JP2001088096A - 吸収式送液機構を有する微小ケミカルデバイス - Google Patents

吸収式送液機構を有する微小ケミカルデバイス

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JP2001088096A
JP2001088096A JP25962899A JP25962899A JP2001088096A JP 2001088096 A JP2001088096 A JP 2001088096A JP 25962899 A JP25962899 A JP 25962899A JP 25962899 A JP25962899 A JP 25962899A JP 2001088096 A JP2001088096 A JP 2001088096A
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flow path
polymer
liquid absorbing
microchemical device
microchemical
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JP25962899A
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Takanori Anazawa
孝典 穴澤
Atsushi Teramae
敦司 寺前
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Kawamura Institute of Chemical Research
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Kawamura Institute of Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応、分析、検査などの目的で微小ケミカル
デバイスを多数並列に設置し、同時に稼働させる場合
に、多数の送液手段を必要としない微小ケミカルデバイ
スを提供すること。 【解決手段】 互いに接着された2つの部材間に毛細
管状の流路を形成し、流路の一方の端を該微小ケミカ
ルデバイスの外部に連絡し、流路の他方の端に連絡し
て、多孔質体から成る液体吸収部を設け、液体吸収部
の空隙体積を特定の範囲とする。また、液体吸収部を
毛細管状の流路を有する部材とは別の部材に形成し、こ
れらの部材を連結・固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微小なケミカルデ
バイス、即ち、部材に微小な流路、反応槽、電気泳動カ
ラム、膜分離機構などの構造が形成された、化学、生化
学、物理化学用などの微小反応デバイス(マイクロ・リ
アクター)や、集積型DNA分析デバイス、微小電気泳
動デバイス、微小クロマトグラフィーデバイスなどの微
小な分析(診断、検査を含む)デバイス、質量スペクト
ルや液体クロマトグラフィーなどの分析試料調製用微小
デバイスに関し、更に詳しくは、表面に溝状の流路を有
する部材と他の部材を接着することにより形成されたキ
ャピラリー状の流路を有する微小ケミカルデバイスに関
し、液体の送液機構を有する微小ケミカルデバイスに関
する。
【0002】
【従来の技術】「サイエンス」(1998年、第282
巻、第484頁)には、シリコン、石英、ガラス、ポリ
マーなどの基材に、エッチング法により細い溝を形成し
て、液体流路や分離用ゲルチャンネルとし、必要に応じ
て、ガラス板などのカバーをその表面に接着して使用す
る微小ケミカルデバイスが開示されている。このような
デバイスに液体を流す場合には、マイクロシリンジや微
量送液ポンプなどにより圧送する方法が採られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな微小ケミカルデバイスを多数並列に設置し、同時に
稼働させる場合、例えば、微小ケミカルデバイスを臨床
診断薬として使用する場合には、マイクロシリンジや微
量送液ポンプなどの送液手段が多数必要となる、という
不都合があった。
【0004】本発明が解決しようとする課題は、微小ケ
ミカルデバイスを多数並列に設置し、同時に稼働させる
場合に、多数の送液手段を必要としない微小ケミカルデ
バイスを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決する方法について鋭意検討した結果、直径1〜1
000μm 程度の流路に液体を流す微少ケミカルデバイ
スにおいて、多孔質体の液体吸収力を液体移送の駆動力
として用いることが好適であることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、(1)(イ)部材(A)と部材(B)の間に、流路
となる部分を除いて固体状物質を充填することにより、
もしくは(ロ)表面に溝を有する部材(A)の溝が形成
された面に他の部材(B)を接着することにより、互い
に接着された部材(A)と部材(B)との間に、部材
(A)と部材(B)との接着面に垂直な方向から見て幅
1〜1000μm 、奥行き1〜1000μm の毛細管状
の流路が形成された微小ケミカルデバイスであって、
流路の一方の端が該微小ケミカルデバイスの外部に連絡
していること、流路の他方の端に連絡して、多孔質体
から成る液体吸収部が設けられていること、及び、液
体吸収部の空隙体積が流路の容積の1〜10000倍の
範囲にある微小ケミカルデバイス(以下、第1の微小ケ
ミカルデバイスという。)を提供する。
【0007】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(2)液体吸収部が部材(A)と部材(B)の両部
