JP2015176030A - 定着装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】定着装置で、ヒータと、前記ヒータと接触して加熱される第1の回転体と、前記第1の回転体に対向し前記第1の回転体と共に記録材上のトナー像を定着する定着ニップ部を形成する対向体と、前記ヒータと接触する熱伝導性部材と、を有する定着装置であって、前記熱伝導性部材における記録材搬送方向に直交する長手方向の長さに関し、記録材搬送方向の中心位置、下流端に対応した夫々の前記長手方向の長さをL1、L2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする。
L1>L2
【選択図】図5
Description
[特許文献2] 特開2003−317898号公報
また、本発明に係る別の定着装置は、励磁コイルと、前記励磁コイルからの磁束により発熱する第1の回転体と、前記第1の回転体に対向し前記第1の回転体と共に記録材上のトナー像を定着する定着ニップ部を形成する対向体と、前記第1の回転体に対して前記対向体とは反対側で前記第1の回転体と接触する熱伝導性部材と、を有する定着装置であって、前記熱伝導性部材における記録材搬送方向に直交する長手方向の長さに関し、記録材搬送方向の中心位置、下流端に対応した夫々の前記長手方向の長さをL1、L2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする。
また、本発明に係る別の定着装置は、通電により発熱する発熱層を備えた第1の回転体と、前記第1の回転体に対向し前記第1の回転体と共に記録材上のトナー像を定着する定着ニップ部を形成する対向体と、前記第1の回転体に対して前記対向体とは反対側で前記第1の回転体と接触する熱伝導性部材と、を有する定着装置であって、前記熱伝導性部材における記録材搬送方向に直交する長手方向の長さに関し、記録材搬送方向の中心位置、下流端に対応した夫々の前記長手方向の長さをL1、L2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする。
(画像形成装置)
図1を参照して、本発明の実施形態に係る定着装置を搭載した画像形成装置の構成について説明する。図1は、一般的なカラー画像形成装置(本実施形態では、電子写真方式の中間転写方式のフルカラープリンタ)の概略構成図である。
次に、定着装置12について説明する。定着装置12は、テンションレスタイプのフィルム加熱方式である。テンションレスタイプのフィルム加熱方式の定着装置12は、耐熱性フィルムとして無端ベルト状(もしくは円筒状)のものを用いる。そして、フィルムの周長の少なくとも一部は常にテンションフリー(テンションが加わらない状態)とし、フィルムは加圧体の回転駆動力で回転駆動するようにしている。
ヒータホルダ31は、セラミックヒータ32を支持する支持部材として機能すると共に、円筒状である第1の回転体としての定着フィルム30の回転走行を案内するものである。ヒータホルダ31は、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PPS、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂とセラミックス、金属、ガラス等との複合材料等を好適に用いることができる。
加熱体としてのセラミックヒータ32は、細長い板形状を有している。セラミックヒータ32は、耐熱性が高いセラミック基板(本実施形態においては、熱伝導率が30W/mKのアルミナを用いている)にヒータ部としての抵抗発熱体82と、電極が印刷されており、さらにヒータ部を保護するガラスコート層が設けられている。抵抗発熱体82は2本用い、2つの電極を片側に配置している。そして、ガラスコート層が定着フィルム30と触れる側に設置される。
第1の回転体である定着フィルム30は、無端ベルト状(もしくは円筒状)の基層外側に弾性層を設け、さらにその外側に離型層を設けた部材である。離型層は、定着フィルム30表面にトナーが一旦付着し、再度、記録材Pに移動することで発生するオフセット現象を防止する層であり、厚み5〜70μm程度の離型性の良好なPFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂を好適に用いることができる。本実施形態では、厚み15μmのPFAチューブを用いてことで、簡便に、均一なフッ素樹脂層を形成することができる。
図2の断面図を参照して、定着装置の具体的構成について説明する。補強部材34は、鉄等の金属からなり、ヒータホルダ31を加圧ローラ33側に押圧する圧力でも大きく変形しないように強度を維持する部材である。セラミックヒータ32は、ヒータホルダ31と補強部材34を介して加圧ローラ33側に後述の押圧手段によって押圧されている。押圧されて加圧ローラ33と定着フィルム30が密着している領域が、圧接領域としての定着ニップ部Nである。
