JP2015176030A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】非通紙部昇温および端部オフセットの抑制を両立させる定着装置を提供する。
【解決手段】定着装置で、ヒータと、前記ヒータと接触して加熱される第1の回転体と、前記第1の回転体に対向し前記第1の回転体と共に記録材上のトナー像を定着する定着ニップ部を形成する対向体と、前記ヒータと接触する熱伝導性部材と、を有する定着装置であって、前記熱伝導性部材における記録材搬送方向に直交する長手方向の長さに関し、記録材搬送方向の中心位置、下流端に対応した夫々の前記長手方向の長さをL1、L2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする。
L1>L2
【選択図】図5

Description

本発明は、記録材上に画像を形成する機能を備えた、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる定着装置に関する。
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置には、トナーを用いた電子写真方式が多く用いられている。これらの画像形成装置に用いられる定着装置として、セラミックの基板上に抵抗発熱体のパターンを設けたセラミックヒータを加熱体とし、加熱体によって加熱される筒状の回転体としての無端ベルトである定着フィルムを用いるものが知られる。即ち、記録材を筒状の回転体と加圧ローラによって圧接し、圧接部(定着ニップ部)で画像を担持した記録材を加熱しながら挟持搬送させることで、トナー像を固着画像として定着するフィルム加熱方式の定着装置が知られている。
このようなフィルム加熱方式の定着装置の特徴として、セラミックヒータや、定着フィルムに低熱容量のものを用いることができることから、短時間でそれらの温度を定着可能な温度に上昇させることができる。このため、フィルム加熱方式の定着装置は、ウエイトタイムの短縮化(クイックスタート性:オンデマンドで作動)や省電力化が可能となるうえ、更に画像形成装置本体の装置内の昇温を抑えることができる等の利点を有する。
フィルム加熱方式の定着装置では、長手方向に関して、印字可能最大幅の記録材(最大サイズ紙)より幅の狭い記録材(小サイズ紙)を通紙した時に、非通紙領域での温度が徐々に上昇する現象(非通紙部昇温)が発生する。この非通紙部昇温は、高速印字するほど温度の上昇が大きくなるため、高生産性を得るための課題の一つとなっている。
この非通紙部昇温を抑制する方法の1つとして、セラミックヒータ等の加熱体裏面に高熱伝導部材を接触配置することによって、長手方向の熱伝導性を向上させる方法が知られている(特許文献1、2)。
[特許文献1] 特開平11−84919号公報
[特許文献2] 特開2003−317898号公報
しかしながら、加熱体裏面に高熱伝導部材を接触配置した場合に、長手方向の端部の温度低下(端部温度ダレ)が発生する。これは、高熱伝導部材を用いることで加熱体端部の温度低下が生じるためである。この結果、最大サイズ紙など長手方向の幅が大きい記録材を通紙した際に画像端部のトナーが溶融不足となり、長手方向の端部の定着性が低下(端部オフセット)が発生してしまう場合があった。
本発明の目的は、非通紙部昇温および端部オフセットの抑制を両立させる定着装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る定着装置は、ヒータと、前記ヒータと接触して加熱される第1の回転体と、前記第1の回転体に対向し前記第1の回転体と共に記録材上のトナー像を定着する定着ニップ部を形成する対向体と、前記ヒータと接触する熱伝導性部材と、を有する定着装置であって、前記熱伝導性部材における記録材搬送方向に直交する長手方向の長さに関し、記録材搬送方向の中心位置、下流端に対応した夫々の前記長手方向の長さをL1、L2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする。
L1>L2
また、本発明に係る別の定着装置は、励磁コイルと、前記励磁コイルからの磁束により発熱する第1の回転体と、前記第1の回転体に対向し前記第1の回転体と共に記録材上のトナー像を定着する定着ニップ部を形成する対向体と、前記第1の回転体に対して前記対向体とは反対側で前記第1の回転体と接触する熱伝導性部材と、を有する定着装置であって、前記熱伝導性部材における記録材搬送方向に直交する長手方向の長さに関し、記録材搬送方向の中心位置、下流端に対応した夫々の前記長手方向の長さをL1、L2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする。
L1>L2
また、本発明に係る別の定着装置は、通電により発熱する発熱層を備えた第1の回転体と、前記第1の回転体に対向し前記第1の回転体と共に記録材上のトナー像を定着する定着ニップ部を形成する対向体と、前記第1の回転体に対して前記対向体とは反対側で前記第1の回転体と接触する熱伝導性部材と、を有する定着装置であって、前記熱伝導性部材における記録材搬送方向に直交する長手方向の長さに関し、記録材搬送方向の中心位置、下流端に対応した夫々の前記長手方向の長さをL1、L2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする。
L1>L2
本発明によれば、非通紙部昇温および端部オフセットの抑制を両立させる定着装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る定着装置を搭載したカラー画像形成装置を示す概略構成図である。 第1の実施形態に係る定着装置を示す断面図である。 第1の実施形態に係る定着装置に用いられるフィルムアセンブリユニットの分解斜視図である。 第1の実施形態に係る定着装置の一部切欠き正面図である。 (a)は第1の実施形態に係るAL板構成を表す長手構成を示す加圧方向断面図、(b)はAL板構成を表す長手構成を示す搬送方向断面図である。 第1の実施形態に係る定着装置内セラミックヒータ裏面の温度分布の模式図である。 第1の実施形態に係る構成における「端部オフセット」が発生しやすい条件下での端部の熱の流れの模式図である。 比較例として定着ニップ部Nに対応した位置のみにAL板を短くした構成における「端部オフセット」が発生しやすい条件下での端部の熱の流れの模式図である。 第1の実施形態に係る構成における「非通紙部昇温」発生時の端部の熱の流れの模式図である。 比較例として定着ニップ部Nに対応した位置のみにAL板を短くした構成における「非通紙部昇温」発生時の端部の熱の流れの模式図である。 (a)は第2の実施形態に係るグラファイトシート構成を表す長手構成を示す加圧方向断面図、(b)はグラファイトシート構成を表す長手構成を示す搬送方向断面図である。 第3の実施形態に係るAL板構成を表す長手構成を示す搬送方向断面図である。 第4の実施形態に係るAL板構成を表す長手構成を示す搬送方向断面図である。 (a)乃至(f)は第5の実施形態に係る高熱伝導率部材構成を表す長手構成を示す搬送方向断面図である。 その他の実施形態に係る高熱伝導率部材構成を表す長手構成を示す搬送方向断面図である。
