JP2001097754A - セメント分散剤 - Google Patents

セメント分散剤

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JP2001097754A
JP2001097754A JP2000257382A JP2000257382A JP2001097754A JP 2001097754 A JP2001097754 A JP 2001097754A JP 2000257382 A JP2000257382 A JP 2000257382A JP 2000257382 A JP2000257382 A JP 2000257382A JP 2001097754 A JP2001097754 A JP 2001097754A
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cement
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正人 ▲高▼木
Masato Takagi
Toshihide Suzuki
利英 鈴木
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JFE Steel Corp
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】セメント、モルタル、コンクリートなどのセメ
ント組成物に配合して、その流動性を高め、かつ流動性
の経時的な低下(以下スランプロスという)を防止し
て、施工性を向上させる添加剤を提供する。 【解決手段】式(I)および式(II)で表される構成単
位のモル比が95/5〜30/70の範囲内にある水溶
性ビニル重合体よりなるセメント分散剤。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスランプロス防止性
能を有するセメント分散剤に関する。さらに詳しくはセ
メント、モルタル、コンクリートなどのセメント組成物
に配合して、その流動性を高め、かつ流動性の経時的な
低下(以下スランプロスという)を防止して、施工性を
向上させる添加剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セメント配合物であるセメントペース
ト、モルタルあるいはコンクリートの作業性向上のため
には、セメント配合物の初期の流動性が高いこと、流動
性の経時変化が小さいことが必要である。
【0003】セメント配合物であるセメントペースト、
モルタルあるいはコンクリートは、セメントの水和反応
などにより、配合後の時間の経過とともに流動性が低下
し、作業性、施工性の低下をきたす。この現象は一般的
にスランプロスと呼ばれている。セメント配合物のスラ
ンプロスは、生コンクリートの場合、運搬時間の制限、
打設現場での待機時間、ポンプ圧送の一時中断等による
品質劣化、施工不良等の問題を生じさせる。また、コン
クリート二次製品の場合にも、コンクリートのスランプ
ロスのために、成形時間の制限や遠心締め固め不良が起
こる。従って、セメント配合物におけるスランプロスは
解決しなければならない重要な課題であった。
【0004】そこでこれらの問題を解決するためにセメ
ント配合物のスランプロス防止型セメント分散剤が提案
されている。例えば、オレフィンとエチレン性不飽和ジ
カルボン酸無水物との共重合体(特開昭60−1685
1号)のような水に不溶性の構造部分を含むセメント分
散剤がある。しかし、これらは微粒子を含む液体からな
る分散剤であり、品質の不均一性、および経時安定性に
問題があった。
【0005】また、芳香族アミノスルホン酸とホルマリ
ンの縮合物が報告されているが(特開平1−11341
9号)、スランプロス防止性能はまだ不十分であった。
さらに多数のポリカルボン酸の塩が報告されているが
(例えば特公昭63−10107号)、これらはスラン
プロス防止性能を発揮するものは凝結時間も非常に長く
なるという問題を有していた。
【0006】さらにポリオキシアルキレン不飽和エステ
ルあるいはエーテルと不飽和カルボン酸との共重合体が
多く出願されているが(例えば特開平4−175253
号、特公平2−7898号、特公平2−7901号)、
これらも大きな凝結遅延性を有するという問題があっ
た。
【0007】また、特開昭62−216950号には、
側鎖としてそれぞれ、スルホン酸の塩をもつビニル重合
体5〜40重量%と、カルボン酸の塩をもつビニル重合
体90〜30重量%と、グリコール類をもつビニル重合
体5〜30重量%からなる3種類の特定の構成単位を有
するセメント用分散剤が開示されており、さらにまた、
特開平1−226757号には、側鎖としてそれぞれス
ルホン酸をもつビニル重合体3〜25重量%と、カルボ
ン酸の塩をもつビニル重合体10〜50重量%と、グリ
コール類を持つビニル重合体40〜80重量%からなる
3種類の特定の構成単位を有するセメント分散剤が開示
されており、かつ明細書に「各単量体の反応比率が上記
の範囲から外れると、得られる水溶性ビニル共重合体を
セメント用分散剤として使用した場合に、分散流動性が
不足したり、スランプロスが大きくなったり、空気量が
過大になったりして初期の効果が期待されない」と記載
されている。しかしこれらの分散剤もまた凝結遅延性を
有するという問題があった。
【0008】以上のように従来公知の均一な液状のスラ
ンプロス防止型セメント分散剤は、スランプロス防止性
能が低いか、スランプロス防止性能の高いものは凝結遅
延性が大きいという問題があり、実用上不十分なもので
あった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術にお
ける上記欠点を改善し、セメント組成物に配合して、そ
の流動性を高めかつスランプロスを防止することができ
ると同時に凝結遅延を起こさない均一な液状の薬剤の提
供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らはセメント配
合物におけるスランプロス防止と凝結遅延の防止につい
て鋭意検討した結果、ポリオキシアルキレン鎖をもつビ
ニル化合物とスルホン酸基を持つビニル化合物との共重
合体が極めて有効であることを見いだして本発明を完成
させたものである。また、セメント分散剤としての他の
性能は特開昭62−216950号や特開平1−226
757号では悪化するとされているにもかかわらず、む
しろ逆に性能が向上するという意外な結果を得た。そし
て、さらに検討を行なうことによってセメント分散剤と