次に、図2の断面図を参照して定着装置の動作について説明する。セラミックヒータ32の定着フィルム30と触れる反対側の面には温度検知素子であるサーミスタ41が当接されている。サーミスタ41の検知温度を基に、不図示の制御手段にてセラミックヒータ32に供給する電力を制御し、セラミックヒータ32を所望の温度になるようにしている。
次に、熱伝導性部材としてのAL板81について詳細を説明する。本実施形態では、AL板81をセラミックヒータ32の裏面に配置した場合に、定着ニップ部Nに対応した位置での長手方向の長さを長くし、定着ニップ部N以外の搬送方向上下流位置での長手方向の長さを短くする。これにより、「非通紙部昇温」と「端部オフセット」をより高いレベルで両立することのできる定着装置として、高速印字可能な画像形成装置に好適なものとなる。
次に、セラミックヒータ32内の通紙中の搬送方向の温度分布について説明する。図6に、セラミックヒータ32のヒータホルダ31側の底面(以後、ヒータ裏面と記載する)の搬送方向の温度分布の模式図を示す。
図6の実線が示している温度分布は、セラミックヒータ32内の、長手方向が最大サイズの記録材の端部の位置のものであり、条件としては、「端部オフセット」の厳しい、定着装置が室温と同じ温度の状態から記録材を1枚通紙したときの温度分布である。
次に、「非通紙部昇温」の厳しい条件での温度分布について説明する。図6の破線が示している温度分布は、上述したものと同様にセラミックヒータ32内の、長手方向が最大サイズの記録材の端部の位置のものであり、条件としては、「非通紙部昇温」の厳しい、小サイズ紙を十分に通紙した状態の温度分布である。
このような記録材搬送方向の温度分布が生じた際に、AL板81を配置することでどのような熱の授受が発生するかを考える。AL板81を用いると、生じた温度分布はより均一化される。この時の、AL板81の有無の温度差に着目して、長手方向における端部を除く領域で、熱の流れを考察すると、セラミックヒータ32上流側では、AL板81に向かってセラミックヒータ32から熱が移動する。理由は、セラミックヒータ32の対応する領域の方が高いからである。
ここで、長手方向の温度分布について考える。基本的に、AL板81の長さは長いほど「非通紙部昇温」の抑制効果は得られるものの、「端部オフセット」が劣化する方向でありトレードオフである。そこで、上述の記録材搬送方向の温度分布に着目すると、トレードオフを両立できることが分かった。
以下は、「端部オフセット」が発生しやすい条件としての、定着装置が室温と同じ温度の状態から記録材を1枚通紙したときの状態における熱の流れの説明である。図7は、ニップ部Nに対応した位置のみにAL板を長くした構成(本実施形態の構成)における「端部オフセット」が発生しやすい条件下での、端部の熱の流れの模式図である。
以下は、「非通紙部昇温」が発生しやすい条件としての、小サイズ紙を十分に通紙した状態における熱の流れの説明である。図9は、ニップ部Nに対応した位置のみにAL板を長くした構成(本実施形態の構成)における「非通紙部昇温」が発生しやすい条件下での、端部の熱の流れの模式図である。図9(小サイズ紙における定着ニップ部の長手方向端部で高温部となる状況)では、図7(大サイズ紙における定着ニップ部の長手方向端部で低温部となる状況)の場合と熱の流れが逆になる。
以上説明の通り、本実施形態のように定着ニップ部Nに対応した位置のみにAL板を長くした場合、「非通紙部昇温」と「端部オフセット」を両立することができる。
次に、本実施形態を用いた場合の、画像出力実験の結果について説明する。「非通紙部昇温」と「端部オフセット」について、以下のような評価を行った。まず、非通紙部昇温の評価について説明する。記録材には、坪量80g/m2、紙サイズがA4(小サイズ紙)のOce Red Label(キヤノンマーケティングジャパン、商品名)を用いた。定着装置が室温まで冷えている状態から、連続1000枚をプリントした際の加圧ローラ33の非通紙部におけるローラ表面温度の最大値を測定した。加圧ローラ33の耐熱性を考慮し、目標は230℃としてある。
本実施形態では、第1の実施形態で用いたAL板とは別の熱伝導部材としてのグラファイトシートを用いる。画像形成装置の構成は第1の実施形態で説明したものと同様であり、重複する説明は省略する。
本実施形態では、第1、第2の実施形態で用いた熱伝導性部材(高熱伝導部材)の端部構成(ニップ部Nに対応した位置のAL板の長手長さを長くし、ニップ部N以外の搬送方向上下流の長手長さを短くする)とは別の構成を用いる。図12を用いて、本実施形態における熱伝導性部材として代表的にAL板82の端部構成について説明する。
