JP2001089847A - シリコンまたはシリコン化合物膜の成膜方法 - Google Patents

シリコンまたはシリコン化合物膜の成膜方法

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JP2001089847A JP26483599A JP26483599A JP2001089847A JP 2001089847 A JP2001089847 A JP 2001089847A JP 26483599 A JP26483599 A JP 26483599A JP 26483599 A JP26483599 A JP 26483599A JP 2001089847 A JP2001089847 A JP 2001089847A
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Takayuki Toyoshima
隆之 豊島
Yoshibumi Kijima
義文 木島
Etsuo Ogino
悦男 荻野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アーク放電プラズマを用いたイオンプレーティ
ング法で電気絶縁性のシリコン蒸着材料を蒸発させてシ
リコン膜を基板上に成膜したりまた酸素ガスを導入しな
がら二酸化珪素膜を反応的に基板上に成膜すると放電電
圧が著しく高くなり、アーク放電プラズマを安定して持
続することができず、安定して膜の成膜ができない課題
があった。 【解決手段】アーク放電プラズマを照射させて蒸発させ
るシリコン金属の蒸着材料に、硼素、燐、アルミニウム
のいずれかの元素を0.1ppm〜100ppm含有さ
せて導電性のシリコン金属の蒸着材料とする。反応性ガ
スとして酸素または窒素を成膜時に用いると、二酸化珪
素膜や窒化珪素膜を安定して成膜できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上にシリコン
またはシリコン化合物膜を成膜する方法に関する。とり
わけ機能性薄膜として有用であるシリコン膜、二酸化珪
素膜、窒化珪素膜、珪素の酸窒化膜および炭化珪素膜の
成膜に適した成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン膜、二酸化珪素膜、窒化
珪素膜などのシリコン化合物膜の機能性に着目した研究
が行われており、様々な成膜方法によって様々な機能を
有する薄膜を得ることが可能となっている。一例とし
て、シリコン膜はTFT素子(液晶表示の薄膜トランジ
スタ)、光起電力素子(太陽電池)などに用いられ、二
酸化珪素膜は各種電子デバイスの絶縁膜やパッシベーシ
ョン膜などに用いられている。
【0003】高機能性をもつシリコンおよびシリコン化
合物膜の製造方法が、特開平11−6054号公報に開
示されている。この公報によれば、アーク放電プラズマ
源として圧力勾配型プラズマガンを用いたイオンプレー
ティング法はシリコンおよびシリコン化合物膜を大面積
の基板に高速に成膜するのに適していることが開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術ではシリコン金属の蒸着材料は電気絶縁性であ
る。アーク放電プラズマを用いたイオンプレーティング
法で電気絶縁性物質を蒸着材料として用いた場合、アー
ク放電プラズマの一方の端にあたるアノード部分での電
気抵抗が著しく高くなってしまう。これによって放電電
圧が著しく高くなり、その結果放電が不安定になるとい
う問題点があった。
【0005】成膜中に放電が不安定になると、膜特性の
不均一性、膜厚のばらつき、アーキング(異常放電)に
起因するピンホールの発生が生じ、大面積の基板に高品
位の被膜を均一に成膜するのが困難になる。放電を安定
にするために放電電圧を下げる一般的な手段として、成
膜室内の空間の電気抵抗を下げる目的で放電圧力(成膜
時の雰囲気圧力)を高める方法がある。しかしこの方法
では、放電圧力の上昇に伴い膜中への不純物の混入や成
膜速度の低下が生じ、アーク放電プラズマを用いたイオ
ンプレーティング法の特徴が失われる。アーク放電プラ
ズマを用いたイオンプレーティング法で高品位な膜をよ
り高速に成膜するためには、上記のような問題点を解決
する必要がある。本発明は、どのようにすれば安定な放
電を長時間にわたって得ることができるかを鋭意研究し
た結果得られたものであり、上記問題点を解決すること
を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アーク放電プ
