JP2004045189A - 色補正装置及び色補正方法 - Google Patents

色補正装置及び色補正方法 Download PDF

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Mutsuko Nichogi
二梃木 睦子
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【課題】本発明は、分光反射率、分光透過率、分光放射輝度及び分光光度等の分光色を簡易に補正する色補正装置を提供する。
【解決手段】分光色の画像データを色補正する際に、分光色を元の次元よりも低次元の色空間に変換し、低次元色空間内で色補正を行い、変換後の低次元色から適切な次元の分光色を生成するようにしたものである。
また、色補正が鮮やかさを向上する場合には、分光色の波長形状を波長幅の狭い形状に変換するようにしたものであり、分光色の画像データの色補正を簡易に行うことができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分光反射率、分光透過率、分光放射輝度及び分光光度から成る画像などの情報を補正する色補正装置及び色補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー画像を処理する手段として、スキャナ、デジタルカメラ、プリンタ及びディスプレイ等が利用されている。これらの手段間でカラー画像データを交換する手法に、スキャナ、ディジタルスチルカメラ、ディジタルムービー、マルチスペクトルカメラ又はハイパースペクトルカメラなどの画像入力手段から入力されたカラー画像データを、画像入力手段及びディスプレイ又はプリンタなどの画像出力手段に依存しない独立な色空間に変換してから、画像出力手段に出力するカラー画像データに変換するカラーマネジメント装置がある。
【0003】
このため、画像入力手段及び画像出力手段の組み合わせ毎に、色変換処理方法を決める必要がない。
【0004】
また、画像入力手段から入力されたカラー画像データを、画像入力手段及び画像出力手段だけでなく、カラー画像データに含まれる撮影時に撮影対象を照らした照明にも依存しない、独立な色空間に変換しておけば、撮影対象の撮影時の照明とは異なる照明下の画像を、画像出力手段に出力するができる。
【0005】
ここで、画像入力手段及び画像出力手段に依存しない独立な色空間としては、国際標準機関である国際照明委員会(International Commission on Illumination:CIE)が規定するXYZ三刺激値及びL均等色空間が一般的である。
【0006】
本来、色は、各波長の色の含有割合である分光放射輝度で表現される。ここで、XYZ三刺激値は、その分光放射輝度を、CIEが定めた等色関数で重み付けし、その後可視域で積分して得られる3つのスカラー量である。
【0007】
また、等色関数とは、可視波長の全域にわたり、それぞれ等しい放射パワーを持つ単色光刺激の三刺激値である。
【0008】
更に、L均等色空間は、XYZ三刺激値をCIEが定めた標準光源で正規化した3次元の色空間である。
【0009】
色は、本来400nmから700nmの可視域を、10nm毎にサンプリングしても、31次元という膨大なデータであるのに対し、これらXYZ三刺激値及びL均等色空間のように、色を3次元で表現する形式は、人間の目が3つの錐体により知覚される理由から、分光色に代わり人間が知覚する色を表現する量としてこれまで広く使われできた。
【0010】
しかし、近年の情報処理能力の向上により、XYZ三刺激値及びL均等色空間に代わり、分光的に色を扱う色補正装置が開発されるようになった。
【0011】
ここで、分光表現には、分光反射率、分光透過率、分光放射輝度及び分光光度がある。分光放射輝度は、被写体から反射又は透過される光の量を表すため、照明の情報を含んでおり、分光放射輝度から照明の分光分布を除いたものを、それぞれ分光反射率又は分光透過率という。
【0012】
更に、分光表現の中でも、分光反射率又は分光透過率を独立色空間として扱う色補正装置が広まりつつある。すなわち、画像入力手段から被写体の分光反射率又は分光透過率を推定し、これを画像とした分光反射率画像又は分光透過率画像を扱う色補正装置である。以下、分光反射率及び分光透過率に代表される分光表現の色を総称して、分光色と呼ぶ。
【0013】
分光色を扱った装置には、例えば特開平7−174631号公報記載の皮膚の測色方法及び分光反射スペクトルの推定方法及び特開平9−233490号公報記載の色シミュレーション装置がある。これらの装置では、被写体の物理的特性の解析又は様々な照明下で撮影した被写体のシミュレーションを行うために、画像入力手段より入力された画像データから、被写体の分光反射率画像を推定している。
【0014】
以下に、推定方法を簡単に述べる。まず、分光反射率を主成分分析し、31次よりも低次元なm次の基底で表現する。そして、入力画像データから基底係数m次ベクトルをニューラルネットワーク(神経回路網:Neural Network)で推定する。
【0015】
ここで、ニューラルネットワークとは、多数の入出力関係の学習からどのような入力があっても、学習が反映された出力がなされるもの、つまり、人間の脳の構造を参考にして構成された情報処理機構である。
【0016】
更に、推定されたm次ベクトルから分光反射率を算出することで、分光反射率の推定を行う。
【0017】
また、分光色の画像データを色補正する装置には、特開平7−162694号公報記載の色処理装置がある。図11は、公報記載の色補正用ディスプレイである。
【0018】
