JP2006266775A - レーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 受信ビームの中心方向がアジマス方向に異なる複数のアンテナから得られる複数の受信信号から、マルチビームを形成するビーム形成手段と、上記ビーム形成手段で得られたマルチビームを用いてスペクトル合成を行うスペクトル合成手段と、上記スペクトル合成手段の合成信号を逆フーリエ変換した信号に基づいて、Polar Formatアルゴリズムを用いて画像再生処理する画像再生手段とを備える。
【選択図】 図2
Description
以下、図を用いてこの発明に係る実施の形態1について説明する。
図1は実施の形態1によるレーダ装置50を搭載した移動プラットフォーム100を示す図である。図においてz軸は鉛直方向である。
動揺補償手段4は、この慣性装置から出力される移動体プラットフォーム100の機体の位置情報及び姿勢情報を用いて、機体動揺に伴った移動軌跡の摂動量を算出し、ビーム形成手段3から出力される各ビームの補償を行う。
表示手段20は、画像再生手段8で再生された出力画像を入力し、レーダ画像を出力する。
図2において、第n番目の素子アンテナにおける第m番目の送信パルスに対する受信信号をs(n、m)で表すと、ビーム形成手段3の出力は式(1)のS1(k,m)で表される。ここにおいて、λはアレイアンテナ1から出力される送信波の送信波長である。
図において、図4(a)に示すように、プラットフォーム観測開始時における重心を原点、北をx軸の正、東をy軸の正、右手系をなすように鉛直下方をz軸の正とした座標系である。
また、機体軸座標系とは移動プラットフォーム100の機首方向(便宜上速度ベクトル方向)をx軸の正となるように、NED座標系を座標変換したものであり、オイラー角α、β、γは図4(b)のように定義される座標系である。
慣性装置によって得られる移動プラットフォーム100の機体の位置は、慣性装置を基準とする座標であるから、まず数3の式(3)〜(9)に従い、アンテナ位置基準の座標に変換する。
この時、ビーム毎のスペクトル中心をfb1、fb2とすると、数6の式(13)〜(16)より、fb1>0、fb2<0の関係が成立する。
同様に(2a)は、ビーム2の信号であるS(k、2)をヒット方向にフーリエ変換した場合のスペクトルである。
信号の中心周波数は、-PRF〜0の区間であるが、観測される信号は(2a)の実線で示すように折り返し信号となって現われる。
次に、復元後のスペクトルを、各ビームのスペクトルの中心周波数を考慮して、(c)に示すように合成する。すると、2PRF分の信号帯域が得られることになる。この合成処理により、あたかも1ビームで2倍の信号帯域が得られたものと同等の効果が得られる。
Polar-formatアルゴリズムは、合成開口レーダの画像再生アルゴリズムの一つである。この処理では、移動プラットフォーム100の観測によって得られた受信信号を、図6に示すように、仮想的に求めた空間周波数の極座標系の、扇形の領域に写像する。ここで極座標における座標点を(Kr,θp)とすると、Krはプラットフォームからの距離、θpはプラットフォームから画像化中心を見た場合のx軸とのなす角度である。
これを、同図斜線領域で示す直角座標に補間処理することにより、位相補償を実現した二次元画像を得る。
空間周波数の座標系としては、例えば、プラットフォームからの距離、プラットフォームから画像化中心を見た場合のx軸とのなす角度で構成される極座標系を用いる。
また、斜線領域で示す直角座標系としては、例えば、レンジ軸(PC方向)、アジマス軸(x軸方向)を用いる。
図7は、実施の形態2によるレーダ装置の構成を示している。ここではこの発明の要旨とする部分のみを説明する。
図7において、スペクトル簡易合成手段9は、ビーム毎のFFT手段5の出力を入力とし、ビーム毎の信号スペクトルを合成することにより、ビーム分の信号帯域を得る。
その他の構成については、実施の形態1の図2で説明したものと、同一のものを用いる。
