JP2001089843A - 二酸化珪素膜付き基板 - Google Patents

二酸化珪素膜付き基板

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JP2001089843A
JP2001089843A JP26483199A JP26483199A JP2001089843A JP 2001089843 A JP2001089843 A JP 2001089843A JP 26483199 A JP26483199 A JP 26483199A JP 26483199 A JP26483199 A JP 26483199A JP 2001089843 A JP2001089843 A JP 2001089843A
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silicon dioxide
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dioxide film
silicon
film
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JP26483199A
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Takayuki Toyoshima
隆之 豊島
Yoshibumi Kijima
義文 木島
Etsuo Ogino
悦男 荻野
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液晶表示素子の表示の信頼性を高くするため
に、液晶表示素子に対向配置して用いるガラス板の表面
には、ガラス中のアルカリイオンに対する阻止性能が高
い二酸化珪素膜が必要であり、その出現が望まれてい
た。 【解決手段】ガラス板または樹脂板上の二酸化珪素膜
を、減圧された雰囲気が調整できる成膜室内で、シリコ
ンの蒸着材料にアーク放電プラズマを照射し、これによ
りシリコンを蒸発させ酸素と反応させながら成膜する。
蒸着材料に用いるシリコンに硼素、アルミニウムまたは
リンをドープして導電性とすることにより放電プラズマ
を安定持続させ、ピンホールのない膜とすることにより
一層イオン阻止性およびガス阻止性の大きな膜とするこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二酸化珪素の透明
絶縁膜がその表面に成膜された基板に関し、とりわけ液
晶表示素子や蛍光表示素子などの表示素子に好適に用い
られる基板およびそれを用いた表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示素子や蛍光表示素子など
に用いられる透明基板には、基板表面へのアルカリイオ
ンの溶出あるいはガスの放出を防止する目的で、二酸化
珪素の透明絶縁膜が基板表面に成膜されたものが用いら
れている。このような基板の二酸化珪素膜は、石英ガラ
スをターゲットとする高周波マグネトロンスパッタ法や
テトラエトキシシランなどの有機シランを含む溶液を出
発原料とするゾルゲル法により成膜されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、二酸化
珪素膜をスパッタリング法で成膜した基板は、二酸化珪
素膜のアルカリイオン阻止性及びガス阻止性が充分では
なく、必要なイオン阻止性及びガス阻止性を有するため
には膜を厚くする必要があった。また、高価な設備を必
要とする上に成膜速度が著しく低いために、工業的に低
い製造コストで製造することが困難であった。すなわち
製造技術上および品質上の改良すべき課題があった。
【0004】ゾルゲル法で得られる基板は、加熱によっ
て膜を硬化させるという化学反応を用いているため、有
機シラン含有溶液を基板に塗布後、通常300〜500
℃以上の高温に加熱硬化する必要があり、基板の耐熱温
度が硬化温度よりも低い場合(特に樹脂製の基板)には
充分な硬化を行うことができず、優れたイオン阻止性お
よびガス阻止性を具備する二酸化珪素膜が得られないと
いう品質上の課題があった。
【0005】液晶表示素子の液晶を封止するために対向
配置して液晶素子を形成する透明基板をガラス板で構成
する場合、通常二酸化珪素膜が表面に成膜されたガラス
板が用いられる。このとき二酸化珪素膜のアルカリイオ
ン阻止性が良好でない場合、ガラス中のナトリウムイオ
ンが液晶中に侵入して表示品位を劣化させ、液晶表示素
