JP2001089516A - 石油樹脂及びその製造方法 - Google Patents

石油樹脂及びその製造方法

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JP2001089516A JP26889299A JP26889299A JP2001089516A JP 2001089516 A JP2001089516 A JP 2001089516A JP 26889299 A JP26889299 A JP 26889299A JP 26889299 A JP26889299 A JP 26889299A JP 2001089516 A JP2001089516 A JP 2001089516A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の石油樹脂に比べて臭気が低減し、特にア
スファルト舗装用途、粘着剤用途における各々の加工性
及び性能に優れた石油樹脂を提供する。 【解決手段】JIS K−2207(1991)に従っ
て測定した軟化点が50〜200℃、ポリスチレンを標
準物質としゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した
重量平均分子量が500〜5000であり、かつその
5.0gを内径5cmの平底容器に入れ250℃で1時
間加熱溶融した際の重量減少率が3%以下の石油樹脂を
製造し、用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な石油樹脂及
びその製造方法に関する。更に詳しくは、従来の石油樹
脂に比べて臭気が低減し、特にアスファルト舗装用途、
粘着剤用途における各々の加工性及び性能に優れた石油
樹脂及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石油類の分解あるいは精製の際に得られ
る各種留分を原料油として得られる炭化水素樹脂は、一
般に石油樹脂と呼ばれている。この石油樹脂は、各種の
溶媒や樹脂等、他の物質との相溶性に優れている。また
石油樹脂は、粘着性、接着性、耐水性、耐薬品性、電気
絶縁性に優れている。このような特長により、石油樹脂
は、接着剤、粘着剤、インキ、アスファルト等、各産業
分野で幅広く利用されている。
【0003】アスファルト舗装用途においては、例えば
アスファルトとスチレン・ブタジエン・スチレン・ブロ
ック共重合体(以下、SBSという)等ゴム系物質など
を配合ベースとする混合物に、改質剤として石油樹脂が
添加される。また、粘着テープ用途においては、例えば
天然ゴム、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック
共重合体(以下、SISという)、SBS等のゴム系物
質に粘着付与剤として石油樹脂が配合されている。
【0004】しかしながら、従来の石油樹脂は、改質ア
スファルトの場合においては、舗装道路の轍掘れ性の指
標となる60℃針入度を改良(低減)するためには樹脂
の軟化点や分子量を過剰に高くしなければならず、そう
した場合にはアスファルトやゴム等との相溶性が低下し
て改質に必要な混練が長時間となり、生産性を低下させ
るという課題を有していた。また改質時の臭気低減も課
題となっていた。
【0005】また粘着剤用途の場合における従来の石油
樹脂は、耐熱接着性を改良するためには樹脂の軟化点や
分子量を過剰に高くしなければならず、そうした場合に
はゴム等との相溶性が低下して塗工(コーティング)性
が劣るという課題を有していた。また塗工(コーティン
グ)時の臭気低減も課題となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の石油
樹脂に比べて臭気が低減し、特にアスファルト舗装用
途、粘着剤用途における各々の加工性及び性能に優れた
石油樹脂を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく石油樹脂について鋭意検討した結果、本発
明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、JIS K−220
7(1991)に従って測定した軟化点が50〜200
℃、ポリスチレンを標準物質としゲル浸透クロマトグラ
フィーにより測定した重量平均分子量が500〜500
0であり、かつその5.0gを内径5cmの平底容器に
入れ250℃で1時間加熱溶融した際の重量減少率が3
%以下であることを特徴とする石油樹脂に関するもので
ある。
【0009】係る石油樹脂は、改質アスファルトでの轍
掘れ性改良と同時に改質時間の短縮化を可能とするもの
である。また粘着剤での耐熱接着性改良と同時に良好な
塗工(コーティング)性を可能とするものである。
【0010】係る石油樹脂を製造するより好ましい方法
