JP2001081670A - ポリアミド繊維用湿潤堅牢度向上剤及びポリアミド繊維の湿潤堅牢度向上方法 - Google Patents

ポリアミド繊維用湿潤堅牢度向上剤及びポリアミド繊維の湿潤堅牢度向上方法

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JP2001081670A
JP2001081670A JP25718399A JP25718399A JP2001081670A JP 2001081670 A JP2001081670 A JP 2001081670A JP 25718399 A JP25718399 A JP 25718399A JP 25718399 A JP25718399 A JP 25718399A JP 2001081670 A JP2001081670 A JP 2001081670A
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improver
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polyamide fiber
vinylformamide
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JP25718399A
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Katsumitsu Aoyanagi
克光 青柳
Akio Tsujimoto
章夫 辻本
Hisayo Takagi
美佐世 高木
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Nicca Chemical Co Ltd
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Nicca Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境や人体に有害な吐酒石を用いずに、処理
変色が少なく、優れた湿潤堅牢度を示し、かつ、処理工
程の簡略化を図ることのできるポリアミド繊維用の湿潤
堅牢度向上剤及びポリアミド繊維の湿潤堅牢度向上方法
を提供する。 【解決手段】 ポリアミド繊維を処理する際にタンニン
酸及び/又は合成タンニンとともに用いるための処理剤
であって、N−ビニルホルムアミドのホモポリマー又は
30重量%以上のN−ビニルホルムアミドと70重量%
以下のこれと共重合可能なビニル系モノマーとを重合さ
せて得られるコポリマーを含有してなる、ポリアミド繊
維用の湿潤堅牢度向上剤及びこの湿潤堅牢度向上剤をタ
ンニン酸及び/又は合成タンニンとともに用いてポリア
ミド繊維を処理することを含む、ポリアミド繊維の湿潤
堅牢度向上方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド繊維用
湿潤堅牢度向上剤及びポリアミド繊維の湿潤堅牢度向上
方法に関する。特に、本発明は、酸性染料や金属錯塩染
料によって染色されたポリアミド繊維を処理するための
湿潤堅牢度向上剤および湿潤堅牢度向上方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド繊維の染色には、一般に、酸
性染料や金属錯塩染料が用いられている。しかし、酸性
染料は、ポリアミド繊維との染着力がそれほど強くな
く、染色堅牢度向上剤による処理なくしては満足な湿潤
堅牢度を得ることができない場合が殆どである。また、
金属錯塩染料は、酸性染料よりも染色堅牢度は良好では
あるが、染色物が濃色である場合や、タイツ、靴下等の
スチームセット処理が施される素材においては、湿潤堅
牢度向上剤による処理が必要となる。
【0003】ポリアミド繊維染色物の湿潤堅牢度向上剤
としては、古くから天然タンニン酸系化合物が用いられ
ており、この化合物により処理されたポリアミド繊維染
色物は湿潤堅牢度に優れている。また、天然タンニン酸
系化合物を用いる方法では、さらに優れた湿潤堅牢度を
得るために、吐酒石を併用するのが一般的である。しか
し、天然タンニン酸系化合物と吐酒石とを併用する方法
では、処理を染色浴とは別浴で行うか又は2段処理とす
る必要があり、処理工程が煩雑となるうえに、被処理物
の変色が大きく、耐光堅牢度も不良となる欠点を有して
