JP2001089111A - 高純度アモルファス化合物粉末の製造法 - Google Patents
高純度アモルファス化合物粉末の製造法Info
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- JP2001089111A JP2001089111A JP30006499A JP30006499A JP2001089111A JP 2001089111 A JP2001089111 A JP 2001089111A JP 30006499 A JP30006499 A JP 30006499A JP 30006499 A JP30006499 A JP 30006499A JP 2001089111 A JP2001089111 A JP 2001089111A
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Abstract
(57)【要約】
湿式法により、高純度化合物粉末の製造を行う際に、ア
ンモニア水で中和する温度域を80℃以上からその水溶
液の沸点までとすることにより、容易にアモルファス構
造を持つ化合物粉末を生成しうる方法を提供するもので
ある。 【目的】アモルファス構造を持つ高純度化合物粉末を作
成する。 【構成】中和する際に、水溶液を加熱して、その温度域
を80℃からその水溶液の沸点までの間とする。
ンモニア水で中和する温度域を80℃以上からその水溶
液の沸点までとすることにより、容易にアモルファス構
造を持つ化合物粉末を生成しうる方法を提供するもので
ある。 【目的】アモルファス構造を持つ高純度化合物粉末を作
成する。 【構成】中和する際に、水溶液を加熱して、その温度域
を80℃からその水溶液の沸点までの間とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種工業的用途
に使用される高純度アモルファス化合物粉末の製造法に
関するものである。
に使用される高純度アモルファス化合物粉末の製造法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば酸化ガリウム粉末の製造に
おいて、ガリウムを硝酸や王水に溶解し、後、その酸性
をアンモニア水で中和して水酸化物を沈澱させ、後十分
に水で洗浄を行い、高温で焼成することが行われてき
た。
おいて、ガリウムを硝酸や王水に溶解し、後、その酸性
をアンモニア水で中和して水酸化物を沈澱させ、後十分
に水で洗浄を行い、高温で焼成することが行われてき
た。
【0003】この方法において、アンモニア水による中
和は通常、室温付近で行なわれてきた。
和は通常、室温付近で行なわれてきた。
【0004】中和熱が発生するとはいえ、それが水溶液
の温度上昇に与える影響はそれほど大きくなかった。
の温度上昇に与える影響はそれほど大きくなかった。
【0005】水酸化ガリウムの場合、中和後、水溶液を
乾燥器中に入れ、適当な温度域で20時間ほど、保温す
ることが行なわれ、熟成と呼ばれている。
乾燥器中に入れ、適当な温度域で20時間ほど、保温す
ることが行なわれ、熟成と呼ばれている。
【0006】例えば、従来の方法で作成した水酸化ガリ
ウム粉末は150℃程度の温度域で乾燥すると、結晶質
のオキシ水酸化ガリウムGaOOHとなる。
ウム粉末は150℃程度の温度域で乾燥すると、結晶質
のオキシ水酸化ガリウムGaOOHとなる。
【0007】あるいは420℃以上で焼成すると、結晶
質のアルファ型酸化ガリウムα−Ga2O3となる。
質のアルファ型酸化ガリウムα−Ga2O3となる。
【0008】ガリウム以外に、インジウム、錫、ハフニ
ウム、ゲルマニウムでも同様であり、200℃以上で乾
燥することにより、結晶質の酸化物を得た。
ウム、ゲルマニウムでも同様であり、200℃以上で乾
燥することにより、結晶質の酸化物を得た。
【0009】しかし、これら酸化物粉末を出発原料に用
いて化学反応させ、別の化合物を作成する場合には、結
晶質の粉末はその反応性が低くあまり好ましくなかっ
た。
いて化学反応させ、別の化合物を作成する場合には、結
晶質の粉末はその反応性が低くあまり好ましくなかっ
た。
【0010】すなわち、結晶質の粉末よりはアモルファ
ス質の粉末の方が反応性が高いため、工業的需要が多か
った。
ス質の粉末の方が反応性が高いため、工業的需要が多か
った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな問題を解決するためになされたもので、高純度アモ
