JP2001096254A - 灰中ダイオキシンの熱分解装置 - Google Patents

灰中ダイオキシンの熱分解装置

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JP2001096254A
JP2001096254A JP27790399A JP27790399A JP2001096254A JP 2001096254 A JP2001096254 A JP 2001096254A JP 27790399 A JP27790399 A JP 27790399A JP 27790399 A JP27790399 A JP 27790399A JP 2001096254 A JP2001096254 A JP 2001096254A
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ash
heating
dioxin
tank
pyrolysis tank
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Kenji Yasuda
賢士 保田
Yoshio Fujimoto
良男 藤本
Rikio Shinohara
力男 篠原
Kiichi Nagaya
喜一 長屋
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Hitachi Zosen Corp
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Hitachi Zosen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイオキシンの熱分解に要する時間を短縮す
る。 【解決手段】 熱分解槽1内において、ダイオキシンを
含有する灰を所定温度に加熱することにより灰中ダイオ
キシンを熱分解する装置である。熱分解槽1の外部に設
けられかつ槽1内の灰を加熱する電気ヒータ4と、熱分
解槽1の内部に設けられかつ灰を攪拌する撹拌装置3と
を備えている。熱分解槽1の内面および撹拌装置3の表
面における表層部を、それぞれ純銅、銅合金および酸化
銅からなる群から選ばれた少なくとも1種で形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、都市ごみ、産業
廃棄物等の焼却時に発生する灰、たとえば飛灰中に含ま
れるダイオキシンを熱分解する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、飛灰中に含まれるダイオキシンを
熱分解する装置として、両端が閉鎖された横型円筒状の
熱分解槽と、熱分解処理室内に設けられかつ熱分解槽内
に投入された飛灰を攪拌する攪拌装置と、熱分解槽の周
壁の周囲に配置されかつ熱分解槽内の飛灰を加熱する電
気ヒータ(加熱装置)とを備えたものが考えられてい
る。熱分解槽および攪拌装置は、通常、炭素鋼やステン
レス鋼で形成されている。
【0003】そして、この熱分解装置では、熱分解槽内
に不活性ガス、たとえば窒素ガスを注入して無酸素雰囲
気とし、槽内に投入された飛灰を攪拌装置で攪拌しつ
つ、電気ヒータにより槽外から加熱することによりダイ
オキシンを熱分解するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
装置を用いた熱分解方法では、槽内の飛灰を電気ヒータ
により槽外から加熱しているので加熱効率が悪く、飛灰
が所定の温度、たとえば350℃に達するまでに長い時
間を要し、その結果飛灰中に含まれるダイオキシンの熱
分解に比較的長い時間を要するという問題があった。
【0005】この発明の目的は、上記問題を解決し、ダ
イオキシンの熱分解に要する時間を短縮することができ
る灰中ダイオキシンの熱分解装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段と発明の効果】請求項1の
発明による灰中ダイオキシンの熱分解装置は、熱分解槽
内において、ダイオキシンを含有する灰を所定温度に加
熱することにより灰中ダイオキシンを熱分解する装置で
あって、熱分解槽内においてダイオキシンを含有する灰
と接触する部分の表層部が、純銅、銅合金および酸化銅
からなる群から選ばれた少なくとも1種で形成されてい
るものである。
【0007】請求項1の発明の灰中ダイオキシンの熱分
解装置によれば、純銅、銅合金および酸化銅がダイオキ
シンの熱分解反応を促進する触媒となるので、灰の加熱
