JP2001081556A - 基板加熱チャンバー及びこの基板加熱チャンバーを備えた情報記録ディスク用基板処理装置 - Google Patents

基板加熱チャンバー及びこの基板加熱チャンバーを備えた情報記録ディスク用基板処理装置

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JP2001081556A
JP2001081556A JP25559699A JP25559699A JP2001081556A JP 2001081556 A JP2001081556 A JP 2001081556A JP 25559699 A JP25559699 A JP 25559699A JP 25559699 A JP25559699 A JP 25559699A JP 2001081556 A JP2001081556 A JP 2001081556A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きさの異なる各種の基板に対して高い面内
温度均一性で加熱処理を行ったり、意図的に温度勾配を
形成しながら加熱したりする。 【解決手段】 チャンバー本体31内で、基板保持具9
0が円盤状の基板9の周縁に当接して基板9を保持し、
基板9と同軸に配置された円環状の輻射加熱源33から
の輻射線により基板9が加熱される。円錐形を軸に垂直
な面で切断した下側の形状に相当する筒状の周囲遮蔽具
34が基板9と同軸に設けられ、基板9の周囲の領域へ
の輻射線を遮蔽する。周囲遮蔽具34の稜線は基板9の
周縁に交差するとともに、周囲用位置調節機構が周囲遮
蔽具34を軸方向に変位させる。輻射加熱源33と基板
9との間に設けられた円板状の中央遮蔽具36は、基板
9の中央部への輻射線を遮蔽するとともに、中央用位置
調節機構により軸方向に変位する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、基板(各種製
品の基になる板状物の総称)を内部で加熱する気密なチ
ャンバーである基板加熱チャンバーに関するものであ
り、特に、このような基板加熱チャンバーを備え、情報
記録ディスク等を製作する際に使用される基板処理装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基板に対する処理は、各種半導体デバイ
スや液晶ディスプレイ等の電子デバイスの製作において
盛んに行われている。また、ハードディスクや光磁気デ
ィスク等の情報記録ディスクの製作においても、基板に
対する処理が行われている。このような基板処理には各
種のものがあるが、基板を所定の温度まで加熱する加熱
処理は色々な目的で多用されている。このような加熱処
理の例を、ハードディスクの製作を例にして説明する。
ハードディスクを製作する場合、概略的には、NiP
(ニッケル燐)コーティングされたアルミニウム製又は
ガラス製の基板の上にCr等の金属の下地膜を作成し、
その上に、スパッタリングによりCoCrTa等の磁性
膜を記録層として作成する。そして、磁性膜の上にカー
ボン等の保護膜を設けることでハードディスクが製作さ
れる。
【0003】上述した下地膜や磁性膜等の作成の際、成
膜速度を高くする目的や、作成される膜の性質を改善す
る目的などから、成膜の際の基板の温度(以下、成膜温
度)を室温より高い所定の温度に設定することが多い。
この場合、成膜に先立ち、基板を所定の高温に加熱する
予備加熱工程が行われる。予備加熱工程は、加熱の際に
基板の表面を汚損しないよう、排気系によって真空に排
気されるチャンバー内で行われる。基板の加熱が行われ
るチャンバー(以下、基板加熱チャンバー)は、成膜処
理を行うチャンバー(以下、成膜チャンバー)に対して
気密に接続されており、予備加熱工程の後、基板は大気
に晒されることなく成膜チャンバーに搬送されて成膜さ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したような基板加
熱チャンバーを有する基板処理装置において、基板の表
面上の各点の温度が均一になるように加熱することは、
後の処理を均一に行う等の要請から重要なことである。
また、多品種少量生産等を背景として、基板処理装置
は、多くの場合、大きさの異なる各種の基板を処理でき
ることが求められる。この場合、大きさの異なる各種の
基板に対して、いずれの場合も高い面内温度均一性で加
熱処理を行えるようにすることが望ましい。
【0005】さらに、成膜処理やエッチング処理等の基
板処理は、処理の際の基板の温度に依存することが多
い。この際、処理の面内不均一性を補償するため、予備
加熱において意図的に温度勾配を形成しながら加熱する
ことが求められる場合もある。
【0006】本願の発明は、このような課題を解決する
ためになされたものであり、高い面内温度均一性で基板
を加熱できる実用的な基板加熱チャンバー、大きさの異
なる各種の基板に対していずれの場合も高い面内温度均
一性で加熱処理を行える基板加熱チャンバー、意図的に
温度勾配を形成しながら加熱することができる基板加熱
チャンバー、及び、このような基板加熱チャンバーを備
えた実用的な情報記録ディスク用基板処理装置を提供す
る技術的意義を有する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、内部で基板を加熱す
る気密な基板加熱チャンバーであって、輻射線が基板に
到達するよう配置された輻射加熱源と、基板と同一な平
面上であって基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到
達を防止する周囲遮蔽具とを備えているという構成を有
する。また、上記課題を解決するため、請求項2記載の
発明は、前記請求項1の構成において、前記基板の周縁
に当接して前記基板を保持する基板保持具が設けられて
いるという構成を有する。また、上記課題を解決するた
め、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2の構成
において、前記輻射加熱源は、基板の中心軸に対して対
称に輻射線を放出するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明
は、前記請求項3の構成において、前記輻射加熱源は、
前記基板の輪郭の相似形を成す環状であるという構成を
有する。また、上記課題を解決するため、請求項5記載
の発明は、前記請求項3又は4の構成において、前記周
囲遮蔽具は、底面の形状が前記基板と相似である錐体を
その中心軸に垂直な面で切断した下側の形状に相当する
筒状であって、その稜線が基板の周縁に交差するよう配
