JP4313480B2 - 基板加熱チャンバー及びこの基板加熱チャンバーを備えた情報記録ディスク用基板処理装置、並びに基板加熱処理装置 - Google Patents

基板加熱チャンバー及びこの基板加熱チャンバーを備えた情報記録ディスク用基板処理装置、並びに基板加熱処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、基板(各種製品の基になる板状物の総称)を加熱処理する装置に関するものであり、特に内部で加熱する気密なチャンバーである基板加熱チャンバーに関するものである。また、特に、このような基板加熱チャンバーを備え、情報記録ディスク等を製作する際に使用される基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基板に対する処理は、各種半導体デバイスや液晶ディスプレイ等の電子デバイスの製作において盛んに行われている。また、ハードディスクや光磁気ディスク等の情報記録ディスクの製作においても、基板に対する処理が行われている。
このような基板処理には各種のものがあるが、基板を所定の温度まで加熱する加熱処理は色々な目的で多用されている。このような加熱処理の例を、ハードディスクの製作を例にして説明する。
ハードディスクを製作する場合、概略的には、NiP(ニッケル燐)コーティングされたアルミニウム製又はガラス製の基板の上にCr等の金属の下地膜を作成し、その上に、スパッタリングによりCoCrTa等の磁性膜を記録層として作成する。そして、磁性膜の上にカーボン等の保護膜を設けることでハードディスクが製作される。
【0003】
上述した下地膜や磁性膜等の作成の際、成膜速度を高くする目的や、作成される膜の性質を改善する目的などから、成膜の際の基板の温度(以下、成膜温度)を室温より高い所定の温度に設定することが多い。この場合、成膜に先立ち、基板を所定の高温に加熱する予備加熱工程が行われる。予備加熱工程は、加熱の際に基板の表面を汚損しないよう、排気系によって真空に排気されるチャンバー内で行われる。基板の加熱が行われるチャンバー(以下、基板加熱チャンバー)は、成膜処理を行うチャンバー(以下、成膜チャンバー)に対して気密に接続されており、予備加熱工程の後、基板は大気に晒されることなく成膜チャンバーに搬送されて成膜される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような基板加熱チャンバーを有する基板処理装置において、基板の表面上の各点の温度が均一になるように加熱することは、後の処理を均一に行う等の要請から重要なことである。また、多品種少量生産等を背景として、基板処理装置は、多くの場合、大きさの異なる各種の基板を処理できることが求められる。この場合、大きさの異なる各種の基板に対して、いずれの場合も高い面内温度均一性で加熱処理を行えるようにすることが望ましい。
【0005】
さらに、成膜処理やエッチング処理等の基板処理は、処理の際の基板の温度に依存することが多い。この際、処理の面内不均一性を補償するため、予備加熱において意図的に温度勾配を形成しながら加熱することが求められる場合もある。
【0006】
本願の発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、高い面内温度均一性で基板を加熱できる実用的な基板加熱チャンバー、大きさの異なる各種の基板に対していずれの場合も高い面内温度均一性で加熱処理を行える基板加熱チャンバー、意図的に温度勾配を形成しながら加熱することができる基板加熱チャンバー、及び、このような基板加熱チャンバーを備えた実用的な情報記録ディスク用基板処理装置を提供する技術的意義を有する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、内部で基板を加熱する気密な基板加熱チャンバーであって、輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板と同一な平面上の領域であって基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
前記輻射加熱源は、基板の中心軸に対して対称に輻射線を放出するものであり、
前記周囲遮蔽具は、底面の形状が前記基板と相似である錐体をその中心軸に垂直な面で切断した下側の形状に相当する筒状であって、その稜線が基板の周縁に交差するよう配置されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、内部で基板を加熱する気密な基板加熱チャンバーであって、輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板と同一な平面上の領域であって基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
前記周囲遮蔽具を基板の中心軸の方向に変位させて位置調節する周囲用位置調節機構が設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、内部で基板を加熱する気密な基板加熱チャンバーであって、輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板と同一な平面上の領域であって基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
前記輻射加熱源と前記基板との間には、前記基板の中央部への輻射線の到達を防止する中央遮蔽具が設けられており、
前記中央遮蔽具を基板の中心軸の方向に変位させて位置調節する中央用位置調節機構が設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、内部で基板を加熱する気密な基板加熱チャンバーであって、輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
前記輻射加熱源は、基板の中心軸に対して対称に輻射線を放出するものであり、
前記周囲遮蔽具は、底面の形状が前記基板と相似である錐体をその中心軸に垂直な面で切断した下側の形状に相当する筒状であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、内部で基板を加熱する気密な基板加熱チャンバーであって、輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
前記周囲遮蔽具を基板の中心軸の方向に変位させて位置調節する周囲用位置調節機構が設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、内部で基板を加熱する気密な基板加熱チャンバーであって、輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
前記輻射加熱源と前記基板との間には、前記基板の中央部への輻射線の到達を防止する中央遮蔽具が設けられており、
