JP2013147727A - 透明導電性酸化亜鉛薄膜及び該透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法 - Google Patents

透明導電性酸化亜鉛薄膜及び該透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】膜厚が140nm以下といった極薄レベルであっても、高価で資源の制約が懸念される元素を多量に添加する必要がなく、耐湿熱性に優れ、高温高湿の環境下に晒しても比抵抗の変化が小さく、且つ導電性及び光透過率に優れた透明導電性酸化亜鉛薄膜、及びこの透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法を提供する。
【解決手段】酸化亜鉛に、Ga及び/又はAlからなる第1元素と、In、Bi、Se、Ce、Cu、Er及びEuからなる群から選択される少なくとも1つからなる第2元素が添加された透明導電性酸化亜鉛薄膜であって、60℃、相対湿度95%の条件下で500時間の環境試験を行ったとき、環境試験前の比抵抗に対する環境試験後の比抵抗の相対変化率が15%以下であり、前記環境試験後の比抵抗が5×10−4Ω・cm以下であり、前記透明導電性酸化亜鉛薄膜に含まれるZnと第2元素の原子数量比(第2元素/Zn)が0.15〜0.46%であり、膜厚が140nm以下であることを特徴とする透明導電性酸化亜鉛薄膜とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、耐湿熱性及び導電性に優れた透明導電性酸化亜鉛薄膜及び該透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法に関するものである。
液晶表示装置などに用いられる透明電極用の導電膜として、比抵抗が低く透明性が高いITO(インジウム錫酸化物)膜が汎用されている。しかし、インジウムは高価であり資源の制約も懸念されるため、ITO膜に代わる導電膜として、酸化亜鉛(ZnO)を主体として含有する酸化亜鉛系透明導電膜の開発が進められている。
酸化亜鉛系透明導電膜を量産レベルで製造する代表的な方法としては、直流マグネトロンスパッタリング法やイオンプレーティング法が知られている。中でも、イオンプレーティング法を用いれば、スパッタリング法のように大きな抵抗率分布を生じることなく、表面抵抗の小さい酸化亜鉛系透明導電膜を高い製膜速度(前述した直流マグネトロンスパッタリング法の3〜5倍程度)で大きな製膜面積に形成することが可能である。
イオンプレーティング法とは、プラズマガンや電子銃でターゲット(蒸発原料)にプラズマビームや電子ビームを照射し、蒸発原料を蒸発(出射)させると共にその蒸発粒子が基板に到達する前にイオン化させ、電位勾配を利用して蒸発粒子のエネルギーを制御したうえで基板上に蒸着(入射)させる方法である。
イオンプレーティング法による酸化亜鉛系導電膜の製法として、例えば、特許文献1〜3に記載の方法が挙げられる。
特許文献1は、比抵抗が小さい酸化亜鉛系導電膜を高い製膜速度で大きな製膜面積に形成することが可能な製造方法に関し、ガリウム(Ga)またはガリウム化合物を添加した酸化亜鉛を蒸発材料(ターゲット)として用い、製膜室の酸素分圧が0.012Pa以下にて製膜する方法が記載されている。
特許文献2および特許文献3は、いずれも、本願出願人によって出願されたものであり、ターゲットの加熱時に生じるスプラッシュ現象を防止または抑制することが可能な酸化亜鉛系導電膜製造用のイオンプレーティング用ターゲットに関するものである。実施例の欄には、ターゲットとして用いられる酸化亜鉛系焼結体として、ガリウムを導電性付与成分として含む焼結体を用いた例が開示されている。
ところで、一般に酸化亜鉛系透明導電膜は、非特許文献1などに記載されているように耐久性に劣っており、耐湿熱環境試験での抵抗安定性が悪い(耐湿熱環境試験前後における比抵抗の変化率が高い)などの問題を抱えている。前記問題はスパッタリング法による酸化亜鉛系透明導電膜では顕著となる。一方、イオンプレーティング法では、膜中に不足する酸素を補うことを目的に、イオンプレーティング成膜装置内に酸素を自在に制御しながら供給し、製膜する。そのため、スパッタリング法に比べて、応用が要求する酸化亜鉛系透明導電膜の電気特性の最適化が可能となり、その結果、電気特性はより低いものがこれまで実現している。しかしながら、現状では応用が要求する耐湿熱環境試験での抵抗安定性は悪い。特に透明導電膜の膜厚が200nm以下では抵抗の不安定性は顕著となる。
そこで、酸素雰囲気などの大気雰囲気で加熱しても加熱前後の比抵抗の変化率が小さい、耐湿熱性に優れた透明導電性酸化亜鉛薄膜が望まれている。前述した特許文献1〜3では、耐湿熱性向上に対して何も考慮していない。
