JP2001089228A - 酸化亜鉛磁器組成物とその製造方法および酸化亜鉛バリスタ - Google Patents

酸化亜鉛磁器組成物とその製造方法および酸化亜鉛バリスタ

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JP2001089228A
JP2001089228A JP26983099A JP26983099A JP2001089228A JP 2001089228 A JP2001089228 A JP 2001089228A JP 26983099 A JP26983099 A JP 26983099A JP 26983099 A JP26983099 A JP 26983099A JP 2001089228 A JP2001089228 A JP 2001089228A
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zinc oxide
zinc
varistor
powder
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Atsushi Iga
篤志 伊賀
Daiki Miyamoto
大樹 宮本
Takashi Miyamoto
敬 宮本
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Osaka Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】優れた電気特性を持ち、さらに直流負荷及びサ
ージ負荷に対して信頼性が高く、熱処理に対して安定な
酸化亜鉛バリスタを、を提供する。 【解決手段】酸化亜鉛粉末にBiとSb
を含有しその他に少なくともZnO、CoO又はCo
、MgO、MnO又はMn又はMnO、N
iOより選ばれた一つまたは二つ以上の酸化物を含有す
る混合粉体に予め熱処理を施して得た酸化物合成物を少
なくともB、CoO又はCo、Cr
、GeO、La、MgO、MnO又はM
nO又はMnO、Nb、Nd、Ni
O、PoO、Pr、SiO、SnO、Ta
、TiO、WO、およびYより選ばれた三
つ以上の酸化物をAlと共に添加し、混合してデ
ィスク状に加圧成形して焼結し、得られた酸化亜鉛系磁
器組成物の両面に電極を形成し、そこにリード線を付
け、ディスクタイプのバリスタを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は電気回路中のサー
ジ吸収などに用いられる酸化亜鉛バリスタ用磁器組成物
とその製造方法および酸化亜鉛バリスタに関する。
【0002】
【従来の技術】酸化亜鉛バリスタは、ZnOと基本添加物
であるBi2O3、MnOおよびCoOと、さらに性能向上のため
に添加される各種の酸化物とを含む酸化亜鉛原料粉末を
成型し焼成することによって得られる酸化亜鉛系磁器組
成物に電極を形成して製造される。酸化亜鉛バリスタの
電流−電圧(I−V)特性は、しばしばI=(V/C)αの近
似式で表現される。この式でCとαは素子の定数であ
り、非直線抵抗指数αが大きい値をもつときには、印加
電圧VがCの値を超えると電流Iが急激に増大することを
表している。αは電流域によって異なった値をとり、一
つの素子で必ずしも一定の値をとるとは限らぬ。そこで
各電流域におけるαということで、たとえば、0.1mAα
1mAなどとあらわされることがある。バリスタにおける
立ち上がり電圧は、バリスタに1mAの電流を流した時の
両端子間の電圧をいい、しばしば、V1mAで表される。そ
して厚みが1mmの試料に1mAの電流を流した時の両端子間
の電圧をこの材料の定数の一つとし、V1mA/mmで表され
る。酸化亜鉛バリスタの立ち上がり電圧は、電極間に存
在する酸化亜鉛焼結体の粒界の数にほぼ比例して上昇す
ることが知られている。すなわち、一つの粒界あたり立
ち上がり電圧は3から4ボルト上昇する。したがって、厚
さ1mmあたり300〜400Vくらいの高電圧用の酸化亜
鉛バリスタを製造するためには、平均粒径5〜20μm
程度の粒径の小さいZnO粒子を有する焼結体を製造する
ことが必要である。そこで従来は、高電圧用の酸化亜鉛
バリスタを製造するためにはZnO粉体に少量のBi2O3、Cr
2O3、CoO、MnO、NiOなどの酸化物粉体を添加しさらにSb
2O3粉体などのZnO粒子の粒成長抑制剤を添加して焼成す
ることによって、ZnO粒子の成長を抑制する方法を用い
て製造されてきた。Sb2O3は、酸化亜鉛バリスタの非直
線抵抗特性を安定化させるという重要な働きも行う。従
来、高電圧用、高性能の酸化亜鉛バリスタは、1150
℃〜1300 ℃の高い焼結温度で焼成されかなり優れ
た電気特性を有していた。
【0003】また、酸化亜鉛バリスタにおいて電気特性
が優れているとは、たとえば、非直線抵抗指数0.1mAα
1mAが高い値をもつなど非直線抵抗性が優れていて高電
流が流れても端子間電圧が高くならないことである。ま
た、電圧を印加した際の漏れ電流が少ないことも重要で
ある。そのためには低電流域で非直線抵抗特性が優れて
いて、V1mA/V0.01mAが1に近い値をもつなどである。ま
た、信頼性が優れているとは、長時間直流電圧を印加し
た場合、または交流電圧を印加した場合、あるいは高温
下で長時間電力負荷を加えた場合、さらにはパルス印加
した場合等においても、電気特性の低下が少なく、もと
の電気特性が維持されるなどの事項が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、高電圧用、高性