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図1を参照して、本発明の実施形態に係る定着装置を搭載した画像形成装置の構成について説明する。図1は、一般的なカラー画像形成装置(本実施形態では、電子写真方式の中間転写方式のフルカラープリンタ)の概略構成図である。
このカラー画像形成装置は、イエロー色の画像を形成する画像形成部1Yと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部1Mと、シアン色の画像を形成する画像形成部1Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部1Bkの4つの画像形成部(画像形成部)を備える。これらの4つの画像形成部は、一定の間隔をおいて一列に配置されている。
各画像形成部1Y,1M,1C,1Bkには、それぞれ像担持体としての感光体ドラム2a,2b,2c,2dが設置されている。各感光体ドラム2a,2b,2c,2dの周囲には、以下の部材が設けられる。即ち、帯電手段としての帯電ローラ3a,3b,3c,3d、現像手段としての現像装置4a,4b,4c,4d、転写手段としての転写シート5a,5b,5c,5d、ドラムクリーニング装置6a,6b,6c,6dがそれぞれ設置されている。
そして、帯電ローラ3a,3b,3c,3dと現像装置4a,4b,4c,4d間の上方には、露光装置7a,7b,7c,7dがそれぞれ設置されている。各現像装置4a,4b,4c,4dには、それぞれ負帯電特性のイエロートナー,マゼンタトナー,シアントナー,ブラックトナーが収納されている。
感光体ドラム2a,2b,2c,2dは、本実施形態では負帯電の有機感光体でアルミニウムのドラム基体上に感光層を有しており、不図示の駆動装置によって矢印方向(反時計方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。
帯電ローラ3a,3b,3c,3dは、それぞれ感光体ドラム2a,2b,2c,2dに所定の圧接力で接触している。そして、不図示の帯電バイアス電源によって、所望の帯電バイアスを印加され、各感光体ドラム2a,2b,2c,2d表面を所定の電位に均一に帯電する。なお、本実施形態では、各感光体ドラム2a,2b,2c,2dは、各帯電ローラ3a,3b,3c,3dにより負極性に帯電される。
露光装置(レーザスキャナ装置)7a,7b,7c,7dは、ホストコンピュータ(不図示)からそれぞれ入力される画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザ光がレーザ出力部(不図示)から出力される。そして、各反射ミラー(不図示)を介して各感光体ドラム2a,2b,2c,2d表面を画像露光することにより、各帯電ローラ3a,3b,3c,3dで帯電された各感光体ドラム2a,2b,2c,2d表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する。
現像装置4a,4b,4c,4dは、現像方式として、接触現像方式を用いており、現像剤担持体としての現像ローラを有している。現像ローラ上の薄層担持されたトナーは、不図示の現像駆動手段により回転した現像ローラにより感光体ドラム2a,2b,2c,2dとの対向部(現像部)に搬送される。そして、感光体ドラム上に形成された静電潜像は、不図示の現像電圧印加手段によって、現像ローラに印加された現像バイアスによりトナー像として現像(反転現像)される。
現像装置4a,4b,4c,4dにおける各現像ローラと各感光体ドラムは、フルカラー画像形成モードでは当接であり、後述するモノカラー画像形成モードでは画像を形成する現像部以外の現像ローラと感光体ドラムは離間するような構成となっている。これは、現像ローラとトナーの劣化、消耗を防止するためである。
シート状転写手段としての転写シート5a,5b,5c,5dは、導電性を持たせた樹脂により形成されたシートにより構成されている。また、転写シート加圧部材としての転写パッド15a,15b,15c,15dは、ゴムなどにより形成された弾性体により構成されている。
中間転写ベルト20は、半導電性を持たせた樹脂により無端ベルト状に形成されている。中間転写ベルト20は、駆動ローラ21、テンションローラ22、2次転写対向ローラ23により張架され、テンションローラ22に対する不図示の加圧手段によりテンションがかけられており、駆動ローラ21により回転駆動される。
感光ドラム2aには、無端ベルト状の中間転写体である中間転写ベルト20が当接している。転写シート5aは、中間転写ベルト20と当接し、さらに、転写パッド15aに当接し、押圧されている。結果、転写パッド15aは転写シート5aと、中間転写ベルト20を介して各感光ドラム2aを押圧している。転写シート5aには、1次転写電源としての1次転写用電源(不図示)が接続されている。感光ドラム2a上に現像されたトナー像は、1次転写電圧が印加された転写シート5aにより、回転している中間転写ベルト20上に1次転写される。
以上が画像形成部1Yの転写部構成であり、他の画像形成部1M,1C,1Bkについても同様の構成となっている。画像形成部1Yと同様にして中間転写ベルト20上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に、画像形成部1C,1Bkの感光ドラム2c,2dで形成されたイエロー,ブラックのトナー像を各1次転写部にて順次重ね合わせる。このようにして、フルカラーのトナー像が中間転写ベルト20上に形成される。
2次転写ローラ24は、中間転写ベルト20の外側方向から2次転写対向ローラ23部を押圧しており、中間転写ベルト20に接離自在な構成となっている。記録材Pは、2次転写ローラ24と中間転写ベルト20の当接部に搬送される。2次転写ローラ24には、2次転写電源としての2次転写用電源(不図示)が接続されている。中間転写ベルト20上に1次転写されたトナー像は、2次転写電圧が印加された2次転写ローラにより、搬送されている記録材P上に2次転写される。
中間転写ベルト20と2次転写ローラ24の当接部の、中間転写ベルト20回転方向下流側には、中間転写ベルト20表面に残った転写残トナーを除去して回収するためのベルトクリーニング装置が設けられる。即ち、クリーニング用帯電部材としての帯電ローラ25(以後、クリーニング用帯電ローラ25と呼ぶ)が接触している。このクリーニング用帯電ローラ25には不図示のクリーニング用電源が接続され、クリーニング電圧が印加されたクリーニング用帯電ローラ25により、転写残トナーは除去される。
また、使用する環境の変化、画像形成枚数等の諸条件によらず、安定した色レジや、画像濃度を得るために、駆動ローラ21の近傍に、色レジ補正・濃度補正用センサユニット50が設けられている。色レジ補正・濃度補正用センサユニット50は、LEDなどの発光素子、フォトダイオードやCdSなどの受光素子から構成されている。
2次転写ローラ24の記録材Pの搬送方向下流側には、定着フィルム30および加圧ローラ33を有する定着装置12が設置されている。そして、記録材Pを定着フィルム30と加圧ローラ33間に搬送することにより、同時に記録材上のトナー像tを加熱、加圧して記録材P表面に固着画像として定着する。
また、色レジ補正および濃度補正時には、トナー像を中間転写ベルト20上に形成し、回転移動する中間転写ベルト20上のトナー像及びトナー像の無い部分に発光素子からの光を照射する。そして、そこからの反射光を受光素子で受けることにより、トナー像パッチの形成された位置および濃度を測定する。色レジ補正時には、トナー像の有無の間隔を測定することで色レジを補正する。また、濃度補正時には、トナー像の濃度を測定することで、濃度を補正する。
