JP2001099515A - 吸収冷温水機における冷,暖房モード切換え方法、および同装置 - Google Patents

吸収冷温水機における冷,暖房モード切換え方法、および同装置

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JP2001099515A
JP2001099515A JP27670199A JP27670199A JP2001099515A JP 2001099515 A JP2001099515 A JP 2001099515A JP 27670199 A JP27670199 A JP 27670199A JP 27670199 A JP27670199 A JP 27670199A JP 2001099515 A JP2001099515 A JP 2001099515A
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water
lithium bromide
absorber
temperature
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Kenji Machizawa
健司 町澤
Keiji Tachibana
慶二 立花
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Hitachi Building Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臭化リチュウム吸収冷温水機の暖房モード運
転を冷房モード運転に切り換える際、吸収器内に溜まっ
ている臭化リチュウム水溶液が自己沸騰することを防止
するため、従来例の臭化リチュウム吸収冷温水機に対し
て、臭化リチュウム水溶液を冷却するための熱交換器2
1を設ける(ラジエータ26を設けても良い)。暖房モ
ード運転中に昇温している臭化リチュウム水溶液(図に
おいて平行斜線を付して示した)を、「暖→冷切換操
作」に際して前記の溶液冷却用熱交換器21に導いて冷
却する。この冷却により、臭化リチュウム水溶液の自己
沸騰が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は臭化リチュウム吸収
冷温水機に係り、特に、暖房モードで運転している状態
から冷房モード運転状態に切り換える操作の方法および
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】臭化リチュウム吸収冷温水機は、水を冷
媒とし、臭化リチュウムを吸収剤として用いた熱サイク
ル機器であって、主として水の蒸発気化・凝縮液化に伴
う潜熱の吸収,放出を利用して、冷,暖房その他に利用
される。同一の機械設備を用いて、熱搬送媒体の流路を
切り換えることによって冷房機能を発揮させたり、暖房
機能を発揮させたりすることができる。本発明は、冷・
暖両用に構成された冷温水機を適用の対象とするもので
あって、暖房機能を利用せずに専ら冷房用として設計,
製作された機器については、本発明の技術的範囲に属し
ない。臭化リチュウム吸収冷温水機は、主要な構成機器
や配管,配線を改善することなく、熱搬送媒体(液体,
気体の水,および臭化リチュウム水溶液)の流路を弁手
段で切り換えることによって冷,暖の切換運転が可能で
ある。冷房モードの運転状態における作用は次のごとく
である。すなわち、吸収式冷温水機が冷房(冷却)用と
して作動するときは、冷水を更に冷却して冷熱負荷機器
に循環送給し、該冷熱負荷機器で熱を奪って戻ってきた
冷水を、再び更に冷却して送給し、以後、連続的にこれ
を繰り返す。
【0003】また、吸収式冷温水機が暖房(加熱)用と
して作動するときは、温水を更に加熱して熱負荷機器に
循環送給する。ここに、上記温水の流路(特に、吸収冷
温水機内で通過せしめられる伝熱管)は、前記の冷房作
用におけると同一の機器である。上記熱負荷機器から戻
ってきた温水は、更に加熱して再び前記熱負荷機器に向
けて送出する。こうした作用に鑑みて、吸収冷温水機に
おける前記の冷水と温水とは、これをひと纏めにして
「冷温水」と呼ばれる。ただし、本発明において上記の
冷温水が冷却される機能を説明するとき、紛らわしくな
い場合にはこれを「冷水」と略称する。なお、「冷水」
と別に「冷却水」という語も使用する。これは、例えば
クーリングタワーなどで常に冷却され(暖房時には使用
されない)、冷媒である水の蒸気から液化潜熱を奪って
凝縮させたり、臭化リチュウムによる水の吸収熱を奪う
など、専ら冷却の役目を担っている。
【0004】図4は、臭化リチュウム吸収冷温水機の従
来例を示す模式的な配管系統図であって、2個の冷温切
換弁が閉塞されて冷房(冷却)作用を果たしている状態
を表しており、液状の水(冷媒液)には斑点を付し、臭
化リチュウム濃厚水溶液にはクロスハッチング(格子縞
模様)を付し、臭化リチュウム稀薄水溶液には平行斜線
を付してある。高温再生器1は加熱源を備えていて、臭
化リチュウム水溶液を加熱し、水蒸気を発生させる。本
例では、上記の加熱源としてバーナー1aが設けられて
いるが、バーナーに代えて蒸気管(過熱蒸気を流通させ
る伝熱管)を設けたものも有る。純粋に冷暖房機能の理
屈だけを考えれば電気ヒーターであっても良いのである
が、実際問題としてはエネルギーコストの関係から電気
ヒーターで加熱する方式は採られていない。前述のよう
にして水蒸気を発生させた臭化リチュウム水溶液は、煮
詰められて濃厚な臭化リチュウム水溶液となる。これか
ら先の作用は、二つのサイクルに区分して考えることが
できる。すなわち、発生した水蒸気が凝縮・液化され、
減圧・蒸発せしめられ、この時に蒸発熱を奪って冷房
(冷却)作用の核心部分を遂行する。この作用について
は以下に詳しく述べるが、この水(冷媒)の蒸発→凝縮
→蒸発だけでは冷房サイクルが回らない。その理由は、
高温再生器1の中で煮詰められた濃厚な臭化リチュウム
水溶液は、それ以上加熱を続けても水蒸気を発生できな
くなってしまうからである。このため、濃縮された臭化
リチュウム水溶液に、再び水分を含ませて「加熱によっ
て水蒸気を発生せしめ得る状態」に復元せしめるため
の、もう一つのサイクルを併行して進めなければならな
い。
【0005】先ず、高温再生器1で発生した冷媒蒸気
(水蒸気)の行方を追ってみると、低温再生器2を経て
(矢印a)、凝縮器3に流入する(矢印b)。このと
き、冷温切換弁V1が閉じられているので、蒸発器4に
は流入しない。上記の低温再生器2は、当該吸収冷温水
機の熱効率を高めるために設けられたもので、その作用
の詳細については後に述べる。前記凝縮器3の中には伝
熱管11が設けられて、冷却水が矢印c,dのように流
通している。この伝熱管11に接触した水蒸気は液化潜
熱を奪われて凝縮液化し、液状の水が凝縮器3の底部に
溜まる。凝縮器3の底部に溜まった水は、蒸発器4の頂
部に流入して(矢印e)スプレーされる。この蒸発器4
内は、次に述べる吸収器8の作用で減圧されているので
蒸発気化して水蒸気となる。蒸発し切れずに蒸発器4の
底部に溜まった水(斑点)は、冷媒ポンプ7で汲み上げ
られて該蒸発器4内の頂部空間にスプレーされて蒸発せ
しめられる。上記の蒸発器4内には伝熱管12が設けら
れていて、この伝熱管12の中に、冷熱負荷(図外)か
らの戻り冷温水(この場合は冷水)5が流通している。
この冷水は、蒸発した水蒸気に気化潜熱を奪われて冷却
され、いっそう低温の冷水6として図外の冷熱負荷に送
給される。上述のようにして冷水を冷却するという核心
部分の作用を果たした冷媒(水)は、矢印fのように吸
収器8に流動し、ここで臭化リチュウムに吸収され、水
蒸気としての姿を消す。
【0006】一方、高温再生器1で冷媒蒸気(水蒸気)
を発生させて煮詰められた濃厚な臭化リチュウム水溶液
(クロスハッチング・格子縞模様)は、熱交換器10を
経て吸収器8に送給され、その頂部空間にスプレーされ
る(矢印g)。この臭化リチュウムは著しい潮解性(水
蒸気を吸収する性質)を有していて、蒸発器4内で発生
した水蒸気を吸収する。水蒸気の吸収によって吸収器8
内が減圧されるので、蒸発器4内の水蒸気は矢印f方向
に流動せしめられ、これにより蒸発器4内が高真空状態
(例えば相対気圧マイナス760ミリメートルHg)と
なり、送入された冷媒(水)の蒸発が促進される。この
ようにして、蒸発器4に連通された吸収器8内の水蒸気
を臭化リチュウム濃厚水溶液で吸収して器内を減圧する
ということは、水を蒸発させて冷水を冷却するという核
心的な作用を強力にバックアップしているのである。し
かし、それだけではなく、水蒸気を吸収した臭化リチュ
ウム濃厚水溶液(クロスハッチング)が、水を含んで稀
釈され、臭化リチュウム稀薄水溶液(平行斜線)に戻る
ということ、すなわち「加熱されたら水蒸気を発生せし
め得る状態」に復元されることの意義も大きい。以上に
述べたように、冷媒である水が「液状水→水蒸気→液状
水→水蒸気」のごとく変化してゆくサイクルと、臭化リ
チュウム水溶液が「濃厚水溶液→稀薄水溶液→濃厚水溶
液→稀薄水溶液」のごとく変化してゆくサイクルとの二
つのサイクルが相互にリンクして繰り返されることによ
って冷房(冷却)機能が発揮される。