能の酸化亜鉛バリスタは、1150 ℃〜1300 ℃の
高い焼結温度で焼成された。このように高温で得られる
ZnOバリスタにおいて二つの大きな解決すべき課題があ
った。その一つは焼成温度が高温であるために種々の問
題が生ずるので、焼成温度を低温化するという課題であ
った。そして他の一つは、電圧印加や加熱処理によって
電気特性が変動しやすく、不安定であるのでこれを安定
化するという課題であった。
【0005】従来の製造法では、すなわち、ZnO粉体に
少量のBi2O3、Cr2O 3、CoO、MnO、NiO、Sb2O3などの酸化
物粉体を添加し焼成する方法では、焼成温度を1150
℃以下に低くすると、十分な焼結がおこなわれず、非
直線抵抗特性が低くバリスタとしての電気特性が不安定
であった。そこで高温で焼成された。高い焼結温度は焼
成のための電力消費の増大を招くのみならず、Bi2O3
どの激しい飛散とそれに伴う炉材や容器の腐食をもたら
すので、焼結温度の低温度化が要望されていた。すなわ
ち、これらの高い温度で焼成すると大気中において Bi2
O3などの蒸発は活発である。また、Bi2O3は多くの種類
の物質と反応しやすく、炉材や容器等のセラミックス材
など多くの物質を容易に腐食する。又、高温焼結では炉
内の被焼成物の置かれた場所により、温度・昇温速度な
どに差がでやすく、さらにBi2O3やSb2O3の蒸気圧などに
差が生じやすく、これを均一に保つことが困難であっ
て、電気特性などにバラツキを生じやすい。従来の製造
方法で焼成温度を1150 ℃以下に低くした場合、十
分な焼結が実施されない理由として、つぎのことが考え
られる。すなわち、Bi2O3を添加する系の酸化亜鉛バリ
スタにおいては、特性の向上と安定化のためにSb2O3
添加されるがSb2O3は焼成過程で低い温度で昇華してZnO
粒子の表面を覆い、昇温とともにZnOと反応してZnO−Sb
2O3系あるいはBi2O3−ZnO−Sb2O3系の皮膜を形成して、
ZnO粒子とZnO粒子の接触を妨げZnOの粒成長を抑制する
働きをする。これらのSb2O3を含む皮膜は1150 ℃付
近の高温になって粒状のスピネル相とBi2O3系の液相と
になり、ここではじめて粒成長が促進され、焼結が進
む。かくして、従来の製造方法では、1150 ℃以下
の温度では良い焼結体を製造することが困難であった。
【0006】 次に高温度焼結法によって製造されるZn
Oバリスタにおいては、本質的に電気特性の不安定性を
伴っていた。その原因として次のことが考えられる。す
なわち、大気中高温で生成されたZnO粒子では、ZnO結晶
格子間にインタスティシャルZn原子が形成され、このイ
ンタスティシャルZn原子がドナーとして働いて伝導帯に
電子を供給してn−型半導体となっている。ZnO中のイン
タスティシャルZn原子の濃度は雰囲気中の酸素分圧が高
いと低くなり、雰囲気温度が高くなると増すといわれて
いる。かかるZnO粉体にBi2O3、CoO、MnOなどを添加し、
加圧成型して高温大気中で焼結すると、きわめて高い非
直線抵抗特性をもったZnOバリスタが得られた。これら
の焼結体の粒界では粒界に沿って粒界の両側の伝導電子
が粒界につかまり、そのために粒界の両側に空乏層が形
成され、電子の異動を阻止するバリアが形成される。い
わゆるダブル・ショットキ・バリアが形成される。n−
型ZnO半導体の主な電気伝導の担い手はインタスティシ
ャルZn原子より生じた伝導電子であるので、空乏層内に
はプラス・チャージを持ったインタスティシャルZn原子
が残っていることになる。焼結体に外部から電圧が印加
されていない場合においても、空乏層内では強い電界が
働いており、空乏層内のプラス・チャージを持ったイン
タスティシャルZn原子は粒界に向けて引力を受けてい
る。このような焼結体に外部より電圧が印加されると、
電圧は薄い空乏層に対してのみ印加されるので、一方の
空乏層内ではさらに大きな電界が働くことになりインタ
スティシャルZn原子は比較的移動しやすいので、その一
部は粒界に向けて移動し、粒界に達する。そしてプラス
・チャージを持ったインタスティシャルZn原子はマイナ
ス・チャージを持った酸素原子と結合して中性のZnOと
なる。同時に粒界に捕獲されていたマイナス・チャージ
が減少するので、バリスタ特性をもたらせていたバリア
が低くなって非直線抵抗特性が低下する。さきにも述べ
たように焼結体に外部から電圧が印加されていない場合
においても、空乏層内では強い電界が働いており、空乏
層内のプラス・チャージを持ったインタスティシャルZn
原子は粒界に向けて引力を受けている。このような状況
において、素子が加熱されると、熱のため、インタステ
ィシャルZn原子は移動しやすくなり、電界によって一部
は粒界に向けて移動し、粒界でマイナス・チャージを持
った酸素原子と結合して中性のZnOとなり、バリスタの
非直線抵抗特性を低下させる。以上のように、ZnO結晶
の半導体化は、主として製造プロセスにおいて自然に生
ずるインタスティシャルZn原子によってもたらされ、そ
れ故に電気的不安定性を伴っていた。
【0007】一方において、ZnO結晶のn−型半導体化は
Al203の添加によっても実施された。特に高電流域にお
ける電流−電圧非直線抵抗性の向上を計るべくAl203
添加された。高電流域における電流−電圧非直線抵抗性
の向上はZnO粒子内の電気抵抗を下げることによって達
成できる。そして、ZnO粒子内の電気抵抗の低下はn−型
半導体ZnOのドナーとしてAl203をドープすることによっ