本実施形態のカラー画像形成装置は、複数の用紙サイズに対応しており、Letter紙(約216mm×279mm)、A4紙(210mm×297mm)、A5紙(148mm×210mm)を含む複数の用紙サイズをプリントできる。基本的に紙を縦送りする(長辺が搬送方向と平行になるように搬送する)プリンタであり、対応している定型の記録材サイズ(カタログ上の対応用紙サイズ)のうち最も大きな(幅が大きな)サイズはLetter紙の約216mm幅である。このように、画像形成装置が対応する最大サイズよりも小さな紙幅の用紙(A4紙、A5紙)を、本提案では小サイズ紙と定義する。
(定着装置)
次に、定着装置12について説明する。定着装置12は、テンションレスタイプのフィルム加熱方式である。テンションレスタイプのフィルム加熱方式の定着装置12は、耐熱性フィルムとして無端ベルト状(もしくは円筒状)のものを用いる。そして、フィルムの周長の少なくとも一部は常にテンションフリー(テンションが加わらない状態)とし、フィルムは加圧体の回転駆動力で回転駆動するようにしている。
ここで、セラミックヒータ32と接触する第1の回転体としての定着フィルム30と、これに対向する対向体として第2の回転体としての加圧ローラにより、定着ニップ部Nが形成され、トナー像が形成された記録材は定着ニップ部Nで挟持搬送される。以下、フィルム加熱方式の定着装置について詳細を説明する。図2は、本実施形態に係る定着装置を示す断面図である。また、図3は同定着装置に用いられるフィルムアセンブリユニットの分解斜視図、図4は同定着器の一部切欠き正面図である。
1)ヒータホルダ
ヒータホルダ31は、セラミックヒータ32を支持する支持部材として機能すると共に、円筒状である第1の回転体としての定着フィルム30の回転走行を案内するものである。ヒータホルダ31は、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PPS、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂とセラミックス、金属、ガラス等との複合材料等を好適に用いることができる。
中でも耐熱温度が高く、モールド成型ができ、寸法安定性に優れる液晶ポリマーを特に好適に用いることができる。液晶ポリマーには、以下のような利点がある。まず、耐熱温度が高いためにヒータの設定温度の自由度が大きくできる。また、モールド成型できるために、生産性が良く大量生産が可能である。さらには、寸法安定性に優れるため加圧部材への押圧力を均等にすることができ、紙搬送性能が安定するというメリットがある。
2)セラミックヒータ
加熱体としてのセラミックヒータ32は、細長い板形状を有している。セラミックヒータ32は、耐熱性が高いセラミック基板(本実施形態においては、熱伝導率が30W/mKのアルミナを用いている)にヒータ部としての抵抗発熱体82と、電極が印刷されており、さらにヒータ部を保護するガラスコート層が設けられている。抵抗発熱体82は2本用い、2つの電極を片側に配置している。そして、ガラスコート層が定着フィルム30と触れる側に設置される。
ガラスコート層は一般に定着フィルム30よりも硬く、表面の凹凸が大きいと定着フィルム30を削ってしまい、スリップが発生しやすくなってしまうため、なるべく鏡面に近い平滑な構成としてある。
3)定着フィルム
第1の回転体である定着フィルム30は、無端ベルト状(もしくは円筒状)の基層外側に弾性層を設け、さらにその外側に離型層を設けた部材である。離型層は、定着フィルム30表面にトナーが一旦付着し、再度、記録材Pに移動することで発生するオフセット現象を防止する層であり、厚み5〜70μm程度の離型性の良好なPFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂を好適に用いることができる。本実施形態では、厚み15μmのPFAチューブを用いてことで、簡便に、均一なフッ素樹脂層を形成することができる。
弾性層は、特にカラー画像形成装置における定着装置において用いられることが多いものであり、弾性層によって、記録材P表面の凹凸によらずトナー像tを包み込んだ形でトナー像tを加熱することを可能とする。その結果、均一なカラー光沢画像を得ることを可能にしている。本実施形態において、弾性層には比較的熱伝導率の高いシリコーンゴム層を用いている。これにより、より高いオンデマンド性と、より良好な定着性能を得ることができる。
基層は、定着フィルム30の最も内面側のヒータと接する層である。基層は耐熱性に優れ、可撓性があるポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等が用いられ、単体での厚み10〜100μm程度で形成されている。
定着ニップ部Nにおいて、セラミックヒータ32の熱を記録材P上のトナー像tにより効率的に伝えるために、定着フィルム30はセラミックヒータ32に十分にならって密着できるような可撓性を有することが重要である。可撓性を向上させるためには、より層を薄くすることが有効である。一方で、定着フィルム30は基層により機械的強度を保っていることから、極端に基層の厚みが薄い場合、強度が低下してフィルムが変形し、シワが入りやすくなることや、端部が座屈しやすくなるなど必要な強度を得られなくなってしまう。
これを防止するために、基層がポリイミドの場合、厚みは10μm以上であることが必要である。本実施形態ではマイクロメータで計測した厚みが50μm、内径が18mmの円筒状のポリイミド樹脂を用いている。
4)具体的構成
図2の断面図を参照して、定着装置の具体的構成について説明する。補強部材34は、鉄等の金属からなり、ヒータホルダ31を加圧ローラ33側に押圧する圧力でも大きく変形しないように強度を維持する部材である。セラミックヒータ32は、ヒータホルダ31と補強部材34を介して加圧ローラ33側に後述の押圧手段によって押圧されている。押圧されて加圧ローラ33と定着フィルム30が密着している領域が、圧接領域としての定着ニップ部Nである。
そして、加圧ローラの加圧位置と、セラミックヒータ32の記録材搬送方向中央部の位置は略同一としている。また、セラミックヒータ32の幅(記録材搬送方向の長さ)が定着ニップ部Nの幅以上の構成となっている。
次に、図3の斜視図を参照して説明する。ヒータホルダ31は、横断面で略樋型形状を有しており、桶型の内側に補強部材34が嵌合する。ヒータホルダ31の加圧ローラ33と対向する側にはヒータ受け溝が設けられており、セラミックヒータ32がヒータ受け溝に嵌って所望の位置に嵌合される。この際に、セラミックヒータ32とヒータ受け溝間には、後述するAL板81を挟んで配置している。また、ヒータホルダ31には不図示のサーミスタも取り付けられ、セラミックヒータ32およびAL板81がヒータ受け溝に嵌合されたときにAL板81と当接する位置に配置される。
定着フィルム30は、上述の部品が組みつけられたヒータホルダ31の外側に周長に余裕を持って外嵌している。定着フィルム30の円筒形状の軸方向(図中で定着フィルムが挿入される矢印方向)を、以後長手方向と称する。長手方向は、記録材搬送方向に直交する方向に対応する。
補強部材34の張り出し部は、定着フィルム30の両端から突き出ており、両端それぞれにフランジ部材36を嵌着させ、全体でフィルムアセンブリユニットとして組み立てられる。