材に挟まれて設けられている上記(1)に記載の微小ケ
ミカルデバイスを提供する。
【0008】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(3)多孔質体が、並列に接続された毛細管及び/
又はスリットの集合体である上記(1)又は(2)に記
載の微小ケミカルデバイスを提供する。
【0009】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(4)部材(A)及び部材(B)が有機高分子重合
体で形成されている上記(1)、(2)又は(3)に記
載の微小ケミカルデバイスを提供する。
【0010】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(5)部材(A)及び部材(B)がそれぞれ、スチ
レン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、ポリカーボ
ネート系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリエステル
系重合体、塩化ビニル系重合体なる群から選ばれた重合
体で形成されている上記(4)に記載の微小ケミカルデ
バイスを提供する。
【0011】さらに、本発明は上記課題を解決するため
に、(6)互いに接着された部材(A)と部材(B)と
の間に、部材(A)と部材(B)との接着面に垂直な方
向から見て幅1〜1000μm 、奥行き1〜1000μ
m の毛細管状の流路が形成された部材(I)と、多孔質
体から成る液体吸収部が設けられた部材(II)から成る
微小ケミカルデバイスであって、流路の一方の端が部
材(I)外部に連絡していること、部材(I)の流路
の他端に部材(II)の液体吸収部が連絡すべく部材(I
I)が部材(I)に固定されていること、及び、液体
吸収部の空隙体積が部材(I)の流路の容積の10〜1
000000倍の範囲にある微小ケミカルデバイス(以
下、第2の微小ケミカルデバイスという。)を提供す
る。
【0012】 さらにまた、本発明は上記課題を解決す
るために、(7)部材(II)と部材(I)が脱着可能で
ある上記(5)に記載の微小ケミカルデバイスを提供す
る。
【0013】さらにまた、本発明は上記課題を解決する
ために、(8)部材(A)及び部材(B)が有機高分子
重合体で形成されている、上記(6)又は(7)に記載
の微小ケミカルデバイスを提供する。
【0014】さらにまた、本発明は上記課題を解決する
ために、(9)部材(A)及び部材(B)がそれぞれ、
スチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、ポリカ
ーボネート系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリエス
テル系重合体、塩化ビニル系重合体なる群から選ばれた
高分子で形成されている上記(8)に記載の微小ケミカ
ルデバイスを提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の第1の微小ケミカルデバ
イスにおいては、互いに接着された部材(A)と部材
(B)との間に毛細管状の流路(以下、単に「流路」と
称する)が形成されている。流路は、例えば、(イ)部
材(A)と部材(B)の間の、流路以外の部分に固体状
物質が充填されて形成されていても良いし、また、例え
ば、(ロ)表面に溝を有する部材(A)の溝を有する面
に、他の部材(B)が接着されて形成されていても良
い。上記(イ)における流路は、部材(B)を上にした
時の底面が部材(A)、側面が充填された固体状物質、
上面が部材(B)で構成されており、上記(ロ)におけ
る流路は、底面と側面が部材(A)、上面が部材(B)
もしくは部材(B)に塗布された接着剤で構成されてい
る。なお、上記(イ)において、部材(A)と部材
(B)との間に充填された固体状物質によって、部材
(A)と部材(B)とが接着されているので、部材
(A)と部材(B)とは、流路状の空間を有する接着剤
で接着されているともいえる。
【0016】部材(A)と部材(B)との接着面に垂直
な方向から見た流路の幅は1μm 以上であり、好ましく
は10μm 以上であり、また1000μm 以下であり、
好ましくは500μm 以下である。部材(A)と部材
(B)の接着面に垂直な方向から見た流路の奥行きは1
μm 以上であり、好ましくは10μm 以上であり、また
1000μm 以下であり、好ましくは500μm 以下で
ある。流路がこれらの寸法より小さい場合には製造が困
難となる。また、流路がこれらの寸法より大きい場合に
は、本発明の効果が小さくなる傾向にあるので好ましく
ない。流路の幅/奥行き比は、用途、目的に応じて任意
に設定できるが、一般には0.5〜10が好ましく、
0.7〜5がさらに好ましい。流路の断面形状は、矩形
(角が丸められた矩形を含む。以下同じ)、台形、円、
半円形など任意である。なお、本発明においては、流路
の幅とは、流路断面の最大幅をいう。なお、流路の幅は
一定である必要はない。
【0017】部材(A)と部材(B)の接着面に垂直な
方向から見た流路の形状は、用途目的に応じて直線、分
岐、櫛型、曲線、渦巻き、ジグザグ、その他任意の形状
であってよい。流路は、流路の他、反応場、混合場、抽
出場、分離場、流量測定部、検出部などとしても使用で
きるし、流路に接続して流路以外の構造、例えば、貯液
槽、反応槽、膜分離機構、デバイス外へ接続口などが形
成されていても良い。
【0018】流路が部材(A)と部材(B)の間の流路
以外の部分に固体状物質が充填されて形成されている構
造の場合、固体状物質の厚みは必ずしも均一である必要
はないが、均一であることが好ましい。
