JP4141565B2 - 膜分離デバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、濾過膜や気体分離膜の如き平面状の多孔質層を有する膜を組み込んだプレート型膜分離デバイスの製造方法であって、生産性及び信頼性に優れた膜分離デバイスの製造方法に関し、更に詳しくは、微小合成・分析装置と一体化可能な微小な膜分離デバイスの製造方法に関する。本発明の膜分離デバイスは、化学、生化学、医療、食品、製薬、環境などの分野における合成、分析、分離、精製、回収、濃縮などに利用でき、特に、これらの分野における微小合成・分析装置と一体化した装置に特に好適に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
それぞれに液体流路を有する原液側(1次側)部材と濾液側(2次側)部材が平面状の多孔質層を有する膜を挟んで液密に接続一体化された膜分離デバイスを製造するに際し、これらの部品を接着し、膜を封止する方法としては、 (1)超音波融着法等により、これらの部品の接触部を融着(溶着)する方法、 (2)溶融型の接着剤を用いる方法、 (3)エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂系の接着剤を用いる方法などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の方法において、溶融樹脂や接着剤の粘度が高い場合には、封止部において樹脂や接着剤が多孔質層を有する膜の多孔質層を構成する細孔に入り込まず、その結果、接着部の細孔が完全に閉塞されないという現象が生じがちであった。このため、多孔質層を有する膜が液体を透過できる多孔質膜の場合には、閉塞されていない多孔質層内を液体が膜表面に平行な方向に流れ、膜の側面から膜分離デバイス外へ液体が漏洩したり、一枚の膜を使用して複数の膜分離部(濾過部)を有する膜分離デバイスを製造する場合には、閉塞されていない多孔質層を通じて液体が他の膜分離部へ漏洩するという欠陥の原因となっていた。また、多孔質層を有する膜が多孔質支持層と非多孔質層から成る膜、例えば、気体分離膜やパーベーパレーション膜などの場合にも、同様に、閉塞されていない多孔質層内を気体や蒸気が膜表面に平行な方向に流れ、膜の側面から膜分離デバイス外へ漏洩したり、一枚の膜を使用して複数の膜分離部を有する膜分離デバイスを製造する場合には、閉塞されていない多孔質層を通じて気体や蒸気が他の膜分離部へ漏洩するという欠陥の原因となっていた。
【0004】
このような問題は、主として融着する場合や溶融型接着剤を使用する場合に生じていた。一方、比較的低粘度の接着剤を用いた場合には、上記の問題を回避することができるものの、接着剤が毛管現象により非接着部(例えば流路や膜分離部)にまで浸潤し、これらの部分の細孔をも閉塞するため、微小な膜分離部や細い流路を形成することが困難であった。このような問題は、主として接着剤として熱硬化性の接着剤や溶剤型の接着剤を用いた場合に生じていた。
【0005】
また、複数の膜分離部が一枚の基板に形成された膜分離デバイスを製造する場合や、微小な膜分離デバイスを微小反応デバイスや微小分析デバイスと同じ部材上に形成する場合には、膜分離部、反応部、分析機構などの構造の形成工程はそれぞれ別工程となるため、工程数の増加を招いていた。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、封止部においては接着剤が多孔質層を有する膜の細孔を閉塞しながら、非封止部の細孔にまで接着剤が浸潤することのない封止方法を提供し、また、複数の膜分離部が一枚の基板に形成された膜分離デバイスを製造する方法、さらに、微小膜分離デバイスを微小反応デバイスや微小分析デバイスと同じ部材上に同時に成形する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題の解決方法について鋭意検討した結果、接着剤としてエネルギー線硬化性化合物を用い、エネルギー線照射により硬化させる方法を用いると、接着部の細孔には該化合物が入り込んで細孔を閉塞しながら、非接着部にまで浸潤する時間を与えずに硬化させることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は上記課題を解決するために、(1)液体流路を有する原液側部材、(2)多孔質層を有する膜及び(3)液体流路を有する濾液側部材を順次積層して液密に接続一体化された膜分離デバイスの製造方法であって、各部品の接触面にエネルギー線硬化性化合物を含有するエネルギー線硬化性組成物を塗布し、エネルギー線を照射することによって、該エネルギー線硬化性化合物を硬化させることにより、接触する部品の間を接着させることを特徴とする膜分離デバイスの製造方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、それぞれに液体流路を有する原液側(1次側)部材と濾液側(2次側)部材が、平面状の多孔質層を有する膜(以下、多孔質層を有する膜を単に膜と称する場合もある)を挟んで膜分離部を形成し、該膜分離部以外の部分、即ち、外部、他の膜分離部、他の構造部分などに対して液密であると同時に膜の表裏に関して液密に接着・一体化されている膜分離デバイス、即ちプレート型の膜分離デバイスを製造する方法である。
