JP2001098175A - 熱硬化性樹脂組成物及び繊維強化複合材料 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及び繊維強化複合材料

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JP2001098175A
JP2001098175A JP27887899A JP27887899A JP2001098175A JP 2001098175 A JP2001098175 A JP 2001098175A JP 27887899 A JP27887899 A JP 27887899A JP 27887899 A JP27887899 A JP 27887899A JP 2001098175 A JP2001098175 A JP 2001098175A
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thermosetting resin
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JP27887899A
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Naomi Miyoshi
直美 三好
Ryuji Sawaoka
竜治 澤岡
Hiroki Ooseto
浩樹 大背戸
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Toray Industries Inc
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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、高レベルの靭性を有する硬化物が得
られる熱硬化性樹脂組成物、及び該熱硬化性樹脂組成物
を含んでなる繊維強化複合材料を提供せんとするもので
ある。 【解決手段】次の構成要素(A)、(B)、及び(C)
を含んでなる樹脂組成物であって、前記構成要素(A)
と(B)とのモル数比が特定される範囲内であることを
特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 (A)分子内に重合性不飽和結合を複数個有する熱硬化
性樹脂 (B)分子内に重合性不飽和結合を1個有する化合物 (C)ゴムを含んでなり、前記構成要素(A)と(B)
が混合されてなる液状の樹脂組成物に実質的に不溶なポ
リマー微粒子

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、船舶、航
空機部品、電気・電子製品、産業機械部品、建築資材、
住設機器、圧力容器、ヘルメット等に好適に用いること
のできる熱硬化性樹脂組成物、及び該熱硬化性樹脂組成
物の硬化物を含んでなる繊維強化複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】強化繊維と樹脂よりなる繊維強化複合材
料は、軽量かつ高強度、高剛性といった特性を活かし、
自動車、船舶、航空機部品、電気・電子部品、産業機械
部品、建築資材、住設機器等、多種多様な用途に使用さ
れている。
【0003】強化繊維としては、ガラス繊維、アラミド
繊維、炭素繊維等が用いられ、中でも炭素繊維は引張強
度、引張弾性率等の強度特性に優れることから多用され
る。
【0004】また、樹脂としては、熱硬化性樹脂や熱可
塑性樹脂が使用されるが、製品成形が容易で加工性に優
れる熱硬化性樹脂が多用される。
【0005】熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アリル樹
脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹
脂、マレイミド樹脂等が用途に応じて使い分けられ、中
でもエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエ
ステル樹脂が繁用される。
【0006】不飽和ポリエステル樹脂とビニルエステル
樹脂は、ラジカル重合反応により硬化する樹脂であり、
硬化速度が大きく低温領域での硬化性にも優れ、また安
価であるという特徴がある。
【0007】しかしながら、不飽和ポリエステルとビニ
ルエステル樹脂の硬化物は靭性が低く、脆いことが欠点
であるため、かかる樹脂が使用されてなる繊維強化複合
材料は、近年ますます高いレベルの耐衝撃性が要求され
つつある自動車、船舶、航空機部品、圧力容器、ヘルメ
ット等各用途においては、部材によっては適用が困難な
場合がある。
【0008】熱硬化性樹脂の硬化物の靭性を向上させる
手法としては、特公表第9743339号公報に、ビニ
ルエステル樹脂にコア/シェル型構造のゴム微粒子を分
散させた樹脂組成物が開示されている。ダブルトーショ
ン法による測定値では、その硬化物の靭性が改善されて
いることが一応確認できるが、樹脂硬化物の靭性を実用
