JP2001081853A - コンクリート製部材の可撓性耐震接合構造 - Google Patents

コンクリート製部材の可撓性耐震接合構造

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JP2001081853A
JP2001081853A JP25849299A JP25849299A JP2001081853A JP 2001081853 A JP2001081853 A JP 2001081853A JP 25849299 A JP25849299 A JP 25849299A JP 25849299 A JP25849299 A JP 25849299A JP 2001081853 A JP2001081853 A JP 2001081853A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート製部材相互を、接合部分の耐震
性を確保して簡易且つ確実に接合する。 【解決手段】 一方のコンクリート製部材2の接合端3
に、板状接合部材6を突設する。他方のコンクリート製
部材2の接合端5にソケット部材7を埋設し、板状接合
部材6とソケット部材7との抜け止めされた係合によっ
てコンクリート製部材2,2相互を接合する。板状接合
部材6は、一方の接合端3側でコンクリート製部材2に
埋設されたアンカー部9に、他方の接合端5に向かって
突出し且つ弾性的に伸長し得る板状部10を連設し、板
状部10の先端に係合突部11を設けてなる。ソケット
部材7は、幅狭の入口部37を有した係合凹部39を具
えている。係合突部11は、弾性変形して入口部37を
通過して係合凹部39に嵌め入れられ、幅狭の入口部3
7の内側縁部分と係合して抜け止めされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボックスカルバー
トや側溝、U字溝、共同溝等の各種のコンクリート製部
材相互を、接合部分の耐震性を確保して簡易且つ確実に
接合できると共に、該接合部分の確実な止水を確保する
ことも可能であるコンクリート製部材の可撓性耐震接合
構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート製部材、例えばコンクリー
ト製のボックスカルバート相互を耐震性を確保して接合
する構造の一例としては、特開平10−131319号
公報が開示するものが提案されている。
【0003】該可撓性耐震接合構造は、図7に示すよう
に、接合端aで開放する開放凹部bの奥側の入口部c
に、該入口部cの開口幅よりも幅が拡大する係合凹部d
が連設されてなるコンクリート製部材e,eの前記接合
端a,a相互を、ゴム質素材等の弾性素材にて構成され
た可撓性の接合部材fで接合するものであり、該接合部
材fの両端に設けられている係合突部g,gの夫々を、
前記入口部c,cから前記係合凹部d,dに挿入させて
後、前記係合凹部dにグラウト材jを充填することによ
り、該グラウト材の硬化によって前記係合突部gを前記
係合凹部dに固定していた。
【0004】そして、かかる構成の可撓性耐震接合構造
は、大きな地震力が接合部分hに作用した場合、前記接
合部材fが図8に示すように弾性的に伸長してその振動
を吸収し、接合部分hの耐震性を確保すると共に、該接
合部材の両端の係合突部g,gをグラウト材jを介して
前記係合凹部d,dに固定したことによって、前記接合
部分hの止水も確保せんとするものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記構成
の可撓性耐震接合構造によるときには、次のような問題
点があった。 前記係合突部gを固定するための前記係合凹部dを
形成するには、空気を充填して膨らませることによって
前記係合凹部の形態に合致する型を構成でき且つ空気を
抜いて萎ませることによって脱型可能である風船状の型
枠を用いて行わざるを得なかったが、かかる風船状の型
枠は、コンクリート充填中等において空気が抜けて萎ん
だとしてもその確認ができないために、所要の係合凹部
を具えたコンクリート製部材を確実に製造できるとは限
らなかった。特に現場打ち施工の場合は、工場生産によ
る場合とは異なり、係合凹部の施工管理に非常な困難が
伴った。
【0006】 前記風船状の型枠によって係合凹部d
を形成できた場合、前記接合部材fの端部に設けた係合
突部gを該係合凹部dに固定するには、前記のように、
係合突部gを係合凹部dに挿入した後、該係合凹部dに
グラウト材jを充填することが必須であったが、係合凹
部にグラウト材が正しく充填されているか否かの確認が