いる。さらに、吐酒石はアンチモン化合物であり、毒物
であるヒ素化合物と同じような腐食作用があるなど、環
境や人体に対して悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0004】以上のことから、現在では、ジヒドロキシ
ジフェニルスルホンとフェノールスルホン酸塩とホルム
アルデヒドとの縮合物や、ジヒドロキジフェニルスルホ
ンとその硫酸化物とホルムアルデヒドとの縮合物などの
ように、合成タンニンと称される化合物を用いてポリア
ミド繊維染色物を処理することが多い。これらの被処理
物は、処理変色が少なく、耐光堅牢度もタンニン酸より
も良好であり、不均染型酸性染料(ミリングタイプ)や
金属錯塩染料を用いた染色物における湿潤堅牢度向上効
果は大きいけれども、均染型酸性染料(レベリングタイ
プ)や半均染型酸性染料(ハーフミリングタイプ)での
湿潤堅牢度向上効果は小さい。また、靴下、タイツ等の
素材のようにスチームセット処理が施される場合には、
ミリングタイプ染料や金属錯塩染料の場合でも湿潤堅牢
度が低下しやすく、天然タンニン酸系化合物と吐酒石と
を併用した処理によるよりも湿潤堅牢度に劣るのが現状
である。
【0005】また、合成タンニンを用いる場合、染料染
着と合成タンニンによる染料固着処理とを同時に行うた
めに染料と同浴で処理することもでき、処理工程が簡略
化される利点があるが、染色別浴処理や2段処理と比較
すると、湿潤堅牢度は数段劣るのが現状であり、実際に
は淡色分野でしか応用されていない。上記のように、天
然タンニン酸系化合物と吐酒石とを併用する処理と比較
して、合成タンニンは処理変色が少ないことや耐光堅牢
度が良好である利点があるが、未だ湿潤堅牢度向上効果
は十分ではなく、合成タンニン処理の場合の利点はその
ままで、天然タンニン酸系化合物に匹敵する湿潤堅牢度
向上の効果を奏する処理手段を提供することが望まれて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
技術の現状に鑑み、環境や人体に有害な吐酒石を用いる
ことなく、処理変色が少なく、優れた湿潤堅牢度を示
し、かつ、処理工程の簡略化を図ることのできるポリア
ミド繊維用の湿潤堅牢度向上剤及びポリアミド繊維の湿
潤堅牢度向上方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、N−ビニルホル
ムアミドのホモポリマー又はN−ビニルホルムアミドと
これと共重合可能なビニル系モノマーとのコポリマーを
湿潤堅牢度向上剤とし、これを合成タンニン及び/又は
天然タンニン酸と併用してポリアミド繊維染色物を処理
すれば、天然タンニン酸系化合物と吐酒石とを併用した
従来の方法と同等の湿潤堅牢度が得られることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、ポリアミド繊維を処
理する際にタンニン酸及び/又は合成タンニンとともに
用いるための処理剤であって、N−ビニルホルムアミド
のホモポリマー又は30重量%以上のN−ビニルホルム
アミドと70重量%以下のこれと共重合可能なビニル系
モノマーとを重合させて得られるコポリマーを含有して
なる、ポリアミド繊維用の湿潤堅牢度向上剤を提供す
る。
【0009】本発明は、また、上記した湿潤堅牢度向上
剤をタンニン酸及び/又は合成タンニンとともに用いて
ポリアミド繊維を処理することを含む、ポリアミド繊維
の湿潤堅牢度向上方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に有用な上記N−ビニルホ
ルムアミドのホモポリマー及びコポリマーは、従来公知
の方法により容易に得ることができる。例えば、ホモポ
リマーは、N−ビニルホルムアミドを水中又は水とジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等の極性溶媒との混合溶媒中
で、アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、アゾビ
スイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリ
ウム等のラジカル重合開始剤を用いて重合させることに
より得ることができる。
【0011】また、コポリマーは、N−ビニルホルムア
ミドとこれと共重合可能なビニル系モノマーとを、上記