置されているという構成を有する。また、上記課題を解
決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項1、
2、3、4又は5の構成において、前記周囲遮蔽具を基
板の中心軸の方向に変位させて位置調節する周囲用位置
調節機構が設けられているという構成を有する。また、
上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、前記
請求項1、2又は3の構成において、前記輻射加熱源
と、前記基板との間には、前記基板の中央部への輻射線
の到達を防止する中央遮蔽具が設けられているという構
成を有する。また、上記課題を解決するため、請求項8
記載の発明は、前記請求項7の構成において、前記輻射
加熱源は、前記基板の輪郭の相似形を成す環状であり、
前記中央遮蔽具は、前記基板よりも小さい板状であって
前記基板の相似形であるという構成を有する。また、上
記課題を解決するため、請求項9記載の発明は、前記請
求項7又は8の構成において、前記中央遮蔽具を基板の
中心軸の方向に変位させて位置調節する中央用位置調節
機構が設けられているという構成を有する。また、上記
課題を解決するため、請求項10記載の発明は、基板の
表面に記録層用の膜を作成して情報記録ディスクを製作
する際に使用される情報記録ディスク用基板処理装置で
あって、記録層用の膜の作成の前に基板を予め所定温度
に加熱するチャンバーとして請求項1乃至9のいずれか
に記載の基板加熱チャンバーを備えているという構成を
有する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。まず、基板加熱チャンバーの発明の実施
形態について説明する。基板加熱チャンバーでの加熱の
対象となる基板は各種のものが考えられるが、以下の実
施形態では、ハードディスク用の基板を例にして説明す
る。図1は、実施形態に係る基板加熱チャンバーの正面
断面概略図、図2は図1に示す基板加熱チャンバー内の
主要部の構成を示す斜視概略図である。図1及び図2に
示す基板加熱チャンバーは、気密な真空容器であるチャ
ンバー本体31と、チャンバー本体31内を排気する排
気系32と、チャンバー本体31内に配置された基板9
を加熱する輻射加熱源33とを備えている。
【0009】基板9は、図2に示すように、中央に同心
円形の開口を設けた円盤状である。この基板9は、図1
に示す基板保持具90によってチャンバー本体31内の
所定位置に垂直に保持されるようになっている。基板保
持具90は、垂直に立った姿勢の板状の保持具本体91
と、保持具本体91に設けられた保持爪92とから主に
構成されている。保持具本体91には、基板9より少し
大きな開口が設けられている。この開口の縁に、保持爪
92が複数設けられている。保持爪92は、先端がV字
状に形成された短い帯板状である。基板9は、各保持爪
92の先端に周縁が落とし込まれた状態で各保持爪92
によって保持されるようになっている。尚、保持爪92
は、ステンレス等の金属製である。
【0010】また、本実施形態では、円環状の輻射加熱
源33を用いている。この輻射加熱源33は、具体的に
は、フィラメントを通電加熱して発光させる赤外線ヒー
タランプである。円環状の輻射加熱源33は、図2に示
すように、基板9と同軸となっており、基板9の中心軸
に対して対称に輻射線を放出するようになっている。こ
のように、基板9に対して軸対称に輻射線を放出させる
のは、輻射線によって加熱される基板9の表面の温度の
面内均一性を向上させるためである。
【0011】尚、輻射加熱源33が円環状であるのは、
基板9が円盤状即ち円形の輪郭を有するからである。従
って、例えば、基板9が方形である場合、方形の環状の
輻射加熱源33を用いることがある。つまり、基板9の
輪郭の相似形の環状とすると、基板9の表面の温度の面
内均一性の向上の観点から好適である。尚、赤外線ヒー
タランプ等では、一つのランプが方形の環状を成すよう
にすることはガラス加工等の点から困難であるので、四
本以上のランプを使用して方形に配置することで、「方
形の環状の輻射加熱源」とすることがある。また、輻射
加熱源33として、点光源を採用する場合もある。さら
に、複数の点光源を並べて環状の輻射加熱源33とする
場合もある。また、輻射加熱源33は環状に限定される
ものではない。棒状の光源を平行に並べたり、複数の点
光源を格子点の位置等のように均等に並べたりする構成
もあり得る。
【0012】本実施形態の基板加熱チャンバーの大きな
特徴点の一つは、基板9と同一平面上であって基板9の
周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮
蔽具34を備えている点である。周囲遮蔽具34は、輻
射加熱源33を取り囲む筒状の部材である。周囲遮蔽具
34は、基板9に向かうに従って徐々に断面積が小さく
なる円筒状となっている。周囲遮蔽具34は基板9と同
軸、即ち、円筒の軸が基板9の中心軸に一致している。
【0013】また、周囲遮蔽具34の基板9から遠い側
の端面を塞ぐようにして、遮蔽具保持板341が設けら
れている。上述した輻射加熱源33は、加熱源取付具3
31によって遮蔽具保持板341に取り付けられてい
る。本実施形態では、周囲遮蔽具34や遮蔽具保持板3
41を冷却する冷却機構が設けられている。冷却機構
は、遮蔽具保持板341内の空洞に冷媒を流して遮蔽具
保持板341や周囲遮蔽具34等を冷却するようになっ
ており、冷媒供給管351及び冷媒排出管352等から
構成されている。
【0014】上述した周囲遮蔽具34は、基板9と同一
な平面上であって基板9の周縁を取り囲む領域(以下、
周囲領域と称す)への輻射線の到達を防止するものであ
る。このような周囲遮蔽具34を用いることは、次のよ
うな技術的意義がある。前述したように、本実施形態で
は、基板9をその周縁で保持する基板保持具90を用い
ている。つまり、基板9の周囲には基板9を保持する部
材が存在している。このように基板9の周囲に基板9を
保持する部材(以下、周縁保持部材)が存在する状態で
基板9を輻射加熱する場合、周囲遮蔽具34のような部
材が無いと、輻射線は基板9のみならず周縁保持部材も
加熱することになる。この場合に問題なのは、周縁保持
部材が熱によって変形し、基板9を保持できなくなって
しまうことである。本実施形態の構成では、基板保持具
90の保持爪92が熱により変形し、基板9が基板保持
具90から落下してしまう事故が発生する恐れがある。
【0015】このような事故を防止するには、周縁保持
部材を熱変形しにくい構成とすればよい。一般的には、
周縁保持部材を大きく頑丈なものにしたり、熱容量を大