【0007】上記の主要な二つのサイクルに付属するも
のとして、熱効率向上のために設けられた次のサブサイ
クルが有る。すなわち、熱交換器10において、模式的
に描かれている左下部分は被加熱側流体の流路であり、
右上部分は加熱側流体の流路である。前記高温再生器1
内で、バーナー1aで加熱されて生成された臭化リチュ
ウム濃厚水溶液は高温であるから、加熱側流体として利
用される。そして、前述したように吸収器8内で生成さ
れた臭化リチュウム稀薄水溶液(平行斜線)は、伝熱管
13内の冷却水で吸収熱を奪われて降温しているが、こ
れからもう一度加熱されて水蒸気を発生しなければなら
ない段階であるから、前記熱交換器10の被加熱側に導
かれて予熱される。上述のごとく熱交換器10の伝熱管
内を流動する臭化リチュウム稀薄水溶液の流路が分岐せ
しめられ、全流路を流通した臭化リチュウム稀薄水溶液
は高温再生器1に送給(矢印h)され、途中で分岐した
臭化リチュウム稀薄水溶液は低温再生器2に送給(矢印
i)される。上記低温再生器2の伝熱管14には、高温
再生器1で発生した高温の水蒸気が流通しているので、
矢印iのように送入された臭化リチュウム稀薄水溶液は
加熱を受けて冷媒蒸気(水蒸気)を発生させる。発生し
た水蒸気は矢印jのごとく凝縮器3の中に流動し、高温
再生器1で発生した水蒸気(矢印b)と合流して凝縮液
化せしめられる(前述した水・水蒸気のメインサイクル
に合流せしめられてリンクする)。
【0008】伝熱管14内を流動する水蒸気が、前述の
ごとく、低温再生器2に送入された臭化リチュウム稀薄
水溶液を加熱するので、該伝熱管14内の高温の水蒸気
は降温せしめられる。この高温の水蒸気は、次の工程で
は凝縮器3内で冷却されて凝縮液化せしめられるべきも
のであるから、低温再生器2の伝熱管14内で予め降温
せしめられることは、熱経済の面からも、冷房能率向上
の面からも好都合である。
【0009】次に、以上に説明した図4の吸収冷温水機
を用いて暖房機能を果たさせる場合について述べる。暖
房機能を果たすとは、蒸発器4を凝縮器として作用さ
せ、伝熱管12内を流通する冷温水(この場合(暖房モ
ード運転時)は温水)を加熱することである。暖房モー
ド運転する際は、冷温切換弁V1、および冷温切換弁V2
を開く。高温再生器1および低温再生器2で発生した水
蒸気は、蒸発器4の中へ流入する。前記冷温切換弁
1,V2の開弁と併せて、吸収器8および凝縮器3を流
通している冷却水(矢印c,d)の通水を停止する。蒸
発器4内へ流入した高温の水蒸気は、伝熱管12を流通
している冷温水(この場合は温水)に凝縮潜熱を与えて
凝縮・液化し、該蒸発器4の底部に溜まる。溜まった水
(日常用語で表現すれば熱湯)は、冷媒ポンプ7によっ
て吸収器8に移され、熱交換器10から送られてくる濃
厚な臭化リチュウム水溶液を稀釈する。稀釈された臭化
リチュウム稀薄水溶液は溶液ポンプ9によって高温再生
器1や低温再生器2に送られ、加熱されて水蒸気を発生
させる。このようにして暖房モードの吸収サイクルが回
される。以上に述べた暖房モードの運転状態において、
吸収器8内の底部に溜まっている臭化リチュウム稀薄水
溶液の温度は80℃〜120℃であり、該吸収器8内の
水蒸気圧力は約700ミリメートルHg(絶対圧力)で
ある。以上に説明した冷房モード運転を暖房モード運転
に切り換える操作は、冷温切換弁V1,V2を開くととも
に、冷却水の通水(矢印c,d)を停止することによっ
て行なわれる。また、暖房モード運転を冷房モード運転
に切り換える操作は上記と反対に、冷温切換弁V1,V2
を閉じるとともに、冷却水を通水(矢印c,d)するこ
とによって行なわれる。図5は、吸収冷温水機を用いた
冷暖房装置の従来例を示す全体的な模式図であって、冷
房モードで運転している状態を描いてある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】例えば冬季に暖房モー
ド運転を行ない、夏季に冷房モード運転を行なう場合に
は、通常、暖房運転を終了した後、冷房運転を開始する
までの間に春季の休止期間が有るので、この休止期間中
に吸収冷温水機の温度はほぼ外気温と等しくなる。従っ
て、冷房モード運転の開始操作は、吸収冷温水機の各部
がほぼ外気温になっている状態で行なわれる。しかし、
特殊な空調条件(例えば、気温の変化が急激であり、か
つ、室温を厳密に一定に保たねばならない場合)や、建
物の一部(コンピュータールーム,電子機器室,電話交
換室など)を冷房して、その他の部分を暖房する場合
や、製造工場で生産設備の加熱・冷却を行なう場合等に
おいては、暖房モード運転している臭化リチュウム吸収
冷温水機を短時間で冷房モード運転に切り換える操作が
必要となる。本発明者らは、上述したような特殊条件下
における要請に応えるべく、臭化リチュウム吸収冷温水
機の暖房モード運転を冷房モード運転に切り換えた場合
における機内各部の動作状態を調査したところ、次のよ
うな問題が有ることを発見し、これを確認した。
【0011】(図4参照) 暖房モード運転を終了した
状態において、吸収器8の底部に溜まっている臭化リチ
ュウム稀薄水溶液(図において平行斜線を付して示され
ている)は80℃〜120℃の高温であり、外吸収器内
の水蒸気圧力は絶対圧力約200ミリメートルHgの低
真空である。この温度−圧力条件において、臭化リチュ
ウム水溶液内の水の蒸気圧と、吸収器内部空間を満たし
ている水蒸気の圧力とがほぼ平衡を保っている。この状
態で、吸収器8の伝熱管13に、定格温度の(もしくは
定格温度以下の)冷却水を定格流量で流通させると、吸
収器8内の水蒸気が急冷されて、その大部分が凝縮・液
化し、該吸収器8内の圧力が約20ミリメートルHg程
度まで急激に降下する。上記の圧力降下によって、吸収
器8の底部に溜まっていた臭化リチュウム稀薄水溶液は
激しく自己沸騰する。上記の自己沸騰とは、液相の系
が、系外から顕熱を与えられることなく、圧力の降下に
よって気相に変化する現象をいう。通常の沸騰は、液体
が外部から加熱され、もしくは内部で発熱して、その蒸
気圧が外圧を越えたときに発生する。この場合、液体の
内部に伝導や対流による熱流が存在する。ということ
は、液体内部の温度分布が厳密には均一でない。従っ
て、最も高温の部分が盛んに気化(沸騰)することにな
る。ところが、自己沸騰においては、液体が外部から加
熱されることなく、圧力変化によって気化するので、該
液体内部の温度分布が均一な状態で沸騰する。従って、
底から沸き上がるとか液面が沸騰するとかいった区域差
が無く、液体の全部分が同時に沸騰する。このため、非
常に激しい沸騰現象を呈する。もっとも、沸騰に伴って
気化潜熱の吸収が起こり、また、沸騰によって液体表面
の圧力が変化するので、自己沸騰の場合であっても火薬
の爆発のような瞬時的沸騰を呈するのではないが、通常
の沸騰と比較して、かなり激しい沸騰現象を呈する。本
発明者らが覗き窓を介して観察したところ、溶液内部に
多数の小爆発を発生しているような外観を呈し、飛沫が
液面上1メートル近くも跳ね跳んでいる様子が認められ
た。
【0012】従来例の吸収冷温水機(図4参照)におい
て、蒸発器4と吸収器8との間には矢印f方向の気流に
乗ってミストが移動することを防止するためのミストセ
パレータが設けられているが、吸収器8の底部に溜まっ
ている臭化リチュウム水溶液が爆発的に沸騰することを
予測して設計製作されてはいないので、跳ね散った臭化
リチュウム稀薄水溶液の一部が飛沫となって蒸発器4内
へ侵入することを防ぎ切れない。ほぼ純粋な水を冷媒と
して入れるように作られている蒸発器4の中へ臭化リチ
ュウム水溶液が混入すると、上記冷媒(水)の飽和圧力
が下がって沸点の低下を招く。このため伝熱性が悪くな
って、この後の冷房モード運転の機能に支障を来たす。
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、暖
房モードで運転されていた臭化リチュウム吸収冷温水機
を冷房モード運転に切り換える際、吸収器8の底部に溜
まっている臭化リチュウム水溶液の自己沸騰を防止し得
る切換方法、および同切換装置を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的原理について、その実施形
態に対応する図1を参照して略述すると次のとおりであ
る。すなわち、臭化リチュウム吸収冷温水機の暖房モー
ド運転を冷房モード運転に切り換える際、吸収器内に溜
まっている臭化リチュウム水溶液が自己沸騰することを
防止するため、従来例の臭化リチュウム吸収冷温水機に
対して、臭化リチュウム水溶液を冷却するための熱交換
器21を設ける(ラジエータ26を設けても良い)。暖
房モード運転中に昇温している臭化リチュウム水溶液
(図において平行斜線を付して示した)を、「暖→冷切
換操作」に際して前記の溶液冷却用熱交換器21に導い
て冷却する。この冷却により、臭化リチュウム水溶液の
自己沸騰が防止される。以上に説明した原理に基づい
て、請求項1に係る発明方法の構成は、臭化リチュウム
の水溶液を加熱して、冷媒である水の蒸気を発生させる
高温再生器と、上記高温再生器で発生した高温の水蒸気
を熱源として、上記臭化リチュウム水溶液の他の一部分
