JP2001089715A - 床用処理剤 - Google Patents

床用処理剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 床用のつや出しないし洗浄剤において、光沢
を損なうことなく耐傷性に優れた床用処理剤を提供す
る。 【解決手段】 (a)アクリル系樹脂3〜25重量%お
よび(b)アミノ変性シリコーンを0.01〜0.5重
量%含有する床用処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クッションフロア
等の合成樹脂系床材、またはフローリング等の木質系床
に対し、光沢や濃色化を呈し、防護性を有する床用処理
剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】家屋の
床材には、木質系および合成樹脂系の床材が多く使われ
ている。これら床材の保護つや出しに関しては、スチレ
ン−アクリル共重合体ラテックス等をベースとした樹脂
ポリマーなどが使用されている。しかしながら、これら
の床用つや出し剤は使用する前に使用場所の汚れを取り
除く作業をしなくてはならなかった。そこで、本出願人
は以前、特開平5−32939号公報及び特開平5−3
2940号公報において、界面活性剤、シリコーンオイ
ル、グリコール系溶剤を用いることにより床用つや出し
剤に洗浄力を付与し、一度の拭き掃除で汚れを落とし、
つや出しも行うことを特徴とする床用つや出し洗浄剤を
開発するに至った。しかしながら、現在主流であるフロ
ーリングは、特殊加工してある物を除き、木の質感を生
かし、表面に木目を残した塗装を施した物が多く、その
結果、維管束等の木質の孔が塗装によって完全に閉塞し
ていない状態の物が多い。この様なフローリングでは、
床用ワックス等を用いて表面に保護層を形成しても、水
分のフローリング基材への侵入を防止することが出来
ず、しばしば水分によるフローリング基材表面のひび割
れ等を招く場合がある。本発明者らは、フローリング表
面の微細な孔からの水分の侵入を最低限に抑える為に
は、保護層に撥水性を付与し、水との接触角を増大せし
めることが有効で有ることを見出した。さらに、保護層
に撥水性の付与することにより、特に飲みこぼし等に起
因する水性汚れ成分の除去性が向上し、防汚性の点にお
いても有効であることを見出した。本発明の課題は、処
理後の床表面のべたつきのなく、仕上がり性に優れ、か
つ水分によるフローリング基剤表面のひび割れを十分抑
制することができる撥水性と同時に、防汚性を付与させ
る床用処理剤の提供である。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)アクリ
ル系樹脂3〜25重量%および(b)アミノ変性シリコ
ーンを0.01〜0.5重量%含有する床用処理剤に関
する。
【0004】
【発明の実施の形態】(a)成分である樹脂が水中に分
散したエマルジョンであり、(a)成分としては、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸2エチルヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキ
シル、メタクリル酸、アクリルアミド、ジメチルアクリ
ルアミド及びアクリル酸から選ばれるアクリル系モノマ
ーから生成されるホモポリマー又はコポリマーや、前記
アクリル系モノマーとその他モノマーとして、スチレ
ン、ビニルトルエン、イタコン酸、クロトン酸、フマル
酸、マレイン酸のモノマー群から選ばれるモノマーとの
コポリマーから選ばれる一種以上の水不溶性の樹脂等が
例示され、より好ましくは(i)スチレンと(ii)メタ
クリレート、アクリレート、メタクリル酸およびアクリ
ル酸から選ばれる一種以上とのコポリマーが例示され
る。これらアクリル系樹脂は乳化重合により合成するこ
とができ、またアクリル系樹脂エマルジョンとして市販
されているものを使用することができる。アクリル系樹
脂は、且つ充分な保護性を得る為に床用処理剤中に、3
〜25重量%、好ましくは4〜8重量%含有される。な
お、床用処理剤の調製時には、乳化重合後のエマルジョ
ンの形態で配合することが好ましく、配合量は有効量
(Active)より求められる。
【0005】本発明の床用処理剤に(b)成分として配
合されるアミノ変性シリコーンは、ポリシロキサンの側
鎖または末端に、有機基として−RNH2 および/また
は−RNHR' NH2 を導入したものであり(ここで、
R、R' は炭素数が1〜6、好ましくは2〜3のアルキ
ル基である)、側鎖だけであっても末端だけであって
も、その両方であっても構わない。末端については、片
末端であっても、両末端であっても構わない。好ましく
は側鎖に−RNHR' NH2 が導入されたものである。
アミノ変性シリコーンの粘度、アミン当量については、
好ましくは動粘度が100 〜4,000 mm2 /sの範囲にあ
り、アミン当量が2,000 〜15,000のものである。また、