きくしたりすることが考えられる。しかしながら、一方
で、基板9から周縁保持部材への熱伝導の影響も考える
必要がある。周縁保持部材は周縁で基板9に接触してお
り、基板9から周縁保持部材への熱伝導が発生してい
る。この場合、周縁保持部材が大きくなって基板9との
接触面積が大きくなったり、周縁保持部材の熱容量が大
きくすると、基板9から周縁保持部材への熱伝導も大き
くなる。この結果、基板9の周辺部で温度が低下し、中
央部との間で大きな温度差ができてしまう恐れがある。
【0016】本実施形態の構成では、周囲遮蔽具34に
よって周囲領域への輻射線の到達が遮蔽されているの
で、周縁保持部材としての基板保持具90の加熱が抑制
されている。従って、基板保持具90の保持爪92が変
形して基板9が基板保持具90から落下したり、基板9
から基板保持具90への熱伝導が大きくて基板9の周辺
部と中央部とで大きな温度差が生じたりすることはな
い。
【0017】また、前述した周囲遮蔽具34の形状は、
円錐体をその中心軸に垂直な面で切断した下側の形状に
相当する円筒状と表現することができる。この場合、図
1及び図2に示すように、その稜線(円錐体を想定した
場合の稜線の意味であり、図1中に破線で示す)が、基
板9の周縁に交差する配置となっている。この構成は、
きっちり基板9の表面のみ輻射線が到達し、周囲領域に
はなるべく輻射線が到達しないようにする技術的意義が
あり、基板保持具90の加熱を抑制する上で非常に効果
的な構成となっている。
【0018】尚、周囲遮蔽具34の稜線が、基板9の周
縁から僅かに内側の位置で交差するよう構成することが
ある。図1に示すように、基板9の縁がV字状の保持爪
92に落とし込まれる場合、保持爪92の先端は基板9
の縁から僅かに内側に位置する。従って、保持爪92の
加熱を少しでも多く抑制できるよう、周囲遮蔽具34の
稜線が基板9の周縁から僅かに内側の位置で交差するよ
うにする。この位置は、例えば周縁から1〜2mm程度
内側の位置である。また、周囲遮蔽具34の輻射線遮蔽
の効果は、その内面(輻射加熱源33を臨む側の面)に
ついて生じている。従って、上記円筒状の形状も、この
内面がそうなっていれば足りる。つまり、周囲遮蔽具3
4全体が円筒状になる必要はない。
【0019】周囲遮蔽具34が輻射線を遮蔽する構成
は、大きく分けて、輻射線を反射させて遮蔽するか、輻
射線を吸収して遮蔽するかである。輻射線を吸収して遮
蔽する場合には、周囲遮蔽具34の内面に黒色の被膜を
形成することが多いが、輻射線を吸収すると周囲遮蔽具
34の温度上昇が問題となる場合がある。周囲遮蔽具3
4は、前述したように冷却機構により冷却されており、
異常な温度上昇による熱的損傷から保護されているが、
輻射線を吸収する構成である場合、この冷却機構の負荷
が大きくなり、冷却機構が大がかりになる欠点がある。
【0020】また、反射させずに吸収して遮蔽すると、
輻射加熱源33からの輻射線が基板9の加熱に利用され
ずに冷却機構によって消費されてしまうので、加熱効率
が悪くなる。このようなことから、周囲遮蔽具34はな
るべく吸収せずに反射して遮蔽するようにすることが好
ましい。具体的には、周囲遮蔽具34の内面を鏡面加工
したりアルミ等の蒸着膜を形成したりして反射面とす
る。尚、遮蔽具保持板341には、補助反射板37が設
けられている。この補助反射板は、円環状である輻射加
熱源33の配光パターンに応じて基板9の表面における
輻射線の照度分布をより均一にする形状となっている。
【0021】本実施形態の基板加熱チャンバーの別の大
きな特徴点は、基板9の中央部への輻射線の到達を防止
する中央遮蔽具36が設けられている点である。中央遮
蔽具36は、図1及び図2に示すように、小さな円板状
であり、基板9と平行且つ同軸上に設けられている。中
央遮蔽具36は、中央用保持棒361によって保持され
ている。
【0022】このような中央遮蔽具36を設けること
は、輻射加熱源33によって基板9を加熱した際、基板
9の面内温度均一性を向上させる技術的意義がある。こ
の点について、図3を使用して説明する。図3は、中央
遮蔽具36の技術的意義について説明する図であり、
(1)が中央遮蔽具36が無い場合、(2)が中央遮蔽
具36がある場合について示している。
【0023】基板9のような板状の部材を加熱した場
合、一般的に、周縁からの熱の放散によって周辺部の温
度が中央部の温度より低くなり易い。本実施形態の構成
では、周囲遮蔽具34が輻射線を反射して遮蔽するよう
になっている。この構成では、結果的に、輻射線は基板
9の中央部に集まり易く、図3(1)に示すように、基
板9の中央部の温度が周辺部に比べて高くなり易い。一
方、図3(2)に示すように、中央遮蔽具36を使用す
ると、基板9の中央部に到達する輻射線が遮蔽されるた
め、中央部の温度が低くなる。この結果、基板9の表面
の温度の面内均一性が向上する。
【0024】尚、中央遮蔽具36を使用することは、輻
射加熱源33が基板9に対して軸対称に輻射線を放出す
ることにも密接に関連している。即ち、軸対称な輻射線
の放出である場合、軸中心の円周方向では均一な加熱が
行えるが、軸中心の径方向では均一な加熱が行えない恐
れがある。この場合、中央遮蔽具36を使用すること
で、径方向での加熱の不均一性を補正して面内温度均一
性を改善することができる。
【0025】本実施形態の基板加熱チャンバーのさらに
別の大きな特徴点は、基板9の大きさが変わった場合で
も最適な輻射線制御が行えるようにしたり、基板9の表
面内に意図的に温度勾配を形成しながら加熱することが
できるようになっている点である。具体的には、周囲遮
蔽具34を基板9の中心軸の方向に変位させて位置調節
する周囲用位置調節機構、及び、中央遮蔽具36を基板
9の中心軸の方向に変位させて位置調節する中央用位置
調節機構が設けられている。以下、これらの機構につい
て説明する。
【0026】図1に示すように、遮蔽具保持板341に
は、遮蔽具保持棒342の先端が固定されている。遮蔽
具保持棒342は複数設けられており、例えば方形の角
の位置になるよう四本設けられている。チャンバー本体
31の側壁部分には、遮蔽具保持板341より少し小さ
な開口(以下、側壁開口)310が形成されている。各
遮蔽具保持棒342は、この側壁開口310を通して延
び、チャンバー本体31の外側に達している。そして、
チャンバー本体31外に位置する各遮蔽具保持棒342
の後端は、周囲用ベース板343に固定されている。周
囲用ベース板343は、遮蔽具保持板341と同様に垂
直に立てて設けられている。尚、周囲用ベース板343
の縁と側壁開口310の縁とを気密につなぐようにして
周囲用ベローズ344が設けられている。周囲用ベロー