を加熱して水蒸気を発生せしめるとともに、上記の熱源
として用いた水蒸気を降温させる低温再生器と、前記高
温再生器および低温再生器で発生した水蒸気を冷却水で
冷却して液化せしめる凝縮器と、凝縮器で液化した冷媒
の水を減圧して蒸発せしめることにより、冷水から蒸発
熱を奪う蒸発器と、上記蒸発器で発生した水蒸気を、
「前記高温,低温再生器で生成された濃厚な臭化リチュ
ウム水溶液」に吸収させることにより、前記の蒸発器に
連通されている器内を減圧して、該蒸発器内における水
の蒸発を促進する吸収器と、上記の吸収器で生成された
臭化リチュウムの稀薄水溶液を、「前記高温,低温再生
器で生成された高温の濃厚な臭化リチュウム水溶液」に
よって加熱する熱交換器と、を具備する吸収冷温水機で
あって、前記の凝縮器内で水蒸気を液化せしめたとき凝
縮潜熱を受け取って昇温した冷却水を降温させる冷却タ
ワー、および、降温させるべき冷却水を冷却タワーに送
給する冷却水送給管と、降温した冷却水を前記の吸収器
を経て蒸発器に還流させる冷却水戻り管、並びに、上記
冷却水を循環流動させる冷却水循環ポンプを有する構造
であって、冷房設備として機能することができ、かつ、
前記の吸収器および凝縮器に流通している冷却水の送給
を停止するとともに、前記の高温再生器,低温再生器で
発生した水蒸気を前記蒸発器へ導く冷温切換弁V1と、
上記水蒸気が蒸発器内で凝縮液化した水を前記吸収器へ
導く冷温切換弁V2とを開弁すると、上記蒸発器内で放
出される凝縮熱によって、該蒸発器を流通している温水
が加熱されて暖房機能を果たし得るように構成された臭
化リチュウム吸収冷温水機を運転する際、暖房モード運
転状態から冷房モード運転状態へ切り換える方法におい
て、前記の吸収器に設けられている伝熱管に冷却水を通
水して該吸収器内の水蒸気を降温せしめる操作に先立っ
て、上記吸収器内の臭化リチュウム水溶液を吸収して前
記熱交換器へ送出している溶液ポンプの吐出側流路を切
り換えて、該溶液ポンプもしくはこれと等価に作用する
ポンプが吐出する臭化リチュウム水溶液を、「前記熱交
換器と別体の、溶液冷却用熱交換器の被冷却側流路」に
導き、上記の溶液冷却用熱交換器で冷却された臭化リチ
ュウム水溶液を、前記吸収器へ還流せしめることを特徴
とする。以上に説明した請求項1の発明方法によると、
暖房モード運転中の吸収器内が昇温して「該吸収器内の
臭化リチュウム稀薄水溶液の飽和蒸気圧」および「該吸
収器内の空間を満たしている水蒸気の圧力」が共に上昇
し、かつ、両者がほぼ平衡している状態において、いき
なり上記の水蒸気を急冷して前記の「溶液飽和圧力−水
蒸気圧力のバランス」を崩すことをせず、冷却水の通水
による吸収器内水蒸気急冷(水蒸気圧力急減)に先立っ
て、該吸収器内の臭化リチュウム水溶液を冷却するの
で、該臭化リチュウム水溶液が降温して沸騰しにくくな
る。このようにして、熱交換器によって吸収器内の臭化
リチュウム水溶液を冷却するので、その後に該吸収器内
の伝熱管に冷却水を通水して水蒸気を急冷し、該水蒸気
の圧力が低下しても、既に降温している臭化リチュウム
水溶液が自己沸騰を生じる虞れが無い。従って、吸収器
内の臭化リチュウムの沸騰飛沫が蒸発器内に侵入する虞
れが無く、該吸収器内の水(冷媒)に臭化リチュウムが
混入して沸点降下現象を生じ、その後の冷房モード運転
における吸収冷温水機の冷房機能に支障を及ぼすことが
無く、暖房モード運転状態から冷房モード運転状態への
切換が、短時間内に円滑に遂行される。
【0014】請求項2に係る発明方法の構成は、前記請
求項1の発明方法の構成要件に加えて、前記溶液冷却用
熱交換器の冷却側流体として、作業用水、上水道水もし
くはこれに類似する補給水、または、河川,湖沼,湧水
もしくはこれら類似する自然水を用いることを特徴とす
る。以上に説明した請求項2の発明方法によると、本来
の冷房用機器として設置されている「冷却タワー、冷却
水循環ポンプ、冷却水送給管、および冷却水戻り管より
成る冷却水源、並びに該冷却水源の制御機構」を改修す
る必要無く、上記以外の水源(補給水や自然水)を用い
て、吸収器内の臭化リチュウム水溶液を冷却して、その
自己沸騰を防止することができる。臭化リチュウム吸収
冷温水機を用いた冷暖房設備においては、1基の冷却タ
ワーが複数基の吸収冷温水機の吸収器および凝縮器に対
して冷却水を循環送給している例が少なくない。このよ
うな場合、上記複数基の吸収冷温水機のうちの一部分に
本発明の切換方法を適用するとともに、該複数基の吸収
冷温水機の他の部分は連続的に冷房モードもしくは暖房
モードで運転しようとすると、前記複数基の吸収冷温水
機が共用している本来の冷却水源(冷却タワー他)に手
を触れたくない。本請求項2の発明方法は、上述のごと
く冷却タワーを専用していない臭化リチュウム吸収冷温
水機の暖房モード運転を冷房モード運転に切り換える場
合に好適である。
【0015】請求項3に係る発明方法の構成は、前記請
求項1の発明方法の構成要件に加えて、前記冷却水循環
ポンプにより吐出され、冷却タワーを経て冷却水戻り管
から吸収器へ送給される冷却水の流路を切り換えて、冷
却タワーで冷却された低温の冷却水を、前記溶液冷却用
熱交換器の冷却側流体の流路に循環流動せしめることを
特徴とする。以上に説明した請求項3の発明方法による
と、別段の冷却水源を新設する必要無く、吸収器内の臭
化リチュウム水溶液を熱交換器で有効に冷却することが
できる。すなわち、本来は吸収器内の水蒸気を冷却する
ために設けられている冷却タワーや、冷却水循環ポンプ
を利用して、臭化リチュウム水溶液を冷却する熱交換器
の冷熱源とすることができる。本請求項3が引用してい
る請求項1の発明方法は「吸収器内の水蒸気を冷却する
に先立って、該吸収器内の臭化リチュウム水溶液を冷却
する」というものである。従って、臭化リチュウム水溶
液を冷却する工程においては、水蒸気を冷却する工程が
未だ開始されない。こうした特性を利用した本請求項3
は、吸収器内の水蒸気を冷却するための冷却水循環送給
が未だ開始されない時期に、上記冷却水を「臭化リチュ
ウム水溶液冷却用の熱交換器」に循環送給する、という
極めて合理的な構成をとった。水蒸気冷却用の冷却水を
流用して臭化リチュウム水溶液を有効に冷却して、急速
に臭化リチュウム水溶液を降温せしめると、暖房モード
→冷房モード切換の過渡的期間が短縮される。
【0016】請求項4に係る発明方法の構成は、前記請
求項1の発明方法の構成要件に加えて、前記の溶液冷却
用熱交換器としてラジエータを用い、臭化リチュウム水
溶液を放熱管に流通せしめつつ、該放熱管に冷却ファン
の送風を接触せしめて、上記臭化リチュウム水溶液を空
冷により降温せしめることを特徴とする。以上に説明し
た請求項4の発明方法によると、簡単な設備によって臭
化リチュウム水溶液の温度を低下させて自己沸騰を防止
することができる。すなわち、空冷方式のラジエータは
一般に、液冷式の熱交換器に比して構造が簡単で取り扱
い易い。液冷式の熱交換器を接続する場合、基本的には
4本の管路を設けなければならないが、空冷式のラジエ
ータを接続する場合は2本の管路で足りる。その上、熱
交換器の中で被冷却側流体と冷却側流体との間にリーク
を生じた場合、その発見と補修は容易でないが、空冷式
のラジエータは一般に被冷却流体を流通せしめる放熱管
が目視可能に外気に対してほぼ露出しているのでメンテ
ィナンスが容易である。
【0017】請求項5に係る発明方法の構成は、臭化リ
チュウムを加熱して、冷媒である水の蒸気を発生させる
高温再生器と、上記高温再生器で発生した高温の水蒸気
を熱源として、上記臭化リチュウム水溶液の他の一部分
を加熱して水蒸気を発生せしめるとともに、上記の熱源
として用いた水蒸気を降温させる低温再生器と、前記高
温再生器および低温再生器で発生した水蒸気を冷却水で
冷却して液化せしめる凝縮器と、凝縮器で液化した冷媒
の水を減圧して蒸発せしめることにより、冷水から蒸発
熱を奪う蒸発器と、上記蒸発器で発生した水蒸気を、
「前記高温,低温再生器で生成された濃厚な臭化リチュ
ウム水溶液」に吸収させることにより、前記の蒸発器に
連通されている器内を減圧して、該蒸発器内における水
の蒸発を促進する吸収器と、上記の吸収器で生成された
臭化リチュウムの稀薄水溶液を、「前記高温,低温再生
器で生成された高温の濃厚な臭化リチュウム水溶液」に
よって加熱する熱交換器と、を具備する吸収冷温水機で
あって、前記の凝縮器内で水蒸気を液化せしめたとき凝
縮潜熱を受け取って昇温した冷却水を降温させる冷却タ
ワー、および、降温させるべき冷却水を冷却タワーに送
給する冷却水送給管と、降温した冷却水を前記の吸収器
を経て蒸発器に還流させる冷却水戻り管、並びに、上記
冷却水を循環流動させる冷却水循環ポンプを有する構造
であって、冷房設備として機能することができ、かつ、
前記の吸収器および凝縮器に流通している冷却水の送給
を停止するとともに、前記の高温再生器,低温再生器で
発生した水蒸気を前記蒸発器へ導く冷温切換弁V1と、
上記水蒸気が蒸発器内で凝縮液化した水を前記吸収器へ
導く冷温切換弁V2とを開弁すると、上記蒸発器内で放
出される凝縮熱によって、該蒸発器を流通している温水
が加熱されて暖房機能を果たし得るように構成された臭
化リチュウム吸収冷温水機を運転する際、暖房モード運
