JP2004099734A - 耐光性と発色性とに優れたイエローインク組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C.I.ピグメントイエロー74と、C.I.ピグメントイエロー110と、C.I.ピグメントイエロー128とを混合し、かつ、前記3種のイエロー顔料に占める前記C.I.ピグメントイエロー74の含有量を10〜20重量%にするとともに、C.I.ピグメントイエロー128の含有量を、C.I.ピグメントイエロー110の含有量以上とする。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イエローインク組成物に関し、さらに詳しくは耐色性と発色性とに優れたイエローインク組成物、並びにこれを用いた記録方法および記録物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、シアンとマゼンタは耐光性、発色性ともに優れていることが知られているが、イエローは着色剤の種類によって性質が異なり、耐光性が良好でも発色性に劣るものや、逆に、耐光性に劣っていても発色性が良好なものまで種々存在する。但し、一般的には、耐光性と発色性とは相反する関係にあり、イエローで耐光性と発色性の双方に優れたものは少ない。
【0003】
具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー74は発色性に優れているが、耐光性は他のイエロー系顔料と比較して改良の余地がある。一方、C.I.ピグメントイエロー110やC.I.ピグメントイエロー128等は耐光性に優れているが、発色性はC.I.ピグメントイエロー74に劣る。従って、耐光性と発色性の双方を兼ね備えたイエローインク組成物の開発が従来から望まれている。
【0004】
耐色性と発色性とに優れたイエローインク組成物については、例えば、特開2000−281952号公報に、C.I.ピグメントイエロー74と、C.I.ピグメントイエロー109、110、128、150、および154からなる群から選択される少なくとも一種の第二のイエロー顔料とをともに含んでなるイエローインク組成物が、優れた耐光性と発色性を有することが開示されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−281952号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的とするところは、3種のイエロー顔料を混合することにより、より優れた耐光性と発色性を有するイエローインク組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定のイエロー顔料を3種混合し、そのうち特にC.I.ピグメントイエロー74の含有量を適宜調整したイエローインク組成物が、耐光性および発色性の双方を兼ね備えているとの知見を得た。
【0008】
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、C.I.ピグメントイエロー74と、C.I.ピグメントイエロー110と、C.I.ピグメントイエロー128とを含み、かつ、前記3種のイエロー顔料に占める前記C.I.ピグメントイエロー74の含有量が、10〜20重量%であることを特徴とするイエローインク組成物を提供するものである。
【0009】
これにより、本発明に係るイエローインク組成物は、リアルイエローに近い色目を有し、かつ、高彩度で耐光性に優れた発色を長期間維持することができる。
【0010】
また、本発明は、C.I.ピグメントイエロー110およびC.I.ピグメントイエロー128の含有量が、それぞれC.I.ピグメントイエロー74の含有量以上であることを特徴とするイエローインク組成物を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、C.I.ピグメントイエロー128の含有量が、C.I.ピグメントイエロー110の含有量以上であることを特徴とするイエローインク組成物を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、C.I.ピグメントイエロー128(Ya)とC.I.ピグメントイエロー110(Yb)の含有量の比(Ya/Yb)が、1.0〜2.5の範囲であることを特徴とするイエローインク組成物を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、C.I.ピグメントイエロー74と、C.I.ピグメントイエロー110と、C.I.ピグメントイエロー128との含有量の比が、2:3:5であることを特徴とするイエローインク組成物を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、前記イエローインク組成物を使用して記録媒体に画像を形成することを特徴とする記録方法を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、前記イエローインク組成物を使用して記録媒体に記録された記録物を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のイエローインク組成物は、着色剤とともに、湿潤剤、界面活性剤、浸透剤および水(好ましくは純水)を含んでなる水系インク組成物として使用されることが好ましい。
【0017】
本発明において使用される着色剤は、発色性の観点から、C.I.ピグメントイエロー74を、また、耐光性の観点から他の2種のイエロー顔料を選択するものである。
【0018】
他の2種のイエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、2、3、12、(ジスアゾイエローAAA)、13、14、16、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、73、75、81、83(ジスアゾイエローHR)、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、114、117、120、128、129、138、150、151、153、154、155等が挙げられるが、耐光性の観点からは、C.I.ピグメントイエロー110と128を選択することが好ましい。
【0019】
