JP2001081241A - タイヤ用着色ゴム組成物 - Google Patents

タイヤ用着色ゴム組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤの外表面部分を被覆する、および、
タイヤに使用される他の組成物中に存在する抗酸化剤に
よる汚染に抵抗性の着色ゴム組成物を提供する。 【解決手段】本発明は少なくとも一種のエラストマーベ
ース、100重量部のエラストマーに対して少なくとも30
重量部(30phr)が実施的に不飽和のエラストマーから形
成され、少なくとも50phrの非化学量論的酸化鉄を含
む、イオウ-加硫可能な着色ゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタイヤの製造を目的
としたゴム組成物に関する。より具体的には、本発明の
主題はタイヤの少なくとも外表を形成することを目的と
した着色組成物である。「着色」とはここでは黒色を除
いたものと解され、すなわち、白色を含むあらゆる色を
言うと解される。
【0002】
【従来の技術】従って、これらの組成物は、これらがそ
の上に堆積するゴム混合物の性質および組成がどのよう
なものであろうと、少なくとも部分的にタイヤの表面を
被覆することが意図されている。もちろん、これは単な
る表面被覆であるから、これらの組成物はより具体的に
はいわゆるタイヤの「非摩耗」表面を被覆することを意
図しており、すなわち、タイヤの通常の使用においては
道路と接触しない表面を被覆することを意図している。
したがって、そのような本発明の着色組成物は特に装飾
およびマーキング目的であって、少なくとも部分的には
タイヤ側面の外表面またはタイヤのトレッドパターンの
底部を構成することがある。現在よく知られているよう
に、実質的に不飽和のジエンゴムの加硫ゴム組成物は天
然のものも合成物も、その分子鎖上の二重結合のため
に、もし保護されていない場合は加硫ゴム組成物の二重
結合の破壊とイオウ架橋の酸化に続く硬化および脆化に
関与する既知の酸化機構のために、大気中で長く露出さ
れると幾分早く劣化する傾向にある。そのような複雑な
機構は特に以下の文献に記載されている:"Tire compou
ding"の"Antidegradants for tire applications"、Edu
cation Symposium No.37(ACS)、Cleveland, Communicat
ion I, October, 1995; "Non-blooming high performan
ce antidegradants", Kautschuk Gummi Kunststoffe, Y
ear47, No.7, 1994, 248-255:; "Antioxydants" in Enc
ycl. Polym. Sci. And Eng., 2nd Edition, 第2巻、73
-91。
【0003】種々の抗酸化剤の開発と販売によりこれら
の酸化現象を抑制することが徐々に可能になってきてお
り、その最も効果的なものはキノリンの誘導体(TMQ)ま
たはp-フェニレンジアミンの誘導体(PPDまたはPPDA)と
して知られ、後者は前者より活性であり、例えば、N-1,
3-ジメチルブチル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン
(6-PPD)がある。これらのTMQ-およびPPD-型抗劣化剤
は、ときには互いに一緒のこともあり、現在では広く普
及しており、少なくとも部分的にカーボンブラックを充
填され、それによって特徴的な黒色を呈している伝統的
な組成物にかなり系統的に使用されている。そのことは
上で引用した刊行物に述べられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した抗
酸化剤、特にTMQまたはPPD誘導体は、耐光性ではなく、
UV照射作用の下では、それらは着色化学物質を生成し、
ゴム組成物を茶色に汚染するという有害な着色変化を生
じさせる。この特徴はそのような作用剤を白色、透明あ
るいは着色組成物に使用することを排除することは明ら
かだが、白色、透明あるいは着色組成物をそれらの酸化
