JP2001090086A - 植生ポケットを有するモルタル、コンクリート吹付およびモルタル、コンクリート吹付施工方法 - Google Patents

植生ポケットを有するモルタル、コンクリート吹付およびモルタル、コンクリート吹付施工方法

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JP2001090086A
JP2001090086A JP26458599A JP26458599A JP2001090086A JP 2001090086 A JP2001090086 A JP 2001090086A JP 26458599 A JP26458599 A JP 26458599A JP 26458599 A JP26458599 A JP 26458599A JP 2001090086 A JP2001090086 A JP 2001090086A
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Shizuo Furuya
静夫 古屋
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Fuji Forest Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 法枠に設ける植生ポケットの設置位置が限定
され、また種子の発芽率、育成率が低く、特に急斜面の
法面緑化が劣っていた。 【解決手段】 法面Eに複数本の鉄筋棒鋼1によって主
として格子状に組み上げられた鉄筋棒鋼枠1Uと、鉄筋
棒鋼1の交点10に設けられ鉄筋棒鋼枠1Uを法面Eに
固定する法面用アンカーボルト2と、複数の鉄筋棒鋼1
内に適宜数設置され外壁30と種子混合基盤材31から
なり外壁30で囲まれた露出表面積を有する植生ポケッ
ト3と、植生ポケット3以外の鉄筋棒鋼枠1U内に吹き
付けられ固化させられる鋼鉄製スパイラル状短繊維入り
モルタル、コンクリート4とからなるモルタル、コンク
リート吹付およびモルタル、コンクリート吹付施工方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、法面保護用のモ
ルタル、コンクリート吹付およびモルタル、コンクリー
ト吹付施工方法に関する。詳細には植生ポケットを設け
たモルタル、コンクリート吹付およびモルタル、コンク
リート吹付施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来モルタル、コンクリート吹付施工方
法としては、法面に鉄筋枠を格子状に組み上げ、そこに
モルタル、コンクリートを吹き付けて行う法面吹き付け
工法や、現場打ち法枠工法、あるいはプレキャスト工法
およびそれらの施工方法によって形成される法枠などが
知られている。
【0003】また、従来の法枠および緑化施工方法にお
いては、法面に付設する植生ポケットとして、モルタ
ル、コンクリートの中に容量40l程度の植生袋を埋め
込んでなる植生ポケット100が知られている。その従
来の植生ポケット100は、断面説明図である図10に
示すように法面Eに一定の間隔で植生土を入れた植生袋
102を設置し、落下しないように金網で構成されたリ
ブネット101とアンカーピン105によって法面Eに
固定する。さらに、植生袋102の上部に当たる位置に
直径10〜15cmほどのパイプからなる雨水取り入れ
孔103を設け、下部となる水抜きパイプ104を設け
る。さらに補強用金網(ラス網)その上から被覆し斜面
に固定し、さらにモルタル、コンクリートミストを吹き
付けて法面Eに植生ポケット100を取り付けていた
(先行技術1)。