なお、 本発明のイエローインク組成物の耐光性や発色性に影響を与えない範囲で、更に他のイエロー顔料を含有させることを妨げない。例えば、前記3種のイエロー顔料のほか、第4のイエロー顔料を添加して合計4種類のイエロー顔料またはそれ以上の種類のイエロー顔料を含有することができる。
【0020】
C.I.ピグメントイエロー74の含有量は他の2種のイエロー顔料の含有量に対して、5〜25重量%であることが好ましく、耐光性と発色性とのバランスを考慮すれば10〜20重量%であることがより好ましい。
【0021】
この場合、C.I.ピグメントイエロー128は、C.I.ピグメントイエロー110よりも同等、もしくはそれ以上の含有量であることが、本発明のイエローインク組成物の発色性向上の観点からより好ましい。同様に、両者の良好なバランスの観点から、C.I.ピグメントイエロー128(Ya)とC.I.ピグメントイエロー110(Yb)の含有量の比(Ya/Yb)は、1.0〜2.5の範囲にあることが好ましく、特に1.0〜2.0の範囲にあることがより好ましい。
【0022】
但し、かかる場合であっても、C.I.ピグメントイエロー74の含有量が5〜25重量%の範囲にあることが必要であり、C.I.ピグメントイエロー128がC.I.ピグメントイエロー110よりも同等もしくはそれ以上の含有量であっても、C.I.ピグメントイエロー74の含有量が本発明において前記の適切な範囲になければ本発明の効果が得られない。
【0023】
本発明のインク組成物における顔料の含有量は、C.I.ピグメントイエロー74と、他の二種のイエロー顔料との合計量で0.2〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜8重量%である。
【0024】
本発明の好ましい態様によれば、本発明に使用するインク組成物は、インクジェットプリンタにおける目詰まり防止の観点から、湿潤剤を用いることが好ましい。
【0025】
かかる湿潤剤としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。特に、グリセリンを用いると、グリセリンの高い水溶性及び水分蒸発抑制効果によってインク組成物が固化しにくくなるため、プリンタヘッドのノズル中での目詰まりを効果的に防止できるため好ましい。
【0026】
これら湿潤剤は単独かまたは二種以上を混合して用いることができ、その添加量は、本発明のイエローインク組成物中、0.05〜40重量%が好ましく、より好ましくは3〜35重量%の範囲である。
【0027】
本発明のインク組成物は、さらに界面活性剤を含有することができる。かかる界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤(例えば、オルフィンY、E0101及びSTG(いずれも日信化学工業株式会社製)、並びにサーフィノール82、104、440、465、および485(いずれもAir Productsand Chemicals Inc. 製)等が好ましく、その他、アニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等)等が挙げられる。これらの界面活性剤は単独かまたは二種以上を混合して用いることができる。
【0028】
界面活性剤の添加量は、本発明のイエローインク組成物中、0.01重量%〜10重量%であることが好ましく、0.1重量%〜5重量%であることがより好ましい。
【0029】
本発明のイエローインク組成物は、さらに浸透剤を含有することができる。かかる浸透剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルの多価アルコールのアルキルエーテル類(グリコールエーテル)などが挙げられ、これら一種または二種以上の混合物として用いることができる。
【0030】
本発明においては、浸透剤として、特にトリエチレングリコールモノブチルエーテルを用いると、インクの表面張力を低下させ、インクの起泡性を抑制するか又は無にして、インクとしての効果を向上できる点で好ましい。
【0031】
浸透剤の添加量は、本発明のイエローインク組成物中、0.1重量%〜20重量%であることが好ましく、0.5重量%〜15重量%であることが更に好ましい。
【0032】
本発明の好ましい態様によれば、C.I.ピグメントイエロー74と他の2種のイエロー顔料は、分散剤または界面活性剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが好ましい。好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を使用することができる。なお、この顔料分散液に含まれる分散剤および界面活性剤がインク組成物の分散剤および界面活性剤としても機能する。
【0033】
高分子分散剤の好ましい例としては合成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、および酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩が挙げられる。これらは、使用に際して単独か又は2種以上を混合して用いることができる。
【0034】
これらの高分子の中で、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、および疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましい。なお、共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体など、その形態に特に制限されない。
【0035】
前記の塩としては、ジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イロブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどの塩が挙げられる。本発明においては、分散安定性の観点から、トリエタノールアミンであることが特に好ましい。
【0036】
このような塩は、例えば、塩を形成するための化合物(ジエチルアミン等の上記に例示の化合物)と、塩を形成する前の有機物からなる分散剤との中和反応によって得ることができる。この際、塩を形成するための化合物の使用量は、塩を形成する前の有機物からなる分散剤の中和当量以上であればよいが、特にインク組成物を記録媒体に印字した後のインクの記録媒体への定着性が向上する観点から、中和当量の約1.3倍以上であることが好ましい。
