JP2001083824A - セラミックスヒータ - Google Patents

セラミックスヒータ

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JP2001083824A
JP2001083824A JP26293799A JP26293799A JP2001083824A JP 2001083824 A JP2001083824 A JP 2001083824A JP 26293799 A JP26293799 A JP 26293799A JP 26293799 A JP26293799 A JP 26293799A JP 2001083824 A JP2001083824 A JP 2001083824A
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JP
Japan
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ceramic
ceramic substrate
heating element
heater
thermal conductivity
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JP26293799A
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English (en)
Inventor
Masuhiro Natsuhara
益宏 夏原
Hirohiko Nakada
博彦 仲田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高熱伝導率のセラミックス基板を用いたセラ
ミックスヒータにおいて、セラミックス基板に設けた電
極や端子部の温度上昇を抑制して酸化による接触不良を
防止すると共に、転写材の両端部における定着性を改善
する。 【解決手段】 セラミックス基板10a上に発熱体10
bや電極10c等を設けたセラミックスヒータ10で、
セラミックス基板10aと発熱体10bとの間にガラス
層10eを備えている。また、セラミックス基板10a
の断面積を小さくするか、両者を併用してもよい。セラ
ミックス基板10aは、主成分が窒化アルミニウム、窒
化ケイ素、炭化ケイ素から選択される高熱伝導率のセラ
ミックスが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザプリンタや
複写機等のトナー画像の加熱定着装置に用いるセラミッ
クスヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、トナー画像を定着させるため
に用いられるヒータとしては、アルミニウムなどの金属
製のパイプに、ハロゲンランプ等の熱源を配置したもの
が使用されていた。この金属製のパイプを加熱ローラと
し、該加熱ローラに対して圧接する加圧ローラを配置し
て、トナー画像が形成された転写材を加熱ローラと加圧
ローラとの間に送り込み、両ローラで加熱及び加圧する
ことにより、転写材上のトナーが定着される。
【0003】しかしながら、この従来のヒータでは、比
較的熱容量の大きな金属製のパイプを加熱しなければな
らないため、立ち上げに時間がかかるという問題があっ
た。この問題を解決するため、通常は待機中においても
予めヒータを予備加熱しておくなどの手法が取られてい
るが、この場合には消費電力が大きくなるという不利益
があった。
【0004】これに対して、熱容量の小さい板状のヒー
タを用いた加熱定着装置が、例えば特開昭63−313
182号公報、特開平1−263679号公報、特開平
2−157878号公報等に提案されている。この加熱
定着装置は、その定着部を図2に模式的に示すように、
板状のセラミックスヒータ1を支持体2に取り付け、こ
の支持体2の外周部に耐熱性フィルム3を回転可能に配
置してあり、これらが一体となって加熱ローラを形成す
る。尚、耐熱性フィルム3は、例えばポリイミド樹脂等
から形成されている。この加熱ローラに対して、表面が
ゴム等の弾性体でできた加圧ローラ4を圧接し、矢印方
向に回転する加熱ローラと加圧ローラの間に紙等の転写
材5を送り込むことにより、未定着のトナー画像6aを
加熱加熱して定着画像6bとして定着する。
【0005】この加熱定着装置に用いる板状のセラミッ
クスヒータ1の部分を図3に拡大して示し、図4は図3
のセラミックヒータ1の直角方向からの断面を示したも
のであって、同じ部分には同じ符号を付してある。この
セラミックヒータ1は、セラミックス基板1a上に形成
された発熱体1bを備え、長手方向の両端部には発熱体
1bに通電するための電極1cやサーミスタの信号取出
用電極(図示せず)等が形成されている。また、一般的
に発熱体1bと電極1cの上には、ガラス製の保護層と
してオーバーコートガラス層1dが被覆されている。
【0006】この板状のセラミックスヒータは、熱容量
が相対的に金属製のパイプよりも小さいため、クイック
スタート性に優れている。従って、ヒータの立ち上がり
が非常に速いために、待機中に予備加熱する必要がな
く、消費電力を低減できる等の特徴がある。このため最
近では、この板状のセラミックヒータを用いて、16p
pm以上の高速定着器も市販されるようになっている。
尚、前記ppmとはpapers per minut
eの略であり、従って16ppmはA4の転写材を1分
間に16枚定着できる送り速度である。
【0007】しかしながら、このようなセラミックスヒ
ータでは、立ち上がりの温度上昇が急激であるために、
この時の熱衝撃によってセラミックス基板が破壊しやす
いという新たな問題が提起されている。これに対して、
現状においてセラミックス基板として通常使用されてい
るアルミナに代え、アルミナよりも熱伝導率の高いセラ
ミックス、即ち窒化アルミニウムや窒化ケイ素等を基板
として使用したセラミックスヒータが、特開平8−28
4999号等に提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した窒化アルミニ
ウムや窒化ケイ素等を基板としたセラミックスヒータで
は、セラミックス基板の熱伝導率がアルミナよりも高い
ため、ヒータ立ち上げ時の急激な温度上昇によるセラミ
ックス基板の割れを防止することができる。
【0009】しかしその反面、セラミックス基板の熱伝
導率が高いことにより、発熱体で発生した熱がセラミッ
クス基板を伝わりやすく、そのため給電用の電極やセラ
ミックスヒータ上に取り付けられているサーミスタの信