子の寿命を短くする。また対向配置して液晶素子を形成
する透明基板を樹脂板で構成する場合、樹脂板に良好な
ガス阻止性の透明絶縁膜が成膜されていないと、樹脂内
部に存在する不純物ガスが液晶中に侵入し、表示素子の
寿命を短くする。このように高信頼性で寿命の長い液晶
表示素子とするには、表示素子を構成する透明基板に
は、イオン阻止性およびガス阻止性が優れた二酸化珪素
膜がその表面に形成された透明基板が必須の構成部材と
なる。
【0006】ところが、上記の従来技術ではガラス基板
および樹脂基板のいずれの基板に対しても、液晶表示素
子の表示品質を確保するための二酸化珪素膜が成膜され
た基板を、工業的かつ安価に提供することが困難である
という技術的な課題があった。
【0007】本発明の課題は、従来技術が有している上
記問題点を解決することである。本発明は、高いイオン
阻止性とガス阻止性を併せ有する二酸化珪素膜がその表
面に成膜された基板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の二酸化珪素膜付
き基板の二酸化珪素膜は、減圧された雰囲気が調整でき
る成膜室内で、シリコンを蒸着材料に用い、その蒸着材
料にアーク放電プラズマを照射して蒸発させ酸素と反応
させながら成膜されたことを特徴とする。
【0009】本発明は、基板上に二酸化珪素(Si
)の透明な電気絶縁性の膜を成膜するにあたり、ど
のようにすればナトリウムイオンなどのイオンの阻止性
及びガス阻止性を低減できるかという課題を解決するた
めに鋭意研究した結果得られたものである。すなわち、
二酸化珪素膜は種々の成膜方法で基板上に成膜される
が、減圧した雰囲気が調整される成膜室内で、シリコン
の蒸着材料にアーク放電プラズマを照射して蒸発させる
ことにより成膜された二酸化珪素膜が比較的薄い厚みで
高いイオン阻止性およびガス阻止性の両性能を有してい
ることを見い出したことによりなされた。また、このよ
うな性能を有する基板を表示素子用の対向配置する基板
として有用であることを見い出したことによりなされた
のである。
【0010】本発明の蒸着材料に用いるシリコンは、そ
の純度が高いと電気絶縁性が大きくなる。本発明では、
後述するようにアーク放電プラズマをアーク放電プラズ
マ発生源とハース(金属製るつぼ)内に充填したシリコ
ンの蒸着材料との間で生起させ、アーク放電プラズマ発
生源が陰極、るつぼを含む蒸着材料が陽極として作用す
るので、放電プラズマを安定して維持させる観点から、
蒸着材料は導電性であり、すなわちプラズマ電流が成膜
室のアース電位部に流れる程度に導電性であることが好
ましい。これにより、アーク放電プラズマは長時間安定
して維持され、シリコンに入射するプラズマビームの径
や位置が安定して基板表面に厚み分布が小さい二酸化珪
素膜を成膜することが可能になる。同時に異常放電の発
生が抑制され、ピンホールや異物付着のない二酸化珪素
膜を基板に成膜することができる。
【0011】本発明の二酸化珪素膜は、イオン阻止性お
よびガス阻止性を有するとともに表示素子用の基板とし
て用いられるときに必要な電気絶縁性を有していること
が必要である。成膜される二酸化珪素膜のイオン阻止性
およびガス阻止性を低下させることなく、またその膜の
電気絶縁性を確保して、蒸着材料に用いるシリコンには
少量の硼素、アルミニウムまたはリンから選択される一
種の元素を含有させることにより導電性とすることがで
きる。ここでいう導電性とは、生起されたアーク放電プ
ラズマにより蒸着材料表面に電荷が蓄積されない程度の
通電性を有することを意味する。
【0012】シリコンをアーク放電プラズマの安定性の
確保の観点から導電性にするためにドーパントとして含
有させる硼素、アルミニウムまたはリンから選択される
一種の金属の含有量は、0.1ppm以上とするのが好
ましい。0.1ppm未満では、アーク放電プラズマを
安定的に持続させることが困難になるからである。より
大きなアーク放電プラズマ電流に対しても安定なプラズ
マを維持する観点から、0.5ppm以上含有させて導
電性を大きくするのが好ましい。
【0013】一方、導電性を確保するための上記の元素
の含有量は、100ppm以下とするのが好ましい。1
00ppmを越えて含有させると、成膜される二酸化珪
素膜の特性に影響を及ぼすようになるからである。この
ような観点から20ppm以下とするのがより好まし
い。
【0014】シリコン金属に含有させる元素は、上記3
つの元素のうちで蒸気圧がシリコンよりも高いという点
で硼素が好ましい。蒸気圧がシリコン金りも高いと、い
