JP2001089400A - 光学活性化合物及びその製造方法 - Google Patents

光学活性化合物及びその製造方法

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JP2001089400A
JP2001089400A JP26933399A JP26933399A JP2001089400A JP 2001089400 A JP2001089400 A JP 2001089400A JP 26933399 A JP26933399 A JP 26933399A JP 26933399 A JP26933399 A JP 26933399A JP 2001089400 A JP2001089400 A JP 2001089400A
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optically active
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active compound
atom
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JP26933399A
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Takeshi Koike
毅 小池
Masaki Oiwa
正起 大岩
Osamu Yokokoji
修 横小路
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Seimi Chemical Co Ltd
Original Assignee
Seimi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速応答可能な液晶素子等に有用な新規光学活
性化合物及びその安価に高収率で製造できる製造方法の
提供。 【解決手段】CH3CH(CH3)CH2−Ph−C*H(C
3)−Y−Ph’−Q(Qは−Cy−R等、Yは−CH
2−等、Ph’はフェニレン基等、Rは炭素数1〜7の
直鎖アルキル基)で表される光学活性化合物、及び、グ
リニャールカップリング反応を用いた該化合物の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶素子等に利用
される光学活性化合物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ネマティック型、コレステリック型、強
誘電型等の液晶素子には、光学活性化合物(カイラル
剤)を添加した液晶組成物が用いられている。例えば下
式S−811で表される化合物(メルク社製商品名S−
811)、又は下式CNで表される化合物のようなカイ
ラル剤が現在幅広く用いられている。
【0003】
【化4】
【0004】これらのカイラル剤は粘度が高いため、液
晶組成物に添加した場合、少量の添加でもその液晶組成
物の粘度を大きく上昇させる。このことは、カイラル剤
の添加量が多いSTN型、コレステリック型等の液晶素
子に用いる液晶組成物の場合に特に顕著である。また、
カイラル剤は、そのヘリカルピッチ長が長い、すなわち
カイラルパワ−が小さいほど添加量を多くしなければな
らない。カイラル剤の添加量が多いと、液晶組成物の粘
度が大きく上昇する。光学活性化合物の粘度と液晶組成
物の粘度、及び液晶組成物の粘度とその液晶組成物を用
いた液晶素子の応答性には正の相関があるので、液晶素
子の高速応答化のためには、粘度が低く、ヘリカルピッ
チ長が短い光学活性化合物が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、液晶
素子等に有用な、ヘリカルピッチ長が短く、低粘度であ
る光学活性化合物の提供、及びその光学活性化合物を高
収率で容易に製造できる製造方法の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
式(1)又は下式(2)で表される光学活性化合物を提
供する。ただし、式中の記号は本明細書を通じて下記の
意味を示す。 Q:−Cy−R、−R又はハロゲン原子。 Cy:非置換のトランス−1,4−シクロヘキシレン
基。 R:炭素数1〜7の直鎖アルキル基。 Ph:非置換の1,4−フェニレン基。 Ph’:水素原子の1個又は2個がフッ素原子に置換さ
れていてもよい1,4−フェニレン基。 C*:不斉炭素原子。 X:臭素原子又はヨウ素原子。
【0007】また、本発明は下式(3)で表されるカル
ボン酸を酸クロリドとし、下式(4)で表されるグリニ
ャール試薬とカップリング反応させることを特徴とする