上記事情に鑑み、本願出願人は、耐湿熱性が高められた透明導電膜を特許文献4及び特許文献5に開示している。
一般的に、膜厚が薄ければ薄いほど、光透過率においては有利であるが、比抵抗及び耐湿熱性は低下する。
特許文献4は、100nm以下の極薄レベルの膜厚の薄膜を一部開示しているものの、膜厚が薄い場合はインジウムの含有量が多く、逆にインジウムが少ない場合は膜厚が厚いものしか開示しておらず、高価であり資源の制約も伴うインジウムの含有量が少なく且つ膜厚が薄い場合に、優れた比抵抗及び耐湿熱性を有する透明導電膜は開示されていない。
特許文献5の透明導電膜は、膜厚が150nm前後であって、膜厚がそれ以下の極薄レベルであっては耐湿熱性を向上させるまでには至っていない。
なお、特許文献6には、イオンプレーティング法ではなくスパッタリング法によって耐湿熱性が高められた透明導電膜が開示されている。しかしながら、この透明導電膜は、高価なインジウムが主成分となる透明導電膜であるため、Inの原子数量比In/(In+Zn)が0.55〜0.80からなり、高価なインジウムを多量に使用する必要がある。また、特許文献6では、スパッタリング法を採用しているため、得られる透明導電膜の膜厚は、約200〜350nmと厚い。
特開2004−95223号公報 特開2007−56351号公報 特開2007−56352号公報 特開2009−114538号公報 特開2011−74479号公報 特開平6−318406号公報
APPLIED PHYSICS LETTERS 89,091904(2006)
本発明は、上述したような問題点を解決すべくなされたものであって、膜厚が140nm以下といった極薄レベルであっても、高価で資源の制約が懸念される元素を多量に添加する必要がなく、耐湿熱性に優れ、高温高湿の環境下に晒しても比抵抗の変化が小さく、且つ導電性及び光透過率に優れた透明導電性酸化亜鉛薄膜、及びこの透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法を提供するものである。
請求項1に係る発明は、酸化亜鉛に、Ga及び/又はAlからなる第1元素と、In、Bi、Se、Ce、Cu、Er及びEuからなる群から選択される少なくとも1つからなる第2元素が添加された透明導電性酸化亜鉛薄膜であって、60℃、相対湿度95%の条件下で500時間の環境試験を行ったとき、環境試験前の比抵抗に対する環境試験後の比抵抗の相対変化率が15%以下であり、前記環境試験後の比抵抗が5×10−4Ω・cm以下であり、前記透明導電性酸化亜鉛薄膜に含まれるZnと第2元素の原子数量比(第2元素/Zn)が0.15〜0.46%であり、膜厚が140nm以下であることを特徴とする透明導電性酸化亜鉛薄膜に関する。
請求項2に係る発明は、前記膜厚が100nm以下であることを特徴とする請求項1記載の透明導電性酸化亜鉛薄膜に関する。
請求項3に係る発明は、波長380−780nmにおける平均可視光透過率が85%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の透明導電性酸化亜鉛薄膜に関する。
請求項4に係る発明は、波長780−1200nmにおける平均近赤外光透過率が85%以上であり、波長1200nmにおける近赤外光透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の透明導電性酸化亜鉛薄膜に関する。
請求項5に係る発明は、波長380−1200nmにおける平均光透過率が85%以上であり、波長1200nmにおける近赤外光透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の透明導電性酸化亜鉛薄膜に関する。
請求項6に係る発明は、イオンプレーティング法による透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法であって、イオンプレーティング用ターゲットにプラズマビーム又は電子ビームを照射する工程と、酸素ガスをイオンプレーティング装置内に供給する工程を備え、Ga及び/又はAlからなる第1元素又はその化合物と、In、Bi、Se、Ce、Cu、Er及びEuからなる群から選択される少なくとも1つからなる第2元素又はその化合物が添加された酸化亜鉛の焼結体を前記イオンプレーティング用ターゲットとして用い、前記イオンプレーティング用ターゲットに含まれるZnと第2元素の原子数量比(第2元素/Zn)が0.15〜0.46%であり、酸素流量が10〜15sccmであることを特徴とする透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法に関する。
