JP2001087652A - 排ガス浄化用金属担体触媒 - Google Patents

排ガス浄化用金属担体触媒

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JP2001087652A
JP2001087652A JP27016699A JP27016699A JP2001087652A JP 2001087652 A JP2001087652 A JP 2001087652A JP 27016699 A JP27016699 A JP 27016699A JP 27016699 A JP27016699 A JP 27016699A JP 2001087652 A JP2001087652 A JP 2001087652A
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潤也 白畑
Masayasu Sato
真康 佐藤
Teruhiko Ozawa
照彦 尾澤
Naoki Yokoyama
直記 横山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 担体の酸化、腐食による触媒性能の低下が抑
えられた排ガス浄化用金属担体触媒を提供すること。 【解決手段】 本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、
鉄系金属箔あるいは鉄系金属シートにより形成された金
属担体1と、金属担体1の表面に形成された担体被膜2
と、担体被膜2の表面に形成された担持層3と、担持層
3に担持された触媒金属と、からなることを特徴とす
る。本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、金属担体が
腐食することによる担持層の剥離が生じなくなり、排ガ
ス浄化用金属担体触媒としての寿命が長くなる効果を示
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関等の排気
ガスを浄化する排ガス浄化用触媒に金属製の担体を用い
た排ガス浄化用金属担体触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や、二輪車の排気ガスを浄化する
ために、排ガス浄化用装置が用いられている。この排ガ
ス浄化用装置には、サーマルリアクタ方式、希薄燃焼方
式、エンジンモディフィケーション方式および触媒方式
などがあり、この中で触媒方式が広く用いられている。
【0003】触媒方式は、Pt、Rh、Pd等の触媒貴
金属を用いて、排気ガスを浄化する方式である。この触
媒方式の排ガス浄化用触媒は、触媒担体の表面に活性ア
ルミナ(γ−アルミナ)等により担持層を形成し、この
担持層に貴金属触媒を担持させたものが用いられる。
【0004】排気ガス浄化用触媒は、触媒担体の形状に
より、モノリス形状、粒状、あるいはパイプ状等に分類
される。さらに、触媒担体の材質としては、高温の排気
ガスに曝されることから、耐熱性材料が用いられ、この
ような材質として、たとえば、コーディエライト等のセ
ラミックス、ステンレス等の耐熱性金属等をあげること
ができる。
【0005】セラミックス製担体は、機械的な衝撃に弱
く、また排気抵抗が大きいといった課題があり、排気系
の圧力損失の低減や担体の耐熱性の向上等の理由から金
属担体が用いられるようになってきた。
【0006】金属担体を用いた排ガス浄化用触媒は、オ
ーステナイト系ステンレス鋼SUS304(18Cr−
8Ni)やフェライト系ステンレス鋼SUS430(1
6Crフェライト系ステンレス鋼)などの鋼材を箔状あ
るいはシート状に圧延し、この鋼板を加工して金属担体
を形成し、この金属担体の表面に担持層を形成し、担持
層に触媒金属を担持させた触媒がある。
【0007】金属担体を用いた排ガス浄化用触媒は、金
属担体の表面に触媒金属が付与されるため、触媒金属の
触媒活性により、金属担体が腐食して、触媒の浄化能が
低下するという問題を有していた。
【0008】詳しくは、触媒担体に直接担持層および触
媒金属が付与されているため、触媒金属の活性作用によ
り金属担体が酸化されて腐食し、この金属担体の酸化物