アミノ変性シリコーンには水酸基が導入されていること
が好ましい。さらに好ましくは水酸基当量が、3,000 〜
30,000のものである。なお、アミノ変性シリコーンは、
エマルジョンとして配合に用いるのが工程上容易であり
好ましい。アミノ変性シリコーンエマルジョンは一般に
市販されているものを使用することができる。市販品と
しては、信越化学工業(株)製のアミノ変性シリコーン
オイルKF-860、あるいはアミノ変性シリコーンオイルエ
マルジョンPolon MF-52 等が挙げられる。アミノ変性シ
リコーンは床用処理剤中に0.01〜0.5重量%、好
ましくは0.01〜0.05重量%含有される。なお、
エマルジョンの形態で配合する場合の配合量は有効量
(Active)より求められる。これらアミノ変性シリコー
ンを配合した床用処理剤で処理することにより、フロー
リングの表面にひび割れを生じないための十分な耐水性
を付与することができるだけでなく、防汚性を付与し、
さらにべたつき感のない、好適な仕上がりを得ることが
できる。
【0006】本発明の床用処理剤には、処理後の滑りを
抑制するために、(a)及び(b)成分に加えて、ポリ
プロピレンワックス又はその誘導体を配合することが好
ましい。ポリプロピレンワックスは、一般のプロピレン
の重合によって得る方法、一般成形用の容器等に使用さ
れるポリプロピレンを熱分解して得る方法、一般成形用
の容器等に使用されるポリプロピレンの製造時に副生成
される低分子量のポリプロピレンを分離生成する方法等
により入手可能である。ポリプロピレンワックスの誘導
体としては、ポリプロピレンワックス骨格にカルボキシ
ル基や水酸基等を付与した酸化ポリプロピレンワックス
の他に、マレイン酸変性、フマル酸変性、イタコン酸変
性、又はスチレン変性等の変性体が挙げられる。本発明
では、ポリプロピレンワックス及び/又はマレイン酸変
性ポリプロピレンワックスが好ましい。これらのポリプ
ロピレンワックス又はその誘導体は、市販のものを使用
することができる。ポリプロピレンワックス又はその誘
導体は床用処理剤中に0.1〜5.0重量%含有するこ
とが好ましい。尚、ポリプロピレンワックス又はその誘
導体を乳化剤等を用いてエマルジョンとして配合する場
合、その配合量はエマルジョン中の有効量(Active)に
より求めることができる。
【0007】本発明に配合可能なその他成分として、界
面活性剤が挙げられる。本発明では特に非イオン界面活
性剤が好ましい。界面活性剤は床用処理剤中に0.1〜
1.0重量%含有することが好ましい。
【0008】本発明の床用処理剤のpHは、洗浄性の点
から8.0〜10.0が好ましく、アルカリ剤で調整さ
れることが好ましい。アルカリ剤としては、水酸化ナト
リウム等の無機系のアルカリ剤の他に、アルカノールア
ミンなどの有機性アルカリ剤を用いることが好ましい。
本発明ではアルカリ剤として、アルカノールアミンを配
合することが好ましく、特に、モノエタノールアミン、
モノメチルモノエタノールアミンが最も好ましい。アル
カリ剤は床用処理剤中0.1〜5.0重量%含有するこ
とが好ましい。
【0009】本発明の床用処理剤には、更に一般式
(1)で示されるグリコール系溶剤のうち、20℃にお
ける蒸気圧が200Pa以下のものを、床用処理剤中に
0.5〜15.0重量%、好ましくは1.0〜5.0重
量%配合することが好ましい。 RO(C2H4O)x(C3H6O)yR' (1) 〔ここで、R, R' はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜7
のアルキル基を表し、R,R' が同時に水素原子であるこ
とはない。x, yは0≦x ≦5,0≦y ≦3の平均値であ
って、x, yが同時に0であることはない。〕本発明で
は、特にこれらグリコール系溶剤のうち、R が炭素数1
〜4のアルキル基、 R' が水素原子、xが2または3で
あり、且つyが0のものが好ましく、特にジエチレング
リコールモノエチルエーテルが最も好ましい。
【0010】本発明の床用処理剤には、下記の界面活性
剤、(b)成分以外のシリコーン、アルカリ剤等を配合
することが好ましい。その他の成分として、まず、界面
活性剤が挙げられる。本発明では特に非イオン界面活性
剤が好ましい。界面活性剤は床用処理剤中に0.1〜
1.0重量%含有することが好ましい。また、光沢をよ
くするために、(b)成分以外の特開平5−32939
号公報記載のようなシリコーンオイル、エーテル変性シ
リコーン等を配合してもよい。本発明の床用処理剤のp
Hは、洗浄性の点から8.0〜10.0が好ましく、ア
ルカリ剤としては、水酸化ナトリウム等の無機系のアル
カリ剤の他に、アルカノールアミンなどの有機性アルカ
リ剤を用いることが好ましい。本発明ではアルカリ剤と
して、アルカノールアミンを配合することが好ましく、
特に、モノエタノールアミン、モノメチルモノエタノー
ルアミンが最も好ましい。アルカリ剤は床用処理剤中
0.1〜5.0重量%含有することが好ましい。
