JP2001089187A - プラズマディスプレイパネル誘電体用ガラス組成物 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル誘電体用ガラス組成物

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JP2001089187A
JP2001089187A JP27171199A JP27171199A JP2001089187A JP 2001089187 A JP2001089187 A JP 2001089187A JP 27171199 A JP27171199 A JP 27171199A JP 27171199 A JP27171199 A JP 27171199A JP 2001089187 A JP2001089187 A JP 2001089187A
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glass
glass composition
dielectric
electrode
layer
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Yasutaka Takemura
康孝 竹村
Takayuki Tomita
隆幸 冨田
Haruhiko Okuno
晴彦 奥野
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Okuno Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Okuno Chemical Industries Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/12Silica-free oxide glass compositions
    • C03C3/23Silica-free oxide glass compositions containing halogen and at least one oxide, e.g. oxide of boron
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PDPの前面基板の誘電体層形成素材として
有用なガラス組成物を提供。 【解決手段】 PDPの誘電体層形成用ガラス組成物で
あって、その組成が重量%でZnO45〜55%、B2
325〜35%、SiO23〜15%、KF、NaF、
LiF、CaF、MgF及びBaFからなる群から選ば
れる少なくとも1種の金属フッ化物6〜14%、並びに
Li2O、Na2O及びK2Oからなる群から選ばれる少
なくとも1種のアルカリ金属酸化物0〜4%であること
を特徴とするガラス組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(以下「PDP」という)の誘電体層用ガラ
ス組成物、より詳しくは特にPDP前面板維持電極を被
覆する誘電体層の形成に適したガラス組成物及びこれを
利用して得られるPDPに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビジョン、コンピューター等
の表示装置の分野においては、PDPが汎用されつつあ
る。該PDPは、2枚の基板ガラス間に、隔壁にて仕切
られた多数のセル(微小放電空間)を形成させ、各セル
内表面に蛍光体を配し、該セル中に放電ガスを充填した
構造を有しており、上記セル内の電極間放電によって放
電ガスを励起し、その際発する紫外線により基底状態に
ある蛍光体を発光させて画像を形成させるものである。
【0003】通常AC型PDPは、その前面ガラス基板
の片面(背面基板と向き合う面)にストライプ上に錫−
インジウムまたは錫の透明電極が形成され、その上に、
該電極の導電性を補うために該透明電極より狭い幅で金
属(例えば銀、クロム−カッパー−クロム、アルミニウ
ム、ニッケルなど)電極(バス電極という)が設けられ
ている。之等電極群(維持電極またはサステイン電極と
いう)は、透明な誘電体ガラス層で被覆され、更にその
上に例えばMgOなどの保護層が形成されている。
【0004】従来、上記PDPの誘電体ガラス層の形成
には、500〜600℃程度の温度でメルトするPbO
−SiO2−B23系ガラスが汎用されてきた。しかる
に、このガラスは、透明性、誘電率、耐電圧性等におい
