JP2002162195A - 飛翔体誘導装置 - Google Patents

飛翔体誘導装置

Info

Publication number
JP2002162195A
JP2002162195A JP2000354639A JP2000354639A JP2002162195A JP 2002162195 A JP2002162195 A JP 2002162195A JP 2000354639 A JP2000354639 A JP 2000354639A JP 2000354639 A JP2000354639 A JP 2000354639A JP 2002162195 A JP2002162195 A JP 2002162195A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flying object
satellite
attitude
attitude angle
gps
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000354639A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruyoshi Kuno
治義 久野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2000354639A priority Critical patent/JP2002162195A/ja
Publication of JP2002162195A publication Critical patent/JP2002162195A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
  • Aiming, Guidance, Guns With A Light Source, Armor, Camouflage, And Targets (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
  • Position Fixing By Use Of Radio Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 GPS信号から飛翔体誘導に必要な情報を取
得する。 【解決手段】 機体頭部A、機体後部B、水平翼端部
C,DにGPS受信アンテナ11A〜11Dを配置し、
受信処理部12A〜12DによりGPS信号を受信す
る。受信処理部12Aの受信信号について位置算出部1
3で測位演算処理を行って位置を求め、さらに速度算出
部14で位置の単位時間当たりの変化から速度を算出す
る。同時に、各受信処理部12A〜12Dで同一のGP
S衛星からの信号を取り出し、位相検出部161〜16
3により、A−B間、C−D間、B−D間それぞれの位
相差を求め、カルマンフィルタ171〜173で平滑化
した後、機体座標変換部18にて受信位置での機体座標
に変換し、機体の姿勢角度を得る。この変化を時間で割
ることで角速度を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、存在位置が既知の
目標に向けて飛翔体を誘導する飛翔体誘導装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】地上の固定目標または地上レーダや航空
機、衛星等に搭載されるレーダ等により位置が特定され
た地上又は海上の移動目標に向けて、遠距離を自律的に
飛翔する誘導ミサイル等の飛翔体にあっては、その中期
誘導の誘導装置にINS(Inertial Navigation Syste
m:慣性航法装置)が使用されている。このINSは、
ジャイロと加速度計を用いて安定台(ステーブル・プラ
ット・フォーム)を作り、慣性座標に対しての飛翔体の
移動加速度を検出し、その値を積分して速度と移動距離
を算出し、現在位置を算出する装置である。
【0003】このINSを用いた慣性航法では、ジャイ
ロのドリフトによる誤差が時間と共に増大するので、長
距離を飛翔させる場合には、精度を保つために他の航法
を補正手段として用いる。長期の飛翔誤差に対する補正
手段としては、GPS(Global Positioning System:
全地球位置測定システム)航法、天文航法、地形照合方
式等がある。その中で、GPS航法は、GPS受信機の
飛躍的な小型化、低価格化、精度向上に伴い、補正手段
の有効な方法として多用されている。
【0004】一方、飛翔体の誘導には、自機の姿勢・操
舵制御が不可欠である。上記の長距離飛翔体にあって
は、レートジャイロを用いて機体の姿勢角を計測し、I
NSからの位置情報に基づく経路情報と姿勢角情報とか
