JP2001089888A - 使用済みスパッタリング用ターゲット材の再生方法 - Google Patents

使用済みスパッタリング用ターゲット材の再生方法

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JP2001089888A JP26969099A JP26969099A JP2001089888A JP 2001089888 A JP2001089888 A JP 2001089888A JP 26969099 A JP26969099 A JP 26969099A JP 26969099 A JP26969099 A JP 26969099A JP 2001089888 A JP2001089888 A JP 2001089888A
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Noriaki Hara
範明 原
Toshiaki Shoda
鎗田  聡明
Ken Hagiwara
謙 萩原
Ritsuya Matsuzaka
律也 松坂
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Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】部分的に減肉した使用済みターゲット材、
特に、貴金属又は貴金属合金からなる使用済みターゲッ
ト材について、再溶解・鋳造といった多工程を経ること
なく再利用可能な形態にする、再生方法を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 本発明は、貴金属又は貴金属合金からな
り、部分的に消耗領域を有する使用済みスパッタリング
用ターゲット材を貴金属塩含有溶液中に浸漬し、前記タ
ーゲット材と同材質からなる貴金属板をターゲット材と
対向する状態で浸漬し、ターゲット材を陰極とし前記貴
金属板を陽極として電解することによりターゲット材表
面に貴金属又は貴金属合金を析出させてなるものであ
る。特に、陰極とするターゲット材の消耗領域の電流密
度を消耗領域以外の部分の電流密度よりも高い状態で電
解することで、ターゲット材の消耗領域の厚さを効率的
に増加させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は使用済みスパッタリ
ング用ターゲット材の再生方法に関する。特に、貴金属
薄膜を製造するスパッタリング用ターゲット材の再生方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の回路、電子部材に対するより一層
の高密度化の要求の中、ルテニウム又はイリジウム等の
貴金属は、薄膜電極としたときに優れた電極特性を有す
ることから、今後有用な半導体デバイスのウエハー電極
材料として用いられつつある。
【0003】この半導体デバイスにおける薄膜の形成方
法として主に利用されているのが、物理蒸着法の一つで
あるスパッタリング法である。このスパッタリング法は
目的とする材料で構成された金属ターゲットに、アルゴ
ンイオン等の粒子を衝突させ、運動量交換により放出さ
れた金属粒子を基板に堆積させて金属薄膜を形成する方
法である。そして、貴金属薄膜の製造についても現在最
もよく利用される手法である。
【0004】ところで、このスパッタリング法に用いら
れるターゲット材についてはその利用効率の低さが問題
となっている。これは、スパッタ時におけるターゲット
材表面のスパッタレートが不均一となるため、スパッタ
レートが高い特定位置においては消耗量が多く、それ以
外の位置においては消耗量が小さくなり、ターゲット材
が部分的にしか利用されないことによるものである。こ
の現象を、スパッタリング法の中でも現在最も一般的に
用いられている、マグネトロンスパッタリング法を例に
とってより具体的に述べる。
【0005】図4は、マグネトロンスパッタリング装置
の概略構造図を示す。図4おいて、マグネトロンスパッ
タリング装置30は、真空槽31とターゲット32と薄
膜を蒸着する基板33、そしてターゲット近傍に磁場を
かけるためのマグネット34とからなる。このマグネト
ロンスパッタリング法における成膜原理としては、基本
的には直流2極スパッタリング法と同様でり、真空槽3
1中を真空にした状態でアルゴン等のスパッタガス35
を導入し、ターゲット32を陰極として高電圧をかける
ことで、スパッタガス35を放電・電離させ発生したイ
オンを陰極に衝突させることでスパッタリングを生じさ
せるものであるが、マグネトロンスパッタ法では、ター
ゲット面に平行方向に磁場をかけることにより、イオン