ルファス化合物粉末の簡便な製造法を提供するものであ
る。
うな問題を解決するためになされたもので、高純度アモ
ルファス化合物粉末の簡便な製造法を提供するものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、金属イオン
を含む水溶液をアンモニア水で中和する際に、中和する
温度を80℃からその水溶液の沸点までの温度域とする
ことを特徴とするものである。
を含む水溶液をアンモニア水で中和する際に、中和する
温度を80℃からその水溶液の沸点までの温度域とする
ことを特徴とするものである。
【0013】また水溶液中の金属イオンの濃度に関して
は、0.1から2モル/リットル間にすることが実用的
には好都合である。
は、0.1から2モル/リットル間にすることが実用的
には好都合である。
【0014】すなわち、濃度が0.1モル/リットルよ
りも低いと水量がたくさん必要となって、あまり実作業
にむかない。
りも低いと水量がたくさん必要となって、あまり実作業
にむかない。
【0015】また濃度が2モル/リットル以上になる
と、中和点近くでは、水溶液の粘度上昇により撹はんが
非常に困難となり、実作業にはむかない。
と、中和点近くでは、水溶液の粘度上昇により撹はんが
非常に困難となり、実作業にはむかない。
【0016】このアモルファス化合物の製造技術は、ガ
リウム以外にインジウム、ハフニウム、錫、ゲルマニウ
ムなどの水酸化物や酸化物粉末の製造に好適である。
リウム以外にインジウム、ハフニウム、錫、ゲルマニウ
ムなどの水酸化物や酸化物粉末の製造に好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】発明者らは、中和する温度域が水
溶液の沸点に近いと、アモルファス質の化合物が生成す
ることを見いだした。
溶液の沸点に近いと、アモルファス質の化合物が生成す
ることを見いだした。
【0018】すなわち、図1に示すX線回折図形は、ガ
リウム濃度1モル/リットルの硝酸水溶液をアンモニア
水を用いて室温で中和し、120℃で乾燥して作成した
オキシ水酸化ガリウムのものであり、斜方晶系(AST
Mカード6−180)にきれいに一致する。
リウム濃度1モル/リットルの硝酸水溶液をアンモニア
水を用いて室温で中和し、120℃で乾燥して作成した
オキシ水酸化ガリウムのものであり、斜方晶系(AST
Mカード6−180)にきれいに一致する。
【0019】同一濃度のガリウムの硝酸水溶液をその沸
点近くで中和し、同温度で乾燥したオキシ水酸化ガリウ
ム試料のX線回折図形を図2に示すが、わずかにいくつ
かの回折線を示すものの、基本的にはアモルファス構造
を持つ。
点近くで中和し、同温度で乾燥したオキシ水酸化ガリウ
ム試料のX線回折図形を図2に示すが、わずかにいくつ
かの回折線を示すものの、基本的にはアモルファス構造
を持つ。
【0020】図3には、図1に示した試料を500℃で
焼成した試料のX線回折図形を示したが、結晶質のアル
ファ型Ga2O3(ASTMカード6−503)に一致
する。
焼成した試料のX線回折図形を示したが、結晶質のアル
ファ型Ga2O3(ASTMカード6−503)に一致
する。
【0021】図4には、図2に示した試料を500℃で
焼成した試料のX線回折図形を示したが、酸化物の回折
線をいくらか示すものの、基本的にはアモルファス構造
である。
焼成した試料のX線回折図形を示したが、酸化物の回折
線をいくらか示すものの、基本的にはアモルファス構造
である。
【0022】すなわち、水溶液中でアモルファス構造と
なった化合物は、水酸化物から酸化物などに変化して
も、やはり同じアモルファス構造を固持すると言える。
なった化合物は、水酸化物から酸化物などに変化して
も、やはり同じアモルファス構造を固持すると言える。
【0023】換言すれば、結晶質の粉末を作るか、アモ
ルファス質の粉末を作るかは、その中和する温度域に強
く依存することが明らかである。
ルファス質の粉末を作るかは、その中和する温度域に強
く依存することが明らかである。
【0024】
【実施例1】以下、実施例について述べる。ガリウム濃
度が0.3モル/リットルと1モル/リットルの硝酸水
溶液を用意する。
度が0.3モル/リットルと1モル/リットルの硝酸水
溶液を用意する。
【0025】すなわち、ガリウムメタルを20.9g、
69.7gそれぞれ秤量し、1/3に薄めた硝酸500
mlをそれぞれ加えて、ヒーターでいくらか加熱しなが
ら、数時間かけてガリウムメタルを溶解させる。
69.7gそれぞれ秤量し、1/3に薄めた硝酸500
mlをそれぞれ加えて、ヒーターでいくらか加熱しなが
