JP2001081167A - 脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

脂肪族ポリエステルの製造方法

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JP2001081167A JP2000207108A JP2000207108A JP2001081167A JP 2001081167 A JP2001081167 A JP 2001081167A JP 2000207108 A JP2000207108 A JP 2000207108A JP 2000207108 A JP2000207108 A JP 2000207108A JP 2001081167 A JP2001081167 A JP 2001081167A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】数式(1)で示される数値範囲にある重量
平均分子量(Mw)を有する、脂肪族二価アルコール
と脂肪族二価カルボン酸からなる、結晶化された脂肪族
ポリエステルプレポリマーを、揮発性触媒の存在下、固
相重合することにより、数式(2)と数式(3)で示さ
れる数値範囲にある重量平均分子量(Mw )を有する
脂肪族ポリエステルを得ることを特徴とする、脂肪族ポ
リエステルの製造方法。 2×10 ≦ Mw ≦ 1×10 (1) 5×10 ≦ Mw ≦ 1×10 (2) Mw < Mw (3) 【効果】本発明の製造方法によれば、固相重合と同時に
及び/又は固相重合後に同一反応系を保ったまま、触媒
を除去することができるので、煩雑な触媒除去工程を必
要とする従来の技術と比較して、製造プロセスを合理化
することができる。従って、本発明により得られる高分
子量の脂肪族ポリエステルは、従来の触媒除去を行った
脂肪族ポリエステルと同等の安定性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汎用樹脂の代替と
して有用な生分解性ポリマーである、脂肪族二価アルコ
ールと脂肪族二価カルボン酸からなる脂肪族ポリエステ
ルを非金属の揮発性触媒の存在下、固相重合する脂肪族
ポリエステルの製造方法に関する。さらに、本発明は、
非金属の揮発性触媒を使用することにより、特別な触媒
除去工程を必要とすることなく、安定性に優れた脂肪族
ポリエステルを製造することができる脂肪族ポリエステ
ルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、廃棄物処理が環境保護と関連して
問題となっている。特に、一般的な汎用の高分子材料の
成形品や加工品は、廃棄物として埋め立てた場合、微生
物等による分解性・崩壊性がないため、異物として半永
久的に残存すること、さらに、可塑剤等の添加剤が溶出
して環境を汚染すること等が問題となっている。また、
廃棄物として焼却する場合には、燃焼により発生する高
い熱量により、炉を損傷すること、燃焼により発生する
排煙・排ガスが、大気汚染、オゾン層破壊、地球温暖
化、酸性雨等の原因となり得ること等がクローズアップ
されてきた。
【0003】このような背景の中、自然環境中で生分解
するポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−3−ヒドロキ
シ酪酸、ポリカプロラクトン等のポリヒドロキシカルボ
ン酸やポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシ
ネート、ポリエチレンアジペート等の脂肪族ポリエステ
ルが脚光を浴び、近年、盛んに研究開発が行われてい
る。
【0004】脂肪族ポリエステルに関しては、例えば、
特開平4−189822、並びに特開平4−18982
3に開示されたような、溶融状態で、ポリマー末端とジ
イソシアネートを反応させることにより高分子量の脂肪
族ポリエステルを得る方法や、US−5,401,79
6に開示されたような、有機溶媒を使用して脱水縮合反
応することにより、ジイソシアネートを使用することな
く高分子量の脂肪族ポリエステルを得る方法がある。
【0005】脂肪族ポリエステルの固相重合に関する従
来技術には、次のものがある。特開平8−34843号
において、相対粘度が1.5以上を有する脂肪族ポリエ
ステルを結晶化させた後、その融点よりも低い温度で不
活性ガス雰囲気下又は減圧下で固相重合することを特徴
とする高分子量の脂肪族ポリエステルの製造方法に関す
る技術が開示されている。ここに開示された触媒は、チ
タン、ゲルマニウム、アンチモン、マグネシウム、カル
シウム、亜鉛、鉄、ジルコニウム、バナジウム、リチウ
ム、コバルト、マンガン等の金属化合物であり、金属ア
ルコキシド、金属アセチルアセトナート、金属酸化物、
金属錯体、金属水酸化物、有機酸塩等の形態で用いられ
る、と記されている。つまり、有機スルホン酸系化合物
といった非金属の揮発性触媒を使用する開示はない。
【0006】また、上記の固相重合法の場合も含めて、
重合に使用した触媒がその活性を維持したままポリエス
テル中に残存していると、そのようなポリエステルを、
例えば、成形加工した場合には、熱により分子量低下を
起こしてしまうことが知られており、このようなポリエ
ステルは成形加工性、耐熱性において十分な機能を有し
ているとは言い難い。そのため、ポリエステルの安定性
を確保する目的で、リン酸、亜リン酸等の様々な種類の
触媒不活化剤、あるいはポリマー安定剤と呼ばれる添加
剤を添加して、重合後に触媒を失活させる方法や、ポリ
エステルから触媒を除去する方法が実施されている。
【0007】添加剤を添加してポリエステルの安定性を
確保する方法は、溶媒を用いた溶液重合法や、ポリエス
テルを溶融した状態で重合する溶融重合法に対して、重
合終了後に重合系に添加剤を添加するという簡単な方法
で実施できるが、固相重合法に対しては重合終了後、固
体状態のポリマーを溶融させてから添加剤を添加しなけ
ればならないという点で工程が一つ増え煩雑になる。し
かし、いずれにしても得られたポリエステル中に添加剤
や失活した触媒が残留するという問題点がある。
【0008】一方、ポリエステルから触媒を除去する方
法は、ポリエステル中の残留物が除去できるという意味
で添加剤を添加する方法よりも好ましいが、ポリエステ
ルから触媒を除去する方法は、重合工程とは全く異なる
操作条件及び設備が必要なので、結果として工程数が増
え、操作が煩雑になるという問題点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、脂肪族二価アルコールと脂肪族二価カルボン酸から
なる脂肪族ポリエステルを製造するに際し、特別な触媒
除去工程を必要とすることなく、安定性に優れた脂肪族
ポリエステルの製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上に記し
た従来技術の問題点に鑑み、鋭意検討した結果、脂肪族
二価アルコールと脂肪族二価カルボン酸からなる脂肪族
ポリエステルを製造するに際し、揮発性触媒を使用して
固相重合することにより、特別な触媒除去工程を必要と
することなく、安定性に優れた脂肪族ポリエステルを製
造することができることを見出し、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明に係る脂肪族ポリエステルの製造
方法は、以下の[1]〜[8]に記載した事項により特
定される。
【0011】[1] 数式(1)(数10)で示される
数値範囲にある重量平均分子量(Mw 1)を有する、結
晶化された脂肪族二価アルコールと脂肪族二価カルボン
酸からなる脂肪族ポリエステルプレポリマーを、揮発性
触媒の存在下、固相重合することにより、数式(2)
(数11)と数式(3)(数12)で示される数値範囲
にある重量平均分子量(Mw)を有する脂肪族ポリエ
ステルを得ることを特徴とする、脂肪族ポリエステルの
製造方法。
【数10】 2×10 ≦ Mw ≦ 1×10 (1)
【数11】 5×10 ≦ Mw ≦ 1×10 (2)
【数12】 Mw < Mw (3)
【0012】[2] 数式(4)(数13)で示され
る、触媒残留率Rが、50%以下であることを特徴とす