して極めて有効な組成を見いだし本発明を完成させたも
のである。
【0011】すなわち、本発明の第1の発明は、下記一
般式(I)で表される構成単位と一般式(II)で表され
る構成単位のモル比が95/5〜30/70の範囲内に
ある水溶性ビニル重合体よりなることを特徴とする、ス
ランプロスを防止しかつ凝結遅延を起こさないセメント
分散剤を提供するものである。ここで、
【化4】 〔但し、R1 、R2 は水素またはメチル基、Mはアルカ
リ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基または低級
アルキルアミン、エタノールアミン等の有機アミンの塩
を表し、
【化5】 (R10、R11、R12、R13は水素またはメチル基を夫々
独立に表す。)である。〕
【化6】 〔但し、R3 ,R4 は水素またはメチル基、R5 は水素
または炭素数1〜3のアルキル基を、nは2または3、
mは1から100の整数を、Yは−CH2 −または−C
O−を夫々独立に表す。〕である。
【0012】以下本発明をさらに詳細に説明する。
【0013】本発明に用いるビニル重合体において、式
(I)で表される構成単位を形成するモノマーの例示と
しては、ブタジエンスルホン酸、イソプレンスルホン酸
などの共役ジエンスルホン化物、スチレンスルホン酸、
α−メチルスチレンスルホン酸などのスチレンスルホン
酸類、およびこれらの塩類がある。塩類には、アルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機ア
ミン塩などがあり、アルカリ金属塩が好ましい。
【0014】式(II)で表される構成単位を形成するモ
ノマーの例示としては、メトキシポリエチレングリコー
ル、エトキシポリエチレングリコール、プロポキシポリ
エチレングリコール、メトキシポリエチレンポリプピレ
ングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレング
リコール等の末端アルキル封鎖ポリアルキレングリコー
ルとアクリル酸あるいはメタクリル酸等の不飽和モノカ
ルボン酸とのエステル化物であって、ポリアルキレング
リコールの付加モル数が1〜100、好ましくは5〜5
0であるものが用いられる。
【0015】またアクリル酸、メタクリル酸などの不飽
和モノカルボン酸類とH(OCn 2nm OHで示され
るグリコール類とモノエステル化物や、不飽和モノカル
ボン酸に酸化エチレンや酸化プロピレンを付加させて作
ったモノエステル化物、ポリアルキレングリコールモノ
アリルエーテルなどが用いられる。すなわち、本発明に
用いるビニル重合体において、式(II)で表される構成
単位を形成するモノマーの例示としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコールなどのアルキレングリコ
ールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなど
のアルキレンオキサイドを単独あるいは混合して重合さ
せたポリアルキレングリコールのモノアクリレート、モ
ノメタクリレート、モノアリルエーテル、モノメタクリ
ルエーテル等がある。
【0016】本発明の第1の発明の重合体は式(I)お
よび(II)で示される各構成単位を含有することを必須
とし、また各構成単位の含有割合は、式(I)の構成単
位/式(II)の構成単位のモル比が、95/5を超えて
も、5/95未満でもセメントの分散が悪くなるが、こ
のうちでも本発明ではこの比が95/5〜30/70で
ある。さらに好ましくは95/5〜70/30の範囲に
あることがセメントの分散性を高め、かつスランプロス
を小さくするのに適当である。
【0017】本発明の重合体には上記の必須成分の他
に、本発明の性能を阻害しない範囲で他の不飽和単量体
を共重合させることができる。このような単量体の例と
しては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレートなどのアルキルアクリレート類、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタ
クリレートなどのアルキルメタクリレート類、スチレ
ン、インデンなどのビニル芳香族化合物、イソブチレ
ン、イソプレンなどのオレフィン類、アクリルアミド、
無水マレイン酸、無水イタコン酸等がある。さらに、共
重合可能な単量体の例としては、無水マレイン酸、無水
イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸無水物やアクリル
酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸類とH
(OCn 2nmOHで示されるグリコールとのモノエ
ステル化物や、不飽和モノカルボン酸に酸化エチレンや
酸化プロピレンを付加させて作ったモノエステル化物、
ポリアルキレングリコールモノアリルエーテル等があ
る。
【0018】本発明の重合体の分子量は重量平均分子量
が1,000〜100,000(GPC法、ポリスチレ
ンスルホン酸ナトリウム換算)にすることが好ましく、
これより高すぎるとセメント配合物とした時に分散性が
不足ぎみになり、これより小さすぎると分散性が不足す
るとともにスランプロスが大きくなる傾向を示す。
【0019】本発明の重合体の製造方法は、本発明で特
に限定するものではなく、従来公知の方法がいずれも適
用できる。例えば、反応の形成としてはラジカル重合が
一般的であり、水またはメチルアルコール、エチルアル
コール、イソプロパノールなどのアルコール中で行うこ
とが好ましい。重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル
などの過酸化物、あるいはアゾビスイソブチロニトリル
で代表されるアゾ化合物、さらには過硫酸塩などが使用
できる。
【0020】本発明のセメント分散剤は、セメントと水
よりなるセメントペースト、セメント・砂および水より
なるモルタル、セメント・砂・小石および水よりなるコ
ンクリートなどのセメント配合物等に加えることができ
る。本発明の分散剤は、必要に応じて他の成分と併用す
ることができる。かかる他の成分としてはナフタレンス
ルホン酸ホルマリン縮合物の塩、リグニンスルホン酸、
メラミンスルホン酸などの他の分散剤、空気連行剤、消
泡剤、凝結促進剤、凝結遅延剤、膨張剤、収縮低減剤、
防腐剤などがある。
【0021】本発明のセメント分散剤は、セメントに対
し、固形分換算で0.01〜2重量%、好ましくは0.