ここで、図11(a)は、分光色を表示する分光色表示枠を示し、図11(b)は、xy色度図表示枠を示し、図11(c)は、HCV表示枠を示す。また、HCVとは、Munsell表色系による色相(hue:H)、彩度(chroma:C)及び明度(value:V)である。
【0019】
色補正の手順を説明する。第1に、補正する色見本の分光色が、グラフとして図11(a)の分光色表示枠に表示される。第2に、グラフ上の曲線を、アドビ社製のイラストレーターなどの補正手段により、任意の形状に補正を行う。第3に、補正された分光色は、xy色度及びHCV信号に変換され、xy色度は、図11(b)に示したxy色度図表示枠に表示され、HCV信号は、図11(c)に示したHCV表示枠に表示される。第4に、xy色度図表示枠及びHCV表示枠の値を参照して、再度、第2の手段から第4の手段を繰り返すことで分光色の補正を行う。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来は、色編集及び色補正は、画像入力手段及び画像出力手段固有の色空間、例えば、カメラのRGB色空間、プリンタのCMYK色空間及びディスプレイのRGB色空間上で行われてきた。しかし、分光色を用いたカラーマネジメント装置の普及により、独立色空間による分光色の画像データの色編集及び色補正が要望されている。
【0021】
更に、分光反射率をある基底で表現すると、基底に波長幅の狭いデルタ関数的なものが含まれていなければ、そのような色は推定することができない。即ち、波長幅の狭い、極めて彩やかな色は推定値として得られないことになる。従って、推定された画像は、比較的彩度が低い印象の画像となってしまうという問題がある。
【0022】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、分光反射率、分光透過率、分光放射輝度及び分光光度を含む分光色の画像データを補正する色補正装置及び色補正方法を、提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、分光色の画像データを色補正する際に、分光色を元の次元よりも低次元の色空間に変換し、低次元色空間内で色補正を行い、変換後の低次元色から適切な次元の分光色を生成するようにしたものである。
【0024】
また、色補正が鮮やかさを向上する場合には、分光色の波長形状を波長幅の狭い形状に変換するようにしたものであり、分光色の画像データの色補正を簡易に行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、画像信号が入力され、前記画像信号が分光的に表現した第1の分光色に変換される分光画像推定部と、前記第1の分光色を前記第1の分光色の次元よりも低次元の色空間に変換する空間変換部と、前記低次元色空間から色補正を行う領域が抽出される変更色領域設定部と、前記抽出領域の前記低次元色空間を補正する色補正部と、前記補正された低次元色空間を第2の分光色に変換し、出力する色空間逆変換部とを含む色補正装置としたものであり、分光色を低次元の色空間に変換するため、色補正が容易であり、更に、分光色に逆変換するため、画像出力手段に容易に出力できるという作用を有する。
【0026】
請求項2に記載の発明は、抽出領域が、予め決められた値以上の色空間の画素である請求項1記載の色補正装置としたものであり、抽出領域を容易に決定し、色補正装置の処理負荷を軽減することができるという作用を有する。
【0027】
請求項3に記載の発明は、色空間逆変換部が、補正された低次元色空間に、第2の分光色を算出するための変化係数を追加し、前記変化係数を変動させ、第1の分光色に近似した分光色に変換し、出力する請求項1又は2記載の色補正装置としたものであり、低次元の色空間を高次元の分光色に変換することができるという作用を有する。
【0028】
請求項4に記載の発明は、変化係数が、分割された波長領域毎に設定され、前記分割波長領域の境界では、線形補間される係数である請求項3記載の色補正装置としたものであり、急激な変化係数の変動を抑制し、自然な色補正ができるという作用を有する。
【0029】
請求項5に記載の発明は、色空間逆変換部が、補正された低次元色空間から三刺激値を算出し、前記三刺激値に変化係数を乗算し、前記変化係数を変動させ、第2の分光色を算出し、出力する請求項1又は2記載の色補正装置としたものであり、低次元の色空間を高次元の分光色に変換することができるという作用を有する。
【0030】
請求項6に記載の発明は、低次元色空間が、色相、明度及び彩度から構成されるHLS空間である請求項1ないし5のいずれか記載の色補正装置としたものであり、色補正を容易に行うことができるという作用を有する。
【0031】
請求項7に記載の発明は、低次元色空間が、明度及び知覚色度から構成されるL空間である請求項1ないし5のいずれか記載の色補正装置としたものであり、色補正を容易に行うことができるという作用を有する。
【0032】
請求項8に記載の発明は、色補正が、抽出領域の彩度の値と、予め決められた閾値との差分を求め、前記差分に応じて、前記彩度の値に補正値を加える補正である請求項1ないし7のいずれか記載の色補正装置としてものであり、補正値を差分により変化させることで、より自然な彩度変換を行うことができるという作用を有する。
【0033】
請求項9に記載の発明は、画像信号が入力され、前記画像信号が分光的に表現した分光色に変換される分光画像推定部と、前記分光色から色補正を行う領域が抽出される変更色領域設定部と、前記抽出領域の前記分光色を補正する色補正部とを含む色補正装置としたものであり、分光色の色補正ができるという作用を有する。
【0034】
請求項10に記載の発明は、分光色の補正が、抽出領域の波長幅の縮小である請求項9記載の色補正装置としたものであり、分光色の色補正を容易に行うことができるという作用を有する。