剤を含む組成物と接触させることも問題を生じさせる。
そのような酸化剤は、防止するために何もしなければ白
色、透明または着色組成物の中および表面上へ自然に移
動してそれらを汚染するからである。
【0005】タイヤの外表面部分を被覆する、および、
タイヤに使用される他の組成物中に存在する抗酸化剤に
よる汚染に抵抗性の着色組成物を開発することのが極め
て複雑なのはこの為である。考慮されている解決法の大
部分は、ゴム組成物に導入してもよい非浸透性構成成分
の使用に基づいている。タイヤの分野では、ブチルゴム
の非浸透特性を利用することが知られている。しかしな
がら、ブチルゴムの使用は沢山の問題を生じさせる。白
色または着色側壁を作ることが出来るある種の解決法で
は、汚染抗酸化剤の移動を防止するために多量のブチル
ゴムを含む「スクリーン」組成物を提供することによっ
てタイヤの構造を改変することが考えられている。この
組成物は白色組成物をタイヤを構成する他の組成物から
隔離することを意図したものである。そのような態様
は、その構造に重大な改変がなされる程度まで、関係す
るタイヤの特性及び性能の性質に疑問がありそうなこと
は容易に理解できるであろう。さらに、組成物中のブチ
ルゴムの大きな割合はタイヤ中の他の組成物への接着と
いう問題を引き起こすことが知られている。
【0006】他の解決法はブチルゴムを直接に着色組成
物に導入することから成っている。このように公報CA-2
228 692には、汚染抗酸化剤に対する障壁を構成するた
めに大部分がブチルゴムから構成されたエラストマーベ
ースを利用する白色側壁用の組成物が記載されている。
これらの解決法はタイヤの構造のある種の改変を避ける
ことを可能とするが、接着と関連する問題を抑えること
はない。白色側壁とタイヤ中に存在する他の混合物との
間の境界が脆弱であるため、そのような白色側壁のため
の組成物は境界面の解離を避けるためにひずみのない側
壁の限られた部分にしか堆積させることができないのは
このためである。最後に、他の解決法は、表面だけでな
く塊中で使用することを意図した組成物を生成し、それ
らの組成物中のPPDまたはTMQ誘導体に基づく抗酸化剤の
使用を排することにあるが、しかしそれらの抗酸化剤は
非常に効果的であるので、その置換は公開公報WO99/025
90に記載された例のような複雑な保護系の供給を必要と
する。また、通常はタイヤ中に存在する全ての組成物に
おいて、PPDまたはTMQ誘導体に基づく抗酸化剤を置換す
ることは可能でないことを述べておかなければならな
い。これらの抗酸化剤は非常に性能が高く、その移動性
のためブチルゴムを使用した溶液のような溶液を提供す
ることが必要となる。この欠点は既に述べた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の主題はタイヤの
外表面部分を形成することのできる、上述の欠点を克服
した着色組成物である。驚くべきことに、非化学量論的
に高い含量、すなわち、50phrよりも多い量で鉄酸化物
を有するイオウ-加硫可能な着色ゴム粗組成物は、汚染
酸化剤を含む組成物上にその表面色を維持したまま堆積
することができる、かつ、抗酸化剤に典型的な障壁剤の
使用を必要としないタイヤ用の着色表面組成物の製造を
可能にすることを出願人は見出した。実際、非化学量論
的鉄酸化物の特性はその光触媒活性によって有機分子ま
たは生体有機分子の分解に関与することが知られている
が、そのような特性の存在はいくつかの理由から当業者
がそれらの酸化物を多量に使用することをアプリオリに
妨げる。第1に、二重結合の分解というこれらの特性
は、酸化によるこの分解を回避するためのタイヤにおけ
る要望および保護特性に反するものであり、第2に、非
化学量論的鉄酸化物単独の存在が、そのような少量で組
成物表面を自己清浄させることが可能であることは驚く
べきことに思えるからである。
【0008】従って、本発明の主題は、少なくとも一種
のエラストマーベースを含み、エラストマーの100重量
部に対して少なくとも30重量部(30phr)が実質的に不
飽和なジエンエラストマーによって形成され、かつ、少
なくとも50phrの非化学量論的鉄酸化物含量を有するイ
