JP2001081487A - 引き抜き加工用潤滑油 - Google Patents

引き抜き加工用潤滑油

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JP2001081487A
JP2001081487A JP26347399A JP26347399A JP2001081487A JP 2001081487 A JP2001081487 A JP 2001081487A JP 26347399 A JP26347399 A JP 26347399A JP 26347399 A JP26347399 A JP 26347399A JP 2001081487 A JP2001081487 A JP 2001081487A
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carbon atoms
unsaturation
lubricating oil
alcohol
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JP26347399A
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Iwahiro Otsuka
厳弘 大塚
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加工後の加熱蒸発法により成形体からの除去が
容易な引き抜き加工用潤滑油の提供。 【解決手段】式(1)で表される構造を有する、特定の
総不飽和度を有するポリエーテル類(a)を含む。R1
[O(R2O)m−R3n …(1)式中、 R1はアル
キル基等、R2はアルキレン基、R3はアルキル基等。m
は上記化合物の40℃での動粘度が5〜5000mm2
/sとなる正の整数、nは1〜6の整数。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は引き抜き加工用潤滑
油に関し、詳しくは、金属、特に銅または銅合金の引き
抜き加工用として良好な性能を発揮する引き抜き加工用
潤滑油に関する。
【0002】
【従来の技術】空調機および冷凍・冷蔵機器の熱交換機
などに使用される銅管コイルは、潤滑油の1種である引
き抜き加工用潤滑油を用いて抽伸加工(引き抜き加工)
を行うことにより所定の寸法に成形したのち、成形体の
表面に付着している引き抜き加工用潤滑油を除去して製
造される。引き抜き加工用潤滑油の除去手段としては、
塩素系溶剤またはフッ素系溶剤を用いる除去方法や、成
形体を加熱する蒸発除去法が採用されていた。これら、
引き抜き加工用潤滑油としては、ポリブテンのような炭
化水素系の潤滑油が使用されていた。
【0003】近年、オゾン層の破壊が問題視されてきて
いるが、これに伴い、引き抜き加工用潤滑油の除去過程
での塩素系溶剤やフッ素系溶剤の使用が制限され、現在
ではこれらハロゲン化炭化水素系溶剤以外の溶剤が使用
されている。しかし、ハロゲン化炭化水素系溶剤以外の
溶剤を使用した場合、ハロゲン化炭化水素系溶剤を用い
る洗浄法に比較して加工油の除去効率が劣り、引き抜き
加工用潤滑油が一部、成形体表面に残る不都合があっ
た。
【0004】一方、空調機および冷凍・冷蔵機器などの
冷凍システムの冷媒として従来使用されてきたCFC
(クロロフルオロカーボン)およびHCFC(ハイドロ
クロロフルオロカーボン)も、オゾン層を破壊する原因
物質として規制の対象となり、これらの代わりにHFC
(ハイドロフルオロカーボン)が、冷媒として使用され
つつある。このHFC系冷媒は炭化水素系の油には相溶
しないため、引き抜き加工用潤滑油として使用された炭
化水素系潤滑油が鋼管コイルに残ったまま、空調機およ
び冷凍・冷蔵機器などの熱交換機を製造した場合には、
冷凍システムの運転に支障をきたしたり、コンタミネ
ーション(汚染)によるキャピラリーの目詰まりが生じ
たりする問題があった。
【0005】また、銅管コイル内の残油を炉中でパージ
する方法(すなわち蒸発除去法)もあるが、生産性が極
めて低く、コストが高くなるとともに、気化した油が環
境を汚染する問題があった。
【0006】このような問題の解決法として、炭化水素
系の潤滑油の代わりに、ポリオキシアルキレングリコー
ルを引き抜き加工用潤滑油として使用する方法が提案さ
れている。
【0007】特開平9−263780号公報には、特定
構造のポリオキシアルキレングリコールと脂肪酸エステ
ルを配合した潤滑油、特開平9−272889号公報に
は、ポリオキシアルキレングリコールに脂肪酸エステル
とリン酸エステルを配合した潤滑油組成物、特開平10
−130675号公報には分子量が1000以下である
ものが3%以下のポリオキシアルキレングリコールに炭
素数6〜13であるアルコールを添加した潤滑油組成物
について記載されている。これら従来公知の技術で製造
された、ポリオキシアルキレングリコール系の潤滑油を
用いる場合、脂肪酸エステルを配合した場合は、抽伸後
焼鈍した際、管内に残油が存在すると、銅管の異臭の原
因となることがあり、また脂肪酸エステルを配合しない
場合は銅管抽伸加工時において潤滑性が不充分で、これ