本実施形態では、図12に示した構成の替りに図13に示す構成を用いることを特徴とする。即ち、第2の実施形態と同様に、本実施形態において、熱伝導性部材の面積に関し、熱伝導性部材における記録材搬送方向の上流端から中心位置までに対応した面積をS1、中心位置から下流端までに対応した面積をS2とするとき、S1>S2である。
本実施形態では、発熱体82の長手方向における長さよりも、熱伝導性部材の長手方向における凸部もしくは長手方向における全体の長さが長い構成を採る。図14(a)〜(f)に一例を示す。
上述した実施形態では、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の範囲内で種々の変形が可能である。
上述した実施形態においては、ヒータ加熱方式の定着装置を説明した。しかし、電磁誘導を用いたIH(誘導加熱方式)ないし、定着フィルムへの通電によって定着フィルムを直接発熱する定着方式や、ヒータ加熱方式と類似の構成で外部から第1の回転体としての定着ローラを加熱する定着方式においても同様に適用できる。IH(誘導加熱方式)では、励磁コイルX(不図示)を備え、励磁コイルからの磁束により定着フィルムが発熱する。定着フィルムへの通電によって定着フィルムを直接発熱する定着方式では、定着フィルムは、通電により発熱する発熱層を備え、通電により定着フィルムが発熱する。
また、上述した各実施形態において、AL板81はセラミックヒータ32とヒータホルダ31に常に狭持された構成を用いて説明した。しかし、AL板81の端部はセラミックヒータ32との接触部が同様の構成になっていれば、非接触部は折り曲げ形状などに加工されて加熱ヒータから分離された構成においても、同様に適用できる。
また、上述した各実施形態において、セラミックヒータ32は発熱体82の長さと抵抗は同じ2本パターンの構成を用いて説明した。しかし、長手方向において発熱体82の抵抗を調整して中央と端部の発熱量を制御した構成や、長手方向の発熱幅が異なる複数の発熱体の通電比率を独立または連動して発熱量を制御する構成や、1本発熱パターンの構成においても、同様に適用できる。
また上述した各実施形態において、タンデム型の中間転写方式のカラー画像形成装置を用いて説明した。しかし、記録材搬送ベルトを用いたタンデム型のカラー画像形成装置や、4サイクル型の中間転写方式のカラー画像形成装置や、モノクロ画像形成装置や、中間転写方式において記録材搬送ベルトを用いたカラー画像形成装置に適用できる。さらには、4つ以上のトナーを使用した画像形成装置などにおいても、同様に適用できる。
上述した実施形態では、無端ベルトが第1の回転体(定着回転体)に設けられたが、無端ベルトが第2の回転体(第1の回転体に対向し第1の回転体と共に定着ニップ部を形成する回転体)に設けられても良い。また、無端ベルトが第1の回転体、第2の回転体の双方に設けられても良い。
上述した実施形態では、第1の回転体(定着回転体)および加圧体としての加圧用回転体が定着回転体を加圧する場合を示した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、加圧体としてでなく対向体としての回転体が定着回転体としての無端ベルトから加圧される場合にも同様に適用できる。ここで、対向体とは、定着回転体に対向し、定着回転体と圧接して定着ニップ部を形成し、移動する記録材を定着ニップ部で挟持する部材である。
上述した実施形態では、加圧体として定着回転体と共に回転する加圧用回転体(加圧ローラ)を示したが、本発明はこれに限られず、加圧体として固定された平板状の加圧パッドを適用することもできる。
上述した実施形態では、記録材として記録紙を説明したが、本発明における記録材は紙に限定されるものではない。一般に、記録材とは、画像形成装置によってトナー像が形成されるシート状の部材であり、例えば、定型或いは不定型の普通紙、厚紙、薄紙、封筒、葉書、シール、樹脂シート、OHPシート、光沢紙等が含まれる。なお、上述した実施形態では、便宜上、記録材(シート)Pの扱いを通紙、排紙、給紙、通紙部、非通紙部などの用語を用いて説明したが、これによって本発明における記録材が紙に限定されるものではない。
上述した実施形態では、未定着トナー像をシートに定着する定着装置を例に説明したが、本発明は、これに限らず、画像の光沢を向上させるべく、シートに仮定着されたトナー像を加熱加圧する装置(この場合も定着装置と呼ぶ)にも同様に適用可能である。
Claims (16)
- ヒータと、
前記ヒータと接触して加熱される第1の回転体と、
前記第1の回転体に対向し前記第1の回転体と共に記録材上のトナー像を定着する定着ニップ部を形成する対向体と、