オウ-加硫可能な着色ゴム組成物である。非化学量論的
鉄酸化物は特に一酸化鉄または酸化鉄(III)、Fe2O3から
選ばれてよい。本発明はまたそのような着色組成物を含
むタイヤ、およびそのような着色組成物をその外表面の
一部に含むタイヤ側壁およびトレッドに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】「ジエン」エラストマーまたはゴ
ムは、知られているように、少なくとも部分的に(即
ち、ホモポリマーまたはコポリマー)ジエンモノマー
(共役しているか否かに関わらず2つの炭素−炭素二重
結合を含むモノマー)から生じるエラストマーを意味す
ると解される。一般には「実質的に不飽和」なジエンエ
ラストマーとは、15%(モル%)よりも大きな含量でジ
エン由来のメンバーまたは単位(共役ジエン)を有す
る、少なくとも部分的に共役しているジエンモノマーか
ら生じるジエンエラストマーを意味すると解される。
【0010】従って、例えば、ブチルゴムまたはジエン
のコポリマーおよびEPDM(エチレン−プロピレン−ジエ
ンターポリマー)型のα-オレフィンコポリマーは前述
の定義には含まれず、特に「実質的に飽和」したジエン
エラストマーとして記載されることがある(ジエン由来
単位の含量が低い、または極めて低く、通常15%よりも
低い)。「実質的に不飽和」なジエンエラストマーの範
疇で、「強度に不飽和」なジエンエラストマーは特にジ
エン由来単位(共役ジエン)含量が50%よりも大きいジ
エンエラストマーを言うと解される。
【0011】これらの定義が与えられると、特に以下の
ものは「本発明の組成物に使用することのできる実施的
に不飽和のジエンエラストマー」を意味すると解され
る:− 4個〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノ
マーの重合によって得られる一切のホモポリマー;−
8個〜20個の炭素原子を有する1以上の互いに共役した
ジエン、または1以上のビニル芳香族化合物と共役した
1以上のジエンの重合によって得らえる一切のコポリマ
ー;適切な共役ジエンは、特に、1,3-ブタジエン、2-メ
チル-1,3-ブタジエン、例えば、2,3-ジメチル-1,3-ブタ
ジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エ
チル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-イソプロピル-1,3-
ブタジエンのような2,3-ジ(C1~C5アルキル)-1,3-ブタ
ジエン、アリール-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン
および2,4-ヘキサジエンである。
【0012】適切なビニル芳香族化合物としては、例え
ば、スチレン、オルト-、メタ-、およびパラ-メチルス
チレン、商業的混合物「ビニルトルエン」、パラ-第3
ブチルスチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、
ビニルメシチレン、ジビニルベンゼンおよびビニルナフ
タレンが挙げられる。コポリマーは99質量%〜20質量%
のジエン単位、および、1質量%〜80質量%のビニル芳
香族単位を有していてもよい。エラストマーはどのよう
な微小構造を有していてもよく、それらは使用する重合
条件、特に変性剤(modifying agent)および/またはラ
ンダム化剤の存在または非存在、および使用する変性剤
および/またはランダム化剤の量の関数である。エラス
トマーは例えば、ブロックエラストマーであっても、ラ
ンダム(statistical)エラストマーであっても、序列ま
たは微小序列(microsequenced)エラストマーであっても
よく、分散体または溶液として調製されてもよい;それ
らは、カップリング剤および/またはスター化剤または
官能化剤によってカップリングおよび/またはスター
化、あるいは官能化されていてもよい。
【0013】好ましいのはポリブタジエン、特に、4%
〜80%の1,2-単位を有するもの、又は、80%を越えるci
s-1,4[結合]含量を有するもの、ポリイソプレン、ブタ