【0019】流路が、表面に溝を有する部材(A)の溝
を有する面に他の部材(B)を接着して形成される場合
には、溝はその周辺部より低い、いわゆる溝として形成
されていても良いし、部材(A)表面に立つ壁の間とし
て形成されていても良い。部材(A)の表面に溝を設け
る方法は任意であり、例えば、射出成型、溶剤キャスト
法、溶融レプリカ法、切削、エッチング、フォトリソグ
ラフィー(エネルギー線リソグラフィーを含む)、エッ
チング法、蒸着法、気相重合法、溝となるべき部分を切
り抜いたシート状部材と板状部材との接着などの方法を
利用できる。部材(A)は複数の素材で構成されていて
もよく、例えば、溝の底と側面が異なる素材で形成され
ていても良い。部材(A)には、溝以外の構造部分、例
えば、貯液槽、反応槽、分析機構などとなる構造を設け
ることができる。
【0020】部材(A)の形状は特に限定する必要はな
く、用途目的に応じた形状を採りうる。例えば、シート
状(フィルム、リボンなどを含む。以下同じ)、板状、
塗膜状、棒状、管状、その他複雑な形状の成型物などで
あり得るが、部材(B)と接着し易い点から接着面が平
面状の形状であることが好ましく、シート状、板状、又
は棒状であることが特に好ましい。部材(A)が表面に
溝を有するものである場合には、溝が形成された面が平
面状の形状であることが好ましい。部材(A)は更に別
の部材、例えば、支持体、と一体化された形態であって
もよい。部材(A)が塗膜状である場合には、支持体と
一体化された状態で使用される。支持体の素材、形状も
任意であり、例えば、部材(A)の場合に示した素材や
形状であって良い。複数の微小ケミカルデバイスを1つ
の部材(A)上に形成することも可能であるし、製造
後、これらを切断して複数の微小ケミカルデバイスとす
ることも可能である。
【0021】部材(B)は、部材(A)と部材(B)の
間に、流路となる部分を除いて固体状物質を充填するこ
とにより部材(A)と部材(B)と固体状物質でもって
毛細管状の流路を形成することが可能なもの、あるい
は、表面に溝を有する部材(A)の溝が形成された面に
接着し、部材(A)の溝と部材(B)でもって毛細管状
の流路を形成することが可能なものであれば、その形
状、構造、表面状態などは任意である。これらについて
は、部材(A)の場合と同様である。部材(B)は表面
に溝が形成されている必要はないが、溝や溝以外の構造
が形成されていても良い。例えば、部材(B)は、表面
に溝が形成された部材(A)の鏡像体であってもよい。
エネルギー線硬化性化合物を接着剤として使用し、溝が
形成された部材(A)上に部材(B)を接着する場合で
あって、部材(A)が使用するエネルギー線を透過させ
ない場合には、部材(B)は使用するエネルギー線を透
過させるものである必要がある。
【0022】流路が部材(A)と部材(B)の間の流路
以外の部分に固体状物質が充填されて形成されている構
造の形成方法は、例えば、部材(A)と部材(B)の間
にエネルギー線硬化性組成物を挟持し、部材(A)及び
/又は部材(B)の外部から、流路となる部分を除いて
エネルギー線を照射し、未硬化のエネルギー線硬化性組
成物を除去する方法、流路となるべき部分を切り抜いた
接着性のシート状部材を部材(A)と部材(B)間に挟
んで互いに接着する方法、流路となるべき部分に保護物
質、例えば、四フッ化エチレン製の棒状物を置き、接着
剤や溶融樹脂を充填・固化した後、保護物質を除去する
方法などを採ることができる。本法は、工程数は少ない
が、流路径が小さくなると未硬化のエネルギー線硬化性
組成物や保護物質の除去が困難となるため、比較的寸法
の大きな流路を形成する方法として好適である。
【0023】部材(A)が表面に溝を有するものである
場合の、部材(A)と部材(B)の接着方法は、部材
(A)表面の溝が流路として形成される方法であれば任
意であり、溶剤型接着剤の使用、無溶剤型接着剤の使
用、溶融型接着剤の使用、部材(A)及び/又は部材
(B)表面への溶剤塗布による接着、熱や超音波による
融着等を使用しうるが、無溶剤型の接着剤の使用が好ま
しく、無溶剤型接着剤としてエネルギー線硬化性樹脂を
用い、エネルギー線照射により硬化させて接着する方法
が、微小なデバイスの精密な接着が可能であり、生産性
も高いことから、好ましい。また、溝に液体状、ゲル
状、固体状などの保護材を充填した状態で接着し、その
後、保護材を除去する方法を採ることも可能である。部
材(B)は接着剤の硬化物そのものであってもよい。
【0024】部材(A)の素材は任意であり、有機高分
子重合体(以下、単に「重合体」と称する)、ガラス、
石英などの結晶、セラミック、金属、シリコンなどの半
導体等であってよいが、成形しやすさの面から、重合体
であることが好ましい。
【0025】部材(A)に用いられる重合体は熱可塑性
重合体であっても、熱硬化性重合体であっても良いが、
成形性の良い点で熱可塑性重合体が好ましく、また、表
面に溝を形成する場合に溝の形成が容易、硬化速度が高
い、表面親水化が容易などの点でエネルギー線硬化性の
架橋重合体が好ましい。部材(A)は、ポリマーブレン
ドやポリマーアロイで構成されていても良いし、複合体
や積層体であっても良い。
【0026】部材(A)に好ましく使用できる重合体と
しては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリス
チレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレン/マ
レイン酸共重合体、ポリスチレン/アクリロニトリル共
重合体の如きスチレン系重合体;ポルスルホン、ポリエ
ーテルスルホンの如きポリスルホン系重合体;ポリメチ
ルメタクリレート、ポリアクリロニトリルの如きポリ