ておこなわれたのである。Al203が添加されると高電流
域における非直線抵抗特性が向上するが、同時に低電流
域における非直線抵抗特性が低下し、濡れ電流が増大す
る問題を抱えていた。電流値の増大は発熱をもたらし、
さらに温度上昇のために非直線抵抗特性を低下させ、つ
いにはバリスタの暴走をひきおこす危険性があった。特
に、電極焼き付けや側面コートのために熱処理を施した
際には低電流域における非直線抵抗特性の低下が大きい
という問題をもっていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の酸化亜鉛系磁器組成物は、酸化ビスマス
(Bi2O3)と酸化アンチモン(Sb2O3)とを含有しその他
に少なくとも酸化亜鉛(ZnO)、酸化コバルト(CoO又は
Co3O4)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化マンガン(Mn
O、又はMn2O3、又はMnO2)、酸化ニッケル(NiO)より
選ばれた一つまたは二つ以上の酸化物を含有する混合粉
体に予め熱処理を施して酸化物合成物を作成し、少なく
とも酸化ホウ素(B2O3)、酸化コバルト(CoO又はCo
3O4)、酸化クロム(Cr2O3)、酸化ゲルマニウム(Ge
O2)、酸化ランタン(La2O3)、酸化マグネシウム(Mg
O)、酸化マンガン(MnO、又はMn2O3、又はMnO2)、酸
化ニオブ(Nb2O5)、酸化ネオヂウム(Nd2O3)、酸化ニ
ッケル(NiO)、酸化鉛(PbO)、酸化プラセオヂウム
(Pr2O3)、酸化けい素(SiO 2)、酸化錫(SnO2)、酸
化タンタル(Ta2O5)、酸化チタン(TiO2)、酸化タン
グステン(WO3)、および酸化イットリウム(Y2O3)よ
り選ばれた三種以上の酸化物と酸化アルミニウム(Al2O
3)を前記の酸化物合成物と共に酸化亜鉛に添加・混合
し、焼成して得るいう構成を備えたものである。
【0009】次に、前記目的を達成するため、本発明の
酸化亜鉛系磁器組成物の製造方法は、酸化ビスマスと酸
化アンチモンとを含有しその他に少なくとも酸化亜鉛、
酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化
ニッケルより選ばれた一つまたは二つ以上の酸化物を含
有する混合粉体に予め熱処理を施して酸化物合成物を作
成する工程と、少なくとも酸化ホウ素、酸化コバルト、
酸化クロム、酸化ゲルマニウム、酸化ランタン、酸化マ
グネシウム、酸化マンガン、酸化ニオブ、酸化ネオヂウ
ム、酸化ニッケル、酸化鉛、酸化プラセオヂウム、酸化
けい素、酸化錫、酸化タンタル,酸化チタン、酸化タン
グステン、および酸化イットリウムより選ばれた二つ以
上の酸化物と酸化アルミニウムを前記の酸化物合成物と
共に酸化亜鉛に添加・混合する工程と、成形する工程
と、焼成する工程とを含有するという構成を備えたもの
である。
【0010】次に本発明における酸化亜鉛バリスタは、
酸化ビスマスと酸化アンチモンとを含有しその他に少な
くとも酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸
化マンガン、酸化ニッケルより選ばれた一つまたは二つ
以上の酸化物を含有する混合粉体に予め熱処理を施して
酸化物合成物を作成し、少なくとも酸化ホウ素、酸化コ
バルト,酸化クロム、酸化ゲルマニウム、酸化ランタ
ン、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ニオブ、酸
化ネオヂウム、酸化ニッケル、酸化鉛、酸化プラセオヂ
ウム、酸化けい素、酸化錫、酸化タンタル、酸化チタ
ン、酸化タングステン、および酸化イットリウムより選
ばれた三つ以上の酸化物と酸化アルミニウムを前記の酸
化物合成物と共に酸化亜鉛に添加して混合し、成形し、
焼成して酸化亜鉛磁器を得て、前記酸化亜鉛磁器に電極
を形成してなるという構成を備えたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】Bi2O3とSb2O3が他の酸化物と共に
添加される酸化亜鉛バリスタにおいて、添加物中のSb2O
3粉体が加熱されるとかなり低温で昇華してZnO粒子の表
面に付着し、ZnOと反応して、強固なアンチモン化合物
薄膜を形成し、ZnO粒子の粒成長を防げることが知られ
ている。しかるにSb2O3と他の物質とを予め熱処理を施
して反応させておき、ZnO粉体に他の添加物と共に添加
すると、昇温時のSb2O3の昇華が抑制され、ZnO粒子の表
面には、強固なアンチモン化合物薄膜は形成されず、低
温においても焼結が進み、活発にZnO粒子が粒成長する
ことが明らかとなった。従来においても、酸化亜鉛バリ
スタの混合粉体の全体に予め熱処理を施しておいてしか
るのちに焼結する方法とか、酸化亜鉛に対する添加物の
全量に予め熱処理を施しておいてしかるのちにZnOに添
加し焼結する方法とか、各種試みられてきたが、低温焼
結で優れた特性の酸化亜鉛バリスタは容易には得られな
かった。しかるに 酸化ビスマス(Bi2O3)と酸化アンチ
モン(Sb2O3)とを含有しその他に少なくとも酸化亜鉛
(ZnO)、酸化コバルト(CoO又はCo3O4)、酸化マグネシ
ウム(MgO)、酸化マンガン(MnO、又はMn2O3、又はMnO
2)、酸化ニッケル(NiO)より選ばれた一つまたは二つ
以上の酸化物を含有する混合粉体に予め熱処理を施して
酸化物合成物を作成し、得られた酸化物合成物を他の酸
化物添加物と共に酸化亜鉛に添加し、混合し、成型し、