わゆる分留の効果によって選択的にシリコンが蒸発する
ため、膜はより純粋な二酸化珪素の膜となるからであ
る。
【0015】本発明に用いる透明基板としてはガラス板
が用いられる。ガラス板はその組成が特に限定されるも
のではなく、たとえばソーダライムシリカ組成のフロー
トガラスなどの市販のシリケートガラスを用いることが
できる。
【0016】本発明の透明基板をガラス板とする場合、
ガラス中にアルカリ成分が酸化物ベースで10重量%以
上含有されるガラスであっても、ガラス中のアルカリ成
分、とりわけナトリウム成分が二酸化珪素膜表面に溶出
してくるのを阻止できる。二酸化珪素膜の厚みは2nm
以上とするのが、液晶表示素子用ガラス基板としてのア
ルカリイオン阻止性を確保する上で好ましい。一方40
nmを越えて成膜しても実質的にガラス中のアルカリイ
オン阻止性がさらに向上することが期待できないので、
40nm以下とするのが好ましい。製造上のの経済性お
よび実用的なイオン阻止性の確保の両観点から、20n
m以下とするのがさらに好ましい。そのようなガラス基
板は、液晶表示素子用ガラス基板としてとくに有用であ
る。
【0017】本発明に用いる透明基板としては樹脂板が
用いられる。樹脂板は、アクリル樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリテ
レフタレート樹脂などが例示できる。本発明の二酸化珪
素膜は、基板を加熱することなく、または250℃以下
の低い温度に加熱した基板に成膜することができるの
で、樹脂板を熱的に劣化させることがない。
【0018】本発明の透明基板を樹脂板とする場合、樹
脂中に含まれる不純物ガスが二酸化珪素膜表面にでてく
るのを阻止できる。樹脂中のガスは、主に酸素であり、
水や炭酸ガスも含まれることがある。液晶表示素子用の
基板として好ましいガス阻止性を有する樹脂板とするに
は、二酸化珪素膜の厚みを2nm以上とするのが好まし
い。さらにガス阻止性を向上させるためには、10nm
以上とするのが好ましい。
【0019】一方、二酸化珪素の厚みが40nmを越え
ても、ガス阻止性がさらに向上することが期待できない
ので、樹脂板上に成膜される二酸化珪素膜は40nm以
下とするのが製造上の経済性の観点から好ましい。この
ような樹脂板は、液晶表示素子用樹脂板としてとくに有
用である。
【0020】本発明の二酸化珪素膜付き基板の二酸化珪
素膜を対向させるように配置して液晶を封止した液晶表
示素子は、基板からアルカリイオンや不純物ガスが液晶
中に拡散侵入することがないので、高温多湿の環境下で
長時間使用されても表示乱れが発生することなく、信頼
性の高い表示素子とすることができる。
【0021】本発明の二酸化珪素膜付き基板は、液晶表
示素子用の他に、蛍光表示素子の前面ガラスや背面ガラ
スとして、また平板型蛍光ランプなどの基板として用い
ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明の二酸化珪素が成膜
された基板20の一実施例の断面図であり、基板20は
ガラス板21に二酸化珪素膜22が成膜されている。こ
の物品は、たとえば液晶表示装置のガラス基板として用
いられる。
【0023】図2は本発明の実施に用いることができる
アーク放電プラズマを用いたイオンプレーティング装置
18の一実施例の概略断面図である。アーク放電プラズ
マ13は、アーク放電プラズマ発生源2と底部に永久磁
石8を有しアノードとして作用する蒸着材料17をその
中に入れたハース7との間で、プラズマ発生用直流電源
5によってアーク放電を行うことで生成される。かかる
アーク放電プラズマ発生源2としては、複合陰極型プラ
ズマ発生装置、又は圧力勾配型プラズマ発生装置、又は
両者を組み合わせたプラズマ発生装置が好ましい。複合
陰極型プラズマ発生装置は、熱容量の小さい補助陰極と
ホウ化ランタン(LaB)からなる主陰極を加熱し、
主陰極が最終陰極としてアーク放電を行うようにしたプ
ラズマ発生装置である。このようなプラズマ発生装置に
ついては、たとえば刊行物の真空第25巻第10号(1
982年)に記載されている公知のものを用いることが
できる。
【0024】図2に示すように、放電陰極としてのアー
ク放電プラズマ発生源2、永久磁石3を内蔵した第1中
間電極11、磁気コイル4を内蔵した第2中間電極1
2、大口径磁気コイル14を成膜室6の側壁に設置し、
成膜室6の底部に永久磁石8を下部に設けたハース7を
設け、これらをシリコンを蒸発させる蒸着手段とする。
ハース7は、アーク放電プラズマ13の陽極として、ア
