JP2001081462A - 地盤注入用薬液 - Google Patents
地盤注入用薬液Info
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Abstract
短縮が少なく、このため地盤の液状化防止工事に適し、
併せて注入薬液の漏洩を防止する、いわゆるリーク止め
に適した地盤注入用薬液を得る。 【構成】 モル比が3.5〜5.0の水ガラスと硫酸とから
なり、SiO2 濃度が2〜7%、pHが3〜6の範囲内
にある酸性シリカゾル、さらにアルカリ剤を添加してp
Hを4〜9の範囲内に調整した地盤注入用薬液から構成
される。
Description
中におけるゲル化時間の短縮が少なく、このため地盤の
液状化防止工事に適し、併せて注入薬液の漏洩を防止す
る、いわゆるリーク止めに適した地盤注入用薬液に関す
る。
注入用薬液は一般に、広範囲な地盤を固結するために、
長時間にわたって連続注入できることが必要であり、こ
のためには薬液のゲル化時間を長くすることが必要であ
る。この種の薬液として従来、水ガラスと酸(主として
硫酸)とからなる酸性シリカゾルが知られている。この
シリカゾルのゲル化時間を長くするには、シリカ濃度を
低く、かつ酸性度を強くしなければならない。
のもとでは安定した長いゲル化時間を確保できるが、p
Hの上昇とともにゲル化時間が急激に短縮し、ゲル化時
間の調整が極めて困難となる。また、強酸性のもとでは
長いゲル化時間が保持し得るものの、土中では土の性状
にもよるが、多くの場合、ゲル化時間が大幅に短縮す
る。したがって、この種のシリカゾルを地盤の液状化防
止工事に適用するには、長時間連続注入して広範囲の地
盤を固結するという点で問題があった。
して液状化防止を行う場合、広大な範囲を経済的に処理
する必要から耐久性と浸透性に優れたシリカ系グラウト
を用い、注入孔間隔を通常、2〜4mとして長時間にわ
たって注入を続けなくてはならない。(通常の注入では
注入孔間隔は1m以内である。)
にする場合、 注入管の埋設間隔 P=2m×2mの正方形配置にし、 注入速度 f=20l/min とすると、 注入管1孔当り改良平面積は Ap=2m×2m=4m2であり、 1ステージ当り改良土量(m3) を V=2m(改良高さ)×4m2=8m3とする と、 1ステージ当り注入量(kl) Q=V×(0.35〜0.40)=2.8m3〜3.2m3 =3.0m3(平均) である。(0.35〜0.40:注入率)。したがって、 1ステージ当り注入時間 tr =3kl÷0.02kl/min =150min =2.5時間(注入継続時間) と長時間による注入を行わなくてはならない。
る場合、 注入管1孔当りの改良面積は Ap=4m×4m=16m2、 1ステージの改良土量は V=2m(改良高さ)×16m2 =32m3、 1ステージ当り注入量(kl)は Q=V×(0.35〜0.40) =32×(0.35〜0.40) =11.2〜12.8kl≒12kl(平均)であ り、 注入速度f=20l/min とすると、 1ステージ当り注入時間 t=12kl÷0.02kl =600min =10時間 の注入を行わなければならない。
薬液(注入材)は長時間連続注入できることが必要であ
る。ところが注入材は地盤中で長時間土粒子と接触しつ
づけると、その間に土との反応によってゲル化時間が短
縮し、長時間の連続注入が不可能になりやすい。
止工事に適したシリカゾルグラウトとしては、土中での
ゲル化時間の短縮ができるかぎり少ないこと、および生
成する塩の量が少ないことが必要である。また、同時
に、注入薬液(グラウト)の漏洩を防止する、いわゆる
リーク止めに適した地盤注入用薬液であることが必要で
ある。
く保持するためには、従来、上述のとおり、シリカ濃度
が低いこと、および酸性度が強いことと考えられてい
た。
ガラスのアルカリを酸で除去してシリカゾルを生成する
に当たって、シリカ以外の塩の生成量を少なくすること
がゲル化時間を長く保持するために極めて有効であるこ
とと考え、そのためには、モル比の高い水ガラスを用い
ること、および酸の量を少なくすることが重要であると