ら操舵装置を制御し、機体を安定させつつ目標方向に向
かわせている。この場合、姿勢角の計測に用いるレート
ジャイロには、INSとは別のものを用いることが多
い。
【0005】ところで、従来の特に長距離誘導飛翔体に
搭載される誘導装置にあっては、上述のようにジャイロ
が多用されている。誘導精度は、ジャイロの精度によっ
て大きく左右される。このため、精度の高い大型のジャ
イロを使用することが望ましいが、使用ジャイロの大型
化は、飛翔体の重量、コストの増大を招くばかりでな
く、設置スペースの確保により搭載機器の制約を招く。
【0006】以上のことから、比較的長距離の誘導飛翔
体に搭載される誘導装置にあっては、ジャイロの使用が
誘導精度の向上、重量及びコスト低減に大きな制約を課
しているため、INS中心の慣性航法を廃し、より精度
が高く、低重量、低コストでシステムを構成することが
できるGPS航法だけで誘導可能とすることを考える。
ここにおいて、従来のGPS航法では、INSの補正手
段として使用していることから、現在位置の取得、蓄積
を行うのみで、被搭載飛翔体の姿勢・操舵制御を行うこ
とができないという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、比
較的長距離の誘導飛翔体に搭載される誘導装置にあって
は、ジャイロの使用が誘導精度の向上、重量及びコスト
低減に大きな制約を課しているため、INS中心の慣性
航法を廃し、より精度が高く、低重量、低コストでシス
テムを構成することができるGPS航法だけで誘導可能
とすることが考えられているが、従来のGPS航法で
は、INSの補正手段として使用していることから、現
在位置の取得、蓄積を行うのみで、被搭載飛翔体の姿勢
・操舵制御を行うことができないという問題がある。
【0008】本発明は上記の問題を解決し、GPS等の
衛星測位信号から被搭載飛翔体の誘導に必要な全ての情
報を取得可能とし、これによりINSと姿勢角測定用の
レートジャイロの使用を廃し、飛翔体の誘導精度の向
上、重量及びコストの低減を実現することのできる飛翔
体誘導装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、以下のような特徴的構成を有する。
【0010】(1)飛翔体に搭載され、存在位置が既知
の目標に向けて誘導する飛翔体誘導装置において、前記
飛翔体の複数箇所に設けられ、全地球位置測定システム
の衛星から送出される電波を受信する複数個の衛星電波
受信アンテナと、前記複数個の衛星電波受信アンテナの
少なくとも1個を用いて前記全地球位置測定システムの
4個以上の衛星からの電波を受信し、それぞれの受信信
号に含まれる衛星軌道情報及び時刻情報に基づいて被搭
載飛翔体の現在位置を算出する位置算出手段と、前記複
数個の衛星電波受信アンテナによりそれぞれ同一の衛星
からの電波を受信し、各アンテナ出力間の位相差を求
め、当該位相差と各アンテナの位置関係から被搭載飛翔
体の姿勢角度を算出する姿勢角度算出手段と、前記位置
算出手段で得られる現在位置情報及び前記姿勢角度算出
手段で得られる姿勢角度情報に基づいて被搭載飛翔体の
姿勢を制御しつつ前記目標に向けて操舵制御を行う姿勢
・操舵制御手段とを具備することを特徴とする。
【0011】(2)(1)の構成において、前記複数個
の衛星電波受信アンテナは、被搭載飛翔体の機軸に沿っ
た任意の2位置と水平翼の機軸に対して垂直な軸に沿っ
た任意の2位置に配置され、前記姿勢角度算出手段は、
前記複数個の衛星電波受信アンテナの各受信出力の位相
差から求まる衛星からの距離差と各アンテナの被搭載飛
翔体の重心位置からの距離から、被搭載飛翔体の機軸に
対する姿勢角度を算出することを特徴とする。
【0012】(3)(2)の構成において、前記重心位
置は、燃料消費時間または燃料消費量から予測すること
を特徴とする。
【0013】(4)(1)の構成において、前記姿勢角
度算出手段は、算出される姿勢角度を、機体の振動成分
を除去して出力することを特徴とする。
【0014】(5)(1)の構成において、前記姿勢・
操舵制御手段は、前記位置算出手段で得られる現在位置
情報の変化から被搭載飛翔体の速度、角速度を算出する
ことを特徴とする。
【0015】(6)(1)の構成において、前記姿勢・
操舵制御手段は、前記姿勢角度算出手段で得られる姿勢
角度の変化から機体のピッチ軸、ヨー軸、ロール軸の軸
周りの角速度、角加速度を算出することを特徴とする。
【0016】(7)(1)の構成において、前記姿勢角
度算出手段は、複数の衛星からの電波のうち、最も高仰
角の衛星電波の受信信号を選択することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0018】図1は本発明に係る飛翔体誘導装置のシス
テム構成を示すブロック図である。図1において、11
