JP2001091645A - ドップラーレーダ装置 - Google Patents

ドップラーレーダ装置

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JP2001091645A JP26870699A JP26870699A JP2001091645A JP 2001091645 A JP2001091645 A JP 2001091645A JP 26870699 A JP26870699 A JP 26870699A JP 26870699 A JP26870699 A JP 26870699A JP 2001091645 A JP2001091645 A JP 2001091645A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 観測対象の速度領域が広がりを持つ場合で
も、良好な速度折り返し補正を行うことができるように
する。 【解決手段】 まず、セクタ毎に規定レンジ単位でドッ
プラー速度を算出し(S1)、対象選択の周辺に位置す
る(mセクタ)×(nレンジ)の範囲で平均速度をPR
F別に算出する(S2)。次に、算出したPRF別の平
均速度を基に、折り返し補正後の速度基準V0 を算出す
る(S3)。続いて、対象セクタと隣接セクタにより折
り返し補正後の速度候補Vi (1≦i≦k)を算出し
(S4)、Vi とV0 の速度差が基準値以内となる候補
Vi を折り返し補正後の速度とする(S5)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気象防災に資する
ドップラーレーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、例えば空港におけるダウ
ンバースト・マイクロバースト検出、雷予知におけるセ
ル追尾などの気象防災に資するドップラーレーダ装置に
あっては、スタガトリガ方式が採用されている。この方
式は、パルス繰り返し周期について、一定時間だけ長く
した周期と短くした周期を数種類生成し、それらの周期
をパルスの繰り返し毎に、予め決められた順序で切り換
えて使用するものである。
【0003】このようなスタガトリガ方式によれば、複
数スタガにおける速度データをセクタ毎に算出すること
で、パルス繰り返し周波数(以下、PRFと記す)の異
なる隣接セクタの組み合わせにより速度折り返し補正を
行うことができる。しかしながら、気象エコーは速度領
域で広がりを持ち、1セクタ毎の算出速度がばらつくた
め、隣接するセクタ間で比較して速度折り返し補正を行
うと、補正の誤りを起こす可能性が高くなるという問題
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来のスタガトリガ方式によるドップラーレーダ装置で
は、特に気象用の場合、気象エコーの速度領域が広がり
を持つため、1セクタ毎の算出速度がばらついてしま
い、隣接するセクタ間で比較して速度折り返し補正を行
うと、補正の誤りを起こしやすいという問題が生じてい
る。
【0005】本発明は、上記の問題を解決し、観測対象
の速度領域が広がりを持つ場合でも、良好な速度折り返
し補正を行うことのできるドップラーレーダ装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、複数スタガにおける速度データをセクタ
毎に算出し、パルス繰り返し周波数の異なる隣接セクタ
の組み合わせにより速度折り返し補正を行うドップラー
レーダ装置において、対象エコーが速度領域で広がりを
持つ場合に、対象エコーの平均的な速度の変化が少ない
と考えられる範囲を単位面積とし、この範囲内にある複
数セクタ、複数レンジの平均速度を基準として速度折り
返し補正を行うことを特徴とする。
【0007】具体的には、セクタ毎に規定レンジ単位で
速度を算出する第1ステップと、対象選択の周辺に位置
する(mセクタ)×(nレンジ)の範囲で平均速度を送
信繰り返しパルス別に算出する第2ステップと、前記第
2ステップで算出した送信繰り返しパルス別の平均速度
を基に、折り返し補正後の速度基準V0 を算出する第3
ステップと、対象セクタと隣接セクタにより折り返し補
正後の速度候補Vi (1≦i≦k)を算出する第4ステ
ップと、前記速度候補値Vi と速度基準値V0の速度差
が基準値以内となる速度候補Vi を折り返し補正後の速
度とする第5ステップとを備えることを特徴とする。
【0008】上記の処理手順によれば、セクタ単位では
ばらつきが大きく、速度折り返し補正誤差の発生頻度が
高くなる場合であっても、複数セクタ×複数レンジ単位
で折り返し補正後の速度基準値を算出し、この値から大
きく外れることのないように補正を行うため、速度折り
返し補正誤差の頻度が低くなる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0010】図1は本発明に係るドップラーレーダ装置
の構成を示すもので、COHO発振器11で発生される
周波数fi の中間周波信号と局部発振器12で発生され
る周波数fLo の局部発振信号が混合器13でミキシン
グされて周波数f0 の送信信号が生成され、送信機14
に送られる。この送信機14に入力された送信信号は電
力増幅器141で電力増幅された後、クライストロンあ
るいはマグネトロンによる変調器142に送り込まれ、
高圧変調回路143からの繰り返し送信パルスに基づい
てパルス化される。
【0011】ここで、上記高圧変調回路143におい
て、スタガトリガ方式を採用し、例えばPRFを720
Hzと900Hzの2スタガを用いる。このようにして
送信機13で生成された送信パルス信号は、サーキュレ
ータ15を介して空中線装置16に供給され、空間に送
出される。
【0012】上記空中線装置16から送出された周波数
f0 の送信波は、目標(雨粒等)に当たって戻ってくる
が、目標の移動によりドップラー周波数fd を伴ってい
る。
【0013】空中線装置16で受けた受信信号(周波数