考えた。
応生成物であるシリカ以外の塩が少なくてすむ。すなわ
ち、本発明者等はシリカ濃度の低い領域で、かつ弱酸性
の領域で、高モル比の水ガラスと硫酸を用いると、一定
のpH値で長いゲル化時間を得ることを見いだした。そ
の理由はシリカ分以外の生成塩の存在はシリカコロイド
を塩析によってゲル化を促進するため、生成塩を少なく
することによってゲル化時間を長く保持できるものと思
われる。
ゾルは地盤中に浸透した場合、土粒子との接触にともな
うゲル化の促進が少なくてすみ、長時間の連続注入が可
能になることも見いだし、本発明を完成したものであ
る。
土中におけるゲル化時間の短縮が少なく、このため地盤
の液状化防止工事に適し、併せて注入薬液の漏洩を防止
する、いわゆるリーク止めに適し、上述の公知技術に存
する欠点を改良した地盤注入用薬液を提供することにあ
る。
め、本発明によれば、水ガラスと硫酸とからなる非アル
カリ性シリカゾルであって、水ガラスのモル比が3.5〜
5.0、SiO2 濃度が2〜7%およびpH値が3〜6で
あることを特徴とする。
明によれば、水ガラスと硫酸とアルカリ剤とからなり、
水ガラスのモル比が3.5〜5.0、SiO2 濃度が2〜7
%およびpH値が4〜9であることを特徴とする。
る。
くすると、ゲル化時間は当然早くなる。この場合、水ガ
ラスのモル比の変化がpH値とゲル化時間の関係にどの
ように影響するかを、SiO2 濃度が4%の場合につい
て調べ、結果を図1に示した。図1から明らかなよう
に、同一のpH値に対応するゲル化時間は水ガラスのモ
ル比が高くなる程遅くなる。
H値が4および5の場合、水ガラスのモル比とゲル化時
間の関係にどのように影響するかについて調べ、結果を
図2に示した。図2から明らかなように、同一のpHで
はSiO2 濃度が薄い程相対的にゲル化時間は遅く、ま
た、水ガラスのモル比が大きくなる程ゲル化時間は長び
く。
カゾルにおいて、ゲル化時間を長くするには水ガラス中
のSiO2 濃度、すなわち、水ガラスの濃度を稀薄にし
て水ガラスのモル比を大きくすることが好ましいことに
なる。したがって、水ガラスの濃度はSiO2 として7
%以下、好ましくは6%以下であるが、2%以下では、
ゲル化時間は長くびくが、強度的には極めて軟弱となっ
て不適である。
一軸圧縮強度が0.5〜1.0kgf/cm2程度あれば、地震時
のくり返し剪断応力に対し、砂粒子間隙のゲルが破壊せ
ず、負のダイラタンシーを生じないため、液状化が生じ
ないと考えられている。
3.3のJIS3号水ガラスが一般に広く使用されている
が、本発明では、ゲル化時間を長びかせるために3.5〜
5.0の高モル比の水ガラスを使用する。したがって、こ
れはアルカリ分が相対的に少量であるため、アルカリと
反応する硫酸の量も少量で足りる。このことは反応によ
って生成する塩の量も自ら少なくなり、土中におけるゲ
ル化時間の短縮が少なくなる。アルカリのさらに少ない
モル比5.0以上の水ガラスは製造が困難で工業的生産が
不向きで実用上使用は難しい。
pH値が3〜6の酸性シリカゾルである。このようなp
H値のものを地盤中に注入すると、一般に、pHは上昇
し、中性に近づく。注入土壌の性状にもよるが、pH3
以下の注入では中性領域まで上昇しない場合があり、ま
た、6以上となると一般にゲル化が速くなって充分浸透
しない場合がある。
薬液は使用する水ガラスのモル比を3.5〜5.0と高く
し、混合液中のSiO2 濃度を2〜7%、さらに好まし
くは3〜6%と比較的稀薄にし、かつpHを3〜6の範
囲におさまるように混合した酸性シリカゾルである。
防止するに当たり、ゲル化時間が長く、特に、土中ゲル
化時間の短縮は少なく、極めて優れた浸透性を示し、液
状化防止用としては非常に好ましいものである。
間が長いため、同時に上記の薬液が漏洩した場合には、
これを防止する必要がある。それにはゲル化時間が瞬結
から数分位に配合された薬液が必要となる。これには上
記の条件をできる限り適用することが便利である。した
がって、水ガラスのモル比、濃度は変化せしめることな
く、そのままにして水ガラスと硫酸に、さらにアルカリ