(酸化鉄)が担持層および触媒金属に侵入し、触媒金属
の触媒活性を低下させていた。また、金属担体の腐食に
より、触媒金属を担持した担持層に剥離が生じるように
なっていた。
【0009】さらに、金属担体にCr等の元素が添加さ
れていない一般鋼材を用いると、担持層および触媒金属
を担持させた状態で放置しておくだけで、上述のような
酸化や腐食が生じ、触媒担体として用いることができな
かった。
【0010】加えて、オートバイなどに用いられる内燃
機関から排出される排ガスは、水分が比較的多く含まれ
ているなど酸化性を有していた。このため、オートバイ
などにおいて、金属担体を用いる排ガス浄化用触媒は、
金属担体の酸化による腐食が問題となっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実状に鑑
みてなされたものであり、金属担体の酸化、腐食による
触媒性能の低下が抑えられた排ガス浄化用金属担体触媒
を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決する手段】上記課題を解決するため本発明
者らは、担持層および触媒金属が金属担体の被酸化成分
に接触していることが金属担体の腐食を生じさせている
ことに着目し、金属担体が担持層および触媒金属と直接
接触することを避ける方法について検討を重ねた結果、
触媒担体の表面に担体被膜を形成し、この担体被膜の表
面に担持層および触媒金属を付与することで、上記課題
を解決できることを見出した。
【0013】すなわち、本発明の排ガス浄化用金属担体
触媒は、鉄系金属箔あるいは鉄系金属シートにより形成
された金属担体と、金属担体の表面に形成された担体被
膜と、担体被膜の表面に形成された担持層と、担持層に
担持された触媒金属と、からなることを特徴とする。
【0014】本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、触
媒担体の表面に担体被膜が被覆されているため、触媒金
属が金属担体と直接接触しなくなっている。このため、
金属担体に腐食が生じなくなる。この結果、金属担体の
腐食により生じる浄化能の低下が生じなくなり、排ガス
浄化用金属担体触媒は、その浄化性能を長時間保持でき
るようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の排ガス浄化用金属担体触
媒は、金属担体と、担体被膜と、担持層と、触媒金属
と、からなる。
【0016】金属担体は、鉄系金属箔あるいは鉄系金属
シートにより形成される。ここで、金属箔あるいは金属
シートを形成する鉄系金属は、鉄を主成分とした金属を
しめす。また、この鉄系金属は、金属担体として用いた
ときに十分な特性を有している。この鉄を主成分とした
鉄系金属としては、従来の金属担体に用いられているよ
うなステンレス(SUS403、SUS436)以外に
も、冷間圧延鋼板(SPCC)等の一般鋼材をあげるこ
とができる。
【0017】また、金属担体の形状は、特に限定される
ものではなく、用途に応じて、適宜選択できる。たとえ
ば、金属シートあるいは金属箔からなる平板と波板とを
交互に積そうさせたハニカム体や、あるいは、それぞれ
を重ね合わせてロール状に巻回して形成されたハニカム
体などを用いることができる。このとき、ハニカム体を
外筒により収納保持することで、機械的強度が十分に確
保できる。この外筒は、ハニカム体と同じ組成をもつ金
属シートで形成することができる。このハニカム体の収
納保持は、公知の方法でハニカム体を外筒に一体化する
ことができる。なお、いずれの形態においても、金属シ
ートあるいは金属箔の厚さは、用途に応じて適宜選択す
ることができる。
【0018】また、別の金属担体の形状として、金属シ
ートあるいは金属箔をパイプ状に形成したパイプ触媒と
してもよい。さらに、このパイプ形状の内部の空間を区
画する十字状、波板状等の担体板を付与した形状のパイ
プ触媒としてもよい。
【0019】担体被膜は、金属担体の表面を被覆する。
担体被膜を金属担体の表面に形成することで、金属担体
と担持層および担持層に担持された触媒金属とが接触し
なくなり、金属担体が触媒金属の作用により腐食されな
くなる。ここで、担体被膜は、耐酸化性を有する物質に
