で除算した規格化蛍光演算値(650)との差に基づいた第2蛍光診断画像93をモニタ5に表示したので、観察者はこの第2蛍光診断画像93に基づいて、被測定部2が非清浄組織であるか清浄組織であるかを識別することができる。
【0186】
また、第2蛍光診断画像93において、清浄組織である被測定部2に関しても、緑色に表示される被測定部2は清浄な正常組織であり、赤色に表示される被測定部2は清浄な病変組織であると識別できる。
【0187】
上記第2、第5および第7の実施の形態においては、非清浄組織であると判定された部位を特殊な色(マゼンダ)で表示したが、表示形態はこれに限定されるものではなく、非清浄組織を、一見してそれが非清浄組織であると認識できるような態様にて表示すれば、如何なる表示形態であってもよい。具体的には、上記のように非清浄組織の表示色を他の領域の画像が取り得ない色で表示すればよい。また、例えば、蛍光診断画像が有彩色であれば、非清浄組織の表示色を無彩色としたり、逆に蛍光診断画像が無彩色であれば、非清浄組織の表示色を有彩色としてもよいし、清浄組織の表示色を背景と同一色としたり、非清浄組織の表示を透明としてもよい。さらに、蛍光診断画像に含まれる非清浄組織以外の表示を透明としてもよい。蛍光診断画像において病変組織と見なせる部分に矢印等のマーカを表示する場合があるが、このような場合には、非清浄組織には、マーカを付与しないようにしてもよい。
【0188】
上記、第2、第3、第5および第7の実施の形態においては、第2蛍光診断画像として、妨害因子判定画像を第1蛍光診断画像に重畳したものを使用したが、これに限定されるものではなく、妨害因子判定画像のみを第2蛍光診断画像として用いてもよい。
【0189】
また、上記第2、第5および第7の実施の形態においては、妨害因子判定値を用いて、被測定部2が清浄組織であるか、非清浄組織であるかを判定したが、第3の実施の形態と同様に、妨害因子影響度を算出して、この妨害因子影響度に基づいて、被測定部2が清浄組織であるか、非清浄組織であるかを判定したり、疑似カラー表示を行ってもよい。
【0190】
なお、上記第1、第2、第4および第6の実施の形態においては、イメージファイバとCCD撮像素子を用いて、観察部1から発せられる蛍光の蛍光画像を撮像したが、これに限定されるものではなく、例えば第3、第5および第7の実施の形態と同様にスコープ部の先端に設けられたCCD撮像素子を用いて蛍光画像を取得してもよい。
【0191】
また、上記第3、第5および第7の実施の形態においては、スコープ部先端に設けられたCCD撮像素子を用いて、観察部1から発せられる蛍光の蛍光画像を撮像したが、これに限定されるものではなく、例えば第1、第2、第4および第6の実施の形態と同様にイメージファイバとCCD撮像素子を用いて蛍光画像を取得してもよい。
【0192】
さらに、各実施の形態においては、観察部1の蛍光画像を取得したが、これに限定されるものではなく、例えば本出願人により出願された特開2001−137171号公報に記載されているように、被測定部2から発せられる蛍光の光強度を1本のファイバと光検出部を用いて検出してもよい。このような場合には、得られた蛍光診断情報を観察者が容易に認識できる数値あるいは判定結果等の形態で表示することが望ましい。
【0193】
また、第2、第3、第5および第7の実施の形態においては、記憶部に基準値が予め記憶されているが、各基準値は本被験者の過去の検査結果から取得されたものであってもよいし、あるいは他の少なくとも1人以上の被験者の過去の検査結果から取得されたものであってもよい。
【0194】
なお、各実施の形態においては、蛍光診断画像のみを表示する構成としたが、照明光を観察部1に照射し、通常のカラー画像を取得して表示する構成を備えたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】波長410nmの励起光が照射された被測定部から発せられた蛍光の規格化蛍光強度スペクトルの説明図
【図2】本発明による第1の具体的な実施の形態である蛍光内視鏡装置の概略構成図
【図3】切替フィルタの概略構成図
【図4】本発明による第2の具体的な実施の形態である蛍光内視鏡装置の概略構成図
【図5】本発明による第3の具体的な実施の形態である蛍光内視鏡装置の概略構成図
【図6】モザイクフィルタの概略構成図
【図7】本発明による第4および第6の具体的な実施の形態である蛍光内視鏡装置の概略構成図