【0035】
請求項11に記載の発明は、抽出領域が、分光色の2次差分値から極大値及び極小値を算出し、最も大きい前記極大値の両側に存在する2つの前記極小値に囲まれた波長である請求項8又は10記載の色補正装置としたものであり、色補正する領域が容易に抽出できるという作用を有する。
【0036】
請求項12に記載の発明は、画像信号が入力され、前記画像信号が分光的に表現した第1の分光色に変換される第1のステップと、前記第1の分光色を前記第1の分光色の次元よりも低次元の色空間に変換する第2のステップと、予め決められた値以上の色空間の画素が、前記低次元色空間から色補正を行う領域として抽出される第3のステップと、前記抽出領域の前記低次元色空間を補正する第4のステップと前記補正された低次元色空間を第2の分光色に変換し、出力する第5のステップとを含む色補正方法としたものであり、分光色を低次元の色空間に変換するため、色補正が容易であり、更に、分光色に逆変換するため、画像出力手段に容易に出力できるという作用を有する。
【0037】
請求項13に記載の発明は、第5のステップが、分割された波長領域毎に設定され、前記分割波長領域の境界では、前記変化係数を線形補間される変化係数を、補正された低次元色空間に加えた第3の分光色に変換し、前記変化係数を変動させ、第1の分光色に近似した第2の分光色に変換し、出力する請求項12記載の色補正方法としたものであり、急激な変化係数の変動を抑制し、自然な色補正ができ、更に、低次元の色空間を高次元の分光色に変換することができるという作用を有する。
【0038】
請求項14に記載の発明は、第5のステップが、補正された低次元色空間を、三刺激値に変換し、前記三刺激値から算出される第2の分光色を出力する請求項12記載の色補正方法としたものであり、低次元の色空間を高次元の分光色に変換することができるという作用を有する。
【0039】
請求項15に記載の発明は、低次元色空間が、色相、明度及び彩度から構成されるHLS空間である請求項12ないし14のいずれか記載の色補正方法としたものであり、色補正を容易に行うことができるという作用を有する。
【0040】
請求項16に記載の発明は、低次元色空間が、明度及び知覚色度から構成されるL空間である請求項12ないし14のいずれか記載の色補正方法としたものであり、色補正を容易に行うことができるという作用を有する。
【0041】
請求項17に記載の発明は、画像信号が入力され、前記画像信号が分光的に表現した分光色に変換される第1のステップと、前記分光色の2次差分値から算出される極大値の両側に存在する2つの極小値に囲まれた波長が、前記分光色から色補正を行う領域として抽出される第2のステップと、前記抽出領域の波長幅の短縮により、前記抽出領域の前記分光色を補正する第3のステップとを含む色補正方法としたものであり、分光色の色補正ができるという作用を有する。
【0042】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0043】
(実施の形態1)
第1の実施の形態では、入力画像データから推定して得られた分光色に対し、好ましい色補正を施してから出力する色補正装置を開示する。
【0044】
第1の実施の形態は、入力された画像から分光色の画像データを推定し、得られた分光色の画像データに対し、自動的に彩度を向上させる色補正を施すものである。
【0045】
また、入力画像データから分光色を完全に推定できた場合においても、人間が好ましいと感じる画像は、彩度が強調されたものである場合が多いため、本実施の形態で開示する色補正を適用することができる。
【0046】
図1は、本発明第1の実施の形態による分光色の色補正装置の構成を示す図である。
【0047】
ここで、101は、入力画像データから分光色の画像データを推定する分光画像推定部を示し、102は、分光色の画像データの各画素値をHLS空間に変換するHLS空間変換部を示し、103は、HLS空間に変換されたHLS画像において彩度が、予め決められた閾値よりも高い領域を変更すべき色として設定するHLS空間変更色領域設定部を示し、104は、HLS画像の変更色領域における彩度の値を高くする色補正を行うHLS色補正部を示し、105は、色補正後のHLS画像の各画素を元の分光空間に逆変換するHLS分光空間逆変換部を示す。
【0048】
本実施の形態では、分光色の画像データとして、各画素値が分光反射率である場合を取り扱う。その他の分光色の画像データとして、各画素値が分光放射輝度、分光光度又は分光透過率であった場合にも、本発明の実施の形態を適用することができる。
【0049】
以下に、本発明第1の実施の形態による色補正装置について、その動作を説明する。
【0050】
分光画像推定部101では、入力された画像データから分光色の画像データを推定する。HLS空間変換部102は、分光色の画像データにおける各画素の可視領域のサンプリング次元数を(数1)、(数2)及び(数3)を用いて、より低いサンプリング次元数のHLS空間に変換する。
【0051】
【数1】
Figure 2004045189
【0052】
【数2】
Figure 2004045189
【0053】
【数3】
Figure 2004045189
【0054】
ここで、(数1)において、r(λ)は、分光色の画像データによる各画素の値である分光反射率に、指定照明を乗算して得られる分光放射輝度である。また、指定照明とは、撮影対象を照らしている照明の分光放射輝度であり、既知、センサにより計測又は推定方法により推定されているものとする。
【0055】
更に、S(λ)は、CIEにより定められた色温度6500Kの標準光源であるD65照明の分光分布を示し、x(λ)、y(λ)及びz(λ)は、CIEで規定されている視角が2度である2度視野等色関数を示し、X、Y及びZは、分光放射輝度から計算される三刺激値である。