A〜11Dはそれぞれ上空にある複数のGPS衛星から
の信号(PRN(Pseudo Random Noise:疑似雑音)符
号によりPSK(Phase ShiftKeying)スペクトル拡散
変調された、衛星軌道情報、時刻情報を含む信号:以
下、GPS信号)を受信するGPS受信アンテナであ
る。これらのアンテナ11A〜11Dは、それぞれ図2
に示す被搭載飛翔体の機体頭部A、機体後部B、一対の
水平翼端部C,Dの各表面に装着される。各アンテナ1
1A〜11Dで受けたGPS信号はそれぞれ受信処理部
12A〜12Dに供給される。
【0019】各受信処理部12A〜12Dはそれぞれ各
アンテナ11A〜11Dで受けた複数のGPS信号を増
幅し、PRN符号に基づいて衛星別にPSK信号を抽出
するもので、このうち受信処理部Aで抽出された衛星別
PSK信号は位置算出部13に供給される。この位置算
出部13は、受信処理部12Aからの衛星別PSK信号
のうち、例えば4つの衛星の軌道位置を頂点とする4面
体の体積が最大となるときの衛星信号を選択し、衛星別
に衛星軌道情報、時刻情報を復調し、GPS測位演算に
より現在位置(X,Y,Z:緯度、経度、高度)を算出
する。
【0020】ここで、GPS時間測定による位置検出方
法について、簡単に説明する。
【0021】衛星の位置をX(1,2,3,4)、Y(1,2,3,4)、
Z(1,2,3,4)、自己位置をUxyz とする。受信時間をT
(1,2,3,4)、飛翔体が搭載する時計の遅れをDとすれ
ば、次の四次方程式ができ、これを解くことでUxyz が
得られる。
【0022】(X(1,2,3,4)−Ux )2 +(Y(1,2,3,4)−
Uy )2 +(Z(1,2,3,4)−Uz )2=C(T(1,2,3,4)−D)
2 受信した信号と予め登録された送信衛星の信号との相関
を取る。受信信号をずらしていき、相関が1となり、受
信信号と登録衛星信号が重なり合えば時間が一致したこ
とになり、上式のTが得られる。パルスは1msに10
23個の符号が並ぶ。
【0023】衛星の軌道情報や時計データは毎秒50ビ
ットで擬似雑音信号を再変調する形で各衛星から送られ
る。この航法メッセージは1500ビット、30秒で伝
送される。したがって、GPS受信機にデータを入力し
てから位置が出るまで最低30秒かかる。利用できる衛
星の予定表、航海暦は12.5分掛けて送られるので、
長く放置したり、発射点を遠くに移動したときには、動
くまでにこのデータ取得のための時間が掛かることを考
慮する。
【0024】上記位置算出部13で算出された位置情報
は速度算出部14に送られ、単位時間当たりの位置変化
量(移動距離)から被搭載飛翔体の速度(X′,Y′,
Z′)が算出される。
【0025】上記位置算出部13で位置算出に使用され
た衛星については衛星信号選択部15に通知される。こ
の衛星信号選択部15は、位置算出に使用された衛星の
うち、例えば最も高仰角に位置する衛星からのPSK信
号を選択出力するように、受信処理部12A〜12Dを
制御する。各受信処理部12A〜12Dから選択出力さ
れた同一衛星からのPSK信号は位相検出部161〜1
63に選択的に供給される。
【0026】ここで、位相検出部161は、被搭載飛翔
体の機体頭部Aと機体後部Bに配置されたアンテナ11
A,11Bの受信出力(PSK信号)を入力し、両信号
を位相比較して両者の位相差を検出し、機軸に対するピ
ッチ軸(p)周りの姿勢情報として出力する。位相検出
部162は、被搭載飛翔体の一対の水平翼端部C,Dに
配置されたアンテナ11C,11Dの受信出力(PSK
信号)を入力し、両信号を位相比較して両者の位相差を
検出し、機軸に対するロール軸(r)周りの姿勢情報と
して出力する。位相検出部163は、被搭載飛翔体の機
体後部Bと水平翼端部Dに配置されたアンテナ11B,
11Dの受信出力(PSK信号)を入力し、両信号を位
相比較して両者の位相差を検出し、機軸に対するヨー軸
(y)周りの姿勢情報として出力する。各位相検出部1
61〜163で得られた位相差検出信号(機軸に対する
3軸周りの姿勢情報)は、それぞれカルマンフィルタ1
71〜173等で機体振動によるノイズ成分が抑圧され
た後、機体座標変換部18に送られる。
【0027】この機体座標変換部18は、飛翔体発射時
に機体重心位置における3軸周りの基準姿勢角度を記憶
し、発射後は各カルマンフィルタ171〜173からの
位相差検出信号を3軸周りの角度変化量に換算して基準
姿勢角度に累積することで、機体重心における座標系で
の3軸周りの姿勢角情報(P,R,Y)を得る。この姿
勢角情報(P,R,Y)は角速度算出部19に供給さ
れ、ここで単位時間当たりの角度変化量から角速度情報
(P′,R′,Y′)が算出される。
【0028】上記位置算出部13及び速度算出部14で
