JP4739479B2 - 舗装用バインダー組成物およびその製造方法 - Google Patents

舗装用バインダー組成物およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アスファルトを主要成分とする舗装用バインダー組成物および重質鉱油および石油樹脂を主要成分とする舗装用バインダー組成物およびこれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来はアスファルト並びに重質鉱油および石油樹脂を含む混合物(以下アスファルトなどという)に各種の改質剤を添加してさらに性能を向上させたアスファルトなどを製造して舗装用バインダーとしている。
改質剤としては、SBS(スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマー)、SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、EEA(エチレン・エチルアクリレート共重合体)など、各種の熱可塑性エラストマー、あるいは各種のゴムが広く使用されている。
【0003】
従来はアスファルトなどに各種の改質剤を添加する方法として、加熱溶融したアスファルトなどに改質剤を加え、その混合物を加熱状態で撹拌混合してアスファルトなどに改質剤を溶解させ、改質アスファルトなどを得る方法がとられている。
【0004】
また、このようにして得られた改質アスファルトなどの性状をさらに向上させる方法として、加硫と呼ばれる方法が既に知られている。この加硫と呼ばれる方法は、SBSやSBRなど熱可塑性エラストマーあるいはゴムを含んだ改質アスファルトなどに、さらに、硫黄または硫黄化合物を添加して、熱可塑性エラストマーあるいはゴムと硫黄架橋の反応を起こさせて、より特徴のある改質アスファルトなどを得る方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の改質アスファルトなどの製造方法には、応用範囲において限界がある。例えば、改質アスファルトなどを得るために使用する改質剤は、コストの面から、市場で広く利用され販売されている比較的安価な熱可塑性エラストマーあるいはゴムに限られる。また、加硫の場合、使用する改質剤は硫黄または硫黄化合物と硫黄架橋の反応が起きる熱可塑性エラストマーあるいはゴムに限られる。さらに、加硫の場合、硫黄架橋の反応に伴って有害な硫化水素が発生するという問題点もある。
本発明の第1の目的は、従来の問題を解決した舗装用バインダー組成物であって、改質のために広範囲の種類の安価な化合物を選択できるとともに硫黄または硫黄化合物を用いる必要がなく、しかも改質剤の添加量を削減することができ、さらに改質剤がバインダー中に均一に含まれていて分離が起きにくい舗装用バインダー組成物を提供することであり、本発明の第2の目的は、そのような舗装用バインダー組成物を容易に製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記の問題を解決するために鋭意研究した結果、アスファルトなどの中で(共)重合可能な化合物を(共)重合させたポリマーが前記アスファルトなどのマトリックス中に均一に安定して含まれているような舗装用バインダー組成物により、課題を解決できることを見出し、本発明を成すに至った。
【0008】
また、本発明の請求項1は、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中において−CR=CR’−を含むポリマー(但しR、R’は水素または炭素数1〜5のアルキル基)から選ばれる1種または2種以上を(共)重合させたポリマーが前記混合物中に均一に安定して含まれていることを特徴とする舗装用バインダー組成物に関する。
【0010】
また、本発明の請求項2は、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物に、−CR=CR’−を含むポリマー(但しR、R’は水素または炭素数1〜5のアルキル基)から選ばれる1種または2種以上を添加して、添加した化合物を前記混合物中において(共)重合させることを特徴とする請求項記載の舗装用バインダー組成物の製造方法に関する。
【0011】
本発明の請求項は、請求項記載の製造方法において、撹拌温度140〜240℃、撹拌時間2〜48時間の条件で(共)重合することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において重質鉱油および石油樹脂を含む混合物の中で(共)重合することによりこの重質鉱油および石油樹脂を含む混合物のマトリックス中に均一に安定して含まれている改質剤となるような(共)重合可能な化合物としては−CR=CR’−を含むポリマー(R、R’は水素または炭素数1〜5のアルキル基)である。このようなポリマーとしては、例えば、−CR=CR’−を含むオリゴマー、及び−CR=CR’−を含むポリマーが挙げられる。
【0016】
−CR=CR’−を含むオリゴマーとしては、例えば、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレンなどが挙げられる。
【0017】
−CR=CR’−を含むポリマーとしては、例えば1,2−ポリブタジエン、ポリブタジエン、ポリイソプレン(イソプレンゴム)、SBS(スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマー)、SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)、SIS(スチレン・イソプレン系熱可塑性エラストマー)、IIR(イソブチレン・イソプレン・ゴム)などが挙げられる。