号取出用電極の温度が上昇しやすい。この結果、これら
の電極に取り付けられている銅等からなる端子部が酸化
して、接触不良を起こすという欠点があった。
【0010】また、セラミックス基板の熱伝導率が高い
ために昇温は速いが、その一方で外部への放熱も速いた
め、発熱体で発生した熱がセラミックス基板の長手方向
の両端側に逃げてしまい、相対的にセラミックスヒータ
の中央部に比較して長手方向両端部分の温度が低下しや
すい。このため、特に転写材の両端部分においてトナー
に対して十分な熱が加えられないことになり、定着性不
良を起こし易いという問題があった。
【0011】本発明は、このような従来の事情に鑑み、
例えば窒化アルミニウムや窒化ケイ素等の高熱伝導性の
セラミックス基板を用いたトナー画像加熱定着装置用の
セラミックスヒータにおいて、セラミックス基板に設け
た電極や端子部の温度上昇を抑制して酸化による接触不
良を防止すると共に、転写材の両端部における定着性を
改善することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供する第1の手段は、トナー画像加熱定
着装置に用いられる加熱ローラ用のセラミックス基板上
に発熱体を設けたセラミックスヒータであって、該セラ
ミックス基板の熱伝導率が50W/m・K以上であり、
該セラミックス基板と前記発熱体との間にガラス層を備
えることを特徴とする。
【0013】また、本発明が提供する第2の手段は、ト
ナー画像加熱定着装置に用いられる加熱ローラ用のセラ
ミックス基板上に発熱体を設けたセラミックスヒータで
あって、該セラミックス基板の熱伝導率が30W/m・
K以上であり、該セラミックス基板の長手方向の一部に
断面積の小さい部分を設けることを特徴とする。
【0014】更に、本発明が提供する第3の手段は、ト
ナー画像加熱定着装置に用いられる加熱ローラ用のセラ
ミックス基板上に発熱体を設けたセラミックスヒータで
あって、該セラミックス基板の熱伝導率が30W/m・
K以上であり、該セラミックス基板と前記発熱体との間
にガラス層を備えると共に、該セラミックス基板の長手
方向の一部に断面積の小さい部分を設けることを特徴と
する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の上記第1の手段において
は、図1に示すように、セラミックスヒータ10のセラ
ミックス基板10aと発熱体10bの間にガラス層10
eが設けてある。尚、ガラス層10eは、図1のように
セラミックス基板10aと両端部の電極10c等との間
にも延長して設けることが好ましいが、この部分には必
ずしもガラス層を形成しなくてもよい。また、発熱体1
0bはセラミックス基板10a上の加圧ローラ側に存在
するのが一般的であり、その場合には図1に示すよう
に、発熱体10b及び電極10cの上に、これらを保護
するオーバーコートガラス層10dを形成することがで
きる。
【0016】このようにセラミックス基板10aと発熱
体10bの間にガラス層10eを介在させることによっ
て、熱伝導率の小さいガラス層10eが断熱層となって
セラミックス基板10aへの熱伝達を阻害するので、ガ
ラス層10eが介在しない場合に比べてセラミックス基
板10a及び基板10aに取り付けられた電極10cの
温度が低下し、端子部の酸化を防ぐことができる。また
同時に、ガラス層10eがセラミックス基板10aへの
熱拡散を防止することで、発熱体10bの両端部分の温
度低下も相対的に小さくなるため、その部分での定着性
の低下も抑制することができる。これらの点に関して、
以下に更に詳しく説明する。
【0017】一般的に、発熱体で発生した熱はセラミッ
クス基板と発熱体を被覆しているオーバーコートガラス
層に伝わる。そして、オーバーコートガラス層に伝わっ
た熱は、主に耐熱性フィルムを通して転写材上のトナー
を熱的に定着させる。一方、セラミックス基板に伝えら
れた熱は、セラミックスヒータに直接接触している支持
体や、給電用及びサーミスタの信号取出用の電極及びそ
の端子部に伝わる。このため、セラミックス基板の熱伝
導率が高い場合には、電極や端子部の温度が上昇して酸
化されやすくなり、特に銅及び銅合金からなる電極及び
端子部は酸化銅を形成して接触不良を起こしやすい。
【0018】また、発熱体の長手方向におけるセラミッ
クスヒータの温度分布は、発熱体の抵抗値分布が一定で
あるとするならば、上記した発熱体からセラミックス基
板への熱の拡散のために、一般的に、発熱体の長手方向
においては中央部の均熱帯の温度が最も高くなり、長手
方向の両端部分において温度は低くなる。このため、均
熱帯での転写材上のトナーの定着温度が適当であるなら
ば、発熱体の長手方向の両端部では温度不足になりやす
く、その結果トナーが十分に加熱定着されずに定着不良
が発生しやすい。
【0019】これに対して、本発明の第1の手段のセラ
ミックスヒータでは、上記のごとくセラミックス基板と
発熱体の間に断熱用のガラス層を形成してあり、しかも
ガラスの熱伝導率が一般にセラミックスよりも大幅に低
いので、このガラス層(アンダーコートガラス層と言
う)によって、発熱体からセラミックス基板への熱の伝
達が阻害される。その結果、発熱体からセラミックス基
板に伝わる熱の割合が小さくなり、アンダーコートガラ
ス層の無い場合に比較してセラミックス基板自体の温度
が相対的に低くなるため、セラミックス基板の両端部に
取り付けられている電極や端子部の温度が低下して、そ
の酸化を防ぐことができるのである。
【0020】また、定着性に関しては、発熱体で発生し
た熱がセラミックス基板の長手方向に拡散していくため
に、発熱体の両端部分の温度が低下して起こるのである
が、本発明においてはアンダーコートガラス層を形成す
ることによって発熱体からセラミックス基板への熱拡散
を抑制することができるため、発熱体の両端部分での温
度低下も相対的に小さくなる。従って、発熱体の両端部
分における定着性が改善され、全体的に優れた定着性の
セラミックスヒータを得ることができる。
【0021】また、セラミックス基板の熱伝導率が50
W/m・K以上の場合、発熱体からセラミックス基板へ
の熱の伝達並びに拡散が顕著であり、電極や端子部の酸
化による接触不良及びセラミックスヒータの両端部での
定着不良が起こりやすいが、上記第1の手段においてセ
ラミックス基板と発熱体の間にアンダーコートガラス層
を介在させることにより、その問題も解消される。尚、
本発明の第1の手段で用いられるセラミックス基板とし
ては、熱伝導率が50W/m・K以上のものであれば材
質を問わないが、例えば主成分が窒化アルミニウム、窒