前記ヒータと接触する熱伝導性部材と、
を有する定着装置であって、
前記熱伝導性部材における記録材搬送方向に直交する長手方向の長さに関し、
記録材搬送方向の中心位置、下流端に対応した夫々の前記長手方向の長さをL1、L2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする定着装置。
L1>L2 - 励磁コイルと、
前記励磁コイルからの磁束により発熱する第1の回転体と、
前記第1の回転体に対向し前記第1の回転体と共に記録材上のトナー像を定着する定着ニップ部を形成する対向体と、
前記第1の回転体に対して前記対向体とは反対側で前記第1の回転体と接触する熱伝導性部材と、
を有する定着装置であって、
前記熱伝導性部材における記録材搬送方向に直交する長手方向の長さに関し、
記録材搬送方向の中心位置、下流端に対応した夫々の前記長手方向の長さをL1、L2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする定着装置。
L1>L2 - 通電により発熱する発熱層を備えた第1の回転体と、
前記第1の回転体に対向し前記第1の回転体と共に記録材上のトナー像を定着する定着ニップ部を形成する対向体と、
前記第1の回転体に対して前記対向体とは反対側で前記第1の回転体と接触する熱伝導性部材と、
を有する定着装置であって、
前記熱伝導性部材における記録材搬送方向に直交する長手方向の長さに関し、
記録材搬送方向の中心位置、下流端に対応した夫々の前記長手方向の長さをL1、L2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする定着装置。
L1>L2 - 前記熱伝導性部材における記録材搬送方向の上流端に対応した前記長手方向の長さをL3とするとき、L1>L3であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記熱伝導性部材の面積に関し、
前記熱伝導性部材における記録材搬送方向の上流端から中心位置までに対応した面積をS1、中心位置から下流端までに対応した面積をS2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置。
S1>S2 - 前記熱伝導性部材の面積に関し、
前記熱伝導性部材における記録材搬送方向の上流端から中心位置までに対応した面積をS1、中心位置から下流端までに対応した面積をS2とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
S1=S2 - 前記熱伝導性部材の記録材搬送方向の幅は、前記定着ニップ部の記録材搬送方向の幅以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記熱伝導性部材における記録材搬送方向の上流端に対応した前記長手方向の長さをL3とするとき、L3=L1であることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
- 前記熱伝導性部材における記録材搬送方向の上流端に対応した前記長手方向の長さをL3とするとき、L1=(L2+L3)/2であることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
- 前記熱伝導性部材は板状の金属であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記熱伝導性部材はシート状のグラファイトであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の定着装置。
- 記録材の前記長手方向の最大サイズをL4とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の定着装置。
L1>L4>L2 - 前記第1の回転体は無端ベルトであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記対向体は第2の回転体であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記熱伝導性部材の熱伝導率は、前記ヒータが保持される絶縁性基板の熱伝導率より高いことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記ヒータの前記長手方向の長さをL0とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項15に記載の定着装置。
L0>L1
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