図8は2ビームの場合を示している。説明の都合上、ビーム1のスクイント角をθsqt1、ビーム2のスクイント角をθsqt2とおく。またθsqt1<90°<θsqt2の関係が成立しているものとする。この時、ビーム毎のスペクトル中心をfb1、fb2とすると、数8の式(18)〜(20)より、fb1>0、fb2<0の関係が成立する。さらに、ビーム1とビーム2の中心に対する周波数をfbとする。
次に、各ビームの配置変換後のスペクトルを、同図(c)に示すようにfbを中心に結合する。すると2PRF分の信号帯域が得られることになる。
この合成処理により、あたかも1ビームで2倍の信号帯域が得られたものと同等の効果が得られる。
図9は実施の形態3によるレーダ装置の構成を示している。実施の形態1の図1と同じ符号については、同じものを示す。
図9において、動揺補償手段10は、慣性装置から出力される機体の位置情報から機体動揺に伴う移動軌跡の摂動量を算出し、ビーム形成手段3の出力の補償を行う。
実施の形態1においては、動揺補償を行う場合に、受信アンテナの機械開口中心位置を考慮して補償した。しかしながら本実施の形態では、事前に算出しておいたビーム毎の位相中心を考慮して、数3におけるアレイアンテナ1の機械開口中心を、アレイアンテナ1の位相中心に置き換えれば良い。これによって、補償量算出部にて、数3に従って得られるΔrを用いて位相補償量Δ=2πΔr/λを得た後、動揺補償部にて、機体が理想的な直線運動をした場合のビーム形成手段の出力を補償する。
図10は、動揺補償手段10によって処理される位相補償量Δの関係を示す図である。
同図の破線は、機体動揺を伴う実際の移動軌跡を示している。これに対して実線は理想的な直線運動を仮定した場合の、移動プラットフォーム100の移動軌跡を意味する。
アンテナの位相中心は事前に測定されて既知であるものとし、この座標を(Xp、Yp、Zp)T とおくと、その補償過程は実施の形態1の場合の、(Xa、Ya、Za)Tを(Xp、Yp、Zp)T と置き換えれば、同様な処理で位相補償量Δを得ることができる。
図11は実施の形態4によるレーダ装置の構成を示している。ここではこの発明の要旨とする部分のみを説明する。
図11において11は慣性装置から出力される機体の位置情報から機体動揺に伴う軌道の摂動量を算出し、ビーム形成手段の出力の補償を行う動揺補償手段を表している。ただし、これまでの実施の形態においては、慣性装置から得られる機体のオイラー角を直接利用していたが、これらに誤差があることを考慮して、まずオイラー角を数9の式(21)〜(23)に従って平滑化し、平滑後のオイラー角から機体の動揺補償を行う。
Claims (5)
- 受信ビームの中心方向がアジマス方向に異なる複数のアンテナから得られる複数の受信信号から、マルチビームを形成するビーム形成手段と、
上記ビーム形成手段で得られたマルチビームを用いてスペクトル合成を行うスペクトル合成手段と、
上記スペクトル合成手段の合成信号を逆フーリエ変換した信号に基づいて、Polar Formatアルゴリズムを用いて画像再生処理する画像再生手段と、
を備えたレーダ装置。 - 上記スペクトル合成手段は、各マルチビームの周波数の折り返しを許容して合成処理することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 上記ビーム形成手段で得られたマルチビームに対し、レーダ装置を搭載する移動プラットフォームの動揺に伴なう、アンテナ開口中心の移動量を補償し、補償後のマルチビームをスペクトル合成手段に供給する動揺補償手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 上記ビーム形成手段で得られたマルチビームに対し、レーダ装置を搭載する移動プラットフォームの動揺に伴なう、アンテナ開口中心の位相変化を補償し、補償後のマルチビームをスペクトル合成手段に供給する動揺補償手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 上記動揺補償手段は、オイラー角で表現される座標系を用いて移動プラットフォームの動揺を計測する慣性装置を備え、当該慣性装置によるオイラー角の計測値を平滑化することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
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