により焼付が発生したり、作業性が悪くなる問題点があ
る。以上のように従来公知のポリオキシアルキレングリ
コール系の潤滑油組成物では、引き抜き加工性に優れ、
かつ加工後の除去が容易であるものはなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、引き
抜き加工性に優れ、加工後の成形体からの除去が容易で
あり、さらに加工油の除去が必ずしも完全でない成形体
を冷凍システムに使用した場合でも、冷凍システムを閉
塞することがない引き抜き加工用潤滑油の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
式(1)で表される構造を有し、40℃における動粘度
が5〜5000mm2/sであり、かつ総不飽和度が下
記式(2)を満たすポリエーテル類(a)からなる引き
抜き加工用潤滑油である。 R1[O(R2O)m−R3n …(1) 式(1)中、R1は炭素数1〜20のアルキル基、炭素
数1〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアシル
基、または2〜6価の炭素数1〜20の脂肪族炭化水素
基であり、R2は炭素数2〜4のアルキレン基であり、
3は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数
1〜20のアルケニル基、または炭素数1〜20のアシ
ル基であり、mは正の整数であり、nは1〜6の整数で
ある。 Y≦2×10-5×Z−0.015…(2) 式(2)中、Zは数平均分子量、Yは総不飽和度(me
q/g)を示す。ただし、R1が炭素−炭素二重結合を
有する基である場合はYは該結合に基づく不飽和度を差
し引いた値を示す。
【0010】本発明において使用されるポリエーテル類
(a)は、上記式(1)で表される構造を有する。式中
のR1は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20
のアルケニル基、炭素数1〜20のアシル基または2〜
6価の炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を示す。アル
キル基、アルケニル基は直鎖状または分岐状のものが好
ましい。
【0011】アルキル基、アルケニル基の具体例として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、アリル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、
イソヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル
基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル
基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシ
ル基、オレイル基、ウンデシル基、リノレイル基などが
挙げられる。またアシル基としては、カルボニル基を除
いた残基が上記に具体的に示したアルキル基やアルケニ
ル基となっているものが挙げられる。
【0012】2〜6価の脂肪族炭化水素基としては、2
価の脂肪族炭化水素基が好ましい。2価の脂肪族炭化水
素基はアルキレン基またはシクロアルキレン基が好まし
く、アルキレン基が特に好ましい。アルキレン基として
は、たとえばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、
ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレ
ン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデ
シレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタ
デシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オ
クタデシレン基などが挙げられる。シクロアルキレン基
としては、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基な
どが挙げられる。
【0013】また、3〜6価の脂肪族炭化水素基として
は、たとえばトリメチロールプロパン、グリセリン、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,
2,3−トリヒドロキシシクロヘキサン、1,3,5−
トリヒドロキシシクロヘキサンなどの多価アルコールか
らすべての水酸基を除いた残基、グルコース、ソルビト
ール、メチルグルコシドなどの糖類からすべての水酸基
を除いた残基が挙げられる。
【0014】R1としては、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数1〜20の
アルキレン基が好ましく、炭素数1〜20のアルキル基
が特に好ましい。
【0015】R2は炭素数2〜4のアルキレン基を示
し、エチレン基、プロピレン基、1,1−ジメチルエチ