したホモポリマーの製造の場合と同様の方法により、ラ
ジカル重合させて得ることができる。N−ビニルホルム
アミドと共重合可能なビニル系モノマーとしては、N−
ビニルアセトアミド、スチレン、アクリロニトリル、ア
クリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸ブチル等が挙げられ、またアクリル酸、メ
タクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸及びそれらのアルカリ金属塩等を用いること
もできる。これらのビニル系モノマーはそれぞれ単独で
用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられ
てもよい。N−ビニルホルムアミドと上記のビニル系モ
ノマーを共重合させるに際しては、N−ビニルホルムア
ミドの使用量はモノマーの総重量の30重量%以上であ
る必要があり、好ましくは50重量%以上である。N−
ビニルホルムアミドの使用量が30重量%未満である
と、十分な湿潤堅牢度向上の効果が得られない。
【0012】また、上記ホモポリマー及びコポリマー
の、25℃における1Nの塩化ナトリウム水溶液中で測
定した極限粘度数は0.001〜10であるのが好まし
く、さらに好ましくは0.005〜5である。極限粘度
数が0.001未満の場合、湿潤堅牢度向上効果が不十
分となることがあり、10以上になると被処理物の風合
が硬くなることがある。
【0013】本発明において、合成タンニンとしては、
フェノール系化合物の硫酸化物とホルムアルデヒドとの
縮合物が挙げられる。フェノール系化合物の硫酸化物と
しては、フェノールスルホン酸、ジヒドロキシジフェニ
ルスルホンの硫酸化物又はジヒドロキシジフェニルスル
ホンのスルホメチル化物が挙げられ、これらの化合物は
それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いられてもよい。ジヒドロキシジフェニルスル
ホンには、2,4’−体や4,4’−体があり、これら
はそれぞれ単独で用いられてもよいし、混合して用いら
れてもよい。また、合成タンニンを合成する際には、上
記のフェノール系化合物の硫酸化物と、ジヒドロキシジ
フェニルスルホンとホルムアルデヒドとを縮合させても
よい。
【0014】かかる合成タンニンは、従来公知の方法で
容易に得ることができる。例えば、水酸化ナトリウム等
のアルカリを触媒として用い、ジヒドロキシジフェニル
スルホン、フェノールスルホン酸のアルカリ金属塩及び
ホルムアルデヒドを、水溶媒中、100〜130℃で4
〜20時間縮合反応させて得ることができる。また、ジ
ヒドロキシジフェニルスルホンを無水酢酸中で硫酸と反
応させて一部を硫酸化した後、ホルムアルデヒドを加
え、100〜110℃で6〜10時間反応させて得るこ
ともできる。もちろん、無水酢酸中、ジヒドロキシジフ
ェニルスルホンを完全に硫酸化させ、水酸化ナトリウム
等で中和して単離した後、ホルムアルデヒドと、必要に
応じてジヒドロキシジフェニルスルホンを加え、アルカ
リの存在下に縮合反応させて得ることもできる。あるい
は、ジヒドロキシジフェニルスルホン、ヒドロキシメタ
ンスルホン酸、ホルムアルデヒドを、水酸化ナトリウム
等のアルカリを触媒とし、水溶媒中、100〜130℃
で4〜20時間反応させることによってもよい。
【0015】本発明において、タンニン酸とは、加水分
解型タンニン、縮合型タンニン及びこれらの両者の性質
を有する複合タンニンを言う。合成タンニン及びタンニ
ン酸は、それぞれ単独で用いられてもよいし、組み合わ
せて用いられてもよい。本発明におけるポリアミド繊維
としては、例えば、ナイロン66、ナイロン6などの脂
肪族ポリアミド繊維、キシリレンジアミン系ポリアミド
繊維、その他の芳香族系ポリアミド繊維などが挙げられ
る。これらのポリアミド繊維は、糸、織物、編物、不織
布などのいかなる形態にあってもよく、また他の繊維、
例えば、ポリウレタン繊維、セルロース繊維、ポリエス
テル繊維、ポリアクリロニトリル繊維等との複合繊維の
状態にあってもよい。特に、本発明は、酸性染料や金属
錯塩染料で染色されるポリアミド繊維染色物の湿潤堅牢
度の向上のための処理に有用である。
【0016】本発明に係る湿潤堅牢度向上剤を用いる方
法としては、ポリアミド繊維に対して、合成タンニン及
び/又はタンニン酸を0.1〜5.0%o.w.f.