【0004】さらに、従来のモルタル、コンクリート吹
付工法では、海岸際の海面に面した岸壁斜面では、沿岸
海洋生物の保護や植生保護のため、魚付施工として法面
施工として吹き付けるモルタル、コンクリートに色付け
または植生で斜面を被覆して施工する必要があった。海
面に面した法面をモルタル、コンクリート自体の灰白色
のままでなく、植生による植物や、緑色等にカラー色付
けをする理由としては、魚等の沿岸海洋生物がモルタル
やコンクリート自体の灰白色の法面が海面に映り違和感
を感じるなどのせいで近付かなくなることを防ぐためで
ある(先行技術2)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
先行技術1に記載された植生ポケット100の構成で
は、法面E、特に急斜面の法面Eでは、植生ポケット1
00を設置するため、クレーン車またはケーブルクレー
ンを使用しなくては施工できない課題があった。そのた
め、植生ポケット100の設置自体が困難性を伴う課題
があった。
【0006】さらに、一般的に法面にモルタル、コンク
リート吹付施工設置後、植生ポケット100の種子の発
芽が雨水のみに頼らざるを得ないが、従来の植生ポケッ
ト100は、通常のモルタル、コンクリート吹付による
固定により土壌容量を大きくすることができないため土
壌容量が小さいものしか設置できず、さらに植生ポケッ
ト100の雨水取り入れ孔103の入り口面積が狭いた
め、土壌が容易に乾燥して種子が発芽しない課題があっ
た。そのため植生ポケット100として草本植物類や木
本植物類による法面Eの緑化が図られない課題があっ
た。
【0007】法面Eに設けられた植生ポケット100の
土壌容量が小さく、雨水取り入れ孔103が小径である
ために種子が完全に発芽しない場合は、法面自体がモル
タル、コンクリート自体の灰白色が残り、景観上の課題
や、海岸際に棲息する魚などの海洋生物に対する課題が
残ってしまう問題点があった。
【0008】また、魚付施工として色付きのカラーモル
タルによるモルタル、コンクリート吹付施工した場合、
白華現象(エフロレセンス)によって変色が起き易く、
魚付施工の効果がなくなるという課題があった。
【0009】さらに従来のモルタル、コンクリート吹付
施工では、法面が土質、砂質ではモルタル、コンクリー
トが付着することができず、また法面が岩盤等であって
も表面が風化している場合は付着しにくく、5〜10年
のうちには、吹き付けられたモルタル、コンクリートが
浮き上がり、ズリ下がり現象が現れ、地表面との間に隙
間ができてしまう課題があった。
【0010】さらにまた、モルタル、コンクリート吹付
施工途上においてモルタル、コンクリートの硬化収縮時
にヒビ割れ、クラック、剥落が発生する課題があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、法面に複数本の鉄筋棒鋼によって主として格子状に
組み上げられた鉄筋棒鋼枠と、鉄筋棒鋼の交点に設けら
れ鉄筋棒鋼枠を法面に固定するために法面に埋設される
法面用アンカーボルトと、複数の鉄筋棒鋼内に適宜数設
置され外壁と種子混合基盤材からなり外壁で囲まれた露
出表面積を有する植生ポケットと、植生ポケット以外の
鉄筋棒鋼枠内に吹き付けられ固化させられる鋼鉄製スパ
イラル状短繊維入りモルタル、コンクリートとからなる
ことを特徴とする植生ポケットを有するモルタル、コン
クリート吹付を提案する。
【0012】また、法面に複数本の鉄筋棒鋼によって主
として格子状に組み上げられた鉄筋棒鋼枠と、鉄筋棒鋼
の交点に設けられ鉄筋棒鋼枠を法面に固定するために法
面に埋設されるスパイラル状の法面用アンカーボルト
と、複数の鉄筋棒鋼内に適宜数設置され外壁と種子混合
