JP2001081369A - 色再現性と耐光性に優れたインク組成物および記録方法 - Google Patents
色再現性と耐光性に優れたインク組成物および記録方法Info
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Abstract
きるイエローインク組成物の提供。 【解決手段】 着色剤としてC.I.ピグメントイエロ
ー128およびC.I.ピグメントイエロー110を含
んでなるイエローインク組成物を用いることにより、極
めて色再現性および耐光性に優れた画像が実現できる。
Description
ローインク組成物およびそれを用いた記録方法に関す
る。
には、イエロー顔料を含んでなるイエローインク組成物
が用いられる。イエロー顔料の具体例としては、C.
I.ピグメントイエロー 1, 2, 3, 12,
13, 14,16, 17, 73, 74, 7
5, 83, 93, 95,97,98,109,1
10,114,128,129,138,139,15
0,151,154、155,180,185等が挙げ
られる。
るには、上記イエロー顔料を組み合わせたイエローイン
ク組成物を複数調整することにより達成することができ
る。そして、現在、良好な色再現性を有する二種以上の
イエロー顔料を含んでなるイエローインク組成物の開発
が望まれている。
組成物に一般的に要求される性能を満たしていなければ
ならない。例えば、記録媒体上で鮮明な画像が得られる
こと、長期保存による画像の劣化がないことが求められ
る。特に、インク組成物によって形成された画像に要求
される性能の一つとして耐光性がある。カラー画像を複
数のインク組成物で形成するカラー画像にあっては、一
色でも耐光性に劣るものが存在すると画像の色相が変わ
りカラー画像の品質が極端に劣化する。よって、イエロ
ーインク組成物にあっては、より制御された耐光性が要
求される。
が広く普及し始めている。このインクジェット記録方法
は、インク組成物の小液滴を飛翔させ、紙等の記録媒体
に付着させて印刷を行う印刷方法である。この方法は、
比較的安価な装置で高解像度、高品位の画像を、高速で
印刷可能という特徴を有する。特にカラーインクジェッ
ト記録装置は、画像品質が向上した結果、写真の出力機
としても利用され、さらにデジタル印刷機、プロッタ
ー、CAD出力デバイス等としても利用されるに至って
いる。インクジェット記録プリンタによって印刷された
画像は、様々な利用の形態が考えられる。特に写真仕様
の印刷物などはディスプレイとして長時間蛍光灯または
屋外等の直射日光に暴露される場所におかれることが考
えられる。よって、インクジェット記録方法によって得
られた画像において耐光性は極めて重要な要求性能とな
っている。
トイエロー128と、C.I.ピグメントイエロー11
0との二種のイエロー顔料を含んでなるイエローインク
組成物を調製することにより、イエロー画像における広
範囲な色再現性および耐光性を顕著に改善できるとの知
見を得た。本発明はこれら知見に基づくものである。
び耐光性に優れたイエロー画像を実現できる、イエロー
インク組成物とそれを用いた記録方法の提供を目的とし
ている。
物は、C.I.ピグメントイエロー128およびC.