として、−20℃〜280℃の沸点範囲を有する、石油
類の分解あるいは精製の際に得られる各種の不飽和炭化
水素を含有する原料油を、重合反応させる石油樹脂の製
造工程において、樹脂回収工程に際し、有機溶媒を更に
添加して未反応原料油及び/又は有機溶媒を蒸留するこ
とを特徴とする製造方法が挙げられる。
【0011】以下、その詳細について説明する。
【0012】本発明の石油樹脂は、JIS K−220
7(1991)に従って測定した軟化点が50〜200
℃、ポリスチレンを標準物質としゲル浸透クロマトグラ
フィーにより測定した重量平均分子量が500〜500
0であり、かつその5.0gを内径5cmの平底容器に
入れ250℃で1時間加熱溶融した際の重量減少率が3
%以下であることを特徴とする石油樹脂である。
【0013】石油樹脂の軟化点が50℃より低い場合、
又は重量平均分子量が500より小さい場合、特にアス
ファルト舗装用途での轍掘れ改良効果が小さく好ましく
ない。また石油樹脂の軟化点が200℃より高い場合、
又は重量平均分子量が5000より大きい場合、特に粘
着剤用途での相溶性が低下するため好ましくない。
【0014】その5.0gを内径5cmの平底容器に入
れ250℃で1時間加熱溶融した際の重量減少率が3%
を越える石油樹脂は、従来の石油樹脂に比べて臭気の低
減効果が小さく、特にアスファルト舗装用途及び粘着剤
用途における各々の加工性及び性能における改良効果が
小さいため、好ましくない。
【0015】石油樹脂の重量減少率を測定する具体的な
方法としては、例えば5.0gの石油樹脂を内径5cm
の平底皿に入れ、250℃で1時間ギヤオーブン中に静
置する方法が挙げられる。250℃下での石油樹脂は溶
融して低粘度の液体状になっているため、ギヤオーブン
中の換気流量は溶融石油樹脂の液面を乱さない程度に調
節することが好ましい。石油樹脂を入れる容器は、25
0℃での加熱処理に耐え重量変化の無いものであれば材
質に制限はないが、例えばアルミニウム箔製の平底円形
カップ等が使用できる。ここで比表面積が変化すると樹
脂重量減少率も変化してしまうため、重量減少率の測定
においては上記の条件にそろえることが必要である。
【0016】さらに本発明の石油樹脂は、その40重量
%テトラヒドロフラン溶液(n−トリデカンを0.6重
量%含む)を水素炎イオン化検出器ガスクロマトグラフ
で分析した際の検出ピーク面積の比率が次式を満足する
ことを特徴とする石油樹脂が好ましい。
【0017】(石油樹脂由来の検出ピーク面積の合計)
/(n−トリデカン検出ピーク面積)≦0.20 ガスクロマトグラフ分析による上式の検出ピーク面積の
比率は、臭気の低減効果、アスファルト舗装用途及び粘
着剤用途における各々の加工性及び性能改良効果等を考
慮すると、0.20以下が好ましい。
【0018】ガスクロマトグラフ(GC)分析での具体
的な測定条件については、例えば検出部は水素炎イオン
化検出器(FID)、インジェクション部及びディテク
ター部を250℃設定とし、液相ジメチルシリコン(O
V−1)のキャピラリーカラム(内径0.32mm、長
さ60m)を使用、キャリアーの窒素ガス圧を250k
Pa、初期カラム温度50℃で樹脂溶液0.2μlを注
入して分析開始、50℃で3minホールド、10℃/
minでカラム昇温、250℃で10minホールド、
終了といった条件で分析可能である。ここで内部標準と
するn−トリデカンの沸点が約230℃であるため、カ
ラム温度は最終的に230℃以上に昇温される設定でG
C分析を行うことが好ましい。また検出ピーク感度の設
定は、n−トリデカンの検出ピークがチャート上で振り
切れない程度に設定することが好ましい。
【0019】分析機器として、例えばFID検出の
(株)島津製作所製ガスクロマトグラフGC−14Bが
使用できる。また検出ピークの出力機器として、例えば
(株)島津製作所製クロマトパック C−R6Aが使用
できる。
【0020】本発明の石油樹脂の原料油は、通例の石油
類の熱分解あるいは精製の際に得られる沸点範囲の留分
である。この留分は、大きく2種類に分けられ、炭素原
子数5を主成分とする留分と炭素原子数9を主成分とす
る留分からなる。
【0021】炭素原子数5を主成分とする留分として
は、例えばペンタン、1−ペンテン、2−ペンテン、メ
チルブテン、ペンタジエン、イソプレン、シクロペンタ
ン、シクロペンテン、シクロペンタジエン等の炭化水素
化合物が含まれる。
【0022】また、炭素原子数9を主成分とする留分と
しては、例えばスチレン、α,β−メチルスチレン、エ
チルベンゼン、プロピルベンゼン、トリメチルベンゼ
ン、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン、ジシ
クロペンタジエン、ナフタレン等の炭化水素化合物が含
まれる。
【0023】これらの炭化水素類は、それぞれ単独で