得られた位置情報及び速度情報は、飛翔経路算出部22
に供給される。この飛翔経路算出部22は、目標位置情
報格納部23に予め格納される目標位置情報を参照し
て、現在位置及び飛翔速度から目標位置への最適経路を
逐次計算し、経路指示情報を生成して操舵制御部20に
送出するものである。この操舵制御部20は、指示され
た飛翔経路に基づいて図示しない操舵翼駆動系に操舵信
号を送り、飛翔経路に沿って飛翔するように操舵翼の制
御がなされる。また、上記機体座標変換部18及び角速
度算出部19で得られた姿勢角情報及び角速度情報は姿
勢制御部21に供給される。この姿勢制御部21は、現
在の姿勢角及び角速度から基準姿勢に対する誤差を求
め、この姿勢誤差情報を操舵制御部20に送り、操舵制
御により姿勢誤差を修正させる。
【0029】上記構成において、以下にその動作原理を
説明する。
【0030】飛翔体誘導に必要な情報は、常に目標との
相対位置の測定が可能なこと、姿勢角度が測定できるこ
とである。機体の姿勢角度と位置情報がGPSから取得
できれば、現在GPSとINSで得ている情報が全て得
られる。すなわち、安価に誘導が可能となる。INSは
レートジャイロで安定台を作り、それに取りつけた加速
度計で3軸の速度、位置を積分して算出している。ま
た、p(ピッチ軸)、y(ヨー軸)、r(ロール軸)の
各レートジャイロ出力は直接機体の安定と姿勢角の保持
に使われる。したがって、GPSから常に姿勢角度とそ
のときの位置が得られれば、INSの3個のレートジャ
イロを置換できることになる。
【0031】飛翔体の機体に、GPS受信アンテナ(例
えばパッチアンテナ)11A〜11Dを、重心に対して
対称となるように、できるだけ離して4箇所に設置す
る。具体的には、機軸に沿った機体頭部A、機体後部
B、機軸に対して垂直な軸に沿った水平翼端部C,Dに
設置する。重心はロケットの燃料消費によって変化する
ので、ロケット燃料の燃焼後の重心を基準に、ロケット
による飛翔中には燃料消費時間または燃料消費量から重
心位置を予測計算する。GPS受信アンテナは何処に設
置しても重心周りの運動に変換すればよいので問題はお
きないが、重心が中心の場合のほうが計算しやすい。
【0032】GPS衛星は飛翔体の高度に対して十分遠
方にあり、電波は飛翔体で受信されるときには平行とな
る。したがって、各アンテナ11A〜11D間の衛星か
らの電波の位相差を測定すれば、機体のアンテナ設置位
置で衛星からの距離がわかり、重心から各アンテナ11
A〜11Dまでの距離とアンテナ間の衛星からの距離差
から、機体の機軸に対する変化の角度が計算できる。但
し、距離差を求めなくても、衛星電波の波長が分かって
いるので、位相差から換算できる。
【0033】飛翔中の機体は常に振動しているので、位
相差検出結果が揺らぎ、姿勢制御の応答速度に追従でき
なくなる。そこで、位相差検出結果は機体特性を考慮し
たカルマンフィルタなどで小さい振動を除去する。これ
により、姿勢制御がなめらかになる。これ以外にも、位
相差検出結果をある時間間隔で常に平均するなどして、
機体応答に合わせたデータ処理時間を持たせるようにし
てもよい。さらに、継続的に姿勢角度を算出すること
で、機体の角度変化、即ち発射時の機体姿勢からの角速
度がわかる。
【0034】また、4個のGPS受信アンテナからの受
信信号の時間差から機体の位置がわかる。この位置の単
位時間当たりの変化量から飛翔体の速度が計算でき、速
度差から加速度が計算できる。これらの情報は姿勢角度
同様にスムージングする必要がある。以上の処理によ
り、飛翔体誘導に必要な各軸周りの角速度、各軸の速
度、加速度及び機体の位置が検出できる。
【0035】ここで、位相差から機体の姿勢情報を求め
る処理について詳述する。
【0036】図3に示すように、GPS衛星の方向が分
かっている場合に、2つのGPS受信アンテナの位相差
からアンテナの衛星方向に対する傾きが分かる。すなわ
ち、GPS衛星は遠方にあるので、電波は平行となる。
GPS電波の波長は19cmなので、位相角度を測定す
れば、GPSアンテナの重心に対する傾きが得られる。
飛翔体を発射する時点でのアンテナ間での位相差が分か
っていれば、飛翔中は位相変化の測定で容易に角度変化
がわかる。
【0037】GPS衛星の軌道上での移動は、両方のア
ンテナに関連するので相殺されると考えられる。飛翔体
の姿勢制御に必要なのは、各軸周りの回転角速度であ
る。基準点からアンテナ中心までの距離をRとし、その
点での動きの長さをrとすれば、回転角度はtanθ=r
/Rから求められる。
【0038】GPS衛星が真上にある例を取れば、一波
長19cm(1575.42MHz)が360度である
ので、位相差の測定結果が1.58mmならば30度と
なる。
【0039】図2のBD間であれば、それぞれがこれだ