定着フィルム30の片側端からセラミックヒータ32の給電端子も突出しており、給電コネクタ35が嵌合されている。給電コネクタ35が、セラミックヒータ32の電極部と当接圧を持って接触し、給電経路を作っている。
第2の回転体としての加圧ローラ33は、金属からなる芯金と、弾性特性を有するシリコーンゴムからなる弾性層と、離型性を有する離型層とからなる。加圧ローラ33の芯金の片側の端部には、駆動ギア44が取り付けられており、不図示の駆動手段により回転駆動力を受け、加圧ローラ33を回転させている。
次に、図4の正面図を参照して説明する。フランジ部材36は、回転走行する定着フィルム30の長手方向への移動を規制し、定着装置が稼働中の定着フィルムの位置を規制するものである。フランジ部材36のつば(定着フィルム端部を規制する部分)は、左側と右側の間の距離が定着フィルム30の長手方向の長さより長くなるように設置されている。
これは、通常使用時にフィルム端部にダメージを与えないためである。また、定着フィルム30よりも加圧ローラ33の長手方向の長さが約10mm程度短くなっている。これは、定着フィルム30の端部からはみ出したグリスが加圧ローラに接触してグリップ力を失いスリップが発生することを防止するためである。
フィルムアセンブリユニットは、加圧ローラ33に対向して設けられ、図内の左右方向への移動は規制され、上下方向の移動は移動自在となるよう定着装置の天板側筐体39に支持されている。定着装置の天板側筐体39には、加圧バネ38が圧縮した状態で取り付けられている。加圧バネの押圧力は補強部材34の張り出し部が受けており、加圧ローラ33側に補強部材34が押圧され、フィルムアセンブリユニット全体が加圧ローラ側に押圧するようになっている。
加圧ローラ33の芯金を軸支するように、軸受け37が設けられている。フィルムアセンブリユニットからの押圧力を、加圧ローラ33を介して軸受け37が受け止めている。比較的高温になる加圧ローラの芯金を回転自在に支持するために、軸受けの材質は耐熱性があって、かつ摺動性に優れる材質が用いられる。軸受け37は、定着装置の底側筐体40に取り付けられている。
5)定着動作
次に、図2の断面図を参照して定着装置の動作について説明する。セラミックヒータ32の定着フィルム30と触れる反対側の面には温度検知素子であるサーミスタ41が当接されている。サーミスタ41の検知温度を基に、不図示の制御手段にてセラミックヒータ32に供給する電力を制御し、セラミックヒータ32を所望の温度になるようにしている。
加圧ローラは、不図示の駆動手段により回転駆動を受け、定着ニップ部Nでの加圧ローラ33と定着フィルム30外面との摩擦力により、定着フィルム30を従動回転させる。
定着フィルム30とセラミックヒータ32、ヒータホルダ31とは押圧されながら摺動するため、その摩擦抵抗を軽減するためにヒータの表面に不図示のグリス(潤滑剤)が塗られている。グリスは液体潤滑剤であるフッ素オイルをベースとしてフッ素オイルと、固体潤滑剤であるフッ素樹脂を混合、分散させた耐熱性グリスである。そして、定着フィルム30とセラミックヒータ32との間にグリスを介在させて、長期間の使用でも良好な摺動性を維持するようになっている。
上述したようにトナー像tを転写することによって画像が形成された記録材Pは、定着フィルム30と加圧ローラ33間の定着ニップ部Nに搬送される。記録材Pの先端が確実に定着ニップ部Nに導入されるように、案内部材42が設けられている。記録材P上のトナー像tは、定着ニップ部Nで十分な圧力と温度を受けて溶融し、記録材P上に固着画像として定着される。
6)熱伝導性部材
次に、熱伝導性部材としてのAL板81について詳細を説明する。本実施形態では、AL板81をセラミックヒータ32の裏面に配置した場合に、定着ニップ部Nに対応した位置での長手方向の長さを長くし、定着ニップ部N以外の搬送方向上下流位置での長手方向の長さを短くする。これにより、「非通紙部昇温」と「端部オフセット」をより高いレベルで両立することのできる定着装置として、高速印字可能な画像形成装置に好適なものとなる。
図5を用いて、高熱伝導部材としてのAL板81の位置関係について説明する。図5(a)は定着装置の長手方向の構成を示した、加圧ローラ33の加圧方向の断面図であり、図5(b)は記録材搬送方向の断面図である。それぞれセラミックヒータ32と、抵抗発熱体82と、AL板81との長手位置を示している。
図5(a)に示すように、本実施形態においては、高熱伝導部材としてのAL板81をヒータホルダ31に取り付けた後に、さらにセラミックヒータ32を取り付ける。この結果、セラミックヒータ32の長手中央部は、AL板81を挟んでヒータホルダ31に支持され、また、セラミックヒータ32の長手端部はヒータホルダ31に接触して支持される。また、セラミックヒータ32とAL板81の接触面においては、不図示のグリスを塗布している。グリスは前述の耐熱性グリスを共用している。セラミックヒータ32とAL板81の間にグリスを介在させて、両者間の接触熱抵抗を低減させている。
さらに、図5(b)に示すように、本実施形態のセラミックヒータ32の基板は、長手方向長さが270mm、短手方向長さが7.0mm、厚みが1.0mmの板状の形状であり、抵抗発熱体82の長手長さは218mmで、同一抵抗の2本パターンを形成している。
AL板81は厚みが0.3mmの純アルミニウム(A1050)からなる直方体の形状をしており、長手方向幅は、記録材搬送方向中央部が217mm、記録材搬送方向端部が213mmと両端部ともそれぞれ2mmずつ中央部のほうが凸の形状としている。長手方向中央部における搬送方向幅は7.2mmであり、長手方向端部における搬送方向幅は、4mm(両側を1.6mm切り欠いた形状)となっている。
AL板81は、熱伝導率が230W/mKであり、セラミックヒータのアルミナの熱伝導率が30W/mKである(即ち、熱伝導性部材の熱伝導率は、ヒータが保持される絶縁性基板の熱伝導率より高い)。このため、熱伝達が非常に良く端部昇温の抑制を可能にしている。アルミニウム以外にも金・銀・銅等の熱伝導性の高い金属が好ましく、ついで熱伝導性の良いマグネシウムやニッケル、更には上記金属を主材料とする例えば黄銅やジェラルミンなどの合金などを用いることも可能である。
7)搬送方向の温度分布
次に、セラミックヒータ32内の通紙中の搬送方向の温度分布について説明する。図6に、セラミックヒータ32のヒータホルダ31側の底面(以後、ヒータ裏面と記載する)の搬送方向の温度分布の模式図を示す。
7ー1)大サイズ紙における端部オフセット条件時
図6の実線が示している温度分布は、セラミックヒータ32内の、長手方向が最大サイズの記録材の端部の位置のものであり、条件としては、「端部オフセット」の厳しい、定着装置が室温と同じ温度の状態から記録材を1枚通紙したときの温度分布である。
このとき、室温状態から定着装置を定着可能に立ち上げ、さらに記録材を通紙するまでの間に、加圧ローラ33と定着フィルム30が密着している領域の定着ニップ部Nでは、以下のようになる。即ち、低温の加圧ローラ33や記録材によって、定着フィルム30およびセラミックヒータ32の熱は大きく奪われる。その結果、セラミックヒータ32内の定着ニップ部Nでの温度は、その他の部分より大きく低下する。