も、あるいは2種以上の混合物としても用いることがで
きる。
【0024】以上の炭化水素類の中で、アスファルト舗
装用途としては、改質速度や針入度の改良効果がより大
きい石油樹脂を得られやすい点から、炭素原子数9を主
成分とする不飽和炭化水素留分が好ましい。特に好まし
くは、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン等が
挙げられる。
【0025】また粘着剤用途としては、相溶性や耐熱接
着性の改良効果がより大きい石油樹脂を得られやすい点
から、炭素原子数5を主成分とする不飽和炭化水素留分
あるいは炭素原子数5の主成分と炭素原子数9の主成分
との混合の不飽和炭化水素留分が挙げられる。
【0026】本発明の石油樹脂の重合に用いる触媒とし
ては、一般的にフリーデルクラフツ型触媒が使用でき
る。フリーデルクラフツ型触媒としては、例えば三塩化
アルミニウム、三臭化アルミニウム、三沸化硼素あるい
はその錯体等が挙げられる。特に三沸化硼素の錯体が好
ましく、例えばエチルエーテル、フェノール、ブチルエ
ーテル、ブチルアルコール、メチルアルコール等との錯
体が挙げられる。
【0027】以上の各重合触媒の使用量は、触媒の種
類、原料油留分の組み合わせ、重合温度、重合時間など
によっても異なるが、一般に単量体である不飽和炭化水
素類100重量部に対して、約0.01〜10重量(w
t)%の範囲が選択できる。
【0028】重合溶媒は、原料油留分に含まれる飽和炭
化水素類、例えばペンタン、シクロペンタン、エチルベ
ンゼン、プロピルベンゼン、トリメチルベンゼンなど
を、そのまま重合溶媒として用いることができる。
【0029】重合温度としては一般に約−30〜150
℃の範囲が選択でき、また重合時間としては一般に約
0.1〜10時間の範囲が選択できる。
【0030】本発明の石油樹脂のより好ましい製造方法
として、上記の原料油と触媒による重合の後、アルカリ
性水溶液等により洗浄され、その後の樹脂回収工程に際
し、有機溶媒を更に添加して未反応原料油及び/又は有
機溶媒を蒸留する方法が挙げられる。さらに好ましく
は、樹脂回収工程に際し、未反応原料油を蒸留して石油
樹脂を回収した後に有機溶媒を添加して樹脂を溶解して
から有機溶媒を蒸留(再蒸留)する方法が挙げられる。
【0031】ここで添加する有機溶媒は、例えばペンタ
ン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカ
ン、トリデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼン、プロピルベンゼン、トリメチルベンゼン、
クメン、ブチルベンゼン、ジプロピルベンゼン、1,4
−ジオキサン、テトラヒドロフラン、フルフラール、ブ
チルグリシジルエーテル、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ケロシンなどの他、
混合溶媒である石油系の各種炭化水素溶剤や各種潤滑油
等が挙げられる。これら有機溶媒を単品でも、あるいは
2種以上の混合物としても、いずれの場合でも用いるこ
とができる。列挙した有機溶媒の中では、テトラヒドロ
フランや石油系炭化水素溶剤など、比較的沸点の低い溶
媒の方が再蒸留に要する熱量や時間を低減できるため好
ましい。
【0032】有機溶媒の添加量は特に制限されないが、
溶解物が均一となりやすく蒸留に要する時間が長くなり
すぎない点から、得られる石油樹脂100重量部に対し
1重量部〜200重量部の添加量が好ましい。
【0033】蒸留及び再蒸留の温度は、添加する有機溶
媒の種類にもよるが、減圧蒸留でない場合は溶媒が残留
しにくく樹脂が熱劣化を受けにくい150℃〜350℃
の範囲が好ましく、より好ましくは、200℃〜300
℃の範囲である。また減圧蒸留の場合は、溶媒の種類や
減圧の程度に従い蒸留温度を低減することができる。
【0034】蒸留及び再蒸留の時間は、得られる石油樹
脂の種類や量、有機溶媒の種類や添加量にもよるが、溶
媒が残留しにくく樹脂が熱劣化を受けにくい0.5時間
〜10時間の範囲が好ましく、より好ましくは、1〜5
時間の範囲である。
【0035】
【実施例】以下に実施例及び比較例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。なお、樹脂の評価方法は以下の方法に
よって行った。
【0036】(1)軟化点 JIS K−2207(1991)に従って、環球法で
測定した。
【0037】(2)分子量 GPCにより、標準ポリスチレンサンプルを基準物質に
用いて測定した。
【0038】(機種:東ソー(株)製HLC−802
0) (3)改質アスファルト物性評価 ・改質条件 ストレートアスファルト 60/80 80重量% SBS 10重量% 石油樹脂 10重量% この配合物の改質には、特殊機化工業(株)製T.K.