レン基、エチルエチレン基が挙げられる。1分子中にm
個含まれる(R2O)で示されるオキシアルキレン基は
それぞれ同一でも、異なっていてもよいが、オキシプロ
ピレン基を含むことが好ましく、全オキシアルキレン基
のうち50モル%以上がオキシプロピレン基であること
が好ましい。
【0016】R3は水素原子、炭素数1〜20のアルキ
ル基、炭素数1〜20のアルケニル基または炭素数1〜
20のアシル基を示す。アルキル基、アルケニル基また
はアシル基は、R1で示したものと同様のものが挙げら
れる。
【0017】mは正の整数である。nは1〜6の整数で
ある。nは1または2が好ましく、1が特に好ましい。
また、n×mの平均値が6〜220となることが好まし
く、30〜120となることが特に好ましい。nが1で
あって、mが30〜120であることが最も好ましい。
【0018】式(2)中、Zは数平均分子量、Yは総不
飽和度(meq/g)を示す(JIS K1557に準
拠)。ただし、R1が炭素−炭素二重結合を有する基で
ある場合は、すなわちR1がアルケニル基または2〜6
価の脂肪族炭化水素基であって炭素−炭素二重結合を有
する場合には、Yは該結合に基づく不飽和度を差し引い
た値を示す。たとえばR1がアリル基で、分子量が20
00のポリオキシアルキレンモノオールである場合、ア
リル基に基づく不飽和度は、(1/2000)×100
0=0.5(meq/g)となり、この値を実測の総不
飽和度から差し引くことを意味する。
【0019】本発明の引き抜き加工用潤滑油には、上記
のポリエーテル類(a)で構成される群から選ばれる1
種または2種以上の化合物を用いることができる。2種
以上の化合物の混合物を使用する場合、その混合物を構
成する個々の化合物は、その40℃における動粘度が5
〜5000mm2/sの範囲である必要はなく、混合物
として40℃での動粘度が5〜5000mm2/sの範
囲内であれば問題ない。
【0020】本発明で使用されるポリエーテル類(a)
は、活性水素基を有する活性水素基含有化合を開始剤と
して触媒の存在下、アルキレンオキシドを反応すること
により得られる。
【0021】開始剤として用いられる活性水素基含有化
合物としては、少なくとも1個の活性水素基を有する化
合物が使用できる。たとえば、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピル
アルコール、アリルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、sec−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、
ヘキシルアルコール、イソヘキシルアルコール、ヘプチ
ルアルコール、イソヘプチルアルコール、n−オクチル
アルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルア
ルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、テ
トラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オク
タデシルアルコール、イソオクタデシルアルコール、オ
レイルアルコール、ウンデシルアルコール、リノールア
ルコールなどの1価アルコール、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの2価
アルコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、
1,2,3−トリヒドロキシシクロヘキサン、1,3,
5−トリヒドロキシシクロヘキサンなどの3価アルコー
ル、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、
ジグリセリン、トリグリセリンなどの4価以上のアルコ
ール、グルコース、ソルビトール、メチルグルコシドな
どの糖類またはその誘導体が挙げられる。
【0022】これらの活性水素化合物は単独使用でも2
種以上の併用でもよい。さらに、これらの活性水素化合
物にアルキレンオキシドを付加重合して得られる目的物
より低分子量の化合物も使用できる。
【0023】ポリエーテル類の高分子量化にともない副
生する不飽和モノオールを低減するために、水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウムなどのカリウム系/ナトリウム
系以外の触媒を使用することが好ましい。米国特許33
93243号明細書では水酸化セシウム、特公平5−1
4734号公報では金属ポルフィリン、特公昭44−5
51号公報、特公昭52−20441、米国特許第32
78457号〜9号明細書、米国特許第3427334
号明細書および米国特許第3427335号明細書など
で複合金属シアン化物錯体が提案されているが、複合金
属シアン化物錯体を使用して製造したポリエーテル類が
特に好ましい。
【0024】本発明に用いられる複合金属シアン化物錯
体触媒は、前記公知例に示されているように下記式
(I)の構造を有すると考えられる。Ma[M’x(C
N)yb(H2O)c(R)d…(1)ただし、MはZn