困難であったために、係合突部dの固定不良によって所
要の耐震性を発揮させ難い場合が生じた。
【0007】 又、前記風船状の型枠によって形成さ
れた係合凹部の表面は、コンクリート打設後における骨
材の沈下やブリージング水によってポーラス化しやす
く、従って接合部分の止水を確保するためには、前記係
合凹部へのグラウト材の充填が必須であったのである
が、前記のようにグラウト材の充填が不完全であると、
確実な止水を確保できないことになった。
【0008】 更に従来構造によるときは、グラウト
材を充填するための充填孔をコンクリート製部材に設け
る必要があった。又グラウト材充填のための特別の施工
手間を要して作業能率が悪い問題もあった。本発明は、
かかる問題点を解決し得るコンクリート製部材の可撓性
耐震接合構造の提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は以下の手段を採用する。即ち本発明に係る
コンクリート製部材の可撓性耐震接合構造(以下可撓性
耐震接合構造という)は、コンクリート製部材の接合端
相互を、一方の接合端で突設された弾性素材からなる板
状接合部材と、他方の接合端側でコンクリート製部材に
埋設されたソケット部材との抜け止めされた係合によっ
て接合してなるコンクリート製部材の可撓性耐震接合構
造であって、前記板状接合部材は、前記一方の接合端側
でコンクリート製部材に埋設されたアンカー部に、他方
の接合端に向かって突出し且つ弾性的に伸長し得る板状
部を連設し、該板状部の先端には係合突部を設けてな
る。又前記ソケット部材は、前記他方の接合端で開口す
る幅狭の入口部を有した係合凹部を具えており、前記係
合突部は、弾性変形して前記入口部を通過し前記係合凹
部に嵌め入れられることにより、該係合突部が、前記幅
狭の入口部の内側縁部分と係合して抜け止めされるよう
に構成されており、又前記係合突部を前記係合凹部に嵌
め入れた状態において、両接合端間に所定幅の間隙が形
成されていることを特徴とするものである。
【0010】本発明に係る可撓性耐震接合構造のより具
体的な態様は、コンクリート製部材の接合端相互を、一
方の接合端で突設された弾性素材からなる板状接合部材
と、他方の接合端側でコンクリート製部材に埋設された
ソケット部材との抜け止めされた係合によって接合して
なるコンクリート製部材の可撓性耐震接合構造であっ
て、前記板状接合部材は、前記一方の接合端側でコンク
リート製部材に埋設されたアンカー部に、他方の接合端
に向かって突出し且つ弾性的に伸長し得る板状部を連設
し、該板状部の先端には係合突部を設けてなる。又前記
ソケット部材は、前記他方の接合端で開放する開放凹部
の奥側の入口部に、該入口部の開口幅よりも幅が拡大す
る係合凹部が連設されており、前記係合突部は、弾性変
形して前記入口部を通過し前記係合凹部に嵌め入れられ
ることにより、前記係合突部が、前記開口部の入口の内
側縁部分と係合して抜け止めされるように構成されてお
り、又、前記係合突部を前記係合凹部に嵌め入れた状態
において、両接合端間に所定幅の間隙が形成されている
ことを特徴とするものである。
【0011】前記可撓性耐震接合構造において、前記ソ
ケット部材は、前記入口部の、外方側をなす開放凹部の
対向した内面に、前記板状部の外側面に弾性的に密接し
得る止水片を突設するのがよい。又、前記ソケット部材
は、前記開放凹部に、前記板状部の先端側の部分が納め
られたものとして構成するのがよい。又、前記板状接合
部材の前記板状部には、切り込み部を所要に設け、この
切り込みでの板状部の開きを伴って前記板状部が弾性的
に伸長するように構成するのがよい。
【0012】前記ソケット部材の開放凹部に前記板状部
の先端側の部分を納めるように構成した場合、該納めら
れている部分に切り込みを所要に設け、この切り込みで
の板状部の開きを伴って前記板状部が弾性的に伸長する
ように構成するのがよい。
【0013】前記可撓性耐震接合構造において、前記板
状部が、その長さ方向に延長する管状部を具える如く構
成し、該管状部の偏平な弾性変形を伴って前記板状部が
弾性的に伸長するように構成するのがよい。
【0014】この場合、前記管状部は、その壁部の一部
が切り離されたものとし、該切り離された部分での前記
板状部の開きを伴って該板状部が弾性的に伸長するよう
に構成するのがよい。
【0015】前記各可撓性耐震接合構造において、前記
ソケット部材をゴム質素材で構成し、前記係合突部が前
記入口部を通過する際に該入口部が弾性的に拡張できる
ように構成するのがよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1〜2において本発明に係る可
