JP2001088857A - フィルムインサート注出口 - Google Patents

フィルムインサート注出口

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JP2001088857A
JP2001088857A JP26288699A JP26288699A JP2001088857A JP 2001088857 A JP2001088857 A JP 2001088857A JP 26288699 A JP26288699 A JP 26288699A JP 26288699 A JP26288699 A JP 26288699A JP 2001088857 A JP2001088857 A JP 2001088857A
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spout
opening
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Masahiro Yoshikawa
正浩 吉川
Masataka Okushita
正隆 奥下
Kazuki Yamada
一樹 山田
Tatsuya Nozaki
達也 野崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムインサート注出口における開封性を
向上させる。 【解決手段】 筒状のノズル部と、そのノズル部を閉じ
る遮蔽部11cと、その遮蔽部の裏面側に一体に配置さ
れたフィルムと、遮蔽部を容易に開封しうるように、遮
蔽部の上面にほぼ円形に形成された開封溝11dと、プ
ルタブ11eとを備えたフィルムインサート注出口にお
いて、少なくとも、開封溝11dの、プルタブ近傍の領
域及びその領域に開封溝Oの中心をはさんで向かい合う
領域における開封溝底部11db、11ddを、フィル
ムのみ若しくはフィルムと極く薄い樹脂層で構成した易
開封構造とし、開封しにくい領域の引き裂き強度を低下
させることで開封性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、牛乳、ジュース、
酒などの液体を収容するための紙容器に取り付ける注出
口に関し、特に、ガスバリア性の高いフィルム(金属箔
を含む)を樹脂と一体に成形してなるフィルムインサー
ト注出口に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、紙容器に樹脂製の注出口を取
り付けることが広く行われている。この注出口の代表的
なものとして、図13に示すように、円筒状のノズル1
aと、紙容器に取り付けるためのフランジ部1bと、ノ
ズル部1aを閉じる遮蔽部1cと、遮蔽部1cを円形に
引き裂いて開封しうるように、ほぼ円形に形成された開
封溝1dと、その開封溝1dで囲まれた領域の一端に連
結されたプルタブ1eを備えた注出口1が知られてい
る。この注出口1はポリエチレン等の樹脂の射出成形に
よって製造されており、その際使用する金型は、溶融樹
脂が、矢印Pで示すように、遮蔽部1cの中央に射出さ
れ、開封溝1dの底部を流れて周囲に広がる構造となっ
ている。このため、開封溝1dの底部は樹脂の流れに支
障を生じないようにするため、或る程度の厚さが必要と
なり、その厚さtを、通常、0.2mm程度としてい
た。ポリエチレンの注出口ではこの程度の厚さでは引き
裂きに問題はなく、容易に開封可能であった。
【0003】ところが、ポリエチレン製の注出口ではガ
スバリア性が低く、容器の内容物によっては高いガスバ
リア性を要求される場合がある。そこで、注出口の遮蔽
部1cにおけるガスバリア性を向上させるため、図14
に示すように、注出口の裏面の遮蔽部1cを含む領域
に、ガスバリア性の高いPVDC、EVOH、MXナイ
ロン、アルミ箔等のフィルム2を配置し、その他の構成
は図13の注出口1と同様とした注出口1Aが使用され
ている。この注出口1Aは通常、注出口を射出成形する
ための金型内にあらかじめフィルム2をセットし、その
後、溶融樹脂を射出することでフィルムと一体に成形を
行うインサート成形により製造されている。このインサ
ート成形を行う場合にも、溶融樹脂は矢印Pで示すよう
に、遮蔽部1cの中央に射出され、開封溝1dの底部を
流れて金型内に充満しており、このため、開封溝1dの
底部の樹脂部分の厚さは、通常、0.2mm程度となっ