て優れた特性を有するものではあったが、昨今の環境問
題を考慮すると、有害な鉛成分を多量に含む点より、そ
の利用は好ましくなく、回避すべきものである。
【0005】従って、PDP業界においては、上記鉛を
含有するガラスに代替できる鉛成分を含まないガラスの
開発が望まれており、この要望に合わせて種々の鉛不含
ガラスが提案されつつある。
【0006】その例としては、例えば前記維持電極を被
覆するための誘電体ガラスとして、ZnO−B23−S
iO2系ガラス(特開昭60−11246号公報、特開
平9−50769号公報、特開平9−102273号公
報、特開平9−278482号公報参照)や、ZnO−
Bi23−B23系ガラス(特開平11−11979号
公報等参照)が挙げられる。
【0007】しかしながら、提案された各ガラスは、い
ずれも尚PDPの誘電体層用ガラスとしての要望特性を
充分に満すものではなかった。例えば特開昭60−11
246号公報に記載のガラスに代表される前者のZnO
−B23−SiO3系ガラスは、一般に軟化点が高す
ぎ、その透明性が危惧され、低軟化点とするためにNa
2O、Li2O等のアルカリ成分の添加を余儀なくされ
る。かかるアルカリ成分の添加は耐電圧の低下と共に、
バス電極が銀の場合は誘電体ガラス層への銀の拡散、コ
ロイド化を惹起し、これに伴ってアンバー色の発色が助
長され、これは蛍光体の正規の発色を妨げ、輝度の低下
という重大な不利を招く。
【0008】また、後者のBi23系ガラスは、ガラス
成分としてのビスマスが、鉛と類似した性質をガラスに
与えることを利用するものであるが、ビスマス化合物
は、その毒性についてもなお不明な部分が多く残されて
おり、また資源としても量が少なく高価であることか
ら、PDPへのその利用は得策とは考えられない。
【0009】このように、現在、PDPの誘電体層や隔
壁のための鉛不含のガラス組成物であって、従来汎用さ
れてきた鉛を含有するPbO−SiO2−B23系ガラ
スに匹敵する性能を奏し得るものは、未だ開発されてい
ない現状にある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、PD
P前面基板の維持電極を被覆するための誘電体ガラス層
用組成物であって、従来汎用されてきた鉛を含むガラス
組成物に代わって、毒性が問題とならず、しかも該鉛系
ガラスと同等もしくはこれをも凌ぐ特性を発揮し得る新
しい鉛不含のガラス組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的より
鋭意研究を重ねる過程において、上記PDPの各要素用
のガラスに要求される性能として次のものを掲げ、かか
る要求性能を満足するガラス組成について、更に引き続
き検討を行なった。 (1)軟化点が550℃以下であること、(2)線熱膨張係数
(ガラス単体)が75〜85×10-7の範囲であるこ
と、(3)メルトしたガラスができるだけ透明であるこ
と、(4)鉛、ビスマスをガラス成分として含有しないこ
と、(5)誘電率が7.0以下であること、(6)耐電圧が1
KV以上であること、(7)バス電極として銀を用いる場
合も銀によるアンバー発色がないこと。
【0012】その結果、先に提案されたZnO−B23
−SiO2系ガラスに属する改良された新規組成のガラ
スが、上記目的に合致することを見出し、ここに本発明
を完成するに至った。
【0013】本発明によれば、PDPの誘電体層形成用
ガラス組成物であって、その組成が重量%でZnO45
〜55%、B2325〜35%、SiO23〜15%、
KF、NaF、LiF、CaF、MgF及びBaFから
なる群から選ばれる少なくとも1種の金属フッ化物6〜
14%、並びにLi2O、Na2O及びK2Oからなる群
から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属酸化物0〜
4%であることを特徴とするガラス組成物が提供され
る。
【0014】特に本発明によれば、金属フッ化物がKF
である上記ガラス組成物及び透明電極と金属電極とから
なるプラズマディスプレイパネルの前面板維持電極を被
覆する誘電体ガラス層の形成用である上記ガラス組成物
が提供される。
【0015】また本発明によれば、上記ガラス組成物を
適用して形成された誘電体層を有するPDPが提供され
る。
【0016】本発明に係わるガラス組成物は、上記構成
としたことに基づいて、前記した要求性能を満足する。