化ケイ素、炭化ケイ素のいずれかが好ましい。
【0022】尚、上記第1の手段におけるガラス層(ア
ンダーコートガラス層)は、ガラス成分に特に制限はな
く、セラミックス基板よりも熱伝導率が小さい限り使用
することができる。また、ガラス層の厚みに関しても特
に制約はないが、厚みが増すほど断熱効果が大きくなる
ことは明らかである。
【0023】次に、本発明の第2の手段では、セラミッ
クス基板として熱伝導率が30W/m・K以上、好まし
くは30〜80W/m・Kのものを使用し、そのセラミ
ックス基板の長手方向の一部に他の部分よりも断面積の
小さい部分を設ける。これによって、本発明の課題であ
る電極や端子部の酸化による接触不良並びにセラミック
スヒータ両端部での定着不良を未然に防ぐことができ
る。尚、現在使用されているセラミックスヒータでは、
セラミックス基板のサイズは全体に一様であり、通常は
幅10mm、長さ270mm、厚み0.635mm程
度、従ってその断面積は約6.35mm程度が一般的
である。また、セラミックス基板全体にわたって幅又は
厚みを小さくして、前記従来のセラミックス基板よりも
断面積を小さくする、好ましくは5.5mm以下の断
面積にすることによっても、同様の効果を得ることが可
能である。
【0024】セラミックス基板の一部の断面積を小さく
するための具体的な方法としては、例えば図5に示すよ
うにセラミックス基板11aの両端側に幅方向から切取
部11fを設けて幅を小さくしたり、図6に示すように
セラミックス基板12aの両端側に裏面側(転写材が通
過しない側)から切取部12fを形成することによって
厚みを小さくする方法がある。また、図7に示すように
セラミックス基板13aの両端側に幅を端部まで漸次小
さくした幅狭部13gを形成したり、図8に示すように
セラミックス基板14aの両端側に貫通孔14hを穿設
する方法によっても、その部分の断面積を他の部分より
も小さくすることができる。尚、セラミックス基板の一
部の断面積を小さくする方法は、これらに限定されるも
のではなく、これらを組み合わせたり、別の方法を取る
ことも可能である。
【0025】この第2の手段においてセラミックス基板
の熱伝導率を30W/m・K以上とするのは、30W/
m・Kでは耐熱衝撃性が低下してクイックスタート時に
ヒータが破損する可能性があるからである。また、80
W/m・Kを越えると端部での放熱が早くなるため、断
面積の減少のみでは同部分の温度が中央部に追随し難く
なるので、この第2の手段におけるセラミックス基板の
熱伝導率は30〜50W/m・Kの範囲が好ましい。
尚、熱伝導率が80W/m・Kを越えるセラミックス基
板を使用する場合には、前記した第1の手段を適用す
る。
【0026】更に、セラミックス基板の熱伝導率が30
W/m・K以上の場合、前記第1の手段と第2の手段を
併用すると、より一層顕著な効果を得ることができる。
即ち、本発明が提供する第3の手段として、セラミック
ス基板の熱伝導率が30W/m・K以上、好ましくは3
0〜80W/m・Kのとき、該セラミックス基板と前記
発熱体との間にガラス層を備えると共に、該セラミック
ス基板の長手方向の一部に断面積の小さい部分を設ける
ことができる。
【0027】上記第2及び第3の手段で使用するセラミ
ックス基板の材質は、第1の手段と同様に、窒化アルミ
ニウム、窒化ケイ素、又は炭化ケイ素を主成分とするも
のが好ましい。いずれの材質も従来から使用されてきた
アルミナを主成分とするものに比べ、熱膨張係数が小さ
く熱伝導性に優れているため、熱衝撃強度が高い。この
ため、セラミックスヒーターのより急速な昇温が可能で
あると共に、より急速な昇温時でもセラミックス基板の
損傷が発生しなくなるからである。
【0028】以上で説明した本発明の第2及び第3の手
段において、セラミックス基板の長手方向の一部に断面
積の小さい部分を形成する場合には、断面積の小さい部
分をセラミックス基板の転写材が通過しない側に設ける
か、又は転写材が通過する側で転写材と対向しない両側
部分に設けることが望ましい。尚、転写材が通過する側
で転写材と対向する部分の断面積を小さくすると、他の
部分との熱容量差により断面積を小さくした部分の温度
がより高くなるため、定着画像にムラができたり、高温
オフセット現象を生じ易くなる。また、断面積の小さい
部分が発熱体の電極に近くなると、転写材の通過する部
分の端の方で温度が下がり易くなり、やはり定着画像に
部分的なムラ等が生じ易い。
【0029】本発明では、電極や端子部の酸化による接
触不良を解消でき、同時に両端部における定着不良をな
くすことができると共に、上記のごとく熱伝導率が30
W/m・K以上の高熱伝導性のセラミックス基板に対し
て適用できるために、従来から問題であったヒータ昇温
時の急激な温度上昇によって発生するセラミックス基板
の割れを防止することもできる。
【0030】
【実施例】実施例1 窒化アルミニウム粉末100重量部に対して、焼結助剤
として酸化イットリウム粉末を1.0重量部、及び有機
バインダーと溶剤を加え、ボールミル混合を24時間行
ってスラリーを作製した。このスラリーをドクターブレ
ード法によってシート成形し、窒素雰囲気中800℃で
脱脂を行った後、焼結体の熱伝導を調整するため大気中
にて下記表1に示す種々の温度で脱脂した。その後、窒
素雰囲気中1850℃で7時間焼結を行い、窒化アルミ
ニウム焼結体を得た。これらの窒化アルミニウム焼結体
を300mm×10mm×1.0mmに加工し、得られ
た窒化アルミニウム基板の熱伝導率を下記表1に示し
た。
【0031】上記で得られた各セラミックス基板の片面
にアンダーコートガラス層(組成は重量比でAl
:CaO:SiO:ZnO=3:2:1:1)
をスクリーン印刷し、大気中にて850℃で焼き付け
た。焼成後のアンダーコートガラスの厚みは70μm、
熱伝導率は0.5W/m・Kであった。更に、アンダーコ
ートガラス層を形成した窒化アルミニウム基板と、アン
ダーコートガラス層を形成していない窒化アルミニウム
基板に対して、それぞれ発熱体としてAg−Pdペース
トをスクリーン印刷し、大気中にて850℃で焼き付け
た。最後に、各セラミックス基板の発熱体上に保護用の
グレーズガラスをスクリーン印刷により塗布し、大気中
にて700℃で焼き付け、セラミックスヒータを作製し
た。
【0032】得られた各セラミックスヒータを定着器に
取り付け、16ppmの速度で定着性の評価と端子温度
の測定を行い、その結果を下記表1に併せて示した。定
着性の評価方法としては、定着された紙上のトナーを別
の紙でこすり、トナーの脱落が全くない状態を◎、トナ