(II)、Fe(II)、Fe(III)、Co(I
I)、Ni(II)、Al(III)、Sr(II)、
Mn(II)、Cr(III)、Cu(II)、Sn
(II)、Pb(II)、Mo(IV)、Mo(V
I)、W(IV)、W(VI)、M’はFe(II)、
Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Cr
(II)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(II
I)、Ni(II)、V(IV)、V(V)などであ
り、Rは有機配位子、a、b、xおよびyは、金属の原
子価と配位数により変わる正の数、cおよびdは、金属
の配位数により変わる正の数である。
【0025】式(1)におけるMはZn(II)が好ま
しく、M’はFe(II)、Fe(III)、Co(I
I)、Co(III)などが好ましい。有機配位子とし
ては、たとえばケトン、エーテル、アルデヒド、エステ
ル、アルコール、アミドなどがある。エーテル、アルコ
ールが好ましい。エーテルとしてはエチレングリコール
ジメチルエーテル(グライム)、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル(ジグライム)などが好ましく、アル
コールとしてはt−ブタノール、t−ブチルセロソルブ
などが好ましい。
【0026】上述のごとく式(1)で表される複合金属
シアン化物錯体触媒は、金属塩MX a(M、aは上述と
同様、XはMと塩を形成するアニオン)とポリシアノメ
タレート(塩)Ze[M’x(CN)yf(M’、x、y
は上述と同様。Zは水素原子、アルカリ金属、アルカリ
土類金属など、e、fはZ、M’の原子価と配位数によ
り決まる正の整数)のそれぞれの水溶液または水と有機
溶剤の混合溶媒の溶液を混ぜ合わせ、得られた複合金属
シアン化物に有機配位子Rを接触させた後、余分な溶媒
および有機配位子Rを除去することにより製造される。
【0027】ポリシアノメタレート(塩)Ze[M’
x(CN)yfは、Zには水素原子やアルカリ金属をは
じめとする種々の金属を使用できるが、リチウム塩、ナ
トリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム
塩が好ましい。特に好ましくは通常のアルカリ金属塩、
すなわちナトリウム塩とカリウム塩である。
【0028】本発明において使用されるアルキレンオキ
シドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキ
シド、イソブチレンオキシドなどが挙げられる。
【0029】本発明のポリエーテル類は、開始剤である
活性水素基含有化合物と触媒の存在下アルキレンオキシ
ドを反応させることにより製造される。また、反応系に
アルキレンオキシドを徐々に加えながら反応を行うこと
もできる。アルキレンオキシドの反応温度は通常30〜
180℃が好ましく、90〜130℃がより好ましい。
【0030】アルキレンオキシド反応時の圧力は最大5
kg/cm2以下が好適である。アルキレンオキシドを
反応させる際の反応最大圧力が5kg/cm2を超える
と副生物が生成しやすくなるため好ましくない。
【0031】触媒の使用量は特に限定されないが、使用
する活性水素基含有化合物に対して1〜5000ppm
程度が適当であり、20〜1000ppmがより好まし
い。触媒の反応系への導入は、初めに一括して導入して
もよいし、分割して導入してもよい。
【0032】反応終了後のポリエーテル類はそのまま使
用してもよいが、触媒の除去などの精製を行うことが好
ましい。触媒の除去方法としては前記公知の文献に記載
された方法が採用できる。たとえば、アルカリを添加し
て触媒を失活させた後、吸着剤やイオン交換樹脂で失活
させた触媒成分やアルカリを処理し濾過などでそれらを
除去する方法がある。
【0033】本発明の引き抜き加工用潤滑油は、40℃
での動粘度が5〜5000mm2/sのポリエーテル類
(a)を基油とするものであるが、潤滑性能をさらに高
める目的で、公知の潤滑油添加剤、たとえば、酸化防止
剤、清浄分散剤、油性剤、腐食防止剤、および消泡剤な
どを単独でまたは数種類組み合わせた形で配合すること
ができる。
【0034】酸化防止剤としては、フェノール系化合物
やアミン系化合物など、潤滑油に一般的に使用されてい
るものがいずれも使用でき、具体的には2,6−ジ−t
ert−ブチル−4−メチルフェノ−ルなどのアルキル
フェノール類、メチレン−4,4−ビス(2,6−ジ−
tert−ブチル−4−メチルフェノール)などのビス
フェノール類、フェニル−α−ナフチルアミンなどのナ
フチルアミン類、ジアルキルジフェニルアミン類、ジ−
2−エチルヘキシルジチオリン酸亜鉛などのジアルキル
ジチオリン酸亜鉛などが使用できる。
【0035】清浄分散剤としては、中性、塩基性または
過塩基性のアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土
類金属フェネート、アルカリ土類金属サリシレートなど
の金属系清浄剤や、アルケニルコハク酸イミド、ベンジ
ルアミン、ポリアミンもしくはそのホウ素化合物、有機