温度が従来の装置と同じ場合には、ダイオキシンの熱分
解反応に要する時間が短縮される。
【0008】請求項2の発明による灰中ダイオキシンの
熱分解装置は、熱分解槽内において、ダイオキシンを含
有する灰を所定温度に加熱することにより灰中ダイオキ
シンを熱分解する装置であって、熱分解槽の外部に設け
られかつ槽内の灰を加熱する加熱装置と、熱分解槽の内
部に設けられかつ灰を攪拌する撹拌装置とを備えてお
り、熱分解槽の内面および撹拌装置の表面における表層
部が、それぞれ純銅、銅合金および酸化銅からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種で形成されているものであ
る。この場合にも、純銅、銅合金および酸化銅がダイオ
キシンの熱分解反応を促進する触媒となるので、灰の加
熱温度が従来の装置と同じ場合には、ダイオキシンの熱
分解反応に要する時間が短縮される。
【0009】請求項3の発明による灰中ダイオキシンの
熱分解装置は、熱分解槽内において、ダイオキシンを含
有する灰を、灰とともに熱分解槽内に投入された加熱媒
体により所定温度に加熱することによって灰中ダイオキ
シンを熱分解する装置であって、熱分解槽の外部に設け
られかつ加熱媒体を所定温度に加熱する媒体加熱装置
と、熱分解槽の内部に設けられかつ槽内に投入された灰
と加熱媒体とを混合する混合装置とを備えており、熱分
解槽の内面、加熱媒体の表面および混合装置の表面にお
ける表層部が、それぞれ純銅、銅合金および酸化銅から
なる群から選ばれた少なくとも1種で形成されているも
のである。この場合にも、純銅、銅合金および酸化銅が
ダイオキシンの熱分解反応を促進する触媒となるので、
灰の加熱温度が従来の装置と同じ場合には、ダイオキシ
ンの熱分解反応に要する時間が短縮される。しかも、熱
分解槽内において、ダイオキシンを含有する灰と、熱分
解槽の外部で所定温度に加熱されかつ灰とともに熱分解
槽内に投入された加熱媒体とを混合装置により混合する
ことによって、灰を所定温度に加熱するようになってい
るので、従来の装置に比べて加熱効率が飛躍的に向上
し、灰を比較的短時間で所定の温度まで加熱することが
でき、その結果ダイオキシンの熱分解反応に要する時間
の短縮効果が一層向上する。
【0010】請求項4の発明による灰中ダイオキシンの
熱分解装置は、請求項1、2または3の発明において、
熱分解槽に、その内部に不活性ガスを供給する不活性ガ
ス供給装置が接続されているものである。この場合、熱
分解槽内における灰の加熱を不活性がす雰囲気中で行う
ことができ、ダイオキシンの熱分解が一層促進される。
【0011】
【発明の実施形態】以下、この発明の実施形態を、図面
を参照して説明する。
【0012】実施形態1 この実施形態は、図1〜図3に示すものである。図1は
実施形態1の熱分解装置の全体構成を示し、図2および
図3はその要部の構成を示す。
【0013】図1および図2において、灰中ダイオキシ
ンの熱分解装置は、両端が閉鎖された横型円筒状の熱分
解槽(1)と、熱分解槽(1)に接続され、かつ熱分解槽(1)
内に窒素ガス、燃焼排ガス等の不活性ガスを供給する不
活性ガス供給装置(2)と、熱分解槽(1)内に設けられかつ
熱分解槽(1)内に投入された飛灰を攪拌する撹拌装置(3)
と、熱分解槽(1)の周壁の外周に配置されかつ熱分解槽
(1)内の飛灰を加熱する電気ヒータ(4)(加熱装置)と、
熱分解槽(1)から排出された処理済み飛灰を所定温度以
下に冷却する冷却装置(5)とを備えている。
【0014】熱分解槽(1)の周壁における一端部上側に
飛灰投入口(6)が形成されている。飛灰投入口(6)には、
ロータリバルブ(7)を介して飛灰貯留ホッパ(8)の下端開
口が接続されている。また、熱分解槽(1)の周壁におけ
る他端部下側に処理済み飛灰排出口(9)が形成されてい
る。熱分解槽(1)は、その内周面全体の表層部が、純
銅、銅合金および酸化銅からなる群から選ばれた少なく
とも1種で形成されている。すなわち、熱分解槽(1)は
ステンレス鋼、炭素鋼等により形成されており、その内
周面全体が純銅、銅合金および/または酸化銅からなる
被覆層(10)により被覆されている(図3参照)。また、
これに代えて、熱分解槽(1)全体が純銅および/または
銅合金で形成されていてもよい。
【0015】熱分解槽(1)は、不活性ガス供給装置(2)に
より供給された不活性ガスを循環させる不活性ガス循環
装置(11)を備えている。不活性ガス循環装置(11)は、一
端が飛灰投入口(6)の近傍に接続されるとともに、他端
が熱分解槽(1)の周壁における処理済み飛灰排出口(9)の