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インサ
ート成形された注出口(フィルムインサート注出口)1
Aでは、一体化しているフィルム2の引き裂き強度が大
きいため、プルタブ1eを引っ張って開封溝1dを引き
裂き、開封する際の開封強度が大きくなり、開封が困難
となるという問題があった。これを避けるには、フィル
ム2の材質を引き裂き強度の低いものとするとか、フィ
ルム2の厚さを小さくして引き裂き強度を低くしなけれ
ばならず、このため、使用するフィルム2に制限があっ
た。しかも、これらを考慮してフィルムを選定しても、
図13に示す樹脂のみで構成された注出口1に比べる
と、開封強度はかなり高く、改善が求められていた。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、ガスバリア性の高いフィルムを用いたフィルムイ
ンサート注出口において、開封強度を低くし、開封しや
すくした注出口を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はフィルムインサ
ート注出口における開封性を改良するために、少なくと
も、プルタブを引っ張って開封溝を引き裂いてゆく際
の、引き裂きの困難な領域、すなわち、プルタブ近傍の
領域、及びその領域に開封溝の中心をはさんで向かい合
う領域における開封溝底部を、フィルムのみ若しくはフ
ィルムと極く薄い(具体的には0.15mm以下の)樹
脂層とで構成した易開封構造としたものであり、これに
より、開封の困難な領域の開封強度が低下し、容易に開
封することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態による
フィルムインサート注出口は、筒状のノズル部と、その
ノズル部を閉じる遮蔽部と、その遮蔽部の裏面側に配置
されたフィルムと、前記遮蔽部を容易に開封しうるよう
に、前記遮蔽部の上面にほぼ円形に形成された開封溝
と、遮蔽部の前記開封溝で囲まれた領域で且つ開封溝に
隣接した位置に連結されたプルタブとを備えたフィルム
インサート注出口であって、前記開封溝の、プルタブ近
傍の領域及びその領域に開封溝の中心をはさんで向かい
合う領域における開封溝底部を、フィルムのみ若しくは
フィルムと0.15mm以下の厚さの樹脂層で構成した
易開封構造とし、その他の領域の開封溝底部を、フィル
ムと0.16mm〜0.25mmの樹脂層で構成した通
常構造としたことを特徴とする。この構成としたことに
より、注出口開封の際に開封の困難な引き裂き開始領域
及びそれに向かい合う領域の破断強度が低下しており、
これにより容易に開封することが可能となる。また、こ
の注出口を射出成形する際には、従来のフィルムインサ
ート注出口と同様に、遮蔽部の中央部分に溶融樹脂を射
出すれば、その溶融樹脂は開封溝底部の樹脂層が厚い領
域(通常構造の領域)を通って全体に行き渡ることがで
き、従来のフィルムインサート注出口と同様にして射出
成形することができる。更に、本実施の形態によるフィ
ルムインサート注出口は、従来のフィルムインサート注
出口に比べて開封が容易となる結果、フィルムとして破
断強度を高いものを使用可能であり、フィルム選択の自
由度が広がる。
【0008】ここで、開封溝底部を易開封構造とする領
域の範囲は、広い程開封は容易となるが、あまり広くす
ると射出成形時に樹脂の流れる領域が短くなり、成形が
困難となる。これらを考慮して、この領域としては、プ
ルタブを中心とした中心角が60〜100度の領域、及
びその領域に中心をはさんで向かい合う、中心角が60
〜100度の領域とすることが好ましい。
【0009】本発明の第二の実施の形態による注出口
は、筒状のノズル部と、そのノズル部を閉じる遮蔽部
と、その遮蔽部の裏面側に配置されたフィルムと、前記
遮蔽部を容易に開封しうるように、前記遮蔽部の上面に
ほぼ円形に形成された開封溝と、遮蔽部の前記開封溝で
囲まれた領域で且つ開封溝に隣接した位置に連結された
プルタブとを備えたフィルムインサート注出口であっ
て、前記開封溝の全周における開封溝底部を、フィルム
のみ若しくはフィルムと0.15mm以下の厚さの樹脂
層で構成した易開封構造とすることを特徴とする。この
構成の注出口においては、開封溝が全周に渡って破断し
やすい構造となっているので、第一の実施の形態による
注出口よりも一層容易に開封することができ、また、フ