(メタ)アクリル系重合体;ポリマレイミド系重合体;
ポリカーボネート系重合体;酢酸セルロース、メチルセ
ルロースの如きセルロース系重合体;ポリウレタン系重
合体;塩化ビニル、塩化ビニリデンの如き塩素系重合
体;ポリアミド系重合体;ポリイミド系重合体;ポリエ
チレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系重合
体;ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフ
ィドの如きポリエーテル系又はポリチオエーテル系重合
体;ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレートの如
きポリエステル系重合体、ポリ四フッ化エチレン、パー
フロロアルコキシパーフロロエチレン−四フッ化エチレ
ン共重合体(PFA)などのフッ素系重合体などが挙げ
られる。
【0027】また、部材(A)に好ましく使用できるエ
ネルギー線硬化性の架橋重合体としては、(メタ)アク
リロイル基を有するエネルギー線硬化性化合物の硬化物
や、マレイミド基を有するエネルギー線硬化性化合物の
硬化物が好ましい。勿論、重合体は単独重合体の他、共
重合体であっても良い。
【0028】これらの中でも、スチレン系重合体、(メ
タ)アクリル系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポ
リスルホン系重合体、塩化ビニル系重合体は、安価で成
形性がよく、耐水性や寸法安定性等の物性に優れるた
め、部材(A)の素材として特に好適である。
【0029】本発明における部材(B)の材質は任意で
あり、本発明の部材(A)に使用できる素材として示し
たものが使用できる。部材(B)の素材は部材(A)と
同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0030】本発明に成る第1の微小ケミカルデバイス
は、部材(A)と部材(B)との間に形成された流路の
一方の端、即ち液体流入部となる端が、該微小ケミカル
デバイスの外部に連絡している。即ちデバイス外部に開
口している。流路の該微小ケミカルデバイスの外部への
連絡は、貯液槽その他の構造を介してなされていても良
い。そして、流路の他方の端、即ち、流路の液体流出部
となる端、に接続して、多孔質体から成る液体吸収部が
該微小ケミカルデバイス内に設けられている。液体吸収
部と流路の接続は直接接続されていても良いし、連絡流
路を介してなされていても良い。液体吸収部の圧力が液
体流入部の圧力と等しくなるよう、液体吸収部は、接続
された流路とは別の部分でデバイス外部に開口している
ことが好ましい。
【0031】液体吸収部の空隙体積即ち最大吸収量は、
その下限が、流路の液体流入部から液体流出部に至る総
容積の1倍以上であり、3倍以上であることが好まし
い。その上限は、本発明の微小ケミカルデバイス内の流
路の総容積の10000倍以下であり、1000倍以下
であることが好ましく、100倍以下であることがさら
に好ましい。但し、ここで言う流路の液体流入部から液
体流出部に至る総容積とは、流路の総容積であって、流
路の接続して貯液槽その他の構造が設けられている場合
にはその容積は含まない。液体吸収部の空隙体積がこの
値未満であると流路に流しうる液体の量が少なくなるた
め用途が限定されたものとなる。液体吸収部の空隙体積
がこの値より大であっても機能上は何ら問題はないが、
微小ケミカルデバイスが不要に大形となるため好ましく
ない。
【0032】液体吸収部の形状や設置位置は任意であ
る。液体吸収部は、例えば、部材(A)や部材(B)の
内部に設けられていても良いし、外表面に設けられてい
ても良いし、部材(A)と部材(B)の間に設けられて
いてもよいが、部材(A)と部材(B)の間に設けるこ
とが、製造が容易であり好ましい。部材(A)と部材
(B)の間に設ける場合には、部材(A)及び/又は部
材(B)に設けられた凹部に多孔質体を設置する方法
や、該凹部にその場重合法などにより多孔質体を形成す
る方法を採ることができる。
【0033】多孔質体は、互いに連絡した細孔を有し、
使用する液体を吸収することが可能なものであれば任意
である。多孔質体の素材は、例えば、重合体、ガラス、
結晶、金属、炭素などであり得るが、重合体であること
が好ましい。多孔質体の素材は、部材(A)及び/又は
部材(B)と同じであっても異なっていても良い。多孔
質体の細孔形状も任意であり、例えば、焼結体状(凝集
粒子状)、海綿状(3次元網目状)、濾紙や不織布、織
布、束状繊維、並列に接続された毛細管及び/又はスリ
ットの集合体等であり得る。並列に接続された毛細管及
び/又はスリットの集合体は、平行や放射状に形成され
た毛細管及び/又はスリットの他、相互に交差・連絡し
た毛細管及び/又はスリットであってよく、例えば、2
次元格子状、乱れた2次元格子状、2次元網目状であり
得る。多孔質部の細孔の孔径や毛細管の径は任意である
が、好ましくは平均孔径が0.4μm 以上、さらに好ま
しくは1μm 以上であり、好ましく100μm 以下、さ
らに好ましくは30μm 以下である。過小であると吸収
速度が低下し、過大であると吸引力や吸収量に劣ったも
のとなる。多孔質体の細孔の平均孔径や毛細管の径は、
同じ断面積を有する円管の直径を言う。但し、細孔がス
リット状である場合にはその間隙が上記範囲にあること
が好ましい。多孔質体は、水系液体を吸収するものが好
ましい。そのため親水性の表面を持つことが好ましく、
また、多孔質体を界面活性剤処理することも好ましい。
【0034】本発明に成る第1の微小ケミカルデバイス
においては、多孔質体は並列に接続された毛細管及び/
又はスリットの集合体であることが好ましく、部材
(A)と部材(B)の間に形成されていることが好まし