I.ピグメントイエロー110とを着色剤として少なく
とも含んでなるものである。
色剤としてC.I.ピグメントイエロー128および
C.I.ピグメントイエロー110を含んでなる。これ
ら二種のイエロー顔料を含んでなるイエローインク組成
物を用いて画像を形成することにより、イエロー領域に
おける色再現性および耐光性に顕著に優れた画像が実現
できる。
ピグメントイエロー128とC.I.ピグメントイエロ
ー110との重量比が1〜0.1:0.1〜1の範囲と
するのが好ましい。この結果、広範囲なイエロー領域の
色再現性を実現できるイエローインク組成物が調製され
る。
グメントイエロー128およびC.I.ピグメントイエ
ロー110の添加量は適宜決定されてよいが、インク組
成物に対して1〜5重量%程度が好ましく、より好まし
くは1.5〜4重量%の範囲である。
顔料は分散剤または界面活性剤で水性媒体中に分散させ
て得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが好
ましい。好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製す
るのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を使
用することができる。
分散剤、アニオン性分散剤、ノニオン性分散剤などが挙
げられる。アニオン性分散剤の例としては、ポリアクリ
ル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリ
ル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合
体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合
体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタク
リル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸ア
ルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−ア
クリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メ
チルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メ
チルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステ
ル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナ
フタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン
共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合
体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビ
ニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共
重合体が挙げられる。さらにアニオン性界面活性剤の例
としては、ドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラ
ウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエー
テルサルフェートのアンモニウム塩などが挙げられ、ノ
ニオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミドなどが挙げられ、これらを単独または二種以上
を混合して用いることができる。本発明の好ましい態様
によれば、分散剤としてスチレン−(メタ)アクリル酸
系水溶性樹脂の利用が好ましい。
の記録方法等を勘案して適宜決定されてよいが、基本的
に上記着色剤と、水と、水溶性有機溶媒とを含んでなる
ことが好ましい。
媒が挙げられる。高沸点有機溶媒は、インク組成物の乾
燥を防ぐことによりヘッドの目詰まりを防止する。高沸
点有機溶媒の好ましい例としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,
6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレン
グリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパンなどの多価アルコール類;エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレ
ングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
ブチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテ
ル類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリ
ドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリ
エタノールアミンなどがあげられる。高沸点有機溶媒の
添加量は特に限定されないが、インク組成物に対して、
好ましくは0.1〜30重量%程度であり、より好まし
くは0.5〜20重量%程度である。
して低沸点有機溶剤を含んでいてもよい。低沸点有機溶
剤の好ましい例としては、メタノール、エタノール、n
−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、
n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタ
ノール、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどが
あげられる。特に一価アルコールが好ましい。低沸点有
機溶剤は、インクの乾燥時間を短くする効果がある。
成物は浸透剤を含んでいてもよい。浸透剤としては、ア
ニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面
活性剤等の各種界面活性剤、メタノール、エタノール、
iso−プロピルアルコール等のアルコール類、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコー
ルの低級アルキルエーテルなどがあげられる。特に、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテルまたはトリエチ
レングリコールモノブチルエーテルの利用が好ましい。
上記浸透剤の添加量は適宜決定されてよいが、インク組
成物に対して、1〜20重量%程度が好ましく、より好
ましくは1〜10重量%程度である。
で表わされるアセチレングリコール類が挙げられる。
れ独立してC1−6アルキル基を表し、n+mは0〜5
0を表す。]
として市販されているものを利用することも可能であ
り、その具体例としてはオルフィンY、サーフィノール
82、サーフィノール440、サーフィノール465、
サーフィノール485(いずれも製造:Air Pro
ducts and Chemicals.Inc.)