即ち該組成物は、550℃以下の低温で基板ガラスに焼
付けることができ、所望の線熱膨張係数、透明性、誘電
率、耐電圧、銀電極に対する相性等を有するガラス皮膜
を形成できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるガラス組成
物につき詳述すれば、これは上記特定組成(重量%、以
下同じ)を有することを特徴としている。
【0018】この組成において、ZnO成分は、従来の
鉛含有ガラスに代替できる鉛不含ガラスの中核をなすも
のであり、45〜55%の範囲内で配合される。これが
45%を下回る場合は軟化点が550℃以下のガラスを
得ることは困難となる。55%を越える場合は耐薬品性
(耐水性、耐アルカリ性等)が低下し、透明性も低下す
る不利がある。好ましいZnO成分の配合割合は、46
〜51%の範囲である。
【0019】B23成分は、25〜35%の範囲、好ま
しくは28〜33%から選択され、この配合によってガ
ラスの軟化点及び誘電率を適度に低下させる働きがあ
る。これが25%未満では、軟化点550℃以下のガラ
スを得ることは困難となる。逆に35%を越える配合で
は、耐薬品性が低下する不利がある。
【0020】SiO2成分は、ガラスの骨格となる成分
であり、3〜15%の範囲、好ましくは7〜11%の範
囲内で配合される。これが3%を下回る場合、ガラスの
耐薬品性、耐電圧、透明性等が低下し、15%を越える
場合は軟化点550℃以下のガラスを得ることが困難と
なる。
【0021】KF、NaF、LiF、CaF、MgF及
びBaFからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属
フッ化物は、6〜14%の範囲、好ましくは10〜14
%の範囲内で配合され、本発明組成物の最も重要な構成
要素の一つである。この配合は線膨張係数を上昇させる
ことなくガラスの軟化点を所望の550℃以下に降下さ
せる働きを奏する。しかるに6%を下回る場合、軟化点
が550℃を超えるものとなってしまう不利があり、1
4%を越える配合ではしばしば基板ガラスにクラックを
生ぜしめる不利がある。
【0022】上記金属フッ化物の内で特にKF、Ca
F、MgF及びBaFは、バス電極が銀であるときに、
焼成時の銀と誘電体ガラスとの接触による銀のアンバー
発色の防止に有効である。NaF及びLiFは、かかる
アンバー色の発色防止には効果がないが、少量の添加で
ガラスの軟化点降下に有効であり、また誘電体ガラス層
の表面平滑化、透明性向上にも有効であり、バス電極が
銀でない場合や、銀のアンバー色が生じても許容できる
範囲である場合に利用できる。
【0023】Li2O、Na2O及びK2Oからなる群か
ら選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属酸化物成分
(アルカリ成分)は、本発明ガラス組成物の必須成分で
はないが、軟化点の調整に有効であり、総量が4%まで
の範囲で配合することができる。この成分が4%を越え
る場合は、線熱膨張係数が所望の値となり得ず、また、
銀のアンバー色を顕著とする不利がある。
【0024】本発明ガラス組成物は、上記各ガラス成分
の所定量を必須成分として含有することを前提として、
更に必要に応じて、他の適当なガラス成分を含有するこ
ともできる。この必要に応じて添加配合できるガラス成
分及びその配合量は、得られるガラスの特性に悪影響を
与えないもの及び範囲から適宜選択できる。該ガラス成
分の具体例としては、例えばTiO2、SnO、Sn
2、WO3、MoO3、Al23、Tl23、V25
CaO、MgO、BaO等を例示できる。これらは一種
又は二種以上用いることができ、その添加配合量は、各
成分とも軟化点の上昇に結びつくことから、3%以内で
あるのが望ましい。これらの配合はいずれも耐薬品性の
改善に役立つ。
【0025】本発明ガラス組成物は、上記各成分を所定
割合で混合することにより、前記した特性、即ち(1)軟
化点550℃以下、(2)線熱膨張係数(ガラス単体)7
5〜85×10-7、(3)優れた透明性、(4)鉛、ビスマス
不含、(5)誘電率7.0以下、(6)耐電圧1KV以上に加
えて、良好な耐薬品性やバス電極として銀を用いる場合
にも銀によるアンバー発色が防止できる特性等を有する
PDP誘電体を形成し得るものである。
【0026】本発明ガラス組成物を利用したPDP誘電
体の形成は、通常の方法に従うことができる。例えば本