転状態から冷房モード運転状態へ切り換える方法におい
て、前記の吸収器に設けられている伝熱管に冷却水を通
水して該吸収器内の水蒸気を降温せしめる操作に先立っ
て、暖房運転状態で吸収器の底部に溜まっていた臭化リ
チュウム水溶液を、吸収器外の密閉容器の中へ導き、上
記密閉容器中の臭化リチュウム水溶液を降温させた後、
降温した臭化リチュウム水溶液を吸収器内に戻し、また
は、当該吸収冷温水機に形成されている臭化リチュウム
水溶液循環流路の途中に合流せしめることを特徴とす
る。以上に説明した請求項5の発明方法によると、吸収
器内の水蒸気を冷却してその圧力を降下させる前に、該
吸収器内の臭化リチュウム水溶液を別の密閉容器に移し
て降温させ、降温した臭化リチュウム水溶液を吸収器内
へ戻すので、この戻される臭化リチュウム水溶液は減圧
されても自己沸騰する虞れが無い。本請求項5に係る発
明方法特有の効果として、吸収器内の臭化リチュウム水
溶液を他の密閉容器へ移すので、該密閉容器内の臭化リ
チュウム水溶液が降温し切らないうちに、早まって吸収
器内の伝熱管に冷却水を通水することによって該吸収器
内の水蒸気圧力を急激に降下させても(該吸収器内に臭
化リチュウム水溶液が無いから)臭化リチュウム水溶液
が自己沸騰する虞れが無い。吸収器外の密閉容器に移し
て冷却させた臭化リチュウム水溶液は、これを吸収器に
戻しても自己沸騰する虞れが無いが、吸収器内へ戻す代
りに「当該吸収冷温水機における臭化リチュウム循環流
路」の中の任意の個所へ戻すこともできるので、実施の
形態の自由度が大きい。
【0018】請求項6に係る発明方法の構成は、前記請
求項1ないし請求項5の内の何れか一つの構成要件に加
えて、暖房モード運転から冷房モード運転に切り換える
際、吸収器内の底部の臭化リチュウム水溶液の温度を連
続的に検出し、もしくは断続的に検出して、上記臭化リ
チュウム水溶液の温度が所定の温度まで降温した後、吸
収器内の伝熱管に冷却水を循環送給することを特徴とす
る。以上に説明した請求項6の発明方法によると、吸収
器内において臭化リチュウム水溶液が自己沸騰する現象
を、未然に、かつ完全に防止することができる。すなわ
ち、本発明方法の基本的な構成は「水蒸気の冷却を開始
するまでの間に、臭化リチュウム水溶液を、自己沸騰の
虞れ無き温度まで冷やす」ということであるが、この方
法を実施する際、「臭化リチュウム水溶液が自己沸騰す
る虞れの有無」を判定する方法はいろいろ有り、例え
ば、実験的に一定の時間tを設定して、「時間tを経過
するまでは自己沸騰の虞れがあり、時間tを経過した後
は自己沸騰の虞れが無いと見做す」と決めつけてしまう
ことも可能である(時間tを経過した後であれば、自己
沸騰に近い現象を呈したとしても、あまり激しく飛沫を
跳ね飛ばすことは無いという考え方は、必ずしも否定で
きない)。しかし、本請求項6を適用して臭化リチュウ
ム水溶液の温度を検知すれば、かなり正確に自己沸騰の
虞れの有無を判定することができる。臭化リチュウム水
溶液の温度を知っても、該臭化リチュウム水溶液の濃度
や、吸収器内の水蒸気圧力を推定しなければならないか
ら、臭化リチュウム水溶液の温度だけで完全に高精度の
制御をすることは難しい。従って、本請求項6における
「所定の温度」には、循環の余裕(安全係数に類似する
もの)を与えておくことが望ましい。なお、吸収器内の
水蒸気圧力の検知を併用して判定すればベターである。
【0019】請求項7に係る発明装置の構成は、臭化リ
チュウムの水溶液を加熱して、冷媒である水の蒸気を発
生させる高温再生器と、上記高温再生器で発生した高温
の水蒸気を熱源として、上記臭化リチュウム水溶液の他
の一部分を加熱して水蒸気を発生せしめるとともに、上
記の熱源として用いた水蒸気を降温させる低温再生器
と、前記高温再生器および低温再生器で発生した水蒸気
を冷却水で冷却して液化せしめる凝縮器と、凝縮器で液
化した冷媒の水を減圧して蒸発せしめることにより、冷
水から蒸発熱を奪う蒸発器と、上記蒸発器で発生した水
蒸気を、「前記高温,低温再生器で生成された濃厚な臭
化リチュウム水溶液」に吸収させることにより、前記の
蒸発器に連通されている器内を減圧して、該蒸発器内に
おける水の蒸発を促進する吸収器と、上記の吸収器で生
成された臭化リチュウムの稀薄水溶液を、「前記高温,
低温再生器で生成された高温の濃厚な臭化リチュウム水
溶液」によって加熱する熱交換器と、を具備する吸収冷
温水機であって、前記の凝縮器内で水蒸気を液化せしめ
たとき凝縮潜熱を受け取って昇温した冷却水を降温させ
る冷却タワー、および、降温させるべき冷却水を冷却タ
ワーに送給する冷却水送給管と、降温した冷却水を前記
の吸収器を経て蒸発器に還流させる冷却水戻り管、並び
に、上記冷却水を循環流動させる冷却水循環ポンプを有
する構造であって、冷房設備として機能することがで
き、かつ、前記の吸収器および凝縮器に流通している冷
却水の送給を停止するとともに、前記の高温再生器,低
温再生器で発生した水蒸気を前記蒸発器へ導く冷温切換
弁V1と、上記水蒸気が蒸発器内で凝縮液化した水を前
記吸収器へ導く冷温切換弁V2とを開弁すると、上記蒸
発器内で放出される凝縮熱によって、該蒸発器を流通し
ている温水が加熱されて暖房機能を果たし得るように構
成された臭化リチュウム吸収冷温水機を運転する際、暖
房モード運転状態から冷房モード運転状態へ切り換える
装置において、前記の吸収器内の底部に溜まっている臭
化リチュウム水溶液を冷却するための熱交換器と、前記
吸収器内の臭化リチュウム水溶液を、前記の溶液冷却用
熱交換器に循環流動せしめる管路と、前記吸収器内の底
部に溜まっている臭化リチュウム水溶液の流路を「本来
の冷房,暖房用の吸収サイクル」と、「前記の溶液冷却
用熱交換器に循環させる流路」とに切り換える弁手段」
と、を具備していることを特徴とする。以上に説明した
請求項7の発明装置によると「吸収器の底部に溜まって
いて、暖房モード運転から冷房モード運転に切り換える
際、自己沸騰する虞れが有る臭化リチュウム水溶液」
を、「本来の循環流路」と、「冷却用熱交換器を通る流
路」との何れか任意の流路に切り換える弁手段が設けら
れているので、暖房モード運転から冷房モード運転に切
り換える過渡期間中、前記の弁手段によって臭化リチュ
ウム水溶液を冷却用熱交換器に流通循環せしめると、該
臭化リチュウム水溶液の降温を促進することができる。
上記臭化リチュウム水溶液が、自己沸騰する虞れが無い
程度まで降温すれば、前記の弁手段を操作して本来の吸
収サイクルに循環流動せしめて、冷房モード運転状態に
移行する。上述のようにして、吸収器内の臭化リチュウ
ムに自己沸騰を起こさせないように、暖房モード運転状
態を冷房モード運転状態に切り換えることができ、か
つ、前記冷却用熱交換器によって臭化リチュウム水溶液
が冷却されるので、上記の運転状態切換を短時間で行な
うことができる。
【0020】請求項8に係る発明装置の構成は、前記請
求項7の発明装置の構成要件に加えて、前記の溶液冷却
用熱交換器は、「臭化リチュウム水溶液を流通せしめる
被冷却側流路」と、「冷却用流体を流通せしめる冷却側
流路」とを具備する構造であって、上記の冷却側流路
に、「冷却タワーで冷却された冷却水」を切換え流通せ
しめる弁手段、もしくは、前記冷却側流路に、「作業用
水,上水,もしくはこれに類似する補給水」を切換え流
通せしめる弁手段、または、前記冷却側流路に、「河
川,湖沼,湧水、もしくはこれらに類似する天然水」を
切換え流通せしめる弁手段、が設けられていることを特
徴とする。以上に説明した請求項8の発明装置による
と、臭化リチュウム水溶液を被冷却側流路に流通せしめ
る熱交換器が設けられているので、吸収器内の臭化リチ
ュウム水溶液を短時間で冷却させることができる。その
上、補給水を上記熱交換器の冷却側流路に切換流通せし
める弁手段、もしくは自然水を該冷却側流路に切換流通
せしめる弁手段が設けられているので、熱交換器の冷却
側流体として河川の水,湖沼の水,湧水(井戸水を含
む)などの自然水を利用し、または、作業用水,上水,
浄化された廃水などの補給水を利用することができる。
このように補助水源を選択し得る範囲が広いので、設備
設計上の自由度が大きい。しかも、前記の補給水もしく
は自然水は、切換弁を介して熱交換器の冷却側流路に接
続されているので、必要に応じて熱交換器に冷却機能を
発揮させ、必要が無くなれば冷却機能を停止させること
ができて、冷却用の補給水源を無駄に消費しないように
節水することができる。
【0021】請求項9に係る発明装置の構成は、前記請
求項7の発明装置の構成要件に加えて、前記の溶液冷却
用熱交換器は強制空冷形のラジエータであって、臭化リ
チュウム水溶液を流通せしめる放熱管と、上記放熱管に
取り付けられて熱伝導的に接続された冷却フィンと、上
記放熱管および冷却フィンに大気を吹きつけるファン、
もしくはブロワと、を具備していることを特徴とする。
以上に説明した請求項9の発明装置によると、外部から
冷却用の補助水源を供給する必要無く、吸収器内の底部
に溜まっていた臭化リチュウム水溶液を有効に冷却する
ことができる。その上、伝熱管に装着された冷却フィ
ン、および強制通風手段(ファン,ブロワ)が設けられ
ているので、高温の臭化リチュウム水溶液を短時間のう