る[1]に記載した脂肪族ポリエステルの製造方法。
【数13】 R[%] = C[ppm] ÷ C[ppm] × 100 (4) (数式(4)において、Rは、固相重合前後における触
媒濃度の変化の尺度である触媒残留率[%]であり、C
[ppm]は、数式(5)(数14)により算出され
る、固相重合前及び/又は固相重合中に反応系に仕込ま
れた触媒が全て脂肪族ポリエステル中に残留する場合の
理論触媒濃度であり、C[ppm]は、数式(6)
(数15)により算出される、固相重合終了後、最終的
に得られた脂肪族ポリエステル中の触媒濃度である)
【数14】 C[ppm] = W[g] ÷ W[g] × 10 (5) (数式(5)において、W[g]は、固相重合前及び
/又は固相重合中に反応系に仕込まれた触媒の合計重量
であり、W[g]は、固相重合終了後、最終的に得ら
れた脂肪族ポリエステルの重量である)
【数15】 C[ppm] = W[g] ÷ W[g] × 10 (6) (数式(6)において、W[g]は、固相重合終了
後、最終的に得られた脂肪族ポリエステル中に含有され
る触媒重量であり、W[g]は、固相重合終了後、最
終的に得られた脂肪族ポリエステル重量である)
【0013】[3] 脂肪族ポリエステルプレポリマー
が、コハク酸と1,4−ブタンジオールからなるポリブ
チレンサクシネートプレポリマーであり、脂肪族ポリエ
ステルが、ポリブチレンサクシネートである[1]又は
[2]に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。 [4] 揮発性触媒が有機スルホン酸系化合物であるこ
とを特徴とする[1]又は[2]に記載した脂肪族ポリ
エステルの製造方法。
【0014】[5] 有機スルホン酸系化合物がメタン
スルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン
酸、m−キシレン−4−スルホン酸からなる群から選択
された少なくとも一種を含有するものである[4]に記
載した脂肪族ポリエステルの製造方法。 [6] 最終的に得られた脂肪族ポリエステル中の触媒
濃度が、硫黄分に換算して0〜300ppmであること
を特徴とする、[4]又は[5]に記載した脂肪族ポリ
エステルの製造方法。
【0015】[7] (A)工程として、脂肪族二価ア
ルコールと脂肪族二価カルボン酸を、触媒の存在下又は
非存在下、溶媒の存在下又は非存在下、重縮合反応して
数式(1)(数16)で示される数値範囲にある重量平
均分子量(Mw)を有する脂肪族ポリエステルプレポ
リマーを製造する工程、
【数16】 2×10 ≦ Mw ≦ 1×10 (1) (B)工程として、(A)工程で得られた脂肪族ポリエ
ステルプレポリマーを結晶化する工程、(C)工程とし
て、(B)工程で得られた結晶化した脂肪族ポリエステ
ルプレポリマーを、揮発性触媒の存在下、固相重合する
工程、からなる工程で構成される、数式(2)(数1
7)と数式(3)(数18)で示される数値範囲にある
重量平均分子量(Mw)を有する脂肪族ポリエステル
の製造方法。
【数17】 5×10 ≦ Mw ≦ 1×10 (2)
【数18】 Mw < Mw (3)
【0016】[8] 脂肪族二価アルコールが1,4−
ブタンジオール、脂肪族二価カルボン酸がコハク酸であ
り、揮発性触媒が、メタンスルホン酸、エタンスルホン
酸、1−プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p
−クロロベンゼンスルホン酸、m−キシレン−4−スル
ホン酸からなる群から選択される少なくとも一種を含む
ものである[7]に記載の脂肪族ポリエステルの製造方
法。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明はの製造方法は、数式
(1)(数19)で示される数値範囲にある重量平均分
子量(Mw)を有する、脂肪族二価アルコールと脂肪
族二価カルボン酸からなる、結晶化された脂肪族ポリエ
ステルプレポリマーを、揮発性触媒の存在下、固相重合
することにより、数式(2)(数20)と数式(3)
(数21)で示される数値範囲にある重量平均分子量
(Mw)を有する脂肪族ポリエステルを得ることを特
徴とする。
【数19】 2×10 ≦ Mw ≦ 1×10 (1)
【数20】 5×10 ≦ Mw ≦ 1×10 (2)
【数21】 Mw < Mw (3)
【0018】[本出願明細書において使用する語の概
念] (1)語「揮発性触媒」の概念 本明細書に記されている「揮発性触媒」なる語の概念
は、固相重合により脂肪族ポリエステルを製造すること
により、数式(4)(数22)で定義される触媒残留率
Rを、数式(7)(数25)で示される範囲の中の任意
の数値にすることができる機能を有する触媒を意味す
る。
【数22】 R[%] = C[ppm] ÷ C[ppm] × 100 (4) (数式(4)において、Rは、固相重合前後における触
媒濃度の変化の尺度である触媒残留率[%]であり、C
[ppm]は、数式(5)(数23)により算出され
る、固相重合前及び/又は固相重合中に反応系に仕込ま
れた触媒が全て脂肪族ポリエステル中に残留する場合の
理論触媒濃度であり、C[ppm]は、数式(6)
(数24)により算出される、固相重合終了後、最終的
に得られた脂肪族ポリエステル中の触媒濃度である)
【数23】 C[ppm] = W[g] ÷ W[g] × 10 (5) (数式(5)において、W[g]は、固相重合前及び
/又は固相重合中に反応系に仕込まれた触媒の合計重量
であり、W[g]は、固相重合終了後、最終的に得ら
れた脂肪族ポリエステルの重量である)
【数24】 C[ppm] = W[g] ÷ W[g] × 10 (6) (数式(6)において、W[g]は、固相重合終了
後、最終的に得られた脂肪族ポリエステル中に含有され
る触媒重量であり、W[g]は、固相重合終了後、最
終的に得られた脂肪族ポリエステル重量である)
【数25】 0[%] ≦ R[%] < 100[%] (7) (数式(7)において、R[%]は、数式(4)により
算出される、固相重合前後における触媒濃度の変化の尺
度である触媒残留率[%]である)
【0019】すなわち、本発明の方法で揮発性触媒を使
用することにより、固相重合終了後、最終的に得られた
脂肪族ポリエステル中の触媒濃度C[ppm]は、数
式(5)で表される固相重合前及び/又は固相重合中に
反応系に仕込まれた触媒重量から算出される触媒濃度C
[ppm]よりも小さくなる。触媒残留率R[%]の
値が小さいほど、揮発性触媒としての特性が優れている
と言え、得られるポリエステルの安定性が高くなる。触
媒残留率R[%]の値は、揮発性触媒の種類、使用量、
反応方式、反応条件によって変化するが、一般的に触媒
残留率R[%]の値は、50%以下であることが好まし
く、20%以下であることがさらに好ましい。
【0020】このような機能を有する触媒の一例として
は固相重合を行う温度において、蒸気圧を有しているも
のが挙げらる。このような触媒を用いて脂肪族ポリエス
テルプレポリマーを固相重合すると、脂肪族ポリエステ
ルプレポリマーは、重縮合して分子量が増大し、触媒は
自身の有する蒸気圧により、ポリマー中から揮発してポ
リマー中の触媒濃度が低減する。
【0021】(2)語「プレポリマー」の概念 本明細書において、「プレポリマー」なる語の概念は、
固相重合に供するために重縮合反応したオリゴマーやポ
リマーを包含する。
【0022】[脂肪族二価カルボン酸と脂肪族二価アル
コールからなる脂肪族ポリエステルプレポリマーの製造
方法]本発明において使用する脂肪族二価カルボン酸と
脂肪族二価アルコールからなる脂肪族ポリエステルプレ
ポリマーは、脂肪族二価カルボン酸と脂肪族二価アルコ
ールを、触媒の存在下又は非存在下、溶媒の存在下又は
非存在下に、重縮合反応することにより製造される。本
発明において使用する脂肪族二価カルボン酸は、得られ
る脂肪族ポリエステルプレポリマーが結晶性を有してい
るものであれば特に制限されない。
【0023】本発明において使用する脂肪族二価カルボ
ン酸の具体例としては、例えば、コハク酸、シュウ酸、