発明組成物を利用してPDPの維持電極を被覆形成させ
る場合、本発明組成物はまず常法に従い、以下の如くし
て粉末化される。即ち、前記成分組成となるように各原
料化合物を混合し、得られる混合バッチを約1150〜
1250℃で溶融し、融液状ガラスを水冷ロールに挟ん
で冷却してフレーク状ガラスを得る。このガラスフレー
クをボールミル等の適当な粉砕機を用いて、湿式又は乾
式粉砕し、湿式粉砕を水中で行なう場合は更に水分を濾
去して得られるケーキ状物を乾燥、好ましくは低温で真
空乾燥することにより、所望のガラス粉末を調製でき
る。尚、上記湿式粉砕時、水中での過度の粉砕はガラス
組成物を変質させるおそれがあるため、好ましくは予め
乾式粉砕後、水中での短時間の湿式粉砕を行なうのがよ
い。
【0027】かくして得られる本発明のガラス組成物の
粉末は、特に限定されるわけではないが、通常約0.1
〜30μmの範囲の粒度を有しているのが望ましい。か
かる粒度は慣用される方法に従い容易に調整できる。ま
た得られる粉末粒子は、更に必要に応じて分級して、適
当な粒度、より好ましくは約0.5〜10μmの範囲の
粒度に調整することができる。
【0028】以下、本発明ガラス組成物を利用してPD
P誘電体層を形成させる方法につき詳述する。該方法は
基本的には従来知られている方法に準じることができ
る。例えばPDP前面板維持電極を被覆する誘電体ガラ
ス層の形成を例にとり、図1に示すPDPの代表的概略
図を用いて、これを説明すれば次の通りである。
【0029】AC型の前面基板(1)には、通常のソー
ダライムガラス或いは高歪点ガラスが用いられ、該ガラ
スの背面基板(10)と向き合う片面に透明電極(2)
と、該電極上に導電性の高いバス電極(3)(例えば厚
膜材料による銀電極、ニッケル電極、アルミニウム電
極、スパツタリングによるCr/Cu/Cr電極等)が
パターニング配置される。この両電極を合わせて維持電
極という。この維持電極(3)上を、全面に亘って本発
明ガラス組成物で被覆して誘電体ガラス層(4)を形成
させる。更にこの誘電体ガラス層(4)は、例えばMg
Oからなる保護層(5)でその表面を被覆されている。
【0030】本発明誘電体層用ガラス組成物は、一般に
上述したガラス粉末を有機ビヒクルと混合して適当なペ
ースト状物として用いられる。ここで、有機ビヒクルと
しては、一般にこの種ガラスペーストに利用されている
各種のもののいずれでもよく、これらは通常樹脂の溶剤
溶液からなっている。該樹脂としては、セルロース系樹
脂及びアクリル系樹脂が好ましいものとして例示でき
る。該セルロース系樹脂には、エチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ニトロセルロース等が、アク
リル系樹脂には、ポリブチルアクリレート、ポリイソブ
チルメタクリレート等が含まれる。上記樹脂は、一般に
は調整されるガラスペースト組成物中にその1種を単独
で又は2種以上を併用して、合計量が0.5〜20重量
%程度の範囲で配合されるのがよい。また該ガラスペー
ストには、更に必要に応じて、通常添加配合できること
の知られている添加剤、例えば沈殿防止剤、分散剤、基
板ガラスとの接着性向上剤等を適宜配合することができ
る。
【0031】上記樹脂の溶剤溶液を構成する溶剤も通常
知られている各種のものでよく、特に限定されない。一
般には、樹脂の溶解性に優れ、粘稠性のオイルを形成し
得るものが好ましい。これには中沸点及び高沸点のエス
テル系溶剤、エーテル系溶剤、石油系溶剤等が含まれ
る。具体例としては、例えばブチルセロソルブアセテー
ト、ブチルカルビトールアセテート等のエステル系溶
剤、ブチルカルビトール等のエーテル系溶剤、ナフサ、
ミネラルターペン等の石油系溶剤等が例示できる。之等
は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用することも
できる。
【0032】以下、上記ガラスペーストの調製とこれを
用いた誘電体ガラス層の形成方法につき詳述すれば、ま
ず上記樹脂を比較的高沸点の溶剤に溶解したオイル中
に、所定量の本発明ガラス組成物を、三本ロール、ボー
ルミル、サンドミル等の分散機で分散させて、スラリー
状乃至ペースト状物(ガラスペースト)を調製し、次い
でこのガラスペーストを、例えばドクターブレード法、
ロールコート法、スクリーン印刷法、テーブルコータ
ー、リバースコーター、スプレー法等の各種方法に従
い、維持電極を設けた前面基板上に塗布施工する。ま