下式(1)で表される光学活性化合物の製造方法を提供
する。さらに、本発明は下式(3)で表されるカルボン
酸を酸クロリドとし、下式(4)で表されるグリニャー
ル試薬とカップリング反応させ、生成したケトンを還元
することを特徴とする下式(2)で表される光学活性化
合物の製造方法を提供する。
【0008】
【化5】
【0009】
【発明の実施の形態】[式(1)及び式(2)の説明]
以下において、式(1)で表される化合物を化合物
(1)とも記載する。化合物(2)などの表記について
も同様である。C37、C613などのアルキル基は特
に記載のない場合はすべて直鎖アルキル基を示す。−C
O−はカルボニル基(>C=O)を示し、−CH2−は
メチレン基を示す。CH3CH(CH3)CH2−は2−メ
チルプロピル基を意味する。
【0010】化合物(1)及び化合物(2)は、その構
造中に不斉炭素(C*)を含む光学活性な化合物であ
る。不斉炭素に結合する基の絶対配置はR又はSのいず
れであってもよい。化合物(1)及び化合物(2)にお
いて、Rは、炭素数3、4又は5である直鎖アルキル基
が好ましい。
【0011】化合物(1)は、下式(5)〜(9)に分
類される。
【0012】
【化6】
【0013】以下、式(5)〜(9)について、それぞ
れ具体例を記す。なお、本明細書を通じて、PhFはモ
ノフルオロ−1,4−フェニレン基、PhFFはジフルオ
ロ−1,4−フェニレン基を示す。フッ素の置換位置は
特に限定されない。
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】
【0018】
【化11】
【0019】化合物(2)は、下式(10)〜(14)
に分類される。
【0020】
【化12】
【0021】以下、式(10)〜(14)について、そ
れぞれ具体例を記す。
【0022】
【化13】
【0023】
【化14】
【0024】
【化15】
【0025】
【化16】
【0026】
【化17】
【0027】[製造方法の説明]本発明における光学活
性化合物の製造方法は、まず式(3)で表されるカルボ
ン酸を塩素化し、下式(15)で表される酸クロリドと
する。塩素化剤は塩化チオニルが好ましい。反応は無溶
媒でも溶媒を使用してもよいが、作業性等からテトラク
ロロエチレン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等を溶
媒として用いることが好ましい。反応温度は50℃以下
が好ましい。塩化チオニルの代わりに塩化オキサリルを
用いてもよい。
【0028】得られた式(15)で表される酸クロリド
を、式(4)で表されるグリニャール試薬とカップリン
グ反応させる。式(4)におけるXは反応性、コストの
点から臭素原子が好ましい。本反応の溶媒は特に限定さ
れないが、酸クロリドの安定性、副反応の抑制効果から
トルエンが好ましい。また、本反応においては収率の向
上、副反応の抑制効果から有機金属錯体を触媒として用
いることが好ましい。
【0029】有機金属錯体としては、鉄(III)−ア
セチルアセトナート、ニッケル(II)−アセチルアセ
トナート、コバルト(II)−アセチルアセトナート、
銅(II)−アセチルアセトナート、ジクロロ(1,2
−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル、テ
トラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
等が好ましく挙げられる。反応温度は−10〜+30℃
が好ましい。
【0030】式(4)で表されるグリニャール試薬は、
下式(16)で表されるハロゲン化物と金属マグネシウ
ムから常法により容易に合成できる。
【0031】
【化18】
【0032】上記の反応により化合物(1)が得られ
る。さらに、その化合物(1)であるケトンを還元する
ことにより化合物(2)が得られる。本反応における還
元剤は、特に限定されないが、作業性、安全性等からト
リフルオロ酢酸存在下のトリエチルシランが好ましい。
反応温度は0℃〜30℃が好ましい。それぞれの反応に
おいて、光学活性化合物の光学純度は保持される。
【0033】化合物(1)及び化合物(2)は、従来使
われていた光学活性化合物に比べてヘリカルピッチ長が
短く、かつ粘度が低い。ヘリカルピッチ長が短いことに
より、従来より添加量がより少量ですみ、かつ化合物の
粘度も低いことにより、化合物(1)及び/又は化合物
(2)を添加して得られる液晶組成物も従来より粘度を
低くできる。このことにより、該液晶組成物を用いて、
高速応答化した液晶素子が得られる。
【0034】液晶組成物とする場合、化合物(1)及び
/又は化合物(2)は合量で、液晶組成物100重量部
中に0.1〜30重量部含ませるのが好ましく、1〜1