酸、硫黄化合物などによる変成品などの無灰分散剤など
が使用できる。
【0036】油性剤としては、脂肪酸、脂肪酸アミド、
脂肪酸金属塩、脂肪酸アミン塩、脂肪族アルコール、脂
肪族アミンまたはそのアルキレンオキシド付加物、有機
(亜)リン酸エステル、有機(亜)リン酸エステルアミ
ン塩などが使用できる。腐食防止剤としては、ベンゾト
リアゾール系、チアジアゾール系、イミダゾール系の化
合物などが使用できる。消泡剤としては、ジメチルシリ
コーン、フルオロシリコーンなどのシリコーン類が使用
できる。
【0037】これらの添加物の含有量は、引き抜き加工
用潤滑油基準で、酸化防止剤では0.01〜5重量%、
清浄分散剤では0.01〜5重量%、油性剤では0.1
〜10重量%、腐食防止剤では0.001〜0.5重量
%、消泡剤では0.001〜0.5重量%が好ましい。
【0038】本発明の引き抜き加工用潤滑油は、金属、
特に銅や銅合金の引き抜き加工において、優れた加工性
および蒸発除去性を示すものである。さらに、本発明の
引き抜き加工用潤滑油用潤滑油を使用して引き抜き加工
された銅や銅合金の管材を、オゾン層破壊防止対策とし
て開発された新しいタイプの冷媒を使用する冷凍システ
ムに使用した場合、管材表面に引き抜き加工用潤滑油が
残存していても、冷凍システムの閉塞などの問題を引き
起こさないという優れた性能を発揮する。
【0039】
【実施例】以下、実施例(例1〜4)および比較例(例
5〜7)により、本発明をさらに詳しく説明するが、本
発明はこれらに限定されない。例1〜7で製造したポリ
エーテル類を用いて性能評価を行った。40℃における
動粘度、総不飽和度(USV)、蒸発性試験、シールド
チューブ試験、および潤滑性試験の結果を表1に示す。
また、表中、「Yの計算値」とは数平均分子量Zの値を
元に「Y=2×10-5×Z−0.015」で求めた値を
いう。
【0040】総不飽和度(USV)は、JIS K15
57記載の方法により求めた。また、例8では例7に用
いた組成物に、脂肪酸エステルとしてトリメチロールプ
ロパントリヘキサノエートを20部配合したものを試験
に用いた。なお、部は重量部を示す。
【0041】(例1)n−ブタノールにプロピレンオキ
シドを付加して得られた数平均分子量600のポリオキ
シアルキレンモノオール60部、およびヘキサシアノコ
バルト酸亜鉛−グライム錯体0.067gをリアクター
に仕込み、120℃にてプロピレンオキシド273部を
ゲージ圧で約4〜5kg/cm2に保つように連続的に
フィードした。次いで同温度で内圧の低下がみられなく
なるまで熟成を行った。反応終了後、触媒を除去し、ポ
リエーテルAを得た。
【0042】(例2)n−ブタノールのプロピレンオキ
シド付加物(数平均分子量600)の代わりにn−ドデ
シルアルコールのプロピレンオキシド付加物(数平均分
子量600)を用いた以外は例1と同様にして、ポリエ
ーテルBを得た。
【0043】(例3)例2で合成した触媒除去前のn−
ドデシルアルコールのプロピレンオキシド付加物(数平
均分子量3300)160部をリアクターに仕込み、1
00℃にてプロピレンオキシド185部をゲージ圧で約
4〜5kg/cm2に保つように連続的にフィードし
た。次いで同温度で内圧の低下がみられなくなるまで熟
成反応を行った。反応終了後、触媒を除去し、ポリエー
テルCを得た。
【0044】(例4)n−ブタノールにプロピレンオキ
シド/エチレンオキシドを付加して得られた数平均分子
量400のポリオキシアルキレンモノオール40部、お
よびヘキサシアノコバルト酸亜鉛−グライム錯体0.1
05gをリアクターに仕込み、100℃にてプロピレン
オキシド/エチレンオキシド(重量比50:50)の混
合物378部をゲージ圧で約4〜5kg/cm2に保つ
ように連続的にフィードした。次いで、同温度で内圧の
低下がみられなくなるまで熟成を行った。反応終了後、
触媒を除去し、ポリエーテルDを得た。
【0045】(例5)n−ブタノールにプロピレンオキ
シドを付加して得られる数平均分子量400のポリオキ
シアルキレンモノオール40部、および水酸化カリウム
1.03部をリアクターに仕込み120℃にて減圧下撹
拌しながら、脱水した。次いで、100℃にてプロピレ
ンオキシド304部をゲージ圧で約4〜5kg/cm2
に保つように連続的にフィードした。次いで、同温度で
内圧の低下がみられなくなるまで熟成を行った。反応終
了後、触媒を除去し、ポリエーテルEを得た。
【0046】(例6)n−ブタノールのプロピレンオキ
シド付加物(数平均分子量400)の代わりにn−ドデ
シルアルコールのプロピレンオキシド付加物(数平均分
子量400)を用いた以外は例5と同様にして、ポリエ
ーテルFを得た。
【0047】(例7)n−ブタノールにプロピレンオキ
シド/エチレンオキシドを付加して得られた数平均分子
量400のポリオキシアルキレンモノオール40部、お
よび水酸化カリウム1.31部をリアクターに仕込み、
120℃にて減圧下撹拌しながら脱水した。次いで、1
00℃にてのプロピレンオキシド/エチレンオキシド
(重量比:50/50)の混合物396部をゲージ圧で
約4〜5kg/cm2に保つように連続的にフィードし