ラズマ源を用いてシリコン金属蒸着材料を蒸発させるこ
とにより、シリコンまたはシリコン化合物膜を成膜する
方法であって、シリコン金属に導電性のシリコン金属を
用いることを特徴とする。
【0007】蒸着材料を導電性シリコン金属とすること
により、成膜中のアーク放電プラズマが安定し、それに
より膜の厚みを精度よく成膜でき、また被成膜基板上で
の厚みの分布を小さくすることができる。
【0008】本発明のシリコン金属の蒸着材料は、シリ
コンに硼素、アルミニウムおよびリンのいずれかから選
択される一種類の金属を添加させて導電性にするのが好
ましい。これらの金属は比較的少量の添加でアーク放電
プラズマを安定にすることができるからである。このう
ち、硼素はシリコン金属よりも蒸気圧が高いので、いわ
ゆる分留によって選択的にシリコン金属が蒸発する。こ
のため二酸化珪素膜中に硼素が取り込まれることが一層
少なくなり、膜の純度がよくなるので好ましい。
【0009】そしてそれらの元素の含有量は0.1pp
m以上とするのが好ましく、0.5ppm以上とするの
がさらに好ましい。含有量が0.1ppm未満である
と、放電安定性を維持できるだけの導電性を得ることが
困難になるからである。
【0010】一方、それらの元素の含有量は100pp
m以下で含有させるのが好ましく、さらに20ppm以
下で含有させるのがさらに好ましい。含有量が100p
pmを超えると、成膜されるシリコン化合物膜たとえば
シリコン膜、二酸化珪素膜、窒化珪素膜、珪素の酸窒化
膜などの本来有する機能、たとえば半導体性、電気絶縁
性、パッシベ−ション性などの機能を低下あるいは劣化
させるおそれがあるからである。
【0011】本発明においては、雰囲気に反応ガスとし
て酸素を含有させることにより、基板上に二酸化珪素膜
を安定したアーク放電プラズマのもとで成膜することが
できる。
【0012】また、本発明においては、雰囲気に反応ガ
スとして窒素を含有させることにより、基板上に窒化珪
素膜を安定したアーク放電プラズマのもとで成膜するこ
とができる。
【0013】また、本発明においては、雰囲気に反応ガ
スとして酸素と窒素を含有させることにより、基板上に
珪素の酸窒化膜を安定したアーク放電プラズマのもとで
成膜することができる。
【0014】さらに、本発明においては、雰囲気に反応
ガスとして炭化水素ガスを含有させることにより、基板
上に炭化珪素膜を安定したプラズマ放電のもとで成膜す
ることができる。炭化水素ガスとしては、メタン、エタ
ン等の常温で気体であるものが好んで用いられる。
【0015】雰囲気中の反応性ガスは、その一部がシリ
コン化合物膜中に取り込まれる。珪素の酸窒化膜の酸素
と窒素の比率は、雰囲気中への酸素と窒素の導入量の比
率により調整することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明により得られる物品
20の一実施例の断面図であり、物品20はガラス板2
1に二酸化珪素膜22が成膜されている。この物品は、
たとえば液晶表示装置のガラス基板として用いられる。
【0017】図2は、本発明の実施に用いることができ
るアーク放電プラズマを用いたイオンプレーティング装
置18の一実施例の概略断面図である。アーク放電プラ
ズマ13は、アーク放電プラズマ発生源2と底部に永久
磁石8を有しアノードとして作用する蒸着材料17をそ
の中に入れたハース7との間で、プラズマ発生用直流電
源5によってアーク放電を行うことで生成される。かか
るアーク放電プラズマ発生源2としては、複合陰極型プ
ラズマ発生装置、又は圧力勾配型プラズマ発生装置、又
は両者を組み合わせたプラズマ発生装置が好ましい。複
合陰極型プラズマ発生装置は、熱容量の小さい補助陰極
とホウ化ランタン(LaB)からなる主陰極を加熱
し、主陰極が最終陰極としてアーク放電を行うようにし
たプラズマ発生装置である。このようなプラズマ発生装
置については、刊行物である真空第25巻第10号(1
982年)に記載されている公知のものなどを用いるこ
とができる。
【0018】図2に示すように、放電陰極としてのアー
ク放電プラズマ発生源2、永久磁石3を内蔵した第1中
間電極11、磁気コイル4を内蔵した第2中間電極1
2、大口径磁気コイル14を成膜室6の側壁に設置し、
成膜室の底部に永久磁石8を下部に設けたハース7を設
け、これらをシリコン金属を蒸発させる蒸着手段とす
る。ハース7は、アーク放電プラズマ13の陽極とし
て、アーク放電プラズマ発生源2は陰極として作用す
る。磁気コイル4により形成された水平磁場によって成