レベルでより高精度に評価できる、ASTM D504
5−93によるSENB法によれば、靭性は未だ不充分
であることが確認され、前記したような高レベルの耐衝
撃性が要求される用途には依然として適用できないのが
現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高レベルの
靭性を有する硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物、及
び該熱硬化性樹脂組成物を含んでなる繊維強化複合材料
を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、次の構成を有する。即ち、次の構成要素
(A)、(B)、及び(C)を含んでなる樹脂組成物で
あって、前記構成要素(A)と(B)とのモル数比が
1:5〜1:18の範囲内であることを特徴とする熱硬
化性樹脂組成物である。 (A)分子内に重合性不飽和結合を複数個有する熱硬化
性樹脂 (B)分子内に重合性不飽和結合を1個有する化合物 (C)ゴムを含んでなり、前記構成要素(A)と(B)
が混合されてなる液状の樹脂組成物に実質的に不溶なポ
リマー微粒子
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、構成要素(A)
は、分子内に重合性不飽和結合を複数個有する熱硬化性
樹脂であり、重合により三次元架橋構造を形成するもの
である。
【0012】また、構成要素(A)としては、分子内に
1個以上の芳香環と、複数のエステル結合を有する熱可
塑性樹脂を用いる。分子内に芳香環を備えることによ
り、最終的に得られる繊維強化複合材料に耐熱性と剛性
が発現されるとともに、分子内のエステル結合が適度な
柔軟性をも発現させる。具体的には、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ビニルエステル樹脂、アリル樹脂、又はそれら
の混合物が挙げられる。
【0013】かかる熱可塑性樹脂は、分子内に重合性不
飽和結合を有する化合物と芳香環を有する化合物を原料
としてエステル結合を生じさせる反応により容易に得ら
れる。
【0014】なお、構成要素(A)としては、1、6−
ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、トリアリルイソシアヌレート、
ジビニルベンゼンなども使用できる。
【0015】構成要素(A)の不飽和ポリエステル樹脂
としては、分子内に重合性不飽和結合を有するポリカル
ボン酸又はその誘導体であるエステルや、酸無水物とポ
リオールの混合物に、分子内に重合性不飽和結合を有し
ないポリカルボン酸又はその誘導体を配合して、共重合
せしめて得られるものが使用できる。なお、不飽和ポリ
エステル樹脂は、純品であっても良いし、スチレン等で
希釈したものでも良い。
【0016】分子内に重合性不飽和結合を有するポリカ
ルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテエトラヒドロフタ
ル酸、ナジック酸、又はヘット酸等が挙げられ、好まし
くはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラヒドロ
フタル酸等が挙げられる。
【0017】ポリオールは、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノー
ルA、テトラブロモビスフェノールA、水素化ビスフェ
ノールA、ジブロモネオペンチルグリコール、ビスフェ
ノールAプロピレンオキシド付加物、又はペンタエリス
リットジアリルエーテル等が挙げられ、好ましくはエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、又はネオペンチル
グリコール等が挙げられる。
【0018】分子内に重合性不飽和結合を有しないポリ
カルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、アジピン酸、若しくはセバシン酸、又はそれら
の誘導体等が挙げられる。
【0019】また、構成要素(A)のビニルエステル樹
脂としては、エポキシ樹脂に分子内に重合性不飽和結合
を有するモノカルボン酸を付加して得られるエステル化
合物が使用できる。なお、ビニルエステル樹脂は、純品
であっても良いし、スチレン等で希釈したものでも良
い。
【0020】ここで、エポキシ樹脂としては、ビスフェ
ノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェ
ノールAジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリ
シジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエーテル、ノボ
ラックのグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエ
ステル、又はテトラグリシジル−m−フェニレンジアミ
