JPH11239018A - 表面実装型アンテナおよびそれを用いた通信機 - Google Patents

表面実装型アンテナおよびそれを用いた通信機

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JPH11239018A JP10293459A JP29345998A JPH11239018A JP H11239018 A JPH11239018 A JP H11239018A JP 10293459 A JP10293459 A JP 10293459A JP 29345998 A JP29345998 A JP 29345998A JP H11239018 A JPH11239018 A JP H11239018A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同じサイズでアンテナ利得を高くすることの
できる表面実装型アンテナを提供する。 【解決手段】 誘電体よりなる直方体状の基体2の一方
主面2aにグランド電極3を形成し、基体2の他方主面
2bにストリップ状の放射電極4を形成し、放射電極4
の一端を開放端4として給電電極5にギャップ6を介し
て近接させて形成し、放射電極4の他端を2つに分岐さ
せて、それぞれ基体の対向する2つの端面を介してグラ
ンド電極3に接続して接地端4bおよび4cとする。 【効果】 放射電極4の他端を2つに分岐して接地端4
bおよび4cとして形成することにより、各接地端に流
れる電流が半分になり、それによって各接地端における
導体損が減少し、サイズを変えることなく表面実装型ア
ンテナ10のアンテナ利得を改善することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信機器な
どに用いられる表面実装型アンテナおよびそれを用いた
通信機に関する。
【0002】
【従来の技術】図4に、従来の表面実装型アンテナを示
す。図4の表面実装型アンテナは、その基本構成が特開
平9−098015号公報に示されている。図4におい
て、表面実装型アンテナ1は、セラミックや樹脂などの
誘電体からなる直方体状の基体2の一方主面2aにグラ
ンド電極3が形成され、他方主面2bにはストリップ状
の放射電極4が形成され、一方主面2aから1つの端面
にかけて給電電極5が形成されている。放射電極4は基
体2の他方主面2bのほぼ全面に直線状に形成されてお
り、その一端は給電電極5を形成した端面に回り込ん
で、ギャップ6を介して給電電極5に近接して開放端4
aを形成している。放射電極4の他端は、給電電極5を
形成したのと同じ端面を介してグランド電極3と接続さ
れて接地端4bを形成している。
【0003】このように構成された表面実装型アンテナ
1において、給電電極5に高周波信号が入力されると、
ギャップ6において放射電極4の開放端4aと給電電極
5の間に形成される静電容量を介して、放射電極4に高
周波信号が伝達される。放射電極4は一端が開放、他端
が短絡の長さ約λ/4のマイクロストリップ線路共振器
として共振し、そのときに放射電極4と主としてグラン
ド電極3との間に形成される電界のエネルギーの一部が
空間に放射され、アンテナとして機能する。なお、図4
において、J1は放射電極4を流れる電流を示してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】表面実装型アンテナ1
のような、長さが約λ/4のマイクロストリップ線路共
振器においては、流れる電流は接地端4bにおいて最大
となる。しかも、接地端4bは放射電極4の他の部分に
比べて幅を狭く形成してあるため、接地端4bにおける
電流密度は放射電極4の他の部分よりも大きくなり、放
射電極4における導体損も接地端4bにおいて最大とな
る。
【0005】ここで、図5に、表面実装型アンテナ1の
給電電極5や放射電極4の開放端4a、接地端4bを形
成した端面を見た側面図を示す。図5に示すように、放
射電極4の接地端4bを流れる電流J1は、電磁気的な
特性によって給電電極5からグランド電極3までの最短
距離を通ろうとするため、接地端4bの開放端4a側に
集中している。
【0006】このように、放射電極4を流れる最大の電
流が、幅を狭く形成した接地端4bの、さらに開放端4
a側の一部に集中するため、この部分における導体損が
大きくなり、アンテナ利得の低下の原因となっていた。
【0007】導体損を減少させる対策として接地端4b
の幅を広くするということが考えられるが、この場合も
接地端4bの幅を広くしても流れる電流が開放端4a側
に集中するという点は改善されず、アンテナ利得の改善
は望めない。逆に、放射電極4の接地端4bの幅を広く
するということは接地端4bと開放端4aとの間隔が短
くなることになり、放射電極の実質的な長さが短くなっ
て共振周波数が高くなるだけで、かえって共振周波数を
元に戻すために基体2および放射電極4の長さを長くす
る必要が生ずる。
【0008】そこで、本発明は、アンテナのサイズを変
えることなくアンテナ利得を改善することのできる表面
実装型アンテナおよびそれを用いた通信機を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明の表面実装型アンテナは、誘電体または磁
性体よりなる略直方体状の基体と、前記基体の一方主面
に形成されたグランド電極と、前記基体の少なくとも他
方主面に形成されたストリップ状の放射電極と、前記基
体のいずれかの面に形成された給電電極からなり、前記
放射電極の一端を開放端として前記給電電極にギャップ
を介して近接して配置し、前記放射電極の他端を複数に
分岐させて、それぞれ前記基体の異なる端面を介して前
記グランド電極に接続して接地端としたことを特徴とす
る。
【0010】また、本発明の通信機は、上記の表面実装
型アンテナを用いたことを特徴とする。
【0011】このように構成することにより、本発明の
表面実装型アンテナによれば、アンテナのサイズを変え
ることなくアンテナ利得を高くすることができる。
【0012】また、本発明の通信機によれば、通信品質
の向上を図ることができる。また、アンテナ以外の部品
のコストの低減を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の表面実装型アン
テナの一実施例を示す。図1で、図4と同一もしくは同
等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。図