5重量部が特に好ましい。
【0035】化合物(1)及び/又は化合物(2)を含
む液晶組成物は、TN方式、STN方式、ゲスト・ホス
ト(GH)方式、動的散乱方式、フェ−ズチェンジ方
式、反射型コレステリック方式、DAP方式、二周波駆
動方式及び強誘電性液晶表示方式等種々の方式の液晶素
子に使用できる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例(例1〜6、8)及び
比較例(例7、9)によって説明する。
【0037】実施例中の光学純度の測定は高速液体クロ
マトグラフィ(HPLC)により行った。測定条件は以
下のとおり。 カラム:CHIRALCEL OJ、 溶離液:ヘキサン:2−プロパノール=100:1、 流量:0.3ml/min、 UV検出波長:254nm。
【0038】また、実施例中のガスクロマトグラフィ
(GC)純度は下記の測定条件で行なった。 カラム:DB−1(J&Wscientific)、 検出器:FID、 キャリアガス:He、 線速度:25cm/sec(100℃)、 スプリット比:50:1、 初期温度:150℃(2min保持)、 昇温速度:10℃/min、 最終温度:325℃、 気化室温度:325℃、 検出器温度:350℃。
【0039】[例1](S)−1−(4−(トランス−
4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)−2−(4−
(2−メチルプロピル)フェニル)プロパンの合成 <第1ステップ>(S)−1−(4−(トランス−4−
プロピルシクロヘキシル)フェニル)−2−(4−(2
−メチルプロピル)フェニル)プロパン−1−オンの合
成 1Lナスフラスコに(S)−2−(4−(2−メチルプ
ロピル)フェニル)プロピオン酸100g(485mモ
ル)、テトラクロロエチレン400mL、塩化チオニル
115g(966mモル)、ジメチルアニリン少量を加
え室温で一晩撹拌した後、過剰な塩化チオニル、テトラ
クロロエチレンを減圧留去し、(S)−2−(4−(2
−メチルプロピル)フェニル)プロピオン酸クロリド1
14gを得た。これを溶液Aとする。
【0040】2L四つ口フラスコに、マグネシウム片1
2.4g(509mモル)、無水テトラヒドロフラン5
0mLと少量のヨウ素末を加え、窒素雰気下で1−ブロ
モ−4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)ベ
ンゼン136g(485mモル)を無水テトラヒドロフ
ラン970mLに溶解させた溶液を少量滴下し、ヨウ素
の色が消えた時点で反応が開始したとして、反応温度を
30℃以下に保ちながら残りの溶液を1時間で滴下し、
滴下終了後室温で2時間撹拌し、グリニャール試薬を調
製した。これを溶液Bとする。
【0041】3L四つ口フラスコに、上記の溶液A全
量、トルエン540mLを入れ、窒素雰気下で−10℃
に冷却し、鉄(III)アセチルアセトナート171m
g(0.485mモル)を加えた。反応温度を0℃以下
に保ちながら、上記の溶液B全量を滴下し、滴下終了後
室温まで昇温して2時間撹拌した後、5℃に冷却し、希
塩酸500mLを加えた。有機層を分離し、水層はトル
エンで抽出し、有機層を合わせて水、飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し
粗生成物124gを得た。
【0042】これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
(展開溶媒=ヘキサン:トルエン=4:1)で精製し、
エタノ−ルから再結晶し、(S)−1−(4−(トラン
ス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)−2−
(4−(2−メチルプロピル)フェニル)プロパン−1
−オンの白色結晶85.2g(218mモル、GC純度
99.8%)を得た(収率45%)。
【0043】
【化19】
【0044】<第2ステップ>(R)−1−(4−(ト
ランス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)−2
−(4−(2−メチルプロピル)フェニル)プロパンの
合成 2L四つ口フラスコに、第1ステップで得た(S)−1
−(4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)フ
ェニル)−2−(4−(2−メチルプロピル)フェニ
ル)プロパン−1−オン84.0g(215mモル)、
トリフルオロ酢酸750g(6.58モル)を加え、0
℃に冷却し、トリエチルシラン62.6g(538mモ
ル)を反応温度を5℃以下に保ちながら滴下し、滴下終