ィルム選択の自由度が一層増す。なお、この実施の形態
による注出口の製造時には、開封溝の底部を通して樹脂
を流すことができないので、溶融樹脂の射出位置を、遮
蔽部に形成した開封溝で囲まれた領域と、その外側の領
域とに設定しておけばよい。
【0010】
【実施例】図1は本発明の第一の実施の形態による注出
口の概略断面図、図2はその概略平面図である。全体を
参照符号11で示す注出口は、円筒状のノズル部11a
と、紙容器に取り付けるためのフランジ部11bと、ノ
ズル部11aを閉じる遮蔽部11cと、遮蔽部11cを
円形に引き裂いて開封しうるように、ほぼ円形に形成さ
れた開封溝11dと、その開封溝11dで囲まれた領域
の一端に連結されたプルタブ11eと、遮蔽部11c及
びフランジ部11bの裏面に配置されたガスバリア性の
高いフィルム12を備えており、インサート成形により
製造されたものである。
【0011】図3はこの注出口11における開封溝11
dの底部及びプルタブ11eの柱部を示す概略平面図、
図4(a)、(b)、(c)、(d)は注出口11を図
3の矢印A−A方向、B−B方向、C−C方向、D−D
方向に見た概略断面図である。図3から良く分かるよう
に、開封溝11dは全体が、点Oを中心とするほぼ円形
をなしており、その円の一部11daを破断開始しやす
くするように突出させ、そこにプルタブ11eを配置し
ている。なお、開封溝11dの平面形状は、この形に限
定されず、適宜変更可能であり、例えば、図7に示すよ
うな単なる円形としてもよい。
【0012】図3において、開封溝11dは、プルタブ
11e近傍の領域(点a〜点d間)の底部11db及び
その領域に開封溝11dの中心Oをはさんで向かい合う
領域(点b〜点c間)の底部11ddを、開封強度の低
い構造とし、その他の領域(点a〜点b間及び点c〜点
d間)の底部11dc、11deは従来と同様に構成し
ている。すなわち、底部11db、11ddはそれぞ
れ、図4(a)、(b)に示すように、フィルム12と
極く薄い(具体的には0.15mm以下の)樹脂層14
で構成し、引き裂き強度を低くした易開封構造、或いは
図5(a)、(b)に示すように、フィルム12のみで
構成し、引き裂き強度を低くした易開封構造としてい
る。一方、底部11dc、11deは、図4(c)に示
すように、従来と同様に、フィルム12と比較的厚い樹
脂層15で構成した通常構造としている。この樹脂層1
5の厚さは射出成形時にこの部分を溶融樹脂が支障なく
流れるように選定したものであり、通常、0.16〜
0.25mm程度に設定されている。
【0013】なお、これらの底部においてフィルム12
を屈曲させているが、これはフィルム12の引き裂きを
容易にするためである。フィルム12の屈曲位置、屈曲
角度等は図示したものに限らず適宜変更してもよい。例
えば、図8はフィルム12の屈曲位置、屈曲角度の変形
例を示すものである。図8(a)はフィルム12の屈曲
位置をフランジ部側にずらせたものであり、これにより
フィルム12の引き裂き位置よりも外側の部分が樹脂部
分に密着し、引き裂きが容易となる。図8(b)はフィ
ルム12の屈曲を直角としたものである。一般に注出口
を開封する際フィルム12を45°方向に引っ張ること
が多く、このためフィルム12を45°に屈曲させてお
くと、フィルム12がその面に平行方向に引っ張られ、
伸びながら切れることとなり、切れにくいことがある。
そこで、フィルム12の屈曲角度を45°とは異ならせ
ることで、引き裂きが容易となる。図8(c)は図8
(a)と同様にフィルム12の屈曲位置をフランジ部側
にずらせたものである。
【0014】また、図3、図4の実施例では、開封溝1
1dの底面の幅を、易開封構造の底部11db、11d
dでは狭く、通常構造の底部11dc、11deでは広
くしているが、これは、開封溝11dを成形するための
金型の突起として、開封溝11cの全周にほぼ同一の断
面形状とし、通常構造の底部11dc、11deを形成
する領域では先端を削り落としたような形状の突起を用
い、金型の製造コストを下げたためである。開封溝11
dの幅は、破断性の点からは、図示のものに限らず、適
宜変更可能であり、例えば、易開封構造の底部11d
b、11ddと、通常構造の底部11dc、11deと
を同一幅としてもよい。
【0015】上記構成の注出口11の製造に当たっては
従来と同様にインサート成形が用いられる。すなわち、
成形すべき注出口11と同一形状の空間を備えた金型内