と、湿潤堅牢度向上剤として上記したホモポリマー又は
コポリマーを0.1〜5.0%o.w.f.の割合で併
用するのが好ましく、この範囲で使用することにより優
れた湿潤堅牢度を得ることができる。処理方法として
は、例えば、ポリアミド繊維を染色後、染色物に対して
合成タンニン及び/又はタンニン酸と湿潤堅牢度向上剤
とを上記の割合で含む水性処理浴を用い、必要に応じて
酢酸等の酸や分解酸を投入し、80〜100℃で10〜
30分間浸漬処理する方法や、あるいはポリアミド繊維
に対して合成タンニン及び/又はタンニン酸と湿潤堅牢
度向上剤を上記の割合で、染料を含む染色浴に添加し、
必要に応じて酢酸等の酸や分解酸を投入し、80〜10
0℃で10〜60分間浸漬して、同浴で染色と同時に処
理する方法等がある。
【0017】
【実施例】以下に、実施例をもって本発明をさらに説明
するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるも
のではない。なお、実施例および比較例に記載した重合
率は得られたポリマーの重量と使用したモノマーの総重
量との比から求めたものであり、極限粘度数はキャノン
−フェンスケ動粘度計(柴田化学(株)製)を用いて求
めたものである。
【0018】1.評価方法 湿潤堅牢度を洗濯堅牢度及び汗堅牢度により評価した。
すなわち、洗濯堅牢度ついてはJIS L−0844
A−2法に準じ、汗堅牢度についてはJISL−084
8に準じてアルカリ人工汗液を用い、グレースケールを
基準にしてナイロン添布の汚染を視覚により評価した。
評価の等級数が大きいほど湿潤堅牢度は良好である。
【0019】2.合成タンニンの合成例 (1)合成タンニンA 4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン250g、
パラフェノールスルホン酸ナトリウム98g、水酸化ナ
トリウム24g、37%ホルムアルデヒド水溶液100
g及び水298gを耐圧容器にとり、撹拌しつつオート
クレーブにて130℃で4時間加熱し、縮合反応させ
て、合成タンニンAの水溶液を得た。この水溶液を減圧
乾燥し、合成タンニンA395gを得た。
【0020】(2)合成タンニンB 4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン500g及
び無水酢酸250gをフラスコに取り、窒素ガス雰囲気
下に、120℃で溶解し、均一化させ、100℃で98
%硫酸100gを滴下した後、110℃で6時間硫酸化
反応させた。次いで、40℃に冷却し、水312gで希
釈し、さらに37%ホルムアルデヒド水溶液162gを
加えた後、105℃で10時間縮合反応を行い、合成タ
ンニンBの水溶液を得た。この水溶液を減圧乾燥し、合
成タンニンB625gを得た。
【0021】(3)合成タンニンC 4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン250g、
ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム67g、水酸化
ナトリウム24g、37%ホルムアルデヒド水溶液65
g及び水162gをフラスコにとり、撹拌しつつオート
クレーブにて100℃で20時間縮合反応を行い、合成
タンニンCの水溶液を得た。この水溶液を減圧乾燥さ
せ、合成タンニンC330gを得た。
【0022】(4)合成タンニンD 4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン500g及
び無水酢酸400gをフラスコに取り、窒素ガス雰囲気
下に、120℃で溶解し、均一化させ、100℃で98
%硫酸200gを滴下した後、110℃で6時間反応さ
せて、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンすべ
てを硫酸化した。次いで、40℃に冷却し、水162g
で希釈し、さらに37%ホルムアルデヒド水溶液162
gを加えた後、105℃で10時間縮合反応を行い、合
成タンニンDの水溶液を得た。この水溶液を減圧乾燥
し、合成タンニンD685gを得た。
【0023】実施例1 N−ビニルホルムアミド50g及びイオン交換水200
gをフラスコに取り、窒素ガス雰囲気下に60℃とした
後、アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.05
gを加え、60℃に4時間保持し、重合反応させた。得
られたポリマー溶液をメタノール中に投入し、ポリマー
を沈殿させ、濾別した後、減圧乾燥を行い、N−ビニル
ホルムアミドのホモポリマーを得た。このホモポリマー
の重合率は97.0%であり、25℃において1Nの塩
化ナトリウム水溶液中で測定した極限粘度数は4.5で
あった。
【0024】実施例2 N−ビニルホルムアミド50g及びイオン交換水200
gをフラスコに取り、窒素ガス雰囲気下に70℃とした