マロン酸、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、ズベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、
ドデカン二酸、3,3−ジメチルペンタン二酸等の脂肪
族ジカルボン酸や、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環式ジカルボン酸等が挙げられる。また、上記酸の酸無
水物も使用できる。これらは、単独で、又は、2種類以
上組み合わせて使用することができる。 これらの中で
は、コハク酸が好ましい。さらに、分子内に不斉炭素を
有する場合には、D体、L体及びそれらの等量混合物
(ラセミ体)が存在するが、それらの何れも使用するこ
とができる。また、1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボン酸などの、3個以上のカルボキシル基を有する脂肪
族多価カルボン酸及び/又はその酸無水物を少量添加し
ても良い。
【0024】本発明において使用する脂肪族二価アルコ
ールは、得られる脂肪族ポリエステルプレポリマーが結
晶性を有しているものであれば特に制限されない。本発
明において使用する脂肪族二価アルコールの具体例とし
ては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−
ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9
−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これら
は、単独、又は、2種類以上を組み合わせて使用でき
る。これらの中では、エチレングリコール、1,4−ブ
タンジオールが好ましい。また、分子内に不斉炭素を有
する場合には、D体、L体及びそれらの等量混合物(ラ
セミ体)が存在するが、それらの何れも使用することが
できる。また、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール等の3個以上の水酸基を有する脂肪族多価アル
コールを少量添加しても良い。
【0025】重縮合反応の方法には、脂肪族二価カルボ
ン酸と脂肪族二価アルコールを有機溶媒中で重縮合反応
する溶液重合法や、無溶媒で重縮合反応する溶融重合法
があり、所望の重量平均分子量(Mw)や操作の簡便性
に応じて適宜公知の方法を選択して用いられる。溶液重
合法は例えば、US−5,401,796の記載に準じ
た方法が用いられる。
【0026】溶融重合法による脂肪族ポリエステルプレ
ポリマーの製造方法については、特に制限されず、不活
性ガス雰囲気下及び/又は減圧下で重縮合反応すること
ができる。反応温度は、反応系に存在するモノマー(脂
肪族二価カルボン酸と脂肪族二価アルコール)及び生成
する脂肪族ポリエステルプレポリマーが溶融状態であ
り、重縮合反応の進行を維持できれば特に制限されない
が、脂肪族ポリエステルの生成速度と熱分解速度を考慮
して、100〜200℃の範囲が好ましく、110〜1
80℃の範囲がより好ましい。
【0027】有機溶媒中で重縮合反応する方法は、重量
平均分子量が15000以上の脂肪族ポリエステルプレ
ポリマーが容易に得られる点で優れている。また、無溶
媒中で重縮合反応する方法は、有機溶媒を留去する手間
が省けるので、操作的に簡便である点で優れている。
【0028】また、脂肪族ポリエステルプレポリマーを
製造する際、触媒の存在下で重縮合反応しても、非存在
下で重縮合反応しても良いが、通常は触媒の存在下で重
縮合反応を行う。本発明において使用する触媒は、固相
重合前後で、ポリマー中の触媒含有量を減少させること
ができる、揮発性触媒である。本発明において使用する
揮発性触媒は、重縮合反応の進行を実質的に促進すると
共に、揮発性を有するものであれば特に制限されない。
本発明において使用する揮発性触媒の具体例としては、
例えば、有機スルホン酸系化合物が挙げられる。
【0029】有機スルホン酸の具体例としては、例え
ば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパ
ンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ペンタンス
ルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスル
ホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン
酸、1ーデカンスルホン酸等のアルカンスルホン酸、ト
リフルオロメタンスルホン酸等のハロゲン置換アルカン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、m−キシレン−
4−スルホン酸、p−エチルベンゼンスルホン酸、p−
クロロベンゼンスルホン酸、p−ニトロベンゼンスルホ
ン酸、o−ニトロベンゼンスルホン酸、p−ヒドロキシ
ベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸等のベンゼンスル
ホン酸及びベンゼンスルホン酸誘導体、ナフタレン−1
−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、2,5−
ナフタレンジスルホン酸等のナフタレンスルホン酸及び
ナフタレンスルホン酸誘導体等が挙げられ、これらの中
では、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロ
パンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベン
ゼンスルホン酸、m−キシレン−4−スルホン酸が好ま
しく、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロ
パンスルホン酸が特に好ましい。これらは、単独で又は
2種類以上組み合わせて使用することができる。
【0030】上記有機スルホン酸の種類によっては結晶
水を有するものもあり、この場合、触媒を添加する際
に、結晶水による重量平均分子量の低下を考慮しなけれ
ばならない場合もある。触媒添加の際の重量平均分子量
(Mw)が1,000以下の時は結晶水を有したまま触
媒を添加しても構わないが、重量平均分子量(Mw)が
1,000を越える場合は重量平均分子量(Mw)が高
くなるほど、触媒が有する結晶水により、脂肪族ポリエ
ステルの重量平均分子量が低下しやすくなるので予め触
媒が有する結晶水を除去してから触媒添加する方が、反
応の進行を阻害しないので好ましい。
【0031】本発明において揮発性触媒の使用量は、触
媒の揮発性や酸強度等の触媒自身の性質、反応条件を考
慮して、実質的に、反応を促進させることができれば特
に制限されない。揮発性触媒の好ましい使用量は、使用
する触媒の種類によって異なるが、一般的には、得られ
る脂肪族ポリエステルプレポリマー又は脂肪族ポリエス
テルの0.00005〜10重量%の範囲が好ましく、
経済性を考慮すると、0.001〜5重量%の範囲がよ
り好ましく、0.1〜2重量%の範囲がさらに好まし
い。
【0032】本発明において、脂肪族ポリエステルプレ
ポリマーの重量平均分子量(Mw)及び分子量分布につ
いては、脂肪族ポリエステルプレポリマーが結晶化し、
固相重合により充分高分子量の脂肪族ポリエステルが得
られれば特に制限されず、触媒の種類及び量、反応温
度、反応時間等の反応条件を適宜選択することにより所
望のものに制御することができるが、脂肪族ポリエステ
ルプレポリマー中に未反応の脂肪族二価カルボン酸や脂
肪族二価アルコールが含まれていると、固相重合中に前
記の未反応モノマーが揮発してしまい、反応するカルボ
キシル基と水酸基の当量比が合わずに充分な機械強度を
持つ高分子量の脂肪族ポリエステルが得られないことも
ある。それゆえ、脂肪族ポリエステルプレポリマーの重
量平均分子量は、プレポリマー中に実質的に未反応モノ
マーが残存していない程度の分子量を有することが好ま
しい。
【0033】これらのことを勘案すると、本発明で使用
する脂肪族ポリエステルプレポリマーの重量平均分子量
は、一般的には、2,000〜100,000である
が、5,000〜100,000であることが好まし