【0018】
1,2−ポリブタジエン、ポリブタジエン、SBS、SBRは、一般に側鎖にCH2 =CH−(ビニル基)を複数有しており、ポリイソプレン、SIS、IIRは、一般に側鎖にCH2 =C(CH3 )−を複数有している。
【0019】
これらの−CR=CR’−を含むポリマーは、アスファルトなどの中で(共)重合することによって、架橋の分子構造になる場合もある。
【0020】
本発明においてこれらの−CR=CR’−を含む化合物は1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0021】
本発明において(共)重合とは重合と共重合を意味し、さらに重合と共重合がそれぞれ単独で起きること、あるいは重合と共重合が同時に起きることも意味する。
【0023】
本発明で用いる重質鉱油としてはパラフィン系重質鉱油や芳香族系重質鉱油が挙げられる。
パラフィン系重質鉱油とは原油を常圧蒸留あるいは減圧蒸留して得られる潤滑油留分を溶剤脱歴、溶剤抽出、水素化分解溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理などを適宜組み合わせて精製した留分である。特に原油を減圧蒸留して得られる潤滑油留分を、フルフラール溶剤抽出、水素化精製およびMEK溶剤脱ろうを組み合わせた工程を経て得られるブライトストックが好ましい。
【0024】
芳香族系重質鉱油とは芳香族分が好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上の重質留分である。芳香族系重質鉱油としては石油精製の溶剤抽出工程から得られるブライトストックのエキストラクトである。これらの重質鉱油は1種あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
【0025】
本発明で用いる石油樹脂としては脂肪族系石油樹脂(C5系石油樹脂)、芳香族系石油樹脂(C9系石油樹脂)、シクロペンタジエン樹脂などが挙げられる。
【0026】
脂肪族系石油樹脂とは石油ナフサ、灯油、軽油などの石油留分をスチームクラッキングなどの熱分解により軽質オレフィンを製造する際の副生物として得られる沸点100℃以下の分解留分を触媒存在下あるいは不存在下で重合して得られる石油樹脂である。
【0027】
芳香族系石油樹脂とは石油ナフサ、灯油、軽油などの石油留分をスチームクラッキングなどの熱分解により軽質オレフィンを製造する際の副生物として得られる沸点140〜240℃の分解留分を触媒存在下あるいは不存在下で重合して得られる石油樹脂である。
【0028】
シクロペンタジエン樹脂とはシクロペンタジエンのディールスアルダー付加物を重合して得られる樹脂である。これらの重質鉱油は1種あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
【0029】
本発明において、重質鉱油と石油樹脂の含有割合は任意であるが、重質鉱油が好ましくは50〜60質量部、石油樹脂が好ましくは40〜50質量部の範囲である。
【0030】
本発明において、舗装用バインダーの構成成分の含有割合は重質鉱油および石油樹脂を含む混合物が好ましくは90〜99質量部、改質剤が好ましくは1〜10質量部の範囲である。
【0031】
以下、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物と−CR=CR’−を含む化合物として1,2−ポリブタジエンを用いて本発明の舗装用バインダー組成物を製造する方法を説明する。例えば、撹拌混合槽中において重質鉱油および石油樹脂を含む混合物と1,2−ポリブタジエンの混合物を加熱状態で撹拌溶解した後、その溶解混合物をさらに加熱状態で撹拌混合し続け、ある誘導期間(重合反応が開始するまでの期間)を経て1,2−ポリブタジエンを重合させた後、撹拌を停止する方法がある。また撹拌混合槽中において加熱溶解した重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中に1,2−ポリブタジエンを添加して撹拌溶解後、その溶解混合物を加熱状態で撹拌混合し続け、ある誘導期間を経て1,2−ポリブタジエンを重合させた後、撹拌を停止する方法がある。本発明ではどちらの方法を用いても良い。
【0032】
重合は撹拌温度が好ましくは140〜240℃、より好ましくは180〜200℃、撹拌時間が好ましくは2〜48時間、より好ましくは4〜12時間の条件で行う。
【0033】
撹拌温度が140℃未満であると一般に誘導期間が長すぎる。240℃を超えると誘導期間は短いが、一旦重合したポリマーが分解(解重合を含む)してしまう恐れがある。
【0034】
撹拌時間が2時間未満であると一般に誘導期間内にあり、重合反応が開始されない。48時間を超えると本発明の舗装用バインダー組成物を工業的に生産する際に、生産に要する時間が長すぎる。
【0035】
重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中に1,2−ポリブタジエンを溶解しただけの混合物も一つの改質であり、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物だけの場合よりもやや軟化点や粘度が上昇する。しかし、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中で1,2−ポリブタジエンの重合反応が起きると、この改質の軟化点や粘度はさらに上昇する。