ジエン−スチレンコポリマー、特に、5質量%〜50質量
%、特に20質量%〜40質量%のスチレン含量、ブタジエ
ン部分の1,2-結合含量が4%〜65%、trans-1,4-結合の
含量が20%〜80%のもの、ブタジエン-イソプレンコポ
リマー、および、特にイソプレン含量が5質量%〜90
質量%でガラス転移温度(Tg)が-40℃〜-80℃のもの、
イソプレン-スチレンコポリマーおよび特にスチレン含
量が5質量%〜50質量%でTgが-25℃〜-50℃のものであ
る。ブタジエン-スチレン-イソプレンコポリマーの場合
は、特に、スチレン含量が5質量%〜50質量%、さらに
特に10質量%〜40質量%、イソプレン含量が15質量%〜
60質量%、さらに特に20質量%〜50質量%、ブタジエン
含量が5質量%〜50質量%、特に20質量%〜40質量%、
ブタジエン部分の1,2-単位の含量が4%〜85%、ブタジ
エン部分の1,4-単位の含量が6%〜80%、イソプレン部
分の1,2-単位と3,4-単位の合計含量が5%〜70%、イソ
プレン部分の1,4-単位が10%〜50%、より一般的には-2
0℃〜-70℃のTgを有する一切のブタジエン-スチレン-イ
ソプレンコポリマーが適切である。
【0014】特に好ましくは、本発明の組成物のジエン
エラストマーは、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレ
ン(IR)、または天然ゴム(NR)、ブタジエン-スチレンコ
ポリマー(SBR)、ブタジエン-イソプレンコポリマー(BI
R)、イソプレン-スチレンコポリマー(SIR)、ブタジエン
-アクリロニトリルコポリマー(NBR)、イソプレン-スチ
レンコポリマー(SIR)[sic]、ブタジエン-スチレン-イソ
プレンコポリマー(SBIR)、またはこれらの化合物の2以
上の混合物からなる強度に不飽和のジエンエラストマー
群より選ばれる。しかしながら、そのようなジエンポリ
マーは単独で使用されることも、タイヤに慣用的に使用
される以下のようなジエンエラストマーと共に配合され
ることもある:― エチレン、3〜6個の炭素原子を有
するα-オレフィンと6〜12個の炭素原子を有する非共
役ジエンモノマーとの共重合によって得られる三元コポ
リマー、例えば、エチレン、プロピレンと前述したタイ
プの非共役ジエンモノマー、例えば特に1,4-ヘキサジエ
ンエチリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエ
ン、から得られるエラストマー、― イソブテンとイソ
プレンのコポリマー(ブチルゴムまたはIIR)、および
そのタイプのコポリマーのハロゲン化物、特に塩化また
は臭化(BIIR)版、または、― イソブテンとパラメチル
スチレンのコポリマー、およびこのタイプのコポリマー
のハロゲン化物、特に塩化または臭化型(BIMS)。
【0015】非化学量論的鉄酸化物の光触媒特性は、分
解しやすい不飽和結合を有するエラストマーの充分な存
在と共にのみ効果的に使用することができるのは明らか
であり、このエラストマーはエラストマーベースの30%
オーダーで存在すると考え得る。更に、本発明の着色組
成物を本既述の初めに述べたような非摩耗性タイヤ表面
上に堆積させ得るためには、前述のエラストマーベース
はそのような実質的に不飽和なジエンエラストマーの大
部分から形成されていることが必要である。適切な非化
学量論的鉄酸化物は特に一酸化鉄および酸化鉄(III)で
ある。一酸化鉄は黄色でFe2O3は赤色であるため、黄色
または他の色を得るためにそれらは単独でも、着色色素
若しくは光学的光沢剤と共にまたはその存在下で使用さ
れてもよい。そのような場合には、色混合の基本原則が
適用されることが知られている。従って、当業者に知ら
れたどのようなタイプの着色剤を使用することも可能で
あり、そのような着色剤は有機剤であっても無機剤であ
ってもよく、本発明の組成物に可溶であっても不溶であ
ってもよい。例として、鉱物質性着色剤、例えば粉末鉱
物質、特に粉末銅またはアルミニウム、または種々の金
属酸化物、特にシリケート、アルミネート、チタネー
ト、鉄酸化物または水酸化物、Co、Ni、AlまたはZnのよ