く、6,000〜100,000であることがより好まし
く、8,000〜100,000であることが更に好まし
く、10,000〜100,000であることが最も好
ましい。
【0034】EP−0953589A2には、本発明者
らにより、脂肪族ヒドロキシカルボン酸ユニットを50
%以上含む、重量平均分子量が2,000〜100,0
00の結晶化された脂肪族ポリエステルプレポリマーを
触媒の存在下、固相重合することにより重量平均分子量
が50,000〜1,000,000の脂肪族ヒドロキ
シカルボン酸ユニットを50%以上含む脂肪族ポリエス
テルの製造方法が開示されている。このEP−0953
589A2で開示されている触媒には、有機スルホン酸
化合物といった揮発性触媒も含まれている。脂肪族ヒド
ロキシカルボン酸ユニットを50%以上含む脂肪族ポリ
エステルプレポリマーを固相重合する場合、主に脂肪族
ヒドロキシカルボン酸ユニットが脱水重縮合反応して分
子量が上昇していく。L−乳酸等の脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸は分子内に水酸基とカルボキシル基をそれぞれ
1個ずつ有しているため、脱水重縮合反応により脂肪族
ポリエステルを製造する過程で水酸基とカルボキシル基
の当量比(水酸基のモル数/カルボキシル基のモル数)
が1からずれることは殆どない。
【0035】一方、本願の脂肪族ポリエステルのよう
に、脂肪族二価カルボン酸と脂肪族二価アルコールを重
縮合反応することにより得られる脂肪族ポリエステル
は、重縮合反応中に脂肪族二価カルボン酸や脂肪族二価
アルコールが揮発する等の原因で水酸基とカルボキシル
基の当量比が1から大きくずれてしまうと高分子量の脂
肪族ポリエステルを得ることができない。そのため、本
願の脂肪族二価カルボン酸と脂肪族二価アルコールから
なる脂肪族ポリエステルプレポリマーにおける水酸基と
カルボキシル基の当量比(水酸基のモル数/カルボキシ
ル基のモル数)は、脂肪族ポリエステルプレポリマーが
ポリブチレンサクシネートの場合、0.99〜1.01
であることが好ましい。更に、上記理由に基づき、固相
重合中に脂肪族二価カルボン酸や脂肪族二価アルコール
が揮発して水酸基とカルボキシル基の当量比が1から大
きくずれることがないように、脂肪族ポリエステルプレ
ポリマーが実質的にモノマー成分である脂肪族二価カル
ボン酸や脂肪族二価アルコールを含んでいないことが好
ましい。
【0036】[プレポリマー固体化工程]プレポリマー
固体化工程は、脂肪族二価アルコールと脂肪族二価カル
ボン酸を重縮合反応した後、固体状のプレポリマーを得
る工程である。固体状のプレポリマーを得る方法につい
ては、特に制限されないが、有機溶媒の有無や、プレポ
リマーの結晶性、量に応じて適宜選択される。プレポリ
マー固体化する方法としては、例えば、有機溶媒中で重
縮合反応した場合には、単に冷却してプレポリマーを晶
析させたり、有機溶媒を留去する方法や、特に有機溶媒
の使用量が少ない場合(例えば、プレポリマーの濃度が
90%以上の場合等)には、液に接触させる方法等が、
また、無溶媒で重縮合反応した場合には、単に冷却する
方法や液に接触させる方法、ペレット製造装置によりペ
レット化する方法等が挙げられる。さらに、所望の形状
(例えば、粉末状、粒状、顆粒状、ペレット状等)や粒
子直径に応じた固体状プレポリマーを得るために、以下
の適当な処理を行う場合がある。
【0037】(1)固体状プレポリマーを粉末状とする
方法 固体状プレポリマーを粉末状とする方法は、特に制限さ
れないが、例えば、ポリエステルプレポリマー製造工程
の終了時にプレポリマーを晶析させてからプレポリマー
と有機溶媒を分離する方法等が挙げられる。 (2)固体状プレポリマーを粒子状、ペレット状とする
方法 固体状プレポリマーを粒子状、ペレット状とする方法
は、特に制限されないが、例えば、少量の有機溶媒を使
用して重縮合反応した場合のプレポリマーの溶液や無溶
媒で重縮合反応した場合のプレポリマーの溶融液を液と
接触させる方法等が挙げられる。
【0038】溶液状態(有機溶媒を使用した場合)もし
くは、溶融状態(有機溶媒を使用しなかった場合)で、
液と接触させる方法は何ら限定されるものではない。例
えば、プレポリマーの溶融液を、水に滴下して固体化さ
せると球状のペレットが得られる。また液と接触させて
固体化する場合、固体化させた後、液と接触させたまま
結晶化させることもできる。さらに、重縮合反応終了
後、反応液を押出機に移しペレット化することによりペ
レットを得る方法や、ペレット製造装置によりペレット
を製造する方法等も挙げられる。
【0039】ペレット製造装置は、特に限定されるもの
ではないが、例えば、サンドビック社製ストリップフォ
ーマー、ロートフォーマー、ダブルロールフィーダー、
カイザー社製ロータリー式ドロップフォーマー、及び、
ピストン式ドロップフォーマー、三菱化成エンジニアリ
ング社製ドラムクーラー、日本ベルディング社製スチー
ルベルトクーラーおよびハイブリッドフォーマー等が挙
げられる。脂肪族ポリエステルプレポリマーの溶融液滴
発生装置、並びに溶液液滴発生装置は、特に限定される
ものではないが、それらの具体例としては、カイザー社
製パスチレータ等が挙げられる。
【0040】また、サンドビック社のロートフォーマー
を使用すれば、相対粘度が1.5より小さい、比較的低
い重量平均分子量の脂肪族ポリエステルプレポリマーも
造粒することができる。ただし、ここでの相対粘度は、
溶媒としてフェノール/テトラクロロエタン(1/1、
重量比)混合溶媒を用い、濃度0.5g/デシリットル
でのポリマー溶液の粘度を、ウベローデ粘度計を用い
て、30℃で測定することにより得られる。
【0041】ペレット形状や粒形状は、特に限定される
ものではない。ペレット形状や粒形状は、粉砕状、チッ
プ状、球状、円柱状、マーブル状、タブレット状など特
定の形状の必要はないが、一般には、球状、円柱状、又
は、マーブル状が好ましい。固体状プレポリマーの粒子
直径は、特に制限されるものではないが、通常、工程に
おける操作容易性や、固相重合においてポリエステルか
ら揮発性触媒が揮散していく速度や効率を考慮して設定
される。特に、揮発性触媒が有する揮発性(固相重合に
おいて、重合しているポリエステルから触媒が揮散して
いく機能)が充分に発現されることを考慮して、固体状
プレポリマーの粒子直径が設定される。このような揮発
性が充分に発現されるような固体状プレポリマー単位重
量当たりの固体状プレポリマー表面積を考慮すると、一
般的には、固体状プレポリマーの粒子直径は、10μm
〜10mmであることが好ましく、0.1mm〜10m
mがより好ましく、1mm〜5mmがさらに好ましい。
【0042】固体状プレポリマーを製造する工程で、固
相重合工程で用いる触媒を添加してもよい。この触媒の
添加方法は特に制限されない。触媒をプレポリマー中に
均一に分散させることが好ましいので、その具体例は、
例えば、塊状のプレポリマーを粉砕する際に触媒を添加
したり、ペレット化する際に触媒を添加したりすること
ができる。
【0043】[プレポリマー結晶化工程]プレポリマー
結晶化工程は、プレポリマー固体化工程で得られた固体
状プレポリマーを結晶化させる工程である。プレポリマ
ー結晶化工程におけるプレポリマーを結晶化させる方法
は、特に制限されず、例えば、温めた窒素ガス雰囲気下
等、気相中で加熱する等の従来公知の様々な方法や、液
と接触させることにより結晶化させる方法等を用いるこ
とができる。また、必要に応じて結晶核剤を添加しても
良い。
【0044】結晶化のために、脂肪族ポリエステルプレ
ポリマーと液体の接触方法は特に制限されるものではな
い。例えば、脂肪族ポリエステルプレポリマーが固体状
態の場合、脂肪族ポリエステルプレポリマー固形物を液
体中に装入して液と接触させる方法や、逆に液体を脂肪
族ポリエステルプレポリマー固形物に注いで液と接触さ
せる方法などが挙げられる。
【0045】結晶化のために、脂肪族ポリエステルプレ
ポリマー固形物を液体中に装入する方法としては、例え
ば、槽を用いる方法、塔を用いる方法などがある。槽を
用いる場合、攪拌はしてもしなくてもよいが、プレポリ
マー同士が接触しないようするために攪拌した方が好ま
しい。塔を用いる場合は、脂肪族ポリエステルプレポリ