膜室6に引き出されたアーク放電プラズマ13をハース
7内に充填された蒸着材料17に導くために、ハース7
の底部に設けた永久磁石8の垂直磁場により、成膜室6
内で下方に約90度に曲げられる。蒸着材料17は、ア
ーク放電プラズマ13に照射され加熱されて蒸発する。
基板15の背面に基板加熱機構16が設けられており、
必要に応じて基板15を加熱する。
【0019】プラズマ発生用ガス1はその組成をコント
ロールされた後にアーク放電プラズマ発生源2内に導入
される。また全圧を制御する目的で、プラズマ発生用ガ
ス1とは別の、組成がコントロールされた反応性ガス1
0が成膜室6の側壁に設置されたガス導入孔より導入さ
れる。成膜室6内の雰囲気は、成膜室6の側壁に設けら
れた排気口9から排気ポンプ(図示されない)により排
気される。成膜室6内の雰囲気は、排気口9からの排気
量とプラズマ発生用ガス1と反応性ガス10の成膜室6
内への導入量とをバランスさせることにより、所定の圧
力および組成に定められる。
【0020】以下に、本発明を実施例および比較例で説
明する。成膜は図2で示すイオンプレーティング装置を
用いた。基板は厚みが1.1mmで20cm角のソーダ
ライムシリカ組成のフロートガラス板である。また反応
ガスを成膜室に導入する場合は、その量を全導入ガス量
の50%とした。
【0021】実施例1 蒸着材料として表1に示すように純度が99.99%の
シリコンに硼素(B)を5ppm含有したシリコン金属
を成膜室内のハースに充填した。この蒸着材料は通電可
能な程度の導電性を有していた。ガラス板を成膜室内に
セットし、真空排気ポンプによって0.0027Pa以
下の圧力に一旦排気し、ガラス板を200℃まで加熱し
た。その後、プラズマ発生用のアルゴンガスをアーク放
電プラズマ発生源から、全圧調整用のアルゴンガスを成
膜室側壁の導入ガス口から導入し、アーク放電プラズマ
発生源に100Aの電流を供給し、アーク放電プラズマ
を生起させた。このとき、放電電圧は83Vと十分に低
く、放電状態を観察したところアーク放電プラズマは長
時間安定して維持された。ガラス板上に成膜した厚みが
100nmのシリコン膜を調べたところ、成膜速度は6
7nm/minであった。シリコン膜を二次イオン質量
分析法(SIMS法)を用いて分析を行ったところ、膜
中に含有されているArの二次イオン強度は3×10
cpsであった。異物の付着やピンホールやクラック
のないシリコン膜を成膜することができた。
【0022】
【表1】 =================================== ドーパント 濃度(ppm) 成膜圧力(Pa) 反応ガス −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 B 5 0.07 なし 実施例2 B 100 0.05 なし 実施例3 P 1 0.08 酸素 実施例4 P 1 0.08 窒素 実施例5 Al 20 0.10 酸素/窒素(1:1) 実施例6 B 5 0.10 CH −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例1 なし 0 0.07 なし 比較例2 なし 0 0.30 なし 比較例3 なし 0 0.30 なし(放電電流大) 比較例4 なし 0 0.07 酸素 比較例5 なし 0 0.07 窒素 比較例6 なし 0 0.07 CH ===================================
【0023】実施例2 蒸着材料としてシリコン金属に硼素を100ppm含有
させて導電性にしたものを用い、表1に示す成膜条件で
ガラス板上にシリコン膜を成膜した。実施例1と同様に
放電電圧は表2に示すように低く維持することができ
た、また放電状態を観察したところ異常放電は発生せ
ず、アーク放電プラズマは安定して維持された。得られ
たシリコン膜は、異物の付着、ピンホールおよびクラッ
クのないシリコン膜とすることができた。それらの膜の
欠点レベルは、実施例1で得たものと同じように、太陽
電池用の半導体膜として要求されるレベルを確保された
ものであった。
【0024】