05〜1重量%の割合で使用される。使用量が少なすぎ
るとセメント配合物の分散流動性が低下するとともに、
スランプロスが大きくなる。また、使用量が多すぎると
材料分離を起こしたり、硬化不良を起こしたりする。
【0022】以下、本発明の効果を具体的にするために
実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。なお、部は特に記載しないかぎり重量部を示す。
【0023】
【実施例】<合成例1>p−スチレンスルホン酸ナトリ
ウム50部(重量部、以下同じ)、メトキシポリエチレ
ングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイド
付加モル数n=9)50部を温度計、滴下ロート、窒素
ガス導入管、および撹拌機を備えた四つ口フラスコに仕
込み、さらに水200部を加えて均一に溶解し、雰囲気
を窒素置換しながら85℃まで加熱した。ここへ、過硫
酸アンモニウム3.5部を水10部に溶解した溶液を滴
下して重合を開始させ、さらに、反応温度を90℃に保
ち4時間で反応を完結させた。このようにして、重量平
均分子量60,000の共重合体1を得た。同様にして、第1
表記載の共重合体2〜4および比較用共重合体5を得
た。
【0024】<コンクリート試験>表1に記載した共重
合体を使用し、表2に示す配合条件で配合し、配合物に
ついて下記の条件でコンクリート試験を行いスランプと
空気量、これらの経時変化、凝結時間、および圧縮強度
を測定した。スランプ値、空気量及び圧縮強度および凝
結時間の測定や圧縮強度供試体の採取方法はJISA6
204に準拠して行った。試験結果を表3に示す。
【0025】表2に示すコンクリートの調製は50Lの
強制練りミキサーを用い、セメント、細骨材、粗骨材、
本発明の分散剤を溶解させた水を2分間混合した後、練
り返し用のバットに払い出し練り返しを行った。さら
に、60分後のスランプ値、空気量の測定は、静置した
コンクリートを練り返した後行った。練り上がり直後の
空気量は、空気調整剤、市販の空気連行剤およびあるい
は消泡剤を必要に応じて使用して4.5±0.5容量%
に調整した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】表3の結果から、本発明のセメント分散剤
がほとんど凝結遅延性を示すことなく、優れたスランプ
ロス防止性能を示すことは明白である。一方、比較例1
のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物はスランプロ
スが非常に大きい。また、比較例2のスチレンマレイン
酸樹脂は凝結遅延性が著しい。また、比較例3の分散剤
もカルボキシル基を含むために凝結遅延性が大きい。
【0030】
【発明の効果】本発明のセメント分散剤を用いたセメン
ト配合物は、セメント粒子間の分散性が大きく、該分散
性の経時変化が小さく、かつ凝結遅延を起こすことがな
い。本発明の分散剤により、セメント配合物のスランプ
ロスという問題が解決され、また凝結遅延性がないため
セメント施工の作業時間が延びることなく高品質のコン
クリートを製造することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220/26 C08F 220/26 236/14 236/14 290/06 290/06 // C04B 103:32 C04B 103:32

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表される構成単位と一
    般式(II)で表される構成単位のモル比が95/5〜3
    0/70の範囲内にある水溶性ビニル重合体よりなるこ
    とを特徴とするセメント分散剤。 【化1】 〔但し、R1 ,R2 は水素またはメチル基、Mはアルカ
    リ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基または有機
    アミン基を、 【化2】 (R10、R11、R12、R13は水素またはメチル基を夫々
    独立に表す。)である。〕 【化3】 〔但し、R3 ,R4 は水素またはメチル基、R5 は水素
    または炭素数1〜3のアルキル基を、nは2または3、
    mは1から100の整数を、Yは−CH2 −または−C
    O−を夫々独立に表す。〕
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