【0056】
次に、(数2)において、L、a及びbは、CIEにより定められた(L)表示系であり、Lは、明度を示し、a及びbは、知覚色度を示し、Xn、Yn及びZnは、照明に使用する標準光源の三刺激値である。
【0057】
更に、(数3)において、H、L及びSは、それぞれ求めるべき色相(hue:H)、明度(lightness:L)及び彩度(saturation:S)を示す。
【0058】
HLS空間変更色領域設定部103は、HLS画像において、予め決められた閾値Cthre以上の彩度を持つ画素を変更色領域として設定し出力する。
【0059】
HLS色補正部104は、変更色領域の画素の彩度に対し、彩度を補正する補正値であるΔCを加算して、彩度変更を行う。このとき、画素の彩度が、Cthreに近いときは、ΔCの値を0にし、Cthreより大きい場合は、ΔCの値を大きくすることで、より自然な彩度変換を行うことができる。
【0060】
HLS分光空間逆変換部105は、HLS色補正部104から出力された彩度変更が行われたHLS画像を、分光空間に逆変換し、出力画像データとして出力する。
【0061】
HLS空間から分光空間への逆変換のアルゴリズムは複数存在する。これらすべてをシステムに組み込んでおいて、選択してもらってもよいし、いずれか1種類のアルゴリズムが動作するようにしておいてもよい。
【0062】
まず、第1の逆変換方法は、色補正後のHLS画像から得られる分光色が、色補正前の分光色の分布に、最も近いものを選択する方法である。色補正前の分光色と、色補正後のHLS画像から得られる分光色との距離の近さを拘束条件として、(数4)を最小化する分光色を選択すればよい。
【0063】
【数4】
Figure 2004045189
【0064】
ここで、s(λ)は、色補正前の分光色であり、s(λ)は、出力する色補正後分光色であり、(Htarget、Ltarget、Starget)は、色補正後のHLS値であり、(Ha、La、Sa)は、初期値設定したs(λ)から算出されるHLS値であり、αはスカラー係数であり、予め決めておく。
【0065】
更に、(数4)に求めるべき分光色の形状は滑らかであるという拘束条件を加えてもよい。即ち、s(λ)の2次差分が0に近いという条件を加味する。スペクトルの2次差分は(数5)となる。
【0066】
【数5】
Figure 2004045189
【0067】
(数5)のΔs(λi)は、波長Iによるスペクトルs(λi)の2次差分値であり、(数5)の二乗和は(数6)となり、これはスペクトルの滑らかさを表す。
【0068】
【数6】
Figure 2004045189
【0069】
(数6)を(数4)に加味すると、(数7)が得られ、最小となるs(λ)を求めればよい。
【0070】
【数7】
Figure 2004045189
【0071】
これらの式を最小化するs(λ)を計算するには、例えば、シンプレックス法など既存の最適化手法で求める。この場合、係数α及びβは経験値から予め決定しておく。又は、係数α及びβを未定係数として、ラグランジェの未定係数法として解くことも可能である。
【0072】
ここで、計算手順を図2に示す。図2は、(数4)を最適化手法にシンプレックス法を用いて、最小となるs(λ)を求める場合を示す。
【0073】
まず、色補正前分光色s(λ)及び色補正後HLS色である(Htarget、Ltarget、Starget)が入力され(S201)、出力すべき色補正後分光色s(λ)の変化係数の初期値を設定する(S202)。色補正後分光色s(λ)から(数1)により(Ha、La、sa)を求める(S203)。
【0074】
次に、(Ha、La、sa)を(数4)に代入し、分光値が最小となる距離を求める(S204)。最適化手法であるシンプレックス法に基づく収束条件により、s(λ)の収束状態を判断し(S206)、収束していなければ、s(λ)の値を、シンプレックス法に基づいて、変化係数を変動させ(S205)、S203に入力する。また、収束していればs(λ)を解として出力する(S207)。
【0075】
次に、第2の逆変換方法について説明する。第2の逆変換方法は、第1の逆変換方法をより高速化したものである。第1の逆変換方法では、31次元の分光ベクトルの各値を変数として、数式を最小化する値を求めていた。しかし、最適化手法で求めるには、変数の数が多いほど収束までに時間がかかる。また、各変数を独立に変化させるため、波長形状が不自然なものとなる可能性もある。
【0076】
ここで、図3に分光反射率と波長の関係を示す。縦軸は分光反射率を示し、横軸は波長を示し、301は、色補正前の分光色s(λ)を示し、302は、可視波長領域を分割した分割波長領域を示す。
【0077】
また、302aは、380nm以上480nm未満を示し、302bは、480nm以上580nm未満を示し、302cは、580nm以上680nm未満を示し、302dは、680nm以上780nm未満を示す。
【0078】
また、図4に変化係数と波長の関係を示す。縦軸は変化係数Wを示し、横軸は波長を示し、401は、変化係数Wを線形補間する線形補間領域を示す。
【0079】
第2の逆変換方法では、図3に示すように、波長を4つの分割波長領域302に分割し、領域毎に変化係数を設定する。図4に分割波長領域302毎の変化係数Wを示す。302aは、変化係数Wを0.7とし、302bは、変化係数Wを1.2とし、302cは、変化係数Wを0.6とし、302dは、変化係数Wを1.3とする。
【0080】
図4に示す変化係数Wと波長の関係のように、変化係数Wが滑らかにつながるように、線形補間領域401で変化係数Wを線形補間し、変化関数を求める。