うな種々の金属元素の混合酸化物を挙げることができ
る。また、インダンスロン、ジケト-ピロロ-ピロールま
たはジアゾ縮合物、またはフタロシアニンのような有機
金属色素のような有機金属色素を挙げることもできる。
【0016】本発明の組成物に他の特性を与えるために
カーボンブラックまたはシリカのような強化充填剤を存
在させることもできるが、組成物の望みの呈色を変化さ
せたり有害な効果を与えるかもしれないのでもちろんそ
の充填剤の色も考慮する。呈色についての上述の特徴を
考慮し、本発明の組成物は前述した化合物に加えて、可
塑剤、イオウまたはイオウおよび/または過酸化物供与
体に基づく架橋系、加硫促進剤、芳香族、ナフテン系ま
たはパラフィン系型エクステンター油、または種々の抗
疲労剤のようなタイヤに通常使用される成分の全部また
は部分を含む。本ゴム組成物は完全に知られた技法によ
ってジエンエラストマーを用いて調製され、内部パドル
ミキサー中で1または2段階の熱機械的操作、続いて外
部ミキサー上の混合によって調製される。
【0017】慣用技術に従って、エラストマー、充填剤
および、加硫系を除くこの組成物の他の成分の混合のた
めに通常の内部ミキサーが使用される。次に、得られた
混合物は一般的にはオープンミルである外部ミキサーへ
取り出され、次にそこへ加硫系が添加される。本質的に
この混合物を補充的な熱機械的処理にかける目的で、内
部ミキサー中で1以上の段階が追加されてもよい。本発
明は以下の実施例によって非限定的に説明されるが、こ
れは本発明の範囲の限界を構成するものではない。
【0018】
【実施例】これらの実施例において本組成物の特性は以
下に示したように評価される。比色値はD65/10構成のMi
croflash 200D DATA COLOR 比色計(昼光;観察角度10
°)によって測定した。比色特性は既知の方法により比
色計の説明書(1995年、5月)に従って、試験片の反射
スペクトルを解析することによって測定した。これらの
測定値は3次元比色座標L*、a*、b*のCIE LABシステ
ムに送られる。このシステムでは、 ― a*軸は緑−赤色度座標を表し、-100(緑)〜+100
(赤)のスケールであり; ― b*軸は青−黄色度座標を表し、-100(青)〜+100
(黄)のスケールであり; ― L*軸は明度座標を表し、0(黒)〜100(白)のス
ケールであり; ― ΔE=[(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2]1/2は非老
化対照に対する各サンプルの全体的な平均比色偏差を表
す;ΔEが大きいほど組成物の色がより変化したもので
ある。
【0019】比色テストにおいて、使用した試験片は
(lxwxt)は(150mmx150mmx3mm)の大きさのゴム
ストリップからなる非規格化試験片であり、一方の面A
は2mmの厚さの対照組成物からなり、もう一方のB面はそ
の全厚にわたって、それぞれがテストすべき組成物のゴ
ムのストリップを囲むそれぞれ65mm幅の2つのゴムスト
リップを含むものである。これらの試験片は所定の期間
外部に静置され、テストされる組成物を含むB面は空気
中に置かれる。所定期間後、B面の表面をエタノールを
染み込ませた普通の布で擦り、単に静的には除去できな
いチョーキング塵を除去し、次に、比色偏差ΔEを測定
した。25±2以下の比色偏差ΔEは許容できると考えら
れる。実際、そのような比色偏差は初期色の範囲内にと
どまっている色変化の代表的なものである。
【0020】以下の全ての実施例について、テストされ
る組成物は天然ゴムとポリブタジエンの60/40混合物に
よって形成されるエラストマーベースを含むものであ
り、天然ゴムおよびポリブタジエンはどちらも強度に不
飽和のジエンエラストマーである。参照組成物(以下組
成物Aという)として、カーボンブラックで補填された
タイヤの側壁に使用される組成物に類似した支持組成物
が選ばれている。これらの実施例はこれらの組成物中の
抗酸化剤の存在に本質的に依存したものであることをみ
れば、これらの実施例は本発明の組成物を従来の組成物
上に乗せることによって得られる結果に限定するもので
はないのは明らかである。従って、組成物Aの配合は以