た、予め、本発明ガラス組成物と有機結着剤樹脂にてド
ライなグリーンシートを形成させた後、このシートを維
持電極を設けた前面基板上にラミネートすることもでき
る。
【0033】上記の如くして前面基板上に形成されたガ
ラス組成物は、次いで加熱炉中で、約500〜600℃
の温度で焼成することにより、所望の誘電体層とするこ
とができる。
【0034】かくして得られる誘電体ガラス層は、通常
膜厚20〜30μmとされ、この膜圧で充分な電気絶縁
性及び放電特性を有する。その耐電圧は、通常1kV以
上、誘電率は7.0以下である。特に、該ガラス層は、
鉛不含のために電極とガラスとの反応がなく、このこと
からも優れた誘電特性を有している。また、本発明ガラ
ス組成物を使用して得られる誘電体ガラス層は、バス電
極が銀の場合でも、銀によるアンバー色の発色が防止さ
れている。このように本発明によれば、鮮明な色調で且
つコントラストの高いPDPを提供することかできる。
【0035】また、上記誘電体ガラス層は透明で表面平
滑である。該層の表面平滑性は、欠陥のないMgO保護
層の形成を容易なものとし、ひいては安定した放電特性
を保証する。この平滑表面を得るために、特に好ましく
は、本発明ガラス組成物の粉末を予め分級して巨大粒子
を除去し、更に該粉末ペーストをスクリーンでこして用
いるのがよい。更に、より優れた平滑表面を得るために
は、例えば本発明ガラス組成物の内で比較的軟化点の高
いものを電極サイトに使用し、軟化点の比較的低いもの
を該高軟化点ガラス層上に積層し、之等を同時に焼成す
る方法を採用することもできる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、実
施例を挙げる。尚、例中、%はいずれも重量基準による
ものである。
【0037】
【実施例1〜5】特号亜鉛華、ホウ酸、酸化ケイ素、ア
ルカリ炭酸塩、および金属フッ化物としてのフッ化カリ
ウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化カル
シウム、フッ化マグネシウム及びフッ化バリウムの各原
料を、溶融後に表1に示す所定のガラス組成となる量
で、それぞれ混合してバッチ原料混合物を調製し、12
00〜1250℃で溶融した。取り出した溶融ガラスを
水冷ロールに挟んで急冷して、フレーク状のガラスを得
た。
【0038】次いで、得られたガラスをボールミル中、
アルミナボールを用いて全粉砕時間の約8割の時間を乾
式粉砕し、その後ボールミル中に水を加えて残りの約2
割の時間を湿式粉砕した。得られたスラリーを乾燥、ふ
るい分けし、その後分級して、粒径0.2〜10μmの
本発明ガラス組成物粉末を得た。
【0039】
【比較例1〜3】実施例1〜5において、溶融後に得ら
れるガラス組成が下記表1に示される通り本発明範囲を
外れるものとなるように、バッチ原料混合物を調製する
以外は、同様にして、粉末状の比較ガラスを得た。
【0040】
【表1】
【0041】上記で得られた本発明ガラス組成物粉末及
び比較ガラス組成物粉末の特性を以下の通り試験した。 (1)線膨張係数 ガラス粉末試料を棒状に加圧加工成形し、600℃にて
焼成し、所定長さに切断した後、理学電気株式会社製熱
機械分析装置TAS−100を用いて、50〜350℃
の温度範囲での伸び率を測定算出した。 (2)軟化点 ガラス粉末試料を白金セル中に投入し、上記装置を用い
た示差熱分析により、常温〜700℃の温度範囲で軟化
点を求めた。 (3)誘電率 酸化膜を形成させたステンレススチール板上に、ガラス
粉末試料の層を印刷、焼成して作成(30〜50μm)
し、該層上に直径18mmの電極を銀ペーストを用いて
作成し、1MHz時の誘電率を横河ヒューレットパッカ
ード株式会社製4197Aインピーダンス/ゲインフェ
ーズアナライザーを用いて測定、算出した。 (4)透過率(透明性) 2mm厚のソーダライムガラス板上に、ガラス粉末試料
の20μmガラス層を550℃で焼成して形成させ、こ
の焼成ガラス層の透過率を2mm厚のソーダライムシリ
カガラスをブランクとして、有限会社東京電色技術セン
ター製の色差測定装置TC−8600Aを用いて、C光
源、2度視の条件で測定した。 (5)耐電圧 Cr−Cu−Cr電極層、銀電極層、ITO電極層(酸
化インジウム酸化スズ透明電極層)を形成させたソーダ
ライムガラス板上に焼成後の膜厚が20μmとなるよう
にガラス粉末試料のメルト層をオーバーコートし、その