1において、表面実装型アンテナ10の放射電極4の他
端は2つに分岐し、互いに対向する2つの端面を介して
それぞれグランド電極3と接続されて接地端4bおよび
4cを形成している。なお、図1において、J2は放射
電極4を流れる電流を示している。
【0014】このように、放射電極4の接地端を4bお
よび4cの2つに分岐して、基体2のそれぞれ互いに対
向する2つの端面に形成すると、従来は接地端4bにの
み流れていた電流が、接地端4bと4cの両方に分かれ
て流れるようになり、それぞれの接地端における電流密
度がほぼ半分になる。その結果、接地端4bおよび4c
における導体損も小さくなり、表面実装型アンテナ10
のアンテナ利得が改善される。しかも、接地端4bの位
置は表面実装型アンテナ1と同じ位置にあり、接地端4
cは接地端4bと対向する位置に形成されているため、
放射電極の開放端4aと接地端4bおよび4cとの距離
は短縮されず、従来と同じアンテナサイズでも共振周波
数が大きく変化することもない。
【0015】図2に、本発明の表面実装型アンテナの別
の実施例を示す。図2で、図1と同一もしくは同等の部
分には同じ記号を付し、その説明を省略する。図2にお
いて、表面実装型アンテナ20の放射電極4の他端は3
つに分岐し、基体2の3つのそれぞれ別の端面を介して
それぞれグランド電極3と接続されて接地端4b、4c
および4dを形成している。なお、図2において、J3
は放射電極4を流れる電流を示している。
【0016】このように、表面実装型アンテナ20にお
いては放射電極4の接地端を4b、4cおよび4dの3
つに分岐することによって、各接地端4b、4cおよび
4dに流れる電流を図1の表面実装型アンテナ10より
もさらに小さくすることができ、それによって導体損も
さらに小さくなり、アンテナ利得がさらに改善される。
【0017】本願発明者の実験によれば、同じ基体サイ
ズで形成した場合、表面実装型アンテナ1に対して表面
実装型アンテナ10では0.2dB、表面実装型アンテ
ナ20では0.7dBのアンテナ利得の向上を確認する
ことができた。
【0018】なお、上記の各実施例においては、放射電
極の形状を幅の広い直線状に形成したが、これはL字状
やコ字状、ミアンダ状などの別の形状に形成しても構わ
ないものである。また、上記の各実施例においては、表
面実装型アンテナの基体として誘電体を使用したが、こ
れはフェライトなどの磁性体を使用しても構わないもの
である。
【0019】図3に、本発明の表面実装型アンテナ10
を用いた、本発明の通信機の一実施例を示す。図3にお
いて、図1と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付
し、その説明を省略する。図3において、通信機30は
筐体31の中に実装基板32が設けられ、実装基板32
にはグランド電極33および給電線路34が形成されて
いる。また、実装基板32のコーナー部分には表面実装
型アンテナ10が搭載されている。そして、表面実装型
アンテナ10の給電端子(図示せず)は実装基板32の
給電線路34に接続されている。さらに、給電線路34
は実装基板32上に形成された切換回路35を介して、
同じく実装基板32上に形成された送信回路36および
受信回路37に接続されている。
【0020】このように、通信機30においては、表面
実装型アンテナ10を用いることにより、アンテナ利得
の改善によって、ノイズに対して強くなったり、低いレ
ベルの信号でも通信が可能になるなど、通信品質の向上
を図ることができる。また、逆に、利得が改善する分だ
け通信機に内蔵するフィルタやミキサのNF(雑音指
数)や発振器のC/N比(雑音指数)などの規格をゆる
めることができ、それによってアンテナ以外の部品のコ
ストダウンを図ることができ、その結果として通信機3
0全体のコストダウンを図ることができる。
【0021】なお、図3の実施例においては図1に示し
た表面実装型アンテナ10を用いて通信機30を構成し
たが、図2に示した表面実装型アンテナ20を用いて通
信機を構成しても同様の作用効果を奏するものである。
【0022】
【発明の効果】本発明の表面実装型アンテナによれば、
放射電極の他端を複数に分岐させて、それぞれ基体の異
なる端面を介してグランド電極に接続して接地端とする
ことによって、放射電極の個々の接地端に流れる電流が
少なくなって電流密度が低下し、導体損が小さくなっ
て、アンテナのサイズを変更することなく表面実装型ア
ンテナのアンテナ利得を改善することができる。
【0023】また、本発明の通信機によれば、本発明の
表面実装型アンテナを用いることにより、通信品質の向
上や通信機のコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面実装型アンテナの一実施例を示す
斜視図である。
【図2】本発明の表面実装型アンテナの別の実施例を示
す斜視図である。
【図3】本発明の通信機の一実施例を示す斜視図であ
る。
【図4】従来の表面実装型アンテナを示す斜視図であ
る。
【図5】従来の表面実装型アンテナの接地端における電
流分布を示す側面図である。
【符号の説明】
2…基体 2a…一方主面 2b…他方主面 3…グランド電極 4…放射電極 4a…開放端 4b、4c、4d…接地端 5…給電電極 6…ギャップ J2、J3…放射電極を流れる電流 10、20…表面実装型アンテナ 30…通信機

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体または磁性体よりなる略直方体状
    の基体と、前記基体の一方主面に形成されたグランド電
    極と、前記基体の少なくとも他方主面に形成されたスト
    リップ状の放射電極と、前記基体のいずれかの面に形成
    された給電電極からなり、 前記放射電極の一端を開放端として前記給電電極にギャ
    ップを介して近接して配置し、前記放射電極の他端を複
    数に分岐させて、それぞれ前記基体の異なる端面を介し
    て前記グランド電極に接続して接地端としたことを特徴
    とする表面実装型アンテナ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の表面実装型アンテナを
    用いたことを特徴とする通信機。
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