基盤材からなり、8〜20cmの厚さを有し、0.5乃
至1.0m以上の露出表面積を有する植生ポケット
と、植生ポケット以外の鉄筋棒鋼枠内に吹き付けられ固
化させられる鋼鉄製スパイラル状短繊維入りモルタル、
コンクリートとからなることを特徴とする植生ポケット
を有するモルタル、コンクリート吹付を提案する。
【0013】法面に複数本の鉄筋棒鋼によって鉄筋棒鋼
枠を主として格子状に組み上げ、鉄筋棒鋼の交点に法面
用アンカーボルトを設け鉄筋棒鋼枠を法面に固定し、外
壁と種子混合基盤材からなり外壁で囲まれた露出表面積
を有する植生ポケットを複数の鉄筋棒鋼内に適宜数設置
し、次に植生ポケット以外の鉄筋棒鋼枠内に鋼鉄製スパ
イラル状短繊維入りモルタル、コンクリートを吹き付け
て固化させることを特徴とする植生ポケットを有するモ
ルタル、コンクリート吹付施工方法を提案する。
【0014】法面に複数本の鉄筋棒鋼によって鉄筋棒鋼
枠を主として縦横の格子状に組み上げ、鉄筋棒鋼の交点
にスパイラル形状の法面用アンカーボルトを設け鉄筋棒
鋼枠を法面に固定し、外壁と種子混合基盤材からなり外
壁で囲まれた露出表面積が0.5乃至1.0m以上の
露出表面積を有し、8〜20cmの厚さを有する植生ポ
ケットを複数の鉄筋棒鋼内に適宜数設置し、次に植生ポ
ケット以外の鉄筋棒鋼枠内に鋼鉄製スパイラル状短繊維
入りモルタル、コンクリートを吹き付けて固化させるこ
とを特徴とする植生ポケットを有するモルタル。コンク
リート吹付施工方法を提案する。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態について、
法面の法枠の平面説明図を示す図1、法枠の側面断面を
示す側面断面説明図である図2、法面用アンカーボルト
を法面に設ける場合の拡大正面説明図である図3、法面
用アンカーボルトの分解説明図である図4、法面用アン
カーボルトを鉄筋棒鋼の交点に埋設した状態の断面側面
図である図5、同じく法面用アンカーボルトを鉄筋棒鋼
の交点に埋設した状態の平面図である図6、法枠の植生
ポケットの斜視図である図7、鋼鉄製スパイラル状短繊
維入りモルタル、コンクリートの一部断面説明図である
図8、1本の鋼鉄製スパイラル状短繊維の拡大斜視図で
ある図9に基づいて説明する。
【0016】この発明の法面用法枠は、法面に複数本の
鉄筋棒鋼1によって主として平面視格子状に組み上げら
れた鉄筋棒鋼枠1Uと、鉄筋棒鋼1のそれぞれの交点1
0に設けられ鉄筋棒鋼枠1Uを法面Eに固定するために
法面Eに埋設される法面用アンカーボルト2と、複数の
鉄筋棒鋼1内に適宜数設置され外壁30と種子混合基盤
材31からなる植生ポケット3と、植生ポケット3以外
の格子状の鉄筋棒鋼枠1U内に吹き付け固化させられる
鋼鉄製スパイラル状短繊維入りモルタル、コンクリート
4とからなる。鉄筋棒鋼枠1Uは、法面の周囲は、それ
ぞれの現場の形状に合わせて斜めに設置する場合もある
が、ほとんどの部分で鉄筋棒鋼1を縦横に組み上げて格
子状に形成される。
【0017】この実施の形態では、鉄筋棒鋼1は補強用
鉄筋(D13)を使用し、2mピッチで縦横に鉄筋棒鋼
1を配設して格子状に構成して鉄筋棒鋼枠1Uを作成し
ている。他の実施の形態として、鉄筋棒鋼1の格子状の
ピッチを変えてもよく、斜め同士に組み上げることも可
能である。鉄筋棒鋼1の交点10では、縦横、あるいは
斜め鉄筋棒鋼1、1同士をまず鋼鉄線などによって結束
する。交点10の下の法面Eにはアンカーボルト用孔2
0が形成される。このアンカーボルト用孔20の形成
は、スパイラル形状の法面用アンカーボルト2を回転ア
ダプター3によって逆回転させて形成する。
【0018】法面用アンカーボルト2は、連続して螺旋
状に湾曲するスパイラル形状の棒状体からなり、スパイ