【0081】
次に、図4の得られた変化関数を、図3の色補正前分光色s(λ)301の各波長値に掛け合わせて、求めるべき色補正後分光色s(λ)の候補とする。
【0082】
この第2の逆変換方法によれば、最適化する変数は、変化係数の数、即ち、図4の場合は4つの分割波長領域302に分割し、更に、変化係数は連続的になるように変化関数を求めて分光色に乗算するため、色補正前の分光色の形状を可能な限り保ち、不自然さを極力排除した分光色を、(数8)を用いて算出することができる。
【0083】
【数8】
Figure 2004045189
【0084】
なお、(数8)には、(数6)及び(数7)に示したような拘束条件を加えてもよい。
【0085】
第2の逆変換手法による計算手順を図5に示す。色補正前分光色s(λ)301及び色補正後HLS色をHLS分光逆変換部に入力する(S501)。変化係数Wの初期値を設定する(S502)。変化係数Wから変化関数Weight(λ)を算出する(S503)。変化関数Weight(λ)と色補正前分光色sb(λ)301から(数9)により色補正後分光色の候補となるCandidate(λ)を求める(S504)。
【0086】
【数9】
Figure 2004045189
【0087】
Candidate(λ)をHLS色空間に変換し、(Ha、La、Sa)とする(S505)。(Ha、La、Sa)を(数8)に代入し、関数値を求める(S506)。最適化法の収束条件から変化係数Wの値の状態を判断し(S508)、最適化法の収束条件を満たさない場合は、変化係数Wの値を、最適化手法に基づいて変動させ(S507)、S503ないしS506の手順を繰り返す。最適化法の収束条件を満たす場合は、Candidate(λ)を解s(λ)として出力する(S508)。
【0088】
更に、第3の逆変換方法について説明する。本方法では、色補正後HLS色(Htarget、Vtarget、Ctarget)からXYZ三刺激値(Xtarget、Ytarget、Ztarget)を求め、これを満足する分光色を決定する。XYZ三刺激値と分光色は(数1)に示す関係がある。
【0089】
ここで、(数1)を離散的に表現すれば(数10)となり、(Xtarget、Ytarget、Ztarget)を満たすr(λ)を求めればよい。
【0090】
【数10】
Figure 2004045189
【0091】
(数10)を解く場合、既知の値が3次元(Xtarget、Ytarget、Ztarget)であるのに対し、未知の値が31次元の分光色であり、既知の値よりも未知の値の方が多い不良設定問題である。このような不良設定問題を解くにはいくつかの方法がある。
【0092】
第1の不良設定解決方法は、(数11)を用いて解く方法である。
【0093】
【数11】
Figure 2004045189
【0094】
ここで、+記号はムーアペンローズの一般化逆行列である。一般化逆行列とは、非正方行列に対し、近似的に逆行列を与える。複数存在する解の候補のうち、ノルム最小という拘束条件を満たす解が得られることに相当する。
【0095】
第2の不良設定解決方法は、未知の値のr(λ)を既知の値と同次元、即ち3つの基底関数で表現しておき、その基底関数への係数を求める方法である。この方法であれば、既知の値と未知の値の次元数が同次元のため、解が一意に決まる。
【0096】
次に、この第2の不良設定解決方法の手順について、図6を用いて説明する。(数1)、(数2)及び(数3)を用いて色補正後HLS色(Htarget、Vtarget、Ctarget)からXYZ三刺激値(Xtarget、Ytarget、Ztarget)を求める(S601)。
【0097】
分光色を表現するのに適切な基底関数を3つ予め設定する(S602)。基底関数の決定は、例えば、自然界に存在する様々な物体の分光色データベースを主成分分析し、上位3位のベクトルを基底関数とする方法が一般的である。これらの基底関数をbase1(λ)、base2(λ)及びbase3(λ)とおく。基底関数により、(数10)を(数12)に書き換えることができる。
【0098】
【数12】
Figure 2004045189
【0099】
また、(数12)を解くには、(数13)に変換し、3次元の基底係数ベクトル(b、b、b)を求める(S603)。
【0100】
【数13】
Figure 2004045189
【0101】
ここで、−1は通常の逆行列を意味する。
【0102】
(数14)により基底係数を分光色r(λ)に変換する(S604)。得られた分光色が(Xtarget、Ytarget、Ztarget)を満たす色補正後分光色である。
【0103】
【数14】
Figure 2004045189
【0104】
次に、分光画像推定部101の詳細な動作を説明する。画像入力手段が分光色の画像データを直接取得する場合には、分光画像推定部101は必要なく、入力画像を分光色の画像データとして用いればよい。これは、ハイパースペクトルカメラと呼ばれるカメラで、撮影を行えばよい。しかし、それ以外の画像入力手段であった場合には、入力画像から分光色の画像データを推定する処理が必要となり、この処理を行うのが分光画像推定部101である。
【0105】
入力画像をRGB信号とすると、RGB信号と分光反射率には(数15)の関係が成り立つ。
【0106】
【数15】
Figure 2004045189
【0107】
ここで、(Rd、Gd、Bd)は、実際のカメラ信号(R、G、B)から非線形性を排除したRGB信号を示し、S(λ)は、入力画像撮影時の照明の分光分布を示し、iがR、G及びBとなるC(λ)は、カメラの各フィルタの分光感度を示し、r(λ)は、求めるべき分光反射率を示す。
【0108】
