JP2001089167A - 石英ガラスの製造方法及びその製造装置 - Google Patents

石英ガラスの製造方法及びその製造装置

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JP2001089167A JP27070499A JP27070499A JP2001089167A JP 2001089167 A JP2001089167 A JP 2001089167A JP 27070499 A JP27070499 A JP 27070499A JP 27070499 A JP27070499 A JP 27070499A JP 2001089167 A JP2001089167 A JP 2001089167A
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    • C03B19/01Other methods of shaping glass by progressive fusion or sintering of powdered glass onto a shaping substrate, i.e. accretion, e.g. plasma oxidation deposition

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来不可欠とされていたインゴットの高電圧
印加による高純度化処理工程を簡略化、あるいは省略化
することができる石英ガラスの製造方法及びその製造装
置を提供することを目的とする。 【解決手段】 前記耐火性ヘッド8及び支持部材7のう
ち少なくとも耐火性ヘッド8に対して正極の高電圧9を
印加し、かつ前記炉体1を接地することによって、前記
耐火性ヘッド8上の石英ガラス溶融体11中の金属不純
物を、前記炉体1にトラップすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は石英ガラスの製造方
法及びその製造装置に関し、より詳細には、例えば、半
導体製造工程で用いられる熱処理用炉芯管等の円筒形状
部材、ウエハ保持具やウエハボートに用いる管形状、平
板形状あるいは棒形状部材等、各種形状の高純度石英ガ
ラスを製造する石英ガラスの製造方法及びその製造装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】石英ガラスは、主として水晶粉末、合成
石英粉末等の石英原料を溶融して製造され、溶融形態に
より、電気溶融法、プラズマ溶融法、酸水素炎溶融法
(ベルヌーイ溶融法)等の製造方法がある。特に、半導
体製造工程で用いられる高純度石英ガラスの製造方法と
しては、所謂、ベルヌーイ溶融法が通常一般的に用いら
れている。これを、例えば、半導体ウエハ熱処理用の炉
芯管等、管形状成形体の製造方法について、特開平1−
219030号公報に記載されてものを例にとって、図
10に基づいて説明する。
【0003】酸素と水晶粉をバーナ102の上方から供
給すると共に、水素を供給し、炉体101の天井部の貫
通孔101aから炉内に向けバーナ102の火炎を噴射
し、この火炎により原料の石英粉を溶融状とし、この火
炎噴流Bを、耐火性ヘッド103上に向け吹き付け、該
ヘッド103上に石英ガラス溶融体104を堆積させ
る。尚、この耐火性ヘッド103は、成形されるインゴ
ットの内径に相当する直径を有し、支持軸105を中心
に回転するように形成され、炉101内の貫通孔101
aの下方に位置して配設されている。
【0004】次いで、この堆積した石英ガラス溶融体1
04を、耐火性ヘッド103の外周から円筒状に流下さ
せながら固化させる。この時、流下する石英ガラス溶融
体104の下端部を、回転及び昇降可能に配設された支
持部材106で支持し、回転下に所定速度で降下させる
ことにより円筒状の石英ガラスインゴットとする。
【0005】そして、このようにして作製されたインゴ
ットを、研削によって寸法調整した後に、例えば、特開
昭64−18927号公報に記載されているような装置
を用いて精製純化する。即ち、図11に示されているよ
うな電解装置を用い、上記インゴットAを電解装置の正
極プレート110及び負極プレート111間に介在さ
せ、両極間に高電圧を印加することで上記インゴット中
の金属不純物を排除して高純度化する。なお、図中、1
12は炉体113に不活性ガスを供給するための不活性
ガス供給手段、114は炉内温度を一定の温度に制御す
るための温度制御手段であって、115、116は発熱
体、117は熱電対、118は高電圧電源である。
【0006】更に、このインゴットAから所望サイズ、
形状の管体を作製するには、例えば、特開平7−172
841号公報に開示された装置が用いられる。この装置
は、図12に示すように、加熱用誘導コイル121を有
する高周波誘導加熱炉122と、円盤状コア123を介
して芯棒124により支持されるマンドリル125、リ
ング状モールド126等より構成される管引き治具部1
20とから構成されている。そして、前記純化された高
純度の石英ガラスインゴットAを、原料収容筒127内