マー固形物と液とを向流で接触させることも並流で接触
させることもできる。また、流れている液体中に脂肪族
ポリエステルプレポリマー固形物を装入することもでき
る。
【0046】結晶化のために、液体を脂肪族ポリエステ
ルプレポリマー固形物に注いで接触させる方法は、脂肪
族ポリエステルプレポリマー固形物に液体を散布した
り、脂肪族ポリエステルプレポリマー固形物の充填され
た塔に液体を流通させるなどの方法でもよい。
【0047】結晶化に使用する液体としては、結晶化さ
せる液温で脂肪族ポリエステルプレポリマーが溶解しな
いものであればよく、水、アルコール、脂肪族炭化水
素、ケトン類、エーテル類、エステル類等の、一般的に
使用される汎用溶媒を使用することができる。これらは
単一組成でもよく、混合して用いてもよい。また必要に
応じて、液に有機酸を添加しても良い。
【0048】結晶化に使用する液体として用いるアルコ
ールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロ
パノール、iso−プロパノール、ブタノール、iso
−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノ
ール、ペンタノール、iso−ペンタノール、tert
−ペンタノール、ヘキサノール、iso−ヘキサノー
ル、tert−ヘキサノール、シクロヘキサノールが挙
げられる。脂肪族炭化水素としては、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、
n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−トリ
デカン、n−テトラデカンが挙げられる。ケトンとして
は、アセトン、メチルエチルケトンが挙げられ、エーテ
ルとしては、メチル−t−ブチルエーテル、ジブチルエ
ーテルが挙げられ、エステル類としては、酢酸エチル、
酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルが挙
げられる。これらの中でも水が好ましい。
【0049】また、結晶化に使用する液体の量は、プレ
ポリマー同士が融着しなければ特に制限されない。液体
と接触させることにより脂肪族ポリエステルプレポリマ
ーを結晶化した後、公知の方法により結晶化させたプレ
ポリマーと液体とを分離することができる。液体と分離
後、公知の方法により乾燥させ、結晶化させた脂肪族ポ
リエステルプレポリマーを得ることができる。
【0050】[固相重合工程]固相重合工程は、結晶化
された脂肪族ポリエステルプレポリマーを、前述の揮発
性触媒の存在下、固相重合する工程である。固相重合反
応条件は、反応系に存在するポリマー(脂肪族ポリエス
テルプレポリマー及び反応生成物である脂肪族ポリエス
テル)が実質的に固体状態を維持し、固相重合後におけ
る脂肪族ポリエステル中の触媒濃度が、固相重合前の触
媒濃度の数値以下であり、かつ、固相重合後の脂肪族ポ
リエステルの重量平均分子量(Mw)が、固相重合前の
重量平均分子量(Mw)の数値以上であれば特に制限さ
れない。
【0051】固相重合反応条件は、反応系に存在するポ
リマー(脂肪族ポリエステルプレポリマー及び反応生成
物である脂肪族ポリエステル)が実質的に固体状態を維
持し、固相重合後における脂肪族ポリエステル中の触媒
濃度が、固相重合前の触媒濃度の数値以下であり、固相
重合前の脂肪族ポリエステルプレポリマーの重量平均分
子量(Mw1)が、数式(1)(数26)で示される数
値範囲にあり、固相重合後の脂肪族ポリエステルの重量
平均分子量(Mw2)が、数式(2)(数27)と数式
(3)(数28)で示される数値範囲であれば特に制限
されない。
【数26】 2×103 ≦ Mw1 ≦ 1×105 (1)
【数27】 5×104 ≦ Mw2 ≦ 1×106 (2)
【数28】 Mw1 < Mw2 (3)
【0052】この様にして固相重合後、数式(4)(数
30)により計算される触媒残留率R[%]は、数式
(7)(数29)により示される数値範囲内に制御され
る。Rは50%以下が好ましく、20%以下がより好ま
しい。。
【数29】 0[%] ≦ R[%] < 100[%] (7) (数式(7)において、R[%]は、数式(4)により
算出される、固相重合後における触媒濃度の変化の尺度
である触媒残留率[%]である)
【数30】 R[%] = CA[ppm] ÷ CB[ppm] × 100 (4) (数式(4)において、CB[ppm]は、数式(5)
(数31)により算出される、固相重合前及び/又は固
相重合中に反応系に仕込まれた触媒が全て脂肪族ポリエ
ステル中に残留する場合の理論触媒濃度であり、C
A[ppm]は、数式(6)(数32)により算出され
る、固相重合後、最終的に得られた脂肪族ポリエステル
中の触媒濃度である)
【数31】 CB[ppm] = WB[g] ÷ WP[g] × 106 (5) (数式(5)において、WB[g]は、固相重合前及び
/又は固相重合中に反応系に仕込まれた触媒の合計重量
であり、WP[g]は、固相重合後、最終的に得られた
脂肪族ポリエステルの重量である)
【数32】 CA[ppm] = WA[g] ÷ WP[g] × 106 (6) (数式(6)において、WA[g]は、固相重合後、最
終的に得られた脂肪族ポリエステル中に含有される触媒
重量であり、WP[g]は、固相重合後、最終的に得ら
れた脂肪族ポリエステル重量である)
【0053】固相重合工程における反応温度は、反応系
に存在するポリマー(脂肪族ポリエステルプレポリマー
及び反応生成物である脂肪族ポリエステル)が実質的に
固体状態を維持していれば特に制限されない。一般的に
は、反応温度が高い程、重合速度が速く、また揮発性触
媒が揮散しやすくなる。このため、高分子量のポリエス
テルを得るには、ポリマー(プレポリマー及び反応生成
物であるポリエステル)のガラス転移温度以上(T
g)、融点(Tm)以下の温度範囲で、触媒の揮散速度
を考慮して、反応温度を設定する。
【0054】本発明の固相重合工程は、重合により生成
した水を除去するために、流通ガス雰囲気下で行うこと
が好ましい。固相重合工程で使用する流通ガス、すなわ
ち、反応系に流通させるガスの具体例としては、例え
ば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、キセノン
ガス、クリプトンガス等の不活性ガスや、乾燥空気等が
挙げられる。
【0055】流通ガスの含水量については、できるだけ
低く、実質的に無水状態のガスであることが好ましい。
含水量が多いと重縮合反応で生成した水が効率よく除去
できないため重合速度が遅くなり好ましくない。この場
合、ガスをモレキュラーシーブ類やイオン交換樹脂類等
を充填した層に通すことにより脱水して使用することが
できる。流通ガスの含水量を、露点で示すと、ガスの露
点が、−20℃以下であることが好ましく、−50℃以
下であることがより好ましい。
【0056】流通ガスの流量は、重合速度や、揮発性触
媒の種類及び使用量、固相重合工程において脂肪族ポリ
エステルから揮発性触媒が揮散していく速度や効率、固
相重合により生成した水を除去する速度や効率、到達重
量平均分子量(Mw)等を考慮して設定される。流通ガ
スを反応系内に流通させる効果は、固相重合で生成した
水を効率よく系外へ除去することができ、それにより十
分に高い重量平均分子量の脂肪族ポリエステルを効率よ
く得ることができることにある。従って、一般的に、流
通ガスの流量が多いほど、固相重合において生成した水
を効率よく除去することができると考えられるが、一方
で、固相重合における脂肪族ポリエステルから揮発性触
媒の揮散速度も速くなるので、高い重量平均分子量(例
えば、Mw=5×10〜1×10)を有する脂肪族
ポリエステルを所望する場合には、脱水重縮合反応の過
程の少なくとも一部において、流通ガスの流量を一定水
準に抑制する必要がある。
【0057】通常、高い重量平均分子量(例えば、Mw
=5×10〜1×10)を有する脂肪族ポリエステ
ルを所望する場合には、プレポリマー1g当たりの流通
ガスの流量は、0.02〜200[ml/分]が好まし
く、0.3〜150[ml/分]がより好ましく、0.