ズ344は、側壁開口310からの真空の漏れを防止し
ている。
【0027】また、図1に示すように、周囲用ベース板
343の背面(チャンバー本体31を臨む面とは反対側
の面)には、周囲用被駆動棒345の先端が固定されて
いる。そして、周囲用被駆動棒345を駆動して周囲用
ベース板343を水平移動させる周囲用駆動源346が
設けられている。周囲用駆動源346と周囲用被駆動棒
345の構成は、任意のものが採用できる。例えば周囲
用被駆動棒345をラックとし、このラックに噛み合う
ピニオンを回転させるモータを周囲用駆動源346とし
たラックアンドピニオン機構を採用することができる。
また、周囲用被駆動棒345をボールねじによって水平
移動させる構成を採用することもできる。この場合に
は、内面がねじ切りされた円筒状の部材であって回転規
制部を設けたものを周囲用被駆動棒345として使用す
る。この周囲用駆動棒345内に、ボールねじを通して
噛み合わせる。ボールねじの後端に傘歯車等の機構を介
して周囲用駆動源346を連結する。周囲用駆動源34
6によってボールねじを回転させると、周囲用被駆動棒
345が水平方向に移動する。
【0028】いずれにしても、周囲用駆動源346によ
って周囲用ベース板343が水平移動すると、遮蔽具保
持棒342によって保持されている周囲遮蔽具34も一
体に水平移動する。この結果、基板9と周囲遮蔽具34
との距離が変化する。周囲用駆動源346には、位置制
御用のAC又はDCサーボモータが好適に採用され、周
囲遮蔽具34を駆動範囲内の任意の水平方向の位置に停
止させることができるよう構成される。
【0029】また一方、周囲用ベース板343の中央に
は小さな開口が設けられており、中央遮蔽具36を保持
した中央用保持棒361は、この開口に挿通されてい
る。中央用保持棒361の挿通部分を気密に塞ぐように
して、メカニカルシール362が設けられている。メカ
ニカルシール362は、磁性流体等を用いた真空シール
であり、中央用保持棒361の水平移動を許容しつつ、
挿通部分を気密に封止している。また、中央用保持棒3
61の後端には、中央用被駆動棒363が連結されてい
る。そして、中央用被駆動棒363を駆動する中央用駆
動源364が設けられている。
【0030】中央用被駆動棒363及び中央用駆動源3
64の構成も各種のものが考えられるが、一例としてボ
ールねじを使用したものが採用できる。即ち、内面がね
じ切りされた円筒状の部材であって回転規制部を設けた
ものを中央用被駆動棒363として使用し、中央用被駆
動棒363内にボールねじを通して噛み合わせる。ボー
ルねじを中央用駆動源364によって回転させ、中央用
被駆動棒363を水平方向に移動させる。中央用駆動源
364も、位置制御用のサーボモータが採用され、中央
遮蔽具36を駆動範囲内の任意の水平方向の位置に停止
させることができるよう構成される。
【0031】本実施形態において、このように周囲遮蔽
具34及び中央遮蔽具36を水平方向に移動させる構成
を採用するのは、上述したように、異なる大きさの基板
9であっても面内温度均一性を高くして加熱したり、意
図的に所望の温度勾配を付けて加熱したりすることを可
能にするためである。例えば、図1に示す基板9に比べ
て小さい基板9を加熱する場合、図1の配置状態のまま
であると、周囲遮蔽具34の稜線が基板9の周縁よりも
外側になるため、基板保持具90等の基板9の周囲の部
材の加熱抑制効果があまり得られなくなってしまう。そ
こで、周囲用駆動源346によって周囲遮蔽具34を基
板9から離れる向きに水平移動させ、周囲遮蔽具34の
稜線が基板9の周縁に交差するようにする。より大きい
基板9を加熱する場合にはその逆であり、周囲遮蔽具3
4を基板9に近づく向きに水平移動させ、稜線が基板9
の周縁に交差するようにする。
【0032】このように、基板9の大きさが変わって
も、周囲遮蔽具34を最適な位置に位置させることによ
り、基板9の周囲に存在する部材の加熱を抑制するとい
う効果を常に得ることができる。また、中央遮蔽具36
についても同様であり、基板9の大きさに合わせて中央
遮蔽具36が最適な位置に位置するよう中央用駆動源3
64を動作させることで、大きさの異なる基板9に対し
ても常に高い面内温度均一性を維持して加熱を行うこと
ができる。
【0033】また、図1に示す配置状態において、基板
9の面内温度均一性が最も高くなっている場合、この状
態から中央遮蔽具36を基板9に近づけると、中央部へ
の輻射線遮蔽の効果が高くなり、中央部の温度が相対的
に低くなる。このため、中央部の温度を周辺部に比べて
意図的に低くしたい場合に好適な配置となる。また、図
1に示す配置状態から周辺遮蔽具を基板9に近づける
と、基板9の周囲領域のみならず、基板9の表面の周辺
部への輻射線も遮蔽される状態となる。このため、周辺
部の温度を中央部に比べてより低くしたい場合に好適な
配置となる。このような意図的に温度勾配を付ける場合
にも、前述した周囲用駆動源346又は中央用駆動源3
64によって周囲遮蔽具34又は中央遮蔽具36を水平
移動させて所望の位置に位置させる。
【0034】また、図1から解るように、本実施形態の
基板加熱チャンバーは、基板9の配置位置を中心にして
左右対称であり、輻射加熱源33、周囲遮蔽具34、中
央遮蔽具36等は、両側に対称に設けられている。この
ため、基板9の両面に同時に均一な加熱が行えるように
なっている。尚、基板保持具90が上述したように基板
9の周縁に当接して保持する構成は、この両面同時加熱
を行うために重要な構成となっている。即ち、例えば基
板載置台の上に基板9を水平に載置して保持するよう
に、基板9の一方の側の面に接触して保持する構成で
は、両面同時加熱は困難である。本実施形態のように基
板9の周縁に当接して保持するようにすれば、両面同時
加熱が容易に行える。
【0035】上述した実施形態の基板加熱チャンバー
は、情報記録ディスク用基板処理装置に使用されると非
常に好ましい。このような情報記録ディスク用基板処理
装置の発明の実施形態について、以下に説明する。図4
は、実施形態に係る情報記録ディスク用基板処理装置の
概略構成を示す平面図である。図4に示す装置は、イン
ライン式の基板処理装置になっている。インライン式と
は、複数のチャンバーが一列に縦設され、それらのチャ
ンバーを経由して基板9の搬送路が設定されている装置
の総称である。本実施形態の装置では、複数のチャンバ
ー1,2,3,4,5,6,7,8が方形の輪郭に沿っ
て縦設されており、これに沿って方形の搬送路が設定さ
れている。
【0036】各チャンバー1,2,3,4,5,6,
7,8は、専用又は兼用の排気系によって排気される真
空容器である。各チャンバー1,2,3,4,5,6,