分光反射率を予め設定されたiが、1、2及び3となる3つの基底関数O(λ)で表すと、(数15)は(数16)に変換され、分光反射率を求める問題は基底係数(a、b、c)を求めることが必要となる。基底関数は通常、自然界に存在するさまざまな物体の分光反射率を主成分分析し、その上位3位の表現ベクトルを使用する。
【0109】
【数16】
Figure 2004045189
【0110】
(数16)を離散的な表現に変換することで、(数17)となるため、(Rd、Gd、Bd)から(a、b、c)を行列Bの逆行列で求めることがでる。ここで行列Bは、分光感度、照明分光色及び基底関数から構成される行列である。
【0111】
【数17】
Figure 2004045189
【0112】
以上、(数17)得られた基底変数(a、b、c)を(数18)に代入することで、分光反射率を求めることができる。
【0113】
【数18】
Figure 2004045189
【0114】
以上の処理を入力画像の各画素に対して行うことにより、分光色の画像データを推定することができる。
【0115】
なお、色補正を行うのは、彩度に限らず、色相及び明度を補正しても同様の効果を得ることができる。
【0116】
なお、本発明は、図1による色補正装置の動作を、CD−ROMなどの記憶媒体に記憶し、記憶媒体のプログラムをPC上のRAMにダウンロードし、PC上のCPUに処理を行わせるものである。
【0117】
また、色補正装置の動作を、スキャナ、ディジタルスチルカメラ、ディジタルムービー、マルチスペクトルカメラ又はハイパースペクトルカメラなどの画像入力手段及びディスプレイ又はプリンタなどの画像出力手段に内蔵して処理を行っても良い。
【0118】
なお、記憶媒体はCD−ROMに限らず、ICカード、メモリーカード、フレキシブルディスク、DVD−ROM、ハードディスク及び磁気テープなど、プログラムを記録できるものであれば、同様に実施することができる。
【0119】
以上のように、本実施の形態によれば、分光色の画像データを鮮やかに色補正する際に、分光色の画像データを低次元の色空間に変換して、低次元色空間上で色補正してから、分光色の画像データに逆変換することにより、簡単に分光色の画像データを好ましい画像に色補正することができる。
【0120】
(実施の形態2)
第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様に、画像入力手段から推定して得られた分光色の画像データに対し、好ましい色補正を施してから出力する色補正装置を開示する。
【0121】
図7は、第2の実施の形態による分光色の画像データを用いた色補正装置の構成を示す図である。
【0122】
図7において、701は、分光色の画像データにおいて、顕著なピークを持つ分光色の画素を変更色領域として設定し出力する。分光色変更色領域設定部を示し、702は、分光色の画像データの変更色領域において、彩度の値を高くする分光色補正を行う分光色補正部を示す。
【0123】
第2の実施の形態による分光色の画像データを用いた色補正装置は、分光画像推定部101、分光色変更色領域設定部701及び分光色補正部702を含む構成である。
【0124】
以下に、第2の実施の形態による分光色の画像データを用いた色補正装置の動作について説明する。
【0125】
分光画像推定部101では、入力画像から分光色の画像データを推定する。その詳細な動作は、第1の実施の形態に記載の分光画像推定部101と同様である。
【0126】
分光色変更色領域設定部701は、分光色の画像データより顕著なピークを持つ分光色の画素を変更色領域として設定し出力する。顕著なピークを持つ分光色は、分光色の2次差分値を算出し、2次差分値から極大、極小点を求める。ここで、分光反射率の大きい極大値を求め、それらを囲む2つの極小点の幅が予め設定した閾値内であれば、顕著なピークを持つと判断する。
【0127】
分光色補正部は、変更色領域として設定されている画素の分光色を、ピーク幅が狭く、純度の高い色に彩度変換した画像データを出力する。
【0128】
ここで、彩度の高い色は、分光色の形状が比較的波長幅が狭い。これを純度が高いという。図8に分光反射率と波長の関係を示す。縦軸は、分光反射率を示し、横軸は波長を示す。801は、色補正後の分光色である色補正後分光反射率を示し、803は、色補正前のピークを持つ分光色の波長幅を定義する波長幅定義位置を示し、804は、色補正後分光反射率801の新波長幅定義位置を示す。
【0129】
従って、分光反射率の彩度を上げたい場合に、図8に示すように、分光反射率のピークを検出し、そのピークの波長幅を狭める処理を行えばよい。
【0130】
分光色補正部の処理の手順を図9に示す。分光反射率のピークを検出し、その波長幅をλpeakとする(S901)。検出方法はいくつか存在するが、例えば、分光色の2次差分値を順次求め、0に近い値を持つ極大値のうち、最も大きい分光反射率であるピークの波長幅を定義する波長幅定義位置803を求める(S902)。
【0131】
波長幅定義位置803は、λ1及びλ2からなる。これらはピークを囲む2つの極小点位置を求めればよい。波長幅定義位置803を、λ1及びλ2からΔλだけピーク中心に移動させた位置を、新波長幅低地位置とする(S903)。
【0132】
Δλの値は、予め設定しておく。鮮やかさを上昇させるには、Δλの値を大きくすればよい。この新波長幅定義位置804を、それぞれλ1new、λ2newとする。λ1による分光反射率r1、λ1newによる分光反射率r2を求め、その比であるr1/r2により分光反射率を変化させた割合値ratio1とする。λ2及びλ2newについても、同様にして変化割合値ratio2を求める(S904)。
【0133】