ーク放電プラズマ発生源2は陰極として作用する。磁気
コイル4により形成された水平磁場によって成膜室6に
引き出されたアーク放電プラズマ13を蒸着材料が充填
されたハース7内に充填されたシリコン蒸着材料17に
導くために、ハース7の底部に設けた永久磁石8の垂直
磁場により、成膜室6内で下方に約90度に曲げられ、
蒸着材料17を加熱蒸発する。基板15の背面に基板加
熱機構16が設けられており、必要に応じて基板15を
加熱する。
【0025】プラズマ発生用ガス1はその組成がコント
ロールされてアーク放電プラズマ発生源2内に導入され
る。また全圧を制御する目的で、プラズマ発生用ガスと
は別の、組成がコントロールされた反応性ガス10が成
膜室6の側壁に設置されたガス導入孔より導入される。
成膜室6内の雰囲気は、成膜室6の側壁に設けられた排
気口9から排気ポンプ(図示されない)により排気され
る。成膜室6内の雰囲気は、排気口9からの排気量とプ
ラズマ発生用ガス1と反応性ガス10の成膜室6内への
導入量とをバランスさせることにより所定の圧力および
組成に定められる。
【0026】以下に、本発明を実施例および比較例で説
明する。二酸化珪素膜の成膜は図2で示すイオンプレー
ティング装置を用いた(以下AP法と略す)。基板は実
施例1〜実施例4および比較例1〜比較例2では、厚み
が1.1mmで20cm角のソーダライムシリカ組成の
フロートガラス板を用いた。実施例5〜実施例7および
比較例3では、同じサイズ同じ厚みの樹脂板を用いた。
酸素ガスを成膜室に導入する場合、その量を全導入ガス
量の50%とした。
【0027】得られた基板のサンプルのイオン阻止性お
よびガス阻止性を下記の方法で評価した。 ・イオン阻止性:80℃の純水に得られた基板(不必要
な部分は樹脂でマスクした)を漬けて24時間後のガラ
スから純水に溶出したナトリウムの量を原子吸光分析法
によって定量し、基板の面積当たりのナトリウム溶出量
を求めた。 ・ガス阻止性:ガスとして酸素を用い温度25℃、相対
湿度95%で、試験法ASTMD−3985に準拠して
酸素透過率測定装置を用いて行った。
【0028】実施例1 蒸着材料として純度が99.99%のシリコンに表1に
示すように硼素(B)を5ppm含有したシリコンを成
膜室内のハースに充填した。この蒸着材料は通電可能な
程度の導電性を有していた。ガラス板を成膜室内にセッ
トし、真空排気ポンプにより0.0027Pa以下の圧
力に一旦排気し、ガラス板を200℃まで加熱した。そ
の後、放電ガス及び全圧調整用ガスとしてアルゴンを、
反応性ガスとして酸素を導入して圧力を0.15Paと
し、アーク放電プラズマ発生源に150Aの電流を供給
しアーク放電プラズマを生起させた。こうして生起させ
たアーク放電プラズマを用いて、蒸発材料の硼素を5p
pm含有したシリコンを蒸発させ、10nmの厚みの二
酸化珪素膜(SiO膜)をガラス板上に成膜した。得
られた二酸化珪素膜付きガラス板のサンプル1につい
て、アルカリ溶出試験を実施したところ、表2に示すよ
うにナトリウム金属の溶出量は、上記原子吸光分析法の
検出限界(約0.02μg/cm)以下であった。す
なわちアルカリの溶出は認められなかった。また得られ
た二酸化珪素膜は透明であった。成膜中の放電電圧は8
3Vと低く、アーク放電プラズマは長時間安定して維持
され、異常放電は発生することがなかった。これにより
得られた膜にはピンホールが認められなかった。
【0029】
【表1】 =================================== 基板 成膜法 ト゛ーハ゜ント 濃度 膜厚 (ppm) (nm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 ソータ゛ライムシリカカ゛ラス AP法 B 5 10 実施例2 ソータ゛ライムシリカカ゛ラス AP法 B 10 2 実施例3 ソータ゛ライムシリカカ゛ラス AP法 P 1 20 実施例4 ソータ゛ライムシリカカ゛ラス AP法 Al 20 40 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例5 ホ゜リカーホ゛ネート樹脂 AP法 B 5 10 実施例6 ホ゜リカーホ゛ネート樹脂 AP法 P 20 2 実施例7 ホ゜リカーホ゛ネート樹脂 AP法 Al 1 40 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例1 ソータ゛ライムシリカカ゛ラス スハ゜ッタリンク゛法 − − 10 比較例2 ソータ゛ライムシリカカ゛ラス ソ゛ルケ゛ル法 − − 40 比較例3 ホ゜リエチレンテレフタレート樹脂 スハ゜ッタリンク゛法 − − 10 ===================================