前記中央遮蔽具を基板の中心軸の方向に変位させて位置調節する中央用位置調節機構が設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1乃至6いずれかの構成において、前記基板の周縁に当接して前記基板を保持する基板保持具が設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項2、3、5又は6の構成において、前記輻射加熱源は、基板の中心軸に対して対称に輻射線を放出するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1、4又は8の構成において、前記輻射加熱源は、前記基板の輪郭の相似形を成す環状であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項10記載の発明は、前記請求項3又は6の構成において、前記輻射加熱源は、前記基板の輪郭の相似形を成す環状であり、前記中央遮蔽具は、前記基板よりも小さい板状であって前記基板の相似形であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項11記載の発明は、基板の表面に記録層用の膜を作成して情報記録ディスクを製作する際に使用される情報記録ディスク用基板処理装置であって、記録層用の膜の作成の前に基板を予め所定温度に加熱するチャンバーとして請求項1乃至10のいずれかに記載の基板加熱チャンバーを備えているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項12記載の発明は、輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
前記輻射加熱源は、基板の中心軸に対して対称に輻射線を放出するものであり、
前記周囲遮蔽具は、底面の形状が前記基板と相似である錐体をその中心軸に垂直な面で切断した下側の形状に相当する筒状であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項13記載の発明は、輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
前記周囲遮蔽具を基板の中心軸の方向に変位させて位置調節する周囲用位置調節機構が設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項14記載の発明は、輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
前記輻射加熱源と前記基板との間には、前記基板の中央部への輻射線の到達を防止する中央遮蔽具が設けられており、
前記中央遮蔽具を基板の中心軸の方向に変位させて位置調節する中央用位置調節機構が設けられているという構成を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態について説明する。
まず、基板加熱チャンバーの発明の実施形態について説明する。基板加熱チャンバーでの加熱の対象となる基板は各種のものが考えられるが、以下の実施形態では、ハードディスク用の基板を例にして説明する。
図1は、実施形態に係る基板加熱チャンバーの正面断面概略図、図2は図1に示す基板加熱チャンバー内の主要部の構成を示す斜視概略図である。図1及び図2に示す基板加熱チャンバーは、気密な真空容器であるチャンバー本体31と、チャンバー本体31内を排気する排気系32と、チャンバー本体31内に配置された基板9を加熱する輻射加熱源33とを備えている。
【0009】
基板9は、図2に示すように、中央に同心円形の開口を設けた円盤状である。この基板9は、図1に示す基板保持具90によってチャンバー本体31内の所定位置に垂直に保持されるようになっている。
基板保持具90は、垂直に立った姿勢の板状の保持具本体91と、保持具本体91に設けられた保持爪92とから主に構成されている。保持具本体91には、基板9より少し大きな開口が設けられている。この開口の縁に、保持爪92が複数設けられている。保持爪92は、先端がV字状に形成された短い帯板状である。基板9は、各保持爪92の先端に周縁が落とし込まれた状態で各保持爪92によって保持されるようになっている。尚、保持爪92は、ステンレス等の金属製である。
【0010】
また、本実施形態では、円環状の輻射加熱源33を用いている。この輻射加熱源33は、具体的には、フィラメントを通電加熱して発光させる赤外線ヒータランプである。円環状の輻射加熱源33は、図2に示すように、基板9と同軸となっており、基板9の中心軸に対して対称に輻射線を放出するようになっている。このように、基板9に対して軸対称に輻射線を放出させるのは、輻射線によって加熱される基板9の表面の温度の面内均一性を向上させるためである。
【0011】
尚、輻射加熱源33が円環状であるのは、基板9が円盤状即ち円形の輪郭を有するからである。従って、例えば、基板9が方形である場合、方形の環状の輻射加熱源33を用いることがある。つまり、基板9の輪郭の相似形の環状とすると、基板9の表面の温度の面内均一性の向上の観点から好適である。尚、赤外線ヒータランプ等では、一つのランプが方形の環状を成すようにすることはガラス加工等の点から困難であるので、四本以上のランプを使用して方形に配置することで、「方形の環状の輻射加熱源」とすることがある。また、輻射加熱源33として、点光源を採用する場合もある。さらに、複数の点光源を並べて環状の輻射加熱源33とする場合もある。また、輻射加熱源33は環状に限定されるものではない。棒状の光源を平行に並べたり、複数の点光源を格子点の位置等のように均等に並べたりする構成もあり得る。
【0012】
本実施形態の基板加熱チャンバーの大きな特徴点の一つは、基板9と同一平面上であって基板9の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具34を備えている点である。周囲遮蔽具34は、輻射加熱源33を取り囲む筒状の部材である。周囲遮蔽具34は、基板9に向かうに従って徐々に断面積が小さくなる円筒状となっている。周囲遮蔽具34は基板9と同軸、即ち、円筒の軸が基板9の中心軸に一致している。
【0013】
また、周囲遮蔽具34の基板9から遠い側の端面を塞ぐようにして、遮蔽具保持板341が設けられている。上述した輻射加熱源33は、加熱源取付具331によって遮蔽具保持板341に取り付けられている。
本実施形態では、周囲遮蔽具34や遮蔽具保持板341を冷却する冷却機構が設けられている。冷却機構は、遮蔽具保持板341内の空洞に冷媒を流して遮蔽具保持板341や周囲遮蔽具34等を冷却するようになっており、冷媒供給管351及び冷媒排出管352等から構成されている。
【0014】
上述した周囲遮蔽具34は、基板9と同一な平面上であって基板9の周縁を取り囲む領域(以下、周囲領域と称す)への輻射線の到達を防止するものである。このような周囲遮蔽具34を用いることは、次のような技術的意義がある。