【0036】
従って、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中に1,2−ポリブタジエンを溶解しただけの改質よりも、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中で1,2−ポリブタジエンの重合反応を起こした改質の方が、同じ軟化点や粘度を得るために必要な1,2−ポリブタジエンの添加量が少なくてすみ、コスト面において有利となる。
【0037】
また、このような重合反応が起きることにより、改質中において1,2−ポリブタジエンと重質鉱油および石油樹脂を含む混合物との分離が起きにくくなり、より均一な改質が得られるという付随的効果も得られる。
【0038】
従来は、改質中において改質剤と重質鉱油および石油樹脂を含む混合物との分離を起きにくくするために、重質鉱油や石油樹脂などの添加剤を加えることが一般に行われている。従って、改質剤と重質鉱油および石油樹脂を含む混合物との分離が起きにくくなれば、これらの添加剤が不必要または減量することができ、この点でも改質のコストダウンに寄与できる。
【0039】
1,2−ポリブタジエン中に添加されている酸化防止剤などの重合抑制剤が誘導期間を長くしている場合には、これらの重合抑制剤を早く消費させ誘導期間を短くするために、空気中での撹拌温度を上昇させることが効果的である。また、有機過酸化物の添加やオゾンとの接触なども誘導期間を短くするために効果的である場合がある。ここで述べたのは、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中における熱による1,2−ポリブタジエンの重合であるが、触媒の使用による1,2−ポリブタジエンの重合も可能である。
【0040】
1,2−ポリブタジエンの重合を途中で抑制あるいは停止させたい場合には、撹拌温度を低下させることが効果的である。また、重合抑制剤や失活剤などを添加することも効果的である。
【0041】
1,2−ポリブタジエンの原料であるモノマーのブタジエンも、熱あるいは触媒によって重合することはよく知られており、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中においても重合反応が起こり得る。しかし、そのようにして得られた改質は、一般的に舗装用バインダーとしての重質鉱油および石油樹脂を含む混合物の改質効果は小さい。その理由は、このような方法では一般に重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中におけるブタジエンの重合度があまり高くならないからである。
【0042】
一方、アスファルト中にポリマーである1,2−ポリブタジエンを加熱溶解させ、その1,2−ポリブタジエンをさらに重合させる方法では、得られた改質は、舗装用バインダー組成物としての重質鉱油および石油樹脂を含む混合物の改質効果は大きい。その理由は、このような方法ではアスファルト中におけるブタジエンの重合度が、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物に添加した時の1,2−ポリブタジエンよりもさらに高くなるからである。
【0043】
重質鉱油および石油樹脂を含む混合物に添加する段階でポリマーの重合度があまり高いと重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中にポリマーが溶解しにくくなるので、適度な重合度を有するポリマ−の状態で重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中に溶解しておき、その後、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中でポリマーの重合度をさらに高めるのがより適切であり、それが本発明の方法であり、その結果得られるものが本発明の舗装用バインダー組成物である。
【0044】
このような重質鉱油および石油樹脂を含む混合物の改質方法は、ポリマーを重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中に溶解しておいてから硫黄などで架橋反応を起こさせてポリマーをさらに高分子量化させる方法と、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中でポリマーをさらに高分子量化させるという点で共通点がある。
【0045】
ポリブタジエンやポリイソプレンなども、側鎖の二重結合で1,2−ポリブタジエンと同様な重合反応が起きて、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中でポリマーが高分子量化する。
【0046】
また、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中に溶解した1,2−ポリブタジエン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、SBS、IIRなどは、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中で硫黄または硫黄化合物と硫黄架橋の反応が起きるように、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中でさらに高分子量化したこれらのポリマーもまた同様に重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中で架橋反応が起こる。