低温で焼成して得た酸化亜鉛磁器組成物は電極を形成す
ることによって容易に特性の優れた酸化亜鉛バリスタが
得られることが明らかとなった。
【0012】つまり、本発明の酸化亜鉛磁器組成物は、
つぎの4種を混合し、所定の形状に加圧成型し、その成
型体を750〜1000℃の範囲内の温度で焼成することによ
って得られる。(1)ZnO、(2)Bi2O3 とZnOとSb2O3
熱処理を施して得た合成粉末、(3)Al2O3(4)そのほ
かの添加物。この温度範囲内で焼結することによって、
得られた磁器組成物に電極を形成すると、非直線抵抗特
性などの電気特性および信頼性に優れた酸化亜鉛バリス
タを歩留り高く製造することができる。なお、均質性を
増すため、アルミニウム成分としてAl2O3 の代わりにア
ルミニウム塩の溶液を添加することも好ましい。又、こ
れら酸化亜鉛系磁器組成物をシート状に成型し、電極材
料と交互に積層し、焼結し、電極を所定の接続方法でつ
なぐと、積層型のバリスタが得られる。その際、従来の
積層型のバリスタで、良特性のものを得ようとすると12
00℃以上の焼成温度を必要としたが、そのために電極材
料として白金などの貴金属を用いなければならない。し
かるに、本発明の酸化亜鉛系磁器組成物においては950
℃以下の温度で焼結して優れた電気特性を有するものが
含まれているのであり、しかも、この950℃以下の温度
で焼結可能な酸化亜鉛系磁器組成物を用いる場合、電極
材料として低価格の銀を用いることが可能となり、バリ
スタ普及に大きく寄与することができる。本発明の利点
の一つは、バリスタの内部電極として、銀を一体化焼成
できることにある。積層型のバリスタでは20V以下の低
電圧用が容易に得られ、小型にもかかわらず電流の流れ
る断面積が大きいので優れた非直線抵抗特性を有する。
【0013】また、本発明のZnOバリスタは、ディスク
タイプの小型のものから径の大きい柱状のものまで、ま
た低電圧の電子回路用から高電圧の送電・配電用のもの
まで広範囲の用途に対応できる。そして電圧印加、加熱
に対してきわめて特性が安定している。また、得られた
酸化亜鉛系磁器組成物に700℃近傍の温度で熱処理を施
しても熱処理による特性の劣化が小さいので銀電極の焼
き付けが容易である。
【0014】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。なお、以下の実施例において「重量」は、「wt」
と表示することがある。
【0015】(実施例1)Bi2O3の粉末と、ZnO粉末と、
Sb2O3の粉末(各粉末の粒径はそれぞれ、平均粒径が2〜
3μm)をモル比を変えながら混合した。この混合粉を大
気雰囲気下、500℃で10時間の熱処理を施した後、安定
化ジルコニアを玉石とするモノマロンポットのボールミ
ルで微粉砕することによって合成粉末(平均粒径約0.5
〜1.5μm)を得た。以下、Bi2O3と、ZnOと、Sb2O3 のこ
のようにして調整される合成粉末をBi2O3 /ZnO/Sb2O3
合成粉末と呼ぶこととする。ZnO粉末(平均粒径0.3μ
m)と、前記Bi2O3 /ZnO/Sb2O3 合成粉末と、Bi2O3
と、Co3O4粉末(平均粒径約0.5〜1.5μm)と、MnO2
末(平均粒径約2〜3μm)と、NiO粉末(平均粒径約0.5
〜1.5μm)と、Cr2O3 と、B2O3とを、重量比が100:3.5
0:1.34:0.954:0.414:0.383:0.203:0.058となるよ
うに配合した混合粉末をモノマロンポットと安定化ジル
コニアボールを用いて18時間、湿式法で混合粉砕し、42
メッシュを通過するものを得た。得られた配合粉末を乾
燥し、硝酸アルミニウム(ZnO1molに対してAl2O3に換算
して0.0002mol)の水溶液を加えて乳鉢で混合し、ディ
スク状に加圧成形した。次に得られた成形体を大気中、
900℃で10時間保持して焼結体を得た。焼結体の試料サ
イズは厚さが1.2mm、直径が14mmであった。
【0016】次に、図1を参照しながら酸化亜鉛バリス
タの作成方法を説明する。図1は本発明の酸化亜鉛系磁
器組成物を用いて作成したディスクタイプの酸化亜鉛バ
リスタ10の概略斜視図である。前記のようにして得た焼
結体11の両面にアルミニウムを溶射することによって、
アルミニウム層(図示せず)を形成し、次に、この両面
に形成されたアルミニウム層の上に銅を溶射することに
よって電極12を形成した。電極12にハンダでリード線13
を付けた後、リード線以外の成形体をエポキシ樹脂塗装
することによって酸化亜鉛バリスタを得た。
【0017】このようにして得られた酸化亜鉛バリスタ
の電気特性を評価した。初期の電気特性として、立ち上
がり電圧V1mA/mm(1mAの電流を流した時の両端子間の1
mm厚みに対する電圧)および非直線抵抗指数0.1mAα1mA
(V1mAとV 0.1mAとを用いて求めた値)を測定した(な
お、以下の記載においては、非直線抵抗指数0.1mAα1mA
を単にα値と略称することがある)。非直線抵抗指数が
大きいほど、サージ吸収能力が大きくなる。又、低電流
域における非直線抵抗特性はV1mA/V0.01mAで評価した。
いずれの実施例の試料においてもこの値が1.15以下であ
った。次に直流負荷に対する信頼性を評価した。80℃の
高温雰囲気中で0.2ワットの直流負荷を500時間印加し、
バリスタ立ち上がり電圧V1mAの変化率△V1mA/V1mA(直
流負荷変化率)を測定した。バリスタ立ち上がり電圧V
1mAの変化率△V1mA/V1mAが小さいほど、酸化亜鉛バリ