下の通りである。全ての割合は重量部で示してあり、エ
ラストマーは天然ゴムとポリブタジエンの35/65配合に
よって構成されている。
【0021】 エラストマー :100 カーボンブラック(N660) : 60 芳香油 : 20 ワックス(a) : 1 酸化亜鉛 : 3 ステアリン酸 : 1 TMQ : 1 6−PPD : 3 スルフェンアミド(b) : 0.95 イオウ : 1.6 (a):抗オゾンワックス(Redezon 500、Repsolより) (b):スルフェンアミド:N-シクロヘキシル-2-ベンゾチ
アジルスルフェンアミド
【0022】試験片に使用する、テストすべき各組成物
Bの配合は、使用する充填剤および/または色素の性質
と量のみに依存して変動している。すなわち、以下の配
合では全ての割合は重量部で示されており、エラストマ
ーは天然ゴムとポリブタジエンの60/40配合によって構
成されている。 エラストマー :100 パラフィンオイル : 15 ステアリン酸 : 2 酸化亜鉛 : 3 イオウ : 2 スルフェンアミド(a) : 2 充填剤および/または色素 :可変量* (a):スルフェンアミド:N-シクロヘキシル-2-ベンゾチ
アジルスルフェンアミド*使用する充填剤および色素は
以下の通り: ― 黄色3G:黄色色素Chromophtal(Ciba-Geigy)、 ― シリカ:ウルトラシル(ultrasil) VN2 (Deguss
a)、 ― アナターゼ(anatase)酸化チタン(Thann et Mul
house)、 ― 一酸化鉄、黄色色素(Bayer)、 ― Fe2O3、赤色色素(Bayer)。
【0023】これらの組成物Bを調製するために、以下
の手順を以下の全ての実施例について使用した:ジエン
エラストマーまたはエラストマー混合物を内部ミキサー
に導入し75%まで満たす。温度は約30℃とし、次に適切
な混練時間、例えば1分間のオーダー、の後、加硫系を
除く他の全ての成分および鉱物質性充填剤の2/3を加
え、更に混練後、鉱物質性充填剤の残り1/3を導入し、
熱機械的混練操作を所定の落下温度(165℃)に達する
まで行う。そのようにして得られた混合物を回収し、次
に加硫系を外部ミキサー上(均一仕上げ機)で30℃にて
添加する。加硫は165℃にて10分間行う。組成物Aについ
ては、充填剤が少量であるため、後者を2段階操作で導
入する必要はない。
【0024】実施例1 本実施例の目的は、別々の充填剤を含む組成物の汚染に
対する耐性を比較することである。前述したように作製
された試験片は参照組成物Aおよびテスト組成物Bの混
合を含み、それぞれ上述した成分に加えて以下を含む: ― 組成物B1(100)、B1(150)、B1(200)につい
て:20phrの黄色色素3Gおよびそれぞれ50/50、75/75、1
00/100 phrのチョーク/カオリン配合物、 ― 組成物B2(50)、B2(100)について:5phrの黄色
色素3Gおよびそれぞれ50、および100phrのシリカ、 ― 組成物B3(20)、B3(50)、B3(100)、B
(150)、B3(200)について:それぞれ20、50、100、1
50および200phrの一酸化鉄、 ― 組成物B4(50)について:20phrの黄色色素3Gおよ
び50phrの二酸化チタン。
【0025】異なる試験片間の比較を容易にするため
に、白色充填剤(チョーク、カオリン、シリカ、酸化チ
タン)を含む組成物について光酸化の前に同じ呈色を有
することを可能とする黄色色素を使用することとし、シ
リカの場合には、この実施例の他の充填剤と異なり不透
明化充填剤でないので、黄色3Gの量はより少なくした。
組成物B3は本発明による組成物である。得られた結果を
以下の表Iに示す。
【0026】
【表1】表I
【0027】
【表2】表Iつづき ΔE*は試験片を90日間空気中に曝した後に計算した。
【0028】シリカまたはチョーク/カオリン鉱物質性
充填剤を多量に含む組成物B1およびB2ですら許容で
きない色の変化を示したことが分かるであろう。これ
は、50phrの酸化チタンを含む組成物B4についても
(二酸化チタンは光酸化触媒特性で知られているにもか
かわらず)当てはまる。本発明の組成物B3(50)、B3