7,8の境界部分には、ゲートバルブ10が設けられて
いる。基板9は、基板保持具90に搭載されて図4中不
図示の搬送機構によって搬送路に沿って搬送されるよう
になっている。複数のチャンバー1,2,3,4,5,
6,7,8のうち、方形の一辺に隣接して配置された二
つのチャンバー1,2が、基板保持具90への基板9の
搭載を行うロードロックチャンバー1及び基板保持具9
0からの基板9の回収を行うアンロードロックチャンバ
ー2になっている。
【0037】また、方形の他の三辺に配置されたチャン
バー3,4,5,6,8は、各種処理を行う処理チャン
バーになっている。これらのチャンバー3,4,5,
6,8のうち、最初に基板9が搬送される処理チャンバ
ー3は、薄膜の作成の前に基板9を予め加熱するチャン
バーであり、前述した実施形態と同じ構成の基板加熱チ
ャンバーとなっている。
【0038】そして、基板加熱チャンバー3の次に基板
9が搬送される処理チャンバー4は、予備加熱された基
板9に下地膜を作成する下地膜作成チャンバーである。
また、下地膜作成チャンバー4の次に基板9が搬送され
る処理チャンバー5は、下地膜の作成された基板9に磁
性膜を作成する磁性膜作成チャンバーである。また、磁
性膜作成チャンバー5の次に基板9が搬送される処理チ
ャンバー6は、磁性膜の上に保護膜を作成する保護膜作
成チャンバーである。また、方形の角の部分のチャンバ
ー7は、基板9の搬送方向を90度転換する方向転換機
構を備えた方向転換チャンバーである。尚、予備の処理
チャンバー8が設けられている。予備の処理チャンバー
8は、基板処理の種類によって任意に構成される。例え
ば、処理後に基板9を冷却するチャンバーとして構成さ
れる。
【0039】図1及び図5を使用して、基板保持具90
及び基板保持具90を移動させて基板9を搬送する搬送
機構の構成について説明する。図5は、図4の装置に使
用された基板保持具90及び搬送機構の構成について説
明する正面概略図である。
【0040】図5に示すように、基板保持具90の下縁
には、小さな磁石(以下、基板保持具側磁石)93が多
数設けられている。基板保持具側磁石93は、交互に逆
の磁極となっている。そして、基板保持具90の下方に
は、図5に示すように、隔壁94を介して磁気結合ロー
ラ95が設けられている。
【0041】磁気結合ローラ95は、二重螺旋状の磁石
列951を有している。各磁石列951は、小さな磁石
(以下、ローラ側磁石)に区分されている。そして、磁
石列951の各ローラ側磁石は、図5に示すように、上
側の基板保持具側磁石93に対して磁気結合している。
隔壁94を境にして、基板保持具90が配置された側が
真空側、磁気結合ローラ95が配置された側が大気側で
ある。
【0042】磁気結合ローラ95には、図1に示すよう
に回転機構952が設けられている。回転機構952に
よって磁気結合ローラ95が回転すると、基板保持具9
0が水平方向(磁気結合ローラ95の軸方向)に移動す
るようになっている。これにより、基板保持具90に保
持された基板9が搬送されるようになっている。
【0043】尚、上記基板保持具90は、図1に示すよ
うに、水平な回転軸の回りに回転する主プーリ96に載
せられているとともに、下端が垂直な回転軸の回りに回
転する副プーリ97に接している。基板保持具90は、
上述した搬送機構が動作する際、主プーリ96及び副プ
ーリ97にガイドされながら移動するようになってい
る。この移動によって、基板9は、上述した方形の搬送
路に沿って搬送されるようになっている。
【0044】方向転換チャンバー7の構成としては、基
板保持具90、主プーリ96、副プーリ97、磁気結合
ローラ95等を一体に90度回転させる機構を備えたも
のとされる。このような機構は、例えば特開平8−27
4142号公報に開示されている。
【0045】前述したように、下地膜としてはCr膜、
磁性膜としてはCoCrTa膜等が採用される。本実施
形態の装置では、下地膜作成チャンバー4及び磁性膜作
成チャンバー5は、ともにスパッタリングによってこの
ような膜を作成するようになっている。下地膜作成チャ
ンバー4及び磁性膜作成チャンバー5の構成はほぼ同様
であり、一例として磁性膜作成チャンバー5の構成につ
いて説明する。
【0046】図6は、図4に示す装置における磁性膜作
成チャンバー5の概略構成を示す平面断面図である。磁
性膜作成チャンバー5は、内部を排気する排気系51
と、内部にプロセスガスを導入するガス導入系52と、
内部の空間に被スパッタ面を露出させて設けたターゲッ
ト53と、ターゲット53にスパッタ放電用の電圧を印
加するスパッタ電源54と、ターゲット53の背後に設
けられた磁石機構55とから主に構成されている。
【0047】排気系51は、クライオポンプ等の真空ポ
ンプを備えており、磁性膜作成チャンバー5内を10
-6Pa程度まで排気可能に構成されている。ガス導入
系52は、プロセスガス(処理に用いるガス)としてア
ルゴン等のガスを所定の流量で導入できるよう構成され
ている。
【0048】スパッタ電源54は、ターゲット53に−
300V〜−600V程度の負の高電圧を印加できるよ
う構成されている。磁石機構55は、マグネトロン放電
を達成するためのものであり、中心磁石551と、この
中心磁石551を取り囲むリング状の周辺磁石552
と、中心磁石551と周辺磁石552とをつなぐ板状の
ヨーク553とから構成されている。尚、ターゲット5
3や磁石機構55は、絶縁ブロック571を介して磁性
膜作成チャンバー5に固定されている。また、磁性膜作
成チャンバー5は、電気的には接地されている。
【0049】ガス導入系52によってプロセスガスを導
入しながら排気系51によって磁性膜作成チャンバー5
内を所定の圧力に保ち、この状態でスパッタ電源54を
動作させる。この結果、スパッタ放電が生じてターゲッ
ト53がスパッタされ、スパッタされたターゲット53
の材料が基板9に達して基板9の表面に所定の磁性膜が
作成される。例えば、ターゲット53はCoCrTaの
合金又は焼結体で形成され、基板9の表面にCoCrT
a膜が作成される。
【0050】尚、図6から分かるように、ターゲット5
3、磁石機構55及びスパッタ電源54の組は、磁性膜
作成チャンバー5内の基板9配置位置を挟んで両側に設
けられており、基板9の両面に同時に磁性膜が作成され
るようになっている。また、図6に示すように、各ター
ゲット53の大きさは、一枚の基板9よりも少し大きい
程度となっている。基板保持具90は、磁性膜作成チャ
ンバー5内で移動し、二枚の基板9が順次ターゲット5
3の正面に位置するようになっている。即ち、最初は搬
送方向前方の基板9がターゲット53の正面に位置する
状態となってこの基板9に成膜が行われる。そして、そ
