JP2001094314A - 方向性結合器 - Google Patents

方向性結合器

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JP2001094314A JP27118999A JP27118999A JP2001094314A JP 2001094314 A JP2001094314 A JP 2001094314A JP 27118999 A JP27118999 A JP 27118999A JP 27118999 A JP27118999 A JP 27118999A JP 2001094314 A JP2001094314 A JP 2001094314A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度実装に好適な小型化が図りやすく、さ
らに好ましくは結合度を高めるうえでも有利な方向性結
合器を提供すること。 【解決手段】 方向性結合器を、セラミック等からなる
四角柱状の誘電体片10と、この誘電体片10の天面か
ら両側面や底面へ延設されて互いに平行に延びる一対の
導電路(結合線路)13,14と、誘電体片10の表面
に設けられて導電路13,14の各端部に接続された電
極部15〜18とを備えた構成とする。こうすることに
より、実装スペースの小なる誘電体片10の表面に、所
定長以上の長さにわたって一対の導電路13,14を並
設することができる。また、誘電体片10の表面に刻設
した溝11,12の内部に導電路13,14を設けてお
けば、一対の導電路13,14を誘電体を介して対向さ
せることができるので結合度が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話などに組
み込まれて使用されるチップ型の方向性結合器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】携帯電話などの無線通信機器に組み込ま
れているチップ型の方向性結合器は、マイクロストリッ
プラインや結合線路とも称される一対の導電路を有し、
一方向に進むマイクロ波電力を取り出してその出力レベ
ルを検出回路へ送出するという回路素子である。
【0003】図5はかかる方向性結合器の従来例を示す
平面図、図6はその側面図である。これらの図に示す方
向性結合器は、平板状の誘電体基板1上に互いに平行に
延びる一対の導電路2,3を並設し、かつ、導電路2の
両端部に接続した電極部4,5と導電路3の両端部に接
続した電極部6,7とを誘電体基板1の側面に配設して
概略構成されている。そして、例えば導電路2を主線路
とし導電路3を副線路として使用する場合、図示せぬプ
リント基板上でパワーアンプとアンテナとの間に導電路
2の電極部4,5を接続すると共に、導電路3の一方の
電極部6を接地して他方の電極部7を図示せぬ検出制御
回路に接続する。これにより、主線路である導電路2に
投入された送信電力の出力レベルに応じた電力信号を、
副線路である導電路3に発生させることができるので、
この電力信号に基づき前記検出制御回路にて前記パワー
アンプの出力調整を行って、送信電力を必要最小限のレ
ベルに設定できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来の方向性結合器では、平板状の誘電体基板1の天面に
印刷やスパッタリング等の手法を用いて一対の導電路
2,3を形成しているが、これら帯状の導電路2,3は
所望の結合度を確保するために、所定長以上の長さにわ
たって並設する必要があるため、誘電体基板1の長さ寸
法を短く設計することが困難であった。それゆえ、この
方向性結合器は、高密度実装に好適な小型化が図りにく
いという問題点があった。
【0005】また、かかる従来の方向性結合器では、誘
電体基板1上で一対の導電路2,3が空気を介して対向
する構成になっているので、高い結合度が得にくいとい
う問題点もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、四角柱状の誘
電体片を用い、その天面だけでなく側面や底面にも導電
路を設けることとした。このようにすると、実装スペー
スの小なる誘電体片の異なる複数の表面に、所定長以上
の長さにわたって一対の導電路を並設することができる
ため、方向性結合器の小型化が促進できる。
【0007】また、この誘電体片の表面に刻設した溝の
内部に導電路を設けておけば、一対の導電路を誘電体を
介して対向させることができるので、結合度を高めるう
えで有利となる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の方向性結合器では、四角
柱状の誘電体片と、この誘電体片の天面から両側面へ延
設されて互いに平行に延びる一対の導電路と、前記誘電
体片に設けられて前記導電路の端部に接続された電極部
とを備える構成とした。
【0009】このように構成される方向性結合器は、四
角柱状の誘電体片が小さくても、その天面および両側面
にわたって延びる比較的長い導電路を設けることができ
るので、小型化して実装スペースを狭めても導電路に所
定長以上の長さを確保することができる。
【0010】また、かかる構成において、前記導電路を
前記誘電体片の両側面から底面へ延設しておけば、同じ
大きさの誘電体片を用いて導電路の全長をより長く設定
することができる。その際、誘電体片の天面から両側面
にわたって略コ字形に延びる導電路の端部を誘電体片の
底面に設けることが好ましく、この場合、底面に設けた
電極部を誘電体片の両側面に沿って天面まで延設させる
と、誘電体片を上下逆にした状態でプリント基板上に実
装することができる。
【0011】また、かかる構成において、前記導電路を
前記誘電体片の表面の溝内に設けておけば、一対の導電
路を誘電体を介して対向させることができるので、両導
電路を空気を介して対向させる構成に比べて結合度が高
まる。
【0012】
【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図1は本実施例に係る方向性結合器の斜視図、図2は該
方向性結合器の平面図、図3は図2のA−A線に沿う断
面図、図4は該方向性結合器の底面図である。
【0013】これらの図に示す方向性結合器は、四角柱
状の誘電体片10と、この誘電体片10の天面から両側
面を経て底面の途中まで延びる互いに平行な一対の溝1