λ1newからλpeakまでの波長領域の分光反射率に、λ1newでratio1、λpeakで1となるように線形に割り振られた重みを乗算することで、分光反射率を変換する。λpeakからλ2newまでの波長領域の分光反射率についても同様にratio2を用いて分光反射率を変換する。λ1からλ1newまでの波長領域は、λ1による分光反射率に変換する。同様にして、λ2からλ2newまでの波長領域は、λ2による分光反射率に変換する。上記以外の波長領域は、色補正前の分光反射率を色補正後分光反射率801とする(S905)。
【0134】
以上の手順により、分光色の波長幅を狭めた鮮やかな分光反射率が求められる。
【0135】
ただし、本処理では、色の純度は上昇するが、明るさが減少する。従って、明るさは、明度変化で指定、又は、S905において、λpeakでの重みが1以上となる値を割り振るようにして、明るさを上昇させても良い。
【0136】
なお、ピークにおける波長幅の狭い分光色に変換するために、曲線を代表する複数の制御点の座標を元にして、曲線全体はその制御点間を滑らかに接続するスプライン曲線により色補正前の分光色を近似しておき、その制御点を制御する方法を用いても良い。
【0137】
なお、分光色を分光反射率としているが、分光放射輝度、分光光度及び分光透過率についても同様に実施することができる。
【0138】
なお、色補正を行うのは、波長幅の形状変化に限らず、彩度、色相及び明度を補正しても同様の効果を得ることができる。
【0139】
なお、本発明は、図7による色補正装置の動作を、CD−ROMなどの記憶媒体に記憶し、記憶媒体のプログラムをPC上のRAMにダウンロードし、PC上のCPUに処理を行わせるものである。
【0140】
また、色補正装置の動作を、画像入力手段及び画像出力手段に内蔵して処理を行っても良い。
【0141】
なお、記憶媒体はCD−ROMに限らず、ICカード、メモリーカード、フレキシブルディスク、DVD−ROM、ハードディスク及び磁気テープなど、プログラムを記録できるものであれば、同様に実施することができる。
【0142】
以上のように、本実施の形態によれば、分光色の画像データをより鮮やかに色補正する際に、分光色の形状を波長幅の狭い形状に変化させることで、簡単に分光色の画像データを好ましい画像に色補正することができる。
【0143】
(実施の形態3)
本第3の実施の形態では、HLS空間の代わりにL空間により色補正を行う。
【0144】
図10は、第3の実施の形態による分光色の画像データを用いた色補正装置の構成を示す図である。
【0145】
図10において、1001は、分光色の画像データの各画素値を、L空間に変換するL空間変換部を示し、1002は、L空間において、彩度が予め決められた閾値よりも高い領域を変更すべき色として設定するL空間変更色領域設定部を示し、1003は、変更色領域において彩度の値を高くする色補正を行うL色補正部を示し、1004は、色補正後のL空間の各画素を元の分光空間に逆変換するL分光空間逆変換部を示す。
【0146】
また、分光画像推定部101は、他の実施の形態と同様の構成であるので、ここでの説明は省略する。
【0147】
なお、本実施の形態では、分光色の画像データとして、各画素値が分光反射率である場合を取り扱う。その他の分光色の画像データとして、各画素値が分光放射輝度、分光光度又は分光透過率であった場合にも、同様に本実施の形態を適用することができる。
【0148】
以下に、図10を用いて動作を説明する。
【0149】
分光画像推定部101は、他の実施の形態と同様の動作であり、ここでの説明は省略する。
【0150】
空間変換部1001は、分光色の画像データの各画素を(数1)によって元の次元より低次元なL空間に変換して、L画像を算出する。
【0151】
空間変更色領域設定部1002は、L画像において、予め決められた閾値a thre及びb thre以上のa及びbの値を持つ画素を変更色領域として設定し出力する。
【0152】
色補正部1003は、変更色領域として設定されている画素の彩度に対し、彩度を予め決められた量Δa及びΔbを加算する。このとき、画素のa及びbの値が、それぞれ閾値a thre及びb threに近い場合は、Δa及びΔbの値を0にし、閾値a thre及びb threより大きい場合は、Δa及びΔbの値を大きい値にすることで、より自然な色変換を行うことができる。
【0153】
分光空間逆変換部1004は、L色補正部1003から出力された色補正後のL画像をより高次元の分光空間に逆変換し、色補正後の分光色の画像データとして出力する。
【0154】
ここで、L空間を分光空間に逆変換するアルゴリズムは、第1の実施の形態に記載したHLS空間を分光空間に逆変換するアルゴリズムを、HLSをLに置き換えれば同様の動作で実現できる。
【0155】
なお、色補正を行うのは、彩度に限らず、色相及び明度を補正しても同様の効果を得ることができる。
【0156】
なお、本発明は、図10による色補正装置の動作を、CD−ROMなどの記憶媒体に記憶し、記憶媒体のプログラムをPC上のRAMにダウンロードし、PC上のCPUに処理を行わせるものである。
【0157】
また、色補正装置の動作を、画像入力手段及び画像出力手段に内蔵して処理を行っても良い。
【0158】
なお、記憶媒体はCD−ROMに限らず、ICカード、メモリーカード、フレキシブルディスク、DVD−ROM、ハードディスク及び磁気テープなど、プログラムを記録できるものであれば、同様に実施することができる。
【0159】
以上のように、本実施の形態によれば、分光色の画像データをより鮮やかに色補正する際に、分光色の画像データを低次元の色空間に変換して、低次元色空間上で色補正してから、分光色の画像データに逆変換することにより、簡単に分光色の画像データを好ましい画像に色補正することができる。