【図8】切替フィルタの概略構成図
【図9】本発明による第5および第7の具体的な実施の形態である蛍光内視鏡装置の概略構成図
【図10】モザイクフィルタの概略構成図
【図11】切替フィルタの概略構成図
【図12】モザイクフィルタの概略構成図
【図13】正常組織および病変組織の蛍光から取得した蛍光の蛍光強度スペクトルを示す説明図
【符号の説明】
1        観察部
2        被測定部
5        モニタ
10,12,13,14,16  スコープ部
20,23      照明ユニット
30,33,35    撮像処理ユニット
40,41,42,43,44,45,46     蛍光画像処理ユニット
60,61,62,63,64,65,66     コントローラ
101,131     ライトガイド
103       イメージファイバ
123,141,161   モザイクフィルタ
125,306     CCD撮像素子
234,331,351   切換フィルタ
432,442,452,462 第1蛍光演算値算出部
404,422,433,443,453,463   第1蛍光診断画像生成部
434,444,454,464 第2蛍光演算値算出部
405,413,424,435,446,455,466 第2蛍光診断画像生成部

Claims (8)

  1. 励起光を被測定部へ照射する励起光照射手段と、
    前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から第1の波長帯域の蛍光の強度を検出する第1の蛍光強度検出手段と、
    前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、前記第1の波長帯域に含まれる波長帯域で、かつ前記第1の波長帯域より狭い第2の波長帯域の蛍光の強度を検出する第2の蛍光強度検出手段と、
    前記第1の波長帯域の蛍光の強度に基づいた第1の蛍光診断情報と、前記第2の波長帯域の蛍光の強度に基づいた第2の蛍光診断情報とを生成して出力する診断情報生成手段とを備えたことを特徴とする蛍光診断情報生成装置。
  2. 励起光を被測定部へ照射する励起光照射手段と、
    前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から第1の波長帯域の蛍光の強度を検出する第1の蛍光強度検出手段と、
    前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、前記第1の波長帯域に含まれる波長帯域で、かつ前記第1の波長帯域より狭い第2の波長帯域の蛍光の強度を検出する第2の蛍光強度検出手段と、
    前記第1の波長帯域の蛍光の強度と前記第2の波長帯域の蛍光の強度との差に基づいた差分蛍光診断情報を生成して出力する診断情報生成手段とを備えたことを特徴とする蛍光診断情報生成装置
  3. 励起光を被測定部へ照射する励起光照射手段と、
    参照光を前記被測定部へ照射する参照光照射手段と、
    前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、第1の波長帯域の蛍光の強度を検出する第1の蛍光強度検出手段と、
    前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、前記第1の波長帯域に含まれる波長帯域で、かつ前記第1の波長帯域より狭い第2の波長帯域の蛍光の強度を検出する第2の蛍光強度検出手段と、
    前記参照光の照射により前記被測定部から反射された反射光の強度を検出する反射光強度検出手段と、
    前記第1の波長帯域の蛍光の強度を、前記反射光の強度で除算して第1の蛍光収率演算値を算出する第1の蛍光演算値算出手段と、
    前記第2の波長帯域の蛍光の強度を、前記反射光の強度で除算して第2の蛍光収率演算値を算出する第2の蛍光演算値算出手段と、
    前記第1の蛍光収率演算値に基づいた第1の蛍光診断情報と、前記第2の蛍光収率演算値に基づいた第2の蛍光診断情報とを生成して出力する診断情報生成手段とを備えたことを特徴とする蛍光診断情報生成装置。
  4. 励起光を被測定部へ照射する励起光照射手段と、
    参照光を前記被測定部へ照射する参照光照射手段と、