請求項7に係る発明は、前記イオンプレーティング用ターゲットに含まれる前記第1元素の含有量が0.1〜6重量%であることを特徴とする請求項6に記載の透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法に関する。
請求項1に係る発明によれば、酸化亜鉛にGa及び/又はAlからなる第1元素が添加されていることにより、導電性に優れた透明導電性酸化亜鉛薄膜とすることができ、さらにIn、Bi、Se、Ce、Cu、Er及びEuからなる群から選択される少なくとも1つからなる第2元素が添加されていることにより、耐湿熱性を向上させることができ、高温高湿の環境下に晒しても比抵抗の変化が小さい透明導電性酸化亜鉛薄膜とすることができる。
60℃、相対湿度95%の条件下で500時間の環境試験を行ったとき、環境試験前の比抵抗に対する環境試験後の比抵抗の相対変化率が15%以下であって、環境試験後の比抵抗が5×10−4Ω・cm以下であることにより、高温高湿となる条件下でも使用可能な導電率に優れた透明導電性酸化亜鉛薄膜とすることができる。
透明導電性酸化亜鉛薄膜に含まれるZnと第2元素の原子数量比(第2元素/Zn)が0.15〜0.46%であることにより、高価で資源の制約が懸念される元素を多量に使用する必要がないので、環境に優しく経済的な透明導電性酸化亜鉛薄膜とすることができる。
膜厚が140nm以下であることにより、光透過性に優れ、様々な用途に使用可能な透明導電性酸化亜鉛薄膜とすることができる。
請求項2に係る発明によれば、膜厚が100nm以下であることにより、より光透過性に優れ、より様々な用途に使用可能な透明導電性酸化亜鉛薄膜とすることができる。
請求項3に係る発明によれば、波長380−780nmにおける平均可視光透過率が85%以上であることにより、可視光領域での表示特性を用いる液晶デイスプレイテレビや有機ELディスプレイ(OLED)などの表示装置内において、高価で資源の制約が懸念される元素を多量に使用する必要がないので、環境に優しく経済的であり、導電性及び耐湿熱性に優れた透明導電性酸化亜鉛薄膜とすることができる。
請求項4に係る発明によれば、波長780−1200nmにおける平均近赤外光透過率が85%以上であり、波長1200nmにおける近赤外光透過率が80%以上であることにより、透明性に優れるため、近赤外光領域に対する赤外線センサーにおいて、導電性及び耐湿熱性に優れた透明導電性酸化亜鉛薄膜とすることができる。
請求項5に係る発明によれば、波長380−1200nmにおける平均光透過率が85%以上であり、波長1200nmにおける近赤外光透過率が80%以上であることにより、広範囲な波長領域での透明性に優れるため、可視光領域での表示特性を用いる液晶デイスプレイテレビや有機ELディスプレイ(OLED)などの表示装置内、および可視光領域だけではなく、近赤外光領域をも光電変換効率増大のため利用する太陽電池等において、高価で資源の制約が懸念される元素を多量に使用する必要がないので、環境に優しく経済的であり、導電性及び耐湿熱性に優れた透明導電性酸化亜鉛薄膜とすることができる。
請求項6に係る発明によれば、イオンプレーティング法による透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法であって、イオンプレーティング用ターゲットにプラズマビーム又は電子ビームを照射する工程と、酸素ガスをイオンプレーティング装置内に供給する工程を備え、Ga及び/又はAlからなる第1元素又はその化合物と、In、Bi、Se、Ce、Cu、Er及びEuからなる群から選択される少なくとも1つからなる第2元素又はその化合物が添加された酸化亜鉛の焼結体を前記イオンプレーティング用ターゲットとして用い、前記イオンプレーティング用ターゲットに含まれるZnと第2元素の原子数量比(第2元素/Zn)が0.15〜0.46%であり、酸素流量が10〜15sccmであることにより、導電性及び耐湿熱性に優れた透明導電性酸化亜鉛薄膜を製造することができる。
請求項7に係る発明によれば、イオンプレーティング用ターゲットに含まれる前記第1元素の含有量が0.1〜6重量%である透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法であることにより、高価で資源の制約が懸念される元素を多量に使用する必要がないので、環境に優しく経済的であり、且つ導電性及び耐湿熱性に優れた透明導電性酸化亜鉛薄膜を製造することができる。