の衝突によりターゲット32から飛び出した二次電子を
拘束させてターゲット32近傍のスパッタガスの電離効
率を上昇させるものである。そして、この二次電子は、
印加する磁場と電場とにより形成される放電リングR上
に拘束されつつサイクロイド運動しており、この領域に
おいて電離効率即ちスパッタレートが高くなる。そのた
め、スパッタ中のターゲット32の消耗量は、この放電
リングRと略対応する位置において高くなり、図5
(a)に示すような円板状のターゲット材を使用した場
合、使用後のターゲット材は、図5(b)のように中心
付近が円環状に消耗した状態となる。
【0006】このように一部が消耗したターゲット材
は、たとえその消耗領域が一部であって、それ以外の部
分の消耗量は少ない場合であっても、スパッタリングを
生じさせることが困難であり成膜速度の低下の要因とな
るため、新たなターゲット材への交換が必要となる。こ
れが、ターゲット材の利用効率の低さの原因となってい
る。
【0007】そして、この使用済みのターゲット材につ
いては、残存する大部分の材料を有効に活用するため
に、回収後再溶解・再鋳造して、使用前と同様の形状に
成形してリサイクルしている。しかしながら、これらの
多工程を経てリサイクルを図ることは、エネルギー的な
ロスが大きくターゲット材のコスト面から好ましいもの
ではない。特に、上記消耗領域の体積のターゲット材全
体に占める割合が小さいことを考えれば、上記リサイク
ル工程に要するコスト如何によって、ターゲット材のコ
スト、ひいては製品となる半導体デバイスのコストに重
大な影響を及ぼすこととなる。
【0008】とりわけ、貴金属、特に白金、ルテニウ
ム、イリジウム等の白金族金属は金属の中でも極めて融
点の高い金属であり、上記した従来のリサイクル工程に
おけるエネルギーロスが特に大きい上に、これら貴金属
のターゲット材を再溶解・再鋳造するには困難を伴うこ
とが多い。即ち、ターゲット材として必要な純度の貴金
属塊を製造するためには、不純物の混入を避けるために
真空中での溶解・鋳造をする必要があるが、貴金属のよ
うな高融点材料の溶解はその工程管理にも細心の注意が
必要となり、更に、鋳造することを考えると現実の製品
より多量の原料を必要とするため歩留りも悪く、また、
鋳造のための金型に相当のコストがかかる上その寿命も
決して長いとはいえず設備面からのコスト上昇にもつな
がる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、使
用済みの部分的に減肉したターゲット材、特に、貴金属
又は貴金属合金からなる使用済みターゲット材につい
て、上述したような再溶解・鋳造といった多工程を要せ
ずに再利用可能な形態にするための再生方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、本発明者らは鋭意研究の結果、貴金属又は貴金属合
金からなり、部分的に消耗領域を有する使用済みスパッ
タリング用ターゲット材を貴金属塩含有溶液中に浸漬
し、電極を前記ターゲット材と対向する状態で前記貴金
属塩含有溶液中に浸漬し、ターゲット材を陰極とし前記
電極を陽極として電解することによりターゲット材表面
に貴金属又は貴金属合金を析出させることで、使用済み
スパッタリング用ターゲット材の再生が容易にできるこ
とを見出した。
【0011】この方法は、貴金属含有溶液から電解によ
り貴金属を析出させてターゲット材表面上に積層させる
ことでスパッタリングにより消耗した貴金属又は貴金属
合金を補充するものであり、この方法によれば使用済み
のターゲット材を再溶解することなく、スパッタリング
装置から回収後そのままの状態で消耗した個所に貴金属
を積層させることができる。そして、一の段階で所望の
形状にほぼ近い形状のターゲット材とすることができる
ため、工程を簡略化し高い効率でターゲット材を再生す
ることができる。また、この電解法によれば、析出速度
は緩やかながら、貴金属を比較的低温で析出させること
ができ、溶解鋳造によるターゲット材に比べ、工程管理
も簡易なものとすることができる。
【0012】更に、この電解法は、各金属が有する特有
の析出電位差を利用して目的とする金属を分離析出する
ものであるため、本発明により消耗領域に析出・積層さ
せた金属は再生前のターゲット材と同等あるいはそれ以
上に不純物含有量の少ない高純度な貴金属といえる。
【0013】そして、特に本発明においては、請求項2
に記載のように、陰極とするターゲット材の消耗領域の
電流密度を消耗領域以外の部分の電流密度よりも高い状
態で電解することで、消耗の激しい部分に対して集中的
に貴金属を積層させることができる。これは、電流密度
分布を部分的に変化させて電解液中を通過する電気量を