スタの電気特性が安定しており、信頼性が高いことを示
している。熱処理(700℃、1時間)を施さないバリス
タも施したバリスタも変化率△V1mA/V1mA(直流負荷変
化率)は5%以下であった。さらに、サージに対する信
頼性を評価した。8×20μsec、0.5kAのパルスの10回印
加によるバリスタ立ち上がり電圧V1mAの変化率△V1mA
V1mA(サージ変化率)を測定した。変化率△V1mA/V1mA
(サージ変化率)は5%以下であった。表1に試料の組成
を、表2に熱処理(700℃、1時間)を施さないバリスタ
と施したバリスタの電気特性を示す。熱処理を施したバ
リスタの電気特性も優れた値を示す。表1において♯001
〜♯008は本実施例を、♯009〜♯011は参考例を示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】 表1および表2より、本実施例の酸化亜
鉛系磁器を用いた酸化亜鉛バリスタは、極めて低い温度
で焼結することが可能となった。しかし、参考例#009
の場合のように合成粉末中のZnOの組成比がモル比で40
%以上になると種々の負荷による特性変化率が大きくな
り、熱処理を施したバリスタの電気特性では低電流域に
おける非直線抵抗特性が低下した。また、参考例#012
の場合のように合成粉末中のZnOの組成比がモル比で1
%以下になると、熱処理を施したバリスタの電気特性に
おいて低電流域における非直線抵抗特性が低下した。さ
らに、参考例#010の場合のように合成粉末中のBi2O3
組成比がモル比で10%以下になった場合や参考例#011
の場合のように合成粉末中のSb2O3の組成比がモル比で7
0%以上になった場合には、焼結が不十分で測定が不可
能であった。
【0021】(実施例2)Bi2O3 の粉末(40mol部)
と、ZnO粉末(5mol部)と、CoO粉末(5mol部)とSb2O3
の粉末(50mol部)を混合し、この混合粉を大気雰囲気
下、500℃で5時間の仮焼を施した後、ボールミルで粉砕
して、Bi2O3 /ZnO/CoO/Sb2O3合成粉末を得た。次
に、実施例1と類似の方法で試料を作成した。
【0022】ZnO粉末と、前記Bi2O3 /ZnO/CoO/Sb2O3
合成粉末と、B2O 3粉末をBi2O3 粉末と、CoO粉末と、Mn
O2 粉末、NiO粉末とCr2O3 粉末とを重量比で100:3.5:
0.058:1.34:0.954:0.203:0.414:0.383となるよう
に配合し、湿式法で18時間混合粉砕した。得られた混合
粉末に、硝酸アルミニウムの水溶液を加えて乳鉢で混合
し、実施例1と類似の方法で酸化亜鉛バリスタを得た。
表3に試料の組成を、表4に電気特性の評価結果を示す。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】表3および表4より、本実施例の酸化亜鉛系
磁器を用いた酸化亜鉛バリスタは、800℃で焼成された
参考試料(試料番号♯101)及び1100℃で焼成された参
考試料(試料番号♯106)を除いて非直線抵抗特性がよ
く、長時間の直流負荷に対してもまたサージに対して
も、立ち上がり電圧V1mA の変化率(△V 1mA / V1mA
の絶対値が5%以下で、信頼性が優れていた。試料番号
#106の参考試料は磁器と磁器とが互いにくっつきあっ
て離れぬものが多かった。
【0026】(実施例3)Bi2O3 の粉末と、CoO粉末
と、Sb2O3の粉末とをmol比で70:10:20となるように混
合した。この混合粉を大気雰囲気下、600℃で1時間の仮
焼を施した後、ボールミルで微粉砕し、Bi2O3 /CoO/
Sb2O3 合成粉末を得た。次に、実施例1と類似の方法で
酸化亜鉛バリスタを得た。すなわち、ZnO粉末と前記Bi2
O3 /CoO/Sb2O3 合成粉末と、B2O3、Bi2O3 とCoO粉末と
MnO2 粉末と、NiO粉末とを、重量比が、100:2.42:1.4
8:0.954:0.414:0.383となるように配合し、18時間、
湿式法で混合粉砕した。得られた配合粉末を乾燥し、硝
酸アルミニウムの水溶液を加えて乳鉢で混合し、ディス
ク状に加圧成形した。次に、得られた成形体を大気中、
700℃〜1000℃で20時間保持して焼結体を得た。次に、
実施例1と類似の方法で酸化亜鉛バリスタを得た。
【0027】かくして得た酸化亜鉛バリスタの電気特性
を、実施例1と類似の方法で評価した。表5に試料の組成
を、表6に焼成温度と電気特性の評価結果を示す。
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】表5および表6より、参考例#201をのぞいて
本実施例の酸化亜鉛系磁器を用いた酸化亜鉛バリスタ
は、非直線抵抗特性がよく、長時間の直流負荷に対して
もまたサージに対しても、立ち上がり電圧V1mAの変化率
(△V1mA/V1 mA)の絶対値が5%以下で、信頼性が優れ
ていた。#201は測定不能であった。
【0031】(実施例4)3種類の合成粉末、Bi2O3/M
nO/Sb2O3、Bi2O3/NiO/Sb2O3、Bi2O 3/MgO/Sb2O3
作成した。ここで、Bi2O3/MnO/Sb2O3は、Bi2O3の粉末
(60 mol比)と、MnO粉末(10 mol比)と、Sb2O3(30 m
ol比)の粉末を混合し、大気雰囲気下、450℃で10時間
の仮焼処理を施した後、ボ−ルミルで微粉砕したもの
で、Bi2O3/NiO/Sb2O3はBiOの粉末(40 mol比)
と、NiO粉末(10 mol比)と、Sb2O3(50 mol比)の粉末