【0037】
これらの合成高分子の重量平均分子量は、好ましくは1000〜50000であり、より好ましくは1000〜15000であり、さらに好ましくは3000〜10000である。また、合成高分子の酸価は、50〜300であることが好ましく、より好ましくは70〜150である。また、合成高分子は、ラジカル共重合、グループトランスファー重合等の公知の重合法によって製造される。
【0038】
また、分散剤として、天然高分子を用いることもできる。その具体例としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミンなどのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類、サポニンなどのグルコシド類、アルギン酸およびアルギン酸プロピレングリコールエステルアルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体等が挙げられる。
【0039】
分散剤の配合量は、顔料100重量%に対して1〜150重量%であることが好ましく、より好ましくは2〜100重量%である。
【0040】
分散剤は、これを水中に添加してエマルジョンの形態等として使用することができる。
【0041】
また、分散剤としては、市販のものを使用することができ、その具体例としては、ジョンソンポリマー株式会社製、ジョンクリル61J(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル68(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル450(分子量10000〜20000、酸価100)、ジョンクリル55(分子量7500、酸価200)、ジョンクリル555(分子量5000、酸価200)、ジョンクリル586(分子量3100、酸価105)、ジョンクリル680(分子量3900、酸価215)、ジョンクリル682(分子量1600、酸価235)、ジョンクリル683(分子量7300、酸価150)、B−36(分子量6800、酸価250)等が挙げられる。なお、分子量とは、重量平均分子量を示す。
【0042】
本発明によるインク組成物の溶媒は水、有機溶媒、または水と有機溶媒との混合物が挙げられる。ここで用いられる水は純粋が好ましく、また、有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール等の一価のアルコール類、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
【0043】
有機溶剤の添加量は、本発明のイエローインクの組成物中、0.5〜50重量%が好ましく、より好ましくは1.5〜30重量%の範囲である。
【0044】
本発明のイエローインク組成物には、前述した成分のほか、通常のインクジェット記録用インク組成物に含まれる成分と同様のもの、例えば、pH調整剤、防腐剤、溶解助剤、酸化防止剤、防かび剤、紫外線吸収剤等を必要に応じて添加することができる。
【0045】
本発明によるインク組成物は、前記成分を適当な方法で分散、混合することによって製造することができる。好ましくは、まず顔料と高分子分散剤と水を適当な分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミルなど)で混合し、均一な顔料分散液を調製し、次いで、水、水溶性有機溶媒、糖、pH調整剤、防腐剤、防かび剤等を加えて充分溶解させてインク溶液を調製する。充分に撹拌した後に、目詰まりの原因となる粗大粒子および異物を除去するためにろ過を行って目的のインク組成物を得る。
【0046】
(記録方法)
本発明によれば、前述したイエローインク組成物を使用して記録媒体に画像を形成する記録方法が提供される。
【0047】
本発明の記録方法によれば、前述した構成からなるイエローインク組成物を使用するため、耐光性および発色性に優れる印字画像を形成することができる。
【0048】
本発明の記録方法は、画像を形成するための記録媒体に特に制限されず種々の記録媒体に適用することができる。
【0049】
(記録物)
本発明によれば、前述したイエローインク組成物を使用して記録媒体に画像が形成されてなる記録物が提供される。
【0050】
本発明の記録物は、前述した構成からなるイエローインク組成物を使用してなるため、色ムラの生じない印字画像を有するものである。
【0051】
本発明の記録物としては、普通紙上において上記のように印字品質に優れた印刷画像を有するものや、光沢紙上において上記のように印字品質に優れた印字画像を有するもの等が挙げられる。
【0052】
【実施例】
以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0053】
なお、以下で特に断らない限り、%は重量%を意味する。
【0054】
(インクの調製)
以下の組成を有する顔料インク組成物を次の操作によって製造した。まず、着色剤としてのイエロー顔料(トータルで3%)と分散剤としてのスチレン−アクリル酸重合体のアンモニウム塩(5.5%、分子量10000、ポリマー成分38%)とを、サンドミル(安川製作所製)中でガラスビーズ(直径1.7mm、混合物の1.5倍量(重量))とともに2時間攪拌し、顔料分散剤を得た。その後、ガラスビーズを取り除き、他の添加物を加え、常温で30分間撹拌した。次いで、5μmのメンブランフィルターでろ過して、イエローインク組成物を得た。
【0055】
本発明によるインク組成物はインク組成物を用いた記録方式に用いられる。インク組成物を用いた記録方式とは、例えば、インクジェット記録方式、ペン等による筆記具による記録方式、その他各種の印字方式が挙げられる。特に本発明によるインク組成物は、インクジェット記録方法に好ましく用いられる。
【0056】
(実施例1)
上記の要領で、以下の組成からなるイエローインク組成物を調整した。
C.I.ピグメントイエロー110 1.2%
C.I.ピグメントイエロー74 0.3%
C.I.ピグメントイエロー128 1.5%
分散剤(分子量10000、ポリマー成分38%) 5.5%
グリセリン 15 %
エチレングリコール 15 %
オルフィンE1010 0.8%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7 %