目的とする領域についてのみ増加させることにより、析
出する貴金属量を増加させることができるという、本発
明者らの着想に基づいて完成されたものである。これに
より部分的に消耗領域を有する使用済みターゲット材に
ついて、当該消耗領域について重点的に貴金属を積層さ
せて、より効率的にターゲット材の再生を行うことがで
きる。
【0014】また、このように部分的に電流密度を高め
て電解する本発明によれば、再生後のターゲット材の形
状を制御して、そのターゲット材の利用効率を高めるこ
とが可能となる。つまり、回収したターゲット材の形状
を分析し、予め消耗領域についての厚みを他の部分の厚
みより大きくなるようにすることで、スパッタリング装
置内における当該ターゲット材の使用可能な期間を長期
化することができる。
【0015】そして、この陰極とするターゲット材表面
の電流密度を制御する方法としては、請求項3に記載の
ように、消耗領域におけるターゲット材と貴金属板との
距離を、消耗領域以外の部分における距離よりも小さく
なるように貴金属板を形成して電解する方法が好まし
い。この方法によれば、陽極を所定の形状にするという
簡易な方法で析出する貴金属量を制御することが可能と
なるからである。ここで、この陽極の形状としては、例
えば、陰極上で貴金属を厚く析出させたい領域の対応位
置に凸部が形成されるように複数の貴金属版を積層させ
て陽極を形成したものや、陽極を平板としつつも、陰極
付近に陽極と電気的に接続された補助電極を設けるもの
がある。
【0016】また、電流密度を制御する他の方法として
は、請求項4記載のように、消耗領域と略等しい形状及
び面積の孔を有する遮蔽板をターゲット材に近接、配置
して電解する方法がある。この請求項4の方法も、陰極
面上の電流密度分布を制御するための特別な装置を要す
ることなく、比較的簡易に電流密度分布を制御すること
ができる。尚、この遮蔽板の材質としては、特に限定さ
れるものではないが、石英、アルミナ等のセラミクス及
びグラファイトを用いるのが好ましい。
【0017】ここで、本発明においてターゲット材に対
向させる電極としては、可溶性陽極及び不溶性陽極いず
れも使用することができる。しかしながら、より効率的
にターゲット材の再生を図るためには、可溶性陽極即
ち、請求項5記載のように、析出させる貴金属又は貴金
属合金と同一の材質とするのが好ましい。可溶性陽極に
よれば貴金属イオンを陽極から補給させることで、外部
から貴金属塩を補充することなく溶液中の貴金属イオン
濃度を一定に保持させ均一な析出物を得ることが可能と
なるからである。
【0018】ところで、請求項1にいう貴金属含有溶液
とは、貴金属塩を含有する水溶液のみならず、貴金属塩
を混合させた溶融状態の混合塩をも含むものであるが、
請求項6記載のように、貴金属塩と溶媒塩とからなる混
合溶融塩を用いて電解することでより効率的にターゲッ
ト材の再生を行うことができる。特に、析出金属が白金
の場合は水溶液電解によってもターゲット材の再生は可
能であるが、ルテニウムやイリジウムについては、水溶
液電解よりも溶融塩電解によった方が効率的に貴金属を
肉厚で積層させることができ、請求項7記載のように、
貴金属塩をイリジウム塩又はルテニウム塩とした混合溶
融塩を電解することで、これらの金属のターゲット材を
より効率的に再生することができる。
【0019】ここで、溶媒塩とは、電解工程においてイ
オン電導体としての役割を果たすものであり塩化物、シ
アン化合物等の溶融塩のことである。中でも、請求項8
記載のように、塩化ナトリウムと塩化カリウムと塩化セ
シウムとの3種の塩化物の混合塩を用いることが好まし
い。これら塩化物の混合塩は貴金属塩を容易に溶解させ
ることができ、混合組成の塩浴を用いることで、内部応
力が小さく、不純物が含有されることのない析出物を得
ることができる上に、溶融塩温度を即ち操作温度を低減
することが可能だからである。また、シアン化合物は毒
性を有し作業管理が困難であり、工業的に使用すること
は人体に対する影響及び近年の環境問題からみて使用が
適当ではないからである。
【0020】更に、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び
塩化セシウムとの3種の混合塩は貴金属塩を容易に溶解
させることができ、混合組成の塩浴を用いることで、内
部応力が小さく、不純物が含有されることのない析出物
を得ることができる。混合溶融塩の組成は、塩化ナトリ
ウム25〜35mol%、塩化カリウム20〜30mo
l%、塩化セシウム40〜50mol%の範囲とするの
が好ましく、塩化ナトリウム30mol%、塩化カリウ
ム24.5mol%、塩化セシウム45.5mol%と