を混合し、大気雰囲気下、650℃で1時間の仮焼処理を施
した後、ボ−ルミルで微粉砕したもので、Bi2O3/MgO/
Sb2O3は、Bi2O3の粉末(70 mol比)と、MgO粉末(5 mol
比)と、Sb2O3(25 mol比)の粉末を混合し、大気雰囲
気下、550℃で2時間の仮焼処理を施した後、ボ−ルミ
ルで微粉砕したものである。次に、実施例 1と類似の
方法で試料を作成した。ZnO粉末と、合成粉末Bi2O3/Mn
O/Sb2O3と、B2O3粉末と、Bi2O3粉末と、CoO粉末と、Cr
2O3粉末と、MnO粉末と、NiO粉末とを重量比が、100:3.
5:0.058:1.34:0.954:0.203:0.414:0.383となるよ
うに配合し、18時間、湿式法で混合粉砕した。得られた
配合粉末を乾燥し、硝酸アルミニウムの水溶液を加えて
乳鉢で混合し、ディスク状に加圧成形した。次に、得ら
れた成形体を大気中、900℃で10時間保持し焼結体
を得た。次に、実施例1と類似の方法で酸化亜鉛バリス
タを得た。合成粉末Bi2O3/NiO/Sb2O3およびBi2O3/Mg
O/Sb2O3を用いた酸化亜鉛バリスタも類似の方法で作成
した。かくして得た酸化亜鉛バリスタの電気特性を、実
施例1と類似の方法で評価した。表7に試料の組成を、
表8に電気特性の評価結果を示す。
【0032】
【表7】
【0033】
【表8】
【0034】表7および表8より、本実施例の酸化亜鉛系
磁器を用いた酸化亜鉛バリスタは、850℃という低温焼
成にもかかわらず、非直線抵抗特性と信頼性に優れてい
ることがわかる。
【0035】
【発明の効果】酸化亜鉛粉末に対し、酸化ビスマスと酸
化アンチモンの二者のほかに少なくとも酸化コバルト、
酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ニッケルより選
ばれた酸化物を加えて混合し400℃〜700℃の範囲の熱処
理を施して得た合成粉末と、Al2O3 、B2O3 、Bi2O3、Co
O、Cr2O3、GeO2、La2O3、MgO、MnO、Nb2O5、Nd2O3、Ni
O、PbO、Pr2O3、SiO2、SnO2、Ta2O5、TiO2、WO3、およ
び、Y2O3のそれぞれから選ばれる少なくとも二つ以上の
金属酸化物を添加し、加圧成形すると、750℃〜1000℃
でバリスタ用酸化亜鉛系磁器組成物が焼結でき、優れた
電気特性を持つことが明らかとなった。低温
【0036】焼結法は高温焼結法に対して種々の点にお
いて優位性を持つ。(1)先ず焼成温度が大幅に低くな
って電力消費量が少なくなる。(2)炉材・容器、(3)
公害、(4)歩留まりの向上、(5)銀内電、高性能の積
層型の酸化亜鉛バリスタを製造できるようになった。
(6)研究開発が容易になった。
【0037】組成と特性、焼成温度と特性など電位特性
およびその安定性においても低温焼結法で優位性が認め
られた。(1)低電流域から高電流域にわたって非直線
抵抗特性が優れた酸化亜鉛バリスタが得られた。漏れ電
流が少なく熱暴走の危険がない。(2)電気特性の安定
性に優れ電圧印加による電気特性の変動がない。(3)
高電圧化が容易になった。単位厚み当たりの電圧が300V
〜500Vの材料が安定して得られる。(4)加熱による電
気特性の劣化が小さい。たとえ、電流が流れて発熱して
も、熱による劣化の加速が小さい。側面コート材や電極
材の焼き付けが容易にできる。データの信頼性を高める
ため、実施例ではCoO、MnO、NiOの三者の添加量の比を
一定にして添加したが、本発明の酸化亜鉛系磁器組成物
は、これらの量に限定するものではない。なお、実施例
では、800−950℃の焼成のデータを示したが、B2O3、Cr
2O3などの添加量を調整することにより、750℃まで焼成
温度を下げても、良特性のバリスタが得られることが、
明らかとなった。
【0038】なお、酸化亜鉛バリスタでは、高電流域に
おける比直線抵抗特性をよくするため、しばしばAl2O3
が添加されるが、(実施例ではいずれにおいてもZnO 10
0wt 部に対してAl2O3、0.0026wt部)、その添加量はバ
リスタの用途によって決まるので0.0026wt部に限定され
るものではない。高電流域における非直線抵抗特性をよ
くしたい場合はAl2O3添加量を増し、低電流域における
漏れ電流を小さくしたい場合にはAl2O3添加量を少なく
する。本発明のZnOバリスタの電気特性が安定化した原
因として次のことが考えられる。すなわち、焼成過程に
おいて何らかの作用によってインタスティシャルZn原子
の密度が低下した。そして、ZnOの半導体化は主にAlに
よっている。
【0039】以上説明したように、本発明は、低温度焼
結で非直線抵抗特性などの電気特性および信頼性に優れ
た酸化亜鉛バリスタを高い歩留りで製造することが可能
な酸化亜鉛系磁器組成物を提供できる。本発明の酸化亜
鉛系磁器組成物は、その焼結体を製造する場合焼成温度
を750〜1000℃まで低くしても、均一に焼結し、バリス
タにとって重要な粒径を均一に成長させることが可能で
ある。又、高電流パルスにも十分耐えることができ、交
流印加に対しても高性能をもちつづけることができる。
【0040】また、この酸化亜鉛系磁器組成物には950
℃以下の温度で焼結したものに優れた電気特性を有する
ものが含まれているので、これら酸化亜鉛系磁器組成物
をシート状に成型し、電極材料と交互に積層し、焼結
し、電極を所定の接続方法でつなぐと、積層型のバリス
タが得られる。その際、従来の積層型のバリスタでは、