の後、所定距離前進して搬送方向後方の基板9がターゲ
ット53の正面に位置する状態となり、この基板9への
成膜が行われる。この点は、前述した基板加熱チャンバ
ー3の場合も同様である。輻射加熱源33に一枚ずつ基
板9が対向して加熱される。
【0051】下地膜作成チャンバー4の構成は、ターゲ
ットの材料としてはCr又はCr合金等が用いられるこ
とを除き、上記磁性膜作成チャンバー5の構成とほぼ同
様である。保護膜としては、カーボンより成る膜が採用
されることが多い。保護膜作成チャンバー6は、磁性膜
作成チャンバー5と同様にスパッタリングによってカー
ボン膜を保護膜として作成するよう構成される。この場
合、保護膜作成チャンバー6の構成は、ターゲットがカ
ーボン製であることを除き、上記磁性膜作成チャンバー
5の構成とほぼ同様である。尚、プラズマCVD法によ
って保護膜を作成する場合もある。この場合は、C26
のような炭化水素化合物ガスと水素の混合ガスのプラズ
マを形成し、プラズマ中での炭化水素化合物ガスの分解
を利用して基板9の表面にカーボン膜を作成するように
する。プラズマは、多くの場合高周波放電により形成さ
れる。
【0052】次に、本実施形態の情報記録ディスク用基
板処理装置の全体の動作について説明する。まず、ロー
ドロックチャンバー1内で未処理の二枚の基板9が最初
の基板保持具90に搭載される。この基板保持具90は
基板加熱チャンバー3に移動して、基板9の予備加熱が
行われる。この際、次の基板保持具90への二枚の未処
理の基板9の搭載動作が行われる。1タクトタイムが経
過すると、基板保持具90は下地膜作成チャンバー4に
移動し、基板9に下地膜が作成される。この際、次の基
板保持具90は基板加熱チャンバー3に移動し、基板9
が予備加熱され、ロードロックチャンバー1内でさらに
次の基板保持具90への基板9の搭載動作が行われる。
【0053】このようにして、1タクトタイム毎に基板
保持具90が移動し、予備加熱、下地膜の作成、磁性膜
の作成、保護膜の作成の順で処理が行われる。そして、
保護膜の作成の後、基板保持具90はアンロードロック
チャンバー2に達し、この基板保持具90から処理済み
の二枚の基板9の回収動作が行われる。尚、本実施形態
では、下地膜作成チャンバー4は二つ設けられている。
従って、最初の下地膜作成チャンバー4で半分の厚さの
成膜を行い、次に下地膜作成チャンバー4で残りの半分
の厚さの成膜を行う。この点は、磁性膜作成チャンバー
5や保護膜作成チャンバー6でも同じである。
【0054】上述した本実施形態の装置の動作におい
て、スパッタリングやCVD等の成膜処理は、一般的に
温度依存性があり、均一な成膜を行うためには、基板9
の表面の温度を均一にする必要がある。この点、本実施
形態の装置では、基板加熱チャンバー4が、前述した通
り面内温度均一性の高い基板9の加熱を行えるようにな
っている。従って、本実施形態の装置によれば、下地膜
や磁性膜を均一に作成でき、良質な情報記録ディスクの
製作に貢献できる。尚、均一とは、膜厚や膜質が均一で
あるという意味である。
【0055】特に、情報記録ディスクがハードディスク
のような磁気記録媒体である場合、面内温度均一性が高
いことは顕著な技術的意義を有する。以下、この点につ
いて説明する。ハードディスクのような磁気記録媒体で
は、磁性膜の保磁力の大きさや均一性が重要な評価特性
になっている。保磁力が小さかったり均一でなかったり
すると、書き込んだ情報が消滅してしまって読み出しエ
ラー等が生ずる。磁性膜の保磁力は、一般的に磁性膜を
作成する際の基板9の温度(成膜温度)に依存する。図
7は、成膜温度と磁性膜の保磁力との関係について示し
た図である。図7には、一例として、CoCrPt(C
o合金)膜の保磁力の成膜温度依存性が示されている。
【0056】図7に示すように、磁性膜の保磁力はある
温度でピークに達し、それ以上に成膜温度が高くなる
と、逆に低下する傾向がある。これは、保磁力が磁性膜
の結晶構造や組成等に依存しており、ある限られた温度
範囲でのみ最適な結晶構造や組成等の膜が得られること
によるものと推定される。図7を考慮すると、磁性膜作
成チャンバー5に搬入された基板9の温度が、保磁力の
ピークを与える成膜温度(以下、最適温度といい、図7
中Tで示す)になっていることが好ましい。そして、
基板9の表面の各点において、最適温度T になってい
ることが好ましい。もし、面内温度均一性が低く、基板
9の表面のある場所で最適温度Tから外れていると、
その場所で保磁力が低下してしまう。
【0057】本実施形態の装置によれば、上述した通
り、基板加熱チャンバー3によって面内温度均一性が極
めて高い基板9の加熱が行えるので、基板9の各点を高
い均一性で最適温度Tにすることができる。具体的に
は、基板加熱チャンバー3から磁性膜作成チャンバー5
に至る際の基板9の温度低下を見込んで、基板加熱チャ
ンバー3で最適温度Tより所定温度高い温度に加熱す
るようにする。
【0058】また一方、前述したように、基板加熱チャ
ンバー3では、意図的に所望の温度勾配を付けた基板9
の加熱が行えるが、この点は、高記録密度且つ高信頼性
の情報記録ディスクを製作するという要請から重要な技
術的意義がある。以下、この点について説明する。
【0059】周知のように、ハードディスクのような磁
気記録ディスクは、記録容量の増大が重要な技術課題と
なっている。製品の持つ限られたスペース中で記録容量
を増大させるには、記録密度の向上が必須の条件であ
る。記録密度が高くなると、一つの磁気記録領域(セク
タ)の大きさは小さくならざるを得ない。その一方で、
磁気記録の信頼性も非常に重要な製品特性である。記録
した情報が正しく維持されているかどうかを決めるの
は、磁性膜の保磁力である。高保磁力の磁性膜を作成す
ることが、高信頼性の磁気記録ディスクを製作する上で
欠かせない。しかしながら、セクタが小さくなると、セ
クタ全体の保磁力が低下してしまう。
【0060】このようなことから、さらに保磁力の高い
磁性膜を作成するべく、改良が行われている。最近の研
究では、白金を含有させるとより高い保磁力になること
が判っており、CoCrPtTaのように、白金を含有
した磁性薄を作成することが考えられている。しかしな
がら、白金にはスパッタリングの特性において特異な点
があり、この点から、従来には考えられなかった成膜条
件の調整が必要になることが判った。この点について、
図8を使用して説明する。図8は、白金のスパッタリン
グ特性であって、白金製のターゲットにイオンが垂直に
入射した場合のスパッタ粒子(白金)の放出角度の分布
について示した図である。
【0061】スパッタ粒子の放出角度(ターゲットの表