後、アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.75
gを加え、70℃に3時間保持し、重合反応させた。得
られたポリマー溶液をメタノール中に投入し、ポリマー
を沈殿させ、濾別した後、減圧乾燥を行い、N−ビニル
ホルムアミドのホモポリマーを得た。このホモポリマー
の重合率は99.3%で、25℃において1Nの塩化ナ
トリウム水溶液中で測定した極限粘度数は0.53であ
った。
【0025】実施例3 N−ビニルホルムアミド50g及びイオン交換水200
gをフラスコに取り、窒素ガス雰囲気下に70℃とした
後、アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩1.5g
を加え、80℃に3時間保持し、重合反応させた。得ら
れたポリマー溶液をメタノール中に投入し、ポリマーを
沈殿させ、濾別した後、減圧乾燥を行い、N−ビニルホ
ルムアミドのホモポリマーを得た。このホモポリマーの
重合率は99.2%で、25℃において1Nの塩化ナト
リウム水溶液中で測定した極限粘度数は0.09であっ
た。
【0026】実施例4 N−ビニルホルムアミド35g、N−ビニルアセトアミ
ド15g及びイオン交換水200gをフラスコに取り、
窒素ガス雰囲気下に70℃とした後、アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)塩酸塩1.5gを加え、70℃に3時
間保持し、重合反応させた。得られたポリマー溶液をメ
タノール中に投入し、ポリマーを沈殿させ、濾別した
後、減圧乾燥を行った。得られたコポリマーの重合率は
99.0%であった。また、25℃において1Nの塩化
ナトリウム水溶液中で測定したコポリマーの極限粘度数
は、0.67であった。
【0027】実施例5 N−ビニルホルムアミド25g、アクリルアミド25g
及びイオン交換水200gをフラスコに取り、窒素ガス
雰囲気下に70℃とした後、アゾビス(2−アミジノプ
ロパン)塩酸塩1.5gを加え、70℃に3時間保持
し、重合反応させた。得られたポリマー溶液をメタノー
ル中に投入し、ポリマーを沈殿させ、濾別した後、減圧
乾燥を行った。得られたコポリマーの重合率は99.1
%であった。また、25℃において1Nの塩化ナトリウ
ム水溶液中で測定したコポリマーの極限粘度数は1.8
0であった。
【0028】実施例6 N−ビニルホルムアミド25g、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム25g及びイ
オン交換水200gをフラスコに取り、窒素ガス雰囲気
下に70℃とした後、アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)塩酸塩1.5gを加え、70℃に3時間保持し、重
合反応させた。得られたポリマー溶液をメタノール中に
投入し、ポリマーを沈殿させ、濾別した後、減圧乾燥を
行った。得られたコポリマーの重合率は99.0%であ
った。また、25℃において1Nの塩化ナトリウム水溶
液中で測定したコポリマーの極限粘度数は0.69であ
った。
【0029】比較例1 N−ビニルアセトアミド50g及びイオン交換水200
gをフラスコに取り、窒素ガス雰囲気下に70℃とした
後、アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩1.5g
を加え、70℃に3時間保持し、重合反応させた。得ら
れたポリマー溶液をメタノール中に投入し、ポリマーを
沈殿させ、濾別した後、減圧乾燥を行い、N−ビニルア
セトアミドのホモポリマーを得た。このホモポリマーの
重合率は99.0%であり、25℃において1Nの塩化
ナトリウム水溶液中で測定した極限粘度数は1.02で
あった。
【0030】比較例2 アクリルアミド25g及びイオン交換水225gをフラ
スコに取り、窒素ガス雰囲気下に80℃とした後、アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩1.5gを加え、
80℃に3時間保持し、重合反応させた。得られたポリ
マー溶液をイソプロパノール中に投入し、ポリマーを沈
殿させ、濾別した後、減圧乾燥を行い、アクリルアミド
のホモポリマーを得た。このホモポリマーの重合率は9
8.5%であり、25℃において1Nの塩化ナトリウム
水溶液中で測定した極限粘度数は3.12であった。
【0031】比較例3 N−ビニルホルムアミド10g、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム40g及びイ
オン交換水200gをフラスコに取り、窒素ガス雰囲気
下に70℃とした後、アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)塩酸塩1.5gを加え、70℃に3時間保持し、重
合反応させた。得られたポリマー溶液をメタノール中に
投入し、ポリマーを沈殿させ、濾別した後、減圧乾燥を
行った。得られたコポリマーの重合率は99.1%であ