ら、数時間かけてガリウムメタルを溶解させる。
【0026】溶解終了後、それぞれに純水を加えて各1
リットルとする。
リットルとする。
【0027】各水溶液を500mlずつとり、一つのグ
ループは10℃で撹はんしながら、アンモニア水で中和
し、ガリウムの水酸化物を作成する。
ループは10℃で撹はんしながら、アンモニア水で中和
し、ガリウムの水酸化物を作成する。
【0028】残りのグループは、煮沸しながらアンモニ
ア水を用いて、中和を行ない、ガリウムの水酸化物を作
成する。
ア水を用いて、中和を行ない、ガリウムの水酸化物を作
成する。
【0029】生成した四種類のガリウムの水酸化物を1
20℃で乾燥して、オキシ水酸化物とし、その比表面積
(BET値)を測定した。
20℃で乾燥して、オキシ水酸化物とし、その比表面積
(BET値)を測定した。
【0030】10℃で中和して作成した二種類のオキシ
水酸化物のX線回折図形は先に図1に示したものと全く
同じ斜方晶の結晶であり、ガリウム濃度の違いによる差
は見られなかった。
水酸化物のX線回折図形は先に図1に示したものと全く
同じ斜方晶の結晶であり、ガリウム濃度の違いによる差
は見られなかった。
【0031】一方、煮沸下で中和した二種類のオキシ水
酸化物のX線回折図形は先に図2に示したものと全く同
じアモルファス構造であり、ガリウム濃度の違いによる
差は見られなかった。
酸化物のX線回折図形は先に図2に示したものと全く同
じアモルファス構造であり、ガリウム濃度の違いによる
差は見られなかった。
【0032】また、上記四種類のガリウムの水酸化物を
500℃で焼成して、アルファ型Ga2O3に変えた
後、同様にBET値を測定した。
500℃で焼成して、アルファ型Ga2O3に変えた
後、同様にBET値を測定した。
【0033】なお、X線回折図形は10℃中和のものは
先に図3に示した室温中和品と全く同じであり、六方晶
の結晶であった。
先に図3に示した室温中和品と全く同じであり、六方晶
の結晶であった。
【0034】煮沸下で中和した二種類のものは、先に図
4に示した試料と同様にアモルファス構造を示すα−G
a2O3であった。
4に示した試料と同様にアモルファス構造を示すα−G
a2O3であった。
【0035】表1に八種類の試料のBET値測定結果を
まとめて示した。
まとめて示した。
【0036】表1 BET値測定結果 ガリウム濃度(mol/L) 中和温度(℃) 結晶構造 BET値 (m2/g) 0.3(120℃乾燥品) 10 αGaOOH 5.28 1.0( 〃 〃 ) 10 αGaOOH 2.99 0.3( 〃 〃 ) 煮沸 アモルファス 49.5 1.0( 〃 〃 ) 煮沸 アモルファス 23.2 0.3(500℃焼成品) 10 αGa2O3 29.7 1.0( 〃 〃 ) 10 αGa2O3 22.8 0.3( 〃 〃 ) 煮沸 アモルファス 89.8 1.0( 〃 〃 ) 煮沸 アモルファス 90.9
【0037】表1から、アモルファス構造のαGaOO
HのBET値は、結晶質のものに比較して、同一ガリウ
ム濃度でみると、ほぼ10倍であるといえる。
HのBET値は、結晶質のものに比較して、同一ガリウ
ム濃度でみると、ほぼ10倍であるといえる。
【0038】水溶液のガリウム濃度が低いほど、BET
値が増加する傾向にある。
値が増加する傾向にある。
【0039】またアルファ型Ga2O3のBET値をみ
ても、アモルファス構造のGa2O3の方が、結晶質の
ものに比較して3倍ほど大きい。
ても、アモルファス構造のGa2O3の方が、結晶質の
ものに比較して3倍ほど大きい。
【0040】特にBET値が90m2/gのものは、こ
れまで報告例が無く、チャンピオンデータであるといえ
る。
れまで報告例が無く、チャンピオンデータであるといえ
る。
【0041】このように大きなBET値を持つアモルフ
ァス構造のガリウムオキシ水酸化物あるいはガリウム酸
化物は、その用途が十分に期待される。
ァス構造のガリウムオキシ水酸化物あるいはガリウム酸
化物は、その用途が十分に期待される。
【0042】例えばガリウムの各種III−V族化合物
を作成する際の原料として有望である。
を作成する際の原料として有望である。
【0043】その時、原料の状態でドーパントを共存さ
せることもアモルファス構造の場合には極めて容易であ
り、高い濃度でドーパントをドープすることができる。
せることもアモルファス構造の場合には極めて容易であ
り、高い濃度でドーパントをドープすることができる。
【0044】
【実施例2】塩化ハフニウムHfCl41kgを水2.