く、部材(A)に形成された溝と部材(B)とでもって
形成されていることがさらに好ましい。これらの構造
は、本微小ケミカルデバイスの流路と同様の方法で、該
流路と同時に成形することができる。
【0035】本発明の微小ケミカルデバイスは、流路が
分岐していても良く、また、流路の開口部と液体吸収部
の間もしくはそこからの分岐部に、他の機能部位、例え
ば、貯液槽、反応槽、電気泳動カラム、電極、クロマト
グラフ用カラムなどが形成されていても良い。これら
は、部材(A)上に設けられていても良いし、部材
(B)に設けられていても良いし、部材(B)あるいは
部材(A)に結合される他の部材に設けられていても良
い。また、分岐した流路のそれぞれに多孔質体から成る
液体吸収部が設けられていても良い。
【0036】本発明の第2の微小ケミカルデバイスは、
互いに接着された部材(A)と部材(B)との間に、部
材(A)と部材(B)との接着面に垂直な方向から見て
幅1〜1000μm 、奥行き1〜1000μm の毛細管
状の流路が形成された部材(I)と、多孔質体から成る
液体吸収部が設けられた部材(II)から成る。
【0037】部材(I)を構成する部材(A)及び部材
(B)に関すること、これらを接着して部材(A)と部
材(B)との間に流路を形成すること、部材(I)の構
造に関することについては、部材(I)が多孔質体から
成る液体吸収部を有する必要がないこと以外は、本発明
になる第1の微小ケミカルデバイスに関する記述と同様
である。
【0038】本発明の第2の微小ケミカルデバイスは、
部材(I)の流路の他端、即ち、液体流出端に、部材
(II)の液体吸収部が連絡すべく部材(II)が部材
(I)に固定されていること、及び、液体吸収部の空
隙体積が部材(I)の流路の容積の10〜100000
0倍の範囲にあること、の点において本発明に成る第1
の微小ケミカルデバイスと異なる。即ち、本発明の第2
の微小ケミカルデバイスにおいては、その液体吸収部
は、部材(I)とは別の部材(II)に形成され、部材
(I)の流路に接続されている。部材(II)は液体吸収
部を有していて、該液体吸収部が部材(I)の流路と接
続できる形状であれば、その構造、形状、部材(I)と
の位置関係は任意である。例えば、部材(II)は、部材
(I)と同じ平面内に、流路の延長線上に設けられてい
ても良いし、部材(I)の部材(A)及び/又は部材
(B)の、流路が形成された面の反対側の面に設けられ
ていて、部材(A)及び/又は部材(B)を貫通する連
絡流路でもって部材(I)の流路と接続されていても良
い。
【0039】液体吸収部は、部材(I)の流路と接続さ
れる部分以外の部分で、部材(II)の外部に開口してい
て、液体吸収部の圧力を部材(I)の流路の液体導入端
と同じに保持できることが好ましい。部材(II)はカバ
ーのない多孔質体そのものであっても良い。
【0040】本発明の第2の微小ケミカルデバイスにお
いて、液体吸収部の空隙体積、即ち、最大吸収量は、そ
の下限が、部材(I)の流路の液体流入部から液体流出
部に至る総容積の10倍以上であり、好ましくは100
倍以上である。その上限は、本発明の微小ケミカルデバ
イス内の流路の総容積の1000000倍以下であり、
好ましくは10000倍以下であり、さらに好ましくは
1000倍以下である。液体吸収部の容積がこの値未満
であると流路に流しうる液体の量が少なくなるため用途
が限定されたものとなる。液体吸収部の容積がこの値よ
り大であっても機能上は何ら問題はないが、部材(II)
が不要に大形となるため好ましくない。本発明の第2の
微小ケミカルデバイスは、化学や生化学の合成デバイス
など、比較的多量の液体を流す用途に好適である。
【0041】さらに多量の液体を流す用途に使用する場
合、微小ケミカルデバイスの部材(I)を繰り返し使用
することを容易にするために、部材(II)と部材(I)
を脱着可能とすることが好ましい。脱着機構は任意であ
り、例えば、鈎爪式、バヨネット式、ねじ込み式、ネジ
止め、粘着式などにより固定することができるが、鈎爪
式が好適である。
【0042】液体吸収部のその他に関すること、例え
ば、多孔質体の種類、形状、素材などについては、本発
明の第1の微小ケミカルデバイスの場合と同様である。
分岐した流路のそれぞれに部材(II)が接続されていて
も良い。
【0043】また、部材(II)を構成する素材について
も任意であり、部材(A)や部材(B)に使用できる素
材が使用できる。
【0044】
【実施例】以下、実施例を用いて、本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定され
るものではない。なお、以下の実施例において、「部」
は特に断りがない限り「重量部」を表わす。
【0045】<エネルギー線硬化性組成物の調製>実施
例で使用するエネルギー線硬化性組成物の調製方法を示
す。
【0046】[エネルギー線硬化性組成物[e1]の調
製]1分子中に平均3個のアクリル基を有するウレタン
アクリレートオリゴマー(大日本インキ化学工業(株)製
の「ユニディックV−4263」)40部、ノニルフェ
ノキシポリエチレングリコール(n=8)アクリレート
(東亜合成化学社製の「M−114」)60部及び紫外
線重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン(チバガイギー社製の「イルガキュアー18
4」)2部を混合してエネルギー線硬化性組成物[e
1]を調製した。
【0047】[エネルギー線硬化性組成物[e2]の調
製]上記したエネルギー線硬化性組成物[e1]の調製
において、紫外線重合開始剤「イルガキュアー184」
の添加量を5部とし、かつ、重合禁止剤2,4−ジフェ
ニル−4−メチル−1−ペンテン(関東化学社製)0.