上側部分に形成された不活性ガス出口(12)の高温フィル
タ(13)に接続されている不活性ガス循環用配管(14)と、
配管(14)の途中に設けられかつ熱分解槽(1)から出てき
た不活性ガス中の水蒸気を凝縮させる凝縮器(15)と、不
活性ガスを循環させる送風機(16)とよりなる。凝縮器(1
5)で凝縮された水は、タンク(17)に貯められるようにな
っている。また、不活性ガス供給装置(2)は配管(14)の
途中に接続されている。
【0016】撹拌装置(3)は、熱分解槽(1)の外部に配置
された駆動モータ(図示略)により回転させられる水平
回転軸(18)と、水平回転軸(18)に固定された複数の攪拌
パドル(19)とからなる。パドル(19)は、回転軸(18)の長
さ方向に関しては同一位置にあり、周方向に関しては1
80度離隔した位置にある2つのものが1対をなし、こ
の対がその長さ方向に間隔をおいて複数設けられてい
る。水平回転軸(18)の長さ方向に隣り合う2つの対の攪
拌パドル(19)は、回転軸(18)の周方向に90度ずれた位
置にある。そして、モータにより水平回転軸(18)を回転
させると、熱分解槽(1)内の飛灰は、攪拌パドル(19)に
より攪拌されつつ飛灰投入口(6)側から処理済み飛灰排
出口(9)側に送られるようになっている。撹拌装置(3)の
水平回転軸(18)および攪拌パドル(19)の表面全体の表層
部は、それぞれ純銅、銅合金および酸化銅からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種で形成されている。すなわ
ち、水平回転軸(18)および攪拌パドル(19)がそれぞれス
テンレス鋼、炭素鋼等により形成されており、その表面
全体が純銅、銅合金および/または酸化銅からなる被覆
層(10)により被覆されている(図3参照)。これに代え
て、水平回転軸(18)および攪拌パドル(19)の全体がそれ
ぞれ純銅および/または銅合金で形成されていてもよ
い。
【0017】冷却装置(5)は、両端が閉鎖された横向き
冷却筒(21)と、冷却筒(21)の周囲に配置されたウォータ
ジャケット(22)とを備えている。冷却筒(21)の周壁の一
端部上側に処理済み飛灰投入口(23)が形成され、熱分解
槽(1)の処理済み飛灰排出口(9)に接続されている。ま
た、冷却筒(21)の他端部下側に処理済み飛灰排出口(24)
が形成されている。冷却筒(21)内に、処理済み飛灰投入
口(23)から投入された処理済み飛灰を処理済み飛灰排出
口(24)側に搬送するとともに混合する、たとえばスクリ
ューコンベアからなる搬送兼混合装置(25)が配置されて
いる。そして、投入口(23)から冷却筒(21)内に投入され
た処理済み飛灰は、搬送兼混合装置(25)により排出口(2
4)まで混合されつつ搬送される間に、ウォータジャケッ
ト(22)内を流れる冷却水により所定温度以下に冷却され
る。なお、図示の例では、搬送兼混合装置(25)は、水平
回転軸にねじ状に曲げられてなる羽根が固着されたスク
リューコンベアからなるが、これに限るものではなく、
回転軸に、上記羽根の面内に位置する曲面状のパドル
が、回転軸の長さ方向に間隔をおいて複数固着されたス
クリューコンベアからなるものであってもよい。
【0018】このような構成の熱分解装置を用いての灰
中ダイオキシンの熱分解は、次のようにして行われる。
【0019】まず、不活性ガス供給装置(2)により不活
性ガスを供給して、熱分解槽(1)内を不活性ガス雰囲気
とする。ついで、ダイオキシン含有飛灰をホッパ(8)か
ら熱分解槽(1)内に投入する。ついで、電気ヒータ(4)に
より熱分解槽(1)内の飛灰を所定温度に加熱しつつ、撹
拌装置(3)により飛灰を攪拌するとともに飛灰投入口(6)
側から処理済み飛灰排出口(9)側に送る。飛灰が攪拌さ
れつつ送られる間に飛灰中のダイオキシンが熱分解され
る。このとき、被覆層(10)を形成する材料が、ダイオキ
シンの熱分解反応を促進する触媒として作用し、ダイオ
キシンの熱分解反応に要する時間が短縮される。なお、
電気ヒータ(4)により熱分解槽(1)内が加熱されることに
より飛灰から水蒸気が発生するが、この水蒸気は、不活
性ガス循環装置(11)により不活性ガスを循環させること
によって、凝縮器(15)で凝縮除去される。
【0020】ついで、処理済み飛灰を冷却装置(5)の冷
却筒(21)内に投入し、ここで200℃以下、好ましくは
60℃以下に急冷することにより、処理済み飛灰の安定
化が図られてダイオキシンの再生成が防止される。その
後、処理済み飛灰は排出される。
【0021】実施形態2 この実施形態は、図4に示すものである。なお、図4に