けの経路変化を受けるので、実際にはBDの位相差が6
0度となり、その半分が回転角度となる。実際には、位
相差には衛星方向の余弦角度がかかるので、衛星の軌道
情報からアンテナに対して垂直方向に近い衛星を選ぶ。
衛星の軌道情報は衛星から送信されるが、最初の取得に
はある程度の時間が掛かる。このため、発射前に衛星を
選択し、以後、継続的に情報が得られるようにする。
【0040】以上のことから、Rが50cmであれば、
1.58mmは実際の角度では0.18度に当たる。し
たがって、継続的にGPS信号が受信できれば正確な姿
勢角が測定でき、そのデータで十分機体を安定化するこ
とができる。姿勢制御には、実際にはアンテナ設置場所
と座標原点との変換計算が必要となる。
【0041】どれか一つのアンテナの使用で4個のGP
S衛星を切り替えで使用できれば、飛翔体の3次元での
位置が算定できる。位置データの出力を30サイクルに
すれば、800m/secの速度でも26m毎の位置で
あり、十分使用できる。データは衛星から連続的に得ら
れるので、必要ならデータレートを向上させることがで
きる。
【0042】実際の飛翔体ではGSP受信アンテナを上
方に向ける必要がある。現状では、地磁気の方向を検
出、或いは簡単なフォトダイオードで空の方向を検出す
ることで、飛翔体の上下方向を識別しており、これを利
用することができる。
【0043】上記の動作原理に基づいて、図1に示した
実施形態の構成における動作を説明する。
【0044】本実施形態では、4個の別々なGPS受信
アンテナ11A〜11Dと受信処理部12A〜12Dを
備え、それぞれ最低4個のGPS衛星からの信号を受信
する。この受信信号のうち、受信処理部12Aの受信信
号について、位置算出部13で通常行われている測位演
算処理を行って位置を求め、さらに速度算出部14で位
置の単位時間当たりの変化から速度を算出する。
【0045】同時に、各受信処理部12A〜12Dで同
一のGPS衛星からの信号を取り出し、位相検出部16
1〜163により、機体頭部A及び機体後部B間、水平
翼端部C,D間、機体後部B及び水平翼端部D間それぞ
れの信号位相を位相比較し、位相ロックをかけて初期位
相差からのずれ量を求める。それぞれの出力信号をカル
マンフィルタ171〜173等で平滑化する。この信号
は機体2点の差を周波数で表現しているので、機体座標
変換部18にて受信位置での機体座標に変換する。これ
により機体の姿勢角度が得られる。この変化を時間で割
ることで角速度を得る。
【0046】以上の処理により誘導に必要な位置、速
度、姿勢角度、姿勢角速度が算出されるので、これらの
信号で飛翔体を姿勢制御しながら的確に誘導することが
可能となる。これにより、飛翔体の誘導精度の向上、重
量及びコストの低減を実現することができる。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、GPS等
の衛星測位信号から被搭載飛翔体の誘導に必要な全ての
情報を取得可能とし、これによりINSと姿勢角測定用
のレートジャイロの使用を廃し、飛翔体の誘導精度の向
上、重量及びコストの低減を実現することのできる飛翔
体誘導装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る飛翔体誘導装置の一実施形態と
するシステム構成を示すブロック図。
【図2】 同実施形態のGPS受信アンテナの設置位置
を例示する図。
【図3】 同実施形態のGPS信号による姿勢角度検出
方法を説明するための図。
【符号の説明】
11A〜11D…GPS受信アンテナ 12A〜12D…受信処理部 13…位置算出部 14…速度算出部 15…衛星信号選択部 161〜163…位相検出部 171〜173…カルマンフィルタ 18…機体座標変換部 19…角速度算出部 20…操舵制御部 21…姿勢制御部 22…飛翔経路算出部 23…目標位置情報格納部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G05D 1/12 G05D 1/12 H

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 飛翔体に搭載され、存在位置が既知の目
    標に向けて誘導する飛翔体誘導装置において、 前記飛翔体の複数箇所に設けられ、全地球位置測定シス
    テムの衛星から送出される電波を受信する複数個の衛星
    電波受信アンテナと、 前記複数個の衛星電波受信アンテナの少なくとも1個を
    用いて前記全地球位置測定システムの4個以上の衛星か
    らの電波を受信し、それぞれの受信信号に含まれる衛星
    軌道情報及び時刻情報に基づいて被搭載飛翔体の現在位
    置を算出する位置算出手段と、 前記複数個の衛星電波受信アンテナによりそれぞれ同一