【0010】
本発明の製造方法で使用する原液側部材及び濾液側部材の材料は任意であり、それぞれ、金属、半導体、ガラス、石英などの結晶、セラミック、ポリマーなどであり得るが、ポリマーであることが、成形性、価格、生産性から好ましい。ポリマーは熱可塑性ポリマーであっても、熱硬化性ポリマーであっても良いが、成形性の良い熱可塑性ポリマー、あるいは硬化速度の速いエネルギー線硬化性の架橋ポリマーが好ましい。各部材は、ポリマーブレンドやポリマーアロイで構成されていても良い。また、ガラスなどの支持体の上にポリマーで形成されたものであっても良い。
【0011】
原液側部材及び濾液側部材に使用できるポリマーとしては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体の如きスチレン系ポリマー;ポルスルホン、ポリエーテルスルホンの如きポリスルホン系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリルの如きポリ(メタ)アクリレート系ポリマー;ポリマレイミド系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;酢酸セルロース、メチルセルロースの如きセルロース系ポリマー;ポリウレタン系ポリマー;塩化ビニル、塩化ビニリデンの如き塩素含有ポリマー;ポリアミド系ポリマー;ポリイミド系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系ポリマー;ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトンの如きポリエーテル系又はポリチオエーテル系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレートの如きポリエステル系ポリマーなどが挙げられる。
【0012】
また、エネルギー線硬化性の架橋ポリマーとしては、(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化性化合物の硬化物や、マレイミド基を有するエネルギー線硬化性化合物の硬化物が好ましい。勿論、ポリマーは単独重合体の他、共重合体であっても、ブレンドやアロイであっても良い。これらの中でも、スチレン系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリスルホン系ポリマーポリマーは、安価で成形性がよく、耐水性や寸法安定性等の物性に優れる上、後述するエネルギー線硬化性化合物との接着性が良好であるため、本発明の膜分離デバイスに用いられる部材の素材として特に好適である。ポリオレフィンのように接着性に劣るポリマーの場合には、コロナ処理などの表面処理を施す方法やプライマー層を設ける方法を用いることにより、接着性の問題を解決した上で、用いることができる。
【0013】
原液側部材には原液が流入する流路が設けられている。該流路は流入口として膜分離デバイス外に開口していても良いし、膜分離デバイスと一体化して形成された他の機構部分に連結されていても良い。原液側部材には必要に応じて、原液の流出流路、流出口、サンプリング口、エア抜き口などを設けることも可能である。液体流路の断面積は1μm2〜1mm2であることが好ましい。液体流路の断面積が1μm2未満のデバイスは製造が困難であり、1mm2よりも大きいの場合には、膜分離デバイスはそれほど小型でなくなり、本発明の効果があまり発揮されない傾向にあるので好ましくない。
【0014】
原液側部材は、膜と接触する面の膜分離部となる部分に凹部を有し、かつ、該凹部に接続された液体流路を有することが好ましい。原液側部材には凹部を設けなくても、原液側と濾液側の差圧により膜がたわむことで膜と原液側部材の間に空間が形成され、凹部を設けたと同様に機能させることも可能であるが、均等な濾過を行う上では、凹部を設けることが好ましい。凹部は原液の流路を兼ねることも可能である。原液側部材は、膜と接する面に凹部を有し、かつ、該凹部に接続された溝状もしくは孔状の液体流路を有する板状の部材であることが、微小な膜分離デバイスを構成する上で、さらに好ましい。
【0015】