本発明の透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法に用いるイオンプレーティング装置の概略図である。 実施例1と比較例2、及び比較例1の透明導電性酸化亜鉛薄膜の、環境試験前の比抵抗と酸素流量の関係を示すグラフである。 実施例1と比較例2、及び比較例1の透明導電性酸化亜鉛薄膜の、環境試験前の比抵抗に対する環境試験後の比抵抗の相対変化率を示すグラフである。 実施例1及び比較例2の透明導電性酸化亜鉛薄膜の環境試験後の可視光透過率を示すグラフである。 実施例3の透明導電性酸化亜鉛薄膜の、SIMS(2次イオン質量分析法)を用いて測定した、薄膜表面からの深さ方向のGa,Inの濃度分布を示すグラフである。
以下、本発明に係る透明導電性酸化亜鉛薄膜及び該透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法について説明する。
本発明に係る透明導電性酸化亜鉛薄膜は、Ga及び/又はAlからなる第1元素と、In、Bi、Se、Ce、Cu、Er及びEuからなる群から選択される少なくとも1つからなる第2元素が添加された透明導電性酸化亜鉛薄膜である。
Ga及び/又はAlからなる第1元素は導電性付与成分として添加され、光透過率も高めることができる。
透明導電性酸化亜鉛薄膜に含まれる第1元素の比率は、好ましくは0.1〜6重量%である。
第1元素の比率が0.1重量%未満であると、酸化亜鉛薄膜の導電性を充分に向上させることができないため、好ましくない。
第1元素の比率が6重量%を超えると、酸化亜鉛薄膜の耐湿熱性の向上は実現するが導電性は急激的に減少するため好ましくない。
本発明の透明導電性酸化亜鉛薄膜は、In、Bi、Se、Ce、Cu、Er及びEuからなる群から選択される少なくとも1つからなる第2元素が添加されている。
第2元素を添加することにより、酸化亜鉛薄膜の耐湿熱性を向上させることができる。
透明導電性酸化亜鉛薄膜に含まれる第2元素の比率は、本発明において、Znと第2元素の原子数量比:(第2元素/(第2元素+Zn))≒(第2元素/Zn)は最大で0.46%(0.0046)である。
本発明は、従来のITO(インジウム錫酸化物)膜ではなく、酸化亜鉛主体の導電膜である。インジウムは高価であり資源の制約も懸念される。特許文献6にあるInの原子数量比In/(In+Zn)55〜80%(0.55〜0.80)であり、本発明のIn元素の比率は、顕著に小さい。
上記したように本発明の透明導電性酸化亜鉛薄膜に含まれるZnと第2元素の原子数量比(第2元素/Zn)は0.15〜0.46%である。
Znと第2元素の原子数量比(第2元素/Zn)が0.15%未満であると、酸化亜鉛薄膜の耐湿熱性を充分に向上させることができないため、好ましくない。
Znと第2元素の原子数量比(第2元素/Zn)が0.46%を超えると、酸化亜鉛薄膜の比抵抗が大きくなってしまい、且つ光透過率が低下するため、好ましくない。
本発明の透明導電性酸化亜鉛薄膜の膜厚は、140nm以下であり、100nm以下であってもよい。
一般的に、酸化亜鉛薄膜の膜厚が薄ければ薄いほど、光透過率においては有利であるが、耐湿熱性は低下する。
しかしながら、本発明の透明導電性酸化亜鉛薄膜は、後述する製造方法などにより、140nm以下、さらには100nm以下という極薄レベルにおいても、耐湿熱性の低下を最小限にとどめることが可能となったものである。
膜厚が140nm以下であることにより、原料コストおよび成膜中にかかる生産コストを合わせた総コストにおいてより安価となることから優位であり、かつ高い光透過率を有する透明導電性酸化亜鉛薄膜とすることができる。
本発明の透明導電性酸化亜鉛薄膜は、60℃、相対湿度95%の条件下で500時間の環境試験を行ったとき、環境試験前の比抵抗に対する環境試験後の比抵抗の相対変化率が15%以下であり、前記環境試験後の比抵抗が5×10−4Ω・cm以下である。
上述したように、酸化亜鉛薄膜の膜厚が薄ければ薄いほど耐湿熱性は低下する。本発明は膜厚140nm以下でも、60℃、相対湿度95%の条件下で500時間の環境試験を行ったとき、環境試験前の比抵抗に対する環境試験後の比抵抗の相対変化率が15%以下であり、非常に優れた耐湿熱性を有する。
また、環境試験後の比抵抗が5×10−4Ω・cm以下であるので、導電膜として好適に使用することができる。
本発明の透明導電性酸化亜鉛薄膜は、波長380−780nmにおける平均可視光透過率が85%以上であることが好ましく、波長780−1200nmにおける平均近赤外光透過率が85%以上であり、波長1200nmにおける近赤外光透過率が80%以上であればより好ましい。さらに、波長380−1200nmにおける平均光透過率が85%以上であり、波長1200nmにおける近赤外光透過率が80%以上であればより好ましい。
この広範囲な波長領域において実現する優れた透明性により、太陽電池等、広範囲での利用が可能となる。
次いで、本発明の透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法について、図を参照して以下に説明する。