ラル形状のスパイラルは通常の雄ねじの螺旋方向と同一
に形成される。この実施の形態では法面用アンカーボル
ト2の長さは1mであり、先端部200は円錐状に尖ら
せ、後端部分に回転アダプター連結部201を形成す
る。回転アダプター連結部201は、外面に雄ねじ20
2を形成するとともに、端部から長手方向に板状体が挿
入可能な直径方向に亙って空いた縦溝からなる逆回転用
溝203を形成する。
【0019】回転アダプター5は、全体が円筒状であ
り、円筒状の下面を開口し、内部の径に亙って溝係合板
を設けている。回転アダプター5は、回転ドリル6を円
筒状上面側に装着可能であり、回転ドリル6は正回転お
よび逆回転が可能である。または回転ドリル6の代わり
に正回転ドリルと逆回転ドリルを別々に使用してもよ
い。回転アダプター5は、法面用アンカーボルト2を回
転ドリル6により回転させる場合のときにのみ装着し、
法面Eに挿入後は外し、埋め込み用プレート21を装着
する。
【0020】法面用アンカーボルト2は、円形鉄筋から
形成され中心に孔を設けた半球接合面を有する埋め込み
用プレート21と、半球接合面に嵌合する半球形ワッシ
ャー22と、締付用ナット23とを回転アダプター連結
部201に取付可能に設ける。埋め込み用プレート21
は、円形鉄筋で形成されているため、吹き付けのモルタ
ル、コンクリートが埋め込み用プレート21の裏側まで
容易に回り込むので法面用アンカーボルト1の法面Eへ
の固定力が強力である。
【0021】法面用アンカーボルト2は、埋め込み用プ
レート21に代えて図示しない板状プレートを取り付け
ることも可能である。板状プレートは、中心に孔を設け
た半球接合面を有し、半球接合面に嵌合する半球形ワッ
シャー22と、締付用ナット23とによって回転アダプ
ター連結部201に取付可能である。
【0022】埋め込み用プレート21あるいは板状プレ
ートの半球接合面の孔周囲の接合面形状は、凹状半球形
であり、凸状半球形である半球形ワッシャー22と36
0度方向へ向きを変え自在な角度で設けることが可能で
ある。そのため、法面用アンカーボルト2に対して埋め
込み用プレート21は斜めに装着可能である。法面用ア
ンカーボルト2が法面Eに斜めに挿入された状態であっ
ても、法面用アンカーボルト2に対して埋め込み用プレ
ート21が360度角度の向きで装着可能であるため、
埋め込み用プレート21のみを法面E表面にほぼ平行に
設けることができる。
【0023】施工予定の法面Eに鉄筋棒鋼1と法面用ア
ンカーボルト2によって格子状に組み上げられたた鉄筋
棒鋼枠1Uの適宜位置の格子状の中に植生ポケット3を
設ける。この実施の形態では植生ポケット3の設置位置
は、図1に示すように格子1つおきの千鳥格子状に設置
される。他の実施の形態としては、全格子内に植生ポケ
ット3を設けて金網状物で形成される外壁30と、外壁
30の中に充填される種子混合基盤材31とからなる。
種子混合基盤材31の容量は100l前後である。
【0024】植生ポケット3の外壁30は、平面視楕円
形状、長円形状、円形状、正方形を含む長方形形状、そ
の他の形状の金網状物からなり、格子状で囲まれた中に
入る大きさならよい。この実施の形態では長さ100c
m、幅50cm、高さ10cm(8〜20cmでもよ
い)の平面視長円形状の金網状物で形成される。そのた
め植生ポケット3の露出表面積は0.3m乃至1.0
程度である。しかしモルタル、コンクリート吹き付
け強度があれば、それ以上の露出表面積および高さでも
よい。
【0025】植生ポケット3は、法面Eにアンカーピン
(アンカーボルト)32を差して固定、または/および
図示しない他の鉄筋棒鋼などによって固定され、最終的
にモルタル、コンクリート吹付後の固化によって法面E