また、加圧ローラ33や記録材は定着ニップ部N内で温められ、定着フィルム30との温度差が少なくなるため、セラミックヒータ32上流部と下流部の温度差が生じ、下流側の温度が高くなる。まとめると、下流側の温度が一番高く、次いで上流側、定着ニップ部というように温度差を生じる。
7ー2)小サイズ紙における非通紙部昇温条件時
次に、「非通紙部昇温」の厳しい条件での温度分布について説明する。図6の破線が示している温度分布は、上述したものと同様にセラミックヒータ32内の、長手方向が最大サイズの記録材の端部の位置のものであり、条件としては、「非通紙部昇温」の厳しい、小サイズ紙を十分に通紙した状態の温度分布である。
非通紙部であるため、実線に比べて温度は大きく上昇し、尚且つ、定着ニップ部Nでは、定着フィルム30およびセラミックヒータ32の熱は十分に加熱された加圧ローラ33によってのみ僅かに奪われる。その結果、セラミックヒータ32内の定着ニップ部Nでの温度低下は実線に比べて非常に小さくなる。また、同様の理由で、セラミックヒータ32上流部と下流部の温度差も実線に比べて非常に小さくなる。
7ー3)熱伝導性部材による効果
このような記録材搬送方向の温度分布が生じた際に、AL板81を配置することでどのような熱の授受が発生するかを考える。AL板81を用いると、生じた温度分布はより均一化される。この時の、AL板81の有無の温度差に着目して、長手方向における端部を除く領域で、熱の流れを考察すると、セラミックヒータ32上流側では、AL板81に向かってセラミックヒータ32から熱が移動する。理由は、セラミックヒータ32の対応する領域の方が高いからである。
そして、同様の理由により、セラミックヒータ32下流側では、上流側と比べてさらに大きくAL板81に向かって熱が移動する。一方で、加圧ローラ33と定着フィルム30が密着している領域の定着ニップ部Nでは、セラミックヒータ32に向かってAL板81から大きく熱が移動することになる。理由は、セラミックヒータ32の対応する領域の方が温度が低いからである。
8)長手方向の温度分布
ここで、長手方向の温度分布について考える。基本的に、AL板81の長さは長いほど「非通紙部昇温」の抑制効果は得られるものの、「端部オフセット」が劣化する方向でありトレードオフである。そこで、上述の記録材搬送方向の温度分布に着目すると、トレードオフを両立できることが分かった。
本実施形態では、熱伝導性部材であるAL板81の記録材搬送方向に直交する長手方向の長さに関し、記録材搬送方向の中心位置、下流端に対応した夫々の長手方向の長手方向の長さをL1、L2とするとき、L1>L2とする。また、記録材搬送方向の上流端に対応した長手方向の長さをL3とするとき、L1>L3とする(更にはL3=L2とする)。なお、本実施形態では、記録材の長手方向の最大サイズをL4とするとき、L1>L4>L2としている。また、ヒータの長手方向の長さをL0とするとき、L0>L1としている。
なお、本実施形態において、熱伝導性部材の面積に関し、熱伝導性部材における記録材搬送方向の上流端から中心位置までに対応した面積をS1、中心位置から下流端までに対応した面積をS2とするとき、S1=S2である。
8ー1)大サイズ紙における端部オフセット条件時
以下は、「端部オフセット」が発生しやすい条件としての、定着装置が室温と同じ温度の状態から記録材を1枚通紙したときの状態における熱の流れの説明である。図7は、ニップ部Nに対応した位置のみにAL板を長くした構成(本実施形態の構成)における「端部オフセット」が発生しやすい条件下での、端部の熱の流れの模式図である。
本実施形態のように、定着ニップ部Nに対応した位置のみにAL板81を長くした場合を考える。上述したように、定着ニップ部Nでは、セラミックヒータ32に向かってAL板81から熱が移動する(図7)。その結果、AL板81からのを、セラミックヒータ32、定着フィルム30を介して、記録材に与えることができるため、端部の定着性が改善する。
ここで、比較例として、図8はニップ部Nに対応した位置のみにAL板を短くした構成における「端部オフセット」が発生しやすい条件下での、端部の熱の流れの模式図である。定着ニップ部Nに対応した位置のみにAL板81を短くした場合、上述したように定着ニップ部Nの上下流側でAL板81に向かってセラミックヒータ32から熱が移動する(図8)。その結果、AL板81に熱が逃げることにより、セラミックヒータ32および、定着フィルム30の温度が減少してしまうため、このような比較例では端部の定着性が劣化する。
8ー2)小サイズ紙における非通紙部昇温条件時
以下は、「非通紙部昇温」が発生しやすい条件としての、小サイズ紙を十分に通紙した状態における熱の流れの説明である。図9は、ニップ部Nに対応した位置のみにAL板を長くした構成(本実施形態の構成)における「非通紙部昇温」が発生しやすい条件下での、端部の熱の流れの模式図である。図9(小サイズ紙における定着ニップ部の長手方向端部で高温部となる状況)では、図7(大サイズ紙における定着ニップ部の長手方向端部で低温部となる状況)の場合と熱の流れが逆になる。
また、図10はニップ部Nに対応した位置のみにAL板を短くした比較例の構成における「非通紙部昇温」が発生しやすい条件下での、端部の熱の流れの模式図である。図10(小サイズ紙における定着ニップ部の長手方向端部の上下流側で高温部となる状況)では、図8(大サイズ紙における定着ニップ部の長手方向端部の上下流側で高温部となる状況)の場合と同様の熱の流れとなる。
即ち、小サイズ紙通紙時の「非通紙部昇温」発生時においては、セラミックヒータ32内の定着ニップ部Nや、上流部と下流部の温度差が非常に小さくなっており、尚且つ、ヒータの温度が高くなっている。よって、本実施形態、比較例どちらの構成においても、AL板81に向かってセラミックヒータ32から熱が移動する。その結果、セラミックヒータの過昇温は低減されるという効果が得られるため、非通紙部昇温は抑制できる。
8ー3)作用効果まとめ
以上説明の通り、本実施形態のように定着ニップ部Nに対応した位置のみにAL板を長くした場合、「非通紙部昇温」と「端部オフセット」を両立することができる。
ここで、上記のメカニズムにより従来例との効果の差異を比較する。記録材搬送方向に関して長手方向の長さが同一である従来例の構成の場合は、上述した2者(本実施形態、比較例)の構成の足し合わせになる。よって、長手方向の長さが同一である従来例の構成よりも、本実施形態のようにニップ部Nに対応した位置のみにAL板を長くした構成により、「非通紙部昇温」と「端部オフセット」をより高いレベルで両立することができる。
9)本実施形態と、比較例を用いた場合の、画像出力実験結果
次に、本実施形態を用いた場合の、画像出力実験の結果について説明する。「非通紙部昇温」と「端部オフセット」について、以下のような評価を行った。まず、非通紙部昇温の評価について説明する。記録材には、坪量80g/m2、紙サイズがA4(小サイズ紙)のOce Red Label(キヤノンマーケティングジャパン、商品名)を用いた。定着装置が室温まで冷えている状態から、連続1000枚をプリントした際の加圧ローラ33の非通紙部におけるローラ表面温度の最大値を測定した。加圧ローラ33の耐熱性を考慮し、目標は230℃としてある。
次に、端部画像剥がれの評価について説明する。記録材には、坪量75g/m2、紙サイズがLetter(最大サイズ紙)のXerox Business 4200 Paper(米国Xerox、商品名)を用いた。定着装置が室温まで冷えている状態から、連続100枚をプリントし、得られた画像を確認し、端部オフセットのレベルをランク付けした。端部オフセットが発生しない場合を○、僅かに発生する場合を△、発生する場合を×とした。△レベルについては、僅かの発生であるものの、ユーザーからの市場クレームの可能性があるため、目標はオフセットが発生しない○であることとしている。