に収容し、次いで、誘導コイル121に給電してインゴ
ットを溶融軟化させ、マンドレル125とリング状モー
ルド126とによって形成される型穴から押出流下さ
せ、これをローラあるいはバキュームチャック等を用い
て所望サイズに管引きし、円筒状の石英ガラス体128
を得ていた。
【0007】また他の場合を例示すれば、実公昭55−
35297号公報に示されているように、横型配列の管
引き抜き装置を用い、前記インゴットから、管径、寸法
の異なる円筒状の石英ガラスを得ていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の従来
技術の製造方法によって、石英ガラスを高純度化し、例
えば半導体製造装置に用いることができるようにするた
めには、上記インゴットの高電圧印加による高純度化処
理工程を不可欠とされていた。このため、該処理を施す
ための製造工程の多数化及びそれによるコスト増大を免
れることはできず、この工程の簡略化が求められてい
た。
【0009】本発明は上記課題を解決すべくなされたも
ので、従来不可欠とされていたインゴットの高電圧印加
による高純度化処理工程を簡略化、あるいは省略化する
ことができる石英ガラスの製造方法及びその製造装置を
提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明にかかる石英ガラスの製造方法は、炉
体の天井部に設けられた貫通孔から炉内に向けたバーナ
火炎により溶融状にされた石英ガラスの原料粉末を、成
形すべき石英ガラス円筒体の内径に対応する所定の直径
を有すると共に前記炉内において支持軸を中心に回転す
る耐火性ヘッド上に向けて吹き付け、石英ガラス溶融体
を該耐火性ヘッド上に堆積させ、所定厚さに堆積された
石英ガラス溶融体を、前記耐火性ヘッドの外周縁から流
下させながら固化させ、かつ該流下しながら固化する石
英ガラス溶融体を、前記耐火性ヘッドの下方に回転及び
昇降可能に配設された支持部材で支持し、該支持部材を
回転下に所定速度で降下させることにより石英ガラス円
筒体を製造する石英ガラスの製造方法において、前記耐
火性ヘッド及び支持部材のうち少なくとも耐火性ヘッド
に対して正極の高電圧を印加し、かつ前記炉体を接地す
ることによって、前記耐火性ヘッド上の石英ガラス溶融
体中の金属不純物を、前記炉体にトラップすることを特
徴としている。
【0011】ここで、本発明にかかる石英ガラスの製造
方法において、前記支持部材の上面に石英ガラスダミー
管を配置し、立ち上げ操作時に、該ダミー管の上端が前
記耐火性ヘッドの上端と同位置、あるいは耐火性ヘッド
の上端より高い位置にくるようにし、前記ダミー管の上
端に薄板状ターゲットを載置することが望ましい。ま
た、前記耐火性ヘッド上に堆積させた石英ガラス溶融体
の推積層厚さを70乃至100mmとなるように制御す
ることが望ましい。更に、前記請したいずれかに記載の
方法で製造された円筒状の石英ガラスを、更に機械的加
工処理及び/又は熱的加工処理することが望ましい。
【0012】また、前記円筒状の石英ガラスを、加熱下
に溶融、あるいは軟化させ管引加工処理により元のサイ
ズと異なるサイズの円筒状の石英ガラスを得ることが望
ましく、得られる石英ガラスが、炉芯管用パイプ又はウ
エハ保持具若しくはウエハボート用パイプ部材であるこ
とが望ましい。また、前記円筒状の石英ガラスを、切り
開いて更に平板状又は棒状に加工処理することが望まし
く、得られる平板状又は棒状の石英ガラスが、ウエハ保
持具又はウエハボートの構成部材であることが望まし
い。
【0013】上記課題を解決するためになされた本発明
にかかる石英ガラスの製造装置は、天井部に貫通孔を有
し、円筒状の石英ガラスを成形するための内部空間を備
えた炉体と、前記貫通孔から炉内に向くバーナ火炎を形
成し、石英ガラスの原料粉末を溶融状とするバーナと、
成形すべき円筒状の石英ガラスの内径に対応する所定の
直径を有し、上面に前記石英ガラス溶融体を推積させる
と共に下部に支持軸が接続され、該軸を中心に回転可能
に形成された耐火性ヘッドと、前記耐火性ヘッドの下方
に位置し、回転可能に、かつ所定速度で昇降可能に形成
され、前記耐火性ヘッドの外周から円筒状に流下しなが
ら固化する石英ガラス溶融体の下端部を支持する支持部
材とを少なくとも備えた石英ガラスの製造装置であっ
て、前記耐火性ヘッド及び支持部材のうち少なくとも耐
火性ヘッドに対して正極の高電圧を印加する高電圧発生
手段が接続され、かつ、前記炉体には接地手段が接続さ
れていることを特徴としている。
【0014】ここで、本発明にかかる石英ガラスの製造
装置において、前記耐火性ヘッドの形状が円柱形であっ
て、その上面に少なくとも1個の同心円状の凹部が形成
されていることが望ましい。また、前記耐火性ヘッドの
上面の中心部が他の部分より高い凸型形状に形成されて
いることが望ましく、また前記耐火性ヘッドが嵩密度
1.4乃至1.6g/cm3 の多孔質カーボン材からな
ることが望ましい。更に、前記耐火性ヘッドの垂直方向
の長さが100乃至150mmであることが望ましい。
【0015】また、前記支持部材の上面には、密度1.