【0011】その他の成分として、ポリプロピレンワッ
クス又はその誘導体以外のワックス類、エタノール、プ
ロパノール等の水溶性のアルコール類、香料、色素また
は抗菌・抗カビ剤を配合してもよい。本発明の床用処理
剤の残部は水であり、床用処理剤中に70〜95重量%
含まれる。
【0012】本発明の床用処理剤は、そのまま、床に塗
布した後、乾燥した雑巾や、モップ、また特開平9−1
31288号公報及び特開平9−253017号公報記
載の「モップ状清掃具に装着して用いる取り替え式の清
掃シート」を用いて塗り伸ばす方法で使用することがで
き、特に、床用処理剤をスプレー式トリガー付き容器に
充填し、床に吹き付けて拭き伸ばす方法が好ましい。
【0013】
【実施例】実施例1〜4、比較例1〜4 <床用処理剤の調製>表1に示す床用処理剤を調製し
た。なお、成分の詳細は下記に記載した通りである。 ・配合成分 アクリル系樹脂エマルジョン1:ローム&ハース社製の
ポリアクリル系樹脂エマルジョン NT−2624(有
効分38.0%) アクリル系樹脂エマルジョン2:メタクリル酸20%、ス
チレン3%、アクリル酸エチル30%、メタクリル酸メチ
ル47%を用いて乳化重合法により得られたアクリル系/
スチレン共重合体樹脂エマルジョン(有効分35.0
%) グリコール系溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル(20℃における蒸気圧17Pa) 界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ア
ルキル基の炭素数が12〜14の2級アルコールに、エチレ
ンオキサイドを平均7モル付加させたもの) ポリプロピレンワックスエマルジョン:P−5060
(東邦化学工業(株)製、(有効分40%)) アミノ変性シリコーンエマルジョン:KF860(信越
化学工業(株)製、動粘度250mm2 /s、アミン当量
7600)31重量部に対し、エマルゲン106P(ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル、HLB=10.
6、花王(株)製)1重量部と水68重量部を加え、ホ
モジナイザーにて乳化分散したもの アルカリ剤:モノエタノールアミン 抗菌・抗カビ剤:プロキセルBDN(ゼネカ社製) <評価方法> ・耐水性の評価 住友化学工業株式会社製アクリル板スミペックスE
(黒)を5cm角に切り出したものを試験片とした。こ
れに配合液100マイクロリットルを滴下し、拭き延ば
したものを1昼夜乾燥させたものについて、イオン交換
水を6マイクロリットル滴下し、接触角の測定を行っ
た。接触角が大きいほど撥水性に優れるため、びび割れ
を抑制し、汚れのこびりつきを防ぐことができる。
【0014】・べたつき性の評価 3.3平方メートルの市販フローリング床板に、5g/
平方メートルの割合で12時間おきの調製液塗布を雑巾
にて6回繰り返したものについて、28℃、湿度60%
の環境のもと、10人のパネラーが塩化ビニル底材を有
するスリッパで歩行した場合について、下記基準で官能
評価を行い、平均値を求めた。市販フローリング床板に
は、天然ナラ材を表面化粧板として、木質合板と共に複
合フローリング材とした松下電工製フローリングKEC
625を用いた。パネラーは、25〜46歳の男性6
人、24〜34歳の女性4人により構成した。 5:手、素足を強く密着させた後もべたつきを感じない 4:歩く時にべたつきを感じない 3:歩く時にややべたつきを感じる 2:歩く時にべたつきを感じる 1:歩く時に、床面とスリッパの間に強い粘着感を感
じ、床面とスリッパが離際に音がする ・滑り性の評価 3.3平方メートルの松下電工製フローリングKEC6
25に、5g/平方メートルの割合で調製液を塗布し、
12時間乾燥させた。次いで、上記べたつき性の評価と
同じパネラー10人が、床を木綿靴下をはいて歩行した
場合について下記基準で官能評価を行い、平均値を求め
た。 5:つまづく程度に滑りにくい 4:ややひっかかりを感じる程度に滑りにくい 3:普通 2:やや滑りを感じるが、危険な程度ではない 1:危険を感じる程度に滑る ・光沢増分の測定 光沢増分は、スガ試験機株式会社製デジタル変角光沢計
UGV−5D型を用い、入射角と受光角をそれぞれ60°
に設定して、松下電工製フローリングKEC625に対
して、塗布前と、調製液の塗布と乾燥を3回繰り返した
後の光沢の差を求めることによって得た。
【0015】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アクリル系樹脂3〜25重量%お
    よび(b)アミノ変性シリコーンを0.01〜0.5重
    量%含有する床用処理剤。
  2. 【請求項2】 さらにポリプロピレンワックス又はその
    誘導体を0.1〜5.0重量%含有する請求項1記載の
    床用処理剤
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