おいて、図1に示すものと同一物には同一符号を付して
重複する説明を省略する。
【0022】図4において、灰中ダイオキシンの熱分解
装置は、金属、セラミックス等で形成された球状体より
なる加熱媒体(A)を加熱する媒体加熱装置(30)と、媒体
加熱装置(30)で加熱された加熱媒体(A)とダイオキシン
を含有する飛灰(B)とを受け入れる気密状の熱分解槽(3
1)と、熱分解槽(31)内に投入された加熱媒体(A)と飛灰
(B)とを混合する混合装置(32)と、熱分解槽(31)から排
出された加熱媒体(A)と処理済み飛灰(B)とを分離する分
離装置(33)と、分離装置(33)において分離された加熱媒
体(A)を媒体加熱装置(30)に戻す加熱媒体搬送装置(34)
と、分離装置(33)において分離された処理済み飛灰(B)
を所定温度以下に冷却する冷却装置(5)とを備えてい
る。
【0023】加熱媒体(A)の周面の表層部は、純銅、銅
合金および酸化銅からなる群から選ばれた少なくとも1
種で形成されている。すなわち、加熱媒体(A)はステン
レス鋼、アルミナ等により形成されており、その外周面
全体が純銅、銅合金および/または酸化銅からなる被覆
層(図示略)により被覆されている。また、これに代え
て、加熱媒体(A)全体が純銅、銅合金および/または酸
化銅で形成されていてもよい。
【0024】媒体加熱装置(30)は、加熱塔(35)と、加熱
塔(35)の外部に設けられたガス加熱装置(36)と、加熱塔
(35)とガス加熱装置(36)との間で窒素ガス、燃焼排ガス
等の不活性ガスからなる媒体加熱用ガスを循環させるガ
ス循環装置(40)とを備えている。そして、ガス加熱装置
(36)により加熱された媒体加熱用ガスが、ガス循環装置
(40)により加熱塔(35)の下端部からその内部に吹き込ま
れて加熱媒体(A)の加熱に供され、その後加熱塔(35)の
上端部からガス加熱装置(36)に戻されるようになってい
る。
【0025】熱分解槽(31)の頂壁に飛灰投入口(37)が形
成されており、飛灰投入口(37)にロータリバルブ(7)を
介して飛灰貯留ホッパ(8)の下端開口が接続されてい
る。また、熱分解槽(31)は、その上端部を除いて下方に
向かって徐々に小径となされた円錐状であり、その下端
部に加熱媒体(A)および処理済み飛灰(B)の排出口(38)が
形成されている。そして、熱分解槽(31)は、その内周面
全体の表層部が、純銅、銅合金および酸化銅からなる群
から選ばれた少なくとも1種で形成されている。すなわ
ち、熱分解槽(31)がステンレス鋼、炭素鋼等により形成
されており、その内周面全体が純銅、銅合金および/ま
たは酸化銅からなる被覆層(図示略)により被覆されて
いる。また、これに代えて、熱分解槽(31)全体が純銅お
よび/または銅合金で形成されていてもよい。なお、図
示は省略したが、熱分解槽(31)は、実施形態1と同様の
不活性ガス循環装置を備えている。
【0026】混合装置(32)は、熱分解槽(31)内に配置さ
れた垂直回転軸(39)と、垂直回転軸(39)に固定されたス
パイラルリボン状回転翼(41)とを備えている。垂直回転
軸(39)は、熱分解槽(31)の頂壁上に設置された電動機(4
2)によりその軸線の周りに回転させられるようになって
いる。スパイラルリボン状回転翼(41)の外周縁は、上端
から下方に向かって縮径された円錐面上に位置してい
る。混合装置(32)の垂直回転軸(39)および回転翼(41)の
表面全体の表層部は、それぞれ純銅、銅合金および酸化
銅からなる群から選ばれた少なくとも1種で形成されて
いる。すなわち、垂直回転軸(39)および回転翼(41)がそ
れぞれステンレス鋼、炭素鋼等により形成されており、
その表面全体が純銅、銅合金および/または酸化銅から
なる被覆層(図示略)により被覆されている。これに代
えて、垂直回転軸(39)および回転翼(41)の全体がそれぞ
れ純銅および/または銅合金で形成される場合がある。
【0027】分離装置(33)は、熱分解槽(31)の排出口(3
8)から排出される加熱媒体(A)および処理済み飛灰(B)を
受け入れる分離槽(43)と、分離槽(43)内の高さの中間部
に設けられ、かつ加熱媒体(A)の通過を防止しうる灰通
過間隙を有する板状分離具(44)とを備えている。なお、
分離槽(43)における加熱媒体(A)および処理済み飛灰(B)
を受け入れる受入口(図示略)はスライドゲート(45)を
介して熱分解槽(31)の排出口(38)に接続されている。
【0028】上記構成の熱分解装置を用いての灰中ダイ
オキシンの熱分解は、次のようにして行われる。