まず、本発明の透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法を実施するのに好適なイオンプレーティング装置について図1を参照して説明する。
図1は、本発明の透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法に用いるイオンプレーティング装置の概略図である。
イオンプレーティング装置(10)は、成膜室である真空容器(12)と、真空容器(12)中にプラズマビームPBを供給するプラズマ源であるプラズマガン(プラズマビーム発生器)(14)と、真空容器(12)内の底部に配置されてプラズマビームPBが入射する陽極部材(16)と、成膜の対象である基板Wを保持する基板保持部材WHを陽極部材(16)の上方で適宜移動させる搬送機構(18)とを備える。
プラズマガン(14)は、圧力勾配型であり、その本体部分は真空容器(12)の側壁に備えられる。プラズマガン(14)の陰極(14a)、中間電極(14b)、(14c)、電磁石コイル(14d)およびステアリングコイル(14e)への給電を調整することにより、真空容器(12)中に供給されるプラズマビームPBの強度や分布状態が制御される。なお、参照符号(20a)は、プラズマビームPBのもととなる、Ar等の不活性ガスからなるキャリアガスの導入路を示す。
陽極部材(16)は、プラズマビームPBを下方に導く主陽極であるハース(16a)と、その周囲に配置された環状の補助陽極(16b)とからなる。
ハース(16a)は、適当な正電位に制御されており、プラズマガン(14)から出射したプラズマビームPBを下方に吸引する。ハース(16a)は、プラズマビームPBが入射する中央部に貫通孔THが形成されており、貫通孔THにターゲット(22)が装填されている。ターゲット(22)は、柱状若しくは棒状に成形されたタブレットであり、プラズマビームPBからの電流によって加熱されて昇華し、蒸着物質を生成する。ハース(16a)はターゲット(22)を徐々に上昇させる構造を有しており、ターゲット(22)の上端は常に一定量だけハース(16a)の貫通孔THから突出している。
補助陽極(16b)は、ハース(16a)の周囲に同心に配置された環状の容器で構成され、容器内には、永久磁石(24a)とコイル(24b)とが収容されている。これら永久磁石(24a)およびコイル(24b)は、磁場制御部材であり、ハース(16a)の直上にカスプ状磁場を形成し、これにより、ハース(16a)に入射するプラズマビームPBの向きが制御され、修正される。
搬送機構(18)は、搬送路(18a)内に水平方向に等間隔で配列されて基板保持部材WHを支持する多数のコロ(18b)と、コロ(18b)を回転させて基板保持部材WHを所定の速度で水平方向に移動させる図示しない駆動装置とを備える。基板保持部材WHに基板Wが保持される。この場合、基板Wを搬送する搬送機構(18)を設けることなく、真空容器(12)の内部の上方に基板Wを固定して配置してもよい。
真空容器(12)には、酸素ガス容器(19)中の酸素ガスがマスフローメータ(21)によって流量を所定量に調整されながら供給される。なお、参照符号(20b)は酸素以外の雰囲気ガスを供給するための供給路を示し、また、参照符号(20c)はAr等の不活性ガスをハース(16a)に供給するための供給路を示し、また、参照符号(20d)は排気系を示す。
上記のように構成したイオンプレーティング装置(10)を用いたイオンプレーティング方法を説明する。
まず、真空容器(12)の下部に配置されたハース(16a)の貫通孔THにターゲット(22)を装着する。
本発明の透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法は、ターゲット(22)として、Ga及び/又はAlからなる第1元素又はその化合物と、In、Bi、Se、Ce、Cu、Er及びEuからなる群から選択される少なくとも1つからなる第2元素又はその化合物が添加された酸化亜鉛の焼結体を用いることを特徴とする。
上記ターゲットを用いることにより、Ga及び/又はAlからなる第1元素に加えて、In、Bi、Se、Ce、Cu、Er及びEuからなる群から選択される少なくとも1つからなる第2元素を含有する透明導電性酸化亜鉛薄膜を製造することができ、この薄膜は、耐湿熱性、光透過性及び導電性に優れる。
本発明の透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法において、イオンプレーティング用ターゲット(22)に含まれるZnと第2元素の原子数量比(第2元素/Zn)は0.15〜0.46%である。