fr =f0 +fd )は、サーキュレータ15を介して高
周波増幅器17で増幅され、混合器18で局部発振信号
とミキシングされて中間周波に変換され(周波数fi +
fd )、中間周波数増幅器19で増幅された後、混合器
20、21にて、位相検波器22により互いに90°の
位相差が与えられた中間周波数信号(fi )と混合され
ることで直交検波されて信号処理装置23に送られる。
信号処理装置25は、受信中において、セクタ単位でド
ップラー速度を求めて雨量換算処理を行うものである。
【0014】上記構成において、本発明の特徴となる信
号処理装置23の処理内容を説明する。
【0015】前述のように、気象エコーは速度領域で広
がりを持つことにより、1セクタ毎の算出速度がばらつ
いているため、隣接するセクタの比較のみから速度折り
返し補正を行うと補正の誤りを起こす可能性が高くな
る。そこで、本実施形態では、信号処理装置23におい
て、気象エコーの平均的な速度の変化が少ないと考えら
れる範囲を単位面積とし、この範囲内にある複数セク
タ、複数レンジの平均速度を基準として速度折り返し補
正を行うことにより、速度折り返し誤差を減らす。
【0016】この場合の速度折り返し補正の手順を図2
に示し、図3を参照して説明する。
【0017】(1)まず、セクタ毎に規定レンジ単位で
ドップラー速度を算出する(S1)。 (2)図3に示すように、対象選択の周辺に位置する
(mセクタ)×(nレンジ)の範囲で平均速度をPRF
別に算出する(S2)。 (3)次に、(2)で算出したPRF別の平均速度を基
に、折り返し補正後の速度基準V0 を算出する(S
3)。 (4)対象セクタと隣接セクタにより折り返し補正後の
速度候補Vi (1≦i≦k)を算出する(S4)。 (5)Vi とV0 の速度差が基準値以内となる候補Vi
を折り返し補正後の速度とする(S5)。
【0018】ここで、(4)において、折り返し補正後
の速度候補Viy は複数算出されるが、その候補の数は
スタガ比に依存する。例えば、PRFが720Hzと9
00Hzの2スタガの場合、スタガ比は4:5なので、
720Hzのときに5つ、900Hzのときに4つの候
補が存在することになる。これらの速度候補は、PRF
毎に算出される速度の差から、可能性の高い順に1番目
の候補からk番目の候補まで存在する。(5)において
選択される候補は、Vi とV0 の速度差が基準値以内と
なる候補の中で最も可能性の高い候補を意味する。
【0019】以上の処理の結果、セクタ単位ではばらつ
きが大きく、速度折り返し補正誤差の発生頻度が高くな
る場合であっても、複数セクタ×複数レンジ単位で折り
返し補正後の速度基準値を算出し、この値から大きく外
れることのないように補正を行うため、速度折り返し補
正誤差の頻度が低くなる。
【0020】したがって、上記構成によるドップラーレ
ーダ装置は、観測対象の速度領域が広がりを持つ場合で
も、良好な速度折り返し補正を行うことができる。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、観測対象
の速度領域が広がりを持つ場合でも、良好な速度折り返
し補正を行うことのできるドップラーレーダ装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るドップラーレーダ装
置の構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の折り返し補正手順を示すフローチ
ャート。
【図3】同実施形態の折り返し補正において、平均速度
をPRF別に算出する場合の対象選択の周辺に位置する
(mセクタ)×(nレンジ)の範囲を示す図。
【符号の説明】
11…COHO発振器 12…局部発振器 13…混合器 14…送信機 141…電力増幅器 142…変調器 143…高圧変調回路 15…サーキュレータ 16…空中線装置 17…高周波増幅器 18…混合器 19…中間周波増幅器 20…混合器 21…混合器 22…位相検波器 23…信号処理装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数スタガにおける速度データをセクタ毎
    に算出し、パルス繰り返し周波数の異なる隣接セクタの
    組み合わせにより速度折り返し補正を行うドップラーレ
    ーダ装置において、 対象エコーが速度領域で広がりを持つ場合に、対象エコ
    ーの平均的な速度の変化が少ないと考えられる範囲を単
    位面積とし、この範囲内にある複数セクタ、複数レンジ
    の平均速度を基準として速度折り返し補正を行うことを
    特徴とするドップラーレーダ装置。
  2. 【請求項2】複数スタガにおける速度データをセクタ毎
    に算出し、パルス繰り返し周波数の異なる隣接セクタの
    組み合わせにより速度折り返し補正を行うドップラーレ
    ーダ装置において、 セクタ毎に規定レンジ単位で速度を算出する第1ステッ
    プと、 対象選択の周辺に位置する(mセクタ)×(nレンジ)
    の範囲で平均速度を送信繰り返しパルス別に算出する第
    2ステップと、 前記第2ステップで算出した送信繰り返しパルス別の平
    均速度を基に、折り返し補正後の速度基準V0 を算出す
    る第3ステップと、 対象セクタと隣接セクタにより折り返し補正後の速度候
    補Vi (1≦i≦k)を算出する第4ステップと、 前記速度候補値Vi と速度基準値V0 の速度差が基準値
    以内となる速度候補Vi を折り返し補正後の速度とする
    第5ステップとを備えることを特徴とするドップラーレ
    ーダ装置。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101690640B1 (ko) 2015-10-02 2016-12-28 오가닉브릿지 주식회사 소취능을 갖는 섬유 제품

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