にフィルム12をセットし、溶融樹脂を射出することで
フィルム12を一体に埋め込んだ注出口11が製造され
る。この射出成形に用いる金型において、通常構造の底
部11dcや11deを形成する部分では図6(b)に
示すように、上側の金型15の突起15bの先端と下側
の金型16との間隔を、フィルム12をセットした状態
でも溶融樹脂が矢印で示すように流れることができるよ
うに大きく設定しているが、易開封構造の底部11db
や11ddを形成する部分では、溶融樹脂の流れは考慮
せず、図6(a)に示すように、上側の金型15の突起
15aの先端と下側の金型16との間隔を、フィルム1
2の厚みよりわずかに大きくなる程度にするか、或いは
フィルム12の厚みにほぼ等しくなるようにきわめて小
さく設定している。金型内への溶融樹脂の射出は、従来
のフィルムインサート成形と同様に遮蔽部の中央部分に
(図1に矢印Pで示すように)溶融樹脂を射出すること
で行われる。射出された溶融樹脂は図3において矢印で
示すように、開封溝11dの底部の樹脂層の厚い領域
(点a〜点b間及び点c〜点d間)を通過して外側に広
がり、金型内の空間を充満させ、注出口11が成形され
る。
【0016】得られた注出口11を開封する際には、プ
ルタブ11eを図3で矢印Eで示すように中央に向かっ
て引っ張って開封溝11dを引き裂いてゆく。この時、
開封溝11dの突起した部分11daで開封溝11dの
引き裂きが開始され、次いで矢印Fで示すように開封溝
11dの破断が進行するが、引き裂き開始時には大きい
破断力が必要とされ、またそれに続く破断進行時には破
断進行方向がプルタブ11eの進行方向(矢印E方向)
に対して大きい角度で傾斜した方向となっているので、
プルタブ11eに加える引っ張り力の一部しか開封溝の
破断に有効に利用されずこのため破断が困難となるが、
この領域では開封溝11dの底部11dbが易開封構造
となっているので、破断強度が低く、このため容易に開
封できる。その後、破断が点a〜点b間及び点d〜点c
間の通常構造の領域を進むが、この領域では破断の進行
方向がプルタブ11eの進行方向Eにほぼ平行であるの
で、プルタブ11eに加える引っ張り力が有効に開封溝
11dの破断に利用され、この領域での破断強度が大き
くても容易に破断できる。その後、破断点が点b、点c
を通り過ぎると、破断点の進行方向がプルタブ11eの
進行方向に大きい角度で交差する方向となって、プルタ
ブ11eに加える引っ張り力の一部しか破断に利用され
ず、破断が困難となるが、この領域でも底部11ddを
易開封構造としているので、破断強度が低く、容易に開
封できる。このように、本実施例の注出口11は開封溝
11dの底部にフィルム12を配置しているにもかかわ
らず、容易に開封可能である。
【0017】この注出口11において、図4(a)、
(b)に示した易開封構造の底部11db、11ddに
おける樹脂層14の厚さは、開封強度を従来のインサー
ト注出口の開封強度よりも低くするため、0.15mm
以下に、好ましくは、0.1mm以下に設定する。この
厚さは薄い程開封強度が低くなるので、開封上からは好
ましいが、あまり薄くするとフィルム12の強度が低い
場合には、強度不足となる場合がある。また、樹脂層1
4の厚さをきわめて薄くするとか、図5(a)、(b)
に示すように樹脂層を無くした場合には、金型内にフィ
ルム12をセットし金型を閉じた時に、上側の金型15
の突起15a〔図6(a)参照〕の先端がフィルム12
に接触し、フィルム12を傷つける場合もある。これら
を避けることが望ましいので、樹脂層14の厚さとして
は、0.01〜0.05mm程度に設定することが一層
好ましい。
【0018】易開封構造の開封溝底部11db、11d
dを形成する領域(点a〜点d、点b〜点c)は、広い
程開封は容易となるが、あまり広くすると射出成形時に
樹脂の流れる領域が短くなり、成形が困難となる。これ
らを考慮して、この領域としては、プルタブ11eを中
心とした中心角θ1 が60〜100度の領域、及びその
領域に中心Oをはさんで向かい合う中心角θ2 が60〜
100度の領域とすることが好ましい。
【0019】注出口11を構成する樹脂の材質として
は、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)等を
挙げることができる。また、フィルム12としては、ガ
スバリア性の高いフィルムの片面に、注出口11への接