5リットルに溶解し、ろ過してゴミを除いた後、80℃
に加熱する。
5リットルに溶解し、ろ過してゴミを除いた後、80℃
に加熱する。
【0045】80℃に加熱中の塩化ハフニウム水溶液中
に、濃度25wt%のアンモニア水を加えて中和を行な
い、水酸化ハフニウムを沈澱させる。
に、濃度25wt%のアンモニア水を加えて中和を行な
い、水酸化ハフニウムを沈澱させる。
【0046】静置した後ろ過し、十分に水洗する。
【0047】300℃のオーブン中で乾燥する。
【0048】得られた酸化ハフニウムは図5に示すよう
に、X線回折結果からアモルファス構造を持つことが明
らかである。
に、X線回折結果からアモルファス構造を持つことが明
らかである。
【0049】比較のために、室温で中和し1000℃で
焼成した試料のX線回折結果を図5の下側に示したが、
ASTM6−318の単斜晶に一致する。
焼成した試料のX線回折結果を図5の下側に示したが、
ASTM6−318の単斜晶に一致する。
【0050】室温で中和し、1000℃程度で焼成した
この結晶質の酸化ハフニウム粉末は硝酸中で煮沸しても
十分には溶解しない。
この結晶質の酸化ハフニウム粉末は硝酸中で煮沸しても
十分には溶解しない。
【0051】図5に示すアモルファス構造を持つ酸化ハ
フニウムは熱硝酸中に容易に溶解する。
フニウムは熱硝酸中に容易に溶解する。
【0052】
【実施例3】塩化錫(SnCl4)130.3gを水1
リットルに溶解すると、その濃度は0.5モル/リット
ルとなる。
リットルに溶解すると、その濃度は0.5モル/リット
ルとなる。
【0053】その水溶液を90℃に加熱し、撹はんしな
がら濃度25%のアンモニア水で中和し、錫の水酸化物
を沈澱させる。
がら濃度25%のアンモニア水で中和し、錫の水酸化物
を沈澱させる。
【0054】ろ過した後、200℃で乾燥すると酸化物
になるが、そのX線回折図形は図6に示すように、Sn
O2の強い回折線三つ(ミラー指数(110)、(10
1)、(211))に対応するいくらかのピークを示す
が、基本的にアモルファス構造である。
になるが、そのX線回折図形は図6に示すように、Sn
O2の強い回折線三つ(ミラー指数(110)、(10
1)、(211))に対応するいくらかのピークを示す
が、基本的にアモルファス構造である。
【0055】
【実施例4】金属インジウムを1/2に薄めた硝酸を用
いて、加熱しながら溶解し、その濃度を1.5モル/リ
ットルの水溶液とする。
いて、加熱しながら溶解し、その濃度を1.5モル/リ
ットルの水溶液とする。
【0056】その水溶液を煮沸に近い温度域で、撹はん
しながらアンモニア水を用いて中和し、インジウムの水
酸化物を沈澱させる。
しながらアンモニア水を用いて中和し、インジウムの水
酸化物を沈澱させる。
【0057】その沈澱をろ過後、よく水洗し、120℃
で乾燥したものは、図7のX線回折図形が示すように、
立方晶のIn(OH)3(ASTM16−161)の回
折線をいくらか示すものの、基本的にはアモルファス構
造であるといえる。
で乾燥したものは、図7のX線回折図形が示すように、
立方晶のIn(OH)3(ASTM16−161)の回
折線をいくらか示すものの、基本的にはアモルファス構
造であるといえる。
【0058】こうしたアモルファス構造を持つIn(O
H)3とSnO2とを用いてITO粉末やターゲットを
作成することができる。
H)3とSnO2とを用いてITO粉末やターゲットを
作成することができる。
【0059】このようにして得られたITO粉末やター
ゲットは良好な電気特性を示す。
ゲットは良好な電気特性を示す。
【0060】また、付着性にも優れている。
【0061】
【実施例5】80℃に加熱した濃度25%のアンモニア
水2リットル中に、液体の塩化ゲルマニウムGeCl4
214.4gを水溶液の底部に設けたノズルから加え
て、白色沈澱を生成させる。
水2リットル中に、液体の塩化ゲルマニウムGeCl4
214.4gを水溶液の底部に設けたノズルから加え
て、白色沈澱を生成させる。
【0062】底部から加えるのは、GeCl4の沸点が
86.5℃なので蒸発による未反応物質の損失を極力防
止するためである。
86.5℃なので蒸発による未反応物質の損失を極力防
止するためである。
【0063】生じた白色沈澱をろ過し、十分に水洗した