に固定される。この実施の形態では植生ポケット3は、
4本のアンカーピン32によって法面Eに固定されてい
る。
【0026】鋼鉄製のスパイラル状短繊維40が多数入
ったモルタル、コンクリート4は、流動物圧送装置7に
より、植生ポケット3以外の鉄筋棒鋼枠1U内に厚さ8
〜10cm程度に吹き付けられ固化される。スパイラル
状短繊維60は、長さ15mm、太さ1.5mm程度の
大きさである。流動物圧送装置7は、空気圧送ポンプと
流動物圧送ポンプを有する。
【0027】鋼鉄製のスパイラル状短繊維40の入って
いないモルタル、コンクリート4aを使用する場合は、
鋼鉄棒鋼枠1U内の法面E上に金網を設けること(ラス
張)が必要である。
【0028】次に、この発明のモルタル、コンクリート
吹付施工方法について説明する。施工する法面に鉄筋棒
鋼1を2mピッチで斜面上に主とした部分は縦横に組み
上げる。法面Eの現場形状によって周囲部分は斜めに設
置する場合もある。鉄筋棒鋼1の縦横および斜めの交点
10は鉄線などで締結して鉄筋棒鋼枠1Uを構成する。
【0029】最終工程で吹き付け使用予定のモルタル、
コンクリート4が、鋼鉄製のスパイラル状短繊維40の
入っていないモルタル、コンクリート(図示せず)であ
る場合は、鉄筋棒鋼1を配設する前に予め鋼鉄棒鋼枠1
U内の法面E上に金網を設ける(ラス張)。
【0030】交点10の下部位置に法面用アンカーボル
ト2を埋設させて鉄筋棒鋼1を法面Eに固定する。
【0031】交点10に法面用アンカーボルト2を打ち
込む場合、法面Eが穿孔機によって、ある程度内部のし
っかりしたアンカーボルト用孔20の形成が可能な法面
Eであるときは、まず穿孔機(図示せず)によって法面
Eに法面用アンカーボルト2のスパイラル直径より、や
や大きな直径で、かつ法面用アンカーボルト2の長さ程
度の深さのアンカーボルト用孔20を穿設する。
【0032】次に、アンカーボルト用孔20に法面用ア
ンカーボルト2を挿入する。法面用アンカーボルト2の
回転アダプター連結部201に回転アダプター5を取り
付け、さらに回転アダプター5に回転ドリル6を連結す
る。回転アダプター5は、溝係合板が回転アダプター連
結部201の逆回転用溝に係合するので、回転ドリル6
の逆回転(雄ねじ方向と逆回転)しても、法面用アンカ
ーボルト2の回転アダプター連結部201の雄ねじ20
2と螺合している回転アダプター5も、雄ねじ202の
螺合が外れることがない。したがって逆回転する回転ド
リル6も法面用アダプター2から外れない。
【0033】次に、法面用アンカーボルト2の周囲のア
ンカーボルト用孔20内に、定着材24を投入する。定
着材24として使用される混合セメントは、普通ポルト
ランドセメント、細骨材、減水剤、水を撹拌して硬練り
を行い、さらに流動剤により流動性を良くした混合セメ
ントであり、モルタルの収縮を抑えた配合である。定着
材24は、定着材圧送用ホース80、定着材圧送ポンプ
81等の定着材圧送装置8によってアンカーボルト用孔
20内へ挿入させる。
【0034】定着材24を、法面用アンカーボルト2の
周囲のアンカーボルト用孔20内へ投入した後、法面用
アンカーボルト2を押えつつ回転ドリル6を逆回転させ
ることにより、法面用アンカーボルト2周囲の定着材2
7をアンカーボルト用孔20の内奥方向へ移動させる。
この法面用アンカーボルト2の逆回転により孔奥部分に
まで定着材24は圧入されアンカーボルト用孔20に確
実に充填される。
【0035】また、法面Eが堆積岩土壌や砂質土壌等か
らなる法面Eであって穿孔機によってもアンカーボルト
用孔20の内部が崩壊して、自立した孔が形成不可能な
法面Eである場合は、最初から法面用アンカーボルト2