前述したように、本実施形態では、基板9をその周縁で保持する基板保持具90を用いている。つまり、基板9の周囲には基板9を保持する部材が存在している。このように基板9の周囲に基板9を保持する部材(以下、周縁保持部材)が存在する状態で基板9を輻射加熱する場合、周囲遮蔽具34のような部材が無いと、輻射線は基板9のみならず周縁保持部材も加熱することになる。この場合に問題なのは、周縁保持部材が熱によって変形し、基板9を保持できなくなってしまうことである。本実施形態の構成では、基板保持具90の保持爪92が熱により変形し、基板9が基板保持具90から落下してしまう事故が発生する恐れがある。
【0015】
このような事故を防止するには、周縁保持部材を熱変形しにくい構成とすればよい。一般的には、周縁保持部材を大きく頑丈なものにしたり、熱容量を大きくしたりすることが考えられる。しかしながら、一方で、基板9から周縁保持部材への熱伝導の影響も考える必要がある。周縁保持部材は周縁で基板9に接触しており、基板9から周縁保持部材への熱伝導が発生している。この場合、周縁保持部材が大きくなって基板9との接触面積が大きくなったり、周縁保持部材の熱容量が大きくすると、基板9から周縁保持部材への熱伝導も大きくなる。この結果、基板9の周辺部で温度が低下し、中央部との間で大きな温度差ができてしまう恐れがある。
【0016】
本実施形態の構成では、周囲遮蔽具34によって周囲領域への輻射線の到達が遮蔽されているので、周縁保持部材としての基板保持具90の加熱が抑制されている。従って、基板保持具90の保持爪92が変形して基板9が基板保持具90から落下したり、基板9から基板保持具90への熱伝導が大きくて基板9の周辺部と中央部とで大きな温度差が生じたりすることはない。
【0017】
また、前述した周囲遮蔽具34の形状は、円錐体をその中心軸に垂直な面で切断した下側の形状に相当する円筒状と表現することができる。この場合、図1及び図2に示すように、その稜線(円錐体を想定した場合の稜線の意味であり、図1中に破線で示す)が、基板9の周縁に交差する配置となっている。この構成は、きっちり基板9の表面のみ輻射線が到達し、周囲領域にはなるべく輻射線が到達しないようにする技術的意義があり、基板保持具90の加熱を抑制する上で非常に効果的な構成となっている。
【0018】
尚、周囲遮蔽具34の稜線が、基板9の周縁から僅かに内側の位置で交差するよう構成することがある。図1に示すように、基板9の縁がV字状の保持爪92に落とし込まれる場合、保持爪92の先端は基板9の縁から僅かに内側に位置する。従って、保持爪92の加熱を少しでも多く抑制できるよう、周囲遮蔽具34の稜線が基板9の周縁から僅かに内側の位置で交差するようにする。この位置は、例えば周縁から1〜2mm程度内側の位置である。
また、周囲遮蔽具34の輻射線遮蔽の効果は、その内面(輻射加熱源33を臨む側の面)について生じている。従って、上記円筒状の形状も、この内面がそうなっていれば足りる。つまり、周囲遮蔽具34全体が円筒状になる必要はない。
【0019】
周囲遮蔽具34が輻射線を遮蔽する構成は、大きく分けて、輻射線を反射させて遮蔽するか、輻射線を吸収して遮蔽するかである。輻射線を吸収して遮蔽する場合には、周囲遮蔽具34の内面に黒色の被膜を形成することが多いが、輻射線を吸収すると周囲遮蔽具34の温度上昇が問題となる場合がある。周囲遮蔽具34は、前述したように冷却機構により冷却されており、異常な温度上昇による熱的損傷から保護されているが、輻射線を吸収する構成である場合、この冷却機構の負荷が大きくなり、冷却機構が大がかりになる欠点がある。
【0020】
また、反射させずに吸収して遮蔽すると、輻射加熱源33からの輻射線が基板9の加熱に利用されずに冷却機構によって消費されてしまうので、加熱効率が悪くなる。このようなことから、周囲遮蔽具34はなるべく吸収せずに反射して遮蔽するようにすることが好ましい。具体的には、周囲遮蔽具34の内面を鏡面加工したりアルミ等の蒸着膜を形成したりして反射面とする。
尚、遮蔽具保持板341には、補助反射板37が設けられている。この補助反射板は、円環状である輻射加熱源33の配光パターンに応じて基板9の表面における輻射線の照度分布をより均一にする形状となっている。
【0021】
本実施形態の基板加熱チャンバーの別の大きな特徴点は、基板9の中央部への輻射線の到達を防止する中央遮蔽具36が設けられている点である。中央遮蔽具36は、図1及び図2に示すように、小さな円板状であり、基板9と平行且つ同軸上に設けられている。中央遮蔽具36は、中央用保持棒361によって保持されている。
【0022】
このような中央遮蔽具36を設けることは、輻射加熱源33によって基板9を加熱した際、基板9の面内温度均一性を向上させる技術的意義がある。この点について、図3を使用して説明する。図3は、中央遮蔽具36の技術的意義について説明する図であり、(1)が中央遮蔽具36が無い場合、(2)が中央遮蔽具36がある場合について示している。
【0023】
基板9のような板状の部材を加熱した場合、一般的に、周縁からの熱の放散によって周辺部の温度が中央部の温度より低くなり易い。本実施形態の構成では、周囲遮蔽具34が輻射線を反射して遮蔽するようになっている。この構成では、結果的に、輻射線は基板9の中央部に集まり易く、図3(1)に示すように、基板9の中央部の温度が周辺部に比べて高くなり易い。
一方、図3(2)に示すように、中央遮蔽具36を使用すると、基板9の中央部に到達する輻射線が遮蔽されるため、中央部の温度が低くなる。この結果、基板9の表面の温度の面内均一性が向上する。
【0024】
尚、中央遮蔽具36を使用することは、輻射加熱源33が基板9に対して軸対称に輻射線を放出することにも密接に関連している。即ち、軸対称な輻射線の放出である場合、軸中心の円周方向では均一な加熱が行えるが、軸中心の径方向では均一な加熱が行えない恐れがある。この場合、中央遮蔽具36を使用することで、径方向での加熱の不均一性を補正して面内温度均一性を改善することができる。
【0025】
本実施形態の基板加熱チャンバーのさらに別の大きな特徴点は、基板9の大きさが変わった場合でも最適な輻射線制御が行えるようにしたり、基板9の表面内に意図的に温度勾配を形成しながら加熱することができるようになっている点である。具体的には、周囲遮蔽具34を基板9の中心軸の方向に変位させて位置調節する周囲用位置調節機構、及び、中央遮蔽具36を基板9の中心軸の方向に変位させて位置調節する中央用位置調節機構が設けられている。以下、これらの機構について説明する。
【0026】
図1に示すように、遮蔽具保持板341には、遮蔽具保持棒342の先端が固定されている。遮蔽具保持棒342は複数設けられており、例えば方形の角の位置になるよう四本設けられている。チャンバー本体31の側壁部分には、遮蔽具保持板341より少し小さな開口(以下、側壁開口)310が形成されている。各遮蔽具保持棒342は、この側壁開口310を通して延び、チャンバー本体31の外側に達している。そして、チャンバー本体31外に位置する各遮蔽具保持棒342の後端は、周囲用ベース板343に固定されている。周囲用ベース板343は、遮蔽具保持板341と同様に垂直に立てて設けられている。