ン等が挙げられる。
【0021】また、モノカルボン酸としては、アクリル
酸又はメタクリル酸等が挙げられる。
【0022】さらに、構成要素(A)のアリル樹脂とし
ては、ポリカルボン酸のアリルエステル又はそのオリゴ
マーが使用できる。
【0023】ポリカルボン酸としては、フタル酸、イソ
フタル酸、又はテトラブロモフタル酸等が挙げられる。
【0024】本発明において、構成要素(B)は、分子
内に重合性不飽和結合を1個有する化合物である。構成
要素(B)は、本発明の熱硬化性樹脂組成物の粘度の調
整のため配合されるものである。具体的には、スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチ
レン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、ア
クリルアミド誘導体、メタクリルアミド誘導体、N-ビニ
ルピロリドン、及びマレイミド誘導体からなる群から選
ばれる少なくとも1種である。好ましくは、粘度調整の
効果が大きいことからスチレンの単体が良い。
【0025】本発明において、構成要素(C)は、いわ
ゆるゴムを含んでなり、前記構成要素(A)と(B)が
均一に混合されてなる液状の熱硬化性樹脂に実質的に不
溶なポリマー微粒子である。ここで、「実質的に不溶」
とは、室温25℃から熱硬化性樹脂が硬化する温度の範
囲で、前記構成要素(A)と(B)が均一に混合されて
なる液状の樹脂組成物中に溶出する成分が、構成要素
(C)全体100重量%に対して10重量%未満である
ことを意味する。
【0026】構成要素(C)は、樹脂硬化物の靭性を高
めるため配合されるものである。かかる靭性向上効果が
発現されるには、ポリマー微粒子が樹脂組成物中に均一
に分散されているのが良く、また、樹脂硬化物の架橋密
度が小さい程、その靭性向上効果が顕著となるが、樹脂
硬化物の架橋密度が小さ過ぎるとその弾性率や耐熱性が
低下することがある。
【0027】かかる架橋密度は、構成要素(A)と
(B)との樹脂組成物中の配合率を変化させて適正化す
ることができる。かかる観点から、樹脂組成物中の構成
要素(A)と(B)との、計算によるモル数比は、1:
5〜1:18、好ましくは1:8〜1:18、より好ま
しくは1:10〜1:18であるのが良い。
【0028】本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物(以
下、樹脂硬化物と略記)は、構成要素(C)である、ゴ
ムを含むポリマー微粒子が熱硬化性樹脂に不溶なことか
ら、熱耐熱性が損なわれにくいという特徴がある。ま
た、本発明の樹脂硬化物は、使用する熱硬化性樹脂の種
類や硬化条件の相違によるモルホロジーの変化が僅少な
ため、その靭性等の物性値が0〜150℃の温度範囲に
おいても極めて安定するという特徴も有する。
【0029】本発明において、構成要素(C)として
は、構成要素(A)と(B)が混合されてなる液状の樹
脂組成物に対する不溶性を確保する観点から、架橋ゴム
からなる架橋ゴム粒子を用いるのが良い。
【0030】架橋ゴム粒子としては、単独の、或いは複
数の不飽和化合物と架橋性モノマーを共重合して得られ
る化合物、具体的には、カルボキシル変性のブタジエン
ーアクリロニトリル共重合体微粒子やアクリルゴム微粒
子等を用いるのが好ましい。
【0031】本発明においては、コアとシェルにそれぞ
れ異種のポリマーが使用されてなる、コアとシェルのみ
からなる2層構造や、中心部からコア、シェル、シェ
ル、シェルの如き複数層からなる多層構造の、実質的に
球形状のコア/シェル型構造微粒子を用いるのが好まし
い。中でもコアがゴム、シェルが非ゴム樹脂の、いわゆ
るソフトコア/ハードシェル型構造微粒子は、熱硬化性
樹脂中への分散性が良好なことから好適に用いられる。
【0032】ここで、ゴムとしては、そのガラス転移温
度Tgが室温25℃未満のポリマー、例えば、ポリブタ
ジエン及びポリブチルアクリレートから選ばれる少なく
とも1種を含むものが好ましく、非ゴム樹脂としては、
そのガラス転移温度Tgが室温25℃以上のポリマー、
例えば、アクリレート及びメタクリレート系重合体から
選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましい。
【0033】本発明において、コア/シェル型構造微粒
子はコアとシェルの重量比が、コア:シェルで1:9〜
9:1、好ましくは2:8〜8:2の範囲にあるものが
良い。コア/シェル型構造微粒子の市販品としては、例
えば、ブタジエン・メタクリル酸・アルキル・スチレン
共重合ポリマーからなる“クレハパラロイド”EXL−
2655(呉羽化学工業(株)製、登録商標、型番)、
アクリル酸エステル・メタクリル酸エステル共重合体か
らなる“スタフィロイド”AC−3355,TR−21
22(武田薬品工業(株)製、登録商標、型番)等が使
用できる。
【0034】また、構成要素(C)のポリマー微粒子の
平均粒子径は、0.1〜10μm、好ましくは0.1〜
1μmであるのが良い。10μmを越えると、強化繊維