を回転ドリル6の正回転によって法面Eに挿入させる。
すなわち法面用アンカーボルト2の回転アダプター連結
部201に回転アダプター5を取り付け、さらに回転ア
ダプター5に回転ドリル6を連結する。次に回転ドリル
6を正回転(雄ねじ方向と同じ回転)させることによっ
て、法面用アンカーボルト2をスパイラル回転させて、
法面用アンカーボルト2を法面E内へ埋め込む。法面用
アンカーボルト2は正回転させることにより螺旋の作用
により、比較的容易に法面E内へ挿入される。回転アダ
プター5は、正回転の場合は雄ねじ方向の回転なので回
転アダプター連結部201に締め込まれ外れることはな
い。
【0036】次に、法面用アンカーボルト2の周囲に、
定着材圧送ホース80の排出口から定着材24を投入し
つつ、法面用アンカーボルト2を法面Eから抜けないよ
うに押えつつ回転ドリル6を逆回転させ、法面用アンカ
ーボルト2をスパイラル逆回転させる。これによって法
面用アンカーボルト2の周囲に投入し続けられる定着材
24は、法面用アンカーボルト2のスパイラル逆回転に
よって法面E表面から法面用アンカーボルト2の先端方
向へ移動し、法面用アンカーボルト2の先端奥まで充填
させることができる。
【0037】また、法面Eの状態が土質の場合であっ
て、エアによる穿設が出来ず、高圧水によって穿設する
場合であっても、法面用アンカーボルト2のスパイラル
逆回転により圧入される定着材24の圧力により、アン
カーボルト用孔20内部に残った水を排除し、アンカー
ボルト用孔20内奥部まで定着材24の完全な充填が可
能になった。
【0038】回転ドリル6による法面用アンカーボルト
2の法面Eへの挿入、定着材24のアンカーボルト用孔
20内ヘの挿入、あるいは法面用アンカーボルト2の周
囲への挿入の後、回転アダプター5および回転ドリル6
は、法面用アンカーボルト2より取り外す。次に回転ア
ダプター連結部201に埋め込み用プレート21または
板状プレートを、半球形ワッシャー22および締付用ナ
ット23によって固定される。このとき埋め込み用プレ
ート21は、法面用アンカーボルト2の長手方向に対し
て、自在な角度で固定されることができる。
【0039】次に、または法面用アンカーボルト2の設
置と同時に、格子状に組み上げられたた鉄筋棒鋼枠1U
の適宜位置の格子状の中に植生ポケット3を設ける。こ
の実施の形態では植生ポケット3の設置位置は、図1に
示すように鉄筋棒鋼1に囲まれた格子1つおきの千鳥格
子状に設置される。他の実施の形態としては、全格子内
に植生ポケット3を設けてもよい。植生ポケット3は、
まず金網状物で形成される外壁30をアンカーピン3
2、鉄筋棒鋼などによって法面Eに固定される。
【0040】次に、外壁30の中に種子混合基盤材31
を設置する。種子混合基盤材31は、草本植物類および
木本植物類の2種類の異なる性質の種子と、土、有機肥
料等の混合物で厚さ8〜20cm程度である。この種子
混合基盤材31の厚さが8〜20cmは必要である理由
の1つを以下に述べる。
【0041】一般的に、道路法面(切土法面)は、土壌
がやせており、そこに草本植物類の種子を蒔いて発芽さ
せても土壌内微生物や肥料が少なすぎるため2〜3年で
衰退が始まることが多い。これに対して、木本植物類
は、一度発芽してある程度の大きさまで成育すると、深
い根圏を作るため、肥料切れや乾燥に強く安定した植物
群落を成育させることが可能になる。しかしながら、木
本植物類は、一般的に草本植物類に比べて発芽率が悪く
成育が遅い。そのため木本植物類を法面Eに良好に成育
させるためには、その先駆植物である草本植物の成育お
よび/または肥料、水分等の成育基盤を長期間保持する
ことが可能な容量の基盤材が必要となる。したがってこ