尚、周囲用ベース板343の縁と側壁開口310の縁とを気密につなぐようにして周囲用ベローズ344が設けられている。周囲用ベローズ344は、側壁開口310からの真空の漏れを防止している。
【0027】
また、図1に示すように、周囲用ベース板343の背面(チャンバー本体31を臨む面とは反対側の面)には、周囲用被駆動棒345の先端が固定されている。そして、周囲用被駆動棒345を駆動して周囲用ベース板343を水平移動させる周囲用駆動源346が設けられている。
周囲用駆動源346と周囲用被駆動棒345の構成は、任意のものが採用できる。例えば周囲用被駆動棒345をラックとし、このラックに噛み合うピニオンを回転させるモータを周囲用駆動源346としたラックアンドピニオン機構を採用することができる。また、周囲用被駆動棒345をボールねじによって水平移動させる構成を採用することもできる。この場合には、内面がねじ切りされた円筒状の部材であって回転規制部を設けたものを周囲用被駆動棒345として使用する。この周囲用駆動棒345内に、ボールねじを通して噛み合わせる。ボールねじの後端に傘歯車等の機構を介して周囲用駆動源346を連結する。周囲用駆動源346によってボールねじを回転させると、周囲用被駆動棒345が水平方向に移動する。
【0028】
いずれにしても、周囲用駆動源346によって周囲用ベース板343が水平移動すると、遮蔽具保持棒342によって保持されている周囲遮蔽具34も一体に水平移動する。この結果、基板9と周囲遮蔽具34との距離が変化する。周囲用駆動源346には、位置制御用のAC又はDCサーボモータが好適に採用され、周囲遮蔽具34を駆動範囲内の任意の水平方向の位置に停止させることができるよう構成される。
【0029】
また一方、周囲用ベース板343の中央には小さな開口が設けられており、中央遮蔽具36を保持した中央用保持棒361は、この開口に挿通されている。中央用保持棒361の挿通部分を気密に塞ぐようにして、メカニカルシール362が設けられている。メカニカルシール362は、磁性流体等を用いた真空シールであり、中央用保持棒361の水平移動を許容しつつ、挿通部分を気密に封止している。また、中央用保持棒361の後端には、中央用被駆動棒363が連結されている。そして、中央用被駆動棒363を駆動する中央用駆動源364が設けられている。
【0030】
中央用被駆動棒363及び中央用駆動源364の構成も各種のものが考えられるが、一例としてボールねじを使用したものが採用できる。即ち、内面がねじ切りされた円筒状の部材であって回転規制部を設けたものを中央用被駆動棒363として使用し、中央用被駆動棒363内にボールねじを通して噛み合わせる。ボールねじを中央用駆動源364によって回転させ、中央用被駆動棒363を水平方向に移動させる。中央用駆動源364も、位置制御用のサーボモータが採用され、中央遮蔽具36を駆動範囲内の任意の水平方向の位置に停止させることができるよう構成される。
【0031】
本実施形態において、このように周囲遮蔽具34及び中央遮蔽具36を水平方向に移動させる構成を採用するのは、上述したように、異なる大きさの基板9であっても面内温度均一性を高くして加熱したり、意図的に所望の温度勾配を付けて加熱したりすることを可能にするためである。
例えば、図1に示す基板9に比べて小さい基板9を加熱する場合、図1の配置状態のままであると、周囲遮蔽具34の稜線が基板9の周縁よりも外側になるため、基板保持具90等の基板9の周囲の部材の加熱抑制効果があまり得られなくなってしまう。そこで、周囲用駆動源346によって周囲遮蔽具34を基板9から離れる向きに水平移動させ、周囲遮蔽具34の稜線が基板9の周縁に交差するようにする。より大きい基板9を加熱する場合にはその逆であり、周囲遮蔽具34を基板9に近づく向きに水平移動させ、稜線が基板9の周縁に交差するようにする。
【0032】
このように、基板9の大きさが変わっても、周囲遮蔽具34を最適な位置に位置させることにより、基板9の周囲に存在する部材の加熱を抑制するという効果を常に得ることができる。また、中央遮蔽具36についても同様であり、基板9の大きさに合わせて中央遮蔽具36が最適な位置に位置するよう中央用駆動源364を動作させることで、大きさの異なる基板9に対しても常に高い面内温度均一性を維持して加熱を行うことができる。
【0033】
また、図1に示す配置状態において、基板9の面内温度均一性が最も高くなっている場合、この状態から中央遮蔽具36を基板9に近づけると、中央部への輻射線遮蔽の効果が高くなり、中央部の温度が相対的に低くなる。このため、中央部の温度を周辺部に比べて意図的に低くしたい場合に好適な配置となる。また、図1に示す配置状態から周辺遮蔽具を基板9に近づけると、基板9の周囲領域のみならず、基板9の表面の周辺部への輻射線も遮蔽される状態となる。このため、周辺部の温度を中央部に比べてより低くしたい場合に好適な配置となる。このような意図的に温度勾配を付ける場合にも、前述した周囲用駆動源346又は中央用駆動源364によって周囲遮蔽具34又は中央遮蔽具36を水平移動させて所望の位置に位置させる。
【0034】
また、図1から解るように、本実施形態の基板加熱チャンバーは、基板9の配置位置を中心にして左右対称であり、輻射加熱源33、周囲遮蔽具34、中央遮蔽具36等は、両側に対称に設けられている。このため、基板9の両面に同時に均一な加熱が行えるようになっている。
尚、基板保持具90が上述したように基板9の周縁に当接して保持する構成は、この両面同時加熱を行うために重要な構成となっている。即ち、例えば基板載置台の上に基板9を水平に載置して保持するように、基板9の一方の側の面に接触して保持する構成では、両面同時加熱は困難である。本実施形態のように基板9の周縁に当接して保持するようにすれば、両面同時加熱が容易に行える。
【0035】
上述した実施形態の基板加熱チャンバーは、情報記録ディスク用基板処理装置に使用されると非常に好ましい。このような情報記録ディスク用基板処理装置の発明の実施形態について、以下に説明する。
図4は、実施形態に係る情報記録ディスク用基板処理装置の概略構成を示す平面図である。図4に示す装置は、インライン式の基板処理装置になっている。インライン式とは、複数のチャンバーが一列に縦設され、それらのチャンバーを経由して基板9の搬送路が設定されている装置の総称である。本実施形態の装置では、複数のチャンバー1,2,3,4,5,6,7,8が方形の輪郭に沿って縦設されており、これに沿って方形の搬送路が設定されている。
【0036】
各チャンバー1,2,3,4,5,6,7,8は、専用又は兼用の排気系によって排気される真空容器である。各チャンバー1,2,3,4,5,6,7,8の境界部分には、ゲートバルブ10が設けられている。基板9は、基板保持具90に搭載されて図4中不図示の搬送機構によって搬送路に沿って搬送されるようになっている。