より形成されることが好ましい。
【0020】担持層は、担体被膜の表面に形成される。
担持層は、排ガス浄化触媒において、排ガスとの接触面
積を大きくするために用いられる。担持層は、通常の排
ガス浄化用触媒に形成される担持層とすることができ
る。
【0021】すなわち、担持層は、通常の排ガス浄化用
触媒に用いられる耐熱性無機酸化物を用いることがで
き、好ましい担持層としては、活性アルミナを主成分と
する耐熱性無機酸化物である。また、担持層は、セリウ
ムやジルコニウムの酸化物を含むことが好ましい。これ
らの酸化物を担持層に有することで、排ガス浄化用触媒
の浄化特性が向上する。また、担持層の層厚は、特に限
定されるものではなく、用途に応じて適宜選択すること
ができる。
【0022】触媒金属は、担持層に担持されている。こ
の触媒金属の担持は、担持層を形成した後に担持させて
も、担持層を形成するときに活性アルミナ等からなるス
ラリーに混合させて金属担体にコートすることにより付
与させても、どちらでも良い。触媒金属は、排ガス浄化
用触媒において、排ガスを浄化する成分である。触媒金
属は、通常の排ガス浄化用触媒に用いられる触媒金属を
用いることができる。すなわち、酸化触媒、還元触媒、
三元触媒のいずれの触媒を用いてもよい。
【0023】詳しくは、触媒金属に、白金(Pt)、パ
ラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)の少なくとも1種
を用いることで排ガス中に含まれる一酸化炭素(C
O)、炭化水素(HC)、および窒素酸化物(NOx)
を効率よく除去できる。また、触媒金属の担持層への担
持量も特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜
選択することができる。
【0024】担体被膜は、ニッケルおよびクロムからな
る被膜であることが好ましい。すなわち、ニッケルおよ
びクロムを含むことで、排ガス浄化用触媒が酸化性雰囲
気となっても、ニッケルおよびクロムが耐酸化性を発揮
する酸化被膜である不動態層が担持層との接触面に形成
され、金属担体が酸化されることを防止する。
【0025】ニッケルは50〜97wt%、クロムは3
〜50wt%含まれることが好ましい。なお、含有量の
wt%とは、担体被膜全体を100wt%としたときの
ニッケルおよびクロムの割合を示した。
【0026】このような担体被膜としては、たとえば、
全体を100wt%としたときに、Niを主体とした1
8wt%Crと10wt%Siとよりなるロウ材や、N
iを主体とした6wt%Crと4wt%Siとよりなる
ロウ材、を用いて形成した等をあげることができる。
【0027】担体被膜は、ロウ材により形成された被膜
であることが好ましい。ここで、ロウ材とは、金属材料
をロウ付けするときに用いられる非鉄金属またはその合
金を示す。ロウ材は、ロウ付けに用いられることからわ
かるように、金属材料とよくなじむため、金属担体の表
面に均一に付与できる。さらに、ロウ材により形成され
た担体被膜は、金属担体の表面に強固に被覆する。加え
て、ロウ材による担体被膜は、ロウ材を金属担体表面で
加熱することで被膜を形成できるため、簡単に担体被膜
を形成できる。
【0028】ロウ材は金属材料であるため熱伝導性が高
いことから、担体被膜をロウ材により形成することで、
排ガス浄化用触媒が排気ガスにより加熱されても、排ガ
ス浄化用触媒からの熱の拡散が十分に行われ、過熱によ
る排ガス浄化性能の低下は生じない。
【0029】担体被膜は、その厚さが3μm以上である
ことが好ましい。被膜の厚さが3μm未満となると、担
体被膜にムラが生じ、厚さの薄いところから金属担体に
酸化が生じ、担持層にFe酸化物が侵入するようにな
る。
【0030】(排ガス浄化用金属担体触媒の製造)本発
明の排ガス浄化用金属担体触媒の製造は、金属担体の表
面に担体被膜を形成した後に担持層を形成し、この担持
層に後から触媒金属を担持させること、あるいは触媒金
属を担持層を形成するスラリーに混ぜ、このスラリーを
担体被膜の表面にコートさせること、で行われる。
【0031】まず、金属担体を所定の形状に形成する。
すなわち、箔状あるいはシート状の鉄系金属よりなる金
属板を加工し、触媒担体を形成する。