着性を向上させるための樹脂フィルム(例えば、注出口
11を構成する樹脂の材質と同材質の樹脂フィルム)を
積層したもの、或いはガスバリア性の高いフィルムの片
面に、上記した接着性を向上させるための樹脂フィルム
を積層し、反対側の面に、ガスバリア性の高いフィルム
を容器内容物から保護するために、或いはそのフィルム
が内容物に接触して内容物を汚染することを防止するた
めに保護の樹脂フィルム(例えば、注出口11を構成す
る樹脂の材質と同材質の樹脂フィルム)を積層したもの
等を適宜使用できる。ガスバリア性の高いフィルムとし
ては、例えば、PVDC、EVOH、MXナイロン、ア
ルミ箔、金属蒸着フィルム等を挙げることができる。こ
のフィルム12の厚みは、ガスバリア性及び開封強度を
考慮して適宜定めればよく、通常、全体の厚みを40μ
〜100μ程度に、ガスバリア性のフィルムの厚みを5
μ〜20μ程度に設定することが好ましい。
【0020】次に、本発明の第二の実施の形態による注
出口を説明する。図9は、第二の実施の形態による注出
口の概略断面図である。全体を参照符号21で示す注出
口も、図1に示す注出口11と同様に、円筒状のノズル
部21aと、紙容器に取り付けるためのフランジ部21
bと、ノズル部21aを閉じる遮蔽部21cと、遮蔽部
21cを円形に引き裂いて開封しうるように、ほぼ円形
に形成された開封溝21dと、その開封溝21dで囲ま
れた領域の一端に連結されたプルタブ21eと、遮蔽部
21c及びフランジ部21bの裏面に配置されたガスバ
リア性の高いフィルム22を備えており、インサート成
形により製造されたものである。
【0021】図10はこの注出口21における開封溝2
1dの底部及びプルタブ21eの柱部を示す概略平面
図、図11(a)は注出口21を図10の矢印H−H方
向に見た概略断面図、図11(b)はその変形例を示す
概略断面図である。本実施形態における開封溝21d
も、全体が点Oを中心とするほぼ円形をなしており、円
周の一部21daを破断開始しやすくするように突出さ
せ、そこにプルタブ21eを配置している。なお、この
実施形態においても開封溝21dの平面形状は図10に
示す形状に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、
図7に示すような単純な円形に変更してもよい。開封溝
21dは、図3に示す開封溝11dとは異なり、全周の
底部21dbが開封強度の低い構造、すなわち、図11
(a)に示すように、フィルム22と極く薄い(具体的
には0.15mm以下の)樹脂層24で構成し、引き裂
き強度を低くした易開封構造、或いは図11(b)に示
すように、フィルム22のみで構成し、引き裂き強度を
低くした易開封構造としている。従って、この注出口2
1を射出成形する際に、開封溝21dの底部を通って樹
脂が流れることは期待できない。なお、この底部21d
bにおいてもフィルム22の引き裂きを容易にするた
め、フィルム22を屈曲させている。このフィルム22
の屈曲位置は図示した位置に限らず適宜変更してもよ
く、例えば、図8に示したような構成としてもよい。
【0022】上記構成の注出口21の製造に当たっても
インサート成形が用いられる。すなわち、成形すべき注
出口21と同一形状の空間を備えた金型内にフィルム2
2をセットし、溶融樹脂を射出することでフィルム22
を一体に埋め込んだ注出口21が製造される。この射出
成形に用いる金型において、開封溝21dを形成する部
分では図12に示すように、上側の金型25の突起25
aの先端と下側の金型26との間隔を、フィルム22の
厚みよりわずかに大きくなる程度にするか、或いはフィ
ルム22の厚みにほぼ等しくなるようにきわめて小さく
設定しており、この部分を通って溶融樹脂が流れること
はほとんど期待できない。そこで、金型内への溶融樹脂
の射出は、図9に矢印Pで示すように、遮蔽部21cの
中央部分に対して行うと共に矢印Qで示すように、開封
溝21dの外側の部分に対しても行う。これにより、溶
融樹脂が金型内の空間全体に充満し、注出口21が成形
される。
【0023】この構成の注出口21では、開封溝21d
の底部が全周に渡って易開封構造となっているので、プ
ルタブ21eを引っ張ることで、容易に開封溝21dを
破断して開封できる。
【0024】この注出口21においても、易開封構造の
底部21dbにおける樹脂層24の厚さは、開封強度を