良特性のものを得ようとすると1200℃以上の焼成温度を
必要としたが、そのためには電極材料として白金などの
貴金属を用いる。しかるに、900℃以下の温度で焼結可
能な酸化亜鉛系磁器組成物を用いる場合、電極材料とし
て比較的低価格である銀を用いることが可能となり、バ
リスタ普及に大きく寄与することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の酸化亜鉛系磁器組成物を用い
て作成したディスクタイプの酸化亜鉛バリスタの概略を
示した斜視図である。
【符号の説明】
10 ディスクタイプの酸化亜鉛バリスタ 11 酸化亜鉛焼結体 12 電極 13 リード線
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月10日(1999.11.
10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の酸化亜鉛系磁器組成物は、酸化ビスマス
(Bi2O3)と酸化アンチモン(Sb2O3)とを含有しその他
に少なくとも酸化亜鉛(ZnO)、酸化コバルト(CoO又は
Co3O4)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化マンガン(Mn
O、又はMn2O3、又はMnO2)、酸化ニッケル(NiO)より
選ばれた一つまたは二つ以上の酸化物を含有する混合粉
体に予め熱処理を施して酸化物合成物を作成し、少なく
とも酸化ホウ素(B2O3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化
コバルト(CoO又はCo3O4)、酸化クロム(Cr2O3)、酸
化ゲルマニウム(GeO2)、酸化ランタン(La2O3)、酸
化マグネシウム(MgO)、酸化マンガン(MnO、又はMn2O
3、又はMnO2)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ネオヂウム
(Nd2O3)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉛(PbO)、酸
化プラセオヂウム(Pr2O3)、酸化けい素(SiO2)、酸
化錫(SnO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化チタン(T
iO2)、酸化タングステン(WO3)、および酸化イットリ
ウム(Y2O3)より選ばれた三種以上の酸化物と酸化アル
ミニウム(Al2O3)を前記の酸化物合成物と共に酸化亜
鉛に添加・混合し、焼成して得るいう構成を備えたもの
である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】次に、前記目的を達成するため、本発明の
酸化亜鉛系磁器組成物の製造方法は、酸化ビスマスと酸
化アンチモンとを含有しその他に少なくとも酸化亜鉛、
酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化
ニッケルより選ばれた一つまたは二つ以上の酸化物を含
有する混合粉体に予め熱処理を施して酸化物合成物を作
成する工程と、少なくとも酸化ホウ素、酸化ビスマス、
酸化コバルト、酸化クロム、酸化ゲルマニウム、酸化ラ
ンタン、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ニオ
ブ、酸化ネオヂウム、酸化ニッケル、酸化鉛、酸化プラ
セオヂウム、酸化けい素、酸化錫、酸化タンタル,酸化
チタン、酸化タングステン、および酸化イットリウムよ
り選ばれた二つ以上の酸化物と酸化アルミニウムを前記
の酸化物合成物と共に酸化亜鉛に添加・混合する工程
と、成形する工程と、焼成する工程とを含有するという
構成を備えたものである。酸化マグネシウム(MgO)、
酸化マンガン(MnO、又はMn2O3、又はMnO2)、酸化ニッ
ケル(NiO)より選ばれた一つまたは二つ以上の酸化物
を含有する混合粉体に予め熱処理を施して酸化物合成物
を作成し、得られた酸化物合成物を他の酸化物添加物と
共に酸化亜鉛に添加し、混合し、成型し、低温で焼成し
て得た酸化亜鉛磁器組成物は電極を形成することによっ
て容易に特性の優れた酸化亜鉛バリスタが得られること
が明らかとなった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】次に本発明における酸化亜鉛バリスタは、
酸化ビスマスと酸化アンチモンとを含有しその他に少な
くとも酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸
化マンガン、酸化ニッケルより選ばれた一つまたは二つ
以上の酸化物を含有する混合粉体に予め熱処理を施して
酸化物合成物を作成し、少なくとも酸化ホウ素、酸化ビ
スマス、酸化コバルト、酸化クロム、酸化ゲルマニウ
ム、酸化ランタン、酸化マグネシウム、酸化マンガン、
酸化ニオブ、酸化ネオヂウム、酸化ニッケル、酸化鉛、
酸化プラセオヂウム、酸化けい素、酸化錫、酸化タンタ
ル、酸化チタン、酸化タングステン、および酸化イット
リウムより選ばれた三つ以上の酸化物と酸化アルミニウ
ムを前記の酸化物合成物と共に酸化亜鉛に添加して混合
し、成形し、焼成して酸化亜鉛磁器を得て、前記酸化亜
鉛磁器に電極を形成してなるという構成を備えたもので
ある。
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月15日(1999.11.