【0030】
【表2】 ================================= アルカリ溶出量(μg/cm) 酸素透過性(cc/m/h) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 検出限界(0.02)以下 − 実施例2 検出限界(0.02)以下 − 実施例3 検出限界(0.02)以下 − 実施例4 検出限界(0.02)以下 − −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例5 − 0.03 実施例6 − 0.05 実施例7 − 0.01 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例1 0.12 比較例2 0.30 比較例3 − 0.23 =================================
【0031】実施例2〜実施例4 蒸着材料及び膜厚を表1に示すように変えた以外は実施
例1と同じようにして二酸化珪素膜付き基板のサンプル
2〜サンプル4を作製した。いずれのサンプルも表2に
示すようにアルカリ溶出が認められず、アルカリイオン
の阻止性は優れていた。
【0032】実施例5 透明基板にポリカーボネート板を用い、AP法でポリカ
ーボネート基板上に二酸化珪素膜を成膜したサンプル5
を作製した。この場合真空排気ポンプによって0.00
27Pa以下の圧力に一旦排気し、基板は無加熱とし
た。その後放電ガス及び全圧調整用ガスとしてアルゴン
を、反応性ガスとして酸素を導入して圧力を0.15P
aとし、アーク放電プラズマ発生源に150Aの電流を
供給して、アーク放電プラズマを生起させた。こうして
生起させたアーク放電プラズマを用い、蒸着材料として
硼素を5ppm含有したシリコンを蒸発させた。サンプ
ル5について酸素透過性を評価したところ、0.03c
c/cm/hという良好なガス阻止性が得られた。
【0033】実施例6および実施例7 蒸着材料及び膜厚を表1に示すように変えた以外は実施
例5と同じようにしてポリカーボネート樹脂上にAP法
により二酸化珪素膜を成膜したサンプル6およびサンプ
ル7を作製した。サンプル6およびサンプル7ともガス
阻止性は表2に示すように良好であった。また、サンプ
ル5〜サンプル7を比較すると、ガス阻止性は二酸化珪
素膜の厚みが増加するに従い、この厚み範囲で向上する
傾向が認められた。
【0034】比較例1 ターゲットに石英ガラス板を用いた高周波マグネトロン
スパッタ法により、ソーダライムガラス板上に10nm
の厚みの二酸化珪素膜を成膜した。このときの基板温度
は200℃とした。このようにして作成した二酸化珪素
膜付きガラス板の比較サンプル1ついてアルカリ溶出試
験を実施したところ、ナトリウム金属の溶出が認めら
れ、その量は表2に示すとおり0.12μg/cm
あった。信頼性の高い液晶表示素子の構成部品として使
用することは懸念があることがわかった。
【0035】比較例2 実施例1と同じガラス板にテトラエトキシシランを含む
溶液を塗布し、その後ガラス板を500℃に加熱して4
0nmの厚みの二酸化珪素膜が成膜された基板を作製し
た。得られた比較サンプル2についてアルカリ溶出試験
を実施したところ、ナトリウム金属の溶出が認められ、
その溶出量は表2に示すとおり0.30μg/cm
あった。信頼性の高い液晶表示素子の構成部品として使
用することは懸念があると判断された。
【0036】比較例3 比較例1と同じスパッタリング法により、ポリエチレン
テレフタレート板上に10nmの厚みの二酸化珪素膜を
成膜した。基板は無加熱とした。得られた二酸化珪素膜
付き樹脂板の比較サンプル3の酸素透過性を評価したと
ころ、表3に示すとおり0.23cc/m/hであっ
た。この値はサンプル5、6、7の4.6倍〜23倍で
ガス阻止性が低く、信頼性の高い樹脂タイプ表示素子の
構成部品として使用することは懸念があると判断され
た。
【0037】以上実施例と比較例で説明したように、本
発明のガラス板上に二酸化珪素膜が成膜された二酸化珪
素膜付き基板は、基板表面にガラス中のナトリウムイオ
ンが溶出してくることがないので、高信頼性の液晶表示
素子の基板として有用であることが期待できる。また、
本発明の樹脂板上に二酸化珪素膜が成膜された二酸化珪
素膜付き基板は、基板表面に樹脂中の不純物ガスの放出