原液側部材に設けられた凹部は、原液側部材が膜と積層されると、膜分離部の原液側空間となる。凹部の寸法・形状は任意であり、必要な濾過面積などにより好適な寸法・形状に設計できる。例えば、円形、四角形、溝状、放射状、格子状、その他の複雑な形状であり得る。凹部の深さは5μm〜1mmであることが好適である。凹部の深さが5μmよりも浅い場合、膜透過速度が低下する傾向にあり、また、凹部の深さが1mmよりも深い場合、膜分離デバイスはそれほど小型でなくなり、本発明の効果があまり発揮されない傾向にあるので好ましくない。また、凹部の面積は1mm2〜10cm2の範囲にあることが好ましい。凹部の面積が1mm2 未満である場合、膜透過速度が低下する上、製作の困難度が増すので、好ましくない。凹部の面積が10cm2 を越えると、膜分離デバイスはそれほど小型でなくなり、本発明の効果があまり発揮されない傾向にあるので好ましくない。
【0016】
原液側部材に凹部を設ける方法は任意であり、例えば、射出成型、切削、エッチング、エネルギー線硬化性樹脂の使用によるパターニングなどの方法を利用できる。また、原液側部材は、板状の部材に切り抜き部を有するシート状部材を積層・接着することにより、該切り抜き部が凹部として形成されたものであっても良い。この時、流路は、該板状部材に形成されていても良いし、シート状部材に液体流路となる線状の切り抜き部を設けることにより形成されたものであっても良い。この場合、板状の原液側部材とシート状部材を別部材として、膜と積層・接着する際に、実質的に同時に接着しても良い。シート状部材の厚みについては、原液側部材に形成される凹部の深さに関する上記の記述と同様であり、シート状部材の切り抜き部の寸法、形状については、原液側部材に形成される凹部の寸法、形状と同様である。
【0017】
濾液側部材についても原液側部材と同様である。但し、原液側の場合と異なり、濾液側では膜が濾液側部材に押しつけられて膜と濾液側部材間の間隙が無くなり、膜透過速度が低下しがちである。よって、濾液側部材には凹部を設けることが特に好ましい。凹部は濾液の流路を兼ねることも可能である。凹部は、原液側と濾液側の差圧によりたわもうとする膜を支えるために、溝状、放射状、格子状、螺旋状、連絡部分を有する同心円状、その他の、互いに連絡した細い凹部の集合構造であることが好ましい。また、濾液側部材の凹部は、原液側部材に設けられた凹部と相対する位置に設けることが好ましい。しかしながら、原液側部材の凹部と濾液側部材の凹部は同じ形状、寸法である必要はない。原液側部材の凹部及び濾液側部材の凹部に接する部分の膜が膜分離部として機能する。
【0018】
本発明の膜分離デバイスにおける多孔質層を有する膜は、膜中に相互に連絡した細孔が存在する層を有する膜であって、該層の細孔を通って液体が膜の表面に平行な方向に流れることのできるものである。このような膜としては、膜全体が多孔質層である膜、即ち、細孔が原液側から濾液側に連通しており、液体が透過できる、いわゆる多孔質膜、多孔質支持層と非多孔質分離層からなるいわゆる不均質膜や複合膜が挙げられる。多孔質膜の例としては、逆浸透膜、限外濾過膜、精密濾過膜、不織布や濾紙などであり得る。また多孔質層と非多孔質層とから成る膜としては、気体分離膜、脱気膜、脱湿膜、パーベーパレーション膜が挙げられる。これらの膜の中で、とりわけ微小化が必要とされる点で、多孔質膜、中でも精密濾過膜の場合に、本発明の効果が特に発揮される。多孔質層の平均細孔径は任意であるが、0.01〜10μmの範囲であることが、本発明の効果が発揮されるので好ましい。膜厚も任意であるが、0.05〜0.3mmの範囲であることが、本発明の効果が発揮されるので好ましい。
【0019】
濾過方式は全濾過方式であっても良いし、原液の一部が濾過される方式、即ち、限外濾過方式であっても良い。多孔質層を有する膜を構成する素材は任意であるが、ポリマーであることが好ましい。
【0020】
本発明の膜分離デバイスの原液流路及び/又は濾液流路に接続して他の構造部分、例えば、他の膜分離部;計量部や流速測定部;貯液槽などの液体保持部;弁、ポンプなどの輸送駆動部;反応槽や反応流路などの反応部;電気泳動カラム、クロマトグラフ用カラムなどの分析部;抗原・抗体反応やハイブリダイゼーションなどの選択反応・同定部;光学的その他の検出部などが形成されていても良い。これらは、本発明の膜分離デバイスと共通の部材上に設けられていても良いし、これらの機能部位が設けられた単数又は複数の別の部材を積層などの方法で接続しても良い。
【0021】
本発明の製造方法の特徴は、原液側部材、多孔質層を有する膜及び濾液側部材の各部材の接触面にエネルギー線硬化性化合物を塗布し、エネルギー線を照射することによって、該エネルギー線硬化性化合物を硬化させることにより、接触する部品の間を接着させる点にある。
【0022】
本発明の製造方法に用いられるエネルギー線硬化性化合物としては、有機、無機を問わず、エネルギー線の照射により重合し、硬化するものであればよく、重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物であることがさらに好ましく、硬化速度の速い(メタ)アクリロイル基を有する化合物や、光重合開始剤が不要なマレイミド基を有する化合物が特に好ましい。これらの化合物は、単独で用いることもでき、2種類以上を混合して用いることもできる。