剤を添加してpHを4〜9に上昇せしめてゲル化時間を
早めんとするものである。
域を通過するので、ゲルが不均一になり易く、アルカリ
の使用量も多くなる。また、この程度のSiO2 濃度で
pHを4以下にすると数分以下という短時間のゲル化時
間を得ることは難しくなる。
酸水素ナトリウムのような可溶性のアルカリ剤、水酸化
カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウムのような難溶性のアルカリ剤等が挙げら
れる。アルカリ剤の添加によりpHをあげてゲル化時間
の短縮調整をはかることができるが、難溶性のアルカリ
剤の場合は、溶解性の点から特に弱酸性〜中性域での調
整が比較的容易である。
のために、他の酸、塩類、例えば、リン酸、酸性リン酸
塩、硫酸アルミニウム等を併用したり、ヘキサメタリン
酸ソーダ等の金属イオン封鎖剤、あるいはセメント、ス
ラグ等を併用することもできる。
るが、本発明はこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。
03%、モル比3.75 (b)JIS3号水ガラス 比重(20℃)1.39、SiO2 29.2%、Na2 O9.
5%、モル比3.17
のアルカリ剤として水酸化マグネシウムを一例として取
りあげた。 (a)炭酸水素ナトリウム 試薬一級 NaHCO3 (b)水酸化マグネシウム 試薬一級 Mg(OH)2
を使用。
砂に竹串を刺して引き抜き、跡が残ったときを土中ゲル
化時間として測定。
デン密閉養生(20℃)して、土質工学会基準「土の一
軸圧縮試験方法」により測定。
B合流液のSiO2 (%)、pH、ゲル化時間(ホモゲ
ル、土中)、サンドゲル一軸圧縮強度を測定。本発明に
かかる実施例を比較例と対比して検討し、結果を表1に
示した。
度も高い。これに比べSiO2 濃度を同じにして、3号
水ガラスを使用した比較例No.1は土中ゲル化時間の短縮
が大きく、また、使用硫酸量も多い。
い)実施例No.2とSiO2 量は同一にしてpHを本発明
の範囲以上に高くした比較例No.2と比べると、比較例N
o.2ではゲル化時間が非常に早くなっている。
高い)実施例No.3とSiO2 量は同一にしてpHを本発
明の範囲以下に低くした比較例No.3とを比べてみると、
比較例No.3ではpHが低すぎて土中においても中性域に
まで達し得ない懸念があり、好ましくない。
以下の場合で、強度が非常に軟弱で使用は不適である。
以上の場合で、ゲル化時間が比較的早く、硫酸量も自ら
多量を必要とするので好ましくない。
ホモゲルのゲル化時間が長く、かつ土中でのゲル化時間
の短縮が少なく、依然として長い時間を保持できる。ま
た、強度的にも満足でき、液状化防止用としては適当な
地盤注入用薬液である。
待されるが、念のため、図3の注入試験装置に示す内径
50mm、長さ5mのアクリル製パイプ1内にモデル地盤
としての砂2を60%の相対密度になるように締め固め
る。注入圧0.8kgf/cm2 で注入材を注入口3から圧入
し、注入口3から浸透した各距離と浸透延長の延びと強
度との関係を観察した。図3中、4はオーバーフロータ
ンク、5は排出口である。結果を表2に示す。
かる浸透注入No.1〜No.3はすべて全長に均一に浸透し
た。したがって、強度も全長にわたり略均一であった。
比較例にかかる浸透試験ではNo.6以外のNo.4、5、7、
8では中途までしか浸透し得ず、固結強度も下部から上
部に向かって低下がみられた。千葉県産海砂の場合は豊
浦標準砂の場合より全般にゲル化時間が短いので浸透は
劣化している。しかし、本発明の浸透試験No.1〜No.3
は、本発明外の浸透試験No.4〜No.8に比べると浸透距
離、強度分布状態ともに非常に優れている。
る系 水ガラス−硫酸からなる酸性シリカゾルをA液、アルカ
リ剤水溶液または水懸濁液をB液として、A、B合流液
のpH、ゲル化時間、サンドゲルの一軸圧縮強度を測
定。水ガラスとして本発明にかかる5号水ガラスと対照
として3号水ガラスの場合を表3に示す。
としての3号水ガラスの場合ともにSiO2 濃度は総て
同一に配合した。比較例No.6、7はアルカリ剤を添加し