ホモミクサーM型を用い、温度190℃、回転数800
0rpmで15min撹拌を行った。
【0039】光学顕微鏡により改質途中サンプルのモル
フォロジー観察を行い、撹拌開始から相転換が起こるま
でに要する時間を計測し、これを改質時間とした。
【0040】改質時のサンプル臭気を、人の臭覚による
試験(官能試験)により、○(良好)、△(やや不
良)、×(不良)の三段階で評価した。
【0041】・60℃針入度 JIS K−2207(1991)に準拠して、60℃
での針入度を測定した。
【0042】・60℃弾性率 (株)レオロジ製DVEレオスペクトラーDVE−V4
を用い、周波数10Hzで測定した動的弾性率を用い
た。
【0043】 (4)粘着テープ物性評価 ・粘着剤配合と相溶性 天然ゴム(Rss1号 ML1+4(100℃):70) 100重量部 石油樹脂 100重量部 ナフテン系オイル(NS−24) 20重量部 老化防止剤(Irganox1010) 2重量部 トルエン 888重量部 この配合物の相溶性を目視で観察し、より均一な状態か
ら順に、○(良好)、△(やや不良)、×(不良)の三
段階として評価した。
【0044】・粘着テープの調製と塗工(コーティン
グ)性 基材;背面シリコン処理クラフト紙 塗工(コーティング);ドクターブレード20μm 乾燥;60℃、30min 粘着テープの調製時の塗工(コーティング)性を目視で
観察し、塗工(コーティング)膜がより均一でムラのな
い状態から順に、○(良好)、△(やや不良)、×(不
良)の三段階で評価した。さらに塗工(コーティング)
時の臭気を、人の臭覚による試験(官能試験)により、
○(良好)、△(やや不良)、×(不良)の三段階で評
価した。また乾燥後の粘着テープは、23℃、55%R
H環境下で24時間以上状態調節を行った後、接着性評
価に供した。
【0045】・耐熱接着性評価 ステンレス板に対し、接着面積が6.25cm2(2.
5cm×2.5cm)となるよう、圧着荷重2kgにて
粘着テープを接着させる。ステンレス板と粘着テープを
水平面に対して垂直方向となるよう、またステンレス板
が上で粘着テープが下にくるよう、ステンレス板を固定
する。下方の粘着テープの非接着部分に1kgの荷重を
かける。(接着面に引張剪断力がはたらく方向に荷重を
かける。) 荷重をかけたら直ちに環境温度60℃の雰囲気下にサン
プル全体を入れ(時間計測開始)、粘着テープがステン
レス板からずり落ちるまでの時間を計測する。落下する
までの時間が長いほど、耐熱性が良好である。
【0046】実施例1 石油類の熱分解により得られる分解油留分のうち140
〜260℃の沸点範囲を有する留分100重量部に、フ
リーデルクラフツ型触媒として三沸化硼素フェノール錯
体を0.6wt%、連鎖移動剤としてフェノールを2.