【0032】つづいて、形成された金属担体の表面に担
体被膜を形成する。ここで、ロウ材を用いた担体被膜の
形成は、金属担体の表面に、ロウ材を配置した状態で加
熱することで形成させることが好ましい。なお、加熱
は、真空雰囲気でなされることが好ましい。真空雰囲気
で加熱されることで、まわりの雰囲気ガスの元素が形成
される被膜に含まれることが防止される。また、このと
きの加熱温度は、ロウ材が溶融できる程度の温度である
ことが好ましい。
【0033】その後、担体被膜の表面に担持層を形成
し、この担持層に触媒金属を担持させる。担体被膜の表
面に担持層を形成する方法は、通常の触媒担体の製造方
法に用いられる方法を用いることができる。すなわち、
担持層を形成する耐熱性無機酸化物のスラリーを調整
し、このスラリーを担体被膜の表面に塗布し、乾燥、焼
成させることで製造される。
【0034】また、担持層への触媒金属の担持は、担持
層が形成された触媒担体を、触媒金属が含まれる溶液に
浸漬させることで行われる。担持層に触媒金属を供給し
た触媒担体は乾燥、焼成されて排ガス浄化用触媒とな
る。また、この触媒金属の担持は、担持層を形成する耐
熱性無機酸化物のスラリーに触媒金属を混合させた混合
スラリーとし、この混合スラリーを担体被膜の表面にコ
ートして触媒金属を有する担持層を形成する方法を用い
ても良い。
【0035】本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、担
持層および触媒金属と金属担体との間に担体被膜が形成
されているため、金属担体が触媒金属の活性作用により
腐食しなくなる。金属担体に腐食が生じなくなることで
排ガス浄化用金属担体触媒の触媒性能が低下しなくな
り、長寿命となる。また、本発明の排ガス浄化用金属担
体触媒は、金属担体の材質に安価な一般鋼材等の鋼材を
用いることができる効果を有する。すなわち、触媒金属
の活性作用が担体被膜により抑えられているため、金属
担体に耐酸化性等の特性が得に必要とされなくなるため
である。
【0036】本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、耐
酸化性に優れていることから、酸化性雰囲気の排ガスが
排出されやすい二輪車等において特に有用である。
【0037】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0038】本発明の実施例として、鉄系金属よりなる
パイプ状の金属担体を用いて触媒を作製した。
【0039】(実施例1)実施例1は、パイプ状の金属
担体1と、パイプ状の金属担体1の内周面を被覆するロ
ウ付けされたロウ材よりなる担体被膜2と、担体被膜2
の表面に形成された担持層3と、担持層3に担持された
触媒金属と、から構成される。この実施例1のパイプ触
媒において、断面の様子を図1に示した。
【0040】ここで、金属担体には、SPCC(冷間圧
延鋼板)により形成された厚さ1.5mm、内径30m
m、容量100lのパイプを用いた。ここで、パイプの
容量とは、パイプの内部空間の容積を示す。このパイプ
は、市販のSPCC製のパイプを所定の長さに切断して
用いられた。
【0041】また、担体被膜を形成するロウ材は、Ni
を主体とし、Cr18wt%、Si10wt%よりなる
ロウ材が用いられた。
【0042】担持層は、活性アルミナを主成分とする耐
熱性無機酸化物により形成され、その担持厚は、30μ
mであった。また、触媒金属は、PtおよびRhが、そ
れぞれ5wt%、1wt%の担持量で担持された。
【0043】実施例1のパイプ触媒は、以下の手段によ
り製造された。
【0044】SPCCよりなる金属担体の内周面にロウ
材を、厚さが10〜100μmの厚さとなるように塗布
し、この状態で真空雰囲気で、1200℃で1時間保持
して金属担体の表面に担体被膜を形成した。
【0045】つづいて、活性アルミナ、バインダー、水
を所定量となるように秤量し、これらを均一に混合した
スラリーを調整した。調整されたスラリーを金属担体に
コートし、乾燥させた。つづいて、触媒金属の溶液を、
この乾燥したスラリーコート担体に含浸させ、担持層に
貴金属を付着させた。その後、このコート担体を250