【0160】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、分光色の補正が簡易な色補正装置及び色補正方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施の形態による色補正装置を示す図
【図2】同第1の実施の形態による第1の分光空間への変換方法を示す図
【図3】同第1の実施の形態による分光反射輝度と波長の関係を示す図
【図4】同第1の実施の形態による変化関数と波長の関係を示す図
【図5】同第1の実施の形態による第2の分光空間への変換方法を示す図
【図6】同第1の実施の形態による第3の分光空間への変換方法を示す図
【図7】同第2の実施の形態による色補正装置を示す図
【図8】同第2の実施の形態による分光反射率の補正を示す図
【図9】同第2の実施の形態による分光反射率の補正方法を示す図
【図10】同第3の実施の形態による色補正装置を示す図
【図11】(a)従来の色補正装置による分光色表示枠を示す図
(b)従来の色補正装置によるxy色度図表示枠を示す図
(c)従来の色補正装置によるHCV表示枠を示す図
【符号の説明】
101 分光画像推定部
102 HLS空間変換部
103 HLS空間変更色領域設定部
104 HLS色補正部
105 HLS分光空間逆変換部
301 s(λ)
302 分割波長領域
401 線形補間領域
701 分光色変更色領域設定部
702 分光色補正部
801 色補正後分光反射率
803 波長幅定義位置
804 新波長幅定義位置
1001 L空間変換部
1002 L空間変更色領域設定部
1003 L色補正部
1004 L分光空間逆変換部

Claims (17)

  1. 画像信号が入力され、前記画像信号を分光的に表現した第1の分光色に変換する分光画像推定部と、前記第1の分光色を前記第1の分光色の次元よりも低次元の色空間である低次元色空間に変換する空間変換部と、前記低次元色空間から色補正を行う領域である抽出領域を抽出する変更色領域設定部と、前記抽出領域の前記低次元色空間を補正する色補正部と、前記補正された低次元色空間を第2の分光色に変換し、出力する色空間逆変換部とを含む色補正装置。
  2. 抽出領域が、予め決められた値以上の色空間の画素である請求項1記載の色補正装置。
  3. 色空間逆変換部が、補正された低次元色空間に、第2の分光色を算出するための変化係数を追加し、前記変化係数を変動させ、第1の分光色に近似した分光色に変換し、出力する請求項1又は2記載の色補正装置。
  4. 変化係数が、分割された波長領域毎に設定され、前記分割波長領域の境界では、線形補間される係数である請求項3記載の色補正装置。
  5. 色空間逆変換部が、補正された低次元色空間から三刺激値を算出し、前記三刺激値に変化係数を乗算し、前記変化係数を変動させ、第2の分光色を算出し、出力する請求項1又は2記載の色補正装置。
  6. 低次元色空間が、色相、明度及び彩度から構成されるHLS空間である請求項1ないし5のいずれか記載の色補正装置。
  7. 低次元色空間が、明度及び知覚色度から構成されるL空間である請求項1ないし5のいずれか記載の色補正装置。
  8. 色補正が、抽出領域の彩度の値と、予め決められた閾値との差分を求め、前記差分に応じて、前記彩度の値に補正値を加える補正である請求項1ないし7のいずれか記載の色補正装置。
  9. 画像信号が入力され、前記画像信号が分光的に表現した分光色に変換される分光画像推定部と、前記分光色から色補正を行う領域である抽出領域を抽出する変更色領域設定部と、前記抽出領域の前記分光色を補正する色補正部とを含む色補正装置。
  10. 分光色の補正が、抽出領域の波長幅の縮小である請求項9記載の色補正装置。
  11. 抽出領域が、分光色の2次差分値から極大値及び極小値を算出し、最も大きい前記極大値の両側に存在する2つの前記極小値に囲まれた波長である請求項9又は10記載の色補正装置。
  12. 画像信号が入力され、前記画像信号が分光的に表現した第1の分光色に変換される第1のステップと、前記第1の分光色を前記第1の分光色の次元よりも低次元の色空間に変換する第2のステップと、予め決められた値以上の色空間の画素が、前記低次元色空間から色補正を行う領域として抽出される第3のステップと、前記抽出領域の前記低次元色空間を補正する第4のステップと、前記補正された低次元色空間を第2の分光色に変換し、出力する第5のステップとを含む色補正方法。
  13. 第5のステップが、分割された波長領域毎に設定され、前記分割波長領域の境界では、線形補間される変化係数を、補正された低次元色空間に加えた第3の分光色に変換し、前記変化係数を変動させ、第1の分光色に近似した第2の分光色に変換し、出力する請求項12記載の色補正方法。
  14. 第5のステップが、補正された低次元色空間を、三刺激値に変換し、前記三刺激値から算出される第2の分光色を出力する請求項12記載の色補正方法。
  15. 低次元色空間が、色相、明度及び彩度から構成されるHLS空間である請求項12ないし14のいずれか記載の色補正方法。
  16. 低次元色空間が、明度及び知覚色度から構成されるL空間である請求項12ないし14のいずれか記載の色補正方法。
  17. 画像信号が入力され、前記画像信号が分光的に表現した分光色に変換される第1のステップと、前記分光色の2次差分値から算出される極大値の両側に存在する2つの極小値に囲まれた波長が、前記分光色から色補正を行う領域として抽出される第2のステップと、前記抽出領域の波長幅の短縮により、前記抽出領域の前記分光色を補正する第3のステップとを含む色補正方法。
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