1部を添加したこと以外は、エネルギー線硬化性組成物
[e1]と同様にして、エネルギー線硬化性組成物[e
2]を調製した。
【0048】[実施例1] 〔部材(A)の作製〕ポリスチレン(大日本インキ化学
工業(株)製の「ディックスチレン XC−520」)か
らなる2.5cm×5cm×3mmの板(1)に、エネルギー
線硬化性組成物[e1]を127μm のバーコーターを
用いて塗布した後、ウシオ電機社製のマルチライト20
0型露光装置用光源ユニットを用いて、窒素雰囲気中で
50mW/cm2 の紫外線を20秒間照射して、エネルギ
ー線硬化性組成物[e1]からなる硬化物層(2)を形
成した。次いで、その上にエネルギー線硬化性組成物
[e2]を127μm のバーコーターを用いて塗布した
後、図1に示した形状の流路(4)となるべき部分及び
液体吸収部(5)となる部分をフォトマスクで被い、窒
素雰囲気中で上記と同じ紫外線を30秒間照射した。紫
外線を照射した後、水流にて未硬化物を洗浄除去するこ
とにより、エネルギー線硬化性組成物[e2]からなる
硬化物層(3)の欠損部として幅100μm 、深さ10
2μm 、長さ6cmの溝(4)及び幅10mm、長さ10
mm、深さ102μm の正方形の液体吸収部(5)を形成
した。その後、溝(4)の端部に直径3mmのキリ穴を穿
って流入口(6)を形成し、また、液体吸収部(5)内
に直径0.5mmのキリ穴を穿って外気との連絡口(7)
を形成して、部材[A1]を得た。
【0049】〔多孔質部の作製〕多孔質体として濾紙
(アドバンテック社製)を幅10mm、長さ10mmの正方
形に切り抜き、液体吸収部(5)に装着した。
【0050】〔部材(B)の接着〕ポリプロピレン二軸
延伸フィルム(二村化学社製の「FOR」、厚さ30μ
m)(図示せず)のコロナ処理面に、127μm のバー
コーターを用いてエネルギー線硬化性組成物[e1]を
塗布し、次いで、窒素雰囲気中で、上記と同じ紫外線を
1秒間照射して、塗膜を流動性は喪失したものの不完全
硬化の状態とし、この塗膜面を部材[A1]の溝が形成
された面に貼り合わせた後、ポリプロピレン二軸延伸フ
ィルム側から同じ紫外線をさらに30秒間照射すること
によって塗膜を完全硬化させて、エネルギー線硬化性組
成物[e1]硬化物(8)で構成された厚さ102μm
のシート状の部材[B1](8)を形成すると同時に、
部材[A1]の表面に接着し、それらの間に毛細管状の
流路(4)と多孔質体が装着された液体吸収部(5)を
形成した。その後、ポリプロピレン二軸延伸フィルムを
剥離して、図1に示した形状の微小ケミカルデバイス
[D1]を作製した。
【0051】〔送液試験〕微小ケミカルデバイス[D
1]を部材(A)側を上に、即ち、流入口(6)側を上
にして置き、流入口(6)にピペットを用いて、メチレ
ンブルー(関東化学社製)で着色された蒸留水を1滴注
入すると、水は毛管現象によって流路(4)を伝い、液
体吸収部(5)に達し、ほぼ一定流速で継続的に流れ
て、全量が液体吸収部に吸収された。
【0052】[実施例2] 〔部材(A)の作製〕実施例1において、127μm の
バーコーターに代えて、50μm のバーコーターを用
い、かつ、液体吸収部(5)が形成される範囲に多数の
平行な毛細管を形成する形状のフォトマスクを用いた以
外は、実施例1と同様にして、溝の深さが24μm であ
ること、液体吸収部が、幅10mm、長さ10mmの範囲に
25μmおきに並列に形成された幅約15μm 、深さ2
4μm の平行な多数の毛細管状であって、その両端部で
それぞれ全ての流路が連結されていること以外は実施例
1と同様の部材[A2]を作製した。
【0053】〔部材(B)の接着〕実施例1において、
濾紙を装着しなかったこと以外は、実施例1と同様にし
て部材[B2]を形成・接着し、微小ケミカルデバイス
[D2]を作製した。
【0054】〔送液試験〕微小ケミカルデバイス[D
2]について実施例1と同様の試験を行い、実施例1と
同様の結果を得た。
【0055】[実施例3] 〔部材(A)の作製〕実施例1で作製した部材[A1]
を使用した。
【0056】〔部材(B)の接着〕実施例1において、
ポリプロピレン二軸延伸フィルムに代えて、部材[A
1]で使用したポリスチレン板を用い、かつ、最終的に
ポリスチレン板を剥離せず、接着した状態で微小ケミカ
ルデバイスとした以外は、実施例1と同様にして、部材
[B3]を形成・接着し、微小ケミカルデバイス[D
3]を作製した。
【0057】〔送液試験〕微小ケミカルデバイス[D
3]について実施例1と同様の試験を行い、実施例1と
同様の結果を得た。
【0058】[実施例4] 〔部材(A)の作製〕実施例1で作製した部材[A2]
を使用した。
【0059】〔部材(B)の接着〕実施例2において、