へのポリマー微粒子の含浸が妨げられ、繊維強化複合材
料中でポリマー微粒子が均一に分散されないことがあ
る。
【0035】本発明において、構成要素(C)は、複数
種を混在させて用いることもできる。また、その樹脂組
成物への配合量は、構成要素(A)と(B)の合計10
0重量部に対して1〜15重量部、好ましくは1〜7重
量部の範囲とするのが良い。1重量部未満であると、得
られる繊維強化複合材料の耐衝撃性の改善効果が不足す
ることがあり、20重量部を越えると樹脂組成物の粘度
が過大となり強化繊維への含浸性が低下することがあ
る。
【0036】本発明における熱硬化性樹脂組成物は、通
常の加熱による他、光照射(紫外線、可視光線、近赤外
線)、電子線照射等の手段によっても、それぞれの条件
の適正化により硬化せしめることができる。
【0037】加熱では、熱によりラジカルを発生する、
いわゆる熱分解性重合開始剤が必要となる。このときの
硬化条件は、熱分解性重合開始剤と後述する促進剤の組
み合わせにより決定できる。通常、硬化温度は0℃〜1
50℃、硬化時間は10分〜24時間の範囲にある。
【0038】熱分解性重合開始剤としては、分子内に酸
素−酸素結合を有する有機過酸化物が好ましく用いられ
る。具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエ
チルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシ
ド、メチルアセテートパーオキシド等が挙げられる。
【0039】熱分解性重合開始剤を用いる場合は、いわ
ゆる促進剤を併用するのが好ましい。促進剤の存在によ
り、熱分解性重合開始剤の分解速度が高められる。例え
ば、80℃以下で硬化させたい場合には、熱安定性の良
い熱分解性重合開始剤、例えばメチルエチルケトンパー
オキシドを選び、促進剤とを混在させて用いるのが好ま
しい。
【0040】促進剤としては、ナフテン酸コバルト、オ
クタン酸コバルト、ステアリン酸コバルト等のコバルト
塩が好ましく用いられる。
【0041】熱分解性重合開始剤と促進剤の配合量は、
構成要素(A)と(B)の合計100重量部に対して、
熱硬化性樹脂は0.5〜3重量%、促進剤は0.1〜1
重量%とするのが良い。
【0042】光照射では、光反応によりラジカルを発生
する、いわゆる光分解性重合開始剤が必要となる。光分
解性重合開始剤としては、ベンゼン環、カルボニル基を
有する化合物が好ましく用いられる。具体的には、ベン
ゾインエーテル類、ベンジルケタール類、アセトフェノ
ン誘導体等が挙げられる。
【0043】ベンゾインエーテル類としては、イソブチ
ルベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエー
テル等が挙げられる。
【0044】ベンジルケタール類としては、2,2−ジ
メトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
【0045】アセトフェノン誘導体としては、ジエトキ
シアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フ
ェニルプロパン−1−オン、ケトン類、ベンゾフェノ
ン、メチル−o−ベンゾインベンゾエート、2−クロロ
チオキサントン等が挙げられる。 光照射の場合、硬化
条件としては、照射波長は、190〜1000nmの範
囲から、また、照射量は、1〜50J/・(光を照射した
物の表面積あたりのエネルギー量)の範囲からその目
的、用途に応じて、適宜選ぶのが良い。
【0046】電子線照射では、樹脂組成物を構成するポ
リマー分子中にラジカルが発生することから、上記した
ような開始剤は不要となる。この場合、硬化条件として
は、照射線量5〜300J/gの範囲からその目的、用途
に応じて、適宜選ぶのが良い。
【0047】本発明においては、熱硬化性樹脂組成物
に、改質のため、ワックス、増粘材、揺変性付与材、界
面活性剤、離型剤、難燃剤、香料、着色料等を適宜配合
することもできる。
【0048】以上のようにして得られる熱硬化性樹脂組
成物の硬化物は、後述する方法により測定されるエネル
ギー解放率GICについては、400J/m2以上、好ま
しくは500J/m2以上、より好ましくは600J/
2以上と非常に高い数値を示すようになる。
【0049】なお、本発明において、上記エネルギー解
放率GICは、800J/m2あれば本発明の効果を奏す
るに当たり十分である。
【0050】本発明において、樹脂硬化物の曲げ弾性率
は、構成要素(A)と(B)の組み合わせにより適宜調
整可能である。構成要素(B)として、アクリル酸ブチ
ル等のアクリル酸エステルを含ませると低下させること
ができ、アクリルアミド誘導体、N−ビニルピロリド
ン、又はマレイミド誘導体を含ませると高くすることが
できる。このように、樹脂硬化物の曲げ弾性率は用途に
応じて適宜調整することができ、通常、2.5〜4.0
GPaの範囲とするのが好ましい。
【0051】本発明による繊維強化複合材料には、強化