複数のチャンバー1,2,3,4,5,6,7,8のうち、方形の一辺に隣接して配置された二つのチャンバー1,2が、基板保持具90への基板9の搭載を行うロードロックチャンバー1及び基板保持具90からの基板9の回収を行うアンロードロックチャンバー2になっている。
【0037】
また、方形の他の三辺に配置されたチャンバー3,4,5,6,8は、各種処理を行う処理チャンバーになっている。これらのチャンバー3,4,5,6,8のうち、最初に基板9が搬送される処理チャンバー3は、薄膜の作成の前に基板9を予め加熱するチャンバーであり、前述した実施形態と同じ構成の基板加熱チャンバーとなっている。
【0038】
そして、基板加熱チャンバー3の次に基板9が搬送される処理チャンバー4は、予備加熱された基板9に下地膜を作成する下地膜作成チャンバーである。また、下地膜作成チャンバー4の次に基板9が搬送される処理チャンバー5は、下地膜の作成された基板9に磁性膜を作成する磁性膜作成チャンバーである。また、磁性膜作成チャンバー5の次に基板9が搬送される処理チャンバー6は、磁性膜の上に保護膜を作成する保護膜作成チャンバーである。また、方形の角の部分のチャンバー7は、基板9の搬送方向を90度転換する方向転換機構を備えた方向転換チャンバーである。
尚、予備の処理チャンバー8が設けられている。予備の処理チャンバー8は、基板処理の種類によって任意に構成される。例えば、処理後に基板9を冷却するチャンバーとして構成される。
【0039】
図1及び図5を使用して、基板保持具90及び基板保持具90を移動させて基板9を搬送する搬送機構の構成について説明する。図5は、図4の装置に使用された基板保持具90及び搬送機構の構成について説明する正面概略図である。
【0040】
図5に示すように、基板保持具90の下縁には、小さな磁石(以下、基板保持具側磁石)93が多数設けられている。基板保持具側磁石93は、交互に逆の磁極となっている。そして、基板保持具90の下方には、図5に示すように、隔壁94を介して磁気結合ローラ95が設けられている。
【0041】
磁気結合ローラ95は、二重螺旋状の磁石列951を有している。各磁石列951は、小さな磁石(以下、ローラ側磁石)に区分されている。そして、磁石列951の各ローラ側磁石は、図5に示すように、上側の基板保持具側磁石93に対して磁気結合している。隔壁94を境にして、基板保持具90が配置された側が真空側、磁気結合ローラ95が配置された側が大気側である。
【0042】
磁気結合ローラ95には、図1に示すように回転機構952が設けられている。回転機構952によって磁気結合ローラ95が回転すると、基板保持具90が水平方向(磁気結合ローラ95の軸方向)に移動するようになっている。これにより、基板保持具90に保持された基板9が搬送されるようになっている。
【0043】
尚、上記基板保持具90は、図1に示すように、水平な回転軸の回りに回転する主プーリ96に載せられているとともに、下端が垂直な回転軸の回りに回転する副プーリ97に接している。基板保持具90は、上述した搬送機構が動作する際、主プーリ96及び副プーリ97にガイドされながら移動するようになっている。この移動によって、基板9は、上述した方形の搬送路に沿って搬送されるようになっている。
【0044】
方向転換チャンバー7の構成としては、基板保持具90、主プーリ96、副プーリ97、磁気結合ローラ95等を一体に90度回転させる機構を備えたものとされる。このような機構は、例えば特開平8−274142号公報に開示されている。
【0045】
前述したように、下地膜としてはCr膜、磁性膜としてはCoCrTa膜等が採用される。本実施形態の装置では、下地膜作成チャンバー4及び磁性膜作成チャンバー5は、ともにスパッタリングによってこのような膜を作成するようになっている。下地膜作成チャンバー4及び磁性膜作成チャンバー5の構成はほぼ同様であり、一例として磁性膜作成チャンバー5の構成について説明する。
【0046】
図6は、図4に示す装置における磁性膜作成チャンバー5の概略構成を示す平面断面図である。磁性膜作成チャンバー5は、内部を排気する排気系51と、内部にプロセスガスを導入するガス導入系52と、内部の空間に被スパッタ面を露出させて設けたターゲット53と、ターゲット53にスパッタ放電用の電圧を印加するスパッタ電源54と、ターゲット53の背後に設けられた磁石機構55とから主に構成されている。
【0047】
排気系51は、クライオポンプ等の真空ポンプを備えており、磁性膜作成チャンバー5内を10- Pa程度まで排気可能に構成されている。ガス導入系52は、プロセスガス(処理に用いるガス)としてアルゴン等のガスを所定の流量で導入できるよう構成されている。
【0048】
スパッタ電源54は、ターゲット53に−300V〜−600V程度の負の高電圧を印加できるよう構成されている。磁石機構55は、マグネトロン放電を達成するためのものであり、中心磁石551と、この中心磁石551を取り囲むリング状の周辺磁石552と、中心磁石551と周辺磁石552とをつなぐ板状のヨーク553とから構成されている。尚、ターゲット53や磁石機構55は、絶縁ブロック571を介して磁性膜作成チャンバー5に固定されている。また、磁性膜作成チャンバー5は、電気的には接地されている。
【0049】
ガス導入系52によってプロセスガスを導入しながら排気系51によって磁性膜作成チャンバー5内を所定の圧力に保ち、この状態でスパッタ電源54を動作させる。この結果、スパッタ放電が生じてターゲット53がスパッタされ、スパッタされたターゲット53の材料が基板9に達して基板9の表面に所定の磁性膜が作成される。例えば、ターゲット53はCoCrTaの合金又は焼結体で形成され、基板9の表面にCoCrTa膜が作成される。
【0050】
尚、図6から分かるように、ターゲット53、磁石機構55及びスパッタ電源54の組は、磁性膜作成チャンバー5内の基板9配置位置を挟んで両側に設けられており、基板9の両面に同時に磁性膜が作成されるようになっている。
また、図6に示すように、各ターゲット53の大きさは、一枚の基板9よりも少し大きい程度となっている。基板保持具90は、磁性膜作成チャンバー5内で移動し、二枚の基板9が順次ターゲット53の正面に位置するようになっている。即ち、最初は搬送方向前方の基板9がターゲット53の正面に位置する状態となってこの基板9に成膜が行われる。そして、その後、所定距離前進して搬送方向後方の基板9がターゲット53の正面に位置する状態となり、この基板9への成膜が行われる。この点は、前述した基板加熱チャンバー3の場合も同様である。輻射加熱源33に一枚ずつ基板9が対向して加熱される。
【0051】
下地膜作成チャンバー4の構成は、ターゲットの材料としてはCr又はCr合金等が用いられることを除き、上記磁性膜作成チャンバー5の構成とほぼ同様である。
保護膜としては、カーボンより成る膜が採用されることが多い。保護膜作成チャンバー6は、磁性膜作成チャンバー5と同様にスパッタリングによってカーボン膜を保護膜として作成するよう構成される。この場合、保護膜作成チャンバー6の構成は、ターゲットがカーボン製であることを除き、上記磁性膜作成チャンバー5の構成とほぼ同様である。尚、プラズマCVD法によって保護膜を作成する場合もある。この場合は、C26のような炭化水素化合物ガスと水素の混合ガスのプラズマを形成し、プラズマ中での炭化水素化合物ガスの分解を利用して基板9の表面にカーボン膜を作成するようにする。プラズマは、多くの場合高周波放電により形成される。