95乃至2.15g/cm3 の石英ガラスからなるダミ
ー管が設置され、前記石英ガラスダミー管によって石英
ガラス溶融体の下端部を支持することが望ましい。ま
た、前記炉体がアルミナを60重量%以上含む高アルミ
ナ質レンガであり、該レンガの見かけ気孔率が30%以
下であることが望ましく、また前記炉体が金属製枠体に
収納され、該枠体を介して接地されていることが望まし
い。
【0016】本発明にかかる石英ガラスの製造方法は、
バーナ火炎により溶融状にされた石英ガラスの原料粉末
を、回転する耐火性ヘッド上に向けて吹き付け、該ヘッ
ド上に堆積した石英ガラス溶融体を、その外周から円筒
状に流下、固化させながらその下端部を支持部材で支持
し、該支持部材を回転下に所定速度で降下させて筒状の
成形体を製造する、所謂、ベルヌーイ溶融法による筒状
の石英ガラスインゴットの製造方法であって、前記耐火
性ヘッド及び支持部材のうち少なくとも耐火性ヘッド
に、正極の高電圧を印加すると共に炉体を接地すること
が構成上の顕著な特徴である。これによって、耐火性ヘ
ッド上の石英ガラス溶融体中の金属不純物を炉体側にト
ラップし、インゴットの溶融成形と同時にそれを構成す
る石英ガラスの高純度化を達成するものである。従っ
て、本発明の製造方法によれば、従来の製造方法では不
可欠とされていたインゴットの高電圧印加による高純度
化工程を簡略化、あるいは省略することができる。
【0017】更に、それに加えて、本発明の上記製造方
法で作製したインゴットは、従来法で得られた高純度な
石英ガラスに比べ、それ自体は純度的にさほど大きな相
違はないものの、高温下の操作・処理等において、半導
体ウエハに対する金属不純物の拡散がほとんどないとい
う特徴を有する。従って、上記本発明の製造方法で作製
された筒状形状の石英ガラスインゴットを切削、研磨及
び/又は熱加工処理して得られた成形体(例えば、前記
インゴットを切り開いて平板状又は棒状に加工処理して
得られた成形体)を用いて、半導体製造装置用部材を作
製した場合、その使用時における半導体ウエハに対する
金属不純物の拡散がほとんどなく、処理ウエハのライフ
タイム(半導体中の電子又は正孔が夫々の荷電状態を維
持して存在する平均的な時間)も高くなるという従来の
製造法で得られた部材からは得ることのできない顕著な
利点を有する。
【0018】また、本発明にかかる製造装置は、上記し
た石英ガラスの製造方法を適切に実施することができ、
上記筒状の石英ガラス体(管状インゴット)を得ること
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を図面を参照して
より詳細に、かつ、具体的に説明する。図1は、本発明
の円筒状の石英ガラスの製造方法に於いて用いる製造装
置の一例を示す概略図である。図1において、筒状の炉
体1の天井部のほぼ中央に設けられた貫通孔1aの外部
直上にはバーナ2が、また炉体1の内部にはインゴット
昇降装置3が、夫々設置されている。原料の水晶粉末は
原料タンク4からフィーダを介してバーナ2口部近傍に
供給され、バーナ2からの酸水素火炎により溶融状にさ
れて、該火炎と共に下方に向けて噴射される。この溶融
状の水晶粒子を含む火炎噴流は、インゴット昇降装置3
の中心部に設けられた支持軸6の垂直上方で、かつバー
ナ2のノズル口部下方に配設された耐火性ヘッド8の上
面部に達し、前記上面部に石英ガラス溶融体11を堆積
させる。
【0020】この耐火性ヘッド8は、前記支持軸6を中
心に回転自在に形成されており、射出噴流により形成さ
れる石英ガラス溶融体11の堆積層が回転軸を中心とし
て対称に形成される。この耐火性ヘッド8は、成形すべ
き筒状インゴットの内径を規定する直径に定められてい
る。その上面部形状は、好ましくは、例えば図1の符号
8に表されているように、中央と外周縁部が高く、中間
域が低い環状凹凸形状に形成されている。
【0021】該耐火性ヘッド8の上面部に所定量の石英
ガラス溶融体11が堆積すると、その後の追加される石
英ガラス溶融体11に対応する量の石英ガラス溶融体1
1が、耐火性ヘッド8の外周縁から溢れ出し、流下す
る。そして、円形の外周縁部を流下しながら固化する石
英ガラス溶融体11を、耐火性ヘッド8の下方に回転及
び昇降可能に配設された支持部材7で支持し、該支持部
材7を回転下に所定速度で降下させることにより石英ガ
ラスの円筒体を製造する。
【0022】次に、上記耐火性ヘッド8に接続する支持
軸6や支持部材7を含めてインゴット昇降装置3の構造
をより詳細に説明する。図1の装置におけるインゴット
昇降装置3は、上下移動、即ち、所定速度での垂直昇降
移動が可能に形成されていると共に前記支持軸6を中心
として回転可能に形成されている。従って、筒状のシャ
フトに支えられた前記支持部材7は、前記耐火性ヘッド
8と同様に支持軸6を中心に同期回転する。前記耐火性
ヘッド8を支持する支持軸6は、バーナ2と石英ガラス
溶融体11(耐火性ヘッド8)との位置決めをする機能
を有し、両者はバーナ特性によって決定される所定位置
関係となるように制御される。
【0023】前記支持軸6上には、成形すべきインゴッ
トの内径を規定する直径を有する前記耐火性ヘッド8が
配設されており、既に述べたように石英ガラス溶融体1
1はこの外周に沿って流下し、インゴットの内径が決定
される。従って、成形すべきインゴットの内径の変更
は、この耐火性ヘッド8を変更することにより行われ
る。
【0024】前記耐火性ヘッド8の材質は、石英ガラス
が溶融される1800℃以上の耐熱性があり高純度な材
質であれば特に限定されるものではなく、任意の材質を
選ぶことができるが、通常、カーボン、モリブデン、タ
ングステン等が使用される。その中でも、カーボン材が