【0029】すなわち、媒体加熱装置(30)の加熱塔(35)
内に加熱媒体(A)を入れておき、ガス循環装置(40)によ
って加熱塔(35)とガス加熱装置(36)との間で窒素ガスや
燃焼排ガス等の不活性ガスからなる媒体加熱用ガスを循
環させることによって、ガス加熱装置(36)において加熱
された媒体加熱用ガスにより、加熱媒体(A)を所定温度
に加熱する。また、不活性ガス供給装置(2)により不活
性ガスを供給して、熱分解槽(31)内を不活性ガス雰囲気
としておく。ついで、加熱された加熱媒体(A)を、加熱
塔(35)から熱分解槽(31)内に投入するとともに、ダイオ
キシン含有飛灰(B)を熱分解槽(31)内に投入する。つい
で、電動機(42)により垂直回転軸(39)を回転させること
によって、スパイラルリボン状回転翼(41)により飛灰
(B)と加熱媒体(A)とを混合し、飛灰(B)を所定温度に加
熱する。こうして、飛灰(B)中のダイオキシンを熱分解
する。このとき、加熱媒体(A)の表面、熱分解槽(31)の
内周面、ならびに垂直回転軸(39)および回転翼(41)の表
面における被覆層を形成する材料が、ダイオキシンの熱
分解反応を促進する触媒として作用し、ダイオキシンの
熱分解反応に要する時間が短縮される。
【0030】ついで、処理済み飛灰(B)と加熱媒体(A)と
の混合物を、熱分解槽(31)から分離槽(43)内に投入す
る。分離槽(43)内に投入された処理済み飛灰(B)と加熱
媒体(A)とは分離具(44)により分離され、処理済み飛灰
(B)は灰通過間隙を通って分離具(44)の下方に落下して
冷却装置(5)の冷却筒(21)内に入る。
【0031】分離された処理済み飛灰(B)は、冷却装置
(5)において200℃以下、好ましくは60℃以下に急
冷され、その結果処理済み飛灰(B)の安定化が図られて
ダイオキシンの再生成が防止される。その後、処理済み
飛灰(B)は冷却装置(5)の冷却筒(21)から排出される。一
方、加熱媒体(A)は、分離具(44)上を転がって加熱媒体
搬送装置(34)に受け入れられ、この搬送装置により加熱
塔(35)に戻される。そして、ここで再度加熱されて利用
される。
【0032】次に、熱分解槽(1)(31)内においてダイオ
キシンを含有する灰と接触する部分の表層部を、純銅、
銅合金および酸化銅からなる群から選ばれた少なくとも
1種で形成した場合の効果を確認するために行った実験
例について説明する。
【0033】都市ごみ焼却炉のバグフィルター捕集飛灰
を、予め窒素気流中において400℃で5時間加熱して
ダイオキシンを完全に分解し、加熱後50℃以下に急冷
して得られた飛灰を元試料とした。
【0034】元試料に、n−ヘキサンに溶解した1,2,3,
4−TCDD(テトラクロロベンゾジオキシン)を元試
料1g当たり75.4ng含浸させ、分解用試料とした。
【0035】そして、分解用試料を、ステンレス鋼製ボ
ートに2g入れ、管状電気炉内で窒素気流中において1
時間加熱した後50℃以下に急冷し、試料中のダイオキ
シンを分析した。加熱温度は、250℃、300℃、3
50℃、400℃とした。
【0036】ついで、ダイオキシンの熱分解に用いられ
る触媒として、純銅およびニッケルを候補に挙げた。ま
た、実装置においては、高温に曝されることによりこれ
らの酸化物が生成することから、CuOおよびNiOも
触媒の候補に挙げた。
【0037】そして、Cu、Ni、CuOおよびNiO
のうちにいずれか1つの粉末(粒子径=約45μm)
を、分解用試料2gとともにステンレス鋼製ボートに入
れ、管状電気炉内で窒素気流中において250℃で1時
間加熱した後急冷し、試料中のダイオキシンを分析し
た。触媒の添加量は、次のようにして決めた。すなわ
ち、上述した実施形態1の装置において、熱分解槽内に
おいて、灰が接触する熱分解槽内周面の面積は、静置状
態で、通常灰1t当たり1.5〜2mであり、撹拌装
置による攪拌状態ではその数100倍になると考えられ
る。そこで、触媒粉末の粒子径が45μmであることか
ら、球状粒子としてその表面積を計算し、上記静置状態
の約4倍である灰1t当たり8mに相当するように、
触媒粉末の添加量を決めた。また、高分解率が得られる
高温状態では、触媒の添加によっても効果の差は顕著に
現れないので、加熱温度は250℃に決めた。
【0038】これらの結果を表1および図5にまとめて
示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1および図5から明らかなように、触媒
として純銅およびCuOを添加した場合には、ダイオキ