了後室温まで昇温して3時間撹拌した。
【0045】トルエン500mLを加え、減圧下で溶液
量が200mL程度になるまで留去した後、トルエン4
00mLを加え、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、溶媒及び副生成物を留去し粗生成物の結晶81.3
gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
(展開溶媒=ヘキサン)で精製し、エタノールから再結
晶し、(R)−1−(4−(トランス−4−プロピルシ
クロヘキシル)フェニル)−2−(4−(2−メチルプ
ロピル)フェニル)プロパンの白色針状結晶72.6g
(194mモル)を得た(収率90%)。
【0046】
【化20】
【0047】例1と同様の方法で、以下の化合物が得ら
れる。
【0048】
【化21】
【0049】[例2]フリーデル・クラフツ反応による
(S)−1−(4−(トランス−4−プロピルシクロヘ
キシル)フェニル)−2−(4−(2−メチルプロピ
ル)フェニル)プロパン−1−オンの合成 200mLナスフラスコに(S)−2−(4−(2−メ
チルプロピル)フェニル)プロピオン酸10.0g(4
8.5mモル)、テトラクロロエチレン40mL、塩化
チオニル11.5g(96.6mモル)、ジメチルアニ
リン少量を加え室温で一晩撹拌した後、過剰な塩化チオ
ニル、テトラクロロエチレンを減圧留去し、(S)−2
−(4−(2−メチルプロピル)フェニル)プロピオン
酸クロリド11.2gを得た。その後、1,2−ジクロ
ロエタン11mLを加えた。この溶液を溶液Cとする。
【0050】100mL四つ口フラスコに塩化アルミニ
ウム7.12g(53.4mモル)を加え、充分に窒素
置換した後に0℃に冷却し、1,2−ジクロロエタン1
0mL、(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)ベ
ンゼン11.8g(58.2mモル)を加え10分間撹
拌した。−20℃に冷却し、上記の溶液C全量を滴下
し、酸性ガスの発生が観測されなくなった後に、室温ま
で昇温し2時間撹拌した。反応液を氷冷した希塩酸20
0mLに滴下し、赤色が消出するまで撹拌した。トルエ
ン500mLを加え、有機層を分離し、水層をトルエン
で抽出し、有機層をあわせて水、飽和食塩水により洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
【0051】溶媒を留去し、これをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィ(展開溶媒=ヘキサン:トルエン=1
0:1)で精製し、エタノールから再結晶し、(S)−
1−(4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)
フェニル)−2−(4−(2−メチルプロピル)フェニ
ル)プロパン−1−オンの白色結晶1.33g(3.4
0mモル、GC純度95.1%)を得た(収率7%)。
【0052】
【化22】
【0053】[例3](S)−1−(4−ペンチルフェ
ニル)−2−(4−(2−メチルプロピル)フェニル)
プロパンの合成 <第1ステップ>(S)−1−(4−ペンチルフェニ
ル)−2−(4−(2−メチルプロピル)フェニル)プ
ロパン−1−オンの合成 例1の第1ステップにおいて、1−ブロモ−4−(トラ
ンス−4−プロピルシクロヘキシル)ベンゼンの代わり
に、1−ブロモ−4−ペンチルベンゼン110g(48
5mモル)を用いること以外は、例1の第1ステップと
同様に反応を行い黄褐色の液体164gを得た。これを
シリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒=ヘキサ
ン:トルエン=5:1)により精製し、(S)−1−
(4−ペンチルフェニル)−2−(4−(2−メチルプ
ロピル)フェニル)プロパン−1−オンの微黄色の液体
86.5g(257mモル)を得た(収率53%)。
【0054】
【化23】
【0055】<第2ステップ>(R)−1−(4−ペン
チルフェニル)−2−(4−(2−メチルプロピル)フ
ェニル)プロパンの合成 例1の第2ステップにおいて、(S)−1−(4−(ト
ランス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)−2
−(4−(2−メチルプロピル)フェニル)プロパン−
1−オンの代わりに、例3の第1ステップで合成した
(S)−1−(4−ペンチルフェニル)−2−(4−
(2−メチルプロピル)フェニル)プロパン−1−オン
84.1g(250mモル)を用いること以外は、例1
の第2ステップと同様に反応を行い淡黄色の液体79.
8gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
(展開溶媒=ヘキサン)により精製し、(R)−1−
(4−ペンチルフェニル)−2−(4−(2−メチルプ
ロピル)フェニル)プロパンの無色の液体66.1g
(205mモル)を得た(収率82%)。
【0056】
【化24】
【0057】例3と同様の方法で、以下の化合物が得ら
れる。
【0058】
【化25】
【0059】[例4](S)−1−(4−クロロフェニ
ル)−2−(4−(2−メチルプロピル)フェニル)プ
ロパンの合成 第1ステップ>(S)−1−(4−クロロフェニル)−
2−(4−(2−メチルプロピル)フェニル)プロパン
−1−オンの合成 例1の第1ステップにおいて、1−ブロモ−4−(トラ
ンス−4−プロピルシクロヘキシル)ベンゼンの代わり
に、4−ブロモクロロベンゼン383g(2.0モル)
を用いること以外は、例1の第1ステップと同様に反応
を行い、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展
開溶媒=ヘキサン:トルエン=4:1)により精製し、
エタノールより再結晶し、(S)−1−(4−ペンチル
フェニル)−2−(4−(2−メチルプロピル)フェニ
ル)プロパン−1−オンの白色結晶264g(880m
モル)を得た(収率44%)。
【0060】
【化26】
【0061】<第2ステップ>(R)−1−(4−クロ
ロフェニル)−2−(4−(2−メチルプロピル)フェ
ニル)プロパンの合成 例1の第2ステップにおいて、(S)−1−(4−(ト
ランス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)−2
−(4−(2−メチルプロピル)フェニル)プロパン−
1−オンの代わりに、例4の第1ステップで合成した
(S)−1−(4−クロロフェニル)−2−(4−(2
−メチルプロピル)フェニル)プロパン−1−オン4
5.0g(150mモル)を用いること以外は、例1の
第2ステップと同様に反応を行い淡黄色の液体42.0
gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
(展開溶媒=ヘキサン)により精製し、(R)−1−
(4−クロロフェニル)−2−(4−(2−メチルプロ
ピル)フェニル)プロパンの無色の液体34.8g(1
22mモル)を得た(収率81%)。
【0062】
【化27】
【0063】例4と同様の方法で、以下の化合物が得ら
れる。
【化28】 [例5]フリーデル・クラフツ反応による(S)−1−
(4−クロロフェニル)−2−(4−(2−メチルプロ
ピル)フェニル)プロパン−1−オンの合成 200mLナスフラスコに(S)−2−(4−(2−メ
チルプロピル)フェニル)プロピオン酸10.0g(4
8.5mモル)、テトラクロロエチレン40mL、塩化
チオニル11.5g(96.6mモル)、ジメチルアニ
リン少量を加え室温で一晩撹拌した後、過剰な塩化チオ
ニル、テトラクロロエチレンを減圧留去し、(S)−2
−(4−(2−メチルプロピル)フェニル)プロピオン
酸クロリド11.3gを得た。その後、クロロベンゼン
5.46g(48.5mモル)を加えた。この溶液を溶
液Dとする。
【0064】100mL四つ口フラスコに塩化アルミニ
ウム7.12g(53.4mモル)加え、充分に窒素置
換した後に0℃に冷却し、クロロベンゼン10.9g
(97.0mモル)を加え10分間撹拌した。−20℃
に冷却し、上記の溶液D全量を滴下し、酸性ガスの発生
が観測されなくなった後に、0℃まで昇温し2時間撹拌
した。反応液を氷冷した希塩酸200mLに滴下し、赤
色が消出するまで撹拌した。トルエン500mLを加
え、有機層を分離し、水層をトルエンで抽出し、有機層
をあわせて水、飽和食塩水により洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。