好ましく、密度が1.40乃至1.60g/cm3の範
囲ものが特に好ましい。カーボン材の密度が1.40g
/cm3 より小さいものは、強度がやや不足する傾向を
有し、そのため石英ガラス溶融体11の内面、即ち、固
化後の筒状石英ガラスインゴットの内面にキズが発生し
易くなり、耐火性ヘッド8の耐久性も短くなり易い。
【0025】一方、密度が1.60g/cm3 より大き
いものは、石英ガラス溶融体11との接触によって発生
するCO2 やCO等のガス成分により、固化後の筒状石
英ガラスインゴットの平滑性が損なわれるという不都合
が生ずる。この不都合は、図2を参照することにより容
易に理解できるように、前記耐火性ヘッド8が適当な透
気性の気孔8aを有することによって、該ヘッド8と石
英ガラス溶融体11との接触によって発生するガスを、
この気孔8aを通して、耐火性ヘッド8の下方側8cに
排気することができる。その結果、耐火性ヘッド8と石
英ガラス溶融体11との界面8bにガスが残存し、石英
ガラス溶融体11中にガスが混入したり、混入した泡が
石英ガラス溶融体11の表面から脱離することによって
生ずる固化後の筒状インゴットの表面荒れを防止するこ
とができる。
【0026】次に、耐火性ヘッド8の形状、構造を図3
及び図4に例示した。図3(a)乃至(e)に、本発明
で用いる耐火性ヘッド8の代表的な形状例を断面図及び
平面図として示した。これらの内でも図3(a)に示し
たタイプのヘッド、即ち、外形が全体として円柱形であ
って、その上面に少なくとも1個の同心円状の凹部が形
成されている構造のヘッドが特に好ましい。このような
タイプの耐火性ヘッド8の他の例を図4(a)乃至
(e)に例示した。
【0027】耐火性ヘッドが、図3(b)、(c)に示
した構造の場合、石英ガラス溶融体11と耐火性ヘッド
8との接触によって生じる有色異物や石英ガラス失透相
部分または溶融時に巻き込まれた泡等が石英ガラス溶融
体11内表面に流れ出し、石英ガラス溶融体が固化した
筒状インゴットの内表面の平滑性や透明性(即ち、成形
インゴットの平滑性や透明性)を損ねるという不利益を
招き易い。
【0028】本発明で用いる耐火性ヘッドの構造を、図
3(a)及び図4(a)乃至(e)に例示したような山
谷凹凸構造とすることによって、例えば、図5に模式図
として示したように、有色異物、失透部分や泡を耐火性
ヘッド8上の環状凹部8dに集め、石英ガラス溶融体1
1へ流出移行しないようにすることが可能である。な
お、図5中、符号11aは、不動の石英ガラス溶融体1
1を示し、有色異物、失透部分や泡等が流出しないよう
に機能する。また、図3(d)(e)のように中央部が
最深の凹部とすることによっても、前記した効果とほぼ
同様の効果を得ることができる。
【0029】上記耐火性ヘッドの内でも、図3(a)、
図4(c)、(d)、(e)に示した構造のものが特に
好ましい。即ち、円柱体形状の耐火性ヘッド上端部にお
いて、中心部が他の部分より高い凸形状に形成されたも
のが特に好ましい。これによって、耐火性ヘッドから石
英ガラス溶融体が下方に流れ易くなり、円筒状石英ガラ
スの肉厚をより均一に制限し易くなる。
【0030】また、上記効果をより確実に得るために、
上記凹部の深さh(外周端からの深さ)は、1mm以上
であることが好ましい(図3(a)参照)。この凹部の
形成位置を回転中心軸からの半径rで表したとき、該耐
火性ヘッドの半径Rの0.25乃至0.5倍、即ち、r
=0.25R〜0.5Rに位置させて形成されることが
特に好ましい。該凹部が、0.5Rより中心側に位置す
ると、溶融体の下方への流れがあまり良くなく、肉厚の
均一性が損なわれ易い。また、0.25Rより外周側に
位置すると失透相の流れ出しを充分に抑制することが困
難になる。
【0031】また、耐火性ヘッド8の縦方向、即ち石英
ガラス溶融体11の流下方向への長さLは、おおむね1
00乃至150mmとすることが好ましく、150mm
以上であると石英ガラス溶融体11の温度が低下して粘
性が上がり過ぎ、耐火性ヘッド8との接触抵抗により、
石英ガラス溶融体11の引き下げが難しくなる。逆に、
100mm以下であると、耐火性ヘッド8を通過した後
の粘性が低く、内外径ムラ(インゴットの厚さムラ)が
発生しやすくなる。
【0032】また、図1に示すように前記支持軸6につ
いては、接地電位に対して直流電位を発生させることが
できるように、高圧電源9に接続されている。また支持
部材7は、耐火性ヘッド8の外周によって内径を決定さ
れた石英ガラス溶融体11(筒状インゴットの先駆溶融
体)の下端部を支承保持して引き下げるという機能を有
する。なお、上記石英ガラス溶融体11の肉厚を決定す
る外径は、単位時間当たりの原料供給量及び支持部材7
の引き下げ速度によって調整、制御することができる。
【0033】前記支持部材7は、水冷した金属やカーボ
ンによって前記石英ガラス溶融体11の下端部を直接機
械的にチャックすることも勿論可能である。しかし、例
えば図1に示したように、金属製支持部材7上に石英ガ
ラスダミー管10を設置し、これを機械的にチャック
し、溶融初期に前記石英ガラス溶融体11の下端部と該
ダミー管10を加熱融着させ、その後石英ガラスダミー
管10を引き下げるのがより好ましい。石英ガラスダミ
ー管10は、融着を容易にすること、及び熱の拡散を防
止するために、密度1.95乃至2.15g/cm3
泡入り石英ガラスとすることが特に好ましい。これによ
って、石英ガラスダミー管の膨れを抑制することがで
き、かつ支持軸6の下方に位置する部材の熱による損傷
を極力防ぐことができる。
【0034】本発明の製造装置における上記昇降装置3
では、支持軸6を、例えば図7に示したように、多段構