【表2】 =================================== 膜組成 放電電圧 成膜速度 放電状態 (V) (nm/min) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 Si 83 67 ○ 実施例2 Si 75 70 ○ 実施例3 SiO 92 55 ○ 実施例4 SiN 99 44 ○ 実施例5 SiO 81 50 ○ 実施例6 SiC 89 52 ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例1 Si 170 72 × 比較例2 Si 122 40 ○ 比較例3 Si 139 60 × (放電電流大) 比較例4 SiO 168 58 × 比較例5 SiN 173 48 × 比較例6 SiC 177 57 × =================================== 注)放電状態を安定;○、不安定;×で示す。
【0025】実施例3 表1に示すように、蒸着材料として燐(P)を1ppm
含み通電可能な状態にしたシリコン金属を用い、反応性
ガスとして酸素を成膜室内に導入しながら二酸化珪素膜
を成膜した。成膜中に異常放電は発生せず、アーク放電
プラズマは安定して維持されていた。得られた二酸化珪
素膜は、異物の付着、ピンホールおよびクラックのない
膜とすることができた。また可視域で透明で光の吸収が
ほとんどない膜であった。
【0026】実施例4 表1に示すように、蒸着材料として燐を1ppm含み通
電可能な状態にしたシリコン金属を用い、反応性ガスと
して窒素を成膜室内に導入しながら窒化珪素膜を成膜し
た。成膜中に異常な放電は発生せず、アーク放電プラズ
マは安定して維持されていた。得られた窒化珪素膜は、
異物の付着やピンホールやクラックのない膜であった。
【0027】実施例5 表1に示すように、蒸着材料としてアルミニウム(A
l)を20ppm含み通電可能な状態にしたシリコン金
属を用い、反応性ガスとして酸素と窒素の混合ガスを成
膜室内に導入しながら珪素の酸窒化膜を成膜した。成膜
中に異常放電は発生せず、アーク放電プラズマは安定に
維持された。得られた珪素の酸窒化膜は、異物の付着や
ピンホールやクラックのない膜であった。
【0028】実施例6 表1に示すように、蒸着材料として硼素を5ppm含み
通電可能な状態にしたシリコン金属を用い、反応性ガス
としてメタンガスを成膜室内に導入しながら炭化珪素膜
を成膜した。成膜中に異常放電は発生せず、アーク放電
プラズマは安定して維持された。得られた炭化珪素膜
は、異物の付着やピンホールやクラックのない膜とする
ことができた。
【0029】比較例1 蒸着材料として表1に示すように、純粋なシリコン金属
(99.99%)を用い、ハース内に充填した。基板を
成膜室にセットして、真空排気ポンプによって0.00
27Pa以下の圧力に一旦排気し、ガラス板を200℃
まで加熱した。その後、実施例1と同じように放電ガス
及び全圧調整用ガスとしてアルゴンを成膜室内に導入
し、アーク放電プラズマ発生源に100Aの電流を供給
し、アーク放電プラズマを生起させた。このとき、放電
電圧は170Vと著しく高くなり、アーク放電プラズが
不安定になって、時折放電が維持できずプラズマが消滅
している様子が観察された。生起させた不安定な放電プ
ラズマを用いて100nmの厚みのシリコン膜をガラス
板上に成膜した。このときの成膜速度は72nm/mi
nと高いものであったが、放電の不安定さによってガラ
ス板内での膜厚が異なり、ガラス面内で膜厚分布が発生
していることが観察された。
【0030】比較例2 比較例1の放電の不安定さをなくすために、表1に示す
ように放電圧力を0.3Paに高めた。その他の条件は
比較例1と同様にしてアーク放電プラズマを生起させ
た。放電電圧が122Vに比較例1と比較して大きく低
下していた。しかし放電状態を観察したところアーク放
電プラズマは、比較例1とくらべると安定した放電状態
が得られた。こうして生起させたアーク放電プラズマの
もとで純粋なシリコン金属を用い100nmの厚みのシ
リコン膜をガラス板上に成膜した。このときの成膜速度
は40nm/minと比較例1と比較して著しく低下
し、いずれの実施例よりも成膜速度は低くなった。得ら
れたシリコン膜を二次イオン質量分析法(SIMS)を
用いて分析を行ったところ、膜中に含有されているAr
の二次イオン強度が10cpsであり、実施例1と
比較して膜中に不純物成分が多く含まれていることが確
認された。
【0031】比較例3 比較例2の成膜速度の低下をなくすために、アーク放電
プラズマ発生源に150Aの電力を供給し、その他の条
件は比較例2と同様にしてアーク放電プラズマを生起さ
せた。このとき、放電電圧は139Vと、比較例2とく
らべると高くなった。放電状態を観察したところアーク
放電プラズマが不安定になっており、時折放電が維持で
きず放電プラズマが消滅している様子が観察された。成
膜は連続して実施するのが困難な状態となった。成膜速
度は60nm/minであった。