った。また、25℃において1Nの塩化ナトリウム水溶
液中で測定したコポマーの極限粘度数は0.75であっ
た。
【0032】実施例7〜16及び比較例4〜12 (1)染色物の準備 ナイロン6ニットを、以下の3種類の染料をそれぞれ含
む水浴中で、下記の条件で染色し、流水で1分間水洗
し、次いで脱水した後、100℃で3分間乾燥した。
【0033】 染料A: C.I. Acid Red 57(レベリ
ング染料) 染料B: C.I. Acid Blue 129(ハ
ーフミリング染料) 染料C: C.I. Acid Blue 300(金
属錯塩染料) 染料濃度: 2.0%o.w.f. 均染剤: ニューボンTS−400(日華化学(株)
製)1%o.w.f. 分解酸: NCアシッドW(日華化学(株)製)3g/
L 浴比: 1:15 昇温: 40℃から98℃まで2℃/分で昇温 染色温度×染色時間: 98℃×40分 染色機: ミニカラー染色機(テクサム技研(株)製) (2)湿潤堅牢度向上剤による処理 上記で得られたナイロン6ニットの染色物を、それぞ
れ、湿潤堅牢度向上剤と合成タンニン又はタンニン酸を
含む水浴中で、下記の条件で処理した。
【0034】 湿潤堅牢度向上剤: 表1に示す(使用量とともに) 合成タンニン又はタンニン酸: 表1に示す(使用量と
ともに) 酢酸: 1g/L 処理浴比: 1:15 昇温: 40℃から98℃まで2℃/分で昇温 処理温度×処理時間: 98℃×30分 処理機: ミニカラー染色機(テクサム技研(株)製) なお、比較例7〜10では湿潤堅牢度向上剤を用いず、
比較例11では合成タンニン若しくはタンニン酸を用い
ず、また比較例12では合成タンニン若しくはタンニン
酸及び湿潤堅牢度向上剤の両方とも用いずに処理した。
【0035】被処理物を流水で1分間水洗し、脱水した
後、100℃で3分間乾燥し、次いでHPスチーマー
(辻井染機工業(株))にて110℃で30秒間のスチ
ームセットを行い、得られた被処理物を湿潤堅牢度の評
価に用いた。評価結果を表1に示す。 比較例13〜16 比較例7〜10と同一の条件で、それぞれ、染色及び湿
潤堅牢度向上処理を行った後、スチームセットを行わず
に、被処理物を湿潤堅牢度の評価に用いた。
【0036】評価結果を表1に示す。 比較例17 上記実施例7〜16及び比較例4〜12に対して記載し
た染色物の準備における操作とと同一の操作により得ら
れたナイロン6ニットの染色物を、ミニカラー染色機
(テクサム技研(株)製)を用い、タンニン酸2%o.
w.f.と酢酸1g/Lを含む水浴中で、処理浴比1:
15において2分/℃で昇温し、80℃で20分間処理
した後、吐酒石2%o.w.f.を添加し、80℃でさ
らに20分間処理した。被処理物を流水で1分間水洗
し、脱水した後、100℃で3分間乾燥し、次いでHP
スチーマー(辻井染機工業(株))にて110℃で30
秒間のスチームセットを行い、得られた被処理物を湿潤
堅牢度の評価に用いた。
【0037】評価結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1の実施例7〜16のように、合成タン
ニン又はタンニン酸と湿潤堅牢度向上剤とを併用して処
理した場合には、優れた湿潤堅牢度を得ることができ
た。特に、合成タンニンとして、フェノール系化合物の
硫酸化物とジヒドロキジフェニルスルホンとホルムアル
デヒドとの縮合物(合成タンニンA、B及びC)を用い
た場合には、タンニン酸と吐酒石とを併用した場合(比
較例17)に匹敵する湿潤堅牢度を得ることができた。
また、被処理物をスチームセットした後は、比較例7〜
10と比較例13〜16との比較からわかるように、湿
潤堅牢度が低下する傾向にあるが、本発明の湿潤堅牢度
向上剤と合成タンニン又はタンニン酸とを併用した処理
を施せば、スチームセット後でも優れた湿潤堅牢度が得
られることがわかる。
【0040】実施例17〜25及び比較例18〜26 染料、湿潤堅牢度向上剤及び合成タンニンを同浴(水
浴)で使用し、ナイロン6ニットを染色すると同時に湿
潤堅牢度向上剤処理(染料固着処理)を行った。処理条
件を下記に示す。 染料: 染料A、染料B又は染料C(前記) 染料濃度: 2%o.w.f. 均染剤: ニューボンD−100(日華化学(株)製)
2%o.w.f. 分解酸: NCアシッドW(日華化学(株)製)3g/
L 湿潤堅牢度向上剤: 表2に示す(使用量とともに) 合成タンニン: 表2に示す(使用量とともに) 処理浴比: 1:15 昇温: 40℃から98℃まで2℃/分で昇温 処理温度×処理時間: 98℃×40分 染色機: ミニカラー染色機(テクサム技研(株)製) なお、比較例21〜24では湿潤堅牢度向上剤を用い
ず、比較例25では合成タンニン若しくはタンニン酸を
用いず、また比較例26では合成タンニン若しくはタン
ニン酸及び湿潤堅牢度向上剤の両方とも用いずに処理し
た。
【0041】被処理物を流水で1分間水洗し、脱水した
後、100℃で3分間乾燥した。得られた被処理物を湿