【0052】
次に、本実施形態の情報記録ディスク用基板処理装置の全体の動作について説明する。
まず、ロードロックチャンバー1内で未処理の二枚の基板9が最初の基板保持具90に搭載される。この基板保持具90は基板加熱チャンバー3に移動して、基板9の予備加熱が行われる。この際、次の基板保持具90への二枚の未処理の基板9の搭載動作が行われる。1タクトタイムが経過すると、基板保持具90は下地膜作成チャンバー4に移動し、基板9に下地膜が作成される。この際、次の基板保持具90は基板加熱チャンバー3に移動し、基板9が予備加熱され、ロードロックチャンバー1内でさらに次の基板保持具90への基板9の搭載動作が行われる。
【0053】
このようにして、1タクトタイム毎に基板保持具90が移動し、予備加熱、下地膜の作成、磁性膜の作成、保護膜の作成の順で処理が行われる。そして、保護膜の作成の後、基板保持具90はアンロードロックチャンバー2に達し、この基板保持具90から処理済みの二枚の基板9の回収動作が行われる。尚、本実施形態では、下地膜作成チャンバー4は二つ設けられている。従って、最初の下地膜作成チャンバー4で半分の厚さの成膜を行い、次に下地膜作成チャンバー4で残りの半分の厚さの成膜を行う。この点は、磁性膜作成チャンバー5や保護膜作成チャンバー6でも同じである。
【0054】
上述した本実施形態の装置の動作において、スパッタリングやCVD等の成膜処理は、一般的に温度依存性があり、均一な成膜を行うためには、基板9の表面の温度を均一にする必要がある。この点、本実施形態の装置では、基板加熱チャンバー4が、前述した通り面内温度均一性の高い基板9の加熱を行えるようになっている。従って、本実施形態の装置によれば、下地膜や磁性膜を均一に作成でき、良質な情報記録ディスクの製作に貢献できる。尚、均一とは、膜厚や膜質が均一であるという意味である。
【0055】
特に、情報記録ディスクがハードディスクのような磁気記録媒体である場合、面内温度均一性が高いことは顕著な技術的意義を有する。以下、この点について説明する。
ハードディスクのような磁気記録媒体では、磁性膜の保磁力の大きさや均一性が重要な評価特性になっている。保磁力が小さかったり均一でなかったりすると、書き込んだ情報が消滅してしまって読み出しエラー等が生ずる。磁性膜の保磁力は、一般的に磁性膜を作成する際の基板9の温度(成膜温度)に依存する。図7は、成膜温度と磁性膜の保磁力との関係について示した図である。図7には、一例として、CoCrPt(Co合金)膜の保磁力の成膜温度依存性が示されている。
【0056】
図7に示すように、磁性膜の保磁力はある温度でピークに達し、それ以上に成膜温度が高くなると、逆に低下する傾向がある。これは、保磁力が磁性膜の結晶構造や組成等に依存しており、ある限られた温度範囲でのみ最適な結晶構造や組成等の膜が得られることによるものと推定される。
図7を考慮すると、磁性膜作成チャンバー5に搬入された基板9の温度が、保磁力のピークを与える成膜温度(以下、最適温度といい、図7中Tで示す)になっていることが好ましい。そして、基板9の表面の各点において、最適温度Tになっていることが好ましい。もし、面内温度均一性が低く、基板9の表面のある場所で最適温度Tから外れていると、その場所で保磁力が低下してしまう。
【0057】
本実施形態の装置によれば、上述した通り、基板加熱チャンバー3によって面内温度均一性が極めて高い基板9の加熱が行えるので、基板9の各点を高い均一性で最適温度Tにすることができる。具体的には、基板加熱チャンバー3から磁性膜作成チャンバー5に至る際の基板9の温度低下を見込んで、基板加熱チャンバー3で最適温度Tより所定温度高い温度に加熱するようにする。
【0058】
また一方、前述したように、基板加熱チャンバー3では、意図的に所望の温度勾配を付けた基板9の加熱が行えるが、この点は、高記録密度且つ高信頼性の情報記録ディスクを製作するという要請から重要な技術的意義がある。以下、この点について説明する。
【0059】
周知のように、ハードディスクのような磁気記録ディスクは、記録容量の増大が重要な技術課題となっている。製品の持つ限られたスペース中で記録容量を増大させるには、記録密度の向上が必須の条件である。記録密度が高くなると、一つの磁気記録領域(セクタ)の大きさは小さくならざるを得ない。
その一方で、磁気記録の信頼性も非常に重要な製品特性である。記録した情報が正しく維持されているかどうかを決めるのは、磁性膜の保磁力である。高保磁力の磁性膜を作成することが、高信頼性の磁気記録ディスクを製作する上で欠かせない。しかしながら、セクタが小さくなると、セクタ全体の保磁力が低下してしまう。
【0060】
このようなことから、さらに保磁力の高い磁性膜を作成するべく、改良が行われている。最近の研究では、白金を含有させるとより高い保磁力になることが判っており、CoCrPtTaのように、白金を含有した磁性薄を作成することが考えられている。
しかしながら、白金にはスパッタリングの特性において特異な点があり、この点から、従来には考えられなかった成膜条件の調整が必要になることが判った。この点について、図8を使用して説明する。図8は、白金のスパッタリング特性であって、白金製のターゲットにイオンが垂直に入射した場合のスパッタ粒子(白金)の放出角度の分布について示した図である。
【0061】
スパッタ粒子の放出角度(ターゲットの表面に対して垂直な方向を0度とした角度)の分布は、一般的にcosin則に従うとされている。即ち、0度付近の放出角度で放出されるスパッタ粒子が多く、放出角度が90度に近づくにつれてそのような放出角度で放出されるスパッタ粒子の量は少なくなる。
しかしながら、図8に示すように、白金の場合はこれとは異なり、0度付近の放出角度のスパッタ粒子よりも40〜50度付近の放出角度のスパッタ粒子の方が量が多い。つまり、cosin則には従わない。
【0062】
このような白金の特異な特性から、基板9の表面に白金含有の磁性膜を作成した場合、面内温度分布を均一にしていても、保磁力の均一な膜が作成できないことがある。例えば、基板9の中央部において保磁力が低下したりする場合がある。このような場合、意図的に基板9の中央部の温度を周辺部に比べて相対的に高くすることが有効になる。
【0063】
具体的に説明すると、上述したように、もし基板9の中央部に対して白金の到達が少なくて保磁力が低下する傾向がある場合、基板9の中央部の温度は、図7に示す最適温度Tとする。そして、周囲遮蔽具34や中央遮蔽具36の位置調整によって基板9の周辺部の温度を中央部に比べて少し低くする。これによって、上記白金のスパッタ粒子放出角度分布の不均一性を補償して、均一な保磁力分布の磁性膜が作成できる。
【0064】
【実施例】
次に、上記実施形態に属する実施例について説明する。