℃、1時間焼成して製造した。
【0046】(実施例2)実施例2は、金属担体がSU
S304により形成されていること以外は実施例1と同
様なパイプ触媒である。また、実施例2のパイプ触媒の
製造方法も、実施例1の手段と同様であった。
【0047】(実施例3)実施例3は、金属担体がSU
S436Lにより形成されていること以外は実施例1と
同様なパイプ触媒である。また、実施例3のパイプ触媒
の製造方法も、実施例1の手段と同様であった。
【0048】(実施例4)実施例4は、パンチングされ
たパイプを金属担体として用い、このパンチングされた
パイプの外周面および内周面に触媒成分を付与した触媒
である。
【0049】詳しくは、触媒担体に、SUS304より
なり、厚さ1.0mm、内径25mm、容量150lの
パイプを用いた。なお、パンチング穴は、φ3mmの穴
が6mmの間隔で千鳥状に開けられている。
【0050】また、担体被膜を形成するロウ材は、Ni
を主体とし、Cr6wt%、Si4wt%よりなるロウ
材が用いられた。
【0051】実施例4の触媒は、パンチングされたパイ
プを金属担体として用い、このパンチングパイプの表面
に担体被膜を付与し、パンチングパイプの内周面側およ
び外周面側の担体被膜表面に触媒成分を形成させて製造
された。
【0052】実施例4の触媒は、パンチングパイプの表
面に担体被膜を形成するときに、ロウ材の塗布厚さを5
0〜200μmとして、1000℃で1時間保持して金
属担体の表面に担体被膜を形成した。
【0053】担体被膜が形成されたパンチングパイプの
内周面および外周面に、実施例1〜3において作製され
たものと同様のスラリーを塗布し、乾燥させて担持層を
形成した。つづいて、この担持層に、実施例1〜3と同
様に調整された触媒金属溶液を、含浸させた後に250
℃、1時間焼成した。
【0054】(比較例1)比較例1は、担体被膜を金属
担体と担持層の間に形成していないこと以外は、実施例
2のパイプ触媒と同様なパイプ触媒である。詳しくは、
実施例2において用いられた金属担体のパイプの内周面
に、担持層および触媒金属を直接付与したパイプ触媒で
ある。
【0055】比較例1のパイプ触媒の製造は、実施例2
において用いられたパイプの内周面に直接、担持層を形
成し、この担持層に触媒金属を担持させたものである。
ここで、担持層の形成および担持層への触媒金属への担
持は、実施例2において用いられた方法と同様の材料を
用いてなされた。
【0056】(比較例2)比較例2は、金属担体の表面
にロウ材層を形成させ、このロウ材層の表面に担持層お
よび触媒金属を付与したパイプ触媒である。なお、この
ロウ材層は、金属担体の表面と接触しているだけで、金
属担体の表面にロウ付けされているものではない。
【0057】比較例2のパイプ触媒の製造は、まず、実
施例2において用いられたパイプの内周面にロウ材を1
0〜100μmの厚さで塗布し、この状態で乾燥機を用
いて大気雰囲気下250℃で1時間保持した。この保持
により、ロウ材に含まれていたバインダ成分が蒸発し、
金属成分がパイプの表面に残留する。このとき、パイプ
の表面で、ロウ材中の金属成分は、粒子の状態のままパ
イプの表面に付着している。
【0058】つづいて、このロウ材層を形成した金属担
体のパイプの内周面に、実施例2と同様にして担持層を
形成した後に触媒金属を担持させて製造された。
【0059】(評価)実施例の評価として、高温に保持
された炉内に触媒を配置し、この炉内に二種類の試験ガ
スを交互に導入することを繰り返す耐久試験を行った後
に、触媒の状態を確認する評価試験を行った。
【0060】詳しくは、内部の温度が900℃に保持さ
れた炉の内部に触媒を配置し、この炉内の雰囲気を、1
0%H2O、1%O2、N2バランスよりなるガスと、1
0%H2O、1%CO、N2バランスよりなるガスと、を
60秒ごとに交互に導入することを5時間繰り返した。
その後、触媒の様子を観察し、その状態により評価を行
った。
【0061】この評価の結果を表1に示した。表1にお
いて、耐酸化性の評価の○は、担持層への金属酸化物の
侵入なしを示し、△は、担持層への金属酸化物の侵入が
一部に見られる状態であり、×は、金属酸化物が担持層
の表面を覆っている状態を示すものであった。また、耐