印字モードとしては普通紙モードを用い、実験に用いた画像形成装置において、このときのプロセススピードは250mm/sec、スループットは1分間に50枚である。尚、実験を行った雰囲気環境は温度23℃、湿度50%にて行った。
評価結果を表1に示す。本実施形態における実施例1では、抵抗発熱体82の長手長さは218mm、AL板81の長手方向幅に関しては、記録材搬送方向中央部が217mm、記録材搬送方向端部が213mmと両端部ともそれぞれ2mmずつ中央部の方が凸の形状としている。本実施形態における実施例1においては、端部オフセットは発生せず(○)、非通紙部昇温は228℃であった。
次に、従来例などの比較例を用いた場合の、画像出力実験の結果について説明する。ここでは、比較例として、画像形成装置の構成と定着装置の基本構成は第1の実施形態と同一であり、その中で、発熱体長さおよびAL板長さのみ異なる条件のものを用いた。
比較例1としては、抵抗発熱体82の長手長さは218mmであり、AL板の長手方向幅は、記録材搬送方向中央部が213mm、記録材搬送方向端部が217mmである。また、比較例2としては、抵抗発熱体82の長手長さは218mmであり、AL板の長手方向幅は、記録材搬送方向中央部、端部ともが215mmである。また、比較例3としては、抵抗発熱体82の長手長さは218mmであり、AL板の長手方向幅は、記録材搬送方向中央部、端部ともが213mmである。
また、比較例4としては、抵抗発熱体82の長手長さは218mmであり、AL板の長手方向幅は、記録材搬送方向中央部、端部ともが217mmである。また、比較例5としては、抵抗発熱体82の長手長さは218mmであり、AL板は用いていない構成である。また、比較例6としては、抵抗発熱体82の長手長さは216mmであり、AL板は用いていない構成である。また、比較例7としては、抵抗発熱体82の長手長さは214mmであり、AL板は用いていない構成である。
評価方法としては、本実施形態を用いた場合の評価方法と同一の評価方法を用いて評価を行った。評価結果は表1に示すとおりである。比較例1においては、端部オフセットが発生し(×)、非通紙部昇温は227℃であった。また、比較例2においては、端部オフセットはわずかに発生し(△)、非通紙部昇温は236℃であった。また、比較例3においては、端部オフセットは発生せず(○)、非通紙部昇温は249℃であった。
また、比較例4においては、端部オフセットは発生し(×)、非通紙部昇温は222℃であった。また、比較例5においては、端部オフセットは発生せず(○)、非通紙部昇温は271℃であった。また、比較例6においては、端部オフセットはわずかに発生し(△)、非通紙部昇温は252℃であった。また、比較例7においては、端部オフセットは発生し(×)、非通紙部昇温は231℃であった。
比較例1から7に対して、本実施形態がより高いレベルで「非通紙部昇温」と「端部オフセット」を両立することができた理由は、上述した作用・効果によるものである。
以上説明したように、本実施形態では、AL板をセラミックヒータ裏面に配置した場合に、ニップ部Nに対応した位置のAL板の長手長さを長くし、ニップ部N以外の搬送方向上下流の長手長さを短くする。これにより、「非通紙部昇温」と「端部オフセット」をより高いレベルで両立することができる。
《第2の実施形態》
本実施形態では、第1の実施形態で用いたAL板とは別の熱伝導部材としてのグラファイトシートを用いる。画像形成装置の構成は第1の実施形態で説明したものと同様であり、重複する説明は省略する。
図11を用いて、本実施形態の熱伝導部材としてのグラファイトシート83の位置関係について説明する。図11(a)は定着装置の長手方向の構成を示した、加圧ローラ33の加圧方向の断面図であり、図11(b)は記録材搬送方向の断面図である。それぞれセラミックヒータ32と、抵抗発熱体82と、グラファイトシート83との長手位置を示している。
図11(a)に示すように、本実施形態においては、高熱伝導部材としてのグラファイトシート83をヒータホルダ31に取り付けた後にさらにセラミックヒータ32を取り付ける。この結果、セラミックヒータ32の長手中央部はグラファイトシート83を挟んでヒータホルダ31に支持され、また、セラミックヒータ32の長手端部はヒータホルダ31に接触して支持される。
図11(b)に示すように、グラファイトシート83は厚みが0.2mmのシート形状をしており、長手方向幅は、記録材搬送方向中央部が217mm、記録材搬送方向端部が213mmと両端部ともそれぞれ2mmずつ中央部のほうが凸の形状としている。長手方向中央部における搬送方向幅は7.2mmであり、長手方向端部における搬送方向幅は、4mm(両側を1.6mm切り欠いた形状)となっている。
第1の実施形態のようなAL板などの金属板を用いた場合と、本実施形態のグラファイトシートを用いた場合を比べると、以下のように特徴の違いが生じる。まず、セラミックヒータ32とグラファイトシート83の接触面において、本実施形態では、グリスは塗布していない。理由は、グラファイトシートが柔軟なため、組み付けとともにセラミックヒータ32と密着することにより、両者間の接触熱抵抗は十分に低いからである。そして、AL板を用いた場合に比べると、組み付けや保持方法に工夫が必要となることや位置精度が出し難いという面がある。
さらに、グラファイトシート83は、シート面内にグラファイトを配向させることでシート面内の熱伝導率を向上させているため、より高熱伝導性を得やすい。本実施形態において用いたシートでは、熱伝導率が600W/mKである。1500W/mKのシートなど、さらに熱伝導率の高いものを用いても良い。
本実施形態を用いた場合の効果については、原理的に第1の実施形態と同様であるため、ここでは省略する。本実施形態では、第1の実施形態と同様に、定着ニップ部Nに対応した位置のグラファイトシートを長くし、定着ニップ部N以外の搬送方向上下流の長手長さを短くすることで「非通紙部昇温」と「端部オフセット」をより高いレベルで両立することができる。
《第3の実施形態》
本実施形態では、第1、第2の実施形態で用いた熱伝導性部材(高熱伝導部材)の端部構成(ニップ部Nに対応した位置のAL板の長手長さを長くし、ニップ部N以外の搬送方向上下流の長手長さを短くする)とは別の構成を用いる。図12を用いて、本実施形態における熱伝導性部材として代表的にAL板82の端部構成について説明する。
図12は定着装置のセラミックヒータ32とAL板の位置関係を示す、記録材搬送方向の断面図である。片側端部について説明するが,他端側も同一構成である。本実施形態において、熱伝導性部材の面積に関し、熱伝導性部材における記録材搬送方向の上流端から中心位置までに対応した面積をS1、中心位置から下流端までに対応した面積をS2とするとき、S1>S2である。
なお、本実施形態では、熱伝導性部材であるAL板81の記録材搬送方向に直交する長手方向の長さに関し、記録材搬送方向の中心位置、下流端に対応した夫々の長手方向の長手方向の長さをL1、L2とするとき、L1>L2とする。また、記録材搬送方向の上流端に対応した長手方向の長さをL3とするとき、L3=L1とする。