後、300℃で焼成する。
後、300℃で焼成する。
【0064】300℃で焼成するのは、万が一生じたG
eO2・H2Oを分解させるためである。
eO2・H2Oを分解させるためである。
【0065】300℃で焼成した試料のX線回折結果を
図8に示すが、アモルファス構造特有の回折図形であ
る。
図8に示すが、アモルファス構造特有の回折図形であ
る。
【0066】中和処理を室温で行なった場合、風乾した
時に生じるのはGeO2・H2Oであり、結晶質の物質
である。
時に生じるのはGeO2・H2Oであり、結晶質の物質
である。
【0067】室温で中和し、風乾で生じたGeO2・H
2Oを300℃で焼成すると結晶質のGeO2になる。
2Oを300℃で焼成すると結晶質のGeO2になる。
【0068】このGeO2のX線回折図形はASTM3
6−1463に一致し、結晶質の物質であった。
6−1463に一致し、結晶質の物質であった。
【0069】したがってゲルマニウムの場合にも、中和
する温度域は80℃以上でないと、アモルファス構造を
持つ酸化物を作成することができない。
する温度域は80℃以上でないと、アモルファス構造を
持つ酸化物を作成することができない。
【0070】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、高い
BET値を持つアモルファス構造の水酸化物や酸化物の
微粒子粉末を簡便な方法で、効率よく作成することがで
きる。
BET値を持つアモルファス構造の水酸化物や酸化物の
微粒子粉末を簡便な方法で、効率よく作成することがで
きる。
【0071】基本的に従来と同一の製造プロセスであ
り、特別に高価な装置をなんら必要としない。
り、特別に高価な装置をなんら必要としない。
【0072】反応性に優れた微粉末が得られる。
【0073】付着性にも優れた微粉末が得られる。
【図1】室温で中和し、120℃で乾燥したGaOOH
のX線回折図形である。横軸は回折角(2Θ度)、縦軸
は回折強度(kcps千カウント/秒)である。
のX線回折図形である。横軸は回折角(2Θ度)、縦軸
は回折強度(kcps千カウント/秒)である。
【図2】沸点近くで中和し、120℃で乾燥したアモル
ファス構造を持つGaOOHのX線回折図形である。横
軸と縦軸は図1に同様である。
ファス構造を持つGaOOHのX線回折図形である。横
軸と縦軸は図1に同様である。
【図3】図1の試料を500℃で焼成したα−Ga2O
3のX線回折図形である。横軸と縦軸は図1に同様であ
る。
3のX線回折図形である。横軸と縦軸は図1に同様であ
る。
【図4】図2の試料を500℃で焼成したアモルファス
構造を持つα−Ga2O3のX線回折図形である。横軸
と縦軸は図1に同様である。
構造を持つα−Ga2O3のX線回折図形である。横軸
と縦軸は図1に同様である。
【図5】上の図形は80℃で中和し作成したアモルファ
ス構造を持つ酸化ハフニウムのX線回折図形である。下
の図形は室温で中和し、1000℃で焼成した結晶質の
酸化ハフニウムのX線回折図形である。横軸と縦軸は図
1に同様である。
ス構造を持つ酸化ハフニウムのX線回折図形である。下
の図形は室温で中和し、1000℃で焼成した結晶質の
酸化ハフニウムのX線回折図形である。横軸と縦軸は図
1に同様である。
【図6】90℃で中和し、200℃で乾燥したアモルフ
ァス構造を持つ錫の酸化物のX線回折図形である。横軸
と縦軸は図1に同様である。
ァス構造を持つ錫の酸化物のX線回折図形である。横軸
と縦軸は図1に同様である。
【図7】煮沸に近い温度域で中和し、120℃で乾燥し
たアモルファス構造を持つ水酸化インジウムのX線回折
図形である。横軸と縦軸は図1に同様である。
たアモルファス構造を持つ水酸化インジウムのX線回折
図形である。横軸と縦軸は図1に同様である。
【図8】80℃のアンモニア水中で中和し、300℃で
焼成したアモルファス構造を持つGeO2のX線回折図
形である。横軸と縦軸は図1に同様である。
焼成したアモルファス構造を持つGeO2のX線回折図
形である。横軸と縦軸は図1に同様である。
符号は無し。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G042 DA01 DB03 DB22 DB24 DD01 DD11 DE04 DE06 DE14 4G048 AA02 AB02 AD03 AD06 AE05 AE06 AE07