Znと第2元素の原子数量比(第2元素/Zn)が0.15%未満であると、製造される酸化亜鉛薄膜の耐湿熱性を充分に向上させることができないため、好ましくない。
Znと第2元素の原子数量比(第2元素/Zn)が0.46%を超えると、製造される酸化亜鉛薄膜の比抵抗が大きくなってしまい、且つ光透過率が低下するため、好ましくない。
イオンプレーティング用ターゲットに含まれる第1元素の含有量は0.1〜6重量%が好ましい。
第1元素の含有量が0.1重量%未満であると、製造される酸化亜鉛薄膜の導電性を充分に向上させることができないため、好ましくない。
第1元素の含有量が6重量%を超えると、製造される酸化亜鉛薄膜の導電性が急激に減少するため、好ましくない。
次いで、ハース(16a)の上方の対向する位置に基板Wを配置する。
次いで、成膜条件に応じたプロセスガスを真空容器(12)の内部に導入する。
酸素ガス容器(19)から真空容器(12)の内部に酸素が供給される。酸素流量は10〜15sccmが好ましい。酸素流量が10sccm未満であると、透明導電性酸化亜鉛薄膜の耐湿熱性が劣化し、60℃、相対湿度95%の条件下で500時間の環境試験前後における比抵抗の相対変化率が大きくなってしまうため好ましくない。
酸素流量が15sccmを超えると、得られる透明導電性酸化亜鉛薄膜の比抵抗が大きくなってしまい、60℃、相対湿度95%の条件下で500時間の環境試験後の薄膜の比抵抗も5×10−4Ω・cmより大きくなってしまい、導電膜として不適な膜となってしまうので好ましくない。
プラズマガン(14)の陰極(14a)およびハース(16a)間に直流電圧を印加する。
そして、プラズマガン(14)の陰極(14a)とハース(16a)との間で放電を生じさせ、これにより、プラズマビームPBを生成する。プラズマビームPBは、ステアリングコイル(14)と補助陽極(16b)内の永久磁石(24a)等とによって決定される磁界に案内されてハース(16a)に到達する。この際、ターゲット(22)の周囲にアルゴンガスが供給されるので、容易にプラズマビームPBがハース(16a)に引き寄せられる。
プラズマに曝されたターゲット(22)は、徐々に加熱される。ターゲット(22)が十分に加熱されると、ターゲット(22)が昇華し、蒸着物質が蒸発(出射)する。蒸着物質は、プラズマビームPBによりイオン化され、基板Wに付着(入射)し、成膜される。
なお、永久磁石(24a)およびコイル(24b)によってハース(16a)の上方の磁場を制御することにより、蒸着物質の飛行方向を制御することができるため、ハース(16a)の上方におけるプラズマの活性度分布や基板Wの反応性分布に合わせて基板Wの上の成膜速度分布を調整でき、広い面積にわたって均一な膜質の薄膜を得ることができる。
以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明に係る透明導電性酸化亜鉛薄膜及び該透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法は、これらに限定されるものではない。
製造例1
ターゲットとして、Ga(純度99.9%)を3重量%、In(純度99.9%)を0.25重量%添加したZnO(純度99.99%)(ハクスイテック社製)の焼結体を用い、イオンプレーティング法によって膜厚100nmの透明導電性酸化亜鉛薄膜を製膜した。製膜条件を下記に示す。酸素流量15sccmのものを実施例1とし、その他の酸素流量のものを比較例2とする。
(製膜条件)
基板 :厚み0.7mmの無アルカリガラス
基板温度 :200℃
製膜前の基板の予備加熱:なし
製膜時の圧力 :0.2Pa
製膜時の雰囲気ガス条件:アルゴン=140sccm、酸素=0,5,10,15,20及び25sccm
製膜時の放電電流 :140A
製膜時間 :60秒
イオンプレーティング装置:住友重機械工業社製「RPD(Reactive Plasma Deposition)装置」
製造例2
焼結体のInの添加量を0.50重量%としたこと以外は製造例1と同じ条件で、膜厚100nmの透明導電性酸化亜鉛薄膜を製膜した。製膜時の酸素流量は、製造例1の条件に加え、12,17sccmでも行った。酸素流量12sccmのものを実施例2とし、その他の酸素流量のものを比較例3とする。
製造例3
焼結体のInの添加量を0.75重量%としたこと以外は製造例2と同じ条件で、膜厚100nmの透明導電性酸化亜鉛薄膜を製膜した。酸素流量10sccmのものを実施例3とし、酸素流量12sccmのものを実施例4とし、その他の酸素流量のものを比較例4とする。
製造例4
ターゲットとして、Ga(純度99.9%)を3重量%添加したZnO(純度99.99%)(ハクスイテック社製)の焼結体を用いること以外は実施例2と同じ条件で、イオンプレーティング法によって膜厚100nmの透明導電性酸化亜鉛薄膜を製膜した。これらを比較例1とする。