    の衛星からの電波を受信し、各アンテナ出力間の位相差
    を求め、当該位相差と各アンテナの位置関係から被搭載
    飛翔体の姿勢角度を算出する姿勢角度算出手段と、 前記位置算出手段で得られる現在位置情報及び前記姿勢
    角度算出手段で得られる姿勢角度情報に基づいて被搭載
    飛翔体の姿勢を制御しつつ前記目標に向けて操舵制御を
    行う姿勢・操舵制御手段とを具備することを特徴とする
    飛翔体誘導装置。
  2. 【請求項2】 前記複数個の衛星電波受信アンテナは、
    被搭載飛翔体の機軸に沿った任意の2位置と水平翼の機
    軸に対して垂直な軸に沿った任意の2位置に配置され、 前記姿勢角度算出手段は、前記複数個の衛星電波受信ア
    ンテナの各受信出力の位相差から求まる衛星からの距離
    差と各アンテナの被搭載飛翔体の重心位置からの距離か
    ら、被搭載飛翔体の機軸に対する姿勢角度を算出するこ
    とを特徴とする請求項1記載の飛翔体誘導装置。
  3. 【請求項3】 前記重心位置は、燃料消費時間または燃
    焼消費量から予測することを特徴とする請求項2記載の
    飛翔体誘導装置。
  4. 【請求項4】 前記姿勢角度算出手段は、算出される姿
    勢角度を、機体の振動成分を除去して出力することを特
    徴とする請求項1記載の飛翔体誘導装置。
  5. 【請求項5】 前記姿勢・操舵制御手段は、前記位置算
    出手段で得られる現在位置情報の変化から被搭載飛翔体
    の速度、角速度を算出することを特徴とする請求項1記
    載の飛翔体誘導装置。
  6. 【請求項6】 前記姿勢・操舵制御手段は、前記姿勢角
    度算出手段で得られる姿勢角度の変化から機体のピッチ
    軸、ヨー軸、ロール軸の軸周りの角速度、角加速度を算
    出することを特徴とする請求項1記載の飛翔体誘導装
    置。
  7. 【請求項7】 前記姿勢角度算出手段は、複数の衛星か
    らの電波のうち、最も高仰角の衛星電波の受信信号を選
    択することを特徴とする請求項1記載の飛翔体誘導装
    置。
JP2000354639A 2000-11-21 2000-11-21 飛翔体誘導装置 Pending JP2002162195A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000354639A JP2002162195A (ja) 2000-11-21 2000-11-21 飛翔体誘導装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000354639A JP2002162195A (ja) 2000-11-21 2000-11-21 飛翔体誘導装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002162195A true JP2002162195A (ja) 2002-06-07

Family

ID=18827193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000354639A Pending JP2002162195A (ja) 2000-11-21 2000-11-21 飛翔体誘導装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002162195A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006023167A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 National Institute Of Information & Communication Technology 3次元配置型gps受信機、それを用いた姿勢測定方法及びシステム
JP2006266775A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Mitsubishi Electric Corp レーダ装置
JP2010139439A (ja) * 2008-12-12 2010-06-24 Japan Aerospace Exploration Agency 複数アンテナ測位装置
JP2010216822A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Japan Radio Co Ltd 姿勢計測装置
JP2014145614A (ja) * 2013-01-28 2014-08-14 Furuno Electric Co Ltd 回頭角速度検出装置、移動体、回頭角速度検出方法、および、回頭角速度検出プログラム