ない酸性シリカゾル自体でゲル化時間は当然長い。これ
にアルカリ剤を添加した実施例No.4〜10は5号水ガラス
の場合であり、比較例No.7〜12は3号水ガラスの場合で
ある。いずれもゲル化時間は数分から瞬結にまで短縮さ
れる。
No.4〜6は比較例No.8〜9(何れも炭酸水素ナトリウム
の場合)に比べてゲル化時間の変動は緩慢である。ま
た、実施例No.7〜10は比較例No.10 〜12(何れも水酸化
マグネシウムの場合)に比べてゲル化時間の変動は緩慢
である。また、全般に水酸化マグネシウムの方が炭酸水
素ナトリウムよりゲル化時間の変動が緩やかである。し
たがって、5号水ガラスすなわち、高モル比水ガラスを
使用する方が、また、アルカリ剤としては難溶性のもの
を使用する方がゲル化時間の調整が容易であることが伺
える。
を防止するリーク止めに適しており、かつ調整が容易で
ある。強度的にも実施例は比較例に比べて相対的に若干
高いようである。
にかかる酸性シリカゾルは、従来の酸性シリカゾルに比
べると液状化防止用の薬液としては明らかに優れている
ことが伺える。また、リーク止めとしても適当であるこ
とが伺える。
用薬液は次の効果を奏し得るものである。
ゲル化時間の短縮が少ない。
適した地盤注入用薬液である。
て適している。
の変化がpH値とゲル化時間の関係にどのように影響す
るかを表したグラフである。
よび5のとき、水ガラスのモル比と、ゲル化時間の関係
にどのように影響するかを表したグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 水ガラスと硫酸とからなる非アルカリ性
シリカゾルであって、水ガラスのモル比が3.5〜5.0、
SiO2 濃度が2〜7%およびpH値が3〜6であるこ
とを特徴とする地盤注入用薬液。 - 【請求項2】 水ガラスと硫酸とアルカリ剤とからな
り、水ガラスのモル比が3.5〜5.0、SiO2 濃度が2
〜7%およびpH値が4〜9であることを特徴とする地
盤注入用薬液。
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---|---|---|---|
JP25656099A JP3714589B2 (ja) | 1999-09-10 | 1999-09-10 | 地盤注入用薬液 |
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012228685A (ja) * | 2011-04-11 | 2012-11-22 | Hazama Corp | ヒ素拡散防止用注入薬液、ヒ素汚染土壌中におけるヒ素の拡散防止方法、及びこの方法に使用される送液装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5448908A (en) * | 1977-09-27 | 1979-04-17 | Central Glass Co Ltd | Method of construction of injecting neutral or weak acidic silica sol |
JPS54158008A (en) * | 1978-06-03 | 1979-12-13 | Shimoda Gijutsu Kenkyusho Kk | Ground injection chemicals |
JPS59196388A (ja) * | 1983-04-22 | 1984-11-07 | Sanshin Kensetsu Kogyo Kk | 酸性シリカゾルの地盤注入工法 |
JPH10176326A (ja) * | 1996-12-18 | 1998-06-30 | Aichi Keiso Kogyo Kk | 地盤硬化法 |
-
1999
- 1999-09-10 JP JP25656099A patent/JP3714589B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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