撓性耐震接合構造1は、例えばコンクリート製のボック
スカルバート2a,2aとしてのコンクリート製部材
2,2の接合端3,5相互を、一方の接合端3で突設さ
れた弾性素材からなる板状接合部材6と、他方の接合端
6側でコンクリート製部材2に埋設されたソケット部材
7との抜け止めされた係合によって接合してなるもので
ある。
【0017】前記板状接合部材6は、図1、図3に示す
ように、前記一方の接合端3側でコンクリート製部材2
に埋設されるアンカー部9に、他方の接合端5に向かっ
て突出し且つ弾性的に伸長し得る板状部10を連設し、
該板状部10の先端には係合突部11を設けてなり、全
体が、弾力性を有するゴムや、柔軟な塩化ビニル等の弾
性素材を以って一体に形成された長尺体である。
【0018】前記板状部10は、横断面円形の管状部1
2,13の内端部14,15相互が一連に連なり、該両
管状部12,13には、その逆側の側面部16,17を
切り離すように、例えば凸字状切り込み19,19が設
けられている。又、連なった前記管状部12,13の両
端部に、板状部の突出方向に直交する方向で深い直線状
切り込み20,20が逆方向に設けられてなるコ字状屈
曲部21,22が連設され、一方のコ字状屈曲部21の
端部には、例えばT字状をなす前記アンカー部9の脚部
23の基端が連なっている。又前記他方のコ字状屈曲部
22の端部には断面正方形状の突部25が連設されると
共に、その先端中央部には断面長方形状の首部26が突
設されている。そして該首部26の先端には断面三角形
状の前記係合突部11が突設され、該係合突部11の両
側部分29,29は、前記首部26の側面から稍突出し
ている。
【0019】又前記ソケット部材7は、ゴムや柔軟な塩
化ビニル等の弾性素材からなり或いは硬質合成樹脂等を
以って一体に形成された長尺体であり、前記他方の接合
端5で開放する収容体30の先端に、例えばT字状をな
すアンカー片31が突設されている。前記収容体30
は、前記接合端5で開放する開放凹部32を有する。該
開放凹部32は、奥側が窄まった拡大溝部分33を、対
向した傾斜面35,35間で形成しており、該拡大溝部
33の先端には、溝幅が略等しい縮小溝部36が連設さ
れると共に、その先端には、該縮小溝部36よりも溝幅
が更に小さい入口部37が連設され、該入口部37に、
その溝幅よりも拡大する断面略円形状を呈する係合凹部
39が連設されている。そして前記縮小溝部36の対向
面には、奥側に向かって斜めに突出する例えばヒレ状の
止水片41が、例えば片側2列で突設されている。
【0020】そして前記板状接合部材6は、前記コンク
リート製部材2の接合端3に凹設された凹部42の底部
分において、前記コ字状屈曲部21の端部43が凹部底
面45に当接した状態で前記アンカー部9が埋設される
ことによって、前記接合端3で突設されている。該凹部
42の深さは、本実施の形態においては、基端側に位置
する前記コ字状屈曲部21と基端側に位置する前記管状
部12の略1/3部分を納め得る程度に設定されてい
る。
【0021】又前記ソケット部材7は、前記開放凹部3
2が前記他方の接合端5で開放するように、コンクリー
ト製部材2に埋設されている。板状接合部材6とソケッ
ト部材7が夫々取り付けられてなる前記構成のコンクリ
ート製部材(例えばボックスカルバート)2,2相互の
接合は、前記板状接合部材6とソケット部材7とを対向
状態にして敷設して行う。その際図1に示すように、前
記板状部10の先側の部分を前記収容体30内に挿入
し、前記係合突部11を弾性変形させて前記入口部37
に通過せしめ、前記係合凹部39に嵌め入れる。これに
より、該係合突部11の両側部分29,29が、図4〜
5に示すように前記入口部37の内側縁部分47,47
と係合することによって、該係合突部11が抜け止めさ
れることになる。なおソケット部材7を、ゴムや柔軟な
塩化ビニル等の弾性素材で構成したときは、前記係合突
部11が入口部37を通過する際に該入口部37も弾性
的に拡張できるため、係合突部11の幅をより大きく設
定することが可能であり、これによって、係合突部11
と入口部の内側縁部分47,47との係合力を大きく
し、係合突部11の抜け止め強度を一層高めることがで
きることとなる。
【0022】そして該係合突部11が前記係合凹部39
に嵌め入れられた状態において、前記ヒレ状の止水片4
1,41が、図1に示すように、断面正方形状の前記突
部25の両側面49,49に、弾性変形して密接状態と
なり、該密接によって止水が図られることになる。そし