5〜100[ml/分]がさらに好ましい。プレポリマ
ー1g当たりの流通ガスの流量が、0.02[ml/
分]未満では、重縮合反応において、生成した水を除去
する効率が顕著に悪くなり、高い重量平均分子量(例え
ば、Mw=5×10〜1×10)を有するポリエス
テルを得られない。線速で表すと、0.01〜500
[cm/秒]であることが好ましい。
【0058】減圧下で固相重合工程を行う場合、反応系
内の減圧度は、実質的に重縮合反応の進行を維持して、
充分に高い重量平均分子量(例えば、Mw=5×10
〜1×10)を有する脂肪族ポリエステルが得られれ
ば、特に制限されない。減圧下で固相重合工程を行う場
合、反応系内の減圧度は、重合速度や、揮発性触媒の種
類及び使用量、固相重合において脂肪族ポリエステルか
ら揮発性触媒が揮散していく速度や効率、固相重合によ
り生成した水を除去する速度や効率、到達重量平均分子
量(Mw)等を考慮して設定される。
【0059】加圧下で固相重合工程を行う場合、反応系
内の圧力は、実質的に重縮合反応の進行を維持して、充
分に高い重量平均分子量(例えば、Mw=5×10
1×10)を有する脂肪族ポリエステルが得られれ
ば、特に制限されない。加圧下で固相重合工程を行う場
合、反応系内の圧力は、重合速度や、揮発性触媒の種類
及び使用量、固相重合において脂肪族ポリエステルから
揮発性触媒が揮散していく速度や効率、脱水重縮合反応
により生成した水を除去する速度や効率、到達重量平均
分子量(Mw)等を考慮して設定される。一般的に、加
圧下で固相重合工程を行うと、揮発性触媒は揮散しにく
くなる。
【0060】脂肪族ポリエステル中の触媒濃度を低減さ
せるための方法は、固相重合後、最終的に得られた脂肪
族ポリエステル中の触媒濃度が、固相重合前及び/又は
固相重合中に、反応系に仕込まれた触媒が全て脂肪族ポ
リエステル中に残留した場合の理論触媒濃度よりも小さ
くなっていれば特に制限されない。例えば、固相重合を
行いながら同時並行して脂肪族ポリエステル中の触媒濃
度を低減させるか、もしくは、反応条件を多段階又は連
続的に変更して固相重合を行う場合、反応前半の固相重
合においては、脂肪族ポリエステル中の触媒濃度をでき
るだけ低減させずに固相重合を行い、反応後半の固相重
合において固相重合を行いながら同時並行して脂肪族ポ
リエステル中の触媒濃度を低減させることができる。さ
らに、固相重合に際し、重量平均分子量が増加しなくな
った後、脂肪族ポリエステル中の触媒濃度をさらに低減
させるために、反応条件を保持したまま触媒除去を行っ
てもよい。
【0061】一般的には、反応条件と触媒の揮発性との
関係は、以下の(1)〜(4)のとおりである。 (1)反応圧力を上げると、揮発性触媒は、脂肪族ポリ
エステルから揮散しにくくなる。 (2)反応温度を上げると、揮発性触媒は、脂肪族ポリ
エステルから揮散しやすくなる。 (3)反応時間を長くすると、揮発性触媒は、脂肪族ポ
リエステルから揮散しやすくなる。 (4)流通ガスの流量を上げると、揮発性触媒は、脂肪
族ポリエステルから揮散しやすくなる。
【0062】本発明において、揮発性触媒を使用し、固
相重合と同時に及び/又は固相重合後に同一反応系で、
揮発性触媒を揮散させることにより、煩雑な触媒除去工
程を経ることなく、高分子量かつ、安定性に優れた脂肪
族ポリエステルを製造することができる。
【0063】[固相重合後、最終的に得られた脂肪族ポ
リエステル中の触媒濃度(CA)]一般的に、固相重合
後、最終的に得られた脂肪族ポリエステル中の触媒濃度
(CA)は、加工時の安定性や、使用時における触媒の
溶出やブリードアウトを考慮するとできるだけ低いこと
が好ましい。
【0064】本発明の方法で揮発性触媒として有機スル
ホン酸系化合物を使用する場合、有機スルホン酸系化合
物の種類によって、触媒残留濃度と安定性の関係が大き
く異なるため、一般的に、有機スルホン酸系化合物の触
媒活性に関係しているスルホン酸官能基の濃度又は硫黄
元素の濃度等で表す方が好ましい。上記の点を考慮し、
揮発性触媒として有機スルホン酸系化合物を使用する場
合、固相重合後、最終的に得られた脂肪族ポリエステル
中の触媒濃度(CA)は、硫黄分に換算して、300
[ppm]以下であることが好ましく、150[pp
m]以下であることがより好ましい。
【0065】[脂肪族ポリエステルの重量平均分子量
(Mw)]本発明に係る脂肪族ポリエステルの重量平均
分子量(Mw)及び分子量分布は、触媒の種類及び量、
反応圧力、反応温度、反応時間、流通ガスの流量、脂肪
族ポリエステルの粒子直径等の反応条件を適宜選択する
ことにより、所望のものに制御することができる。本発
明に係る脂肪族ポリエステルの重量平均分子量(Mw)
は、一般的には、約50,000〜1,000,000
の範囲のものが好ましく、70,000〜500,00
0の範囲のものがより好ましく、100,000〜30
0,000の範囲のものが特に好ましい。
【0066】[脂肪族ポリエステルの成形加工法と用
途]本発明に係る脂肪族ポリエステルは、本出願前に公
知・公用であった医療用途、食料品包装用途や汎用に使
用されている樹脂の代替物として好適に使用することが
できる。本発明に係る脂肪族ポリエステルの用途は、特
に制限されるものではないが、重量平均分子量が顕著に
高く、機械的物性(引張強度、引張伸度等)に優れるの
で、食品容器、工業繊維、フィルム等への応用も好適で
ある。本発明に係る脂肪族ポリエステルの成形加工法
は、特に制限されないが、具体的には、射出成形、押出
成形、インフレーション成形、押出中空成形、発泡成
形、カレンダー成形、ブロー成形、バルーン成形、真空
成形、紡糸等の成型加工法が挙げられる。
【0067】また、該脂肪族ポリエステルは、適当な成
形加工法により、例えば、ボールペン・シャープペン・
鉛筆等の筆記用具の部材、ステーショナリーの部材、ゴ
ルフ用ティー、始球式用発煙ゴルフボール用部材、経口
医薬品用カプセル、肛門・膣用座薬用担体、皮膚・粘膜
用張付剤用担体、農薬用カプセル、肥料用カプセル、種
苗用カプセル、コンポスト、釣り糸用糸巻き、釣り用浮
き、漁業用擬餌、ルアー、漁業用ブイ、狩猟用デコイ、
狩猟用散弾カプセル、食器等のキャンプ用品、釘、杭、
結束材、ぬかるみ・雪道用滑り止め材、ブロック、弁当
箱、食器、コンビニエンスストアで販売されるような弁
当や惣菜の容器、箸、割り箸、フォーク、スプーン、
串、つまようじ、カップラーメンのカップ、飲料の自動
販売機で使用されるようなカップ、鮮魚、精肉、青果、
豆腐、惣菜等の食料品用の容器やトレイ、鮮魚市場で使
用されるようなトロバコ、牛乳・ヨーグルト・乳酸菌飲
料等の乳製品用のボトル、炭酸飲料・清涼飲料等のソフ
トドリンク用のボトル、ビール・ウイスキー等の酒類ド
リンク用のボトル、シャンプーや液状石鹸用のポンプ付
き、又は、ポンプなしのボトル、歯磨き粉用チューブ、
化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、保冷箱、植木鉢、
浄水器カートリッジのケーシング、人工腎臓や人工肝臓
等のケーシング、注射筒の部材、テレビやステレオ等の
家庭電化製品の輸送時に使用するための緩衝材、コンピ
ューター・プリンター・時計等の精密機械の輸送時に使
用するための緩衝材、ガラス・陶磁器等の窯業製品の輸
送時に使用するための緩衝材等に使用することができ
る。
【0068】
【実施例】以下に合成例、実施態様、実施例をあげて本
発明を詳述する。なお、本出願の明細書における合成
例、態様、実施例の記載は、本発明の内容の理解を支援
するための説明であって、その記載は本発明の技術的範
囲を狭く解釈する根拠となる性格のものではない。
【0069】この実施例で用いた評価方法は、以下の通
りである。 (1)重量平均分子量 得られた脂肪族ポリエステルの重量平均分子量(Mw)
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C、カラム温度40℃、クロロホルム溶媒)により、ポ
リスチレン標準サンプルとの比較で求めた. (2)脂肪族ポリエステル中の触媒濃度(硫黄濃度) 脂肪族ポリエステル中の触媒濃度(硫黄濃度)は、イオ
ンクロマトグラフィーにより定量した。すなわち、試料
を密閉系の中、900℃に加熱し(Ar/O)灰化し
た際に発生するガスを、定容した吸収液(1%−H