(透明導電性酸化亜鉛薄膜の特性評価)
このようにして得られた透明導電性酸化亜鉛薄膜について、図2〜4に示すように、比抵抗、耐湿熱性及び光透過率を測定した。比抵抗、耐湿熱性及び光透過率の測定方法は、以下のとおりである。
(1)比抵抗
比抵抗は、ACCENT社製のHL5500PC型HALL効果装置を用いてVan der Pauw法により、室温で測定した。
(2)耐湿熱性
耐湿熱性は、60℃、95%RHにセットした恒温恒湿槽で500時間の環境試験を行い、環境試験前の薄膜の比抵抗ρと環境試験後の薄膜の比抵抗ρを上記(1)と同じ方法で測定し、比抵抗の相対変化率{(ρ−ρ)/ρ}×100を評価した。
(3)光透過率(透明性)
作製した透明導電性酸化亜鉛薄膜の可視光(波長380−780nm)透過率と近赤外光(波長780−1200nm)透過率を、日立ハイテクノロジーズ社製のU−4100型分光光度計を用いて測定した。
結果を下記表1及び表2に示す。
Figure 2013147727
Figure 2013147727
図2は、実施例1と比較例2、及び比較例1の透明導電性酸化亜鉛薄膜の、環境試験前の比抵抗と酸素流量の関係を示すグラフである。
表1,2及び図2より、環境試験前の薄膜の比抵抗は、インジウムを含有しない比較例1の薄膜の方がインジウムを含有する薄膜よりも小さいことがわかる。また、インジウムの含有量が多くなるに従い、薄膜の比抵抗は大きくなることがわかる。
しかし、実施例1と比較例1では、比抵抗の大きな差は見られなかった。
酸素流量の違いによる比較において、約15sccmから急激に比抵抗が増加していることがわかる。比抵抗が大きいと、導電膜として用いるには不適であり、In:0.25wt%においては、環境試験後の比抵抗が5×10−4Ω・cm以下となるには、酸素流量15sccm以下が好適であることがわかる。
図3は、実施例1と比較例2、及び比較例1の透明導電性酸化亜鉛薄膜の、環境試験前の比抵抗に対する環境試験後の比抵抗の相対変化率を示すグラフである。
比抵抗の相対変化率Δρは以下の式で表される。
Δρ={(ρ−ρ)/ρ}×100
ρ:環境試験後の薄膜の比抵抗 ρ:環境試験前の薄膜の比抵抗
表1,2及び図3より、インジウムを含有する実施例の薄膜の方が、インジウムを含有しない比較例1の薄膜に比べて、比抵抗の相対変化率は顕著に小さいことがわかる。酸素流量15sccmで比較すると、インジウムを含有しない比較例1の薄膜の比抵抗の相対変化率は32.6%であり、ターゲット材料である焼結体のIn:0.25wt%である実施例1の薄膜の比抵抗の相対変化率は12.5%である。
酸素流量の違いによる比較において、酸素流量が多くなるに従い、比抵抗の相対変化率も小さくなっている。よって、耐湿熱性という観点においては、酸素流量は多いほうが望ましく、ターゲット材料である焼結体のIn:0.75wt%においては、比抵抗の相対変化率が15%以下となる酸素流量10sccm以上が望ましい。
しかし、上述したように、酸素流量が15sccmを超えると初期の比抵抗が大きくなり導電膜として不適な膜となってしまうので、比抵抗と比抵抗の相対変化率を考慮すると、酸素流量10〜15sccmが最も好ましい。
表1及び表2より、実施例1〜4において、膜厚100nmという非常に薄い薄膜であっても、環境試験前の比抵抗に対する環境試験後の比抵抗の相対変化率が15%以下、環境試験後の比抵抗が5×10−4Ω・cm以下を達成している。
特に実施例4においては、試験後の比抵抗が4.54×10−4Ω・cmであるので導電膜として好適であり、且つ比抵抗の相対変化率が6.6%という従来の酸化亜鉛薄膜より顕著に優れた耐湿熱性を達成している。
図4は、実施例1及び比較例2の透明導電性酸化亜鉛薄膜の、環境試験後の可視光透過率を示すグラフである。
下記表3は、実施例及び比較例の透明導電性酸化亜鉛薄膜の、環境試験後の可視光領域(波長380−780nm)の平均光透過率を示し、下記表4は、実施例及び比較例の透明導電性酸化亜鉛薄膜の、環境試験後の近赤外光領域(波長780−1200nm)の平均光透過率および波長1200nmでの光透過率を示す。
インジウムを含む薄膜は、インジウムを含まない比較例1の薄膜とほぼ同等の光透過率を有しており、インジウムを添加しても光透過率は低下しないことがわかる。
実施例4の薄膜は、可視光領域(波長380−780nm)から近赤外領域(波長780−1200nm) において透過率がいずれの領域においても85%(波長1200nmにおいて測定値80.6%)を越えており、広い波長幅で太陽光を高効率で通すことからカルコパイライト型薄膜太陽電池など薄膜太陽電池用の窓層透明導電膜としても好適である。