【0065】溶媒を留去し、これをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィ(展開溶媒=ヘキサン:トルエン=1
0:1)で精製し、エタノールから再結晶し、(S)−
1−(4−クロロフェニル)−2−(4−(2−メチル
プロピル)フェニル)プロパン−1−オンの白色結晶
0.728g(2.43mモル、GC純度96.3%)
を得た(収率5%)。
【0066】
【化29】
【0067】[例6]メルク社製液晶組成物(商品名:
ZLI−1565)の95重量部に、例1で合成した
(R)−1−(4−(トランス−4−プロピルシクロヘ
キシル)フェニル)−2−(4−(2−メチルプロピ
ル)フェニル)プロパンを5重量部加え液晶組成物(S
1)を得た。メルク社製液晶組成物(商品名:ZLI
−1565)の95重量部に、例3で合成した(R)−
1−(4−ペンチルフェニル)−2−(4−(2−メチ
ルプロピル)フェニル)プロパンを5重量部加え液晶組
成物(SB1)を得た。メルク社製液晶組成物(商品
名:ZLI−1565)の95重量部に、例4で合成し
た(R)−1−(4−クロロフェニル)−2−(4−
(2−メチルプロピル)フェニル)プロパンを5重量部
加え液晶組成物(SC1)を得た。得られた液晶組成物
(SA1)、(SB1)及び(SC1)について、液晶組
成物の動粘度ηをオストワルド粘度管を用いて測定し
た。結果を表1に示す。
【0068】[例7]メルク社製液晶組成物(商品名:
ZLI−1565)の95重量部に、市販のカイラル剤
である前記化合物CNを5重量部加え液晶組成物(SD
1)を得た。メルク社製液晶組成物(商品名:ZLI−
1565)の95重量部に、市販のカイラル剤である前
記化合物S−811を5重量部加え液晶組成物(S
1)を得た。得られた液晶組成物(SD1)及び(SE
1)について、液晶組成物の動粘度ηを例6と同様に測
定した。結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】[例8]メルク社製液晶組成物(商品名:
ZLI−1565)の100重量部に、例1で合成した
(R)−1−(4−(トランス−4−プロピルシクロヘ
キシル)フェニル)−2−(4−(2−メチルプロピ
ル)フェニル)プロパンを1重量部加え液晶組成物(S
2)を得た。メルク社製液晶組成物(商品名:ZLI
−1565)の100重量部に、例3で合成した(R)
−1−(4−ペンチルフェニル)−2−(4−(2−メ
チルプロピル)フェニル)プロパンを1重量部加え液晶
組成物(SB2)を得た。メルク社製液晶組成物(商品
名:ZLI−1565)の100重量部に、例4で合成
した(R)−1−(4−クロロフェニル)−2−(4−
(2−メチルプロピル)フェニル)プロパンを1重量部
加え液晶組成物(SC2)を得た。
【0071】得られた液晶組成物(SA2)、(SB2
及び(SC2)について、25℃におけるヘリカルピッ
チ長をカノー(Cano)ウエッジ法にて測定し、それ
ぞれの化合物のPC値(μm・wt%:母液晶にカイラ
ル材料を1重量部添加したときのヘリカルピッチ長)を
求めた。また、螺旋誘起の向きは接触法により測定し
た。結果を表2に示す。
【0072】[例9]メルク社製液晶組成物(商品名:
ZLI−1565)の100重量部に、市販のカイラル
剤である前記化合物(CN)を1重量部加え組成物(S
2)を得た。メルク社製液晶組成物(商品名:ZLI
−1565)の100重量部に、市販のカイラル剤であ
る前記化合物(S−811)を1重量部加え液晶組成物
(SE 2)を得た。得られた液晶組成物(SD2)及び
(SE2)について、例8と同様にそれぞれの化合物の
PC値を求め、螺旋誘起の向きを測定した。結果を表2
に示す。
【0073】
【表2】
【0074】以上の結果、本発明の化合物を添加した液
晶組成物は、市販のカイラル剤を添加したものと比較し
て、液晶組成物の粘度が低く、PC値が低かった。
【0075】
【発明の効果】本発明の化合物は光学活性を有する新規
化合物である。また、本発明の化合物を含有する液晶組
成物は、ヘリカルピッチ長が短く、低粘度である。その