ちに冷却させることができる。さらに、通常の水冷式熱
交換器に比して、冬季における水の凍結による破損事故
を発生する虞れが無いので、水抜き操作を要とせず、メ
ンティナンスが容易である。
【0022】請求項10に係る発明装置の構成は、臭化
リチュウムの水溶液を加熱して、冷媒である水の蒸気を
発生させる高温再生器と、上記高温再生器で発生した高
温の水蒸気を熱源として、上記臭化リチュウム水溶液の
他の一部分を加熱して水蒸気を発生せしめるとともに、
上記の熱源として用いた水蒸気を降温させる低温再生器
と、前記高温再生器および低温再生器で発生した水蒸気
を冷却水で冷却して液化せしめる凝縮器と、凝縮器で液
化した冷媒の水を減圧して蒸発せしめることにより、冷
水から蒸発熱を奪う蒸発器と、上記蒸発器で発生した水
蒸気を、「前記高温,低温再生器で生成された濃厚な臭
化リチュウム水溶液」に吸収させることにより、前記の
蒸発器に連通されている器内を減圧して、該蒸発器内に
おける水の蒸発を促進する吸収器と、上記の吸収器で生
成された臭化リチュウムの稀薄水溶液を、「前記高温,
低温再生器で生成された高温の濃厚な臭化リチュウム水
溶液」によって加熱する熱交換器と、を具備する吸収冷
温水機であって、前記の凝縮器内で水蒸気を液化せしめ
たとき凝縮潜熱を受け取って昇温した冷却水を降温させ
る冷却タワー、および、降温させるべき冷却水を冷却タ
ワーに送給する冷却水送給管と、降温した冷却水を前記
の吸収器を経て凝縮器に還流させる冷却水戻り管、並び
に、上記冷却水を循環流動させる冷却水循環ポンプを有
する構造であって、冷房設備として機能することがで
き、かつ、前記の吸収器および凝縮器に流通している冷
却水の送給を停止するとともに、前記の高温再生器,低
温再生器で発生した水蒸気を前記蒸発器へ導く冷温切換
弁V1と、上記水蒸気が蒸発器内で凝縮液化した水を前
記吸収器へ導く冷温切換弁V2とを開弁すると、上記蒸
発器内で放出される凝縮熱によって、該蒸発器を流通し
ている温水が加熱されて暖房機能を果たし得るように構
成された臭化リチュウム吸収冷温水機を運転する際、暖
房モード運転状態から冷房モード運転状態へ切り換える
装置において、前記吸収器内の底部に溜まっている臭化
リチュウム水溶液を移送して収容し得る密閉容器と、吸
収器内の臭化リチュウム水溶液を上記密閉容器内に移送
するための管路、および、移送するための専用もしくは
兼用のポンプと、上記密閉容器内の臭化リチュウム水溶
液を冷却して降温させる手段と、上記密閉容器内で降温
した臭化リチュウム水溶液を吸収器内へ返送する管路、
または「吸収冷温水機における本来の臭化リチュウム水
溶液循環流路」へ返送する管路および弁手段、とが設け
られていることを特徴とする。以上に説明した請求項1
0の発明装置によると、吸収器内の臭化リチュウム水溶
液を移送して一時的に貯溜し得る密閉容器が設けられ、
かつ、該密閉容器内の臭化リチュウム水溶液を冷却する
手段が設けられているので、暖房モード運転を冷房モー
ド運転に切り換える際、吸収器内の臭化リチュウム水溶
液の自己沸騰を防止することができる。すなわち、吸収
器内の臭化リチュウム水溶液を密閉容器に移して、吸収
器内を空(から)にしておくと(空とは真空の意ではな
く、水蒸気で満たされている意である)、吸収器内にお
いてのみ起こり得る現象である自己沸騰は発生すること
が無い。また、上記密閉容器内で臭化リチュウム水溶液
を冷却した後は、低温になった臭化リチュウム水溶液を
吸収器の中へ戻しても、溶液飽和圧力が下がっているの
で自己沸騰を生じない。前記密閉容器には臭化リチュウ
ム水溶液の冷却手段が設けられているので、吸収器の中
で臭化リチュウム水溶液を放冷する場合に比して格段に
短時間のうちに該臭化リチュウム水溶液を降温させるこ
とができる。これにより、暖房モード運転→冷房モード
運転の切換操作を短時間のうちに、しかも自己沸騰を生
ぜしめること無く遂行することができる。
【0023】請求項11に係る発明装置の構成は、前記
請求項7ないし請求項10の構成要件に加えて、前記吸
収器内の底部に溜まっていた臭化リチュウム水溶液の温
度を検出する温度センサと、上記温度センサの出力信号
を入力される制御盤とが設けられており、かつ、前記の
弁手段は電磁的に操作される構造であって、前記の制御
盤は、入力された温度検出信号に基づき、予め与えられ
たプログラムに従って前記の電磁操作弁に指令信号を出
力する機能を有するものであることを特徴とする。以上
に説明した請求項11の発明装置によると、臭化リチュ
ウム水溶液の温度を検出することができるので、制御盤
に予め与えてあるプログラムによって「臭化リチュウム
水溶液が自己沸騰する危険性の有無を推定することがで
きる。これにより、弁手段を自動的に操作せしめて、自
己沸騰の虞れ無く暖房モード運転を冷房モード運転に切
り換えることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る切換方法を
実施するために構成した切換装置の1実施形態の系統図
である。21は溶液冷却用熱交換器であって、その被冷
却側流路は、電磁作動式の溶液流路切換弁22を介して
溶液ポンプ9の吐出側管路と、吸収器8とに、それぞれ
連通されている。上記切換弁22を、図示のn位置にす
ると、吸収器8内の臭化リチュウム水溶液が熱交換器2
1の被冷却側に流通する。この切換弁22は制御盤24
によって自動的に制御され、温度センサTの検出温度が
「自己沸騰の虞れの無い温度」まで下がると、図に示し
たn位置に自動操作され、通常の吸収冷温水機(図4)
と同様の臭化リチュウム循環流動が行なわれて、冷房モ
ード運転に移行する。
【0025】冷却水流路切換弁23は、前記の切換弁2
2がm位置に在るときはm′位置となり、冷却タワー1
6で冷された冷却水を熱交換器21の冷却側流路に流通
させる。切換弁21がn位置(冷房モード)になる時、
これと連動せしめて切換弁23はn′位置(冷房モー
ド)となり、冷却タワー16からの冷却水を伝熱管13
に送給せしめる。図1について以上に述べた作用によ
り、暖房モード運転を冷房モード運転に切り換える際、
吸収器8内の臭化リチュウムの自己沸騰が未然に防止さ
れる。前記の溶液冷却用熱交換器21およびその付属機
器に代えて、送風ファン(またはブロワ)および冷却フ
ィンを備えた放熱管より成るラジエータ26を設けても
同様ないし類似の効果が得られる。ラジエータ26の設
置を省略して、溶液ポンプ9を回転させ、臭化リチュウ
ム水溶液を本来の循環流路に流し続けても、若干の放冷
効果は認められるが充分ではない。
【0026】図2は、前掲の図1と異なる実施形態を示
し、吸収冷温水機の断面図に配管系統と制御系統とを付
記した図である。本例においては、溶液冷却用熱交換器
21の冷却側流路に、冷却用水制御弁36を介して作業
用水道35を接続してある。作業用水に代えて、上水ま
たは浄化された廃水などの補給水を用いることもでき、
また、河川井戸などの自然水を利用しても良い。冷却水
制御弁37は、温度センサTの検出値が所定の温度まで
低下するまでの間、伝熱管13に冷却タワー16からの
冷却水を送給しないようにした安全弁である。
【0027】図3は、前掲の図1および図2と更に異な
る実施形態を示し、模式的に描いた断面図に配管系統を
付記した図である。27は、密閉式の容器であり、冷水
源34を備えた冷却用伝熱管31が設けられていて、冷
却タンクとして機能する。実線で描かれた管路に設けら
れている溶液流路切換弁28を開くと、吸収器8内の臭
化リチュウム水溶液(平行斜線)が冷却タンク27内に
移送される。該吸収器8内に臭化リチュウム水溶液が無
くなると、自己沸騰は起こり得なくなる。冷却タンク2
7の中で冷却された後の低温の臭化リチュウム水溶液
は、実線で描かれた管路によって吸収器8に戻し、温度
センサTによって安全な温度であることを確かめて、冷
却水制御弁37を開いて吸収器8の伝熱管13に冷却水
を送給し、冷房モード運転に移行する。冷却タンク27
内で降温した臭化リチュウム水溶液は、仮想線で示した
溶液戻し管32a〜32dの何れかのごとく、臭化リチ
ュウム水溶液循環流路の途中の何れか適宜の箇所に戻し
ても良い。
【0028】
【発明の効果】以上に本発明の実施形態を挙げてその構
成・機能を明らかならしめたように、請求項1の発明方
法によると、暖房モード運転中の吸収器内が昇温して
「該吸収器内の臭化リチュウム稀薄水溶液の飽和蒸気
圧」および「該吸収器内の空間を満たしている水蒸気の
圧力」が共に上昇し、かつ、両者がほぼ平衡している状
態において、いきなり上記の水蒸気を急冷して前記の
「溶液飽和圧力−水蒸気圧力のバランス」を崩すことを
せず、冷却水の通水による吸収器内水蒸気急冷(水蒸気
圧力急減)に先立って、該吸収器内の臭化リチュウム水
溶液を冷却するので、該臭化リチュウム水溶液が降温し
て沸騰しにくくなる。このようにして、熱交換器によっ
て吸収器内の臭化リチュウム水溶液を冷却するので、そ
の後に該吸収器内の伝熱管に冷却水を通水して水蒸気を
急冷し、該水蒸気の圧力が低下しても、既に降温してい
る臭化リチュウム水溶液が自己沸騰を生じる虞れが無
い。従って、吸収器内の臭化リチュウムの沸騰飛沫が蒸