潤堅牢度の評価に用いた。評価結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】ポリアミド繊維を処理する際に、本発明の
湿潤堅牢度向上剤と合成タンニンとを染料と同浴で用
い、染色と同時に染料固着処理を行った場合でも、従来
の染色別浴での処理と同様に優れた湿潤堅牢度を得るこ
とができる。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る湿潤堅牢度向上剤と合成タ
ンニン及び/又はタンニン酸とを併用して処理すれば、
環境や人体に悪影響を及ぼすことなく、ポリアミド繊維
染色物に対して優れた湿潤堅牢度を与えることができ
る。また、一段処理で処理することができるので、処理
工程の簡略化を図ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 高木 美佐世 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内 Fターム(参考) 4L033 AA08 AB01 AC15 BA08 BA28 BA31 CA11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド繊維を処理する際にタンニン
    酸及び/又は合成タンニンとともに用いるための処理剤
    であって、N−ビニルホルムアミドのホモポリマー又は
    30重量%以上のN−ビニルホルムアミドと70重量%
    以下のこれと共重合可能なビニル系モノマーとを重合さ
    せて得られるコポリマーを含有してなる、ポリアミド繊
    維用の湿潤堅牢度向上剤。
  2. 【請求項2】 前記ホモポリマー又はコポリマーの、2
    5℃において1Nの塩化ナトリウム水溶液中で測定した
    極限粘度数が0.001〜10である、請求項1に記載
    の湿潤堅牢度向上剤。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した湿潤堅牢度向上剤を
    タンニン酸及び/又は合成タンニンとともに用いてポリ
    アミド繊維を処理することを含む、ポリアミド繊維の湿
    潤堅牢度向上方法。
  4. 【請求項4】 前記ホモポリマー又はコポリマーの、2
    5℃において1Nの塩化ナトリウム水溶液中で測定した
    極限粘度数が0.001〜10である、請求項3に記載
    の湿潤堅牢度向上方法。
  5. 【請求項5】 合成タンニンが、フェノールスルホン
    酸、ジヒドロキシジフェニルスルホンの硫酸化物及びジ
    ヒドロキシジフェニルスルホンのスルホメチル化物から
    なる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とホルムア
    ルデヒドとの縮合物である、請求項3又は4に記載の湿
    潤堅牢度向上方法。
  6. 【請求項6】 合成タンニンが、フェノールスルホン
    酸、ジヒドロキシジフェニルスルホンの硫酸化物及びジ
    ヒドロキシジフェニルスルホンのスルホメチル化物から
    なる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とジヒドロ
    キシジフェニルスルホン及びホルムアルデヒドとの縮合
    物である、請求項3又は4に記載の湿潤堅牢度向上方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005120538A (ja) * 2003-10-20 2005-05-12 Teijin Fibers Ltd ポリウレタン加工布帛
US9671367B2 (en) 2003-05-15 2017-06-06 Applied Biosystems, Llc Poly and copoly(N-vinylamide)s and their use in capillary electrophoresis

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US9671367B2 (en) 2003-05-15 2017-06-06 Applied Biosystems, Llc Poly and copoly(N-vinylamide)s and their use in capillary electrophoresis
US10551345B2 (en) 2003-05-15 2020-02-04 Applied Biosystems, Llc Poly and copoly(N-vinylamide)s and their use in capillary electrophoresis
JP2005120538A (ja) * 2003-10-20 2005-05-12 Teijin Fibers Ltd ポリウレタン加工布帛

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