KR20160090055A (ko) * 2015-01-21 2016-07-29 국방과학연구소 가변익을 이용한 방향탐지장치
US10845460B2 (en) 2015-06-23 2020-11-24 Nec Corporation Sound source position detection device, sound source position detection method, sound source position detection program, and recording medium
CN114114359A (zh) * 2022-01-27 2022-03-01 中国人民解放军32035部队 单星与地基设备联合的再入预报方法、装置和电子设备

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62298787A (ja) * 1986-06-19 1987-12-25 Nissan Motor Co Ltd Gps位置計測装置
JPS63100515A (ja) * 1986-10-17 1988-05-02 Natl Space Dev Agency Japan<Nasda> 航行体の姿勢検出方式
JPH06221795A (ja) * 1992-09-21 1994-08-12 Hughes Aircraft Co 全体的位置決定システムを使用する相対的誘導
WO1999002936A2 (en) * 1997-07-11 1999-01-21 Northrop Grumman Corporation Gps guided munition

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62298787A (ja) * 1986-06-19 1987-12-25 Nissan Motor Co Ltd Gps位置計測装置
JPS63100515A (ja) * 1986-10-17 1988-05-02 Natl Space Dev Agency Japan<Nasda> 航行体の姿勢検出方式
JPH06221795A (ja) * 1992-09-21 1994-08-12 Hughes Aircraft Co 全体的位置決定システムを使用する相対的誘導
WO1999002936A2 (en) * 1997-07-11 1999-01-21 Northrop Grumman Corporation Gps guided munition
JP2001509584A (ja) * 1997-07-11 2001-07-24 ノースロップ グラマン コーポレーション Gps誘導式兵器

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006023167A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 National Institute Of Information & Communication Technology 3次元配置型gps受信機、それを用いた姿勢測定方法及びシステム
JP2006266775A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Mitsubishi Electric Corp レーダ装置
JP2010139439A (ja) * 2008-12-12 2010-06-24 Japan Aerospace Exploration Agency 複数アンテナ測位装置
JP2010216822A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Japan Radio Co Ltd 姿勢計測装置
JP2014145614A (ja) * 2013-01-28 2014-08-14 Furuno Electric Co Ltd 回頭角速度検出装置、移動体、回頭角速度検出方法、および、回頭角速度検出プログラム
KR20160090055A (ko) * 2015-01-21 2016-07-29 국방과학연구소 가변익을 이용한 방향탐지장치
KR101700401B1 (ko) * 2015-01-21 2017-01-26 국방과학연구소 가변익을 이용한 방향탐지장치
US10845460B2 (en) 2015-06-23 2020-11-24 Nec Corporation Sound source position detection device, sound source position detection method, sound source position detection program, and recording medium