ポリプロピレン二軸延伸フィルムに代えて、部材[A
2]で使用したポリスチレン板を用い、かつ、最終的に
ポリスチレン板を剥離せず、接着した状態で微小ケミカ
ルデバイスとしたこと以外は、実施例2と同様にして、
部材[B4]を形成・接着し、微小ケミカルデバイス
[D4]を作製した。
【0060】〔送液試験〕微小ケミカルデバイス[D
4]について実施例2と同様の試験を行い、実施例2と
同様の結果を得た。
【0061】[実施例5] 〔部材(A)の作製〕実施例3において、微小ケミカ
ルデバイスが、流路(4)を有する部材(I)[I−
5](11)と液体吸収部(5)を有する部材(II)
[II−5](12)の、互いに鈎爪(11,11’)で
固定可能な2つの部材に分かれていること、部材
(I)[I−5](12)の流路はオーリング(10)
にて外部に対して気密の状態で部材(II)[II−5]
(13)の液体吸収部(5)に連絡していること、液
体吸収部(5)が、エネルギー線硬化性組成物[e1]
硬化物層(2)及びエネルギー線硬化性組成物[e2]
硬化物層(3)両層の欠損部として形成された幅15m
m、長さ15mm、深さ204μm の正方形の空隙部に、
多孔質体(5)として実施例1で使用した濾紙が2枚重
ねて装着された構造であること、及び流入口(6)
に、内径7mm、高さ10mmのポリスチレン製の筒(1
3)が接着されていること、以外は実施例3と同様にし
て、図2に示した形状の微小ケミカルデバイス[D5]
を作製した。
【0062】〔送液試験〕微小ケミカルデバイス[D
5]を部材(A)側を上に、即ち流入口(6)側を上に
して置き、流入口(6)の筒(13)内にピペットを用
いて、メチレンブルー(関東化学社製)で着色された蒸
留水を注入すると、水は毛管現象によって流路(4)を
伝い、連絡流路(4’)を経て液体吸収部(5)に達
し、ほぼ一定流速で継続的に流れて、液体吸収部(5)
に吸収された。そこで、部材(II)[II−5](13)
を取り外し、同様にして作製した新しい部材(II)[II
−5−2](13)を装着すると、水は引き続いて流
れ、新しい部材(II)[II−5−2]の液体吸収部に吸
収された。
【0063】<実施例6> 〔微小ケミカルデバイスの作製〕実施例3において、部
材(A)及び部材(B)の素材として、ポリスチレンに
代えて、それぞれ、アクリル樹脂(旭化成工業社製の
「デルペット670N」)、ポリカーボネート(三菱
エンジニアリングプラスチックス社製の「ユーピロン
S−2000」、ポリスルホン(アモコ社製の「ユー
デル P−1700」)、ポリアリレート樹脂(ユニ
チカ社製の「Uポリマー U−70)、透明硬質塩化
ビニル樹脂をそれぞれ使用した以外は、実施例3と同様
にして、微小ケミカルデバイス[D6−1〜5]を作製
した。
【0064】〔送液試験〕微小ケミカルデバイス[D6
−1〜5]について実施例3と同様の試験を行い、実施
例3と同様の結果を得た。
【0065】<実施例7> 〔微小ケミカルデバイスの作製〕実施例5において、部
材(A)及び部材(B)の素材として、ポリスチレンに
代えて、それぞれ、アクリル樹脂(旭化成工業社製の
「デルペット670N」)、ポリカーボネート(三菱
エンジニアリングプラスチックス社製の「ユーピロン
S−2000」、ポリスルホン(アモコ社製の「ユー
デル P−1700」)、ポリアリレート樹脂(ユニ
チカ社製の「Uポリマー U−70)、透明硬質塩化
ビニル樹脂をそれぞれ使用した以外は、実施例5と同様
にして、微小ケミカルデバイス[D7−1〜5]を作製
した。
【0066】〔送液試験〕微小ケミカルデバイス[D7
−1〜5]について実施例5と同様の試験を行い、実施
例5と同様の結果を得た。
【0067】
【発明の効果】本発明の微小ケミカルデバイスは、反
応、分析、検査などの用途に使用するに当たり、送液ポ
ンプを必要としないため、多数を同時・並列的に処理す
ることが容易であり、各用途における効率の向上を計る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作製した微小ケミカルデバイスを部
材(B)の表面に垂直な方向から見た部分断面平面図及
び正面図である。
【符号の説明】
1 ポリスチレン板 2 エネルギー線硬化性組成物[e1]からなる硬化物
層 3 エネルギー線硬化性組成物[e2]からなる硬化物
層 4 毛細管状の流路 5 液体吸収部 6 流入口 7 外気との連絡口 8 部材(B)
【図2】実施例5で作製した微小ケミカルデバイスを部
材(B)の表面に垂直な方向から見た平面図及び正面図
である。
【符号の説明】
1 ポリスチレン板 2 エネルギー線硬化性組成物[e1]硬化物層 3 エネルギー線硬化性組成物[e2]硬化物層 4 毛細管状の流路 4’ 連絡流路 5 液体吸収部 6 流入口 7 外気との連絡口 8 エネルギー線硬化性組成物[e1]硬化物、接