発器内に侵入する虞れが無く、該吸収器内の水(冷媒)
に臭化リチュウムが混入して沸点降下現象を生じ、その
後の冷房モード運転における吸収冷温水機の冷房機能に
支障を及ぼすことが無く、暖房モード運転状態から冷房
モード運転状態への切換が、短時間内に円滑に遂行され
る。
【0029】請求項2の発明方法によると、本来の冷房
用機器として設置されている「冷却タワー、冷却水循環
ポンプ、冷却水送給管、および冷却水戻り管より成る冷
却水源、並びに該冷却水源の制御機構」を改修する必要
無く、上記以外の水源(補給水や自然水)を用いて、吸
収器内の臭化リチュウム水溶液を冷却して、その自己沸
騰を防止することができる。臭化リチュウム吸収冷温水
機を用いた冷暖房設備においては、1基の冷却タワーが
複数基の吸収冷温水機の吸収器および凝縮器に対して冷
却水を循環送給している例が少なくない。このような場
合、上記複数基の吸収冷温水機のうちの一部分に本発明
の切換方法を適用するとともに、該複数基の吸収冷温水
機の他の部分は連続的に冷房モードもしくは暖房モード
で運転しようとすると、前記複数基の吸収冷温水機が共
用している本来の冷却水源(冷却タワー他)に手を触れ
たくない。本請求項2の発明方法は、上述のごとく冷却
タワーを専用していない臭化リチュウム吸収冷温水機の
暖房モード運転を冷房モード運転に切り換える場合に好
適である。
【0030】請求項3の発明方法によると、別段の冷却
水源を新設する必要無く、吸収器内の臭化リチュウム水
溶液を熱交換器で有効に冷却することができる。すなわ
ち、本来は吸収器内の水蒸気を冷却するために設けられ
ている冷却タワーや、冷却水循環ポンプを利用して、臭
化リチュウム水溶液を冷却する熱交換器の冷熱源とする
ことができる。本請求項3が引用している請求項1の発
明方法は「吸収器内の水蒸気を冷却するに先立って、該
吸収器内の臭化リチュウム水溶液を冷却する」というも
のである。従って、臭化リチュウム水溶液を冷却する工
程においては、水蒸気を冷却する工程が未だ開始されな
い。こうした特性を利用した本請求項3は、吸収器内の
水蒸気を冷却するための冷却水循環送給が未だ開始され
ない時期に、上記冷却水を「臭化リチュウム水溶液冷却
用の熱交換器」に循環送給する、という極めて合理的な
構成をとった。水蒸気冷却用の冷却水を流用して臭化リ
チュウム水溶液を有効に冷却して、急速に臭化リチュウ
ム水溶液を降温せしめると、暖房モード→冷房モード切
換の過渡的期間が短縮される。
【0031】請求項4の発明方法によると、簡単な設備
によって臭化リチュウム水溶液の温度を低下させて自己
沸騰を防止することができる。すなわち、空冷方式のラ
ジエータは一般に、液冷式の熱交換器に比して構造が簡
単で取り扱い易い。液冷式の熱交換器を接続する場合、
基本的には4本の管路を設けなければならないが、空冷
式のラジエータを接続する場合は2本の管路で足りる。
その上、熱交換器の中で被冷却側流体と冷却側流体との
間にリークを生じた場合、その発見と補修は容易でない
が、空冷式のラジエータは一般に被冷却流体を流通せし
める放熱管が目視可能に外気に対してほぼ露出している
のでメンティナンスが容易である。
【0032】請求項5の発明方法によると、吸収器内の
水蒸気を冷却してその圧力を降下させる前に、該吸収器
内の臭化リチュウム水溶液を別の密閉容器に移して降温
させ、降温した臭化リチュウム水溶液を吸収器内へ戻す
ので、この戻される臭化リチュウム水溶液は減圧されて
も自己沸騰する虞れが無い。本請求項5に係る発明方法
特有の効果として、吸収器内の臭化リチュウム水溶液を
他の密閉容器へ移すので、該密閉容器内の臭化リチュウ
ム水溶液が降温し切らないうちに、早まって吸収器内の
伝熱管に冷却水を通水することによって該吸収器内の水
蒸気圧力を急激に降下させても(該吸収器内に臭化リチ
ュウム水溶液が無いから)臭化リチュウム水溶液が自己
沸騰する虞れが無い。吸収器外の密閉容器に移して冷却
させた臭化リチュウム水溶液は、これを吸収器に戻して
も自己沸騰する虞れが無いが、吸収器内へ戻す代りに
「当該吸収冷温水機における臭化リチュウム循環流路」
の中の任意の個所へ戻すこともできるので、実施の形態
の自由度が大きい。
【0033】請求項6の発明方法によると、吸収器内に
おいて臭化リチュウム水溶液が自己沸騰する現象を、未
然に、かつ完全に防止することができる。すなわち、本
発明方法の基本的な構成は「水蒸気の冷却を開始するま
での間に、臭化リチュウム水溶液を、自己沸騰の虞れ無
き温度まで冷やす」ということであるが、この方法を実
施する際、「臭化リチュウム水溶液が自己沸騰する虞れ
の有無」を判定する方法はいろいろ有り、例えば、実験
的に一定の時間tを設定して、「時間tを経過するまで
は自己沸騰の虞れがあり、時間tを経過した後は自己沸
騰の虞れが無いと見做す」と決めつけてしまうことも可
能である(時間tを経過した後であれば、自己沸騰に近
い現象を呈したとしても、あまり激しく飛沫を跳ね飛ば
すことは無いという考え方は、必ずしも否定できな
い)。しかし、本請求項6を適用して臭化リチュウム水
溶液の温度を検知すれば、かなり正確に自己沸騰の虞れ
の有無を判定することができる。臭化リチュウム水溶液
の温度を知っても、該臭化リチュウム水溶液の濃度や、
吸収器内の水蒸気圧力を推定しなければならないから、
臭化リチュウム水溶液の温度だけで完全に高精度の制御
をすることは難しい。従って、本請求項6における「所
定の温度」には、循環の余裕(安全係数に類似するも
の)を与えておくことが望ましい。なお、吸収器内の水
蒸気圧力の検知を併用して判定すればベターである。
【0034】請求項7の発明装置によると「吸収器の底
部に溜まっていて、暖房モード運転から冷房モード運転
に切り換える際、自己沸騰する虞れが有る臭化リチュウ
ム水溶液」を、「本来の循環流路」と、「冷却用熱交換
器を通る流路」との何れか任意の流路に切り換える弁手
段が設けられているので、暖房モード運転から冷房モー
ド運転に切り換える過渡期間中、前記の弁手段によって
臭化リチュウム水溶液を冷却用熱交換器に流通循環せし
めると、該臭化リチュウム水溶液の降温を促進すること
ができる。上記臭化リチュウム水溶液が、自己沸騰する
虞れが無い程度まで降温すれば、前記の弁手段を操作し
て本来の吸収サイクルに循環流動せしめて、冷房モード
運転状態に移行する。上述のようにして、吸収器内の臭
化リチュウムに自己沸騰を起こさせないように、暖房モ
ード運転状態を冷房モード運転状態に切り換えることが
でき、かつ、前記冷却用熱交換器によって臭化リチュウ
ム水溶液が冷却されるので、上記の運転状態切換を短時
間で行なうことができる。
【0035】請求項8の発明装置によると、臭化リチュ
ウム水溶液を被冷却側流路に流通せしめる熱交換器が設
けられているので、吸収器内の臭化リチュウム水溶液を
短時間で冷却させることができる。その上、補給水を上
記熱交換器の冷却側流路に切換流通せしめる弁手段、も
しくは、自然水を該冷却側流路に切換流通せしめる弁手
段が設けられているので、熱交換器の冷却側流体として
河川の水,湖沼の水,湧水(井戸水を含む)などの自然
水を利用し、または、作業用水,上水,浄化された廃水
などの補給水を利用することができる。このように補助
水源を選択し得る範囲が広いので、設備設計上の自由度
が大きい。しかも、前記の補給水もしくは自然水は、切
換弁を介して熱交換器の冷却側流路に接続されているの
で、必要に応じて熱交換器に冷却機能を発揮させ、必要
が無くなれば冷却機能を停止させることができて、冷却
用の補給水源を無駄に消費しないように節水することが
できる。
【0036】請求項9の発明装置によると、外部から冷
却用の補助水源を供給する必要無く、吸収器内の底部に
溜まっていた臭化リチュウム水溶液を有効に冷却するこ
とができる。その上、伝熱管に装着された冷却フィン、
および強制通風手段(ファン,ブロワ)が設けられてい
るので、高温の臭化リチュウム水溶液を短時間のうちに
冷却させることができる。さらに、通常の水冷式熱交換
器に比して、冬季における水の凍結による破損事故を発
生する虞れが無いので、水抜き操作を必要とせず、メン
ティナンスが容易である。
【0037】請求項10の発明装置によると、吸収器内
の臭化リチュウム水溶液を移送して一時的に貯溜し得る
密閉容器が設けられ、かつ、該密閉容器内の臭化リチュ
ウム水溶液を冷却する手段が設けられているので、暖房
モード運転を冷房モード運転に切り換える際、吸収器内
の臭化リチュウム水溶液の自己沸騰を防止することがで
きる。すなわち、吸収器内の臭化リチュウム水溶液を密
閉容器に移して、吸収器内を空(から)にしておくと
(空とは真空の意ではなく、水蒸気で満たされている意
である)、吸収器内においてのみ起こり得る現象である
自己沸騰は発生することが無い。また、上記密閉容器内
で臭化リチュウム水溶液を冷却した後は、低温になった
臭化リチュウム水溶液を吸収器の中へ戻しても、溶液飽
和圧力が下がっているので自己沸騰を生じない。前記密
閉容器には臭化リチュウム水溶液の冷却手段が設けられ
ているので、吸収器の中で臭化リチュウム水溶液を放冷
する場合に比して格段に短時間のうちに該臭化リチュウ
ム水溶液を降温させることができる。これにより、暖房