面に対して垂直な方向を0度とした角度)の分布は、一
般的にcosin則に従うとされている。即ち、0度付
近の放出角度で放出されるスパッタ粒子が多く、放出角
度が90度に近づくにつれてそのような放出角度で放出
されるスパッタ粒子の量は少なくなる。しかしながら、
図8に示すように、白金の場合はこれとは異なり、0度
付近の放出角度のスパッタ粒子よりも40〜50度付近
の放出角度のスパッタ粒子の方が量が多い。つまり、c
osin則には従わない。
【0062】このような白金の特異な特性から、基板9
の表面に白金含有の磁性膜を作成した場合、面内温度分
布を均一にしていても、保磁力の均一な膜が作成できな
いことがある。例えば、基板9の中央部において保磁力
が低下したりする場合がある。このような場合、意図的
に基板9の中央部の温度を周辺部に比べて相対的に高く
することが有効になる。
【0063】具体的に説明すると、上述したように、も
し基板9の中央部に対して白金の到達が少なくて保磁力
が低下する傾向がある場合、基板9の中央部の温度は、
図7に示す最適温度Tとする。そして、周囲遮蔽具3
4や中央遮蔽具36の位置調整によって基板9の周辺部
の温度を中央部に比べて少し低くする。これによって、
上記白金のスパッタ粒子放出角度分布の不均一性を補償
して、均一な保磁力分布の磁性膜が作成できる。
【0064】
【実施例】次に、上記実施形態に属する実施例について
説明する。基板9が直径2.5インチのハードディスク
用のガラス製の基板9である場合、周囲遮蔽具34や中
央遮蔽具36の寸法や配置位置は、以下の例が好適に採
用できる。尚、各寸法や各距離の符号は、図1中に示
す。 周囲遮蔽具34の開口の半径r:37mm 周囲遮蔽具34と基板9との距離d:8mm 中央遮蔽具36の半径r:15mm 中央遮蔽具36と基板9との距離d:8mm 輻射加熱源33の半径r:40mm 輻射加熱源33と基板9との距離d:32mm 上記実施例の配置において、消費電力1500W程度の
赤外線ヒータランプを使用した場合、5〜10秒程度で
基板9は250℃程度まで加熱される。この際の面内温
度均一性は、250℃±5℃(±2%)であり、極めて
高い。
【0065】図9は、上記実施例の構成による加熱と、
周囲遮蔽具34及び中央遮蔽具36の無い参考例の構成
による加熱とで、磁性膜の保磁力の均一性がどのように
異なるかを確認した実験の結果を示す図である。図9中
の(1)は、上記実施例の構成の場合の基板9の面内温
度均一性を示す図であり、(2)は、周囲遮蔽具34及
び中央遮蔽具36を取り去った構成においてほぼ同じ条
件で加熱した場合の基板9の面内温度均一性を示す図で
ある。但し、図9(2)の場合には、輻射加熱源33と
基板9との距離dは(1)と異なり15mmである。
尚、図9に示す実験において、基板9の加熱条件は上述
した通りであるが、磁性膜の成膜条件は以下の通りであ
る。尚、sccmは、0℃1気圧で換算したガスの流量
(cc/分)を意味する。 磁性膜の種類:CoCrPt(Co合金) プロセスガス及びその流量:アルゴン,100sccm 磁性膜作成チャンバー内の圧力:0.6Pa スパッタ電源の電圧及び電力:−500V,数100W 図9(1)(2)の各横軸は、基板9の表面のうち、基
板9の中心軸を中心とするある半径の円周上の各点の位
置を角度で示したものである。また、図9(1)(2)
において、●でプロットされたデータは、基板9の表面
のうち半径15mmの円周上の位置における保磁力を示
し、■でプロットされたデータは、基板9の表面のうち
半径30mmの円周上の位置における保磁力を示す。
【0066】図9(1)に示す通り、周囲遮蔽具34及
び中央遮蔽具36を備えた実施例の構成では、半径15
mmの位置と半径30mmの位置とを総合した保磁力の
面内分布は2.2%程度であり、極めて高い。一方、周
囲遮蔽具34及び中央遮蔽具36の無い参考例の構成で
は、保磁力の面内分布は4.7%とかなり低い。この図
9に示す結果からも判るように、実施例の構成によれ
ば、保磁力の面内均一性が極めて高い磁性膜が得られ
る。このため、益々高密度化する磁気記録媒体の製作に
非常に好適な装置が提供される。
【0067】以上の説明では、磁気記録媒体について説
明されたが、CD−ROMのような光学式の情報記録デ
ィスクの場合であっても同様である。光学膜もしばしば
温度依存性があり、基板9が均一な面内温度の状態で膜
を作成することは、均一な特性の光学膜の作成に寄与す
る。そして、最終的には、読み取り性能等の点で良質な
製品の産出に貢献することになる。上記説明では、基板
9がハードディスク等の情報記録ディスク用基板である
場合について説明したが、本願発明は、これ以外にも、
半導体ウェーハや液晶基板等についても同様に実施する
ことが可能である。
【0068】
【発明の効果】以上説明した通り、本願の請求項1記載
の基板加熱チャンバーによれば、周囲領域への輻射線へ
の輻射線が遮蔽されるので、周囲領域に存在する部材の
影響で基板の表面の温度分布が不均一になることがな
く、面内温度均一性の高い加熱が行える。また、請求項
2記載の基板加熱チャンバーによれば、前記請求項1の
効果に加え、基板保持具が基板の周縁を保持するので、
基板の両面同時加熱が容易に行える。また、基板保持具
の加熱が抑制されるので、基板保持具の変形等による基
板の落下の事故も生じない。また、請求項3記載の基板
加熱チャンバーによれば、上記効果に加え、輻射加熱源
が基板の中心軸に対して対称に輻射線を放出するので、
この点でさらに面内温度均一性の高い加熱が行える。ま
た、請求項4記載の基板加熱チャンバーによれば、上記
効果に加え、輻射加熱源が基板の輪郭の相似形を成す環
状であるので、この点でさらに面内温度均一性の高い加
熱が行える。また、請求項5記載の基板加熱チャンバー
によれば、上記効果に加え、周囲遮蔽具が、底面の形状
が基板と相似である錐体をその中心軸に垂直な面で切断
した下側の形状に相当する筒状であって、その稜線が基
板の周縁に交差するよう配置されているので、周囲領域
への輻射線の到達を抑制する効果がよりきっちりと得ら
れる。また、請求項6記載の基板加熱チャンバーによれ
ば、上記効果に加え、周辺加熱部を基板の中心軸の方向
に変位させて位置調節する周囲用位置調節機構が設けら
れているので、基板の大きさに合わせて周囲遮蔽具の位
置を調節することで基板の大きさが変わっても面内均一
性の高い加熱が行えたり、特定の目的のために意図的に
所望の温度勾配を付けた加熱が行えたりする効果があ
る。また、請求項7記載の基板加熱チャンバーによれ
ば、上記効果に加え、基板の中央部分に到達する輻射線
を遮蔽する中央遮蔽具が設けられているので、さらに面
内温度均一性の高い加熱が行えたり、中央部と周辺部と