の発明の種子混合基盤材30の露出表面積、厚さおよび
容量は、当初の草木植物類の安定した成長を助けるため
に、雨水が入り保持され安い露出表面積と、多種類の土
壌微生物が生息可能な厚さ、容量を有すればよい。
【0042】次に、流動物圧送装置7によって、 鋼鉄
製のスパイラル状短繊維40が多数入ったモルタル、コ
ンクリート4を、植生ポケット3以外の鉄筋棒鋼枠1U
内に厚さ8〜10cm程度に吹き付ける。
【0043】
【発明の効果】したがって、植生ポケットが急斜面でも
余裕をもって多数設置することができるため、モルタ
ル、コンクリート吹付施工後の法面の緑化が非常に容易
になった。また、急斜面においても、植生ポケットを多
数設置でき、モルタル、コンクリート吹付面積に比し植
生ポケットの占める面積を大きく取ることが可能になる
ため法面の緑化効果が非常に向上した。
【0044】さらに、従来の植生ポケットに比較し、露
出表面積が大きいため雨水を受ける量が従来に比し多
く、また土壌容量が多いため、モルタル、コンクリート
吹付施工後、植生ポケットからの草木植物類および木本
植物類の種子の発芽率および成育率が非常に高くなり自
然化率が向上した。
【0045】その為、この発明によれば海岸に面した崖
などの急斜面の法面にも施工されることが可能になり、
従来植生ポケットの設置が難しいために、いわゆる魚付
施工による色付きカラーモルタル施工をし、そのカラー
モルタル施工による法枠の白華現象(エフロレセンス)
が起こる危険性が全くなくなった。
【0046】そして海岸沿いの急斜面に自然の草木植物
類および木本植物類を容易に発芽させ、さらに安定した
成育が可能になった。そのため人工着色したカラーモル
タル、コンクリート吹付施工を行う必要がなくなった。
そのため海岸沿いの景観が向上した。
【0047】さらに従来のモルタル、コンクリート吹付
施工では、法面が土質、砂質では付着することができな
が、鋼鉄製スパイラル状短繊維入りモルトル、コンクリ
ートの使用およびスパイラル状の法面用アンカーボルト
の使用により、様々な性質の土壌、岩盤の法面にも確実
に法枠を施工可能になった。
【0048】さらにまた、鋼鉄製スパイラル状短繊維入
りモルタル、コンクリートの使用により、施工途上にお
いてモルタル、コンクリートの硬化収縮時にヒビ割れ、
クラック、剥落の発生防止することが可能になり、タフ
ネスが普通のモルタル、コンクリート吹付より20〜1
00倍向上し、地山の微動に対応することが可能になっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 法面の法枠の平面説明図
【図2】 法面に設けた法枠の側面断面説明図
【図3】 法面用アンカーボルトを法面に設ける場合の
拡大正面説明図
【図4】 法面用アンカーボルトの分解説明図
【図5】 法面用アンカーボルトを鉄筋棒鋼の交点に埋
設した状態の断面側面図
【図6】 同じく法面用アンカーボルトを鉄筋棒鋼の交
点に埋設した状態の平面図
【図7】 法枠の植生ポケットの斜視図
【図8】 鋼鉄製スパイラル状短繊維入りモルタル、コ
ンクリートの一部断面説明図
【図9】 1本の鋼鉄製スパイラル状短繊維の拡大斜視
【図10】 従来技術であり、法面に設置される植生ポ
ケットの断面側面図
【符号の説明】
1 鉄筋棒鋼 1U 鉄筋棒鋼枠 2 法面用アンカーボルト 200 先端部 201 回転アダプター連結部 20 アンカーボルト用孔 21 埋め込み用プレート 22 半球形ワッシャー 23 締付用ナット 24 定着材 3 植生ポケット 30 外壁 31 種子混合基盤材 4 鋼鉄製スパイラル状短繊維入りモルタル、コンクリ