ーが若干脱落している状態を○、トナーが1/3〜半分
程度脱落している状態を△、及びトナーが半分以上脱落
している状態を×とする4段階の評価(以下同じ、◎又
は○であれば実用的に問題はない)を行った。また、端
子温度の測定は、端子に熱電対を取り付け、その温度変
化を測定した。尚、上記試験は定着を1分間行った結果
である。
【0033】
【表1】 脱脂温度 熱伝導率 アンダーコート 定 着 性 端子温度試料 (℃) (W/m・K) ガラス層の有無 両端部 中央部 (℃) 1-a − 180 有り ○ ◎ 52 1-b − 180 無し × ◎ 67 2-a 300 150 有り ○ ◎ 51 2-b 300 150 無し × ◎ 63 3-a 450 120 有り ○ ◎ 51 3-b 450 120 無し × ◎ 60 4-a 600 100 有り ○ ◎ 50 4-b 600 100 無し △ ◎ 58 5-a 700 80 有り ◎ ◎ 49 5-b 700 80 無し △ ◎ 54 6-a 800 50 有り ◎ ◎ 47 6-b 800 50 無し ○ ◎ 52 7-a 900 35 有り ◎ ◎ 47 7-b 900 35 無し ◎ ◎ 48
【0034】以上の結果から分かるように、熱伝導率が
50W/m・K以上のセラミックス基板については、セ
ラミックス基板と発熱体の間にアンダーコートガラス層
を介在させることにより定着性と端子温度の低下に顕著
な効果が得られたが、35W/m・Kのセラミックス基
板では殆ど差異がなかった。
【0035】実施例2 窒化ケイ素粉末に、焼結助剤として酸化イットリウム、
酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの2種以上の粉末
を下記表2に示す割合で添加し、更に有機バインダーと
溶剤を加え、実施例1と同様にボールミル混合後、シー
ト成形した。その後、窒素雰囲気中にて800℃で脱脂
を行い、下記表2に示す条件で焼結及びHIP処理を行
って、300mm×10mm×1mmの板状に加工し
た。
【0036】
【表2】 原料粉末配合(wt%) 焼結条件 HIP条件 熱伝導率試料 SiN YO AlO MgO (℃×hr) (℃×気圧×hr) (W/m・K) 8 95 4 − 1 1700×4 1800×10×1 100 9 95 4 1 − 1700×4 1800×10×1 50 10 92 5 3 − 1800×4 − 20
【0037】上記表2に示す各窒化ケイ素基板を用い、
実施例1と同様にして、セラミックス基板と発熱体の間
に実施例1と同じアンダーコートガラス層を有するセラ
ミックスヒータと、アンダーコートガラス層のないセラ
ミックスとを作製した。得られた各セラミックスヒータ
に対して実施例1と同様の評価を行い、その結果を下記
表3に示した。表3の結果から、熱伝導率が50W/m
・K以上のセラミックス基板では、アンダーコートガラ
ス層の効果が顕著であることが分かる。
【0038】
【表3】 熱伝導率 アンダーコート 定 着 性 端子温度試 料 (W/m・K ) ガラス層の有無 両端部 中央部 (℃) 8-a 100 有り ○ ◎ 49 8-b 100 無し △ ◎ 57 9-a 50 有り ◎ ◎ 47 9-b 50 無し ○ ◎ 51 10-a 20 有り ◎ ◎ 43 10-b 20 無し ◎ ◎ 45
【0039】実施例3 熱伝導率が40、70、125、210W/m・Kの炭
化ケイ素焼結体をそれぞれ用意し、これらの焼結体から
なるセラミックス基板を用いて、実施例1と同様にし
て、セラミックス基板と発熱体の間に実施例1と同じア
ンダーコートガラス層を有するセラミックスヒータと、
アンダーコートガラス層を有しないセラミックスヒータ
を作製した。
【0040】得られた各セラミックスヒータに対して実
施例1と同様の評価を行い、その結果を下記表4に示し
た。表4の結果から、熱伝導率が50W/m・K以上で
且つ熱伝導率が高いセラミックス基板ほど、アンダーコ
ートガラス層の定着性の改善及び端子温度の抑制効果が
顕著であることが分かる。
【0041】
【表4】 熱伝導率 アンダーコート 定 着 性 端子温度試 料 (W/m・K) ガラス層の有無 両端部 中央部 (℃) 11-a 40 有り ◎ ◎ 49 11-b 40 無し ◎ ◎ 50 12-a 70 有り ◎ ◎ 50 12-b 70 無し △ ◎ 56 13-a 125 有り ○ ◎ 52 13-b 125 無し × ◎ 61 14-a 210 有り ○ ◎ 53 14-b 210 無し × ◎ 69
【0042】実施例4 窒化アルミニウム粉末に焼結助剤としてY粉末を
1重量%、及びバインダーと溶剤を加え、ボールミルに
より24時間混合してスラリーを作製した。このスラリ
ーをドクターブレード法により種々の厚みのシートに成
形し、所定の大きさに切断し、窒素雰囲気中にて700
℃で脱脂した後、一部のものは大気中で再脱脂を行った
後、窒素雰囲気中にて1850℃で焼結した。このよう
に大気中での脱脂条件を変えて得られた各AlN焼結体
の熱伝導率をレーザーフラッシュ法により測定し、その
結果を下記表5に示した。
【0043】また、上記各AlN焼結体を300mm×
10mm×1.0mmの大きさに加工し、更にスクリー
ン印刷により電極としてAgペースト、発熱体としてA
g−Pdペーストを塗布し、大気中にて850℃で焼成
して定着器用セラミックスヒータを作製した。得られた
各セラミックスヒータを、耐熱性フェノール樹脂からな
る支持体に取り付け、定着装置を構成した。これらの定
着装置に16ppmの速度でトナーを担持させたコピー
用紙を通過させ、その定着状態を前記実施例1と同様に
評価して、その結果を下記表5に示した。
【0044】
【表5】 大気中の 熱伝導率 定 着 性 端子温度試 料 脱脂条件 (W/m・K) 両端部 中央部 (℃) 15 無し 180 × ◎ 72 16 600℃ 100 △ ◎ 63 17 650℃ 80 ○ ◎ 58 18 800℃ 50 ◎ ◎ 51 19 900℃ 40 ◎ ◎ 49
【0045】上記表5から、セラミックス基板の熱伝導
率が80W/m・K以下のものは用紙端部においても定
着性が良好であるが、80W/m・Kを越える熱伝導率
では端部での定着性が悪くなることが分かる。また、端
子温度に関しても、熱伝導率が低くなるに従って低下し
ていることが分かる。
【0046】次に、上記表5の試料15〜19の各セラ
ミックス基板を長さ300mm×幅10mmに切断した
後、各試料ごとに研磨により全体の厚みを0.4mm、
0.5mm、0.55mm、0.6mm、0.7mm、0.