て、先端側に位置するコ字状屈曲部22及び、先端側に
位置する前記管状部13の略1/3部分が、前記拡大溝
部33に納められた状態にあり、この状態で、コンクリ
ート製部材の接合端3,5間には小間隙、例えば20m
m程度の間隙Gが形成されて、可撓性耐震接合構造1が
構成されている。
【0023】然して前記構成の可撓性耐震接合構造1に
よるときは、前記係合突部11が前記係合凹部39で抜
け止めされているために、コンクリート製部材の接合部
分50に大きな地震力が作用して、接合端3,5が例え
ば図4〜5に示すように、縦方向や横方向で位置ずれし
たり相互が離れた場合、前記板状部10が前記直線状切
り込み20,20で開き(開き状態を図4〜5に符号3
4で示す)、又前記凸字状切り込み19,19で開くこ
とによって(開き状態を図4〜5に符号38で示す)、
前記コ字状屈曲部21,22や前記管状部12,13が
弾性的に伸長し、地震の振動を吸収する。
【0024】なお板状部10の最大伸長量は、例えば5
cm程度に設定される。本実施の形態においては、板状
部10の両側部分が前記凹部42や前記拡大溝部33に
納められるために、コンクリート製部材の接合端3,5
間の間隙が20mm程度であったとしても、板状部10
の最大伸長量を大きく確保できる。
【0025】又接合端3,5間には、コンクリート製部
材の敷設時に例えば20mm程度の間隙Gがコンクリー
ト製部材2の敷設時に形成されているが、大きな地震力
の作用によってこの間隙が狭まった場合は、図6に示す
ように、前記板状接合部材6の板状部10が、前記管状
部12,13や前記コ字状屈曲部21,22が弾性的に
つぶれるように圧縮変形し、これにより地震の振動を吸
収する。
【0026】又、前記のように板状接合部材6が弾性的
に伸長変形したり圧縮変形したときも、接合端3,5間
が板状部10で接合された状態にあり然も前記ヒレ状の
止水片41の止水作用が発揮されるために、コンクリー
ト製部材の接合部分の止水も確実に図られることとな
る。
【0027】なお、前記係合突部11を係合凹部39内
に嵌め入れるに先立って、該係合凹部39に接着剤を充
填乃至塗布しておく場合は、その接着力によって前記係
合突部の抜け止め強度をより一層高めることができる。
【0028】〔その他の実施の形態〕 前記板状接合部材6の板状部10の弾性的な伸長
は、前記のように、該板状部の突出方向と略直角方向や
斜め方向等に適宜に切り込みを設け、該切り込みが開く
ことによって板状部10が伸長するように構成する場
合、その切り込みを設ける部位及びその形態は、このよ
うな伸長を可能とするものであるならば各種に設定でき
る。又、板状部が所要長さに伸長し得るものであるなら
ば、前記切り込みが設けられなくてもよい。
【0029】 本発明に係る可撓性耐震接合構造は、
接合部分における止水の必要がない場合は、前記ヒレ状
の止水片41を省略してもよい。
【0030】 コンクリート製部材が小型で板状部の
弾性伸長量が少なくてよい場合は、前記入口部37を直
接的に接合端5で開口させ、板状部の先端側の部分を納
めるための凹部分(開放凹部の前記縮小溝部36と拡大
溝部33)をソケット部材に設けない場合もある。
【0031】 本発明において、係合突部11と係合
凹部39の形態は、該係合突部11が弾性変形して前記
入口部37を通過して係合凹部39に嵌め入ることがで
きると共に、このように嵌め入った係合突部11が前記
係合凹部39の入口部37の内側縁部分と係合して抜け
止めされるものであるならば、各種に構成され得る。
【0032】 又前記止水片の形態は、前記のような
ヒレ状を呈するものに特定されず、板状部の外側面に弾
性的に密接して止水を可能とするならば、各種に構成さ
れ得る。
【0033】 本発明においてコンクリート製部材と
は、プレキャスト製の各種のコンクリート部材だけでな
く、現場打ち施工によって構築されたコンクリート製部
材を含む。
【0034】
【発明の効果】本発明は以下の如き優れた効果を奏す
る。 本発明に係る可撓性耐震接合構造は、コンクリート
製部材の接合端相互を、一方の接合端で突設した弾性素
材からなる板状接合部材と、他方の接合端側でコンクリ
ート製部材に埋設したソケット部材との抜け止めされた
係合によって接合してなるため、コンクリート製部材の
接合部分に大きな地震力が作用して、接合端が上下方向
に位置ずれしたり相互が離れた場合は、前記板状接合部
材が弾性的に伸長して、地震の振動を吸収できる。又接
合端間には、コンクリート製部材の敷設時に所定幅の間
隙が形成されているが、大きな地震力の作用によってこ
の間隙が狭まった場合は、前記板状接合部材が弾性的に