【0047】
アスファルト中に1,2−ポリブタジエンのようなポリマーを添加し、さらに別種の−CR=CR’−を含むモノマー、オリゴマーあるいはポリマーを添加して、それらを重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中で(共)重合させるのも、同様の方法で行うことができる。
【0048】
重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中で1,2−ポリブタジエンのようなポリマーと別種の−CR=CR’−を含むモノマー、オリゴマーあるいはポリマーを(共)重合させる目的は、1,2−ポリブタジエンだけでは得られないような別種のモノマー、オリゴマーあるいはポリマーの特性を付与することにある。
【0049】
例えば、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中で1,2−ポリブタジエンと酢酸ビニルを(共)重合させた場合には、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中で1,2−ポリブタジエンのみを重合した改質よりも、ポリ酢酸ビニルに特有の性状がさらに付与される。
【0050】
このようにして製造した改質は、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中に1,2−ポリブタジエンとポリ酢酸ビニルを添加した改質よりもコストを低下させることができる。
【0051】
次に、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中でモノマーを(共)重合させた改質について説明する。−CR=CR’−を含むモノマー、特にビニル基を有するモノマーは、熱あるいは触媒によって比較的容易に重合することはよく知られており、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中においても同様に重合が起きる。例えば、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中で酢酸ビニルのモノマーを重合させると、既存のポリマーであるポリ酢酸ビニルを重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中に溶解させた改質と性状的に類似した改質ができる。しかし、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中で酢酸ビニルのモノマーを重合させた場合の方が、安定で均一である上、既存のポリ酢酸ビニルを添加した場合よりもコスト面で優位になる。その理由は、ポリ酢酸ビニルよりも酢酸ビニルのモノマーの方が安価だからである。
【0052】
常温で気体の化合物や酢酸ビニルのように撹拌温度で気体になる化合物は撹拌混合槽の中に底部から化合物を導入し、未反応の化合物をブロワーで循環させながら(共)重合を行う。
【0053】
−CR=CR’−を含む化合物を重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中で(共)重合させた改質に、(共)重合に関与しないその他の改質剤をさらに共存させることも可能である。
【0054】
以上述べてきたことは舗装用バインダー組成物の製造方法に関するものであるが、このような改質の製造方法は、舗装用バインダーの分野に限らず、防水、防振などの目的での土木や建設の分野、その他の舗装用バインダー以外の重質鉱油および石油樹脂を含む混合物利用分野へも広く応用が可能である。
【0056】
本発明の製造方法で得られた本発明の舗装用バインダー組成物は大小の舗装用骨材と混合することにより舗装用混合物を得ることができる。舗装用混合物中における本発明の舗装用バインダー組成物の含有量は好ましくは約3〜15質量%である。
【0057】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0068】
(実施例
撹拌混合槽の中の芳香族系重質鉱油(日石三菱(株)製)55質量部と芳香族系石油樹脂(日本石油化学(株)製)36質量部とEEA(エチレン・エチルアクリレート共重合体)(日本ポリオレフィン(株)製)5. 0質量部との溶解混合物に1,2−ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製)6質量部を添加して180℃で1時間撹拌溶解後、180℃でさらに6時間撹拌を継続してその混合物中で1,2−ポリブタジエンを重合させた後、撹拌を停止して、本発明の舗装用バインダー組成物を製造した。下記の試験法に準じて本発明の舗装用バインダー組成物の針入度(25℃)(1/10mm)、軟化点(℃)、粘度(70℃)(kPa・s)、伸度(15℃)(cm)を測定した結果を表に示す。
(試験方法):針入度;JIS K2207「針入度試験方法」
軟化点;JIS K2207「軟化点試験方法(環球法)」
粘度(70℃);「舗装試験法便覧」(編集・発行所:社団法人 日本道路協会発行所:丸善、昭和63年11月初版発行)に記載の「60℃粘度試験方法」に準じ、測定温度を70℃にした。
伸度;JIS K2207「伸度試験方法」