するのが特に好ましい。この範囲であれば、貴金属塩の
溶解が容易だからである。
【0021】尚、溶融塩電解時における溶融塩温度とし
ては、450℃〜650℃とするのが好ましく、500
℃〜560℃とするのが特に好ましい。400℃以下で
は溶融塩が凝固しやすく溶融状態の維持が困難となり、
700℃以上では連続した析出物が得られなくなるから
である。また、500℃〜560℃の範囲を最適とする
のは、この温度範囲で電解した場合、再生部分の表面粗
さを良好にすることができるからである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の最良と思われる実
施の形態について説明する。
【0023】第1実施形態:本発明に係るスパッタリン
グ用貴金属ターゲット材の再生方法をより詳しく説明す
るために、その実施の形態として、まず、使用済みのル
テニウムターゲット材を用いてルテニウム含有溶融塩か
らルテニウムを析出させてその再生を行った。本実施形
態で再生を試みた使用済みのルテニウムターゲット材と
しては、深さ約2mm、幅20mmの円環状の凹部を有
する直径120mm、厚さ5mmの使用済みターゲット
材を用いた。そして、このターゲット材をグラファイト
製の冶具に固定した状態で電解液中に浸漬し、電解法に
よる再生を行った。また、陽極としては、図1に示すよ
うな、陽極1を用いた。この陽極1は、直径120mm
のグラファイト製の平形円板2の上に、前記使用済みタ
ーゲット材の消耗領域に対応する位置にルテニウム塊3
を配置したものである。
【0024】また、本実施形態に係る使用済みターゲッ
ト材の再生は、図2に示す溶融塩電解装置10を用いて
行った。溶融塩電解装置10は、図2に示すように、上
面部開放の筒状容器11、筒状容器の蓋体となる電極挿
入口を備えたフランジ12、グラファイト製電解槽1
3、及び被メッキ物の回転手段14を備えたものであ
る。また、筒状容器11は仕切り弁15によって2室に
分離可能であり、上室を陰極16の装填又は取り出す際
の予備排気室としている。ここで、陽極は電解槽4の底
部に接触するように敷設し、電解槽13を介して電流供
給している。そして、電解の際には陽極と陰極であるタ
ーゲット材との極間距離をターゲット材の凹部において
10mmとなるように両電極を対向状態で設置した。
【0025】電解液である混合溶融塩としては、以下の
組成の混合溶融塩を用いた。
【0026】
【表1】
【0027】 電解析出における条件としては、浴温5
20℃とし、印加電流として陽極のルテニウム塊におけ
る陽極電流密度が2A/dmを示すようにし、陰極面
上の凹部における電流密度分布が高くなるようにした。
また、析出時間については、300時間とした。そし
て、電解後の陰極上の析出物は、塩酸で酸洗いし、グラ
ファイト電極から剥離させることとした。
【0028】以上の条件により溶融塩電解を行った結
果、使用済みターゲット材の凹部に対してその厚みを3
mmから6mmと厚くすることができ、ターゲット材の
再生が可能であることが確認された。
【0029】得られたルテニウム円板は、成形後真空炉
に封入し、炉内を窒素ガス置換後、ポンプで1×10
−2torrの低圧雰囲気とし、1080℃で24時間
加熱した。これは、電解により析出したルテニウム中に
極微量存在する不可避不純物(アルカリ金属等)を熱処
理により除去するためである。
【0030】第2実施形態: 本実施形態では、第1実
施形態で用いたのと同様の装置でイリジウムターゲット
材の再生を行った。但し、本実施形態では陽極である貴
金属板の形状を平板に替え、陰極近傍に遮蔽板を設けて
電解を行った。以下の説明では、重複した記載は省略
し、異なる部分についてのみ説明することとする。
【0031】本実施形態で再生する使用済みのイリジウ
ムターゲット材としては、中心部に深さ約1mm、幅2
0mmの円環状の凹部を有する直径120mm、厚さ3
mmの使用済みターゲット材を用いた。
【0032】図3は、本実施形態で用いた遮蔽板20の
外観を示す。遮蔽板20は、石英製の平形円板21の中
心から25mmの位置に、幅10mmの帯状の開口部2
2を円環状に設けたものである。この開口部22の位置
は、上記した使用済みターゲット材の凹部の位置に対応
させたものである。そして、電解の際にはこの遮蔽板2
0を陰極に被せて電解を行った。尚、めっき作業時にお
いては陰極を回転させながら電解を行うことで、消耗部
分に満遍なくイリジウムを析出させることができる。
【0033】また、本実施形態で用いたイリジウムを析
出させるための混合溶融塩の組成は、表2に示す通りで
ある。
【0034】
【表2】
【0035】本実施形態における析出条件は、浴温54