上に更に銀電極層を形成させ、菊水電子工業株式会社製
耐電圧試験器875A2を用いて、両電極間に電圧をか
けリークする電圧を測定した。 (6) 耐薬品性 ガラス粉末試料を用いて、ソーダライムガラス板上に約
20μmのガラス層を、印刷、焼成し、得られる焼成ガ
ラスを100g/lの炭酸ソーダ水溶液中に、30℃、
10分間浸漬し、焼成ガラス層表面の変化を肉眼で観察
し、以下の基準により評価した。 ◎:変化なし、○:僅かにラスター色発生、×:白化 (7) 銀発色試験 40×50×3mmのソーダライムガラスのトップ面
(フロート法で製造されスズ付着の殆どない面)に幅1
00μm、間隔300μmの銀のラインパターンを55
0℃で焼成して形成させ、この銀電極を設けたガラス上
を誘電体ガラス試料で被覆した(550〜590℃で焼
成)。誘電体層側からの銀による着色程度を目視観察
し、以下の基準により評価した。 ◎:着色なし、○:僅かに黄色に着色(許容範囲)、
×:アンバー色着色 得られた結果を下記表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】尚、上記(3)〜(6)の各試験におい
て、本発明ガラス組成物粉末及び比較ガラス粉末は、そ
れぞれ、ガラス粉末70%と、エチルセルロース3%及
びポリイソブチルメタクリル樹脂2%をパインオイル9
5%に溶解した有機ビヒクル30%とを混練りしてガラ
スペーストとした。
【0044】表2より、本発明ガラス組成物は、PDP
の前面基板の維持電極を被覆する誘電体ガラス層として
の基本特性を全て満足しており、該誘電体ガラス層形成
に有効利用できることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ガラス組成物が適用できるAC型PDP
の概略図である。
【符号の説明】
(1):前面基板 (2):透明電極 (3):バス電極 (4):前面誘導体ガラス層 (5):保護層 (6):隔壁 (7):背面誘電体ガラス層 (8):アドレス電極 (9):蛍光体 (10):背面基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥野 晴彦 大阪府大阪市中央区道修町4丁目7番10号 奥野製薬工業株式会社内 Fターム(参考) 4G062 AA08 AA09 AA15 BB05 DA03 DA04 DB01 DC04 DC05 DD01 DE05 DE06 DF01 EA01 EA02 EA03 EA10 EB01 EB02 EB03 EC01 EC02 EC03 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GB01 GC01 GD01 GE03 GE04 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM07 NN26 NN29 NN32 PP13 PP15 PP16 5C040 GD07 KA03 KA04 KA07 KA10 KB03 KB19 KB28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマディスプレイパネルの誘電体層
    形成用ガラス組成物であって、その組成が重量%でZn
    O45〜55%、B2325〜35%、SiO23〜1
    5%、KF、NaF、LiF、CaF、MgF及びBa
    Fからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属フッ化
    物6〜14%、並びにLi2O、Na2O及びK2Oから
    なる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属酸化
    物0〜4%であることを特徴とするガラス組成物。
  2. 【請求項2】 金属フッ化物がKFである請求項1に記
    載のガラス組成物。
  3. 【請求項3】 透明電極と金属電極とからなるプラズマ
    ディスプレイパネルの前面板維持電極を被覆する誘電体
    ガラス層の形成用である請求項1に記載のガラス組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のガラス組成物を適用し
    て形成された誘電体層を有するプラズマディスプレイパ
    ネル。
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