繊維として、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボ
ロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等を用いるこ
とができる。例えば、これらの繊維を2種以上混在させ
て用いることもできる。より軽量で、耐久性の高い成形
品を得るため、比強度、比弾性率、耐疲労性に優れる炭
素繊維を用いるのが好ましい。
【0052】本発明による繊維強化複合材料の製造方法
としては、ハンドレイアップ法、スプレイアップ法、フ
ィラメントワインディング法、遠心成形法、バッグ成形
法、コールドプレス法、レジンインジェクション法、プ
ルトルージョン法、レジン・トランスファー・モールデ
ィング(RTM)法、マッチドダイ法、BMC法、SM
C法、プリプレグ法等の各種公知の方法が適用できる。
【0053】ここで、熱硬化性樹脂組成物の硬化温度
は、開始剤、促進剤および促進助剤の特性に応じて適宜
設定できるが、0〜150℃、好ましくは20〜100
℃の範囲が良い。また100℃以下で硬化する場合は、
この後、耐熱性を高めるため成形温度より10℃以上高
い温度でアフターキュアすることもできる。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。樹脂組成物の調製、樹脂硬化物の靭性等物性
の測定は次に示すとおりとした。なお、実施例におい
て、単位の部数は全て重量部を表す。 [原料樹脂] ・ビスフェノールAジグリシジルエーテルメタクリル酸
付加物(平均分子量:1100)、VR−90(昭和高
分子(株)製、型番、ビスフェノールAジグリシジルエ
ーテルを原料とするビニルエステル) ・ビスフェノールAジグリシジルエーテルメタクリル酸
付加物(平均分子量:513)、エポキシエステル30
00M(共栄社化学(株)製、商品名、ビスフェノール
Aジグリシジルエーテルを原料とするビニルエステル) ・スチレン(ナカライテスク(株)製) ・コア/シェル型構造微粒子、”クレハパラロイド”E
XL2655(呉羽化学工業(株)製、登録商標、型
番)[コア部:ブタジエン・スチレン共重合ポリマー、
シェル部:メタクリルアルキル重合ポリマー、平均粒子
径:0.2μm] ・熱分解性重合開始剤、”パーキュア”VL(日本油脂
(株)製、登録商標、型番、有機過酸化物) ・ナフテン酸コバルト、”リゴラック”コバルトN(昭
和高分子(株)製、登録商標、型番) [樹脂組成物、樹脂硬化物の作製]室温25℃で、ビス
フェノールAジグリシジルエーテルを原料とするビニル
エステルとスチレンの混合樹脂組成物液中に、スチレン
とブタジエンの共重合ポリマーからなるコア部と、メタ
クリル酸−アルキル共重合ポリマーからなるシェル部で
構成されたコア/シェル型構造微粒子“クレハパラロイ
ド”EXL−2655を、ここでは特殊機化工業社製の
ホモミキサーによって分散させて得られた樹脂組成物
を、60℃で加熱しつつ撹拌混合して樹脂組成物溶液を
調整した。これを、25℃まで冷却した後、さらに熱分
解性重合開始剤と促進剤を配合し、成形型に注入し、先
ず25℃で24時間、さらに120℃で2時間硬化させ
て、厚さ6mmの、ビニルエステル樹脂組成物の板状の
硬化物を得た。 [靭性(エネルギー解放率GIC(J/m2))]前記樹
脂硬化物から、幅12.7mm、長さ180mm、厚さ
6mmの試験片を切り出し、適当な溝加工を施した後、
液体窒素で十分に冷却したレザー刃で溝部分にプレクラ
ックを形成せしめ、ASTM D5045−93(SE
NB法)に従いエネルギー解放率GICを測定した。 [ガラス転移温度Tg(℃)]前記樹脂硬化物をサンプ
ルとし、ここでは、メトラー社製、DSC-T3000
システムを使用して、昇温温度40℃/分で測定した。 [曲げ弾性率(GPa)]前記樹脂硬化物から、幅10
mm、長さ60mm、厚さ2mmの試験片を切り出し、
次の条件で3点曲げ試験を行い、樹脂硬化物の曲げ弾性
率を測定した。 ・支点間距離:32mm ・負荷速度:2.5mm/min ・圧子直径:上側10mm、下側4mm ・測定温度:25℃ (実施例1〜5および比較例1〜5)上述の方法に従っ
て熱硬化性樹脂組成物を調整した。また、得られた樹脂
硬化物の物性を表1に示す。
【0055】表1より、構成要素(A)と(B)とのモ
ル数比が1:5〜1:18の範囲にあり、さらに構成要
素(C)としてコア/シェル型構造微粒子が配合されて
いると、得られる樹脂硬化物の靭性が顕著に高められる
ことが判る。また、実施例4、5のように、構成要素
(A)と(B)とのモル数比がより適切な範囲にあり、
熱硬化性樹脂の架橋密度が小さい程、得られる樹脂硬化
物の靭性が高められることが判る。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物によれば、
靭性に優れる樹脂硬化物が得られ、その結果、繊維強化
複合材料に高度の耐衝撃性が発現されるようになる。
【0058】本発明による繊維強化複合材料は、自動
車、鉄道車両、船舶、航空機部品、産業機械部品、建設