モード運転→冷房モード運転の切換操作を短時間のうち
に、しかも自己沸騰を生ぜしめること無く遂行すること
ができる。
【0038】請求項11の発明装置によると、臭化リチ
ュウム水溶液の温度を検出することができるので、制御
盤に予め与えてあるプログラムによって「臭化リチュウ
ム水溶液が自己沸騰する危険性の有無を推定することが
できる。これにより、弁手段を自動的に操作せしめて、
自己沸騰の虞れ無く暖房モード運転を冷房モード運転に
切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る切換方法を実施するために構成し
た切換装置の1実施形態の系統図である。
【図2】前掲の図1と異なる実施形態を示し、吸収冷温
水機の断面図に配管系統と制御系統とを付記した図であ
る。
【図3】前掲の図1および図2と更に異なる実施形態を
示し、模式的に描いた断面図に配管系統を付記した図で
ある。
【図4】臭化リチュウム吸収冷温水機の従来例を示す模
式的な配管系統図であって、2個の冷温切換弁が閉塞さ
れて冷房(冷却)作用を果たしている状態を表してお
り、液状の水(冷媒液)には斑点を付し、臭化リチュウ
ム濃厚水溶液にはクロスハッチング(格子縞模様)を付
し、臭化リチュウム稀薄水溶液には平行斜線を付してあ
る。
【図5】吸収冷温水機を用いた冷暖房装置の従来例を示
す全体的な模式図であって、冷房モードで運転している
状態を描いてある。
【符号の説明】
1…高温再生器、2…低温再生器、3…凝縮器、4…蒸
発器(暖房モード運転時には凝縮器として機能する)、
5…冷温水・戻り、6…冷温水・送給、7…冷媒ポン
プ、8…吸収器、9…溶液ポンプ、10…臭化リチュウ
ム水溶液相互の熱交換器、11…凝縮器内に設置された
伝熱管、12…蒸発器内に設置された伝熱管、13…吸
収器内に設置された伝熱管、14…低温再生器内に設置
された伝熱管、15…建造物、16…冷却タワー(別
名:クーリングタワー)。17…冷却水送給管、18…
冷却水戻り管、19…冷却水循環ポンプ、21…臭化リ
チュウム水溶液冷却用熱交換器、22…溶液流路切換
弁、23…冷却水流路切換弁、25…温度センサ、26
…ラジエータ、27…冷却タンク、28…溶液流路切換
弁、29…溶液汲出しポンプ、31…冷却用伝熱管、3
2a〜32d…溶液戻し管、34…冷水源、35…作業
用水道、36…冷却用水制御弁、37…冷却水制御弁、
m,n…冷却水流路切換弁の操作位置、m′,n′…冷
却水流路切換弁の操作位置、T…温度センサ、M…駆動
用のモータもしくは電磁石、V1…低温再生器と蒸発器
との間に設けられた冷房暖房切換弁、V2…蒸発器と吸
収器との間に設けられた冷房暖房切換弁、a,b…高温
再生器で発生した水蒸気の流動方向を表す矢印、c,d
…冷却水の流動方向を表す矢印、e…凝縮器で生成され
た液状の水の流動方向を表す矢印、f…蒸発器内で生成
された水蒸気の流動方向を表す矢印、g,h,i,k…
臭化リチュウム水溶液の流動方向を表す矢印。
フロントページの続き Fターム(参考) 3L060 AA01 CC01 DD07 EE45 3L093 AA05 BB11 BB28 BB30 BB31 BB32 BB48 BB49 CC05 DD00 EE22 GG02 HH02 HH14 JJ03 KK01 LL03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 臭化リチュウムの水溶液を加熱して、冷
    媒である水の蒸気を発生させる高温再生器と、 上記高温再生器で発生した高温の水蒸気を熱源として、
    上記臭化リチュウム水溶液の他の一部分を加熱して水蒸
    気を発生せしめるとともに、上記の熱源として用いた水
    蒸気を降温させる低温再生器と、 前記高温再生器および低温再生器で発生した水蒸気を冷
    却水で冷却して液化せしめる凝縮器と、 凝縮器で液化した冷媒の水を減圧して蒸発せしめること
    により、冷水から蒸発熱を奪う蒸発器と、 上記蒸発器で発生した水蒸気を、「前記高温,低温再生
    器で生成された濃厚な臭化リチュウム水溶液」に吸収さ
    せることにより、前記の蒸発器に連通されている器内を
    減圧して、該蒸発器内における水の蒸発を促進する吸収
    器と、 上記の吸収器で生成された臭化リチュウムの稀薄水溶液
    を、「前記高温,低温再生器で生成された高温の濃厚な
    臭化リチュウム水溶液」によって加熱する熱交換器と、 を具備する吸収冷温水機であって、 前記の凝縮器内で水蒸気を液化せしめたとき凝縮潜熱を
    受け取って昇温した冷却水を降温させる冷却タワー、お
    よび、降温させるべき冷却水を冷却タワーに送給する冷
    却水送給管と、降温した冷却水を前記の吸収器を経て蒸
    発器に還流させる冷却水戻り管、並びに、上記冷却水を
    循環流動させる冷却水循環ポンプを有する構造であっ
    て、冷房設備として機能することができ、 かつ、前記の吸収器および凝縮器に流通している冷却水
    の送給を停止するとともに、前記の高温再生器,低温再
    生器で発生した水蒸気を前記蒸発器へ導く冷温切換弁V
    1と、上記水蒸気が蒸発器内で凝縮液化した水を前記吸
    収器へ導く冷温切換弁V2とを開弁すると、上記蒸発器
    内で放出される凝縮熱によって、該蒸発器を流通してい
    る温水が加熱されて暖房機能を果たし得るように構成さ
    れた臭化リチュウム吸収冷温水機を運転する際、暖房モ
    ード運転状態から冷房モード運転状態へ切り換える方法
    において、 前記の吸収器に設けられている伝熱管に冷却水を通水し
    て該吸収器内の水蒸気を降温せしめる操作に先立って、 上記吸収器内の臭化リチュウム水溶液を吸入して前記熱
    交換器へ送出している溶液ポンプの吐出側流路を切り換
    えて、該溶液ポンプもしくはこれと等価に作用するポン
    プが吐出する臭化リチュウム水溶液を、「前記熱交換器
    と別体の、溶液冷却用熱交換器の被冷却側流路」に導
    き、 上記の溶液冷却用熱交換器で冷却された臭化リチュウム
    水溶液を、前記吸収器へ還流せしめることを特徴とす
    る、吸収冷温水機における冷,暖房モード切換え方法。
  2. 【請求項2】 前記溶液冷却用熱交換器の冷却側流体と
    して、作業用水、上水道水もしくはこれに類似する補給
    水、または、河川,湖沼,湧水もしくはこれら類似する
    自然水を用いることを特徴とする、請求項1に記載した
    吸収冷温水機における冷,暖房モード切換え方法。
  3. 【請求項3】 前記冷却水循環ポンプにより吐出され、
    冷却タワーを経て冷却水戻り管から吸収器へ送給される
    冷却水の流路を切り換えて、冷却タワーで冷却された低
    温の冷却水を、前記溶液冷却用熱交換器の冷却側流体の
    流路に循環流動せしめることを特徴とする、請求項1に
    記載した吸収冷温水機における冷,暖房モード切換え方
    法。
  4. 【請求項4】 前記の溶液冷却用熱交換器としてラジエ
    ータを用い、 臭化リチュウム水溶液を放熱管に流通せしめつつ、該放
    熱管に冷却ファンの送風を接触せしめて、上記臭化リチ
    ュウム水溶液を空冷により降温せしめることを特徴とす
    る、請求項1に記載した吸収冷温水機における冷,暖房
    モード切換え方法。
  5. 【請求項5】 臭化リチュウムの水溶液を加熱して、冷
    媒である水の蒸気を発生させる高温再生器と、 上記高温再生器で発生した高温の水蒸気を熱源として、
    上記臭化リチュウム水溶液の他の一部分を加熱して水蒸
    気を発生せしめるとともに、上記の熱源として用いた水
    蒸気を降温させる低温再生器と、 前記高温再生器および低温再生器で発生した水蒸気を冷
    却水で冷却して液化せしめる凝縮器と、 凝縮器で液化した冷媒の水を減圧して蒸発せしめること
    により、冷水から蒸発熱を奪う蒸発器と、 上記蒸発器で発生した水蒸気を、「前記高温,低温再生
    器で生成された濃厚な臭化リチュウム水溶液」に吸収さ
    せることにより、前記の蒸発器に連通されている器内を
    減圧して、該蒸発器内における水の蒸発を促進する吸収
    器と、 上記の吸収器で生成された臭化リチュウムの稀薄水溶液
    を、「前記高温,低温再生器で生成された高温の濃厚な
    臭化リチュウム水溶液」によって加熱する熱交換器と、 を具備する吸収冷温水機であって、 前記の凝縮器内で水蒸気を液化せしめたとき凝縮潜熱を
    受け取って昇温した冷却水を降温させる冷却タワー、お
    よび、降温させるべき冷却水を冷却タワーに送給する冷
    却水送給管と、降温した冷却水を前記の吸収器を経て蒸
    発器に還流させる冷却水戻り管、並びに、上記冷却水を
    循環流動させる冷却水循環ポンプを有する構造であっ
    て、冷房設備として機能することができ、 かつ、前記の吸収器および凝縮器に流通している冷却水
    の送給を停止するとともに、前記の高温再生器,低温再
    生器で発生した水蒸気を前記蒸発器へ導く冷温切換弁V
    1と、上記水蒸気が蒸発器内で凝縮液化した水を前記吸