0wt%加えて40℃で3時間重合した後、苛性ソーダ
水溶液で触媒を除去し、油相の未反応油を蒸留して樹脂
(A)を得た。
【0047】樹脂(A)100重量部に混合(o−,m
−,p−)キシレン40重量部を室温で加えて溶解し、
200℃で1時間、再度蒸留を行い、混合キシレンを留
去して樹脂(B)を得た。樹脂(B)の軟化点は155
℃、重量平均分子量(Mw)は1450であった。
【0048】樹脂(B)5.00gを内径5.0cmの
平底アルミカップに入れ、内温250℃に調整したギヤ
オーブン中に静置した。加熱1時間後に樹脂をオーブン
から取り出し、樹脂重量を測定したところ4.94gに
減少しており、樹脂の重量減少率は1.2%であった。
【0049】n−トリデカンを1重量%含むテトラヒド
ロフラン(以下、THFと記す)6gに樹脂(B)4g
を溶解させ試料とした(n−トリデカン含有量は試料溶
液の0.6重量%)。液相ジメチルシリコン(OV−
1)のキャピラリーカラム(内径0.32mm、長さ6
0m)を取り付けたFID検出の(株)島津製作所製ガ
スクロマトグラフ GC−14Bにおいて、キャリアー
である窒素ガス圧を250KPa、インジェクション部
及びディテクター部を250℃設定、試料注入量0.2
μl、試料注入後のカラム温度設定を50℃×3min
ホールド、10℃/minで昇温、250℃×10mi
nホールドという条件で測定を行った。測定記録は
(株)島津製作所製クロマトパック C−R6Aを用い
て検出ピーク面積の算出を行った。この測定結果におい
て、石油樹脂由来の検出ピーク面積は、溶媒であるTH
Fと内部標準であるn−トリデカンの各検出ピーク面積
以外のすべての検出ピーク面積の合計とした。その結
果、(石油樹脂由来の検出ピーク面積の合計)/(n−
トリデカン検出ピーク面積)=0.08であった。
【0050】25℃での針入度が65℃であるストレー
トアスファルトを80重量(wt)%、エニケム(株)
製SBS T−6302を10wt%、実施例1の石油
樹脂(B)10wt%からなる混合物を原料として、前
記の改質アスファルト物性評価の記載にしたがって各種
の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0051】
【表1】
【0052】実施例2 実施例1における樹脂(A)100重量部に、石油系炭
化水素溶剤である日本石油(株)製ミネラルスピリット
40重量部を室温で加えて溶解し、240℃で1時間、
再度蒸留を行い、ミネラルスピリットを留去して樹脂
(C)を得た。樹脂(C)の評価は実施例1の樹脂
(B)と同様に行い、その結果を表1に示した。
【0053】実施例3 実施例1における樹脂(A)100重量部に、石油系炭
化水素溶剤である日本石油(株)製ミネラルスピリット
40重量部を室温で加えて溶解し、200℃で1時間、
再度蒸留を行い、ミネラルスピリットを留去して樹脂
(D)を得た。樹脂(D)の評価は実施例1の樹脂
(B)と同様に行い、その結果を表1に示した。
【0054】実施例4 実施例1における樹脂(A)100重量部に、3種の異
性体(0−,m−,p−)が混合したジ−isoプロピ
ルベンゼン40重量部を室温で加えて溶解し、240℃
で1時間、再度蒸留を行い、ジ−isoプロピルベンゼ
ンを留去して樹脂(E)を得た。樹脂(E)の評価は実
施例1の樹脂(B)と同様に行い、その結果を表1に示
した。
【0055】比較例1 樹脂(A)の軟化点は150℃、重量平均分子量(M
w)は1420であった。樹脂(A)を実施例1の樹脂
(B)と同様に評価し、その結果を表1に示した。
【0056】比較例2 石油類の熱分解により得られる分解油留分のうち160
〜280℃の沸点範囲を有する留分100重量部を原料
油として用いた以外は、実施例1の樹脂(A)と同様に
して重合、洗浄、蒸留を行い、樹脂(F)を得た。樹脂
(F)の評価は実施例1の樹脂(B)と同様に行い、そ
の結果を表1に示した。
【0057】比較例3 石油類の熱分解により得られる分解油留分のうち140
〜220℃の沸点範囲を有する留分100重量部に、フ
リーデルクラフツ型触媒として三沸化硼素フェノール錯
体を0.5wt%、連鎖移動剤としてフェノールを2.
5wt%加えて70℃で3時間重合した後、苛性ソーダ
水溶液で触媒を除去して芳香族系石油樹脂(G)を得
た。樹脂(G)の評価は実施例1の樹脂(B)と同様に
行い、その結果を表1に示した。
【0058】また、樹脂(G)の低分子量体含有率は
0.33%であった。ここで、低分子量体とは、GPC
により測定した石油樹脂各成分のうち分子量140以下
のすべての化合物とし、低分子量体含有率については、
次のように定義した。
【0059】 低分子量体含有率(%)=a/b×100% a;GPCにより測定した石油樹脂各種成分のうち分子
量140以下の全ての化合物の総面積。
【0060】b;GPCにより測定した石油樹脂各種成
分の総面積。
【0061】以上の実施例1〜実施例4に示された石油
樹脂(B)、(C)、(D)、(E)は、いずれも重量
変化率が3%以下であり、かつGCピーク面積比が0.