AL板81は、厚みが0.3mmの純アルミニウム(A1050)からなる板状の形状をしており、長手方向幅は、記録材搬送方向上流部が217mm、記録材搬送方向下流部が213mmとなっている。即ち、長手方向幅217mmの両端部とも、それぞれ2mmずつ上流部のほうが凸の形状としている。長手方向中央部における搬送方向幅は7.2mmであり、長手方向端部における搬送方向幅は、4mm(搬送方向下流側に3.2mm切り欠いた形状)となっている。
ここで、第1の実施形態と同様に、図6に示すような記録材搬送方向の温度分布が生じた際に、AL板81を配置することでどのような熱の授受が発生するかを考える。AL板81を用いると、生じた温度分布はより均一化される。この時の、AL板81の有無の温度差に着目して、熱の流れを考察すると、セラミックヒータ32上流側と、下流側とでは、AL板81に向かってセラミックヒータ32から熱が移動する量の差は、下流側の方が大きい。理由は、セラミックヒータ32の対応する領域の温度の方が高いからである。
ここで、長手の温度分布について考える。搬送方向上流側のみAL板81を長くした本実施形態と、逆に搬送方向下流側位置のみAL板81を短くした比較例の場合とを考える。
先ず、「端部オフセット」が発生しやすい、定着装置が室温と同じ温度の状態から記録材を1枚通紙したときの状態を考える。上述したように、搬送方向下流側のみにAL板81を長くした構成(比較例)に比べて、搬送方向上流側にAL板81を長くした構成(本実施形態)の方が、よりAL81に向かってセラミックヒータ32から熱が移動する量を低減できる。このように、本実施形態では、AL板81に熱が逃げる量を低減できることにより、セラミックヒータ32の温度が減少を抑制する効果が得られ、端部の定着性を良化できる。
一方で、小サイズ紙通紙時の「非通紙部昇温」発生時においては、セラミックヒータ32内の搬送方向上流部と下流部の温度差が非常に小さくなっており、尚且つ、ヒータの温度が高くなっている。よって、本実施形態、比較例のいずれの構成においても、AL板81に向かってセラミックヒータ32から熱が移動する。この効果により、セラミックヒータの過昇温は低減され、非通紙部昇温が抑制できる。
このように、本実施形態では、搬送方向上流側のみにAL板81を長くし、「非通紙部昇温」と「端部オフセット」を両立することができる。
ここで、上記のメカニズムにより従来例との効果の差異を比較する。記録材搬送方向に関して長手方向の長さが同一である従来例の構成の場合は、上述した2者(本実施形態、比較例)の構成の足し合わせになる。よって、長手方向の長さが同一である従来例の構成よりも、本実施形態のように搬送方向上流側のみにAL板81を長くした構成により、「非通紙部昇温」と「端部オフセット」をより高いレベルで両立することができる。
《第4の実施形態》
本実施形態では、図12に示した構成の替りに図13に示す構成を用いることを特徴とする。即ち、第2の実施形態と同様に、本実施形態において、熱伝導性部材の面積に関し、熱伝導性部材における記録材搬送方向の上流端から中心位置までに対応した面積をS1、中心位置から下流端までに対応した面積をS2とするとき、S1>S2である。
そして、熱伝導性部材であるAL板81の記録材搬送方向に直交する長手方向の長さに関し、記録材搬送方向の中心位置、下流端に対応した夫々の長手方向の長手方向の長さをL1、L2とするとき、L1>L2とする。また、記録材搬送方向の上流端に対応した長手方向の長さをL3とするとき、L3>L1とする。本実施形態では、L1=(L2+L3)/2である。
このような本実施形態において、搬送方向上流側のみにAL板81を長くした構成においても、「非通紙部昇温」と「端部オフセット」をより高いレベルで両立することができる。
《第5の実施形態》
本実施形態では、発熱体82の長手方向における長さよりも、熱伝導性部材の長手方向における凸部もしくは長手方向における全体の長さが長い構成を採る。図14(a)〜(f)に一例を示す。
ただし、発熱体82よりも熱伝導性部材を長くすると、「端部オフセット」は、発熱体82より短い方向よりも劣化する方向である。また、最大サイズの通紙域外まで高熱伝導部材を長くしても、「端部オフセット」のために熱の移動を求める領域外まで熱の移動を促すため、両立する効果はさらに小さくなっていく。効果は小さくなる方向であるものの、同様の効果が得られる。
また、上述した各実施形態において、セラミックヒータ32の(記録材搬送方向の)幅よりも、熱伝導性部材の幅は長い構成を用いて説明したが、セラミックヒータ32の幅よりも、熱伝導性部材の幅が短い構成でも良い。図15に一例を示す。ただし、セラミックヒータ32の幅よりも、熱伝導性部材の幅を短くすると、「非通紙部昇温」の抑制効果は小さくなっていく。しかし、効果は小さくなる方向であるものの、同様の効果が得られる。
(変形例)
上述した実施形態では、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の範囲内で種々の変形が可能である。
(変形例1)
上述した実施形態においては、ヒータ加熱方式の定着装置を説明した。しかし、電磁誘導を用いたIH(誘導加熱方式)ないし、定着フィルムへの通電によって定着フィルムを直接発熱する定着方式や、ヒータ加熱方式と類似の構成で外部から第1の回転体としての定着ローラを加熱する定着方式においても同様に適用できる。IH(誘導加熱方式)では、励磁コイルX(不図示)を備え、励磁コイルからの磁束により定着フィルムが発熱する。定着フィルムへの通電によって定着フィルムを直接発熱する定着方式では、定着フィルムは、通電により発熱する発熱層を備え、通電により定着フィルムが発熱する。
IH(誘導加熱方式)や、定着フィルムへの通電によって定着フィルムを直接発熱する定着方式の場合には、熱伝導性部材としてのAL板81が、定着フィルム(第1の回転体)に対して加圧ローラ(第2の回転体)とは反対側で定着フィルムと接触する。
(変形例2)
また、上述した各実施形態において、AL板81はセラミックヒータ32とヒータホルダ31に常に狭持された構成を用いて説明した。しかし、AL板81の端部はセラミックヒータ32との接触部が同様の構成になっていれば、非接触部は折り曲げ形状などに加工されて加熱ヒータから分離された構成においても、同様に適用できる。
また、上述した実施形態1において、定着ニップ部Nに対応した位置の高熱伝導部材の長手長さを長くし、定着ニップ部N以外の搬送方向上下流の長手長さを短くした構成を用いて説明した。しかし、定着ニップ部Nに厳密に対応していなくてもよく、定着ニップ部Nよりも広い領域や狭い領域で高熱伝導部材の長手長さが長い構成を用いても良い。
(変形例3)
また、上述した各実施形態において、セラミックヒータ32は発熱体82の長さと抵抗は同じ2本パターンの構成を用いて説明した。しかし、長手方向において発熱体82の抵抗を調整して中央と端部の発熱量を制御した構成や、長手方向の発熱幅が異なる複数の発熱体の通電比率を独立または連動して発熱量を制御する構成や、1本発熱パターンの構成においても、同様に適用できる。
(変形例4)
また上述した各実施形態において、タンデム型の中間転写方式のカラー画像形成装置を用いて説明した。しかし、記録材搬送ベルトを用いたタンデム型のカラー画像形成装置や、4サイクル型の中間転写方式のカラー画像形成装置や、モノクロ画像形成装置や、中間転写方式において記録材搬送ベルトを用いたカラー画像形成装置に適用できる。さらには、4つ以上のトナーを使用した画像形成装置などにおいても、同様に適用できる。