8mmに調整した後、上記と同様に定着性試験と端子温
度の測定を行い、その結果を表6に示した。
【0047】
【表6】 熱伝導率 基板厚み 定 着 性 端子温度試 料 (W/m・K) (mm) 両端部 中央部 (℃) 15-1 180 1.0 × ◎ 72 15-2 180 0.8 × ◎ 71 15-3 180 0.7 × ◎ 69 15-4 180 0.6 × ◎ 65 15-5 180 0.55 △ ◎ 59 15-6 180 0.5 ○ ◎ 55 15-7 180 0.4 ○ ◎ 49 16-1 100 1.0 △ ◎ 63 16-2 100 0.8 △ ◎ 61 16-3 100 0.7 △ ◎ 59 16-4 100 0.6 △ ◎ 55 16-5 100 0.55 ○ ◎ 49 16-6 100 0.5 ○ ◎ 47 16-7 100 0.4 ◎ ◎ 43 17-1 80 1.0 ○ ◎ 58 17-2 80 0.8 ○ ◎ 56 17-3 80 0.7 ○ ◎ 54 17-4 80 0.6 ○ ◎ 51 17-5 80 0.55 ◎ ◎ 47 17-6 80 0.5 ◎ ◎ 45 17-7 80 0.4 ◎ ◎ 40 18-1 50 1.0 ◎ ◎ 51 18-2 50 0.8 ◎ ◎ 50 18-3 50 0.7 ◎ ◎ 48 18-4 50 0.6 ◎ ◎ 45 18-5 50 0.55 ◎ ◎ 43 18-6 50 0.5 ◎ ◎ 41 18-7 50 0.4 ◎ ◎ 37 19-1 40 1.0 ◎ ◎ 49 19-2 40 0.8 ◎ ◎ 47 19-3 40 0.7 ◎ ◎ 45 19-4 40 0.6 ◎ ◎ 43 19-5 40 0.55 ◎ ◎ 41 19-6 40 0.5 ◎ ◎ 38 19-7 40 0.4 ◎ ◎ 35
【0048】上記の結果から、用紙端部の定着性につい
ては、熱伝導率が80W/m・K以上の場合でも、通常
の幅10mmのセラミックス基板の厚みを0.55mm
以下(断面積で5.5mm以下)とすることにより改
善できることが分かる。
【0049】次に、上記の試料15、17、18の各セ
ラミックス基板を300mm×10mm×1.0mmに
加工した後、発熱体を形成しない部分(電極部を含む)
を下記表7に示す厚みに加工した。その後、各セラミッ
クス基板に発熱体、電極、ガラス層を形成してヒータを
作製した。得られた各セラミックスヒータについて、上
記と同様に定着性と端子温度に関する評価を行い、その
結果を表7に併せて示した。
【0050】
【表7】 熱伝導率 電極部厚み 定 着 性 端子温度試 料 (W/m・K) (mm) 両端部 中央部 (℃) 15-1 180 1.0 × ◎ 72 15-8 180 0.7 × ◎ 70 15-9 180 0.6 × ◎ 65 15-10 180 0.55 △ ◎ 60 15-11 180 0.5 ○ ◎ 57 15-12 180 0.4 ○ ◎ 50 17-1 80 1.0 ○ ◎ 58 17-8 80 0.7 ○ ◎ 53 17-9 80 0.6 ○ ◎ 50 17-10 80 0.55 ◎ ◎ 48 17-11 80 0.5 ◎ ◎ 44 17-12 80 0.4 ◎ ◎ 42 18-1 50 1.0 ◎ ◎ 51 18-8 50 0.7 ◎ ◎ 47 18-9 50 0.6 ◎ ◎ 45 18-10 50 0.55 ◎ ◎ 42 18-11 50 0.5 ◎ ◎ 40 18-12 50 0.4 ◎ ◎ 38
【0051】上記の結果から明らかなように、セラミッ
クス基板の両端の発熱体が形成されていない電極部の厚
みを薄くして、断面積を小さくすることによって、用紙
端部の定着性を向上させることができる。また、端子温
度についても、電極部の厚みを小さくする、即ち断面積
を小さくするに従って、端子温度を低下させることがで
きる。
【0052】次に、上記の試料15、17、18の各セ
ラミックス基板を300mm×10mm×1.0mm
(断面積10mm)に加工し、更に各基板の転写材
(用紙)が通過しない部分を図5〜図7に示す形状に加
工することにより、その部分の断面積を他の部分よりも
小さくした。即ち、図5のセラミックス基板11aは両
端部の基板側面に切取部11fを形成し、図6のセラミ
ックス基板12aでは両端部の基板裏面に切取部12f
を形成し、図7のセラミックス基板13aでは両端部の
基板側面に幅狭部13gを設け、図8のセラミックス基
板14aでは両端部に表裏面を貫通する貫通孔14hを
穿設した。尚、加工部分の断面積は下記表8に示すとお
りであるが、図7の場合は幅狭部13gの長さ方向中央
における断面積とした。
【0053】その後、上記各形状に加工した各セラミッ
クス基板11a、12a、13a、14aに、発熱体1
1b、12b、13b、14bと、両端部の電極11
c、12c、13c、14cと、オーバーコートガラス
層11d、12d、13d、14dを形成してセラミッ
クスヒータを作製した。得られた各セラミックスヒータ
について、上記と同様に定着性と端子温度に関する評価
を行い、その結果を表8に示した。ただし、表8の試料
中における符号aは図5の形状、符号bは図6の形状、
符号cは図7の形状、符号dは図8の形状を表す。ま
た、比較例として、転写材が通過する部分の基板裏面に
切取部を設けて断面積を小さくした形状のセラミックス
基板(図示せず)も作製し、これを符号eで示した。
【0054】
【表8】 熱伝導率 加工部分の 定 着 性 端子温度試 料 (W/m・K) 断面積(mm) 両端部 中央部 (℃) 15-a 180 5 ○ ◎ 59 15-b 180 6 △ ◎ 61 15-c 180 8 △ ◎ 63 15-d 180 8 △ ◎ 62 15-e 180 5 * ◎ 68 17-a 80 5 ◎ ◎ 46 17-b 80 6 ◎ ◎ 47 17-c 80 8 ○ ◎ 49 17-d 80 8 ○ ◎ 48 17-e 80 5 * ◎ 57 18-a 50 5 ◎ ◎ 41 18-b 50 6 ◎ ◎ 43 18-c 50 8 ○ ◎ 45 18-d 50 8 ○ ◎ 44 18-e 50 5 * ◎ 49 (注)表中の定着性欄における*は、トナーが耐熱性フィルムに一部転写される 状態(高温オフセット)は発生していることを示す(以下同じ)。