基板9が直径2.5インチのハードディスク用のガラス製の基板9である場合、周囲遮蔽具34や中央遮蔽具36の寸法や配置位置は、以下の例が好適に採用できる。尚、各寸法や各距離の符号は、図1中に示す。
周囲遮蔽具34の開口の半径r:37mm
周囲遮蔽具34と基板9との距離d:8mm
中央遮蔽具36の半径r:15mm
中央遮蔽具36と基板9との距離d:8mm
輻射加熱源33の半径r:40mm
輻射加熱源33と基板9との距離d:32mm
上記実施例の配置において、消費電力1500W程度の赤外線ヒータランプを使用した場合、5〜10秒程度で基板9は250℃程度まで加熱される。この際の面内温度均一性は、250℃±5℃(±2%)であり、極めて高い。
【0065】
図9は、上記実施例の構成による加熱と、周囲遮蔽具34及び中央遮蔽具36の無い参考例の構成による加熱とで、磁性膜の保磁力の均一性がどのように異なるかを確認した実験の結果を示す図である。図9中の(1)は、上記実施例の構成の場合の基板9の面内温度均一性を示す図であり、(2)は、周囲遮蔽具34及び中央遮蔽具36を取り去った構成においてほぼ同じ条件で加熱した場合の基板9の面内温度均一性を示す図である。但し、図9(2)の場合には、輻射加熱源33と基板9との距離dは(1)と異なり15mmである。尚、図9に示す実験において、基板9の加熱条件は上述した通りであるが、磁性膜の成膜条件は以下の通りである。尚、sccmは、0℃1気圧で換算したガスの流量(cc/分)を意味する。
磁性膜の種類:CoCrPt(Co合金)
プロセスガス及びその流量:アルゴン,100sccm
磁性膜作成チャンバー内の圧力:0.6Pa
スパッタ電源の電圧及び電力:−500V,数100W
図9(1)(2)の各横軸は、基板9の表面のうち、基板9の中心軸を中心とするある半径の円周上の各点の位置を角度で示したものである。また、図9(1)(2)において、●でプロットされたデータは、基板9の表面のうち半径15mmの円周上の位置における保磁力を示し、■でプロットされたデータは、基板9の表面のうち半径30mmの円周上の位置における保磁力を示す。
【0066】
図9(1)に示す通り、周囲遮蔽具34及び中央遮蔽具36を備えた実施例の構成では、半径15mmの位置と半径30mmの位置とを総合した保磁力の面内分布は2.2%程度であり、極めて高い。一方、周囲遮蔽具34及び中央遮蔽具36の無い参考例の構成では、保磁力の面内分布は4.7%とかなり低い。
この図9に示す結果からも判るように、実施例の構成によれば、保磁力の面内均一性が極めて高い磁性膜が得られる。このため、益々高密度化する磁気記録媒体の製作に非常に好適な装置が提供される。
【0067】
以上の説明では、磁気記録媒体について説明されたが、CD−ROMのような光学式の情報記録ディスクの場合であっても同様である。光学膜もしばしば温度依存性があり、基板9が均一な面内温度の状態で膜を作成することは、均一な特性の光学膜の作成に寄与する。そして、最終的には、読み取り性能等の点で良質な製品の産出に貢献することになる。
上記説明では、基板9がハードディスク等の情報記録ディスク用基板である場合について説明したが、本願発明は、これ以外にも、半導体ウェーハや液晶基板等についても同様に実施することが可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上説明した通り、本願の請求項1記載の基板加熱チャンバーによれば、周囲領域への輻射線への輻射線が遮蔽されるので、周囲領域に存在する部材の影響で基板の表面の温度分布が不均一になることがなく、面内温度均一性の高い加熱が行える。また、輻射加熱源が基板の中心軸に対して対称に輻射線を放出するので、この点でさらに面内温度均一性の高い加熱が行える。加えて、周囲遮蔽具が、底面の形状が基板と相似である錐体をその中心軸に垂直な面で切断した下側の形状に相当する筒状であって、その稜線が基板の周縁に交差するよう配置されているので、周囲領域への輻射線の到達を抑制する効果がよりきっちりと得られる。
また、請求項の基板加熱チャンバーによれば、周囲領域への輻射線への輻射線が遮蔽されるので、周囲領域に存在する部材の影響で基板の表面の温度分布が不均一になることがなく、面内温度均一性の高い加熱が行える。加えて、周辺加熱部を基板の中心軸の方向に変位させて位置調節する周囲用位置調節機構が設けられているので、基板の大きさに合わせて周囲遮蔽具の位置を調節することで基板の大きさが変わっても面内均一性の高い加熱が行えたり、特定の目的のために意図的に所望の温度勾配を付けた加熱が行えたりする効果がある。
また、請求項の基板加熱チャンバーによれば、周囲領域への輻射線への輻射線が遮蔽されるので、周囲領域に存在する部材の影響で基板の表面の温度分布が不均一になることがなく、面内温度均一性の高い加熱が行える。また、基板の中央部分に到達する輻射線を遮蔽する中央遮蔽具が設けられているので、さらに面内温度均一性の高い加熱が行えたり、中央部と周辺部とで所望の温度勾配を付けた加熱が行えたりする効果がある。加えて、中央遮蔽具を基板の中心軸の方向に変位させて位置調節する中央用位置調節機構が設けられているので、基板の大きさに合わせて中央遮蔽具の位置を調節することで基板の大きさが変わっても面内温度均一性を高くして加熱を行ったり、基板の大きさに合わせて温度勾配を調整しながら加熱を行ったりすることができる。
また、請求項記載の基板加熱チャンバーによれば、前記請求項1、2又は3の効果に加え、基板保持具が基板の周縁を保持するので、基板の両面同時加熱が容易に行える。また、基板保持具の加熱が抑制されるので、基板保持具の変形等による基板の落下の事故も生じない。
また、請求項記載の基板加熱チャンバーによれば、上記請求項2又は3の効果に加え、輻射加熱源が基板の中心軸に対して対称に輻射線を放出するので、この点でさらに面内温度均一性の高い加熱が行える。
また、請求項記載の基板加熱チャンバーによれば、上記請求項1又は8の効果に加え、輻射加熱源が基板の輪郭の相似形を成す環状であるので、この点でさらに面内温度均一性の高い加熱が行える。
また、請求項10記載の基板加熱チャンバーによれば、上記請求項の効果に加え、輻射加熱源が基板の輪郭の相似形を成す環状であり、中央遮蔽具が基板よりも大きさの小さい相似形であるので、この点でさらに面内温度均一性の高い加熱が行える。
また、請求項11記載の情報記録ディスク用基板処理装置によれば、記録層用の膜の作成の前の予備加熱を上記各請求項の効果を得ながら行うことができる。従って、記録層の特性の面内均一性が高い良質な情報記録ディスクの製作に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る基板加熱チャンバーの正面断面概略図である。
【図2】図1に示す基板加熱チャンバー内の主要部の構成を示す斜視概略図である。
【図3】中央遮蔽具36の技術的意義について説明する図であり、(1)が中央遮蔽具36が無い場合、(2)が中央遮蔽具36がある場合について示している。