【0069】
(実施例
撹拌混合槽の中の芳香族系重質鉱油(日石三菱(株)製)55質量部と芳香族系石油樹脂(日本石油化学(株)製)36質量部とEEA(エチレン・エチルアクリレート共重合体)(日本ポリオレフィン(株)製)5. 0質量部との溶解混合物に1,2−ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製)4質量部とSBS(旭化成工業(株)製)2質量部を添加して180℃で1時間撹拌溶解後、180℃でさらに6時間撹拌を継続してその混合物中で1,2−ポリブタジエンとSBSを(共)重合させた後、撹拌を停止して、本発明の舗装用バインダー組成物を製造した。実施例1と同様にして本発明の舗装用バインダー組成物の針入度(25℃)(1/10mm)、軟化点(℃)、粘度(70℃)(kPa・s)、伸度(15℃)(cm)を測定した結果を表に示す。
【0070】
(比較例
撹拌混合槽の中で芳香族系重質鉱油(日石三菱(株)製)55質量部と芳香族系石油樹脂(日本石油化学(株)製)36質量部とEEA(エチレン・エチルアクリレート共重合体)(日本ポリオレフィン(株)製)5.0質量部を溶解混合して、比較のための舗装用バインダー組成物を製造した。実施例1と同様にして比較の舗装用バインダー組成物の針入度(25℃)(1/10mm)、軟化点(℃)、粘度(70℃)(kPa・s)、伸度(15℃)(cm)を測定した結果を表に示す。
【0071】
(比較例
撹拌混合槽の中の芳香族系重質鉱油(日石三菱(株)製)55質量部と芳香族系石油樹脂(日本石油化学(株)製)36質量部とEEA(エチレン・エチルアクリレート共重合体)(日本ポリオレフィン(株)製)5.0質量部との溶解混合物に1,2−ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製)6質量部を添加して180℃で1時間撹拌溶解後、撹拌を停止して、比較のための舗装用バインダー組成物を製造した。1,2−ポリブタジエンはその混合物中で溶解しているだけで、まだ重合していない。実施例1と同様にして比較の舗装用バインダー組成物の針入度(25℃)(1/10mm)、軟化点(℃)、粘度(70℃)(kPa・s)、伸度(15℃)(cm)を測定した結果を表に示す。
【0072】
(比較例
撹拌混合槽の中の芳香族系重質鉱油(日石三菱(株)製)55質量部と芳香族系石油樹脂(日本石油化学(株)製)36質量部とEEA(エチレン・エチルアクリレート共重合体)(日本ポリオレフィン(株)製)5.0質量部との溶解混合物に1,2−ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製)4質量部とSBS(旭化成工業(株)製)2質量部を添加して180℃で1時間撹拌溶解後、撹拌を停止して、比較のための舗装用バインダー組成物を製造した。1,2−ポリブタジエンとSBSはその混合物中で溶解しているだけで、まだ(共)重合していない。実施例1と同様にして比較の舗装用バインダー組成物の針入度(25℃)(1/10mm)、軟化点(℃)、粘度(70℃)(kPa・s)、伸度(15℃)(cm)を測定した結果を表に示す。
【0075】
【表1】
Figure 0004739479
【0077】
【発明の効果】
本発明の請求項記載の舗装用バインダー組成物は、重質鉱油および石油樹脂を含む混合物を主要成分とする舗装用バインダー組成物であり、前記混合物中に、−CR=CR’−(R、R’は水素または炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲン)を含む化合物から選ばれる1種または2種以上を添加し、それらの化合物を前記混合物中で(共)重合させることによって、ポリマー改質剤が前記混合物中に均一に安定して含まれている舗装用バインダー組成物となり、前記混合物から改質剤が分離しにくくなり、より均一なものとなる上、改質剤となり得る安価な前記化合物を広範囲から選択できるとともに硫黄または硫黄化合物を用いる必要がなく、しかも改質剤の添加量を削減することができ、コストダウンの効果が得られるなどの顕著な効果を奏する。また、2種以上の前記化合物を(共)重合させることによって、得られる舗装用バインダー組成物の性状を多様化させることができる。
【0079】
本発明の請求項記載の舗装用バインダー組成物の製造方法により、請求項記載の舗装用バインダー組成物を容易に製造することができる。
【0080】
本発明の請求項記載の舗装用バインダー組成物の製造方法により、改質剤が分離しにくくより均一な請求項1記載の舗装用バインダー組成物を容易に製造することができる。

Claims (3)

  1. 重質鉱油および石油樹脂を含む混合物中において−CR=CR’−を含むポリマー(但しR、R’は水素または炭素数1〜5のアルキル基)から選ばれる1種または2種以上を(共)重合させたポリマーが前記混合物中に均一に安定して含まれていることを特徴とする舗装用バインダー組成物。
  2. 重質鉱油および石油樹脂を含む混合物に、−CR=CR’−を含むポリマー(但しR、R’は水素または炭素数1〜5のアルキル基)から選ばれる1種または2種以上を添加して、添加したポリマーを前記混合物中において(共)重合させることを特徴とする請求項1記載の舗装用バインダー組成物の製造方法。
  3. 撹拌温度140〜240℃、撹拌時間2〜48時間の条件で(共)重合することを特徴とする請求項2記載の製造方法。
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