【0055】実施例5 窒化ケイ素粉末に、焼結助剤としてY、Al
、MgOから選択される2種以上の粉末を下記表9に
示す割合で添加し、実施例4と同様にしてシート作製、
窒素雰囲気中での脱脂を行い、更に表9に示す条件で焼
結及びHIP処理を行った。得られた各AlN焼結体に
ついて、レーザーフラッシュ法により熱伝導率を測定
し、その結果を表9に併せて示した。
【0056】
【表9】 原料粉末配合(重量%) 焼結条件 HIP条件 熱伝導率試料 SiN YO AlO MgO (℃×hr) (℃×気圧×hr) (W/m・K) 20 93 5 2 0 1800×3 無し 20 21 93 5 1 1 1700×3 1800×10×1 50 22 93 5 0 2 1700×3 1850×10×3 75 23 95 4 0 1 1700×3 1850×10×3 95
【0057】上記試料20〜23の各AlN焼結体を3
00mm×10mm×1.0mmに加工した後、実施例
4と同様に、全体の厚みを研磨により調整してセラミッ
クス基板とし、それぞれセラミックスヒータを作製し
た。得られた各セラミックスヒータについて定着性及び
端子温度の測定を行い、その結果を表10に示した。
【0058】
【表10】 熱伝導率 基板厚み 定 着 性 端子温度試 料 (W/m・K) (mm) 両端部 中央部 (℃) 20-1 95 1.0 △ ◎ 61 20-2 95 0.8 △ ◎ 60 20-3 95 0.7 △ ◎ 57 20-4 95 0.6 △ ◎ 55 20-5 95 0.55 ○ ◎ 48 20-6 95 0.5 ○ ◎ 45 20-7 95 0.4 ◎ ◎ 40 21-1 75 1.0 ○ ◎ 55 21-2 75 0.8 ○ ◎ 53 21-3 75 0.7 ○ ◎ 52 21-4 75 0.6 ○ ◎ 50 21-5 75 0.55 ◎ ◎ 46 21-6 75 0.5 ◎ ◎ 42 21-7 75 0.4 ◎ ◎ 39 22-1 50 1.0 ◎ ◎ 52 22-2 50 0.8 ◎ ◎ 50 22-3 50 0.7 ◎ ◎ 49 22-4 50 0.6 ◎ ◎ 45 22-5 50 0.55 ◎ ◎ 42 22-6 50 0.5 ◎ ◎ 40 22-7 50 0.4 ◎ ◎ 37 23-1 20 1.0 ◎ ◎ 45 23-2 20 0.8 ◎ ◎ 43 23-3 20 0.7 ◎ ◎ 42 23-4 20 0.6 ◎ ◎ 40 23-5 20 0.55 ◎ ◎ 39 23-6 20 0.5 ◎ ◎ 37 23-7 20 0.4 ◎ ◎ 35
【0059】次に、上記試料20、21、22、23の
各セラミックス基板を300mm×10mm×1.0m
mに加工した後、発熱体を形成しない部分(電極部を含
む)を下記表11に示す厚みに加工した。その後、各セ
ラミックス基板に発熱体、電極、ガラス層を形成してヒ
ータを作製した。得られた各セラミックスヒータについ
て、上記と同様に定着性と端子温度に関する評価を行
い、その結果を表11に併せて示した。
【0060】
【表11】 熱伝導率 電極部厚み 定 着 性 端子温度試 料 (W/m・K) (mm) 両端部 中央部 (℃) 20-1 95 1.0 △ ◎ 61 20-8 95 0.8 △ ◎ 59 20-9 95 0.7 △ ◎ 57 20-10 95 0.6 △ ◎ 56 20-11 95 0.55 ○ ◎ 49 20-12 95 0.5 ○ ◎ 45 20-13 95 0.4 ◎ ◎ 41 21-1 75 1.0 ○ ◎ 55 21-8 75 0.8 ○ ◎ 54 21-9 75 0.7 ○ ◎ 52 21-10 75 0.6 ○ ◎ 50 21-11 75 0.55 ◎ ◎ 46 21-12 75 0.5 ◎ ◎ 42 21-13 75 0.4 ◎ ◎ 39 22-1 50 1.0 ◎ ◎ 52 22-8 50 0.8 ◎ ◎ 50 22-9 50 0.7 ◎ ◎ 49 22-10 50 0.6 ◎ ◎ 45 22-11 50 0.55 ◎ ◎ 42 22-12 50 0.5 ◎ ◎ 40 22-13 50 0.4 ◎ ◎ 37 23-1 20 1.0 ◎ ◎ 45 23-8 20 0.8 ◎ ◎ 43 23-9 20 0.7 ◎ ◎ 42 23-10 20 0.6 ◎ ◎ 41 23-11 20 0.55 ◎ ◎ 39 23-12 20 0.5 ◎ ◎ 38 23-13 20 0.4 ◎ ◎ 35
【0061】上記の試料20〜23の各セラミックス基
板を300mm×10mm×1.0mm(断面積10m
)に加工し、更に実施例4と同様に、各基板の転写
材が通過しない部分を図5〜図7に示す形状に加工する
ことにより、その部分の断面積を他の部分よりも小さく
した。その後、上記各形状に加工した各セラミックス基
板を用いて、実施例4と同様に各試料ごとにa〜dの形
状のセラミックスヒータを作製した。得られた各セラミ
ックスヒータについて、同様に定着性と端子温度に関す
る評価を行い、その結果を表12に示した。尚、比較例
として、転写材が通過する部分の基板裏面に切取部を設
けて断面積を小さくした形状のセラミックス基板(図示
せず)も作製し、これを符号eで示した。
【0062】
【表12】 熱伝導率 加工部分の 定 着 性 端子温度試 料 (W/m・K) 断面積(mm) 両端部 中央部 (℃) 20-a 95 5 ○ ◎ 46 20-b 95 6 △ ◎ 48 20-c 95 8 △ ◎ 50 20-d 95 8 △ ◎ 49 20-e 95 5 * ◎ 57 21-a 75 5 ◎ ◎ 43 21-b 75 6 ◎ ◎ 44 21-c 75 8 ○ ◎ 46 21-d 75 8 ○ ◎ 45 21-e 75 5 * ◎ 54 22-a 50 5 ◎ ◎ 42 22-b 50 6 ◎ ◎ 42 22-c 50 8 ◎ ◎ 43 22-d 50 8 ◎ ◎ 42 22-e 50 5 * ◎ 51 23-a 20 5 ◎ ◎ 38 23-b 20 6 ◎ ◎ 39 23-c 20 8 ◎ ◎ 41 23-d 20 8 ◎ ◎ 40 23-e 20 5 * ◎ 49