従来のインサート注出口の開封強度よりも低くするた
め、0.15mm以下に設定するものであり、好ましく
は、0.1mm以下に、更に好ましくは、0.01〜
0.05mm程度に設定する。注出口21を構成する樹
脂材質としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線
状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン
(PP)等を挙げることができる。また、フィルム22
としても、ガスバリア性の高いフィルムの片面に、注出
口21への接着性を向上させるための樹脂フィルム(例
えば、注出口21を構成する樹脂の材質と同材質の樹脂
フィルム)を積層したもの、或いはガスバリア性の高い
フィルムの片面に、上記した接着性を向上させるための
樹脂フィルムを積層し、反対側の面に、ガスバリア性の
高いフィルムを容器内容物から保護するために、或いは
そのフィルムが内容物に接触して内容物を汚染すること
を防止するために保護の樹脂フィルム(例えば、注出口
21を構成する樹脂の材質と同材質の樹脂フィルム)を
積層したもの等を適宜使用できる。ガスバリア性の高い
フィルムとしては、例えば、PVDC、EVOH、MX
ナイロン、アルミ箔、金属蒸着フィルム等を挙げること
ができる。このフィルム22の厚みは、ガスバリア性及
び開封強度を考慮して適宜定めればよく、通常、全体の
厚みを40μ〜100μ程度に、ガスバリア性のフィル
ムの厚みを5μ〜20μ程度に設定することが好まし
い。
【0025】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、少なくとも、プルタブを引っ張って開封溝を引き裂
いてゆく際の、引き裂きの困難な領域、すなわち、プル
タブ近傍の領域、及びその領域に開封溝の中心をはさん
で向かい合う領域における開封溝底部を、フィルムのみ
若しくはフィルムと極く薄い樹脂層とで構成した易開封
構造としたことにより、容易に開封することが可能とな
り、また、使用するフィルム選択の自由度が広がる等の
効果を有している。
【0026】ここで、前記した易開封構造をプルタブ近
傍の領域、及びその領域に開封溝の中心をはさんで向か
い合う領域のみに形成し、その間の領域は、従来と同様
にフィルムと0.16mm〜0.25mmの樹脂層で構
成した通常構造とすると、この注出口を射出成形する際
には、従来のフィルムインサート注出口と同様に、遮蔽
部の中央部分のみに溶融樹脂を射出すれば、その溶融樹
脂は開封溝底部の樹脂層が厚い領域(通常構造の領域)
を通って全体に行き渡ることができ、従来のフィルムイ
ンサート注出口と同様にして射出成形することができる
という効果が得られる。
【0027】また、前記した易開封構造を開封溝の全周
に渡って形成すると、開封溝が全周に渡って破断しやす
い構造となっているので、一層容易に開封することがで
きるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態による注出口の概略
断面図
【図2】図1に示す注出口の概略平面図
【図3】図1に示す注出口における開封溝底部及びプル
タブの柱部を示す概略平面図
【図4】(a)は図1の注出口を図3の矢印A−A方向
に見た概略断面図 (b)は図1の注出口を図3の矢印B−B方向に見た概
略断面図 (c)は図1の注出口を図3の矢印C−C方向に見た概
略断面図 (d)は図1の注出口を図3の矢印D−D方向に見た概
略断面図
【図5】(a)、(b)はそれぞれ、図4(a)、
(b)に示す部分の変形例を示す概略断面図
【図6】(a)は、図1の注出口の、図4(b)に示す
部分の成形に用いる金型部分を示す概略断面図 (b)は、図1の注出口の、図4(c)に示す部分の成
形に用いる金型部分を示す概略断面図
【図7】開封溝の平面形状の変形例を示す図3と同一部
分の概略平面図
【図8】(a)、(b)、(c)はそれぞれ、図4
(b)に示す部分の変形例を示す概略断面図
【図9】本発明の第二の実施の形態による注出口の概略
断面図
【図10】図9に示す注出口における開封溝底部及びプ
ルタブの柱部を示す概略平面図
【図11】(a)は図9に示す注出口を図10の矢印H
−H方向に見た概略断面図 (b)は(a)に示す部分の変形例を示す概略断面図
【図12】(a)は、図9の注出口の、図11(a)に
示す部分の成形に用いる金型部分を示す概略断面図
【図13】従来の注出口の概略断面図