た。次いで、同温度で内圧の低下がみられなくなるまで
熟成を行った。反応終了後、触媒を除去し、ポリエーテ
ルGを得た。
【0048】(1)蒸発性試験 直径75mm、深さ14mmのアルミニウムシャーレに
ポリエーテルA〜G各々100mgを取り、窒素雰囲気
下で450℃まで加熱し、試料の蒸発状態を観察した。
表中の○は「残渣物なし」を、×は「残渣物あり」を意
味する。
【0049】(2)シールドチューブ試験 冷凍機油(ペンタエリスリトールのイソノナン酸テトラ
エステル)に対してポリエーテルA〜Gを1重量%配合
したものを試験油とした。試験油13g、HFC(R1
34a)2g、および金属触媒として鉄、銅、アルミニ
ウム片各1枚を封入し、密閉し、175℃で14日間加
熱した後、金属触媒の外観と、液層の状態を観察した。
表中の○は「変化なし」を、×は「白濁または析出物あ
り」を表す。
【0050】(3)潤滑性試験 厚さ0.5mm、幅30mm、長さ350mmの銅板の
両面にポリエーテルA〜Gを塗布した後、銅板を丸ビー
ドダイス(凸を有するダイス)および対応する凹を有す
るダイスにより、押し付け荷重200kgfではさみ、
速度100mm/minで引き抜く際の引き抜き荷重
(kgf)を求めた。
【0051】表1に示す試験結果から明らかなように、
例1〜4の引き抜き加工用潤滑油は、引き抜き加工性お
よび加熱蒸発による除去性に優れるとともに、新冷媒を
用いた冷凍システムに混入した場合でも何ら問題を起こ
さないことが分かる。例5〜7の加工油は、潤滑性が極
めて乏しく、例8の脂肪酸エステルを配合した組成物
は、潤滑性は良くなるものの加熱蒸発性による除去性が
劣り、新しいタイプの冷媒を用いた冷凍システムに混入
した場合には問題を引き起こすおそれがある。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明において使用されるポリエーテル
類は、従来のものに比べ総不飽和度が低いために、引き
抜き加工用潤滑油として使用した場合、熱安定性および
潤滑性に優れ、さらに加工後の加熱蒸発法による成形体
からの除去性にも優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 30:00 30:08 40:24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)で表される構造を有し、40
    ℃における動粘度が5〜5000mm2/sであり、か
    つ総不飽和度が下記式(2)を満たすポリエーテル類
    (a)からなる引き抜き加工用潤滑油。 R1[O(R2O)m−R3n …(1) 式(1)中、R1は炭素数1〜20のアルキル基、炭素
    数1〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアシル
    基、または2〜6価の炭素数1〜20の脂肪族炭化水素
    基であり、R2は炭素数2〜4のアルキレン基であり、
    3は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数
    1〜20のアルケニル基、または炭素数1〜20のアシ
    ル基であり、mは正の整数であり、nは1〜6の整数で
    ある。 Y≦2×10-5×Z−0.015…(2) 式(2)中、Zは数平均分子量、Yは総不飽和度(me
    q/g)を示す。ただし、R1が炭素−炭素二重結合を
    有する基である場合はYは該結合に基づく不飽和度を差
    し引いた値を示す。
  2. 【請求項2】ポリエーテル類(a)が複合金属シアン化
    物錯体を触媒として活性水素基含有化合物にアルキレン
    オキシドを反応させて得られたものである、請求項1に
    記載の引き抜き加工用潤滑油。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002285180A (ja) * 2001-03-28 2002-10-03 Sanyo Chem Ind Ltd 金属加工油用基油
JP2010248191A (ja) * 2009-04-15 2010-11-04 Evonik Goldschmidt Gmbh Dmc触媒を使用して無臭ポリエーテルアルコールを調製する方法、並びに化粧品製剤および/又は皮膚用製剤におけるその使用
CN107619708A (zh) * 2016-07-15 2018-01-23 天津市澳路浦润滑科技股份有限公司 全合成高速铜拉丝液

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JP2010248191A (ja) * 2009-04-15 2010-11-04 Evonik Goldschmidt Gmbh Dmc触媒を使用して無臭ポリエーテルアルコールを調製する方法、並びに化粧品製剤および/又は皮膚用製剤におけるその使用
CN107619708A (zh) * 2016-07-15 2018-01-23 天津市澳路浦润滑科技股份有限公司 全合成高速铜拉丝液

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