ために該液晶組成物を用いた液晶素子は高速応答化が可
能である。特に、光学活性化合物の添加量の多いSTN
型液晶表示素子用等の液晶組成物として有用である。ま
た、本発明の製造方法により、上記の化合物を、安価に
高収率で製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 25/13 C07C 25/13 45/46 45/46 49/784 49/784 49/792 49/792 49/813 49/813 C09K 19/14 C09K 19/14 19/20 19/20 19/30 19/30 G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 横小路 修 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎3丁目2番10号 セイミケミカル株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB64 AC13 AC22 AC47 AC81 BA19 BA20 BA21 BA25 BA45 BA48 BD70 EA22 EA36 4H027 BB04 BD03 BD08 BD24 CB01 CB04 CB05 CN01 CN04 CN05 4H039 CA62 CD20 CD90

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式(1)又は下式(2)で表される光学
    活性化合物。 【化1】 ただし、式中の記号は下記の意味を示す。 Q:−Cy−R、−R又はハロゲン原子。 Cy:非置換のトランス−1,4−シクロヘキシレン
    基。 R:炭素数1〜7の直鎖アルキル基。 Ph:非置換の1,4−フェニレン基。 Ph’:水素原子の1個又は2個がフッ素原子に置換さ
    れていてもよい1,4−フェニレン基。 C*:不斉炭素原子。
  2. 【請求項2】下式(3)で表されるカルボン酸を酸クロ
    リドとし、下式(4)で表されるグリニャール試薬とカ
    ップリング反応させることを特徴とする、下式(1)で
    表される光学活性化合物の製造方法。 【化2】 ただし、式中の記号は下記の意味を示す。 Q:−Cy−R、−R又はハロゲン原子。 Cy:非置換のトランス−1,4−シクロヘキシレン
    基。 R:炭素数1〜7の直鎖アルキル基。 Ph:非置換の1,4−フェニレン基。 Ph’:水素原子の1個又は2個がフッ素原子に置換さ
    れていてもよい1,4−フェニレン基。 C*:不斉炭素原子。 X:臭素原子又はヨウ素原子。
  3. 【請求項3】下式(3)で表されるカルボン酸を酸クロ
    リドとし、下式(4)で表されるグリニャール試薬とカ
    ップリング反応させ、生成したケトンを還元することを
    特徴とする、下式(2)で表される光学活性化合物の製
    造方法。 【化3】 ただし、式中の記号は下記の意味を示す。 Q:−Cy−R、−R又はハロゲン原子。 Cy:非置換のトランス−1,4−シクロヘキシレン
    基。 R:炭素数1〜7の直鎖アルキル基。 Ph:非置換の1,4−フェニレン基。 Ph’:水素原子の1個又は2個がフッ素原子に置換さ
    れていてもよい1,4−フェニレン基。 C*:不斉炭素原子。 X:臭素原子又はヨウ素原子。
  4. 【請求項4】カップリング反応において、触媒として有
    機金属錯体を用いる請求項2又は3に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005023019A (ja) * 2003-07-02 2005-01-27 Chisso Corp 光学活性基を有する液晶性化合物および重合体
WO2018062137A1 (ja) * 2016-09-29 2018-04-05 Dic株式会社 液晶表示素子

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