溶液)に吸収させ、イオンクロマトグラフィーにより
定量した。イオンクロマトグラフィーの測定には、ダイ
オネクス社製イオンクロマトDX−300型を使用し
た。
【0070】(3)触媒残留率(R) 触媒残留率(R)は、本発明の詳細な説明の中で示した
数式に従って計算した。但し、固相重合後、最終的に得
られた脂肪族ポリエステル中の触媒濃度CAについては
(2)で定量した硫黄分析値を、実施例で使用した各種
有機スルホン酸系化合物に換算した。以下の実施例中で
は、固相重合後、最終的に得られた脂肪族ポリエステル
中の触媒濃度CA、及び固相重合前及び/又は固相重合
中に仕込まれた触媒が全てポリエステル中に残留する場
合の理論触媒濃度Cは、それぞれ、単に触媒濃度
A、触媒濃度Cと記した。
【0071】(4)プレス時重量分子量保持率 プレス時重量分子量保持率は、150℃で加熱プレスフ
ィルムを作成する前の重量平均分子量と熱プレスフィル
ムを作成した後の重量平均分子量の比より算出した。プ
レスフィルムは固相重合で得られた脂肪族ポリエステル
を60℃で5時間真空乾燥処理を行った後、プレス温度
150℃で、保持時間3分、プレス圧力10MPaで1
分の計4分間加熱して、厚さ100μmのフィルムを作
製した。
【0072】実施例1 コハク酸118.1g(=1モル)、1,4−ブタンジ
オール91.0g(=1.01モル)、メタンスルホン
酸0.86gをディーンスタークトラップが装着され
た、500mlの丸底フラスコに装入し、150℃/窒
素雰囲気下で9時間、さらに、150℃/15mmHg
で0.5時間、系外に水を留去しながら加熱撹拌した。
この時の重量平均分子量は27,000であった。この
後、フラスコの底部から滴下ができる、ヒーター付きの
セパラブルフラスコに反応液を移し、液温を140℃に
保温しながらフラスコの底部から水中へ反応液を滴下し
て、固体化及び結晶化された脂肪族ポリエステルプレポ
リマー158.2g(収率92%)を得た。このプレポ
リマー60gを窒素雰囲気下で乾燥させた後、SUS製
の固相重合用反応器に装入して、100℃/窒素流量5
0ml/minに条件で100時間、固相重合を行っ
た。使用した窒素ガスの露点は−60℃であった。さら
に、触媒を除去するために、105℃/窒素流量600
0ml/minで30時間加熱を継続した。このように
して脂肪族ポリエステル(ポリブチレンサクシネート)
57g(収率95%)を得た。諸物性を以下に示す。 重量平均分子量(Mw)=108,000 引張強度=260[kg/cm] 引張伸度=480[%] 触媒濃度CA=420[ppm](硫黄分析値:140
[ppm]) 触媒濃度CB=5700[ppm] 触媒残留率R=7.4[%] プレス時分子量保持率=94[%]
【0073】実施例2 コハク酸118.1g(=1モル)、1,4−ブタンジ
オール91.0g(=1.01モル)、エタンスルホン
酸0.86gをディーンスタークトラップが装着され
た、500mlの丸底フラスコに装入し、150℃/窒
素雰囲気下で9時間、さらに、150℃/15mmHg
で0.5時間、系外に水を留去しながら加熱撹拌した。
この時の重量平均分子量は26,000であった。この
後、フラスコの底部から滴下ができる、ヒーター付きの
セパラブルフラスコに反応液を移し、液温を140℃に
保温しながらフラスコの底部から水中へ反応液を滴下し
て、固体化及び結晶化された脂肪族ポリエステルプレポ
リマー157.7g(収率92%)を得た。このプレポ
リマー60gを窒素雰囲気下で乾燥させた後、SUS製
の固相重合用反応器に装入して、100℃/窒素流量5
0ml/minに条件で100時間、固相重合を行っ
た。使用した窒素ガスの露点は−60℃であった。さら
に、触媒を除去するために、105℃/窒素流量600
0ml/minで30時間加熱を継続した。このように
して脂肪族ポリエステル(ポリブチレンサクシネート)
56g(収率93%)を得た。諸物性を以下に示す。 重量平均分子量(Mw)=103,000 引張強度=250[kg/cm] 引張伸度=480[%] 触媒濃度CA=520[ppm](硫黄分析値:150
[ppm]) 触媒濃度CB=5800[ppm] 触媒残留率R=9.0[%] プレス時分子量保持率=93[%]
【0074】実施例3 コハク酸118.1g(=1モル)、1,4−ブタンジ
オール91.0g(=1.01モル)、1−プロパンス
ルホン酸0.86gをディーンスタークトラップが装着
された、500mlの丸底フラスコに装入し、150℃
/窒素雰囲気下で9時間、さらに、150℃/15mm
Hgで0.5時間、系外に水を留去しながら加熱撹拌し
た。この時の重量平均分子量は26,000であった。
この後、フラスコの底部から滴下ができる、ヒーター付
きのセパラブルフラスコに反応液を移し、液温を140
℃に保温しながらフラスコの底部から水中へ反応液を滴
下して、固体化及び結晶化された脂肪族ポリエステルプ
レポリマー157.0g(収率91%)を得た。このプ
レポリマー60gを窒素雰囲気下で乾燥させた後、SU
S製の固相重合用反応器に装入して、100℃/窒素流
量50ml/minに条件で100時間、固相重合を行
った。使用した窒素ガスの露点は−60℃であった。さ
らに、触媒を除去するために、105℃/窒素流量60
00ml/minで30時間加熱を継続した。このよう
にして脂肪族ポリエステル(ポリブチレンサクシネー
ト)56g(収率93%)を得た。諸物性を以下に示
す。 重量平均分子量(Mw)=103,000 引張強度=250[kg/cm] 引張伸度=480[%] 触媒濃度CA=580[ppm](硫黄分析値:150
[ppm]) 触媒濃度CB=5900[ppm] 触媒残留率R=9.8[%] プレス時分子量保持率=93[%]
【0075】比較例1 コハク酸118.1g(=1モル)、1,4−ブタンジ
オール91.0g(=1.01モル)、金属錫0.86
gをディーンスタークトラップが装着された、500m
lの丸底フラスコに装入し、150℃/窒素雰囲気下で
9時間、さらに、150℃/15mmHgで0.5時
間、系外に水を留去しながら加熱撹拌した。この時の重
量平均分子量は24,000であった。この後、フラス
コの底部から滴下ができる、ヒーター付きのセパラブル
フラスコに反応液を移し、液温を140℃に保温しなが
らフラスコの底部から水中へ反応液を滴下して、固体化
及び結晶化された脂肪族ポリエステルプレポリマー15
7.7g(収率92%)を得た。このプレポリマー60
gを窒素雰囲気下で乾燥させた後、SUS製の固相重合
用反応器に装入して、100℃/窒素流量50ml/m
inに条件で100時間、105℃/窒素流量6000
ml/minで30時間、の合計130時間、固相重合
を行った。固相重合が終了した時点での脂肪族ポリエス
テルの収量は55g(収率92%)であった。また、使
用した窒素ガスの露点は−60℃であった。その後、固
相重合が終了したポリマーを500mlのクロロホルム
に溶解し、6000mlのアセトンでポリマーを沈殿さ
せた。その後、触媒を除去するために、塩酸0.5wt
%含有するメチルターシャリーブチルエーテル500m
lでスラッジしてから、ろ過する操作を2回行った。最
後に、1000mlのメチルターシャリーブチルエーテ
ルで洗浄したポリマーを乾燥して、脂肪族ポリエステル
(ポリブチレンサクシネート)52g(収率87%)を
得た。諸物性を以下に示す。なお、触媒濃度(錫濃度)
は蛍光X線分析法により定量した。 重量平均分子量(Mw)=98,000 引張強度=230[kg/cm] 引張伸度=470[%] 触媒濃度(錫濃度)CA=5900[ppm] 触媒濃度(錫濃度)CB=5900[ppm] 触媒残留率R=100[%] 触媒除去後の錫濃度=20[ppm] プレス時分子量保持率=93%
【0076】比較例2 コハク酸118.1g(=1モル)、1,4−ブタンジ
オール91.0g(=1.01モル)、金属錫0.86
gをディーンスタークトラップが装着された、500m
lの丸底フラスコに装入し、150℃/窒素雰囲気下で
9時間、さらに、150℃/15mmHgで0.5時
間、系外に水を留去しながら加熱撹拌した。この時の重
量平均分子量は24,000であった。この後、フラス
コの底部から滴下ができる、ヒーター付きのセパラブル
フラスコに反応液を移し、液温を140℃に保温しなが