Claims (4)
- 【請求項1】湿式法による高純度アモルファス化合物粉
末の製造において、中和を80℃からその水溶液の沸点
までの温度域で行うことを特徴とする高純度アモルファ
ス化合物粉末の製造法。 - 【請求項2】ハロゲン化物あるいは酸塩を出発原料とす
る高純度アモルファス化合物粉末の製造において、その
中和をアンモニア水で行うことを特徴とする請求項1に
記載の高純度アモルファス化合物粉末の製造法。 - 【請求項3】金属の液中濃度が0.1から2モル/リッ
トルの水溶液で中和を行うことを特徴とする請求項1,
2に記載の高純度アモルファス化合物粉末の製造法。 - 【請求項4】出発原料である金属が錫、ハフニウム、ガ
リウム、インジウム、ゲルマニウムであることを特徴と
する請求項1、2、3に記載の高純度アモルファス化合
物粉末の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30006499A JP2001089111A (ja) | 1999-09-13 | 1999-09-13 | 高純度アモルファス化合物粉末の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30006499A JP2001089111A (ja) | 1999-09-13 | 1999-09-13 | 高純度アモルファス化合物粉末の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001089111A true JP2001089111A (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=17880274
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30006499A Pending JP2001089111A (ja) | 1999-09-13 | 1999-09-13 | 高純度アモルファス化合物粉末の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001089111A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015044740A (ja) * | 2014-11-07 | 2015-03-12 | Jx日鉱日石金属株式会社 | 酸化ガリウム粉末及びその製造方法並びに酸化物焼結体スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
JP2015105226A (ja) * | 2013-12-03 | 2015-06-08 | 三菱マテリアル株式会社 | 酸化ゲルマニウムの製造方法 |
WO2024162471A1 (ja) * | 2023-02-03 | 2024-08-08 | 三井金属鉱業株式会社 | ハフニウム酸化合物含有物およびその製造方法 |
-
1999
- 1999-09-13 JP JP30006499A patent/JP2001089111A/ja active Pending
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JP2015105226A (ja) * | 2013-12-03 | 2015-06-08 | 三菱マテリアル株式会社 | 酸化ゲルマニウムの製造方法 |
JP2015044740A (ja) * | 2014-11-07 | 2015-03-12 | Jx日鉱日石金属株式会社 | 酸化ガリウム粉末及びその製造方法並びに酸化物焼結体スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
WO2024162471A1 (ja) * | 2023-02-03 | 2024-08-08 | 三井金属鉱業株式会社 | ハフニウム酸化合物含有物およびその製造方法 |
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