15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】次に、前記目的を達成するため、本発明の
酸化亜鉛系磁器組成物の製造方法は、酸化ビスマスと酸
化アンチモンとを含有しその他に少なくとも酸化亜鉛、
酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化
ニッケルより選ばれた一つまたは二つ以上の酸化物を含
有する混合粉体に予め熱処理を施して酸化物合成物を作
成する工程と、少なくとも酸化ホウ素、酸化ビスマス、
酸化コバルト、酸化クロム、酸化ゲルマニウム、酸化ラ
ンタン、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ニオ
ブ、酸化ネオヂウム、酸化ニッケル、酸化鉛、酸化プラ
セオヂウム、酸化けい素、酸化錫、酸化タンタル,酸化
チタン、酸化タングステン、および酸化イットリウムよ
り選ばれた二つ以上の酸化物と酸化アルミニウムを前記
の酸化物合成物と共に酸化亜鉛に添加・混合する工程
と、成形する工程と、焼成する工程とを含有するという
構成を備えたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 敬 大阪府和泉市あゆみ野2丁目7番1号 大 阪府立産業技術総合研究所内 Fターム(参考) 4G030 AA07 AA11 AA12 AA13 AA16 AA20 AA21 AA22 AA24 AA25 AA28 AA29 AA32 AA37 AA38 AA39 AA40 AA42 AA43 AA53 BA04 GA01 4G047 AA04 AA05 AB01 AC03 AD04 5E034 CA07 CA09 CB01 CC05 DA03 DC02 DC03 DC05 DE01 DE05 DE07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化ビスマス(Bi2O3)と酸化アンチモン
    (Sb2O3)とを含有しその他に少なくとも酸化亜鉛(Zn
    O)、酸化コバルト(CoO又はCo3O4)、酸化マグネシウム
    (MgO)、酸化マンガン(MnO、又はMn2O3、又はMn
    O2)、酸化ニッケル(NiO)より選ばれた一つまたは二
    つ以上の酸化物を含有する混合粉体に予め熱処理を施し
    て酸化物合成物を作成し、少なくとも酸化ホウ素(B
    2O3)、酸化コバルト(CoO又はCo3O4)、酸化クロム(Cr
    2O3)、酸化ゲルマニウム(GeO2)、酸化ランタン(La2O
    3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化マンガン(MnO、
    又はMn2O3、又はMnO2)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ネ
    オヂウム(Nd2O3)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉛(Pb
    O)、酸化プラセオヂウム(Pr2O3)、酸化けい素(Si
    O2)、酸化錫(SnO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化
    チタン(TiO2)、酸化タングステン(WO3)、および酸
    化イットリウム(Y2O3)より選ばれた二種以上の酸化物
    と酸化アルミニウム(Al2O3)を前記の酸化物合成物と
    共に酸化亜鉛に添加し、混合し、焼成して得られる酸化
    亜鉛磁器組成物。
  2. 【請求項2】酸化ビスマスと酸化アンチモンとを含有し
    その他に少なくとも酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化マグ
    ネシウム、酸化マンガン、酸化ニッケルより選ばれた一
    つまたは二つ以上の酸化物を含有する混合粉体に予め熱
    処理を施して酸化物合成物を作成する工程と、少なくと
    も酸化ホウ素、酸化コバルト、酸化クロム、酸化ゲルマ
    ニウム、酸化ランタン、酸化マグネシウム、酸化マンガ
    ン、酸化ニオブ、酸化ネオヂウム、酸化ニッケル、酸化
    鉛、酸化プラセオヂウム、酸化けい素、酸化錫、酸化タ
    ンタル、酸化チタン、酸化タングステン、および酸化イ
    ットリウムより選ばれた二つ以上の酸化物と酸化アルミ
    ニウムを前記の酸化物合成物と共に酸化亜鉛に添加・混
    合する工程と、成形する工程と、焼成する工程とを含有
    する酸化亜鉛磁器組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】酸化ビスマスと酸化アンチモンとを含有し
    その他に少なくとも酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化マグ
    ネシウム、酸化マンガン、酸化ニッケルより選ばれた一
    つまたは二つ以上の酸化物を含有する混合粉体に予め熱
    処理を施して酸化物合成物を作成し、少なくとも酸化ホ
    ウ素、酸化コバルト、酸化クロム、酸化ゲルマニウム、
    酸化ランタン、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化
    ニオブ、酸化ネオヂウム、酸化ニッケル、酸化鉛、酸化
    プラセオヂウム、酸化けい素、酸化錫、酸化タンタル、
    酸化チタン、酸化タングステン、および酸化イットリウ
    ムより選ばれた二つ以上の酸化物と酸化アルミニウムを
    前記の酸化物合成物と共に酸化亜鉛に添加して混合し、
    成形し、焼成して酸化亜鉛磁器を得て、前記酸化亜鉛磁
    器に電極を形成してなる酸化亜鉛バリスタ。
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