らフラスコの底部から水中へ反応液を滴下して、固体化
及び結晶化された脂肪族ポリエステルプレポリマー15
7.7g(収率92%)を得た。このプレポリマー60
gを窒素雰囲気下で乾燥させた後、SUS製の固相重合
用反応器に装入して、100℃/窒素流量50ml/m
inに条件で100時間、105℃/窒素流量6000
ml/minで30時間、の合計130時間、固相重合
を行った。固相重合が終了した時点での脂肪族ポリエス
テル(ポリブチレンサクシネート)の収量は55g(収
率92%)であった。また、使用した窒素ガスの露点は
−60℃であった。諸物性を以下に示す。なお、触媒濃
度(錫濃度)は蛍光X線分析法により定量した。 重量平均分子量(Mw)=98,000 触媒濃度(錫濃度)CA=5900[ppm] 触媒濃度(錫濃度)CB=5900[ppm] 触媒残留率R=100[%] プレス時分子量保持率=30%
【0077】
【発明の効果】本発明の脂肪族ポリエステルの製造方法
は、触媒として揮発性触媒用いるので、固相重合と同時
に及び/又は固相重合後に同一反応系を保ったまま、触
媒を除去することができるので、煩雑な触媒除去工程を
必要とする従来の技術と比較して、製造プロセスを合理
化することができる。従って、本発明により得られる高
分子量の脂肪族ポリエステルは、従来の触媒除去を行っ
た脂肪族ポリエステルと同等の安定性を有する。さら
に、本発明に係る脂肪族ポリエステルの製造方法は、有
機溶媒中で重縮合反応を行う製造方法と比較して、設備
の容積効率を向上できるので設備費を低く押さえること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 正利 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番地32 三井化学株式会社内 (72)発明者 味岡 正伸 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 平岡 章二 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 酒井 勝幸 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 鈴木 博之 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 木村 拡 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番地32 三井化学株式会社内 (72)発明者 小川 伸二 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 小瀧 泰 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数式(1)(数1)で示される数値範囲に
    ある重量平均分子量(Mw1)を有する、結晶化された
    脂肪族二価アルコールと脂肪族二価カルボン酸からなる
    脂肪族ポリエステルプレポリマーを、揮発性触媒の存在
    下、固相重合することにより、数式(2)(数2)と数
    式(3)(数3)で示される数値範囲にある重量平均分
    子量(Mw)を有する脂肪族ポリエステルを得ること
    を特徴とする、脂肪族ポリエステルの製造方法。 【数1】 2×10 ≦ Mw ≦ 1×10 (1) 【数2】 5×10 ≦ Mw ≦ 1×10 (2) 【数3】 Mw < Mw (3)
  2. 【請求項2】数式(4)(数4)で示される、触媒残留
    率Rが、50%以下であることを特徴とする請求項1に
    記載した脂肪族ポリエステルの製造方法。 【数4】 R[%] = C[ppm] ÷ C[ppm] × 100 (4) (数式(4)において、Rは、固相重合前後における触
    媒濃度の変化の尺度である触媒残留率[%]であり、C
    [ppm]は、数式(5)(数5)により算出され
    る、固相重合前及び/又は固相重合中に反応系に仕込ま
    れた触媒が全て脂肪族ポリエステル中に残留する場合の
    理論触媒濃度であり、C[ppm]は、数式(6)
    (数6)により算出される、固相重合終了後、最終的に
    得られた脂肪族ポリエステル中の触媒濃度である) 【数5】 C[ppm] = W[g] ÷ W[g] × 10 (5) (数式(5)において、W[g]は、固相重合前及び
    /又は固相重合中に反応系に仕込まれた触媒の合計重量
    であり、W[g]は、固相重合終了後、最終的に得ら
    れた脂肪族ポリエステルの重量である) 【数6】 C[ppm] = W[g] ÷ W[g] × 10 (6) (数式(6)において、W[g]は、固相重合終了
    後、最終的に得られた脂肪族ポリエステル中に含有され
    る触媒重量であり、W[g]は、固相重合終了後、最
    終的に得られた脂肪族ポリエステル重量である)
  3. 【請求項3】脂肪族ポリエステルプレポリマーが、コハ
    ク酸と1,4−ブタンジオールからなるポリブチレンサ
    クシネートプレポリマーであり、脂肪族ポリエステル
    が、ポリブチレンサクシネートである請求項1又は2に
    記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】揮発性触媒が有機スルホン酸系化合物であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載した脂肪族ポ
    リエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】有機スルホン酸系化合物がメタンスルホン
    酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、ベン
    ゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、m−
    キシレン−4−スルホン酸からなる群から選択された少
    なくとも一種を含有するものである請求項4に記載した
    脂肪族ポリエステルの製造方法。
  6. 【請求項6】最終的に得られた脂肪族ポリエステル中の
    触媒濃度が、硫黄分に換算して0〜300ppmである
    ことを特徴とする、請求項4に記載した脂肪族ポリエス
    テルの製造方法。
  7. 【請求項7】(A)工程として、脂肪族二価アルコール
    と脂肪族二価カルボン酸を、触媒の存在下又は非存在
    下、溶媒の存在下又は非存在下、重縮合反応して数式
    (1)(数7)で示される数値範囲にある重量平均分子
    量(Mw)を有する脂肪族ポリエステルプレポリマー
    を製造する工程、 【数7】 2×10 ≦ Mw ≦ 1×10 (1) (B)工程として、(A)工程で得られた脂肪族ポリエ
    ステルプレポリマーを結晶化する工程、(C)工程とし
    て、(B)工程で得られた結晶化した脂肪族ポリエステ
    ルプレポリマーを、揮発性触媒の存在下、固相重合する
    工程、からなる工程で構成される、数式(2)(数8)
    と数式(3)(数9)で示される数値範囲にある重量平
    均分子量(Mw)を有する脂肪族ポリエステルの製造
    方法。 【数8】 5×10 ≦ Mw ≦ 1×10 (2) 【数9】 Mw < Mw (3)
  8. 【請求項8】脂肪族二価アルコールが1,4−ブタンジ
    オール、脂肪族二価カルボン酸がコハク酸であり、揮発
    性触媒が、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−
    プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロ
    ベンゼンスルホン酸、m−キシレン−4−スルホン酸か
    らなる群から選択される少なくとも一種を含むものであ
    る請求項7に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
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