    収器へ導く冷温切換弁V2とを開弁すると、上記蒸発器
    内で放出される凝縮熱によって、該蒸発器を流通してい
    る温水が加熱されて暖房機能を果たし得るように構成さ
    れた臭化リチュウム吸収冷温水機を運転する際、暖房モ
    ード運転状態から冷房モード運転状態へ切り換える方法
    において、 前記の吸収器に設けられている伝熱管に冷却水を通水し
    て該吸収器内の水蒸気を降温せしめる操作に先立って、 暖房運転状態で吸収器の底部に溜まっていた臭化リチュ
    ウム水溶液を、吸収器外の密閉容器の中へ導き、上記密
    閉容器中の臭化リチュウム水溶液を降温させた後、 降温した臭化リチュウム水溶液を吸収器内に戻し、また
    は、当該吸収冷温水機に形成されている臭化リチュウム
    水溶液循環流路の途中に合流せしめることを特徴とす
    る、吸収冷温水機における冷,暖房モード切換え方法。
  6. 【請求項6】 暖房モード運転から冷房モード運転に切
    り換える際、吸収器内の底部の臭化リチュウム水溶液の
    温度を連続的に検出し、もしくは断続的に検出して、 上記臭化リチュウム水溶液の温度が所定の温度まで降温
    した後、吸収器内の伝熱管に冷却水を循環送給すること
    を特徴とする、請求項1ないし請求項5の内の何れか一
    つに記載した吸収冷温水機における冷,暖房モード切換
    方法。
  7. 【請求項7】 臭化リチュウムの水溶液を加熱して、冷
    媒である水の蒸気を発生させる高温再生器と、 上記高温再生器で発生した高温の水蒸気を熱源として、
    上記臭化リチュウム水溶液の他の一部分を加熱して水蒸
    気を発生せしめるとともに、上記の熱源として用いた水
    蒸気を降温させる低温再生器と、 前記高温再生器および低温再生器で発生した水蒸気を冷
    却水で冷却して液化せしめる凝縮器と、 凝縮器で液化した冷媒の水を減圧して蒸発せしめること
    により、冷水から蒸発熱を奪う蒸発器と、 上記蒸発器で発生した水蒸気を、「前記高温,低温再生
    器で生成された濃厚な臭化リチュウム水溶液」に吸収さ
    せることにより、前記の蒸発器に連通されている器内を
    減圧して、該蒸発器内における水の蒸発を促進する吸収
    器と、 上記の吸収器で生成された臭化リチュウムの稀薄水溶液
    を、「前記高温,低温再生器で生成された高温の濃厚な
    臭化リチュウム水溶液」によって加熱する熱交換器と、 を具備する吸収冷温水機であって、 前記の凝縮器内で水蒸気を液化せしめたとき凝縮潜熱を
    受け取って昇温した冷却水を降温させる冷却タワー、お
    よび、降温させるべき冷却水を冷却タワーに送給する冷
    却水送給管と、降温した冷却水を前記の吸収器を経て蒸
    発器に還流させる冷却水戻り管、並びに、上記冷却水を
    循環流動させる冷却水循環ポンプを有する構造であっ
    て、冷房設備として機能することができ、 かつ、前記の吸収器および凝縮器に流通している冷却水
    の送給を停止するとともに、前記の高温再生器,低温再
    生器で発生した水蒸気を前記蒸発器へ導く冷温切換弁V
    1と、上記水蒸気が蒸発器内で凝縮液化した水を前記吸
    収器へ導く冷温切換弁V2とを開弁すると、上記蒸発器
    内で放出される凝縮熱によって、該蒸発器を流通してい
    る温水が加熱されて暖房機能を果たし得るように構成さ
    れた臭化リチュウム吸収冷温水機を運転する際、暖房モ
    ード運転状態から冷房モード運転状態へ切り換える装置
    において、 前記の吸収器内の底部に溜まっている臭化リチュウム水
    溶液を冷却するための熱交換器と、 前記吸収器内の臭化リチュウム水溶液を、前記の溶液冷
    却用熱交換器に循環流動せしめる管路と、 前記吸収器内の底部に溜まっている臭化リチュウム水溶
    液の流路を「本来の冷房,暖房用の吸収サイクル」と、
    「前記の溶液冷却用熱交換器に循環させる流路」とに切
    り換える弁手段」と、 を具備していることを特徴とする、吸収冷温水機におけ
    る冷,暖房モード切換装置。
  8. 【請求項8】 前記の溶液冷却用熱交換器は、「臭化リ
    チュウム水溶液を流通せしめる被冷却側流路」と、「冷
    却用流体を流通せしめる冷却側流路」とを具備する構造
    であって、 上記の冷却側流路に、「冷却タワーで冷却された冷却
    水」を切換え流通せしめる弁手段、 もしくは、前記冷却側流路に、「作業用水,上水,もし
    くはこれに類似する補給水」を切換え流通せしめる弁手
    段、 または、前記冷却側流路に、「河川,湖沼,湧水、もし
    くはこれらに類似する天然水」を切換え流通せしめる弁
    手段、 が設けられていることを特徴とする、請求項7に記載し
    た吸収冷温水機における冷,暖房モード切換装置。
  9. 【請求項9】 前記の溶液冷却用熱交換器は強制空冷形
    のラジエータであって、 臭化リチュウム水溶液を流通せしめる放熱管と、 上記放熱管に取り付けられて熱伝導的に接続された冷却
    フィンと、 上記放熱管および冷却フィンに大気を吹きつけるファ
    ン、もしくはブロワと、を具備していることを特徴とす
    る、請求項7に記載した吸収冷温水機における冷,暖房
    モード切換装置。
  10. 【請求項10】 臭化リチュウムの水溶液を加熱して、
    冷媒である水の蒸気を発生させる高温再生器と、 上記高温再生器で発生した高温の水蒸気を熱源として、
    上記臭化リチュウム水溶液の他の一部分を加熱して水蒸
    気を発生せしめるとともに、上記の熱源として用いた水
    蒸気を降温させる低温再生器と、 前記高温再生器および低温再生器で発生した水蒸気を冷
    却水で冷却して液化せしめる凝縮器と、 凝縮器で液化した冷媒の水を減圧して蒸発せしめること
    により、冷水から蒸発熱を奪う蒸発器と、 上記蒸発器で発生した水蒸気を、「前記高温,低温再生
    器で生成された濃厚な臭化リチュウム水溶液」に吸収さ
    せることにより、前記の蒸発器に連通されている器内を
    減圧して、該蒸発器内における水の蒸発を促進する吸収
    器と、 上記の吸収器で生成された臭化リチュウムの稀薄水溶液
    を、「前記高温,低温再生器で生成された高温の濃厚な
    臭化リチュウム水溶液」によって加熱する熱交換器と、 を具備する吸収冷温水機であって、 前記の凝縮器内で水蒸気を液化せしめたとき凝縮潜熱を
    受け取って昇温した冷却水を降温させる冷却タワー、お
    よび、降温させるべき冷却水を冷却タワーに送給する冷
    却水送給管と、降温した冷却水を前記の吸収器を経て凝
    縮器に還流させる冷却水戻り管、並びに、上記冷却水を
    循環流動させる冷却水循環ポンプを有する構造であっ
    て、冷房設備として機能することができ、 かつ、前記の吸収器および凝縮器に流通している冷却水
    の送給を停止するとともに、前記の高温再生器,低温再
    生器で発生した水蒸気を前記蒸発器へ導く冷温切換弁V
    1と、上記水蒸気が蒸発器内で凝縮液化した水を前記吸
    収器へ導く冷温切換弁V2とを開弁すると、上記蒸発器
    内で放出される凝縮熱によって、該蒸発器を流通してい
    る温水が加熱されて暖房機能を果たし得るように構成さ
    れた臭化リチュウム吸収冷温水機を運転する際、暖房モ
    ード運転状態から冷房モード運転状態へ切り換える装置
    において、 前記吸収器内の底部に溜まっている臭化リチュウム水溶
    液を移送して収容し得る密閉容器と、 吸収器内の臭化リチュウム水溶液を上記密閉容器内に移
    送するための管路、および、移送するための専用もしく
    は兼用のポンプと、 上記密閉容器内の臭化リチュウム水溶液を冷却して降温
    させる手段と、 上記密閉容器内で降温した臭化リチュウム水溶液を吸収
    器内へ返送する管路、または「吸収冷温水機における本
    来の臭化リチュウム水溶液循環流路」へ返送する管路お
    よび弁手段、 とが設けられていることを特徴とする、吸収冷温水機に
    おける冷,暖房モード切換装置。
  11. 【請求項11】 前記吸収器内の底部に溜まっていた臭
    化リチュウム水溶液の温度を検出する温度センサと、 上記温度センサの出力信号を入力される制御盤とが設け
    られており、 かつ、前記の弁手段は電磁的に操作される構造であっ
    て、 前記の制御盤は、入力された温度検出信号に基づき、予
    め与えられたプログラムに従って前記の電磁操作弁に指
    令信号を出力する機能を有するものであることを特徴と
    する、請求項7ないし請求項10の何れかに記載した吸
    収冷温水機における冷,暖房モード切換装置。
JP27670199A 1999-09-29 1999-09-29 吸収冷温水機における冷,暖房モード切換え方法、および同装置 Pending JP2001099515A (ja)

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