等がある。特に、サーフィノール465の利用が好まし
い。これらは単独でまたは2種類以上添加しても良い。
これら浸透剤の添加量はインク組成物に対して、0.1
〜5重量%程度が好ましく、より好ましくは0.5〜2
重量%の範囲である。
要に応じて、他の分散剤、他の界面活性剤、糖類、pH
調整剤、防腐剤、防かび剤、りん系酸化防止剤等を含ん
でも良い。
分散、混合することによって製造することができる。好
ましくは、まず顔料と高分子分散剤と水を適切な分散機
(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロ
ールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロ
イドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オン
グミルなど)で混合し、均一な顔料分散液を調製し、次
いで、水、水溶性有機溶媒、糖、pH調整剤、防腐剤、
防かび剤等を加えて充分溶解させてインク溶液を調製す
る。充分に撹拌した後に、目詰まりの原因となる粗大粒
子および異物を除去するためにろ過を行って目的のイン
ク組成物を得る。
インク組成物と、シアンインク組成物、マゼンタインク
組成物、またはブラックインク組成物とを含んでなるイ
ンクセットが提供することができる。本発明によるイン
クセットのインク組成物を用いて記録媒体に印刷を行う
ことによって、広範囲な色再現性および耐光性に顕著に
優れたカラー画像を実現することができる。
具体例としては、C.I.ピグメントブルー 1,
2, 3, 15:3, 15:34, 16, 2
2, 60, C.I.ヴェット ブルー 4,60等
の顔料が挙げられる。この顔料の中でも好ましくは、
C.I.ピグメントブルー15:3,15:34であ
り、とくに好ましいものとしてはC.I.ピグメントブ
ルー15:3である。
の具体例としては、C.I.ピグメントレッド 5,
7, 12, 48(Ca), 48(Mn), 5
7(Ca), 57:1,112, 122, 12
3, 168, 184, 202等の顔料が挙げられ
る。この顔料の中でも好ましくは、C.I.ピグメント
レッド122,168,184,202であり、とくに
好ましいものとしてはC.I.ピグメントレッド122
である。
としてはカーボンブラックが好ましい。カーボンブラッ
クの具体例として、 三菱化学製のNo.2300,N
o.900,MCF88,No.33,No.40,N
o.45,No.52,MA7,MA8,MA100,
No2200B等が、 コロンビア社製のRaven5
750,5250,5000,3500,1255,7
00等が、 キャボット社製のRegal400R,3
30R,660R, Mogul L,Monarch
700,800,880,900,1000,110
0,1300,1400等が、 デグッサ社製の Co
lor Black FW1,FW2,FW2V,FW
18,FW200,S150,S160,S170,
Printex 35,U,V,140U, Spec
ial Black 6,5,4A,4等の顔料が挙げ
られる。
像記録方法に用いることができる。インク組成物を用い
た記録方法には、例えば、インクジェット記録方法、ス
クリーン印刷、ペン等による筆記具による記録方法、そ
の他各種の印刷方法が挙げられる。本発明は、特にイン
ク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させ
て印刷を行うインクジェット記録方法に好ましく用いら
れる。
明するが、本発明はこれらに限定されるれものではな
い。
「duty」は、下記の式(I)で定義され、算出される値
Dの単位を示すものである。
て製造した。まず、顔料と分散剤樹脂とを混合し、サン
ドミル(安川製作所製)中でガラスビーズ(直径1.7
mm、混合物の1.5倍量(重量)とともに2時間分散
させた。その後ガラスビーズを取り除き、他の添加物を
加え、常温で20分間撹拌した。5μmのメンブランフ
ィルターでろ過して、インク組成物を得た。
ソン株式会社製)を用いて、上で調製したインク組成物
を、インクジェット専用記録媒体(セイコーエプソン株
式会社製、専用光沢フィルム)に印刷した。1ドット当
たりの吐出インク重量は0.040μgとし、解像度は
360dpi×360dpiの出力とした。
インク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組
成物とをインクセットとし、それを用いてイエロー、グ
リーン、レッドの印刷を行った。印刷に用いたインクセ
ット(実施例1〜9)のインク組成物は下記の表1に示
した通りであった。
7000分光光度計(Macbeth社製)を用いて、
CIEで規定されている色差表示法のL* a * b*
表色系の座標を求め、下記の式(II)で定義される彩度
C* の値を基準に画像を評価した。 C*=[(a*)2+(b*)2]1/2 (II) 色剤の色相が、純正の染料インクと本願インク組成物で
はおのおの異なるため、両者の純粋な比較を行うため
に、それぞれのインク組成物において彩度C* の値を求
めて、これを評価の定量値とした。評価結果は下記の表
2に示される通りであった。表2中、MJ-930Cの値は純
正の染料インクの彩度の値である。
ての領域で高い彩度を示している。従って、本発明によ
るインクセットを用いれば、広範囲で高い色再現性を有
する高記録カラー画像を得ることができる。
%duty)を行った。得られた印刷物の耐光性を以下
の条件によって評価した。まず、光照射はキセノンウエ
ザオメーターCi35A(ATLAS社製)を使用して
行い、ブラックパネル63℃、相対湿度50%、340
nm紫外光放射度0.35W/m2 で印刷物を曝露し
た。照射条件は360kJ/m2 (上記の条件下で2
48時間光照射)または720kJ/m2(上記の条件
下で568時間光照射)とした。
RETAG SPM(GRETAG社製)を用いて測定
した。測定条件は、光源D50、光源フィルタなしで、
白色標準は絶対白とし、視野角は2°とした。濃度残存
率を下記の基準によって評価した。評価結果は、下記の
表3に示す通りであった。 評価A:90%超過した。 評価B:80%以上〜90%以下であった。 評価C:80%未満であった。
Claims (18)
- 【請求項1】着色剤として、C.I.ピグメントイエロ
ー128およびC.I.ピグメントイエロー110とを
少なくとも含んでなるものである、イエローインク組成
物。 - 【請求項2】C.I.ピグメントイエロー128とC.