【0023】
エネルギー線硬化性化合物として使用できる(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、メチル−2−クロロアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの如き単官能モノマー;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパンの如き2官能モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレートの如き3官能モノマー;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートの如き4官能モノマー;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの如き6官能モノマー、などが挙げられる。これらの化合物は、単独で用いることもでき、2種類以上を混合して用いることもできる。
【0024】
また、エネルギー線硬化性化合物としては、重量平均分子量が500〜50000の重合性オリゴマー(プレポリマーとも呼ばれる)、好ましくは、(メタ)アクリル系オリゴマーを用いることもできる。エネルギー線硬化性化合物として使用できる(メタ)アクリル系オリゴマーとしては、例えば、エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリブタジエン樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタン樹脂、などが挙げられる。これらのオリゴマーは、単独で使用することもでき、2種類以上のものを混合して使用することもでき、あるいは、モノマーと混合して使用することもできる。
【0025】
エネルギー線硬化性化合物として使用できるマレイミド系のモノマーとしては、例えば、マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−ベンジルマレイミドの如き単官能マレイミド;4,4’−N,N’−ビスマレイミドジフェニルメタン、1,6−N,N’−ヘキサメチレンビスマレイミド、1,2−N,N’−エチレンビスマレイミドの如き2官能マレイミド、などが挙げられる。これらのマレイミド系モノマーは、単独で用いることもでき、2種類以上を混合して用いることもできる。また、これらのマレイミド系モノマー類は、ビニルエーテル類や、アクリル系モノマー及び/又はオリゴマーなどの他の重合性化合物と混合して用いることもできる。
【0026】
接着の強度や硬度を十分に高くするためには、エネルギー線硬化性化合物の硬化物が架橋重合体であることが好ましく、そのため、エネルギー線硬化性化合物は、例えば、2〜6官能の多官能モノマー及び/又はオリゴマーの単独物又は混合物であることが好ましい。
【0027】
エネルギー線硬化性化合物を含有するエネルギー線硬化性組成物には、光重合開始剤、改質剤、増粘剤、強化材などを添加することも可能である。
【0028】
エネルギー線硬化性組成物に必要に応じて添加することができる光重合開始剤は、本発明で使用するエネルギー線に対して活性であり、エネルギー線硬化性化合物を重合させることが可能なものであれば特に制限がなく、例えば、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤であって良い。そのような光重合開始剤としては、例えば、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2′−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンの如きアセトフェノン類;ベンゾフェノン、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンの如きケトン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルの如きベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの如きベンジルケタール類、などが挙げられる。
【0029】
エネルギー線硬化性組成物に添加することができる増粘剤としては、例えば、エネルギー線硬化性化合物に可溶なリニアポリマー;クレイ、ゼオライト、活性炭、酸化チタン、酸化アルミ、シリカゲルの如き無機粉末、などが挙げられる。
【0030】
エネルギー線硬化性組成物に添加することができる改質剤としては、例えば、接着性改良材として、水酸基、カルボキシル基、スルホン基、アミノ基、アンモニウム塩、アミド結合、エーテル結合等の親水基や親水部を含有する非反応性化合物や界面活性剤;撥水剤として機能するシリコンオイルやフッ素置換炭化水素などが挙げられる。