(100)、B3(150)、B3(200)は非常に良好な結果を与
え、その表面は最初の黄色の範囲内に入る黄色を維持す
ることを示した。一酸化鉄を含む組成物の結果は50phr
のもので既に良好であり、100phrで改善されるが、150p
hrから更に優秀になると言ってよい。これに対して20ph
rの一酸化鉄は全く不充分であり、組成物B3(20)は許
容できない色変化を示す。
【0029】実施例2 本実施例の目的は一酸化鉄以外の鉄酸化物、赤色のFe2O
3の汚染耐性を説明することである。参照組成物Aとテス
トする組成物B、すなわち、それぞれ配合中に50phr、1
00phrおよび150phrのFe2O3を含むB5(50)、B
(100)、B5(150)からなる混合を含む試験片を前の実
施例のように作製した。結果を以下の表IIに示す。
【0030】
【表3】表II
【0031】本発明の組成物B5では、表面は赤色の範
囲内にある赤い呈色を維持することが示された。Fe2O3
を含む組成物の結果は50phrに相当する量で非常に優れ
ているが、一酸化鉄でのように、100phrから非常に優秀
になりさらに150phr以上で改善されることが示された。
【0032】
【発明の効果】従って、当業者には予想外なことに、本
発明の組成物において、抗酸化剤に関連した汚染の除去
を可能とする表面エロージョンを得るために、鉄酸化物
のゴム組成物マトリックスへ導入することにより、非化
学量論的鉄酸化物の光触媒特性がエラストマー自身の分
解をするために使用される。タイヤの動的使用において
は、表面更新に対応するこの「自己洗浄」はブレーキダ
ストのようなタイヤの外部から来る汚染の消滅にも関与
する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 7/00 C08L 7/00 9/00 9/00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エラストマー100重量部に対して(phr)少
    なくとも30重量部が実質的に不飽和のジエンエラストマ
    ーから形成されている少なくとも1種のエラストマーベ
    ースを含み、少なくとも50phrの非化学量論的鉄酸化物
    含量を有するイオウ-加硫可能な着色ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 少なくとも50phrの一酸化鉄含量を有す
    る請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 少なくとも50phrの酸化鉄(III)含量を有
    する請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 エラストマーべースの大部分が実質的に
    不飽和のジエンエラストマーから形成される、請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 非化学量論的鉄酸化物の含量が少なくと
    も100phrである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    組成物。
  6. 【請求項6】 非化学量論的鉄酸化物の含量が少なくと
    も150phrである、請求項5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 実質的に不飽和のジエンエラストマーが
    天然ゴムおよびポリブタジエンの混合物から形成される
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の着
    色ゴム組成物を含むタイヤ。
  9. 【請求項9】 少なくとも部分的に請求項1〜7のいず
    れか1項に記載の着色ゴム組成物を表面に含むタイヤ側
    壁。
  10. 【請求項10】 少なくとも部分的に請求項1〜7のい
    ずれか1項に記載の着色ゴム組成物を表面に含むタイヤ
    トレッド。
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