0℃とし、陰極電流密度が上記遮蔽板の開口部に対して
6A/dmとなるようにし、析出時間100時間で電
解析出させた。そして、イリジウム析出物は、第1実施
例同様、酸洗い後、陰極から剥離させた。
【0036】この電解の結果、消耗領域に対して3mm
厚さでイリジウムを析出させることができた。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、部
分的に消耗した使用済みのスパッタリングターゲット材
を貴金属含有溶液中で電解することにより、少ない工程
で再利用可能状態に再生することができる。特に、電解
条件を適当なものとして陰極とするターゲット材表面の
電流密度を制御することで、厚み変化を有し、消耗の激
しい部分にして厚みの大きいターゲット材として再生す
ることも可能となる。これらの再生工程は従来技術であ
る溶解鋳造法に比して、低温度で行うことが可能であ
り、工程管理も容易となる。そして、以上の効果によ
り、使用済みターゲット材の再生コストが低減され、半
導体デバイスのコストの低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態で用いた陽極の外観斜視図。
【図2】溶融塩電解装置の構造概略図。
【図3】第2実施形態で用いた遮蔽板の上方からの平面
図。
【図4】マグネトロンスパッタリング装置の構造概略
図。
【図5】従来の円板上ターゲット材の使用前後の状態を
示す図。
【符号の説明】
1 陽極 2 グラファイト平形円板 3 ルテニウム塊 10 溶融塩電解装置 11 筒状容器 12 フランジ 13 グラファイト製電解槽 14 回転手段 15 仕切り弁 16 陰極 20 遮蔽板 21 石英製円板 22 開口部 30 マグネトロンスパッタリング装置 31 真空槽 32 ターゲット 33 基板 34 マグネット 35 スパッタガス R 放電リング
フロントページの続き (72)発明者 萩原 謙 神奈川県平塚市長瀞2−14 田中貴金属工 業株式会社湘南工場内 (72)発明者 松坂 律也 神奈川県平塚市長瀞2−14 田中貴金属工 業株式会社湘南工場内 Fターム(参考) 4K029 BA02 BA22 DC01 DC03 DC04 4K058 AA30 BA19 BB05 CB04 CB17 DD01 DD02 DD27 EC04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】貴金属又は貴金属合金からなり、部分的に
    消耗領域を有する使用済みスパッタリング用ターゲット
    材を貴金属塩含有溶液中に浸漬し、電極を前記ターゲッ
    ト材と対向する状態で前記貴金属塩含有溶液中に浸漬
    し、ターゲット材を陰極とし前記電極を陽極として電解
    することによりターゲット材表面に貴金属又は貴金属合
    金を析出させてなる使用済みスパッタリング用ターゲッ
    ト材の再生方法。
  2. 【請求項2】陰極とするターゲット材の消耗領域の電流
    密度を消耗領域以外の部分の電流密度よりも高い状態で
    電解する請求項1記載の使用済みスパッタリング用ター
    ゲット材の再生方法。
  3. 【請求項3】消耗領域におけるターゲット材と貴金属板
    との距離を、消耗領域以外の部分における距離よりも小
    さくなるように貴金属板を形成して電解する請求項2記
    載の使用済みスパッタリング用ターゲット材の再生方
    法。
  4. 【請求項4】消耗領域と略等しい形状及び面積の孔を有
    する遮蔽板をターゲット材に近接、配置して電解する請
    求項2に記載の使用済みスパッタリング用ターゲット材
    の再生方法。
  5. 【請求項5】ターゲット材と対向する電極は、析出させ
    る貴金属又は貴金属合金と同一の材質からなる請求項1
    〜請求項4記載のスパッタリング用ターゲット材の製造
    方法。
  6. 【請求項6】貴金属含有溶液として、貴金属塩と溶媒塩
    とからなる混合溶融塩を用いて電解する請求項1〜請求
    項5記載の使用済みスパッタリング用ターゲット材の再
    生方法。
  7. 【請求項7】貴金属塩は、イリジウム塩又はルテニウム
    塩である請求項6に記載の使用済みスパッタリング用タ
    ーゲット材の再生方法。
  8. 【請求項8】溶媒塩は、塩化ナトリウムと塩化カリウム
    と塩化セシウムとの混合物である請求項6項又は請求項
    7に記載の使用済みスパッタリング用ターゲット材の再
    生方法。
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