資材、タンク、圧力容器、へルメット等、中でも、自動
車、船舶、航空機部品、圧力容器、ヘルメット等、特に
高レベルの耐衝撃性が要求される用途に好適に使用でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51/00 C08L 63/10 63/10 67/06 67/06 101/00 Fターム(参考) 4F072 AA07 AA09 AB06 AB08 AB09 AB10 AD05 AD08 AD09 AD34 AD38 AE23 AF14 AF23 AF26 AF27 AF29 AG02 AJ16 AK11 AK12 AK13 AK15 AK16 AL07 AL08 4J002 AC00X AC10X BC01W BF04W BG04W BG04X BN16X CD20W CF21W CF22W CL063 DA018 DE148 DJ008 DK008 DL008 EA046 EB126 EH076 EK017 EK047 EK057 EK077 EP016 EU026 FA043 FA048 FA08X FD013 FD018 FD157 GG01 GT00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の構成要素(A)、(B)、及び(C)
    を含んでなる樹脂組成物であって、前記構成要素(A)
    と(B)とのモル数比が1:5〜1:18の範囲内であ
    ることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 (A)分子内に重合性不飽和結合を複数個有する熱硬化
    性樹脂 (B)分子内に重合性不飽和結合を1個有する化合物 (C)ゴムを含んでなり、前記構成要素(A)と(B)
    が混合されてなる液状の樹脂組成物に実質的に不溶なポ
    リマー微粒子
  2. 【請求項2】熱分解性重合開始剤を含んでなる請求項1
    記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記構成要素(A)が、分子内に1個以上
    の芳香環と複数のエステル結合を有するものである請求
    項1又は2記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記構成要素(A)が、不飽和ポリエステ
    ル樹脂、ビニルエステル樹脂、アリル樹脂からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種である請求項3記載の熱硬化
    性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記構成要素(C)が、架橋ゴム微粒子で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】前記構成要素(C)が、コア/シェル型構
    造微粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化
    性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】前記コア/シェル型構造微粒子がソフトコ
    ア/ハードシェル型構造微粒子である請求項6記載の繊
    維強化複合材料用硬化性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】前記コア/シェル型構造微粒子において、
    コアがポリブタジエン及びポリブチルアクリレートから
    選ばれる少なくとも1種を含むものであり、シェルがア
    クリレート及びメタクリレート系重合体から選ばれる少
    なくとも1種を含むものである請求項6又は7記載の熱
    硬化性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】前記構成要素(C)の平均粒子径が、0.
    1〜10μmである請求項1〜8のいずれかに記載の熱
    硬化性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】前記構成要素(C)が、前記構成要素
    (A)と(B)の合計量100重量部に対して1〜15
    重量部配合されてなる請求項1〜9のいずれかに記載の
    熱硬化性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】強化繊維と、請求項1〜10のいずれか
    に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を構成要素とする
    繊維強化複合材料。
  12. 【請求項12】請求項11記載の繊維強化複合材料が使
    用されてなる圧力容器。
  13. 【請求項13】請求項11記載の繊維強化複合材料が使
    用されてなるヘルメット。
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