【0031】
エネルギー線硬化性組成物に添加することができる強化剤としては、例えば、ポリスルホン、ポリイミド、ポリカーボネートなどの非反応性ポリマー、有機や無機の粉末などが挙げられる。
【0032】
接着する部分は、各部品が接触する部分であって、分離膜として機能させる膜部分(膜分離部)と流路部分を除いて膜分離部の周囲を完全に囲うこと以外は任意である。即ち、接着部は必ずしも膜分離部以外の全体である必要はない。膜分離部分より広い範囲を非接着部としても良いし、膜分離部を囲う帯状の接着部であっても良い。膜の寸法が原液側部材や濾液側部材より小さく、原液側部材と濾液側部材が直接接着される部分を有していても良い。エネルギー線硬化性組成物の塗布は、いずれの部材に塗布してもよいし、エネルギー線硬化性組成物を塗布したシート状物を部材間に狭持させることもできる。
【0033】
塗布方法は、接着すべき部位に塗布可能な任意の塗布方法を採用できる。塗布方法としては、例えば、スクリーン印刷、インクジェット、アプリケータ、スピンコート、ローラーコート、バーコーター、流延、ディッピング、などの方法が挙げられる。表面全体に塗工される方法を採用する場合には、非接着部となるべき部分のマスキングや、フォトリソグラフィーを利用することにより非接着部を形成することができる。高粘度のエネルギー線硬化性化合物を用いる場合や、薄い接着層を形成するなどの目的のために、エネルギー線硬化性化合物を揮発性溶剤の溶液として塗布し、溶剤を揮発させた後に接着することも可能である。膜の接着部分の細孔にエネルギー線硬化性化合物が十分含浸できるように、積層を減圧下で行っても良いし、塗布後、減圧しても良い。
【0034】
エネルギー線硬化性組成物を塗布した後、各部材を積層し、エネルギー線を照射することにより接着する。接着は部材毎に順次行っても良いし、全部材を同時に行っても良い。積層からエネルギー線照射までの時間は、エネルギー線硬化性化合物が膜の接着部位の細孔に含浸して閉塞し、かつ、非接着部分の細孔にまで浸潤しない時間を選択する必要がある。この時間は、エネルギー線硬化性化合物の粘度、エネルギー線硬化性化合物の膜素材との接触角、部材を積層する圧力、膜厚、細孔径、非接着部分の寸法・形状などにより変化するため、一概には限定できないが、目的とする系で実験することより、簡単に最適時間を求めることができる。
【0035】
エネルギー線としては、エネルギー線硬化性化合物を硬化させることが可能なものであれば任意であり、紫外線、可視光線、赤外線、電子線、エックス線、ガンマ線等が挙げられるが、取り扱い性や硬化速度の面から紫外線、可視光などの光線が好ましく、紫外線が特に好ましい。また、硬化速度を速め、硬化を完全に行う目的で、エネルギー線の照射を低酸素濃度雰囲気で行うことが好ましい。低酸素濃度雰囲気としては、窒素気流中、二酸化炭素気流中、アルゴン気流中、真空又は減圧雰囲気が好ましい。エネルギー線として光を用いる場合、光強度は1〜1000mw/cm2が好ましく、照射時間は0.1〜180秒が好ましい。
【0036】
【実施例】
以下、実施例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、各々「重量部」及び「重量%」を表わす。
【0037】
[実施例1]
〔部材の作製〕
ポリスチレン(大日本インキ化学工業株式会社製の「ディックスチレン XC−520」)製の厚さ3mmの平板を切断して、2.5cm×2.5cm×3mmの板状部材を得た。該部材の4辺を塗装用マスキングテープでマスキングした後、その表面上に、1分子中に平均3個のアクリル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(大日本インキ化学工業株式会社製の「ユニディック V−4263」)100部及び紫外線重合開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製の「イルガキュアー 184」)2部の混合物を流延し、次いで、図1に示した形状の凹部(2)となる部分をフォトマスキングし、ウシオ電機株式会社製のマルチライト200型露光装置用光源ユニットを用いて、窒素雰囲気中で10mW/cm2 の紫外線を30秒間照射した後、エタノールにて未硬化物を洗浄除去して、図1に示した形状の長さ5mm×幅5mm×深さ0.5mmの4つの凹部(2)を形成した後、ドリルを用いて、各凹部(2)の中心部に該部材を貫通する直径0.5mmのキリ穴をそれぞれ穿つことにより流路(3)を形成して、原液側部材[P−1](1)を作製した。
【0038】
原液側部材[P−1]と全く同じものを、濾液側部材[S−1](1’)として使用した。
【0039】
〔エネルギー線硬化性化合物の調製〕
10エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(第一工業株式会社製の「BPE−10」)50部、4エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(第一工業株式会社製の「BPE−4」)50部及び紫外線重合開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製「イルガキュアー 184」)2部を混合してエネルギー線硬化性化合物[E−1]を調製した。なお、エネルギー線硬化性化合物[E−1]の粘度は、20℃において1090mPa・sであった。
【0040】
〔多孔質層を有する膜〕
多孔質層を有する膜(4)として、孔径0.8μm、厚み160μmのアセチルセルロース系精密濾過膜(ゲルマン・サイエンス社製、#64679)を用いた。
【0041】
〔接着〕
原液側部材[P−1](1)の凹部(2)が形成された側の面の、凹部(2)を除く部分に、塗工ローラーを用いて、エネルギー線硬化性化合物[E−1]を厚さ約40μmに塗布した。同様にして、濾液側部材[S−1](1’)の凹部(2’)が形成された側の面の、凹部(2’)を除く部分に、エネルギー線硬化性化合物[E−1]を厚み約40μmに塗布した。
【0042】
窒素ガス雰囲気中にて、2.5cm×2.5cmに切断した膜(4)に、原液側部材[P−1](1)及び濾液側部材[S−1](1’)を接着剤塗布面を膜側にして積層し、クランプにて約50kNの力で挟み、挟んだ約3秒後から10秒間、3kwメタルハライドランプ2本を用いて、表裏両側からそれぞれ60mw/cm2の紫外線を同時に照射することにより、エネルギー線硬化性化合物を硬化させて接着し、図2に示した形状の膜分離デバイス[D−1]を得た。
【0043】
〔漏洩試験〕
得られた膜分離デバイス[D−1]の膜分離部の空間の一つに、マラカイトグリーン(和光純薬株式会社製)にて着色した水を充填し、濾液側流路(3’)を塞いだ後、原液側流路(3)から、 0.1MPaの水圧を掛けた状態で1時間静置する試験を、各膜分離部毎に行ったが、試験品10個全部について、他の膜分離部への水の漏洩や、膜分離デバイス外への水の漏洩は認められなかった。
【0044】
〔接着剤の浸潤の確認〕
漏洩試験の後、膜分離デバイス[D−1]から着色した水を除去し、光学顕微鏡にて原液側上面から膜分離部を観察したところ、膜分離部の膜は該空間の境界まで色素により着色しており、膜分離部への接着剤の浸潤は無いと判断された。
【0045】
[実施例2]
〔膜分離デバイスの作製〕
実施例1において、▲1▼ポリスチレン製の平板の代わりにアクリル樹脂(旭化成工業株式会社製の「デルペット 670N」)からなる厚さ3mmの平板を用いたこと、▲2▼原液流路(7)、濾液側流路(7’)がキリ穴でなく、図3に示したように、原液側部材及び濾液側部材に凹部(6、6’)と同時に形成された深さ0.5mm、幅1mmの溝であること、以外は、実施例1と同様にして、図4に示した形状の膜分離デバイス[D−2]を作製した。
【0046】
〔漏洩試験〕
実施例1と同様にして、膜分離デバイス[D−2]の漏洩試験を行ったところ、試験品10個全部が、膜分離部間の水の漏洩や、デバイス外への水の漏洩は認められなかった。
【0047】
〔接着剤の浸潤の確認〕
実施例1と同様の観察を行ったが、膜分離部への接着剤の浸潤は認められなかった。
【0048】
[実施例3]
〔膜分離デバイスの作製〕
実施例1において、原液側部材として実施例1で用いた原液側部材[P−1]を使用し、濾液側部材として実施例2で用いた濾液側部材[S−2]を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、図5に示した形状の膜分離デバイス[D−3]を作製した。
【0049】
〔漏洩試験〕
試験品10個全部が、 実施例1と同様にして、膜分離デバイス[D−3]の漏洩試験を行ったところ、膜分離部間の水の漏洩や、デバイス外への水の漏洩は認められなかった。
【0050】
〔接着剤の浸潤の確認〕
実施例1と同様の観察を行ったが、膜分離部への接着剤の浸潤は認められなかった。
【0051】
[実施例4]
〔膜分離デバイスの作製〕
実施例3において、▲1▼原液側部材[P−4]として、図1に示した凹部(2)が形成されていない部材を使用したこと、▲2▼図1に示した凹部(2)と同形状の切り抜きを有する厚さ300μmのポリエチレンテレフタレート製のシート状部材[S−4]を作製したこと、▲3▼原液側部材[P−4]とシート状部材[S−4]と膜との接着に使用するエネルギー線硬化性化合物として、エネルギー線硬化性化合物[E−1]の30%エタノール溶液を用い、シート状部材[S−4]を該溶液に浸漬し、引き上げ後、約10分間風乾させたこと、▲4▼エネルギー線硬化性化合物を塗布した原液側部材[P−1]の代わりに、原液側部材[P−4]とシート状部材[S−4]と積層し、シート状部材[S−4]側を膜と接触させたこと、以外は、実施例3と同様にして、膜分離デバイス[D−4]を作製した。
【0052】
〔漏洩試験〕