1,12内に形成された一対の導電路(結合線路)1
3,14と、誘電体片10の四隅のうちの二つの隅部表
面に沿って形成されて誘電体片10の底面で導電路13
の端部13a,13bに接続されている電極部15,1
6と、誘電体片10の四隅のうちの残り二つの隅部表面
に沿って形成されて誘電体片10の底面で導電路14の
端部14a,14bに接続されている電極部17,18
とによって概略構成されている。
【0014】誘電体片10は例えばセラミックからな
り、その表面にレーザ加工を施して溝11,12が形成
される。かかるレーザ加工において、溝11と溝12と
の間隔は全長にわたって所定の微小ギャップに保たれ
る。ただし、セラミックを焼成前のグリーンシートにプ
レス加工を施して溝11,12を形成しても良い。ま
た、誘電体片10を樹脂成形品となすことも可能であ
る。
【0015】一対の導電路13,14は、例えば銀ペー
ストを溝11,12内に充填させることにより形成され
る。したがって、導電路13,14は溝11,12と同
じく全長にわたって所定の微小ギャップを保ちつつ互い
に平行に延びている。また、導電路13の両端部13
a,13bと導電路14の両端部14a,14bは、図
4に示すように誘電体片10の底面に設けられている。
【0016】電極部15〜18は、銀ペーストもしくは
銀・パラジウムペーストを誘電体片10の表面に印刷し
て形成される。これらの電極部15〜18はいずれも、
誘電体片10の天面の隅部から下方の側面を経て底面ま
で形成されている。そして、この誘電体片10の底面に
おいて、電極部15,16がそれぞれ導電路13の端部
13a,13bに接続され、電極部17,18がそれぞ
れ導電路14の端部14a,14bに接続されている。
【0017】このように構成された方向性結合器は、四
角柱状の誘電体片10の天面から両側面および底面にわ
たって延びる比較的長い導電路13,14を形成するこ
とができるので、誘電体片10が小さくても導電路1
3,14に所定長以上の長さを確保することができる。
それゆえ、この方向性結合器は広い実装スペースを必要
とせず、小型化を促進するうえで極めて有利である。
【0018】また、この方向性結合器は、誘電体片10
の表面の溝11,12の内部に導電路13,14が設け
てあるので、図3に明らかなように、一対の導電路1
3,14が誘電体を介して対向している。したがって、
両導電路13,14を空気を介して対向させる構成に比
べて結合度が高まっており、溝11,12の深さを増す
ことで結合度をより一層高めることも可能である。ま
た、その結果として、導電路13,14間のギャップを
極端に狭めなくても所望の結合度が得やすくなるので製
造コストが低減できる。
【0019】なお、上述した方向性結合器は、例えば導
電路13を主線路とし導電路14を副線路として使用す
る場合、図示せぬプリント基板上でパワーアンプとアン
テナとの間に導電路13に接続された電極部15,16
を接続すると共に、導電路14に接続されている一方の
電極部17を接地して他方の電極部18を図示せぬ検出
制御回路に接続する。これにより、主線路である導電路
13に投入された送信電力の出力レベルに応じた電力信
号を、副線路である導電路14に発生させることができ
るので、この電力信号に基づき前記検出制御回路にて前
記パワーアンプの出力調整を行って、送信電力を必要最
小限のレベルに設定できるようになっている。その際、
方向性結合器を誘電体片10の天面が上を向くようにプ
リント基板上に載置し、誘電体片10の底面に延設され
た各電極部15,16,17,18をプリント基板の対
応するランドに半田付けすることができるが、その逆
に、方向性結合器を誘電体片10の底面が上を向くよう
にプリント基板上に載置し、誘電体片10の天面に延設
された各電極部15,16,17,18をプリント基板
のランドに半田付けすることも可能である。
【0020】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0021】四角柱状の誘電体片を用い、その天面だけ
でなく側面や底面にも導電路を設けた方向性結合器なの
で、実装スペースの小なる誘電体片の表面に所定長以上
の長さにわたって一対の導電路を並設することができ、
小型化が促進できる。
【0022】また、この誘電体片の表面に刻設した溝の
内部に導電路を設けておけば、一対の導電路を誘電体を
介して対向させることができるので、結合度を高めるう
えで有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る方向性結合器の斜視図
である。
【図2】該方向性結合器の平面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】該方向性結合器の底面図である。
【図5】従来の方向性結合器を示す平面図である。
【図6】図5に示す方向性結合器の側面図である。
【符号の説明】
10 誘電体片 11,12 溝 13,14 導電路(結合線路) 13a,13b,14a,14b 端部 15,16,17,18 電極部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四角柱状の誘電体片と、この誘電体片の
    天面から両側面へ延設されて互いに平行に延びる一対の
    導電路と、これら導電路の端部に接続された電極部とを
    備えていることを特徴とする方向性結合器。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、前記導電路が
    前記誘電体片の両側面から底面へ延設されていることを
    特徴とする方向性結合器。
  3. 【請求項3】 請求項2の記載において、前記電極部を
    前記誘電体片の底面で前記導電路と接続したことを特徴
    とする方向性結合器。
  4. 【請求項4】 請求項3の記載において、前記電極部を
    前記誘電体片の両側面に沿って底面から天面へ延設した
    ことを特徴とする方向性結合器。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの記載におい
    て、前記導電路を前記誘電体片の溝内に設けたことを特
    徴とする方向性結合器。
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