実施例1の薄膜は、可視光領域(波長380−780nm)から近赤外領域(波長780−1200nm)において透過率がいずれの領域においても85%(波長1200nmにおいて測定値85.5%)を越えており、広い波長幅で太陽光を高効率で通すことからカルコパイライト型薄膜太陽電池など薄膜太陽電池用の窓層透明導電膜としても好適である。
実施例2の薄膜は、可視光領域(波長380−780nm)から近赤外領域(波長780−1200nm) において透過率がいずれの領域においても85%(波長1200nmにおいて測定値82.1%)を越えており、広い波長幅で太陽光を高効率で通すことからカルコパイライト型薄膜太陽電池など薄膜太陽電池用の窓層透明導電膜としても好適である。
Figure 2013147727
Figure 2013147727
図5は、薄膜表面からの深さ方向のGa,Inの濃度分布をSIMS(Secondary Ion-microprobe Mass Spectrometer:2次イオン質量分析法)を用いて測定したその結果を示すグラフである。測定サンプルは、1つの例として、実施例3の透明導電性酸化亜鉛薄膜であるが、他のサンプルも分布の下記に述べる形態と同様である。
最表面付近やガラス基板との界面付近では、一般的に測定精度が落ちる。図5の測定データが示すように、薄膜表面からの深さ方向のGa,Inの濃度分布は、ほぼ一様と判断される。一般に固溶度が低いといわれるインジウムも、ある深さ箇所で偏析していることなく、深さ方向一様に分布していることから、経時変化的に膜中での高密度領域から低密度領域へのInの大きな密度勾配が原因となる拡散はなく、実施例においては再現性の高いデータが得られていることがわかる。
これは成膜中に供給する酸素ガス流量(単位:sccm)を細かく制御したためである。
本発明は、平面表示パネル、薄膜太陽電池などに好適に利用されるものである。

Claims (7)

  1. 酸化亜鉛に、Ga及び/又はAlからなる第1元素と、In、Bi、Se、Ce、Cu、Er及びEuからなる群から選択される少なくとも1つからなる第2元素が添加された透明導電性酸化亜鉛薄膜であって、
    60℃、相対湿度95%の条件下で500時間の環境試験を行ったとき、環境試験前の比抵抗に対する環境試験後の比抵抗の相対変化率が15%以下であり、
    前記環境試験後の比抵抗が5×10−4Ω・cm以下であり、
    前記透明導電性酸化亜鉛薄膜に含まれるZnと第2元素の原子数量比(第2元素/Zn)が0.15〜0.46%であり、
    膜厚が140nm以下であることを特徴とする透明導電性酸化亜鉛薄膜。
  2. 前記膜厚が100nm以下であることを特徴とする請求項1記載の透明導電性酸化亜鉛薄膜。
  3. 波長380−780nmにおける平均可視光透過率が85%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の透明導電性酸化亜鉛薄膜。
  4. 波長780−1200nmにおける平均近赤外光透過率が85%以上であり、波長1200nmにおける近赤外光透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の透明導電性酸化亜鉛薄膜。
  5. 波長380−1200nmにおける平均光透過率が85%以上であり、波長1200nmにおける近赤外光透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の透明導電性酸化亜鉛薄膜。
  6. イオンプレーティング法による透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法であって、
    イオンプレーティング用ターゲットにプラズマビーム又は電子ビームを照射する工程と、
    酸素ガスをイオンプレーティング装置内に供給する工程を備え、
    Ga及び/又はAlからなる第1元素又はその化合物と、In、Bi、Se、Ce、Cu、Er及びEuからなる群から選択される少なくとも1つからなる第2元素又はその化合物が添加された酸化亜鉛の焼結体を前記イオンプレーティング用ターゲットとして用い、
    前記イオンプレーティング用ターゲットに含まれるZnと第2元素の原子数量比(第2元素/Zn)が0.15〜0.46%であり、
    酸素流量が10〜15sccmであることを特徴とする透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  7. 前記イオンプレーティング用ターゲットに含まれる前記第1元素の含有量が0.1〜6重量%であることを特徴とする請求項6に記載の透明導電性酸化亜鉛薄膜の製造方法。
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