【0063】実施例6 窒化アルミニウム粉末に焼結助剤としてY粉末を
1重量%、及びバインダーと溶剤を加え、ボールミルに
より24時間混合してスラリーを作製した。このスラリ
ーをドクターブレード法により焼結後の厚みが1.2m
mとなるようにシートに成形し、窒素雰囲気中にて70
0℃で脱脂した後、更に大気中にて種々の温度で再脱脂
を行った後、窒素雰囲気中にて1850℃で焼結した。
このように大気中での脱脂条件を変えて得られた各Al
N焼結体の熱伝導率をレーザーフラッシュ法により測定
し、その結果を下記表13に示した。
【0064】
【表13】
【0065】次に、上記表13の試料24〜27の各セ
ラミックス基板を長さ300mm×幅10mmに切断し
た後、各試料ごとに全体の厚みが0.4mm、0.5m
m、0.55mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、
1.0mmとなるように研磨した。その後、各セラミッ
クス基板の表面上に、アンダーコートガラス層を形成し
た。即ち、Al:CaO:SiO:ZnO=
3:2:1:1(重量比)の混合粉末に、バインダーと
してエチルセルロース、溶剤としてテルピネオールを加
えて混合し、得られたペーストをスクリーン印刷した
後、大気中にて850℃で焼き付けた。アンダーコート
ガラス層の厚みは全て70μmとなるように、スクリー
ン印刷時の厚みを調整した。
【0066】得られたアンダーコートガラス層上に、又
はアンダーコートガラス層のないセラミックス基板上
に、それぞれ発熱体としてAg−Pdペースト、電極と
してAgペーストを印刷し、大気中にて850℃で焼き
付けた。最後に、各セラミックス基板の発熱体を覆うオ
ーバーコートガラス層として、グレーズガラスをスクリ
ーン印刷し、大気中にて700℃で焼き付けることによ
り、それぞれセラミックスヒータを作製した。
【0067】かくして得られた各セラミックスヒータを
定着器に取り付け、16ppmの速度で定着性試験を行
い、その結果を実施例1と同様に評価して下記表14に
示した。また、端子温度の測定を行い、その結果を表1
4に併せて示した。
【0068】
【表14】 熱伝導率 基板厚み アンタ゛ーコート 定 着 性 端子温度試 料 (W/m・K) (mm) カ゛ラス層有無 両端部 中央部 (℃) 24-1-a 80 1.0 有り ◎ ◎ 50 24-1-b 80 1.0 無し △ ◎ 58 24-2-a 80 0.8 有り ◎ ◎ 48 24-2-b 80 0.8 無し ○ ◎ 56 24-3-a 80 0.7 有り ◎ ◎ 47 24-3-b 80 0.7 無し ○ ◎ 54 24-4-a 80 0.6 有り ◎ ◎ 46 24-4-b 80 0.6 無し ○ ◎ 51 24-5-a 80 0.55 有り ◎ ◎ 44 24-5-b 80 0.55 無し ◎ ◎ 47 24-6-a 80 0.5 有り ◎ ◎ 42 24-6-b 80 0.5 無し ◎ ◎ 45 24-7-a 80 0.4 有り ◎ ◎ 39 24-7-b 80 0.4 無し ◎ ◎ 40 25-1-a 70 1.0 有り ◎ ◎ 49 25-1-b 70 1.0 無し △ ◎ 56 25-2-a 70 0.8 有り ◎ ◎ 47 25-2-b 70 0.8 無し ○ ◎ 53 25-3-a 70 0.7 有り ◎ ◎ 46 25-3-b 70 0.7 無し ○ ◎ 53 25-4-a 70 0.6 有り ◎ ◎ 45 25-4-b 70 0.6 無し ◎ ◎ 49 25-5-a 70 0.55 有り ◎ ◎ 42 25-5-b 70 0.55 無し ◎ ◎ 46 25-6-a 70 0.5 有り ◎ ◎ 41 25-6-b 70 0.5 無し ◎ ◎ 44 25-7-a 70 0.4 有り ◎ ◎ 38 25-7-b 70 0.4 無し ◎ ◎ 39 26-1-a 60 1.0 有り ◎ ◎ 48 26-1-b 60 1.0 無し ○ ◎ 55 26-2-a 60 0.8 有り ◎ ◎ 46 26-2-b 60 0.8 無し ○ ◎ 52 26-3-a 60 0.7 有り ◎ ◎ 45 26-3-b 60 0.7 無し ◎ ◎ 52 26-4-a 60 0.6 有り ◎ ◎ 43 26-4-b 60 0.6 無し ◎ ◎ 47 26-5-a 60 0.55 有り ◎ ◎ 41 26-5-b 60 0.55 無し ◎ ◎ 44 26-6-a 60 0.5 有り ◎ ◎ 40 26-6-b 60 0.5 無し ◎ ◎ 42 26-7-a 60 0.4 有り ◎ ◎ 36 26-7-b 60 0.4 無し ◎ ◎ 38 27-1-a 50 1.0 有り ◎ ◎ 47 27-1-b 50 1.0 無し ○ ◎ 52 27-2-a 50 0.8 有り ◎ ◎ 45 27-2-b 50 0.8 無し ○ ◎ 50 27-3-a 50 0.7 有り ◎ ◎ 43 27-3-b 50 0.7 無し ◎ ◎ 48 27-4-a 50 0.6 有り ◎ ◎ 41 27-4-b 50 0.6 無し ◎ ◎ 45 27-5-a 50 0.55 有り ◎ ◎ 39 27-5-b 50 0.55 無し ◎ ◎ 43 27-6-a 50 0.5 有り ◎ ◎ 38 27-6-b 50 0.5 無し ◎ ◎ 41 27-7-a 50 0.4 有り ◎ ◎ 35 27-7-b 50 0.4 無し ◎ ◎ 37
【0069】次に、上記表13の試料24〜27の各セ
ラミックス基板を長さ300mm×幅10mmに切断し
た後、厚みを1.0mmの研磨し、更に図5に示すよう
に両端部に切取部11fを設けることにより幅を狭くし
て、その部分の断面積を小さくした。その後、上記と同
様にアンダーコートーガラス層を設けるか又は設けるこ
となくセラミックスヒータを作製し、その定着性と端子
温度を状基と同様に測定して、その結果を下記表15に
示した。
【0070】