造6a、6b、6cとし、伸縮自在に構成するのが好ま
しい。これにより、成形されたインゴットを取り外す際
の余分な昇降ストロークやスペースを最小限に抑えるこ
とができる。
【0035】また、前記炉身体1はア−ス線12により
電気的に接地されている。また炉体1を構成する炉材
は、通常この種の炉に炉材として用いられる耐火物を特
に限定することなく用いることができるが、アルミナを
60重量%以上含む高アルミナ質レンガで、かつ見かけ
気孔率が30%以下のものを用いることが特に好まし
い。
【0036】即ち、アルミナを60重量%以上含む高ア
ルミナ質レンガとすることにより、本発明の上記装置の
支持軸6及び耐火性ヘッド8への高電圧印加による石英
ガラス溶融体11中の金属不純物をより確実にトラップ
することができる。また、該レンガの見かけ気孔率が3
0%以下とすることによって、前記炉体1の耐用寿命を
より長くすることができる。また本発明の炉体1には、
上記支持軸6及び耐火性ヘッド8の陽極高電圧印加によ
る高電位に対し、低電位とするため接地されていること
が必要であるが、炉体が、金属製枠体に収納され、この
金属枠体を介して接地されていることが接地ゼロ電位担
保の見地からより好ましい。
【0037】次に、本発明にかかる製造方法における溶
融条件について述べる。本発明にかかる石英ガラスの製
造方法にあっては、まず炉体1の天井部に設けられた貫
通孔1aから炉内に向けたバーナ火炎により溶融状にさ
れた石英ガラスの原料粉末を、成形すべき石英ガラス円
筒体の内径に対応する所定の直径を有すると共に前記炉
内において支持軸1を中心に回転する耐火性ヘッド8上
に向けて吹き付ける。そして、石英ガラス溶融体を該耐
火性ヘッド8上に堆積させ、所定厚さに堆積された石英
ガラス溶融体を、前記耐火性ヘッド8の外周縁から流下
させながら固化させる。このとき、該流下しながら固化
する石英ガラス溶融体を、前記耐火性ヘッド8の下方に
回転及び昇降可能に配設された支持部材7で支持し、該
支持部材7を回転下に所定速度で降下させることによ
り、石英ガラス円筒体を製造する。
【0038】前記溶融操作の初期段階において、火炎が
直接耐火性ヘッド8に当たることによる該耐火物の激し
い酸化消耗を抑制するために、耐火性ヘッド8上に、例
えば図6に示すように石英ガラスターゲット5を設置す
ることが好ましい。つまり、金属製支持部材7上に石英
ガラスダミー管10を設置し、これを機械的にチェック
し、石英ガラスダミー管10の上端部が耐火性ヘッド8
と同位置、あるいは耐火性ヘッド8の上方に位置するま
で支持部材7を上昇させ、石英ガラスダミー管の上端
に、石英ガラスターゲット5を融着させ、この上に溶融
状にされた原料粉末を堆積させ、結果、石英ガラス溶融
体を耐火性ヘッドの外周縁から流下させる。
【0039】この石英ガラスターゲット5の厚みは、3
乃至5mmが好ましく、厚みが3mm以下の場合は、溶
融初期段階で加熱変形によりターゲットに穴が開き易
く、火炎が直接耐火性ヘッドに当たり、酸化防止の役割
を果たさなくなる可能性が高くなる。一方、6mm以上
の厚みの場合には、溶融ガラス内面にそのターゲットが
引き出され内面状態が損なわれるため好ましくない。
【0040】また、溶融体引き下げ時における耐火性ヘ
ッド8上に堆積した石英ガラス溶融体11の高さHは、
70乃至100mmの範囲に制御することが好ましい
(図2参照)。この石英ガラス溶融体11の堆積層の高
さHが低すぎると、径方向への肥大や肉厚の不均一化を
招いてしまう。逆に石英ガラス溶融体11の堆積層が高
すぎると、石英ガラス溶融体11(インゴット先駆溶融
体)の引き下げに時間を要する傾向になり好ましくな
い。
【0041】前記耐火性ヘッド8と支持部材7(石英ガ
ラスダミー管10)との高低差を所定範囲内に制御維持
することで、耐火性ヘッド8上に堆積した石英ガラス溶
融体11の高さHを、70乃至100mmの範囲にする
ことでき、外径精度の良いインゴットが得られる。
【0042】上記耐火性ヘッド8上の石英ガラス溶融体
11の高さを制御するための制御システムの一例を参考
までに図8に示す。図に示すように、炉体1の側壁に設
けられた窓1bから耐火性ヘッド8上に堆積した石英ガ
ラス溶融体11の高さHをCCDカメラ20で検出し、
その2値化データをCPU21に送出し、前記CPU2
1から最適な高さHになるように、酸素ガスや水素ガス
の流量を制御するマスフローコントローラ24に制御信
号を送出するようにし、結果、石英ガラス溶融体を温度
を調整することで上記高さHを制御する。なお、マスフ
ローコントローラのみならず、支持部材7の昇降を制御
する昇降制御装置(図示せず)に制御信号を送出するよ
うに構成してもよい。なお、図中、符号23は、CCD
カメラ20の画像を映すモニタを示す。
【0043】本発明にかかる製造方法においては、溶融
と同時に、昇降装置3の支持軸6に高電圧を印加するこ
とにより、インゴットの高純度化を達成する。この印加
高電圧の極性は陽極が好ましい。昇降装置3の支持軸6
に陽極の高電圧を印加することにより、それに接続され
た耐火性ヘッド8が陽極となり、電流は石英ガラス溶融
体・火炎を通り炉体へと流れる。そのため、石英ガラス
溶融体11中のアルカリ金属(Na、K、Li)やCu
等の金属陽イオンは、該石英ガラス溶融体11が耐火性
ヘッド8に堆積してから通過するまでの間に、石英ガラ
ス溶融体11内面から外面方向へと向かって移動し除去
される。
【0044】また、溶融中における耐火物などから炉内
に放出された不純物についても、炉方向に向かって移動
するため溶融体への雰囲気からの汚染も防止することが
可能であり、極めて高純度な石英ガラス溶融体11が得