(変形例5)
上述した実施形態では、無端ベルトが第1の回転体(定着回転体)に設けられたが、無端ベルトが第2の回転体(第1の回転体に対向し第1の回転体と共に定着ニップ部を形成する回転体)に設けられても良い。また、無端ベルトが第1の回転体、第2の回転体の双方に設けられても良い。
(変形例6)
上述した実施形態では、第1の回転体(定着回転体)および加圧体としての加圧用回転体が定着回転体を加圧する場合を示した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、加圧体としてでなく対向体としての回転体が定着回転体としての無端ベルトから加圧される場合にも同様に適用できる。ここで、対向体とは、定着回転体に対向し、定着回転体と圧接して定着ニップ部を形成し、移動する記録材を定着ニップ部で挟持する部材である。
(変形例7)
上述した実施形態では、加圧体として定着回転体と共に回転する加圧用回転体(加圧ローラ)を示したが、本発明はこれに限られず、加圧体として固定された平板状の加圧パッドを適用することもできる。
(変形例8)
上述した実施形態では、記録材として記録紙を説明したが、本発明における記録材は紙に限定されるものではない。一般に、記録材とは、画像形成装置によってトナー像が形成されるシート状の部材であり、例えば、定型或いは不定型の普通紙、厚紙、薄紙、封筒、葉書、シール、樹脂シート、OHPシート、光沢紙等が含まれる。なお、上述した実施形態では、便宜上、記録材(シート)Pの扱いを通紙、排紙、給紙、通紙部、非通紙部などの用語を用いて説明したが、これによって本発明における記録材が紙に限定されるものではない。
(変形例9)
上述した実施形態では、未定着トナー像をシートに定着する定着装置を例に説明したが、本発明は、これに限らず、画像の光沢を向上させるべく、シートに仮定着されたトナー像を加熱加圧する装置(この場合も定着装置と呼ぶ)にも同様に適用可能である。
30・・定着フィルム、33・・加圧ローラ、81・・AL板

Claims (16)

  1. ヒータと、
    前記ヒータと接触して加熱される第1の回転体と、
    前記第1の回転体に対向し前記第1の回転体と共に記録材上のトナー像を定着する定着ニップ部を形成する対向体と、
    前記ヒータと接触する熱伝導性部材と、
    を有する定着装置であって、
    前記熱伝導性部材における記録材搬送方向に直交する長手方向の長さに関し、
    記録材搬送方向の中心位置、下流端に対応した夫々の前記長手方向の長さをL1、L2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする定着装置。
    L1>L2
  2. 励磁コイルと、
    前記励磁コイルからの磁束により発熱する第1の回転体と、
    前記第1の回転体に対向し前記第1の回転体と共に記録材上のトナー像を定着する定着ニップ部を形成する対向体と、
    前記第1の回転体に対して前記対向体とは反対側で前記第1の回転体と接触する熱伝導性部材と、
    を有する定着装置であって、
    前記熱伝導性部材における記録材搬送方向に直交する長手方向の長さに関し、
    記録材搬送方向の中心位置、下流端に対応した夫々の前記長手方向の長さをL1、L2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする定着装置。
    L1>L2
  3. 通電により発熱する発熱層を備えた第1の回転体と、
    前記第1の回転体に対向し前記第1の回転体と共に記録材上のトナー像を定着する定着ニップ部を形成する対向体と、
    前記第1の回転体に対して前記対向体とは反対側で前記第1の回転体と接触する熱伝導性部材と、
    を有する定着装置であって、
    前記熱伝導性部材における記録材搬送方向に直交する長手方向の長さに関し、
    記録材搬送方向の中心位置、下流端に対応した夫々の前記長手方向の長さをL1、L2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする定着装置。
    L1>L2
  4. 前記熱伝導性部材における記録材搬送方向の上流端に対応した前記長手方向の長さをL3とするとき、L1>L3であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記熱伝導性部材の面積に関し、
    前記熱伝導性部材における記録材搬送方向の上流端から中心位置までに対応した面積をS1、中心位置から下流端までに対応した面積をS2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置。
    S1>S2
  6. 前記熱伝導性部材の面積に関し、
    前記熱伝導性部材における記録材搬送方向の上流端から中心位置までに対応した面積をS1、中心位置から下流端までに対応した面積をS2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
    S1=S2
  7. 前記熱伝導性部材の記録材搬送方向の幅は、前記定着ニップ部の記録材搬送方向の幅以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記熱伝導性部材における記録材搬送方向の上流端に対応した前記長手方向の長さをL3とするとき、L3=L1であることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  9. 前記熱伝導性部材における記録材搬送方向の上流端に対応した前記長手方向の長さをL3とするとき、L1=(L2+L3)/2であることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  10. 前記熱伝導性部材は板状の金属であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の定着装置。
  11. 前記熱伝導性部材はシート状のグラファイトであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の定着装置。
  12. 記録材の前記長手方向の最大サイズをL4とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の定着装置。
    L1>L4>L2
  13. 前記第1の回転体は無端ベルトであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の定着装置。
  14. 前記対向体は第2の回転体であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の定着装置。
  15. 前記熱伝導性部材の熱伝導率は、前記ヒータが保持される絶縁性基板の熱伝導率より高いことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  16. 前記ヒータの前記長手方向の長さをL0とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項15に記載の定着装置。
    L0>L1
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