実施例1と同様にして、膜分離デバイス[D−4]の漏洩試験を行ったところ、試験品10個全部が、膜分離部間の水の漏洩や、デバイス外への水の漏洩は認められなかった。
【0053】
〔接着剤の浸潤の確認〕
実施例1と同様の観察を行ったが、膜分離部への接着剤の浸潤は認められなかった。
【0054】
[実施例5]
〔膜分離デバイスの作製〕
実施例1において、▲1▼原液側部材の素材として、ポリスチレンに代えて、ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製の「ユーピロンS−2000」を使用した以外は、実施例1と同様にして、図2に示した形状の膜分離デバイス[D−5]を作製した。
【0055】
〔漏洩試験〕
実施例1と同様にして、膜分離デバイス[D−5]の漏洩試験を行ったところ、膜分離部間の水の漏洩や、デバイス外への水の漏洩は認められなかった。
【0056】
〔接着剤の浸潤の確認〕
実施例1と同様の観察を行ったが、膜分離部への接着剤の浸潤は認められなかった。
【0057】
[実施例6]
〔膜分離デバイスの作製〕
実施例1において、▲1▼原液側部材の素材として、ポリスチレンに代えて、ポリスルホン(アモコ社製の「ユーデル P−1700」)を使用したこと、及び▲2▼紫外線照射時間を20秒としたこと以外は、実施例1と同様にして、図2に示した形状の膜分離デバイス[D−6]を作製した。
【0058】
〔漏洩試験〕
実施例1と同様にして、膜分離デバイス[D−6]の漏洩試験を行ったところ、膜分離部間の水の漏洩や、デバイス外への水の漏洩は認められなかった。
【0059】
〔接着剤の浸潤の確認〕
実施例1と同様の観察を行ったが、膜分離部への接着剤の浸潤は認められなかった。
【0060】
[実施例7]
〔膜分離デバイスの作製〕
実施例1において、▲1▼原液側部材の素材として、ポリスチレンに代えてポリエーテルスルホン(住友化学工業株式会社製の「ヴィクトレックス 200P」)を使用したこと、及び▲2▼紫外線照射時間を20秒としたこと以外は、実施例1と同様にして、図2に示した形状の膜分離デバイス[D−7]を作製した。
【0061】
〔漏洩試験〕
実施例1と同様にして、膜分離デバイス[D−7]の漏洩試験を行ったところ、膜分離部間の水の漏洩や、デバイス外への水の漏洩は認められなかった。
【0062】
〔接着剤の浸潤の確認〕
実施例1と同様の観察を行ったが、膜分離部への接着剤の浸潤は認められなかった。
【0063】
[実施例8]
〔膜分離デバイスの作製〕
実施例2において、▲1▼原液側部材、濾液側部材として、図6に示した形状の幅1mm、深さ0.5mmの凹部(9,9’)及び同寸法の流路(10、10’)が形成された、原液側部材[P−8](8)、及び濾液側部材[S−8](8’)を使用したこと、▲2▼原液側部材[P−8](8)と濾液側部材[S−8](8’)を、原液流路(10)の開口部と濾液流路(10’)の開口部が、デバイスの180度反対の側に形成される向きにして積層したこと以外は、実施例2と同様にして、図7に示した形状の膜分離デバイス[D−8]を作製した。
【0064】
〔漏洩試験〕
実施例1と同様にして、膜分離デバイス[D−8]の漏洩試験を行ったところ、試験品10個全部が、膜分離部間の水の漏洩や、デバイス外への水の漏洩は認められなかった。
【0065】
〔接着剤の浸潤の確認〕
実施例1と同様の観察を行ったが、膜分離部への接着剤の浸潤は認められなかった。
【0066】
[比較例1]
〔膜分離デバイスの作製〕
実施例7において、▲1▼接着剤として、エネルギー線硬化性化合物の代わりに、エポキシ系接着剤[ビスフェノールAタイプエポキシ(大日本インキ化学工業(株)製の「エピクロン857」)とアミンタイプ硬化剤(大日本インキ化学工業(株)製の「エピクロンB1170−70」)との混合物(20℃における粘度1100mPa・s)]を使用したこと、▲2▼紫外線照射により接着剤を硬化させる代わりに55℃に20分間保つことにより硬化させたこと以外は、実施例7と同様にして、図7に示した形状の膜分離デバイス[D−C1]を作製した。
【0067】
〔漏洩試験〕
実施例1と同様にして、膜分離デバイス[D−C1]の漏洩試験を行ったところ、試験品10個全部について、膜分離部間の水の漏洩や、デバイス外への水の漏洩は認められなかった。
【0068】
〔接着剤の浸潤の確認〕
実施例1と同様にして、膜分離デバイス[D−C1]の原液側上面から膜分離部を顕微鏡観察したところ、膜分離部の2/3以上の面積が着色しておらず、接着剤がこの部分の細孔を閉塞していることが確認された。
【0069】
[比較例2]
〔膜分離デバイスの作製〕
比較例1において、▲1▼接着剤として、ビスフェノールAタイプエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製の「エピクロン850」)とアミンタイプ硬化剤(大日本インキ化学工業(株)製の「エピクロンB−025」)との混合物(20℃における粘度約25000mPa・s)を使用したこと、▲2▼接着剤の硬化条件を35℃、24時間としたこと以外は、比較例1と同様にして、図7に示した形状の膜分離デバイス[D−C2]を作製した。