着剤層 9 ポリスチレン板 10 オーリング 11 鈎爪 11’ 鈎爪 12 部材(I) 13 部材(II) 14 筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/62 G01N 30/60 D 4G075 30/60 31/20 31/20 35/08 A 35/08 C12M 1/00 A // C12M 1/00 G01N 27/26 331E C12N 15/09 C12N 15/00 A Fターム(参考) 2G042 CB03 HA03 2G058 CC05 DA07 EA14 3F060 BA10 4B024 AA11 AA19 HA11 4B029 AA07 AA23 AA27 BB01 BB15 BB20 CC01 FA15 4G075 AA62 EB21 EB50 EC26 EE02 EE22 EE23 FA02 FB12 FC09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)部材(A)と部材(B)の間に、
    流路となる部分を除いて固体状物質を充填することによ
    り、もしくは(ロ)表面に溝を有する部材(A)の溝が
    形成された面に他の部材(B)を接着することにより、
    互いに接着された部材(A)と部材(B)との間に、部
    材(A)と部材(B)との接着面に垂直な方向から見て
    幅1〜1000μm 、奥行き1〜1000μm の毛細管
    状の流路が形成された微小ケミカルデバイスであって、 流路の一方の端が該微小ケミカルデバイスの外部に連
    絡していること、 流路の他方の端に連絡して、多孔質体から成る液体吸
    収部が設けられていること、及び、 液体吸収部の空隙体積が流路の容積の1〜10000
    倍の範囲にあること、を特徴とする微小ケミカルデバイ
    ス。
  2. 【請求項2】 液体吸収部が部材(A)と部材(B)の
    両部材に挟まれて設けられている請求項1記載の微小ケ
    ミカルデバイス。
  3. 【請求項3】 多孔質体が、並列に接続された毛細管及
    び/又はスリットの集合体である請求項1又は2記載の
    微小ケミカルデバイス。
  4. 【請求項4】 部材(A)及び部材(B)が有機高分子
    重合体で形成されている、請求項1、2又は3記載の微
    小ケミカルデバイス。
  5. 【請求項5】 部材(A)及び部材(B)がそれぞれ、
    スチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、ポリカ
    ーボネート系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリエス
    テル系重合体、塩化ビニル系重合体なる群から選ばれた
    重合体で形成されている請求項4記載の微小ケミカルデ
    バイス。
  6. 【請求項6】 互いに接着された部材(A)と部材
    (B)との間に、部材(A)と部材(B)との接着面に
    垂直な方向から見て幅1〜1000μm 、奥行き1〜1
    000μm の毛細管状の流路が形成された部材(I)
    と、多孔質体から成る液体吸収部が設けられた部材(I
    I)から成る微小ケミカルデバイスであって、 流路の一方の端が部材(I)外部に連絡しているこ
    と、 部材(I)の流路の他端に部材(II)の液体吸収部が
    連絡すべく部材(II)が部材(I)に固定されているこ
    と、及び、 液体吸収部の空隙体積が部材(I)の流路の容積の1
    0〜1000000倍の範囲にあること、を特徴とする
    微小ケミカルデバイス。
  7. 【請求項7】 部材(II)と部材(I)が脱着可能であ
    る請求項5記載の微小ケミカルデバイス。
  8. 【請求項8】 部材(A)及び部材(B)が有機高分子
    重合体で形成されている、請求項6又は7記載の微小ケ
    ミカルデバイス。
  9. 【請求項9】 部材(A)及び部材(B)がそれぞれ、
    スチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、ポリカ
    ーボネート系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリエス
    テル系重合体、塩化ビニル系重合体なる群から選ばれた
    高分子で形成されている請求項8記載の微小ケミカルデ
    バイス。
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