I.ピグメントイエロー110との重量比が1〜0.
1:0.1〜1である、請求項1に記載のインク組成
物。 - 【請求項3】前記インク組成物の着色剤の添加量がイン
ク組成物に対して1〜5重量%である、請求項1または
2に記載のインク組成物。 - 【請求項4】前記インク組成物が分散剤および/または
浸透剤とを含んでなるものである、請求項1〜3のいず
れか一項に記載のインク組成物。 - 【請求項5】前記分散剤がスチレン−(メタ)アクリル
酸系水溶性樹脂である、請求項4に記載のインク組成
物。 - 【請求項6】前記浸透剤が多価アルコールの低級アルキ
ルエーテルおよび/またはアセチレングリコール類であ
る、請求項4に記載のインク組成物。 - 【請求項7】前記多価アルコールの低級アルキルエーテ
ルの添加量がインク組成物に対して1〜20重量%であ
る、請求項6に記載のインク組成物。 - 【請求項8】前記アセチレングリコール類の添加量がイ
ンク組成物に対して0.1〜5重量%である、請求項6
に記載のインク組成物。 - 【請求項9】前記多価アルコールの低級アルキルエーテ
ルが、ジエチレングリコールモノブチルエーテルまたは
トリエチレングリコールモノブチルエーテルである、請
求項7または8に記載のインク組成物。 - 【請求項10】前記アセチレングリコール類が、下記式
(I)で表わされるものである、請求項6または8に記
載のインク組成物。 【化1】 [上記式中、R1、R2、R3、およびR4は、それぞ
れ独立してC1−6アルキル基を表し、n+mは0〜5
0を表す。] - 【請求項11】請求項1〜10のいずれか一項に記載の
インク組成物を記録媒体に付着させて印刷を行う記録方
法。 - 【請求項12】前記記録方法がインク組成物の液滴を吐
出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行うインク
ジェット記録方法である、請求項11に記載の記録方
法。 - 【請求項13】請求項11または12に記載の記録方法
によって印字された、記録物。 - 【請求項14】イエローインク組成物と、 シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、またはブ
ラックインク組成物とを含んでなるインクセットであっ
て、 イエローインク組成物が、請求項1〜10のいずれか一
項に記載のインク組成物であるインクセット。 - 【請求項15】前記シアンインク組成物が着色剤として
C.I.ピグメントブルー15:3を含んでなり、 前記マゼンタインク組成物が着色剤としてC.I.ピグ
メントレッド122を含んでなり、 前記ブラックインク組成物が着色剤としてカーボンブラ
ックを含んでなる、請求項14に記載のインクセット。 - 【請求項16】インク組成物を付着させて記録媒体に印
字を行う記録方法であって、インク組成物として請求項
15に記載のインクセットのインク組成物を用いる、記
録方法。 - 【請求項17】前記記録方法がインク組成物の液滴を吐
出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行うインク
ジェット記録方法である、請求項16に記載の記録方
法。 - 【請求項18】請求項16または17に記載の記録方法
によって印刷された、記録物。
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