られる。逆に、極性を陰極とした場合では、電流の流れ
方向が逆となり、石英ガラス溶融体11内の不純物が石
英ガラス溶融体11方向へと向かって移動するため、石
英ガラス溶融体11内に不純物が残存し好ましくない。
また、印加電圧については、石英ガラス溶融体11の肉
厚及び引き下げ速度により決定されるが、1KVから2
0KVの範囲とすることが好ましい。本発明にかかる石
英ガラス体の製造方法により溶融成形されたインゴット
は、その後、内外面を研削加工処理することにより、寸
法精度の良い炉芯管等を製造するための素材管用インゴ
ットとして用いられる。
【0045】
【実施例】「実施例1」密度1.5g/cm3 の高純度
カーボンから形成され、図3(a)に示した上部面形状
を有し、外周径が130mmの円柱状耐火性ヘッドを備
えた図1に記載の装置を用い、水晶粉末原料の落下投入
量2.0kg/h、支持部材の引き下げ速度90mm/
hで酸水素炎に依り原料粉末を霧状に溶融した。また、
支持部材上には、密度2.1g/cm3 の泡入り石英ガ
ラスからなるダミー管を載置した。更に、溶融と同時に
インゴット昇降装置の耐火性ヘッド支持軸に陽極性6K
Vの直流高電圧を印加した(炉体は接地)。そして、上
記処理により外径165mm、内径130mm、長さ2
000mmの円筒状インゴット作製した。このインゴッ
トの一部を採取し、化学分析によりその不純物含有量を
定量した。その結果を表1に示す。また、インゴットは
内表面にキズがほとんどなく、内部失透層も全く存在せ
ず、また金属不純物(Na、K、Li、Cu)濃度は何
れも0.01ppm以下であった。
【0046】「比較例1」実施例1において、耐火性ヘ
ッド支持軸に電圧を印加しなかった以外は実施例1と同
様に処理し、同サイズのインゴットを作製した。このイ
ンゴットの化学分析値を表1に示す。
【0047】「参考例1」実施例1において、上部面形
状が、図3(b)及び図3(c)に示した形状の耐火性
ヘッドを夫々用いた以外は、実施例1と同様の装置を用
い、実施例1と同様に処理して実施例1と同サイズの円
筒状インゴットを夫々作製した。これらいずれのインゴ
ットの内表面にも、実施例1のインゴットの内表面に比
べてキズや失透層が多く存在し、それらを除去するため
に内面を5mm研削除去することが必要であった。
【0048】「参考例2」実施例1において、構成材料
が、夫々、密度1.3g/cm3 、1.7g/cm3
カーボン材から形成された耐火性ヘッド(図3(a)の
構造)を用いた以外は、実施例1と同様の装置を用い、
実施例1と同様に溶融を行った。その結果、密度1.3
g/cm3 のカーボン材から成る耐火性ヘッドを用いた
場合は、カーボン材の強度不足のため、溶融中にヘッド
に若干の欠けが発生し、得られたインゴットの内面に多
少のキズが発生した。また、密度1.7g/cm3 のカ
ーボン材から成る耐火性ヘッドの場合は、インゴット内
表面の平滑性がやや悪化し、それらを除去修正するため
に、内面を5mm研削しなければならなかった。
【0049】
【表1】
【0050】「実施例2」実施例1と同様の方法により
得た外径165mm、内径130mm、長さ2000m
mの円筒状インゴットの内外周面全体を各々3mm研削
した後、酸水素炎バーナーを用いて外径200mm、厚
さ4mmの透明石英ガラス管に製管し、その後、この透
明石英ガラス管を切り開いて熱処理し、板状とした。こ
の板状体を、6インチ径、2.2mm厚さの円盤に加工
し、更に、この外周面を夫々0.1mmエッチング処理
することで6インチ径、2mm厚さのウエハ状サンプル
を作製した。次いで、このウエハ状サンプルと、FZウ
エハ、CZウエハとを、図9に示したシリコン製の縦型
ボート内に、上、下段各10枚宛のダミーウエハ30を
配置し、その間の各段に、FZウエハ31、ウエハ状サ
ンプル32、CZウエハ33の順で、各10枚繰り返し
配列載置した。そして、この縦型ボートを、CVD−S
iC被覆した反応焼結SiCから成るプロセスチューブ
中に載置し、ドライ酸素気流中、1200℃で1時間、
熱処理を行った。
【0051】この熱処理FZウエハの夫々についてレー
ザ波長910nm、レーザパワー9Wでレーザ光照射
し、マイクロ波の反射強度によりFZウエハの抵抗値を
求めることにより、それらのライフタイムを測定した
(μーPCD法)。その結果、本実施例のウエハ状サン
プルを用いた場合のライフタイムは平均で、1.35m
・secとなることが確認された。また、熱処理CZウ
エハの夫々について、HF蒸気で表面の酸化膜を分解
し、このHF蒸気を純水で希釈、回収し、得られたフッ
酸水溶液中の不純物を原子吸光法により分析した。この
際の平均の表面不純物濃度を表2に示す。その結果、本
実施例のウエハ状サンプルを用いた場合のCZウエハ表
面の不純物濃度は、平均で表2に示したようになること
が確認された。
【0052】「比較例2」実施例2において、溶融時
に、装置の耐火性ヘッド支持軸に高電圧を印加しなかっ
た以外は実施例2と同様に処理し、同サイズのインゴッ
トを作製した。その後、このインゴットに、約1400
℃の温度で6KVの直流高電圧を印加した。この円筒状
インゴットについて、実施例2と同様にしてウエハ状サ
ンプル32を作製し、同様に、ダミーウエハ30、FZ
ウエハ31、CZウエハ33と共に縦型ボート内に各1
0枚配列載置し、熱処理を行った。この熱処理FZウエ
ハのライフタイム及びCZウエハ表面の不純物濃度を、
実施例2と同様にして夫々測定した結果、FZウエハの
ライフタイムは平均で0.96m・sec、また、熱処
理CZウエハの表面不純物濃度は平均で表2に示した通
りになることが確認された。
【0053】
【表2】