量が小さいので、樹脂タイプ液晶表示素子の基板として
有用であることが期待できる。
【0038】
【発明の効果】本発明の二酸化珪素膜付き基板の二酸化
珪素膜は、減圧された雰囲気が調整できる成膜室内で、
シリコンの蒸着材料にアーク放電プラズマを照射してシ
リコンを蒸発させるときに酸素と反応させながら成膜し
たので、透明基板中に含まれるアルカリイオンや不純物
ガスが二酸化珪素膜の表面に拡散表出してくるのを阻止
する能力が高い。
【0039】これにより、本発明の二酸化珪素膜付き基
板を液晶表示素子の液晶を封止する対向基板として用い
ると、アルカリを含むガラス板を用いた液晶表示素子を
高信頼性を有する表示素子にすることができ、また樹脂
板を用いた液晶表示素子を高信頼性の表示素子にするこ
とができる。また、二酸化珪素を成膜するに際して蒸着
材料のシリコンに硼素、燐、アルミニウムを含有させる
ことにより、成膜時の放電プラズマが安定し異常放電の
発生が抑制されるので、膜にピンホールが生じなくな
る。このため一層イオン阻止性およびガス阻止性が大き
くなる。
【0040】本発明の液晶表示素子は、液晶を封止する
対向配置する基板にイオン阻止性およびガス阻止性の大
きい基板で構成されるので、基板からの液晶材料に悪影
響を及ぼすイオン性物質や不純物ガスの液晶への侵入が
ない。このため液晶の劣化が生じないので、表示乱れの
ない高信頼性の表示素子とすることができる。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二酸化珪素膜が成膜された基板の断面
図である。
【図2】本発明の二酸化珪素膜を成膜するのに用いた成
膜装置の一実施例の概略断面図である。
【符号の説明】
1:プラズマ発生用ガス 2:アーク放電プラズマ発生源 3:永久磁石 4:磁気コイル 5:プラズマ発生用直流電源 6:成膜室 7:ハース 8:永久磁石 9:排気口 10:反応性ガス 11:第1中間電極 12:第2中間電極 13:アーク放電プラズマ 14:大口径磁気コイル 15:基板 16:基板加熱機構 17:蒸着材料 18:イオンプレーティング装置 20:本発明の二酸化珪素膜が成膜された基板 21:ガラス板 22:二酸化珪素膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻野 悦男 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HB03X HC03 HC15 HC18 HD02 JB02 JB03 JC07 JD10 4K029 AA09 AA11 AA24 BA46 BD00 CA04 EA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上に二酸化珪素膜が成膜された二
    酸化珪素膜付き基板であって、前記二酸化珪素膜は、減
    圧された雰囲気が調整できる成膜室内で、シリコンの蒸
    着材料にアーク放電プラズマを照射して前記シリコンを
    蒸発させ酸素と反応させながら成膜した二酸化珪素膜で
    あることを特徴とする二酸化珪素膜付き基板。
  2. 【請求項2】前記蒸着材料に用いるシリコンを、硼素、
    アルミニウムまたはリンから選択される一種の元素を前
    記シリコンに含有させることにより導電性としたことを
    特徴とする請求項1に記載の二酸化珪素膜付き基板。
  3. 【請求項3】前記透明基板がアルカリ成分を含有するガ
    ラス板であり、前記二酸化珪素膜の厚みが2〜40nm
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の二酸
    化珪素膜付き基板。
  4. 【請求項4】前記二酸化珪素膜の厚みが20nm以下で
    あることを特徴とする請求項3に記載の二酸化珪素膜付
    き基板。
  5. 【請求項5】前記透明基板が樹脂板であって、前記二酸
    化珪素膜の厚みが2〜40nmであることを特徴とする
    請求項1または2に記載の二酸化珪素膜付き基板。
  6. 【請求項6】前記二酸化珪素膜の厚みが10nm以上で
    あることを特徴とする請求項5に記載の二酸化珪素膜付
    き基板。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の二酸化珪
    素膜付き基板を対向基板とする液晶表示素子。
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