ート 5 回転アダプター 6 回転ドリル 7 流動物圧送装置 8 定着材圧送装置 E 法面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 法面に複数本の鉄筋棒鋼によって主とし
    て格子状に組み上げられた鉄筋棒鋼枠と、鉄筋棒鋼の交
    点に設けられ鉄筋棒鋼枠を法面に固定するために法面に
    埋設される法面用アンカーボルトと、複数の鉄筋棒鋼内
    に適宜数設置され外壁と種子混合基盤材からなり外壁で
    囲まれた露出表面積を有する植生ポケットと、植生ポケ
    ット以外の鉄筋棒鋼枠内に吹き付けられ固化させられる
    鋼鉄製スパイラル状短繊維入りモルタル、コンクリート
    とからなることを特徴とする植生ポケットを有するモル
    タル、コンクリート吹付。
  2. 【請求項2】 法面に複数本の鉄筋棒鋼によって主とし
    て格子状に組み上げられた鉄筋棒鋼枠と、鉄筋棒鋼の交
    点に設けられ鉄筋棒鋼枠を法面に固定するために法面に
    埋設されるスパイラル状の法面用アンカーボルトと、複
    数の鉄筋棒鋼内に適宜数設置され外壁と種子混合基盤材
    からなり、8〜20cmの厚さを有し、0.5乃至1.
    0m以上の露出表面積を有する植生ポケットと、植生
    ポケット以外の鉄筋棒鋼枠内に吹き付けられ固化させら
    れる鋼鉄製スパイラル状短繊維入りモルタル、コンクリ
    ートとからなることを特徴とする植生ポケットを有する
    モルタル、コンクリート吹付。
  3. 【請求項3】 法面に複数本の鉄筋棒鋼によって鉄筋棒
    鋼枠を主として格子状に組み上げ、鉄筋棒鋼の交点に法
    面用アンカーボルトを設け鉄筋棒鋼枠を法面に固定し、
    外壁と種子混合基盤材からなり外壁で囲まれた露出表面
    積を有する植生ポケットを複数の鉄筋棒鋼内に適宜数設
    置し、次に植生ポケット以外の鉄筋棒鋼枠内に鋼鉄製ス
    パイラル状短繊維入りモルタル、コンクリートを吹き付
    けて固化させることを特徴とする植生ポケットを有する
    モルタル、コンクリート吹付施工方法。
  4. 【請求項4】 法面に複数本の鉄筋棒鋼によって鉄筋棒
    鋼枠を主として縦横の格子状に組み上げ、鉄筋棒鋼の交
    点にスパイラル形状の法面用アンカーボルトを設け鉄筋
    棒鋼枠を法面に固定し、外壁と種子混合基盤材からなり
    外壁で囲まれた露出表面積が0.5乃至1.0m以上
    の露出表面積を有し、8〜20cmの厚さを有する植生
    ポケットを複数の鉄筋棒鋼内に適宜数設置し、次に植生
    ポケット以外の鉄筋棒鋼枠内に鋼鉄製スパイラル状短繊
    維入りモルタル、コンクリートを吹き付けて固化させる
    ことを特徴とする植生ポケットを有するモルタル。コン
    クリート吹付施工方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103758136A (zh) * 2011-12-31 2014-04-30 常熟古建园林建设集团有限公司 锚喷护坡施工方法
CN105625440A (zh) * 2014-11-05 2016-06-01 黄弘 一种岩石边坡及硬质防护边坡植被恢复的方法
JP2016172969A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 長寿補強土株式会社 長期耐久性を有する斜面の補強土構造とその施工方法
CN110258591A (zh) * 2019-06-14 2019-09-20 神华包神铁路集团有限责任公司 黄土边坡的加固结构及加固施工方法

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