【0054】尚、上記比較例2で高電圧を印加する前の
円筒状インゴット(a)と、実施例2の円筒状インゴッ
ト(b)と、及び比較例2で高電圧を印加した後のもの
(c)とについて、夫々、表2と同様の元素についての
バルク純度を測定したところ、(b)及び(c)のイン
ゴットは何れの元素に於いても、(a)のインゴットに
比べて1/10乃至1/100程度低い濃度であった。
一方、(b)と(c)間では、ppbの1桁のオーダー
で、(b)、即ち実施例2のインゴットが低濃度である
が、両者の間では不純物濃度に大きな差異は確認できな
かった。尚、表1に示した以外の金属不純物の内、Fe
の分析値は、(a)は0.4ppm、(b)は33pp
b、(c)は39ppbであった。
【0055】上記評価より、本発明にかかる製造方法に
より得られる石英ガラスは、半導体の熱処理において、
半導体に対するFe、その他の金属不純物汚染を極力低
減し、高品質の半導体を製造し得るものであることが判
明した。この理由は未だ完全には明らかでないが、本発
明の製造方法は、約2000℃の高温で溶融体に対し高
電圧を印加するために、少なくとも石英ガラスからFe
等の金属不純物が脱離され難いミクロ組織状態を形成す
るのではないかと推測される。また、上記実施例及び比
較例の製造方法における石英ガラス管を製造するまでの
製造コストは、実施例の場合、比較例、従来例に比べ、
おおよそ20%又はそれ以上削減することができる。
【0056】
【発明の効果】本発明にかかる石英ガラスの製造方法に
よれば、例えば、半導体熱処理用の炉芯管等、高純度の
精密透明性石英ガラス部材の製作に、従来法では、不可
欠とされていたインゴットの高電圧印加による高純度化
処理工程を簡略化、あるいは省略することができる。更
に、それに加えて、本発明の製法で作製したインゴット
は、従来法で得られた高純度の石英ガラスに比べ、それ
自体は純度的にさほど大きな相違はないものの、高温下
の操作・処理等において、半導体ウエハに対する金属不
純物の拡散がほとんどなく、被処理ウエハのライフタイ
ムを高く維持することができる。また、本発明にかかる
石英ガラスの製造装置によれば、本発明にかかる石英ガ
ラスの製造方法を最適に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる石英ガラス体の製造方
法において用いられる製造装置の一例を示す概略図であ
る。
【図2】図2は、本発明にかかる耐火性ヘッドが透気性
気孔を有する構成材からなる場合を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明にかかる製造装置で使用する耐
火性ヘッドの構造例を示した断面図である。
【図4】図4は、図3(a)に示した耐火性ヘッドの構
造の変形例を示す断面図である。
【図5】図5は、本発明にかかる耐火性ヘッド上部構造
の機能を説明する模式図である。
【図6】図6は、本発明の耐火性ヘッド上部にターゲッ
トを載置した形態を示す概略図である。
【図7】図7は、本発明の耐火性ヘッド支持軸における
多段構造の例を示す略図。
【図8】図8は、耐火性ヘッド上の溶融石英ガラス層高
さを制御するための制御システムの一例を示す図であ
る。
【図9】図9は、実施例2で用いた縦型ウエハボートの
ウエハ載置状態を示す概略図である。
【図10】図10は、従来の円筒状石英ガラス体(イン
ゴット)の製造装置を示す図である。
【図11】図11は、従来法で作製されたインゴットの
高純度化処理装置の一例を示す図である。
【図12】図12は、円筒状インゴットから径の異なる
円筒体を加工成形するための装置の概略図である。
【符号の説明】
1 炉体 1a 天井部貫通口 1b 窓 2 バーナ 3 インゴット昇降装置 4 原料タンク 5 ターゲット 6 支持軸 7 支持部材 8 耐火性ヘッド 8a 透気性気孔 8b 境界面 8c 耐火性ヘッド下部 8d 耐火性ヘッドの上面凹部 9 高電圧電源 10 石英ガラスダミー管 11 石英ガラス溶融体 11a 石英ガラスの溶融体の不動部分 12 接地
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C03B 23/057 C03B 23/057 (72)発明者 高橋 広樹 山口県徳山市大字徳山字江口開作8231番地 5 徳山東芝セラミックス株式会社内 (72)発明者 高橋 勇 山口県徳山市大字徳山字江口開作8231番地 5 徳山東芝セラミックス株式会社内 (72)発明者 橘 覚 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミッ クス株式会社開発研究所内 Fターム(参考) 4G014 AH02 4G015 AA03 BA01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉体の天井部に設けられた貫通孔から炉
    内に向けたバーナ火炎により溶融状にされた石英ガラス
    の原料粉末を、成形すべき石英ガラス円筒体の内径に対
    応する所定の直径を有すると共に前記炉内において支持
    軸を中心に回転する耐火性ヘッド上に向けて吹き付け、
    石英ガラス溶融体を該耐火性ヘッド上に堆積させ、所定
    厚さに堆積された石英ガラス溶融体を、前記耐火性ヘッ
    ドの外周縁から流下させながら固化させ、かつ該流下し
    ながら固化する石英ガラス溶融体を、前記耐火性ヘッド
    の下方に回転及び昇降可能に配設された支持部材で支持
    し、該支持部材を回転下に所定速度で降下させることに
    より石英ガラス円筒体を製造する石英ガラスの製造方法
    において、 前記耐火性ヘッド及び支持部材のうち少なくとも耐火性