20以下である、本発明の石油樹脂である。
【0062】一方、比較例1〜比較例3に示された石油
樹脂(A)、(F)、(G)は、いずれも重量変化率が
3%を越え、かつGCピーク面積比が0.20を越えて
いる、従来の石油樹脂である。
【0063】本発明の石油樹脂を用いることにより得ら
れる改質アスファルトは、比較例に比べていずれも改質
時間が短時間ですみ、生産性の向上が図れるものであ
る。また、比較例に比べていずれも改質時臭気が少な
く、環境への影響を低減した改質アスファルトを提供す
ることができる。さらに、比較例に比べていずれも60
℃針入度値が小さく60℃弾性率が大きく、耐熱性の改
良された轍掘れの起こりにくい改質アスファルトを提供
することができるものである。
【0064】実施例5 石油類の熱分解により得られる分解油留分のうち、炭素
原子数5及び炭素原子数9を主成分とする各分解油留分
を1/3の重量比で混合した原料油100重量部に、フ
ェノ−ル2重量部を加えて、三沸化硼素フェノールを
0.6重量部加えて40℃で2時間撹拌した後、苛性ソ
ーダ水溶液で洗浄し、油相の未反応油を蒸留して樹脂
(H)を得た。
【0065】樹脂(H)100重量部にTHF40重量
部を室温で加えて溶解し、160℃で1時間、再度蒸留
を行い、THFを留去して樹脂(I)を得た。樹脂
(I)の加熱重量減少率は1.9%、GCピーク面積比
は0.14であった。
【0066】天然ゴム(Rss1号 ML1+4(100
℃):70)を100重量部、樹脂(I)を100重量
部、ナフテン系オイル NS−24を20重量部、老化
防止剤Irganox1010を2重量部、トルエン8
88重量部からなる混合物を原料として、前記の粘着テ
ープ物性評価の記載にしたがって各種の評価を行い、そ
の結果を表2に示した。
【0067】
【表2】
【0068】比較例4 樹脂(H)の軟化点は90℃、重量平均分子量(Mw)
は1600であった。
【0069】樹脂(H)を実施例3の樹脂(I)と同様
に評価し、その結果を表2に示した。
【0070】以上の結果、本発明の石油樹脂を用いるこ
とにより得られる粘着テープ用の粘着剤は、比較例に比
べて相溶性、塗工(コーティング)性に優れており、塗
工(コーティング)時臭気が少なく、さらに耐熱接着性
に優れたものであることがわかる。
【0071】
【発明の効果】以上に示されたように、本発明の石油樹
脂を用いれば、アスファルト舗装用途及び粘着剤用途に
おける各々の加工性及び性能が、従来の石油樹脂を使用
した場合に比べて優秀である製品を提供することが可能
となる。また本発明によれば、それらの原料となる新規
な石油樹脂の製造方法も提供することができる。
【0072】また本発明による石油樹脂は、加熱加工時
の臭気が少ないという効果もあり、環境への影響が少な
い石油樹脂を提供することができるものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】JIS K−2207(1991)に従っ
    て測定した軟化点が50〜200℃、ポリスチレンを標
    準物質としゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した
    重量平均分子量が500〜5000であり、かつその
    5.0gを内径5cmの平底容器に入れ250℃で1時
    間加熱溶融した際の重量減少率が3%以下であることを
    特徴とする石油樹脂。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の石油樹脂の40重量%テ
    トラヒドロフラン溶液(n−トリデカンを0.6重量%
    含む)を水素炎イオン化検出器ガスクロマトグラフで分
    析した際の検出ピーク面積の比率が次式を満足すること
    を特徴とする、請求項1に記載の石油樹脂。 (石油樹脂由来の検出ピーク面積の合計)/(n−トリ
    デカン検出ピーク面積)≦0.20
  3. 【請求項3】−20℃〜280℃の沸点範囲を有する、
    石油類の分解あるいは精製の際に得られる各種の不飽和
    炭化水素を含有する原料油を、重合反応させる石油樹脂
    の製造工程において、樹脂回収工程に際し、有機溶媒を
    更に添加して未反応原料油及び/又は有機溶媒を蒸留す
    ることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の石
    油樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】樹脂回収工程に際し、未反応原料油を蒸留
    して石油樹脂を回収した後に有機溶媒を添加して樹脂を
    溶解してから有機溶媒を蒸留することを特徴とする、請
    求項3に記載の石油樹脂の製造方法。
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