圧縮変形し、これにより地震の振動を吸収できる。この
ように本発明によるときは、前記板状部が引張方向と圧
縮方向に弾性的に変形できるため、地震の振動を効果的
に吸収して接合部分の耐震性を向上させることができる
のである。
【0035】 本発明に係る可撓性耐震接合構造は、
板状接合部材の係合突部を嵌め入れるための係合凹部を
ソケット部材の埋設によって形成しているため、前記の
ような風船状の型枠を付設することを要さない。従っ
て、空気が抜けて型枠が萎んで凹部を形成できなくなる
といった事態を発生させることがなく、係合凹部を正確
且つ簡易に形成できることになる。このようにソケット
部材の埋設施工が容易であることから、現場打ち施工に
よっても、係合凹部を正確且つ容易に形成できることと
なる。従来のように風船状の型枠を用いて係合凹部を形
成するときは、型枠の形態が必ずしも固定的でないため
に、その係合凹部の各部の寸法を正確に形成し難く、従
って、係合突部を係合凹部に押し込むことができない場
合が生ずるが、本発明によるときは、係合凹部をソケッ
ト部材によって正確に形成できるため、係合凹部への係
合突部の嵌め入れを容易且つ確実に行うことができ、所
要の抜け止め効果が得られることになる。又、前記ソケ
ット部材の開放凹部を複雑形態に構成することが可能で
あるため、例えば図3に示すようにヒレ状の止水片を突
設する等して、コンクリート製部材相互の接合部分の優
れた止水を確保することも可能である。そして、このよ
うにヒレ状止水片を突設することにより、係合突部を係
合凹部に入り込ませた状態で自動的に止水を確保できる
と共に、施工能率の向上を期し得ることとなる。このよ
うに本発明によるときは、係合凹部にグラウト材を充填
することが必須ではないため、グラウト材の充填不完全
によって係合突部の抜け止めが不安定化したり止水が不
完全となるといった従来構造の問題点を解消できるので
ある。
【0036】 本発明に係る可撓性耐震接合構造は従
来の接合構造とは異なり、基本的には、係合凹部にグラ
ウト材や接着剤を充填する必要がないため、従来のよう
に、係合突部の抜け止めや止水のために係合凹部にグラ
ウト材を充填するという特別な施工を必要とせず、施工
手間を減じて施工能率の向上と施工コストの低減を図り
得ることとなる。
【0037】 特にソケット部材を弾性素材を用いて
構成するときは、その入口部の弾性的な拡張が期待され
るため、少し大き目の係合突部であってもこれを容易に
押し込むことができ、該係合突部を係合凹部に嵌め入れ
た後は、該係合突部の抜け出しをより強固に阻止できる
ことになる。コンクリート面で係合凹部を形成する従来
構造によるときは、該係合凹部は変形しないために、係
合凹部への係合突部の挿入の容易性を考慮して係合突部
を小さめに形成せざるを得ないが、ソケット部材を埋設
して係合凹部を形成する本発明によるときは、ソケット
部材を前記のように弾性素材で形成することにより、そ
の入口部の弾性的な拡張によって係合突部を少し大きめ
に形成することが可能であり、従って、抜け止め強度を
より大きくして接合部の耐震性を向上させ得ることとな
る。
【0038】 ソケット部材が開放凹部を具える如く
構成することにより、該開放凹部に、前記板状部の先側
部分を納めることができるため、コンクリート製部材の
接合端間の間隙が小さくても、板状部の伸長量を大きく
確保できる。この場合、該納められた部分に切り込みを
所要に設けることによって、板状部の伸長量を更に大き
く確保できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可撓性耐震接合構造を示す断面図
である。
【図2】板状接合部材とソケット部材が設けられたコン
クリート製部材を示す斜視図である。
【図3】板状接合部材とソケット部材を示す斜視図であ
る。
【図4】大きな地震力が作用した場合における板状部の
弾性的伸長状態を示す断面図である。
【図5】大きな地震力が作用した場合における板状部の
弾性的伸長状態を示す断面図である。
【図6】大きな地震力の作用によって板状部が弾性的に
圧縮変形した状態を示す断面図である。
【図7】従来の可撓性耐震接合構造を例示する断面図で
ある。
【図8】その接合構造における地震力の吸収作用を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 可撓性耐震接合構造 2 コンクリート製部材 3 接合端 5 接合端 6 板状接合部材 7 ソケット部材 9 アンカー部 10 板状部 11 係合突部 12 管状部 13 管状部 19 切り込み 20 切り込み