    ヘッドに対して正極の高電圧を印加し、かつ前記炉体を
    接地することによって、前記耐火性ヘッド上の石英ガラ
    ス溶融体中の金属不純物を、前記炉体にトラップするこ
    とを特徴とする石英ガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記支持部材の上面に石英ガラスダミー
    管を配置し、立ち上げ操作時に、該ダミー管の上端が前
    記耐火性ヘッドの上端と同位置、あるいは耐火性ヘッド
    の上端より高い位置にくるようにし、前記ダミー管の上
    端に薄板状ターゲットを載置することを特徴とする請求
    項1記載の石英ガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記耐火性ヘッド上に堆積させた石英ガ
    ラス溶融体の推積層厚さを70乃至100mmとなるよ
    うに制御することを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の石英ガラスの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項1乃至請求項3のいずれかに
    記載の方法で製造された円筒状の石英ガラスを、更に機
    械的加工処理及び/又は熱的加工処理することを特徴と
    する石英ガラスの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記円筒状の石英ガラスを、加熱下に溶
    融、あるいは軟化させ管引加工処理により元のサイズと
    異なるサイズの円筒状の石英ガラスを得ることを特徴と
    する請求項4記載の石英ガラスの製造方法。
  6. 【請求項6】 得られる石英ガラスが、炉芯管用パイプ
    又はウエハ保持具若しくはウエハボート用パイプ部材で
    あることを特徴とする請求項5記載の石英ガラスの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記円筒状の石英ガラスを、切り開いて
    更に平板状又は棒状に加工処理することを特徴とする請
    求項5記載の石英ガラスの製造方法。
  8. 【請求項8】 得られる平板状又は棒状の石英ガラス
    が、ウエハ保持具又はウエハボートの構成部材であるこ
    とを特徴とする請求項7記載の石英ガラスの製造方法。
  9. 【請求項9】 天井部に貫通孔を有し、円筒状の石英ガ
    ラスを成形するための内部空間を備えた炉体と、前記貫
    通孔から炉内に向くバーナ火炎を形成し、石英ガラスの
    原料粉末を溶融状とするバーナと、成形すべき円筒状の
    石英ガラスの内径に対応する所定の直径を有し、上面に
    前記石英ガラス溶融体を推積させると共に下部に支持軸
    が接続され、該軸を中心に回転可能に形成された耐火性
    ヘッドと、前記耐火性ヘッドの下方に位置し、回転可能
    に、かつ所定速度で昇降可能に形成され、前記耐火性ヘ
    ッドの外周から円筒状に流下しながら固化する石英ガラ
    ス溶融体の下端部を支持する支持部材とを少なくとも備
    えた石英ガラスの製造装置であって、 前記耐火性ヘッド及び支持部材のうち少なくとも耐火性
    ヘッドに対して正極の高電圧を印加する高電圧発生手段
    が接続され、かつ、前記炉体には接地手段が接続されて
    いることを特徴とする石英ガラスの製造装置。
  10. 【請求項10】 前記耐火性ヘッドの形状が円柱形であ
    って、その上面に少なくとも1個の同心円状の凹部が形
    成されていることを特徴とする請求項9記載の石英ガラ
    スの製造装置。
  11. 【請求項11】 前記耐火性ヘッドの上面の中心部が他
    の部分より高い凸型形状に形成されていることを特徴と
    する請求項10記載の石英ガラスの製造装置。
  12. 【請求項12】 前記耐火性ヘッドが嵩密度1.4乃至
    1.6g/cm3 の多孔質カーボン材からなることを特
    徴とする請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の石
    英ガラスの製造装置。
  13. 【請求項13】 前記耐火性ヘッドの垂直方向の長さが
    100乃至150mmであることを特徴とする請求項1
    2記載の石英ガラスの製造装置。
  14. 【請求項14】 前記支持部材の上面には、密度1.9
    5乃至2.15g/cm3 の石英ガラスからなるダミー
    管が設置され、前記石英ガラスダミー管によって石英ガ
    ラス溶融体の下端部を支持することを特徴とする請求項
    9に記載の石英ガラスの製造装置。
  15. 【請求項15】 前記炉体がアルミナを60重量%以上
    含む高アルミナ質レンガであり、該レンガの見かけ気孔
    率が30%以下であることを特徴とする請求項9に記載
    の石英ガラスの製造装置。
  16. 【請求項16】 前記炉体が金属製枠体に収納され、該
    枠体を介して接地されていることを特徴とする請求項1
    5記載の石英ガラスの製造装置。
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JP2013112571A (ja) * 2011-11-29 2013-06-10 Tosoh Quartz Corp 石英ガラスシリンダー材料の製造方法及びその製造装置
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