シンの分解率が、他の場合に比べて優れている。したが
って、熱分解槽内においてダイオキシンを含有する灰と
接触する部分の表層部が、純銅および/または酸化銅で
形成されていることが好ましいといえる。また、純銅を
用いることが好ましいことから、銅合金を用いた場合に
も、同様な効果が得られると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1の熱分解装置を示す一部
切り欠き正面図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】この発明の実施形態2の熱分解装置を示す一部
切り欠き正面図である。
【図5】熱分解槽内においてダイオキシンを含有する灰
と接触する部分の表層部を、純銅、銅合金および酸化銅
からなる群から選ばれた少なくとも1種で形成した場合
の効果を確認するために行った実験結果を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
(1)(31):熱分解槽 (2):不活性ガス供給装置 (3):撹拌装置 (4):電気ヒータ(加熱装置) (10):被覆層 (18):水平回転軸 (19):攪拌パドル (30):媒体加熱装置 (32):混合装置 (39):垂直回転軸 (41):回転翼 (A):加熱媒体 (B):飛灰
フロントページの続き (72)発明者 篠原 力男 大阪市住之江区南港北1丁目7番89号 日 立造船株式会社内 (72)発明者 長屋 喜一 大阪市住之江区南港北1丁目7番89号 日 立造船株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA37 AB07 CA15 CA22 CA32 CB04 CB27 CB28 CB32 CB44 CC01 CC09 DA02 DA06 4D048 AA17 AB03 BA35X BA38X BA41X BB18 CA07 CC31 CC38 CC52 4G069 AA03 BA18 BB02A BB04A BC31A CA04 CA10 CA11 CA19 EA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱分解槽内において、ダイオキシンを含
    有する灰を所定温度に加熱することにより灰中ダイオキ
    シンを熱分解する装置であって、熱分解槽内においてダ
    イオキシンを含有する灰と接触する部分の表層部が、純
    銅、銅合金および酸化銅からなる群から選ばれた少なく
    とも1種で形成されている灰中ダイオキシンの熱分解装
    置。
  2. 【請求項2】 熱分解槽内において、ダイオキシンを含
    有する灰を所定温度に加熱することにより灰中ダイオキ
    シンを熱分解する装置であって、熱分解槽の外部に設け
    られかつ槽内の灰を加熱する加熱装置と、熱分解槽の内
    部に設けられかつ灰を攪拌する撹拌装置とを備えてお
    り、熱分解槽の内面および撹拌装置の表面における表層
    部が、それぞれ純銅、銅合金および酸化銅からなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種で形成されている灰中ダイオ
    キシンの熱分解装置。
  3. 【請求項3】 熱分解槽内において、ダイオキシンを含
    有する灰を、灰とともに熱分解槽内に投入された加熱媒
    体により所定温度に加熱することによって灰中ダイオキ
    シンを熱分解する装置であって、熱分解槽の外部に設け
    られかつ加熱媒体を所定温度に加熱する媒体加熱装置
    と、熱分解槽の内部に設けられかつ槽内に投入された灰
    と加熱媒体とを混合する混合装置とを備えており、熱分
    解槽の内面、加熱媒体の表面および混合装置の表面にお
    ける表層部が、それぞれ純銅、銅合金および酸化銅から
    なる群から選ばれた少なくとも1種で形成されている灰
    中ダイオキシンの熱分解装置。
  4. 【請求項4】 熱分解槽に、その内部に不活性ガスを供
    給する不活性ガス供給装置が接続されている請求項1、
    2または3記載の灰中ダイオキシンの熱分解装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100460624B1 (ko) * 2002-10-31 2004-12-09 한국전력공사 화력발전소용 석탄회의 흡착물질 제거 장치

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