トリエタノールアミン 0.5%
純水 残量
(実施例2〜6および比較例1〜7)
実施例2〜6および比較例1〜7は、顔料の添加比を変えた点のみが実施例1と異なる。以下、実施例1を含め、実施例2〜6および比較例1〜7の顔料の添加比を示す。
【0057】
【表1】
【0058】
(試験例1)耐光性の評価
インクジェット記録用プリンタEM−930C(セイコーエプソン(株)製)に、カラーインクについては純正カラーインクカートリッジのイエロー部分に、実施例または比較例に係るイエローインクを充填したものを搭載し、ブラックインクについては純正カートリッジを搭載した。このプリンタを用い、PM写真用紙(セイコーエプソン(株)製)に印刷した。
【0059】
印刷パターンはOD値が1.0となるように10mm×10mmのベタを印刷した。印刷解像度は720×720dpiとした。
【0060】
光照射はキセノンウエザオメーターCi−5000(ATLAS社製)を使用して行い、照度105W/G(300〜400nm=約150,000lux)、温度24℃、湿度60%の条件で、サンプル上に空気層と2mm厚のソーダライムガラスを設置した。
【0061】
照射400時間後、600時間後のOD値をそれぞれ分光光度計GRETAGSPM100(GRETAG社製)を用いて測定し、OD値保持率を以下の基準で評価した。
A: 初期に対してOD値が70%以上残っている。
B: 初期に対してOD値が50%以上70%未満残っている。
C: 初期に対してOD値が50%未満になっている。
【0062】
上記の評価の際の条件は、光源D50、光源フィルタなしで、白色標準は絶対白とし、視野角は2°とした。
【0063】
(試験例2)色目の評価
インクジェット記録用プリンタEM−930C(セイコーエプソン(株)製)に、カラーインクについては純正カラーインクカートリッジのイエロー部分に今回のインクを充填したものを搭載し、ブラックインクは純正カートリッジを搭載して、PM写真用紙(セイコーエプソン(株)製)に印刷した。
【0064】
印刷パターンは720×720dpiの解像度で、100%dutyの50mm×50mmのベタを印刷した。
【0065】
ここで、「duty」とは、下記の式(1)で定義され、算出される値Dの単位を示すものを意味する。
【0066】
D={実印字ドット数/(縦解像度×横解像度)}×100(Duty)(1)
(式中、「実印字ドット数」は、単位面積当たりの実印字ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」は、それぞれ単位面積当たりの解像度である。)
分光光度計GRETAG SPM100(GRETAG社製)を用いて(測定条件は試験例1と同様)、CIEで規定されている色差表示法のL*a*b*表色系のa*を、以下の基準で評価した。
AA: −2≦a≦2
A: −5≦a<−2 または 2<a≦5
B: −10≦a<−5 または 5<a≦10
C: a<−10 または 10<a
(試験例3)彩度の評価
試験例2において測定したa*及びb*より下記の式を用いてC*を求め、各色の彩度を以下の基準で評価した。
C*=[(a*)2+(b*)2]1/2
A: C*>105
B: 100<C*<105
C: 100≧C*
各イエローインク組成物についての評価結果を、顔料の添加比と併せて以下に示す。
【0067】
【表2】
Claims (7)
- C.I.ピグメントイエロー74と、C.I.ピグメントイエロー110と、C.I.ピグメントイエロー128とを含み、かつ、前記3種のイエロー顔料に占める前記C.I.ピグメントイエロー74の含有量が、10〜20重量%であることを特徴とするイエローインク組成物。
- C.I.ピグメントイエロー110およびC.I.ピグメントイエロー128の含有量が、それぞれC.I.ピグメントイエロー74の含有量以上であることを特徴とする請求項1に記載のイエローインク組成物。
- C.I.ピグメントイエロー128の含有量が、C.I.ピグメントイエロー110の含有量以上であることを特徴とする請求項1および2に記載のイエローインク組成物。
- C.I.ピグメントイエロー128(Ya)とC.I.ピグメントイエロー110(Yb)の含有量の比(Ya/Yb)が、1.0〜2.5の範囲であることを特徴とする請求項3に記載のイエローインク組成物。
- C.I.ピグメントイエロー74と、C.I.ピグメントイエロー110と、C.I.ピグメントイエロー128との含有量の比が、2:3:5であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のイエローインク組成物。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載のイエローインク組成物を使用して記録媒体に画像を形成することを特徴とする記録方法。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載のイエローインク組成物を使用して記録媒体に記録された記録物。
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JP2002263057A JP2004099734A (ja) | 2002-09-09 | 2002-09-09 | 耐光性と発色性とに優れたイエローインク組成物 |
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JP2009179722A (ja) * | 2008-01-31 | 2009-08-13 | Seiko Epson Corp | イエローインク組成物およびインクセット、これを用いた記録方法、記録物 |
JP2012072359A (ja) * | 2010-08-31 | 2012-04-12 | Canon Inc | インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 |
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-
2002
- 2002-09-09 JP JP2002263057A patent/JP2004099734A/ja active Pending
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