【表15】 熱伝導率 基板厚み アンタ゛ーコート 定 着 性 端子温度試 料 (W/m・K) (mm) カ゛ラス層有無 両端部 中央部 (℃) 24-1-c 80 1.0 有り ◎ ◎ 41 24-1-d 80 1.0 無し ◎ ◎ 46 25-1-c 70 1.0 有り ◎ ◎ 40 25-1-d 70 1.0 無し ◎ ◎ 44 26-1-c 60 1.0 有り ◎ ◎ 38 26-1-d 60 1.0 無し ◎ ◎ 43 27-1-c 50 1.0 有り ◎ ◎ 36 27-1-d 50 1.0 無し ◎ ◎ 41
【0071】以上のように、セラミックス基板の断面積
を小さくすると同時にアンダーコーーガラス層を組み合
わせることにより、セラミックスヒータの両端部におけ
る定着性をより一層向上させ、端子温度の低下を図るこ
とができる。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、セラミックス基板と発
熱体の間にガラス層を介在させること及び/又はセラミ
ックス基板の断面積を小さくすることによって、セラミ
ックス基板に設けた電極や端子の温度上昇を抑制して酸
化による接触不良を防止し、同時に転写材の両端部にお
ける定着性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるセラミックスヒータの一具体例を
示す概略の断面図である。
【図2】セラミックスヒータを用いたトナー定着器を示
す概略の断面図である。
【図3】図2のセラミックスヒータ部分を拡大して示す
概略の断面図である。
【図4】従来のセラミックスヒータを示す概略の断面図
である。
【図5】本発明によるセラミックス基板両端部の側面に
切取部を有するセラミックスヒータを示す概略の平面図
である。
【図6】本発明によるセラミックス基板両端部の裏面に
切取部を有するセラミックスヒータを示す概略側面図で
ある。
【図7】本発明によるセラミックス基板両端部の側面に
幅狭部を設けたセラミックスヒータを示す概略の平面図
である。
【図8】本発明によるセラミックス基板両端部に貫通孔
を穿設したセラミックスヒータを示す概略の平面図であ
る。
【符号の説明】
1、10、11、12、13、14 セラミックスヒ
ータ 1a、10a、11a、12a、13a、14a セ
ラミックス基板 1b、10b、11b、12b、13b、14b 発
熱体 1c、10c、11c、12c、13c、14c 電
極 1d、10d、11d、12d、13d、14d オ
ーバーコートガラス層 2 支持体 3 耐熱性フィルム 4 加圧ローラ 5 転写材 10e アンダーコートガラス層 11f、12f 切取部 13g 幅狭部 14h 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA02 BA25 BA26 BB02 BB14 BB18 BB21 BB28 BE03 3K058 AA12 AA28 AA45 BA18 CA12 CA23 CA61 CE02 CE13 CE19 GA06 3K092 PP18 QA05 QB02 QB33 QB75 QB76 QC05 QC06 QC25 RF03 RF11 RF17 RF26 TT28 UA06 VV09 VV25 VV34

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー画像加熱定着装置に用いられる加
    熱ローラ用のセラミックス基板上に発熱体を設けたセラ
    ミックスヒータであって、該セラミックス基板の熱伝導
    率が50W/m・K以上であり、該セラミックス基板と
    前記発熱体との間にガラス層を備えることを特徴とする
    セラミックスヒータ。
  2. 【請求項2】 トナー画像加熱定着装置に用いられる加
    熱ローラ用のセラミックス基板上に発熱体を設けたセラ
    ミックスヒータであって、該セラミックス基板の熱伝導
    率が30W/m・K以上であり、該セラミックス基板の
    長手方向の一部に断面積の小さい部分を設けることを特
    徴とするセラミックスヒータ。
  3. 【請求項3】 トナー画像加熱定着装置に用いられる加
    熱ローラ用のセラミックス基板上に発熱体を設けたセラ
    ミックスヒータであって、該セラミックス基板の熱伝導
    率が30W/m・K以上であり、該セラミックス基板と
    前記発熱体との間にガラス層を備えると共に、該セラミ
    ックス基板の長手方向の一部に断面積の小さい部分を設
    けることを特徴とするセラミックスヒータ。
  4. 【請求項4】 前記セラミックス基板の熱伝導率が30
    〜80W/m・Kであることを特徴とする、請求項2又
    は3に記載のセラミックスヒータ。
  5. 【請求項5】 前記セラミックス基板の断面積の小さい
    部分は、他の部分よりも幅又は厚みが小さいか、若しく
    はその部分に貫通孔を有することを特徴とする、請求項
    2〜4のいずれかに記載のセラミックスヒータ。
  6. 【請求項6】 前記断面積の小さい部分を、該セラミッ
    クス基板の転写材が通過しない側に設けるか、又は転写
    材が通過する側で転写材と対向しない両側部分に設ける
    ことを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載のセ
    ラミックスヒータ。
  7. 【請求項7】 前記セラミックス基板の主成分が、窒化
    アルミニウム、窒化ケイ素、及び炭化ケイ素からなる群
    より選択されたセラミックスからなることを特徴とす
    る、請求項1〜6のいずれかに記載のセラミックスヒー
    タ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016173474A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 アルプス電気株式会社 定着機用加熱ヒータ
JP2021012296A (ja) * 2019-07-05 2021-02-04 ブラザー工業株式会社 定着装置
JP7465448B2 (ja) 2020-06-08 2024-04-11 株式会社リコー 加熱体、加熱装置、定着装置および画像形成装置

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