【図4】実施形態に係る情報記録ディスク用基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
【図5】図4の装置に使用された基板保持具90及び搬送機構の構成について説明する正面概略図である。
【図6】図1に示す装置における磁性膜作成チャンバー5の概略構成を示す平面断面図である。
【図7】成膜温度と磁性膜の保磁力との関係について示した図である。
【図8】白金のスパッタリング特性であって、白金製のターゲットにイオンが垂直に入射した場合のスパッタ粒子(白金)の放出角度の分布について示した図である。
【図9】実施例の構成による加熱と、周囲遮蔽具34及び中央遮蔽具36の無い参考例の構成による加熱とで、磁性膜の保磁力の均一性がどのように異なるかを確認した実験の結果を示す図である。
【符号の説明】
1 ロードロックチャンバー
2 アンロードロックチャンバー
3 基板加熱チャンバー
31 チャンバー本体
32 排気系
33 輻射加熱源
34 周囲遮蔽具
341 遮蔽具保持棒
342 遮蔽具保持板
343 周囲用ベース板
344 周囲用ベローズ
345 周囲用被駆動棒
346 周囲用駆動源
36 中央遮蔽具
361 中央用保持棒
362 メカニカルシール
363 中央用被駆動棒
364 中央用駆動源
4 下地膜作成チャンバー
5 磁性膜作成チャンバー
6 保護膜作成チャンバー
7 方向転換チャンバー
9 基板
90 基板保持具
91 保持具本体
92 保持爪

Claims (14)

  1. 内部で基板を加熱する気密な基板加熱チャンバーであって、輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板と同一な平面上の領域であって基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
    前記輻射加熱源は、基板の中心軸に対して対称に輻射線を放出するものであり、
    前記周囲遮蔽具は、底面の形状が前記基板と相似である錐体をその中心軸に垂直な面で切断した下側の形状に相当する筒状であって、その稜線が基板の周縁に交差するよう配置されていることを特徴とする基板加熱チャンバー。
  2. 内部で基板を加熱する気密な基板加熱チャンバーであって、輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板と同一な平面上の領域であって基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
    前記周囲遮蔽具を基板の中心軸の方向に変位させて位置調節する周囲用位置調節機構が設けられていることを特徴とする基板加熱チャンバー
  3. 内部で基板を加熱する気密な基板加熱チャンバーであって、輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板と同一な平面上の領域であって基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
    前記輻射加熱源と前記基板との間には、前記基板の中央部への輻射線の到達を防止する中央遮蔽具が設けられており、
    前記中央遮蔽具を基板の中心軸の方向に変位させて位置調節する中央用位置調節機構が設けられていることを特徴とする基板加熱チャンバー
  4. 内部で基板を加熱する気密な基板加熱チャンバーであって、輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
    前記輻射加熱源は、基板の中心軸に対して対称に輻射線を放出するものであり、
    前記周囲遮蔽具は、底面の形状が前記基板と相似である錐体をその中心軸に垂直な面で切断した下側の形状に相当する筒状であることを特徴とする基板加熱チャンバー。
  5. 内部で基板を加熱する気密な基板加熱チャンバーであって、輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
    前記周囲遮蔽具を基板の中心軸の方向に変位させて位置調節する周囲用位置調節機構が設けられていることを特徴とする基板加熱チャンバー。
  6. 内部で基板を加熱する気密な基板加熱チャンバーであって、輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
    前記輻射加熱源と前記基板との間には、前記基板の中央部への輻射線の到達を防止する中央遮蔽具が設けられており、
    前記中央遮蔽具を基板の中心軸の方向に変位させて位置調節する中央用位置調節機構が設けられていることを特徴とする基板加熱チャンバー。
  7. 前記基板の周縁に当接して前記基板を保持する基板保持具が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の基板加熱チャンバー。
  8. 前記輻射加熱源は、基板の中心軸に対して対称に輻射線を放出するものであることを特徴とする請求項2、3、5又は6記載の基板加熱チャンバー。
  9. 前記輻射加熱源は、前記基板の輪郭の相似形を成す環状であることを特徴とする請求項1、4又8記載の基板加熱チャンバー。
  10. 前記輻射加熱源は、前記基板の輪郭の相似形を成す環状であり、前記中央遮蔽具は、前記基板よりも小さい板状であって前記基板の相似形であることを特徴とする請求項3又は6記載の基板加熱チャンバー。
  11. 基板の表面に記録層用の膜を作成して情報記録ディスクを製作する際に使用される情報記録ディスク用基板処理装置であって、記録層用の膜の作成の前に基板を予め所定温度に加熱するチャンバーとして請求項1乃至10のいずれかに記載の基板加熱チャンバーを備えていることを特徴とする情報記録ディスク用基板処理装置。
  12. 輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
    前記輻射加熱源は、基板の中心軸に対して対称に輻射線を放出するものであり、
    前記周囲遮蔽具は、底面の形状が前記基板と相似である錐体をその中心軸に垂直な面で切断した下側の形状に相当する筒状であることを特徴とする基板加熱処理装置。
  13. 輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
    前記周囲遮蔽具を基板の中心軸の方向に変位させて位置調節する周囲用位置調節機構が設けられていることを特徴とする基板加熱処理装置。
  14. 輻射線が基板に到達するよう配置された輻射加熱源と、基板の周縁を取り囲む領域への輻射線の到達を防止する周囲遮蔽具とを備えており、
    前記輻射加熱源と前記基板との間には、前記基板の中央部への輻射線の到達を防止する中央遮蔽具が設けられており、
    前記中央遮蔽具を基板の中心軸の方向に変位させて位置調節する中央用位置調節機構が設けられていることを特徴とする基板加熱処理装置。
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