CN114114359A (zh) * 2022-01-27 2022-03-01 中国人民解放军32035部队 单星与地基设备联合的再入预报方法、装置和电子设备
CN114114359B (zh) * 2022-01-27 2022-04-26 中国人民解放军32035部队 单星与地基设备联合的再入预报方法、装置和电子设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10107627B2 (en) Adaptive navigation for airborne, ground and dismount applications (ANAGDA)
KR960014821B1 (ko) 합성 어레이 레이다를 사용하는 자율 정밀도 무기 수송 시스템 및 방법
US8204677B2 (en) Tracking method
CA2837179C (en) Determining spatial orientation information of a body from multiple electromagnetic signals
US11168984B2 (en) Celestial navigation system and method
US8213803B2 (en) Method and system for laser based communication
US4402049A (en) Hybrid velocity derived heading reference system
Petritoli et al. Lightweight GNSS/IRS integrated navigation system for UAV vehicles
WO2019186172A1 (en) Navigation apparatus and method
US5463402A (en) Motion measurement system and method for airborne platform
US9395447B2 (en) Orientation measurements for drift correction
Klotz et al. GPS-aided navigation and unaided navigation on the joint direct attack munition
JP2002162195A (ja) 飛翔体誘導装置
EP1207403A1 (en) Method for determining the position of reference axes in an inertial navigation system of an object in respect with the basic coordinates and embodiments thereof
US11029159B2 (en) Navigation system
JP2008241079A (ja) 航法システム
CN113820733B (zh) 一种基于定向天线和多普勒信息的运动载体导航方法和装置
Galkin et al. Mobile satellite antenna control system based on MEMS-IMU
US8260478B1 (en) Rotation rate tracking system using GPS harmonic signals
Collinson Navigation systems
Hablani Autonomous relative navigation, attitude determination, pointing and tracking for spacecraft rendezvous
JPH06213669A (ja) 移動体における慣性基準装置座標系の設定値較正方法
Liu Introduction to inertial navigation and pointing control
Ahmed et al. INS/GPS Integration System for Low Cost MEMS
Govinda Raju Aerobasics—An introduction to aeronautics: 14. Air navigation principles

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070904

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100413

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101214