で所望の温度勾配を付けた加熱が行えたりする効果があ
る。また、請求項8記載の基板加熱チャンバーによれ
ば、上記効果に加え、輻射加熱源が基板の輪郭の相似形
を成す環状であり、中央遮蔽具が基板よりも大きさの小
さい相似形であるので、この点でさらに面内温度均一性
の高い加熱が行える。また、請求項9記載の基板加熱チ
ャンバーによれば、上記効果に加え、中央遮蔽具を基板
の中心軸の方向に変位させて位置調節する中央用位置調
節機構が設けられているので、基板の大きさに合わせて
中央遮蔽具の位置を調節することで基板の大きさが変わ
っても面内温度均一性を高くして加熱を行ったり、基板
の大きさに合わせて温度勾配を調整しながら加熱を行っ
たりすることができる。また、請求項10記載の情報記
録ディスク用基板処理装置によれば、記録層用の膜の作
成の前の予備加熱を上記各請求項の効果を得ながら行う
ことができる。従って、記録層の特性の面内均一性が高
い良質な情報記録ディスクの製作に寄与することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る基板加熱チャンバーの正面断面
概略図である。
【図2】図1に示す基板加熱チャンバー内の主要部の構
成を示す斜視概略図である。
【図3】中央遮蔽具36の技術的意義について説明する
図であり、(1)が中央遮蔽具36が無い場合、(2)
が中央遮蔽具36がある場合について示している。
【図4】実施形態に係る情報記録ディスク用基板処理装
置の概略構成を示す平面図である。
【図5】図4の装置に使用された基板保持具90及び搬
送機構の構成について説明する正面概略図である。
【図6】図1に示す装置における磁性膜作成チャンバー
5の概略構成を示す平面断面図である。
【図7】成膜温度と磁性膜の保磁力との関係について示
した図である。
【図8】白金のスパッタリング特性であって、白金製の
ターゲットにイオンが垂直に入射した場合のスパッタ粒
子(白金)の放出角度の分布について示した図である。
【図9】実施例の構成による加熱と、周囲遮蔽具34及
び中央遮蔽具36の無い参考例の構成による加熱とで、
磁性膜の保磁力の均一性がどのように異なるかを確認し
た実験の結果を示す図である。
【符号の説明】
1 ロードロックチャンバー 2 アンロードロックチャンバー 3 基板加熱チャンバー 31 チャンバー本体 32 排気系 33 輻射加熱源 34 周囲遮蔽具 341 遮蔽具保持棒 342 遮蔽具保持板 343 周囲用ベース板 344 周囲用ベローズ 345 周囲用被駆動棒 346 周囲用駆動源 36 中央遮蔽具 361 中央用保持棒 362 メカニカルシール 363 中央用被駆動棒 364 中央用駆動源 4 下地膜作成チャンバー 5 磁性膜作成チャンバー 6 保護膜作成チャンバー 7 方向転換チャンバー 9 基板 90 基板保持具 91 保持具本体 92 保持爪
フロントページの続き (72)発明者 野沢 直之 東京都府中市四谷5丁目8番1号アネルバ 株式会社内 (72)発明者 百瀬 大助 東京都府中市四谷5丁目8番1号アネルバ 株式会社内 Fターム(参考) 4K029 BD11 DA08 DA10 JA01 4K030 GA02 KA12 KA24 5D112 AA02 AA24 GA19 GB03 5D121 AA02 GG02 GG07 GG28

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部で基板を加熱する気密な基板加熱チ
    ャンバーであって、輻射線が基板に到達するよう配置さ
    れた輻射加熱源と、基板と同一な平面上であって基板の
    周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮
    蔽具とを備えていることを特徴とする基板加熱チャンバ
    ー。
  2. 【請求項2】 前記基板の周縁に当接して前記基板を保
    持する基板保持具が設けられていることを特徴とする請
    求項1記載の基板加熱チャンバー。
  3. 【請求項3】 前記輻射加熱源は、基板の中心軸に対し
    て対称に輻射線を放出するものであることを特徴とする
    請求項1又は2記載の基板加熱チャンバー。
  4. 【請求項4】 前記輻射加熱源は、前記基板の輪郭の相
    似形を成す環状であることを特徴とする請求項3記載の
    基板加熱チャンバー。
  5. 【請求項5】 前記周囲遮蔽具は、底面の形状が前記基
    板と相似である錐体をその中心軸に垂直な面で切断した
    下側の形状に相当する筒状であって、その稜線が基板の
    周縁に交差するよう配置されていることを特徴とする請
    求項3又は4記載の基板加熱チャンバー。
  6. 【請求項6】 前記周囲遮蔽具を基板の中心軸の方向に
    変位させて位置調節する周囲用位置調節機構が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記
    載の基板加熱チャンバー。
  7. 【請求項7】 前記輻射加熱源と、前記基板との間に
    は、前記基板の中央部への輻射線の到達を防止する中央
    遮蔽具が設けられていることを特徴とする請求項1、2
    又は3記載の基板加熱チャンバー。
  8. 【請求項8】 前記輻射加熱源は、前記基板の輪郭の相
    似形を成す環状であり、前記中央遮蔽具は、前記基板よ
    りも小さい板状であって前記基板の相似形であることを
    特徴とする請求項7記載の基板加熱チャンバー。
  9. 【請求項9】 前記中央遮蔽具を基板の中心軸の方向に
    変位させて位置調節する中央用位置調節機構が設けられ
    ていることを特徴とする請求項7又は8記載の基板加熱
    チャンバー。
  10. 【請求項10】 基板の表面に記録層用の膜を作成して
    情報記録ディスクを製作する際に使用される情報記録デ
    ィスク用基板処理装置であって、記録層用の膜の作成の
    前に基板を予め所定温度に加熱するチャンバーとして請
    求項1乃至9のいずれかに記載の基板加熱チャンバーを
    備えていることを特徴とする情報記録ディスク用基板処
    理装置。
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JP2007266308A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Toshiba Corp パターン転写方法、パターン転写装置及び電子デバイスの製造方法
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