【0070】
〔漏洩試験〕
実施例1と同様にして、膜分離デバイス[D−C2]の漏洩試験を行ったところ、試験品10個中4個が、隣接する膜分離部への水の漏洩が認められ、また、試験品10個中1個が、デバイス外への水の漏洩が認められた。
【0071】
〔接着剤の浸潤の確認〕
実施例1と同様の観察を行ったところ、境界から約0.1mmの範囲までの膜分離部への接着剤の浸潤が認められた。
【0072】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、接着剤が多孔質層を有する膜の非接着部の細孔に浸潤することなく、該膜が樹脂で封止された膜分離デバイスを提供することができる。このため、本発明の製造方法は、微小な膜分離デバイス、一枚の基板に複数の膜分離部が形成された膜分離デバイスや、微小反応・分析デバイスと一体化された膜分離デバイスの製造方法として好適であり、これらの反応・分析デバイスと膜分離デバイスが同じ部材上に成形された微小デバイスを容易に製造することができる。さらに、本発明の製造方法によれば、微小膜分離デバイス部分と反応・分析デバイス部分とを同時に、かつ、容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、実施例3、実施例5、実施例6及び実施例7で使用した原液側部材、濾液側部材を膜と接触させる面に直角な方向から見た平面図である。
【符号の説明】
1 原液側部材
1’ 濾液側部材
2 凹部
2’ 凹部
3 原液流路
3’ 濾液流路
【図2】実施例1、実施例5、実施例6及び実施例7で作製した膜分離デバイスの俯瞰図である。
【符号の説明】
1 原液側部材
1’ 濾液側部材
3 原液流路
4 多孔質層を有する膜
【図3】実施例2、実施例3及び実施例4で使用した原液側部材、濾液側部材を膜と接触させる面に直角な方向から見た平面図である。
【符号の説明】
5 原液側部材
5’ 濾液側部材
6 凹部
6’ 凹部
7 原液流路
7’ 濾液流路
【図4】実施例2で作製した膜分離デバイスの俯瞰図である。
【符号の説明】
4 多孔質層を有する膜
5 原液側部材
5’ 濾液側部材
6 凹部
6’ 凹部
7 原液流路
7’ 濾液流路
【図5】実施例3で作製した膜分離デバイスの俯瞰図である。
【符号の説明】
1 原液側部材
3 原液流路
4 多孔質層を有する膜
5’ 濾液側部材
7’ 濾液流路
【図6】実施例8、比較例1及び比較例2で使用した原液側部材、濾液側部材を膜と接触させる面に直角な方向から見た平面図である。
【符号の説明】
8 原液側部材
8’ 濾液側部材
9 凹部
9’ 凹部
10 原液流路
10’ 濾液流路
【図7】実施例4、比較例1及び比較例2で作製した膜分離デバイスの俯瞰図である。
【符号の説明】
4 多孔質層を有する膜
8 原液側部材
8’ 濾液側部材
10 原液流路
Claims (5)
- (1)液体流路を有する原液側部材、(2)多孔質層を有する膜及び(3)液体流路を有する濾液側部材を順次積層して液密に接続一体化された膜分離デバイスの製造方法であって、各部品の接触面にエネルギー線硬化性化合物を含有するエネルギー線硬化性組成物を塗布し、エネルギー線を照射することによって、該エネルギー線硬化性化合物を硬化させることにより、接触する部品の間を接着させることを特徴とする膜分離デバイスの製造方法。
- 前記原液側部材及び前記濾液側部材の少なくとも一方が、深さ5μm〜1mmの範囲にある凹部を有し、かつ、該凹部に接続された断面積1μm2〜1mm2の範囲にある溝状もしくは孔状の液体流路を有する板状の部材である請求項1記載の膜分離デバイスの製造方法。
- 液体流路を有する原液側部材と多孔質層を有する膜との間あるいは多孔質層を有する膜と液体流路を有する濾液側部材との間に、面積1mm2〜10cm2の範囲にある切り抜き部を有するシート部材を挿入し、各部品の接触面にエネルギー線硬化性化合物を含有するエネルギー線硬化性組成物を塗布し、エネルギー線を照射する請求項1又は2記載の膜分離デバイスの製造方法。
- 前記エネルギー線硬化性化合物が、(メタ)アクリロイル基又はマレイミド基を有するエネルギー線硬化性化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の膜分離デバイスの製造方法。
- 前記原液側部材及び前記濾液側部材が、夫々独立的に、スチレン系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー及びポリスルホン系ポリマーからなる群から選ばれるポリマーから形成された部材である請求項1〜4のいずれか1項に記載の膜分離デバイスの製造方法。
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