【0032】比較例4〜比較例6 蒸着材料として、導電性にするためのドーパント(添加
物)を含まないシリコン金属を用い、反応ガスとして酸
素ガス、窒素ガス、メタンガスのそれぞれを用いて二酸
化珪素膜、窒化珪素膜、炭化珪素膜をガラス板上に成膜
した。実施例4〜実施例6に比較して放電電圧が高くな
った。放電状態を観察したところアーク放電プラズマが
不安定になっており、時折放電が維持できずプラズマが
消滅して連続して成膜を行うことが困難であった。この
ときの成膜速度を表2に示す。
【0033】以上の実施例および比較例から、本発明に
よれば安定して持続するアーク放電プラズマにより、シ
リコン膜、二酸化珪素膜、窒化珪素膜、珪素の酸窒化膜
を成膜することができることがわかる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、シリコン金属蒸着材料
にアーク放電プラズマを照射してシリコンまたはシリコ
ン化合物膜を基板上に成膜するのに、蒸着材料に導電性
のシリコン金属を用いるので、アーク放電プラズマを安
定して維持させることができる。これにより、シリコン
またはシリコン化合物膜を高速かつピンホールなどの欠
点を生じさせることなく成膜することができる。酸素、
窒素などの有機物ガスなどの反応性ガスを用いて成膜す
ることにより、反応的に二酸化珪素膜、窒化珪素膜、珪
素の酸窒化膜、炭化珪素膜などのシリコン化合物膜を基
板上に成膜することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施により得られる物品の一実施例の
断面図である。
【図2】本発明の実施に用いたイオンプレーティング装
置の一実施例の概略断面図である。
【符号の説明】
1:プラズマ発生用ガス 2:アーク放電プラズマ発生源 3:永久磁石 4:磁気コイル 5:プラズマ発生用直流電源 6:成膜室 7:ハース 8:永久磁石 9:排気口 10:反応性ガス 11:第1中間電極 12:第2中間電極 13:アーク放電プラズマ 14:大口径磁気コイル 15:基板 16:基板加熱機構 17:蒸着材料 18:イオンプレーティング装置 20:本発明により得られる物品 21:ガラス板 22:二酸化珪素膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻野 悦男 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA09 AA24 BA35 BA46 CA03 CA04 DD06 5F045 AA08 AA18 AB03 AB06 AB32 AB34 AC07 AC11 AC15 AF07 BB09 DP02 EB02 EH10 EH19 5F103 AA02 AA10 BB14 BB19 BB36 BB42 DD16 DD27 DD30 GG02 KK03 KK10 LL20 NN04 NN05 RR02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アーク放電プラズマ源を用いてシリコン金
    属蒸着材料を蒸発させることにより、シリコンまたはシ
    リコン化合物膜を成膜する方法において、前記シリコン
    金属に導電性のシリコン金属を用いることを特徴とする
    シリコンまたはシリコン化合物膜の成膜方法。
  2. 【請求項2】前記導電性のシリコン金属は、硼素、アル
    ミニウムおよびリンのいずれかから選択される一種類の
    金属が添加されて導電性とされていることを特徴とする
    請求項1に記載のシリコンまたはシリコン化合物膜の成
    膜方法。
  3. 【請求項3】前記選択される一種類の金属の含有量が
    0.1ppm以上100ppm以下であることを特徴と
    する請求項2に記載のシリコンまたはシリコン化合物膜
    の成膜方法。
  4. 【請求項4】前記シリコン化合物膜が二酸化珪素膜、窒
    化珪素膜、珪素の酸窒化膜、炭化珪素膜のいずれかであ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシ
    リコンまたはシリコン化合物膜の成膜方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかのシリコンまたは
    シリコン化合物膜の成膜方法に得られるシリコンまたは
    シリコン化合物膜。
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