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート製部材の接合端相互を、一
    方の接合端で突設された弾性素材からなる板状接合部材
    と、他方の接合端側でコンクリート製部材に埋設された
    ソケット部材との抜け止めされた係合によって接合して
    なるコンクリート製部材の可撓性耐震接合構造であっ
    て、 前記板状接合部材は、前記一方の接合端側でコンクリー
    ト製部材に埋設されたアンカー部に、他方の接合端に向
    かって突出し且つ弾性的に伸長し得る板状部を連設し、
    該板状部の先端には係合突部を設けてなり、 又前記ソケット部材は、前記他方の接合端で開口する幅
    狭の入口部を有した係合凹部を具えており、前記係合突
    部は、弾性変形して前記入口部を通過し前記係合凹部に
    嵌め入れられることにより、該係合突部が、前記幅狭の
    入口部の内側縁部分と係合して抜け止めされるように構
    成されており、又前記係合突部を前記係合凹部に嵌め入
    れた状態において、両接合端間に所定幅の間隙が形成さ
    れていることを特徴とするコンクリート製部材の可撓性
    耐震接合構造。
  2. 【請求項2】 コンクリート製部材の接合端相互を、一
    方の接合端で突設された弾性素材からなる板状接合部材
    と、他方の接合端側でコンクリート製部材に埋設された
    ソケット部材との抜け止めされた係合によって接合して
    なるコンクリート製部材の可撓性耐震接合構造であっ
    て、 前記板状接合部材は、前記一方の接合端側でコンクリー
    ト製部材に埋設されたアンカー部に、他方の接合端に向
    かって突出し且つ弾性的に伸長し得る板状部を連設し、
    該板状部の先端には係合突部を設けてなり、 又前記ソケット部材は、前記他方の接合端で開放する開
    放凹部の奥側の入口部に、該入口部の開口幅よりも幅が
    拡大する係合凹部が連設されており、前記係合突部は、
    弾性変形して前記入口部を通過し前記係合凹部に嵌め入
    れられることにより、前記係合突部が、前記開口部の入
    口の内側縁部分と係合して抜け止めされるように構成さ
    れており、又、前記係合突部を前記係合凹部に嵌め入れ
    た状態において、両接合端間に所定幅の間隙が形成され
    ているといることを特徴とするコンクリート製部材の可
    撓性耐震接合構造。
  3. 【請求項3】 前記ソケット部材は、前記入口部の、外
    方側をなす開放凹部の対向した内面に、前記板状部の外
    側面に弾性的に密接し得る止水片を突設したことを特徴
    とする請求項2記載のコンクリート製部材の可撓性耐震
    接合構造。
  4. 【請求項4】 前記ソケット部材は、前記開放凹部に、
    前記板状部の先端側の部分が納められていることを特徴
    とする請求項2記載のコンクリート製部材の可撓性耐震
    接合構造。
  5. 【請求項5】 前記板状接合部材の前記板状部には、切
    り込み部が所要に設けられており、この切り込みでの板
    状部の開きを伴って前記板状部が弾性的に伸長すること
    を特徴とする請求項2記載のコンクリート製部材の可撓
    性耐震接合構造。
  6. 【請求項6】 前記板状部の、前記開放凹部に納められ
    ている部分に、切り込みが所要に設けられており、この
    切り込みでの板状部の開きを伴って前記板状部が弾性的
    に伸長することを特徴とする請求項4記載のコンクリー
    ト製部材の可撓性耐震接合構造。
  7. 【請求項7】 前記板状部はその長さ方向に延長する管
    状部を具えており、該管状部の偏平な弾性変形を伴って
    前記板状部が弾性的に伸長することを特徴とする請求項
    1又は2記載のコンクリート製部材の可撓性耐震接合構
    造。
  8. 【請求項8】 前記管状部は、その壁部の一部が切り離
    されており、該切り離された部分での前記板状部の開き
    を伴って該板状部が弾性的に伸長することを特徴とする
    請求項7記載のコンクリート製部材の可撓性耐震接合構
    造。
  9. 【請求項9】 前記ソケット部材はゴム質素材で構成さ
    れており、前記係合突部が前記入口部を通過する際に該
    入口部が弾性的に拡張できることを特徴する請求項1〜
    8のいずれかに記載のコンクリート製部材の可撓性耐震
    接合構造。
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