【図14】従来のフィルムインサート注出口の概略断面
【符号の説明】
11 注出口 11a ノズル部 11b フランジ部 11c 遮蔽部 11d 開封溝 11db、11dd 易開封構造の底部 11dc、11de 通常構造の底部 11e プルタブ 12 フィルム 14、15 樹脂層 21 注出口 21a ノズル部 21b フランジ部 21c 遮蔽部 21d 開封溝 21db 易開封構造の底部 21e プルタブ 22 フィルム 24 樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 一樹 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 野崎 達也 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 3E060 CF05 CF06 DA14 DA20 3E084 AB01 BA02 BA03 CA01 CB01 CB02 CB04 CC02 CC03 CC04 CC05 CC08 DA01 DB12 DC04 DC05 FA09 FB01 GA04 GB04 GB08 GB17 KB01 LA03 LA07 LA17 LB02 LB07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のノズル部と、そのノズル部を閉じ
    る遮蔽部と、その遮蔽部の裏面側に配置されたフィルム
    と、前記遮蔽部を容易に開封しうるように、前記遮蔽部
    の上面にほぼ円形に形成された開封溝と、遮蔽部の前記
    開封溝で囲まれた領域で且つ開封溝に隣接した位置に連
    結されたプルタブとを備えたフィルムインサート注出口
    において、前記開封溝の、プルタブ近傍の領域及びその
    領域に開封溝の中心をはさんで向かい合う領域における
    開封溝底部を、フィルムのみ若しくはフィルムと0.1
    5mm以下の厚さの樹脂層で構成した易開封構造とし、
    その他の領域の開封溝底部を、フィルムと0.16mm
    〜0.25mmの樹脂層で構成した通常構造としたこと
    を特徴とするフィルムインサート注出口。
  2. 【請求項2】 開封溝底部を易開封構造とした領域を、
    プルタブを中心とする中心角が60〜100度の領域、
    及びその領域に開封溝の中心をはさんで向かい合う、中
    心角が60〜100度の領域としたことを特徴とする請
    求項1記載のフィルムインサート注出口。
  3. 【請求項3】 筒状のノズル部と、そのノズル部を閉じ
    る遮蔽部と、その遮蔽部の裏面側に配置されたフィルム
    と、前記遮蔽部を容易に開封しうるように、前記遮蔽部
    の上面にほぼ円形に形成された開封溝と、遮蔽部の前記
    開封溝で囲まれた領域で且つ開封溝に隣接した位置に連
    結されたプルタブとを備えたフィルムインサート注出口
    において、前記開封溝の全周における開封溝底部を、フ
    ィルムのみ若しくはフィルムと0.15mm以下の厚さ
    の樹脂層で構成した易開封構造としたことを特徴とする
    フィルムインサート注出口。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006168733A (ja) * 2004-12-10 2006-06-29 Mikasa Sangyo Kk 生分解性樹脂製キャップ
JP2007160852A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Toto Seikei Kk 中栓の製造方法
JP2008539135A (ja) * 2005-04-27 2008-11-13 サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ キャップ、容器、および方法
JP2008297000A (ja) * 2007-06-04 2008-12-11 Hokkai Can Co Ltd 注出口栓
JP2008308191A (ja) * 2007-06-14 2008-12-25 Toppan Printing Co Ltd 容器の注出口およびその製造方法

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