    前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、第1の波長帯域の蛍光の強度を検出する第1の蛍光強度検出手段と、
    前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、前記第1の波長帯域に含まれる波長帯域で、かつ前記第1の波長帯域より狭い第2の波長帯域の蛍光の強度を検出する第2の蛍光強度検出手段と、
    前記参照光の照射により前記被測定部から反射された反射光の強度を検出する反射光強度検出手段と、
    前記第1の波長帯域の蛍光の強度を、前記反射光の強度で除算して第1の蛍光収率演算値を算出する第1の蛍光演算値算出手段と、
    前記第2の波長帯域の蛍光の強度を、前記反射光の強度で除算して第2の蛍光収率演算値を算出する第2の蛍光演算値算出手段と、
    前記第1の蛍光収率演算値と前記第2の蛍光収率演算値の差に基づいた差分蛍光診断情報を生成して出力する診断情報生成手段とを備えたことを特徴とする蛍光診断情報生成装置。
  5. 励起光を被測定部へ照射する励起光照射手段と、
    前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、第1の波長帯域の蛍光の強度を検出する第1の蛍光強度検出手段と、
    前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、前記第1の波長帯域に含まれる波長帯域で、かつ前記第1の波長帯域より狭い第2の波長帯域の蛍光の強度を検出する第2の蛍光強度検出手段と、
    前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、前記第2の波長帯域より狭い第3の波長帯域の蛍光の強度を検出する第3の蛍光強度検出手段と、
    前記第3の波長帯域の蛍光の強度を、前記第1の波長帯域の蛍光の強度で除算して第1の規格化蛍光演算値を算出する第1の蛍光演算値算出手段と、
    前記第3の波長帯域の蛍光の強度を、前記第2の波長帯域の蛍光の強度で除算して第2の規格化蛍光演算値を算出する第2の蛍光演算値算出手段と、
    前記第1の規格化蛍光演算値に基づいた第1の蛍光診断情報と、前記第2の規格化蛍光演算値に基づいた第2の蛍光診断情報とを生成して出力する診断情報生成手段とを備えたことを特徴とする蛍光診断情報生成装置。
  6. 励起光を被測定部へ照射する励起光照射手段と、
    前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、第1の波長帯域の蛍光の強度を検出する第1の蛍光強度検出手段と、
    前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、前記第1の波長帯域に含まれる波長帯域で、かつ前記第1の波長帯域より狭い第2の波長帯域の蛍光の強度を検出する第2の蛍光強度検出手段と、
    前記励起光が照射された前記被測定部から発せられた蛍光から、前記第2の波長帯域より狭い第3の波長帯域の蛍光の強度を検出する第3の蛍光強度検出手段と、
    前記第3の波長帯域の蛍光の強度を、前記第1の波長帯域の蛍光の強度で除算して第1の規格化蛍光演算値を算出する第1の蛍光演算値算出手段と、
    前記第3の波長帯域の蛍光の強度を、前記第2の波長帯域の蛍光の強度で除算して第2の規格化蛍光演算値を算出する第2の蛍光演算値算出手段と、
    前記第1の規格化蛍光演算値と前記第2の規格化蛍光演算値との差に基づいた差分蛍光診断情報を生成して出力する診断情報生成手段とを備えたことを特徴とする蛍光診断情報生成装置。
  7. 前記励起光の波長が410nm近傍であり、前記第1の波長帯域が430nm〜730nmであり、前記第2の波長帯域が430nm〜650nmであることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の蛍光診断情報生成装置。
  8. 前記蛍光診断情報生成装置の一部または全部が、生体内部に挿入される内視鏡装置の形態であることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の蛍光診断情報生成装置。
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