剥離性の評価における○は、担持層の剥離無しであり、
×は、担持層の剥離有りであった。
【0062】
【表1】
【0063】表1より、実施例1〜4の触媒は、耐酸化
性に優れている。さらに、担持層の剥離も見られなかっ
たことから、金属担体に腐食が生じていない。また、比
較例1は、耐酸化性の評価が悪く、金属担体が腐食し、
担持層に剥離が生じていた。比較例2は、金属担体の酸
化が若干見られ、担持層の剥離も多少発生していた。
【0064】すなわち、実施例1〜4の触媒は、耐酸化
性に優れていることから、金属担体に腐食が生じなくな
り、金属担体が腐食することにより生じていた担持層の
剥離が生じなくなった。
【0065】また、比較例1は、金属担体の表面に担持
層が形成されており、酸化性物質が金属担体に接触で
き、金属担体が容易に酸化され腐食を生じ、担持層が剥
離している。比較例2は、金属担体表面に形成されたロ
ウ材層が、酸化性物質が金属担体に接触することを抑え
ているが、完全にブロックできず、耐酸化性がやや劣
る。
【0066】
【発明の効果】本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、
鉄系金属よりなる金属担体の表面に担体被膜を形成し、
この担体被膜の表面に担持層および触媒金属を付与して
いる。このため、金属担体に触媒金属が直接接触しなく
なり、触媒金属の活性作用による金属担体の腐食が抑え
られる。この結果、金属担体が腐食することによる担持
層の剥離が生じなくなり、排ガス浄化用金属担体触媒と
しての寿命が長くなる効果を示す。また、金属担体が触
媒成分と接触しなくなるため、金属担体の材質について
も、耐酸化性等の特性が不要となり、一般鋼材等の安価
な材料を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のパイプ触媒を示した図である。
【符号の説明】
1…金属担体 2…担体被膜 3…担持
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/28 301 F01N 3/28 311R 311 B01D 53/36 C (72)発明者 佐藤 真康 静岡県小笠郡大東町千浜7800番地 株式会 社キャタラー内 (72)発明者 尾澤 照彦 静岡県小笠郡大東町千浜7800番地 株式会 社キャタラー内 (72)発明者 横山 直記 静岡県小笠郡大東町千浜7800番地 株式会 社キャタラー内 Fターム(参考) 3G091 AA02 AA03 AB02 AB03 AB04 BA07 BA08 BA10 BA14 BA15 BA19 BA39 GA02 GA03 GA06 GA07 GA08 GA09 GB01W GB01X GB04X GB05W GB06W GB07W GB10X GB16X 4D048 AA06 AA13 AA18 AB01 BA03X BA06X BA25X BA30X BA33X BA38X BA39X BA41X BB03 BB05 BB18 BC10 4G069 AA01 AA04 AA08 AA09 AA11 BA01B BA01C BA17 BA18 BC58A BC58B BC68A BC68B BC71B BC75B BD05B CA03 CA09 CA13 CA14 CA15 DA06 EA08 EE01 FA02 FA03 FA04 FA05 FA06 FB14 FB23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄系金属箔あるいは鉄系金属シートによ
    り形成された金属担体と、該金属担体の表面を被覆する
    担体被膜と、該担体被膜の表面に形成された担持層と、
    該担持層に担持された触媒金属と、からなることを特徴
    とする排ガス浄化用金属担体触媒。
  2. 【請求項2】 前記担体被膜は、ニッケルおよびクロム
    からなる被膜である請求項1記載の排ガス浄化用金属担
    体触媒。
  3. 【請求項3】 前記担体被膜は、ロウ材により形成され
    た被膜である請求項1記載の排ガス浄化用金属担体触
    媒。
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